24回
2025/01 訪問
シノワ周年スペシャルディナー
「シノワの料理は中華のいいところだけをつなぎあわせた料理なんです」
篠原シェフの前口上から始まるスペシャルな会。
それはすでに半年前の確認から始まってた。
「蛇、大丈夫ですか?」
…どうなんだろう。蛇が大丈夫かどうかをこの人生今の今まで考えてこなかった。
というわけで常連だけが招待された特別な夜。
篠原シェフ曰く「今日は中国料理のいいところも悪いところも全部飲み込んだ特別料理の数々をお出しします」と。
さて開幕はその蛇から。
4種の蛇とフカヒレの上湯スープ。
食べ慣れたスープの奥の方に確かに味わったことのない野生味のある何かがいる。お前が蛇か。
香港の引き出しをガラリと開けて生きた蛇を売ってくれてた蛇屋さんがコロナ禍を経て生蛇を売ることが禁止になったようで仕入れが大変だったという苦労話がまろびでる。
次は豚の丸焼き。
これもこのサイズの豚を仕入れるのが大変だそう。
伝統的な調理法で、豚の臭みが一切消えていない。
なるほどこれが剥き出しの中華料理…!
食べるのは皮表面を一センチ四方に切っただけの量。王侯の食べ方だけどこれ以上の量食べると脳の臭みキャパが溢れそう。なんにでも理屈はあるのだ。
そしてアンキモ。
急に普通に思えるがアンキモだって食べつけてるだけで充分に珍味であり変な食べ物なのだ。
しかし今日のラインナップの中では飛び抜けて落ち着ける味。
次の野菜のカニあんかけもオーソドックス。混乱した脳を落ち着けようとしてくれているのか。
そしてナマエビを紹興酒で酔っぱらわせたもの。
これも食べたことのある味だけど酔っぱらわせ方が上手なのか仕入れなのか尋常じゃないプリプリを超えてぱつんぱつんな食感。
次にわりと本日のハイライト。
「中国の三大乾物、ナマコとアワビと、もうひとつわかりますか?」
答えは「浮袋」。
浮袋??
大きい魚の浮袋を乾物にして上湯で煮込む。
その食感たるや…人生で食べたものの中でいちばんにちゃにちゃしている。
にちゃにちゃ、いやほんとににちゃにちゃ。
良し悪しはいったん置いて特別な感覚であることに疑いはない。
いいんだ今日はそういう日だから。
いつもの魚を挟みつつメインは鳩の丸焼き。
ああ鳩!
鶏からは消された鳥の原種たる野趣。
締めはまんじゅうと海老麺とおこげ。
おこげは固めて焼き付けるのではなくパラッパラに揚げたお米を上湯のなかへ滑り落として食べるスタイル。初めて。
クセがある、みたことない、思いつかない、初めて知る、そして美味しい。
脳が喜んだ。
本当にスペシャルなお食事でした。
つまるところ脳で食べる人にだけ、ですね。
わかります。
2025/05/05 更新
2024/04 訪問
ラーメン屋シノワ
春の終わりの白金台シノワ。
きのことふきのとうを混ぜためちゃくちゃ美味しい一皿があったんだけど、数ヶ月経ってこれを書いてるとどうしても詳細が思い出せない。ブレインフォグ。もしくは加齢。
八宝菜ならぬ九宝菜。
すべてを別々に味付けしてあわせるこれ系は当たり。
締めは「ワンタンメン」。
ついに「日本のラーメンを参考にした」と記述。
具はすべて底に沈めてある。
なので見た目も麺が綺麗なイマ風。
やっぱりシノワはラーメン屋。
最高のラーメン屋が今日はさらに大当たりの日。
まあ大当たりじゃなくてもめちゃくちゃ美味しいんだけど。
超えてくると感動があるな。
2024/06/24 更新
2023/11 訪問
味噌ラーメン登場
本日のシノワ。
フカヒレ春巻きにナマコの腸粉ぽい餃子に茶碗蒸しのリピート系。
じゅわりとおこげに緑色のスープはここではだいたいサンラータン。
いい鳥が入ったいうことでシンプルにクレープ巻。
そしていつものアワビ。
魚もよく出る系のハタ。
肉は牛豚鳥の3種。
「どれから食べてもいいです」は初めてのパターンかも。
締めは初登場味噌ラーメン!
初めてと定番があいまった今日もいいごはん。
台湾に行ってきたらしくストリートの鴨を焼いたやつがものすごく美味しかったと。そうなんですそうなんです。アレが旨いんですよ。でも今度出してくださいって言うのは俺くらいで、俺以外の人には怒られますよって、それは確かにそうかもね…。
2023/11/20 更新
2023/07 訪問
混ぜちゃいけないしハンバーグでもない
シェフが2週間中国に行ってきたというシノワ。
何かが進化しているのか?
いつもの春巻きから芝エビと枝豆。
今日はこれだけがリバイバルだと。
でもこんなの食べたかな記憶がない…って食べログには写真が上がってる。食べたんだな俺。もはや食べログは外部記憶装置。
みかんにお茶をつめて年単位で発酵させたお茶。
柑橘感はないけどなんかすごい。
とうもろこしのスープはちょっと思い出があるけどこれは逆に前のとは違うぽい。ヴィーガンとは思えないコクにかなり記憶があるんだけど。
「絶対に混ぜないでください」というスープの説明はどっかで聞いたことあるぞ…?
そして初めてのおこげ。
信じられないくらいずっと熱々。
ずーっとぐつぐつ言ってる。
どんな技術なんだろう。
いつもの鮑、太刀魚の蒸したの、そして牛3種。真ん中は牛ひき肉の蒸したのという名のハンバーグ。いやハンバーグでは決してない。そういうのもどっかで聞いた覚えあんな。
しめは冷たい豆乳の麺。普通盛りで頼むと驚かれる。そうかも。いっつも小か極小だもんな。
でも今日飲んでないんだよね。
アルコール入れないと食べられる。
酒のカロリーってすごいんだろうなあ。
そしていよいよ次次回はすごいの登場予定。
カミングスーン!!!
2023/08/05 更新
2023/02 訪問
緊張したのは
食べたことある料理と少し変えた料理と初めての料理と。
通い続けることの意味。
スターターはずっとかわらないスペシャリテのフカヒレ春巻。きのこの餃子と百合根のサンラータンは再びのメニュー。
胡麻団子のスープ!
これは美味しい!
魚介3種から今回のハイライトかもしれない「緊張と高揚」。
なにが緊張と高揚かって作るのに繊細さが必要で緊張するからってそっち側目線の!!
大根餅的なものなんだけど確かに独特のふんわり食感。
緊張してまで作ってくれてありがとう…!
いつものアワビに魚、鶏、締め。
今日はぶっとい麺を麻辣でいただく東北ぽい料理が艶に。
めちゃくちゃ仕上がってる。
仕上がってるよ…!
2023/02/19 更新
2022/11 訪問
2周年のその日
ちょうど今日が2周年のその日。
それはめでたい。
特に何かあるわけではないですよ、と篠原さんは言うけれど……。
いつものフカヒレ春巻から。
卵の餃子。なかは中国らしいキノコ。
味醂のような麹で作った日本酒、つまり紹興酒に少し近い、なんか飲みながら、ピータン豆腐の再構築。
久しぶりの甘くなくてあったかい杏仁豆腐!これ一番好きかもなあ。
今年も無事に上海蟹が。今年は柑橘につめたスフレの仕立て。おしゃれアプローチだけど味は本格的!
そしてこれまた久しぶりの野菜からスペシャリテの鮑。
なんだかんだで原点に立ち返りつつこれまでのオールスター的メニューかもしれない今日。
魚はハタ。これもよく食べた。
そしてメインはなんと初めての牛豚鶏揃いぶみ。
これは豪華…手間かかってる。
いやちゃんと周年ぽくなってますよシェフ。
チャーハンがスペシャルということで鯖寿司は半分に。
そのチャーハンは秋田のセリを混ぜ込んだもの。
この回しか出さなかった超スペシャルらしく。
ありがたいぜ……。
最後にワンタンメンからのデザート。
今回も本当に美味しかった。
2年間ありがとうございます。そしてまた3年目もよろしくお願いします。
食事が終わってシェフとワンオペのおすすめ店を交換し合う。わかりますシェフ。ワンオペには魔法があります。その店めっちゃ良さそうじゃないですか…!
2022/12/12 更新
2022/04 訪問
リフレイン多め
2ヶ月連続で春のシノワ。
今年はメニューの切り替わりが早いシノワ。
まずはいつものフカヒレ春巻。
干し豆腐と茄子は絶対に一緒に口に入れなければ意味がない、んだとシェフ。意味がない。
蒸し餃子を挟んで海鼠の醤油煮込みを小丼仕立て。
これは!丼いっぱい食べたい味。
ベジなサンラータンは再び、三度?のお目見えだがまた違った風情。
アスパラ3種。右の上湯が!
いつものアワビ
魚も上湯。添えられたパクチーのソースといっしょに食べないと意味がないとシェフ。
意味がない2回目!
そして初めて篠原シェフの挨拶が挟まる。
挨拶!
からの鳥3種。
真ん中の香港ぽいローストチキンがたまらない。
基本の蒸し鶏もいただけるとは……。屋台の蒸籠蒸しをイメージしているという。そんなのがここでいただける贅沢。
締めは肉まんにかわりシュウマイ。
肉肉しさがシノワでは珍しく、それゆえグッとくる。
あとはいつものチャーハン、ワンタン麺、デザート。
今日もただただ美味い。
いつまでも愉しい旅。
2022/05/01 更新
2021/11 訪問
杏仁豆腐が帰ってきた!
秋のシノワ
シーズンで変わるメニューは旬の食材が生きる秋が最高だと思う。
まっすぐは処理されない上海蟹の捻り具合が毎年の愉しみに。
この日はオープン当初のスペシャリテだったデザートではない甘くない杏仁豆腐も復活。
開店からのスペシャリテ:フカヒレの春巻
ヴィーガン風のベジシュウマイ
すっぽんの茶碗蒸
あったかくて甘くない杏仁豆腐
シノワ風ウンパイルー
秋の捻り:じゃがいもと上海蟹
スペシャリテ:水だけで煮たアワビ
タチウオの葱油風味とステーキはどちらも四川風に
カレー肉まん、チャーハン、冷たいラーメン
葡萄のデザートに最後のスペシャリテ生月餅はチーズ
2021/11/14 更新
2021/08 訪問
タチウオのお粥ソース
いつものフカヒレ春巻きがスターター。
前菜はトウモロコシソースの野菜餃子に蟹肉春雨の炒め。
今シーズンはオーソドックスな中華メニューの解体系から。
優しいサンラータンに前回から採用の「言えない鶏」を使ったよだれ鶏。
魚は巻いて食べるタイプ。魚種失念…。
スペシャリテの鮑から、次が今回のハイライト。
タチウオをお粥のソースで食べる!
広東にお粥で魚のしゃぶしゃぶをする料理があるらしく。
これがめちゃくちゃ美味しい。
いつかそのしゃぶしゃぶも食べてみたい……!
スタンダードなステーキを食べて、今日の締めはチャーハンと冷やし中華。夏だね。
めちゃくちゃ懐かしい感じの冷やし中華メニューだった。
今シーズンも良き。
2021/09/12 更新
2021/05 訪問
もはやお茶屋
こんなご時世でティーペアリングの価値はより上がったよね。
ステーキ用にシェフが隠し持ってた熟成プーアルまで出てきてもはやシノワはお茶屋かもしれない。
いつものフカヒレ春巻
エビカニの紹興酒漬け再構成
揚げ鳥、ジンジャーソース
あったかい乾し豆腐とナス
いつものアスパラ一本。本日のハイライトは喜界島のゴマ。キャビアより高いというゴマ。ゴマ農家の息子が星付きの店全部に飛び込み営業してるらしい。いい話。
いつものアワビ
蒸し魚はヤガラ。いくつかのお酢でかなり酸味強く。
お肉は紅油とお米のソース。柔らかい…。
そしてシェフとっておきのプーアルが脂を洗い流す。
締めは肉まん、チャーハン、ラーメン。
今日のチャーハン付け合わせは海苔を使った「シノワですよ」
ラーメンはダブルスープ!どんどんラーメンぽくなってゆく。
今日もごちそうさまでした
2021/05/27 更新
2021/03 訪問
ラーメンに最接近
さて今回は。
いつものフカヒレ春巻きから
2種のフカヒレがよく混ぜられた気がする。
2品めはトマト餃子
タマゴの皮に海老の餡、トマトソースがピリ辛で要するにエビチリ
アワビの乗ったおこわは蕗の薹が混ぜられて和風仕立て
フッチュータンは乾物10種ほどが煮込まれる。
浮袋がいちばん高いってさ。
煮込んだ乾物はワンタン風にしてスープへ
初めて食べるけど篠原さんの味だなって感じさせてくれるのがやっぱすごい
タケノコ3種は紹興酒漬け、四川風、麹の唐揚げ
紹興酒がフワーッと香ってその後に筍の滋味ジュワーっと。
次は再びの登場な野菜の春巻、前回は一気に食べちゃった反省を生かしてパーツで食べる。酢漬けだったのか。気づかないね…。
いつものアワビはどんどん濃くなってる気がする。
白身の蒸し物食べて、肉は普通にステーキ。
鯖寿司は前回に続き四川風。
いつものチャーハンが出て、今回のハイライトは麺
今まででいちばんラーメンぽい。
タマゴ乗ったからかな…?
クエ出汁が醸し出す最新のイケてるラーメン感
デザートはイチゴのソルベに黒トリュフのプリン
月餅は超柑橘仕様
今日も今日とて最高だな
2021/03/05 更新
夏のシノワ。
いつものとうもろこしのムースがまず美味しい。
今日のスペシャルはすっぽんのおこげ。
あえて熱々なのも、だね。
全てを別々に調理してあわせる贅沢な八宝菜がある日。
レンコンがすごく美味しくてそれを伝えたら、炒めただけですよ笑、と。
そうなのかもしれないけどそれだけじゃないんですよきっと!