3回
2021/10 訪問
旬の素材を感性豊かな調理で味覚のグラデーションを快走させる空間でクリエイティブな味わいを創造する峯村料理
◆2021.10.7(木)夕餉
◆予約 前回訪問時にお店にて
◆お料理 本日のコース¥29,700
お飲み物含むお会計¥37,000
①相模湾 さかな一口より神経締め
大紋羽太のコンソメ
ゼラチン質が豊満なお魚を丸ごと一尾使って
抽出したお出汁と
羽太の塩分だけで味を整えたコンソメです。
長野県産後山の松茸を合わせて
コンソメに松茸の気高い風味を写し添えてます。
このコンソメの澄んだ味わいには驚愕
コク深さ伴う淡いうま味が無垢なままで
浮いていると言う印象的な味わい
更に
そのコンソメに浮き上がる松茸の短冊が
スープカップの中にいっぱい敷き詰められて
その香りを心地よくコンソメに写しております。
コンソメのピュアなうま味は鮮烈なまでに
洗練された味覚です。
こう言う味を作れると言うのが素晴らしい。
一口啜る前に鼻腔周りに漂う高貴な匂ひに
陶酔感を覚えます。
此れはコンソメ自体の無垢なうま味の香りに
松茸の気品の良い匂ひが写って
行くからでしょうね。
そしてコンソメ自体の清らかなうま味が奏でる
美味がジンワリと舌に染み込んで来て堪らない
味覚を覚えます。
羽太のゼラチンが見事にコンソメに
溶け込んでるのでしょう。
コンソメをジンワリと啜ってると
舌がクリアな円やかさを覚えて
このコンソメのピュアさに
感激してしまいました。
◉シャルドネの葡萄ジュース
②標津より神経締め 新イクラの冷製フェデリーニ
手元に赤いダイアモンドが輝くフェデリーニを
盛り付けたお皿が届くと
その朱色の輝きに釘付けとなりますね。
新イクラの美しさは
ホント透き通る輝きを見せて
欲を誘って来ます。
神経締めした鮭から血の抜けた純度の高い
清いイクラをコントレックスで磨いて
たった今お出汁に5分だけ漬け込んだもの
卵黄の甘味がほんのりと漂うイクラの仕上げ
そのイクラを乗せてますのは
蛤のお出汁を吸わせたフェデリーニです。
イクラ淡麗さが突き抜ける美味さに
舌が狼狽えちゃいますよ
何、この鮮度の良さと言うか雑味なく
ナチュラルに溶け込んでくる卵黄めいた
素直な甘味にチョット吃驚する。
イクラってこんなに甘いのか
お出汁に漬けたからか
甘味がフワッと浮上して来て
そのままプチュンと優しく弾けて
そんでもってトロンと中からイクラの汁が
零れた瞬間に生卵の黄身の甘味が
浮かび上がるのですよ
其れがまったりとフェデリーニさんに
お淑やかに絡んでフェデリーニは底味を
淡く広げながら細麺もコシがキュンと引き締まり
ツルンツルンと喉越し爽快に伸びて行きます。
イクラの卵黄風の甘味との絡みが
程良く麺と交錯し合って
華麗に踊る美味を作り出していました。
イクラを此処まで昇華させてる故の
美味しさですね。
とことん素材へ拘る峯村シェフならではの
味覚創造力が発揮されてる一品と思いました。
③明石 釣りの鰆
サヴァニャンビネガーとトマトのソース
山葵
鰆は明石の「浦さわら」と言うブランド鰆で
炭火で焼いたものをレモングラスの藁で燻し
ソースはサヴァニャンビネガーと
フルーツトマトを合わせたソースのご用意です。
感動致しました。
驚愕の鰆料理です。
過去自分史上最高の鰆料理に
出逢ってしまいました。
鰆の身質
鰆の火入れ
鰆の香り
鰆の食感
鰆の味覚
鰆のビジュアル
鰆と言うエレメントをこれほど
生々しく鮮烈に引き出す料理が可能とは
自分の目と舌と歯と耳まで疑ってしまった。
舌を摘んで夢じゃ無いよね、と確認したくなる
怖い味覚と言うのが存在するのだとしたら
この鰆こそ怖くなる味わいでした。
④さかな人 長谷川さんより長井の赤座海老
ビスクと共に
相模湾の赤座海老
赤座海老のビスク
パンドミ
炭でじっくり焼かれた赤座海老と
ビスクと焼き立てのパンドミが
整然と並べられております。
この衝撃的な味覚が広がる赤座海老は
備長炭で焼き上がったばかりの
出立ちに目が釘付けとなり
興奮するお姿に感動が沸々と
湧き上がって来ます。
赤座海老を咀嚼してみました。
赤座海老の身質が飛んでもなくピュアです。
クリアーでクリーンな甘味が迸ります。
そして躍動するプリプリ感は
次元が異なる弾力感を放っていて
海老の白身の鮮度と言うものを
此処まで高められるものか
然も火入れした直後の歯触り感
舌触り感覚のレベルが違い過ぎます。
火入れして海老の身が固まる所か
暖かみが穏やかに保たれていて
炭火で無駄な水分を脱水しつつ
新鮮な旨味をその身質の中にギュッと
閉じ込んでいる様です。
其れ故か咀嚼した途端に
プリッと跳ね返して来て無垢な甘味がフワンと
口内に広がるのです。
もう、噛んでも舐めても
プリプリ感が愛おしくなるほど美味しい
その身がプルンと歯の中で揺れ乍ら
海老の純真無垢な甘味が透き通る様に舌に響く
うんまぁ〜い
堪らん〜
味わい深さがどこ迄も続いて行く
そして
赤座海老の身質のミネラルが
底味となって浮き上がって来ます。
体液を汚さず濁らさずそのまんま
純度良く保存されて届くから
海老の体液に含まれる塩味で
味が出るらしいです。
美味すぎて舌が狼狽えてしまいましたね。
その赤座海老を全部食べ切ることはせず
一部を残したままでビスクに挑みます。
後でビスクに浸して赤座海老を頂こうと
企んでます。
その赤座海老にお供するのは
旨味のエッセンスを凝縮した濃厚なビスク
頭や殻や脚の部分を悉く割いて
一度硬水のコントレックスで茹で上げて
アク抜きして赤座海老自身を綺麗に磨く事で
鮮度をより高いレベルに仕上げてます。
その後
白神山地の柔らかいお水と
たっぷりの香味野菜とで6時間掛けて
赤座海老のエキスを抽出した
濃厚なビスクとなります。
先ずはビスクを素直に少し飲んでみました。
一口啜ると瞬時に赤座海老の濃厚に凝縮された
甲殻の旨味がお口いっぱいに充満して
鼻腔から脳天まで突き抜けて行きます。
此れは洗練された鮮烈な味わいです。
そのまま余韻がズシンと言う感じで
ショックのまま残り続ける破壊力を
感じました。
此れは凄いです。
圧倒的な甲殻風味の濃度に舌が痺れそうです。
濃厚なのにナチュラルでピュアな海老の旨味に
我を忘れました。
次に赤座海老の身をビスクに浸して
頂いてみました。
赤座海老との味覚のコンビネーションと
味のグラデーションの完成度に唸りますね
赤座海老の甘味に濃厚なビスクを重ね合わせての
旨味が底なしに湧き上がって来て
ブチ切れる美味さで
舌がこの味覚に溺れて陶酔してしまうほどの
味わいでした。
旨味とかコクとこを超えて行く味わいの深さに
驚愕しますね。
ホント、異次元の美味しさです。
最期に
食べる時間帯に合わせて焼き上げた
パンドミにビスクを浸して頂きます。
パンドミのフワッとした優しさで
ビスクの濃度が少し和らいで
今度は興奮せずに
落ち着いてカップの底までビスクをパンドミで
吸い取って残さず頂きました。
⑤お口直し
台湾の微酸金宣茶でスッキリ舌を
リセットして頂きました。
⑥噴火湾より 毛蟹リゾット
毛蟹を丸々3杯使用してます。
毛蟹の殻から抽出したお出汁でリゾットを
炊き上げて
蒸し上げた蟹の身を添えてます。
蟹から抽出したエキスだけで味を整えてて
此れも人身無垢な蟹の雑味無い甘味が
リゾットに静かに佇んでるんですよ。
この深淵な旨味と言うか
ゾクゾクする感じの淡い旨味が
リゾットから自然に浮き上がって来て
舌を虐めてくれちゃいますね。
このリゾットには参ります。
これ程に蟹の美味しさを引き出しつつも
貞淑な味覚の健気な味わいには
心打たれますね。
舌が大満足して喜んでおりました。
⑦白トリュフと自家製バター
日々自家製のバターとバケットを作られてます。
自家製バケットの上にバターをたっぷりと塗って
ピエモンテから届いた白トリュフを添えてます。
お顔をパンに近づけてみると
フワァンとトリュフ香が漂ってうっとり気分に
浸りながら暖かいバケットをトリュフと一緒に
パクッと齧っちゃいます。
んん、このバターのナチュラルな感じと
トリュフの香りで口内が満たされて
麗しの小麦粉の一品に浸り切ってしまいますね。
高価な白トリュフの正しい味わい方を
教えて貰った気がしました。
◉ソーヴィニヨンの葡萄ジュース
⑧飛騨高山 東農園より パプリカのムース
日本一のパプリカと峯村シェフが仰る逸品
そのパプリカを焦がさない様にじっくりと
1時間掛けてローストした後に
パプリカから染み出したジュースと
パプリカの実を合わせて2時間ゆっくり煮詰めて
お塩と数滴のビネガーと数滴のクリームを合わせて味を整えムースに仕上げてます。
見るからに鮮やかなパプリカ色に染まる
ムースです。
フワッとしてる所をスプーンで掬って
舌の上に置きます。
舌がムースを拡散する様に撫でます。
舌触りの円やかなこと
しっとりとした食感の優しいこと
パプリカの甘味が
とってもピュアで甘美な味覚を放ちます。
この耽美な味わいと突き抜ける様な
雑味無い甘さに驚嘆してしまいます。
濃厚なのにサラリとして甘美に漂う味覚
最高のパプリカムースを頂きました。
⑨先程愛媛より届きました神経締めの真鯛の
アクアパッツァ
当日メニューの金目鯛より品目を変更しての
ご用意です。
つい、本日の昼過ぎに待っていた真鯛が
到着したとの事で
急遽真鯛のお料理に変更です。
真鯛の方が絶対に美味しいからとの
シェフのお勧めも有り
お時間を30分ほど延長して頂戴してしまいますが
ご容赦をとの挨拶があり
皆様、ご同意の上、料理を進めます。
真鯛は皮下の脂質が一番美味しいので
皮目を炙ってから
真鯛の骨で取ったお出汁の中で軽く煮込んで
鯛の身を引き上げて
再度もう一度軽く炭火を上から翳して炙って
仕上げたアクアパッツァです。
シェフの動きに注目してましたら
真鯛をお出汁から出した後
燃え盛る炭を重たそうに乗せた金網を持ち
上に乗せた炭火を真鯛の皮目に
近付けて上からジリジリと炙られておりました。
焼き具合を目で追いながら
真鯛への火入れを慎重に手掛けている姿は
この真鯛への思い遣りを感じます。
真鯛を箸先でチョコンと摘んでみます。
直ぐにハラリと解けて来ます。
口に入れて見ると
ウワッと叫んでしまいそうなくらい絶品です。
真鯛のふっくらとした質感の膨よかさな事は
言うまでもなく悶絶級だし
皮目を炙ってパリパリさがアクアパッツァの
煮汁に馴染んでる中からも部分的にカリッとした
食感が残ってて
煮汁に馴染んでクタッとなった皮目と
パリッとする皮目からの塩味も浮き出てきて
お互いの食感と味わいが複雑に絡み合い
極上の味わいに昇華してます。
その真鯛の旨味極まる味覚にトマトの酸味が
ほんのりと纏い
キュッと身を引き締める感じで舌を
攻め込んできて
味覚のバリエーションが素晴らしく
冴え渡る美味しさが何度も訪れて
高揚感MAXに到達しちゃいました。
真鯛が豪快なくらいボリューミーなのも
満足度を高めてます。
素晴らしい逸品でした。
⑩シャインマスカットのグラニテ
シャインマスカットから抽出したジュースと
生のシャインマスカットの実を合わせて
グラニテにされてます。
ジュースのグラニテはサクサクとした食感で
爽やかな冷感を
生の果実の方はゴロンと大粒のグラニテとなって
ザクッと齧る食感の歯当たりが快適に冷感を
漂わせます。
硬軟合わせてのグラニテの食感のコントラストが
楽しめて嬉しくなりますね。
⑪上田畜産 但馬玄の炭火焼き
尾藤農産 2年熟成 北あかり
山葵
塩
ジュのソース
但馬玄を活用した2皿のご用意です。
一皿目は但馬玄のリブロースの炭火焼き
二皿目はカレーです。
神戸牛の中でも王様と言われる上田畜産より
38ヶ月目の但馬玄の雌牛で
屠殺してから一週間の鮮度の高い牛から
取ったリブロース芯を炭火だけで2時間掛けて
焼き上げてます。
おソースは但馬玄の筋を使ったジュのソースで
肉の旨味がギュッと凝縮された
おソースとなってます。
付け合わせは尾藤農産 雪の下で2年間熟成した
じゃがいもの北あかりをローストしたものです。
お皿に鎮座してます但馬玄の肉塊の真ん中を
ナイフの先でポンと押してみます。
信じられません。
プヨンと揺れる感じで弾力して跳ね返って
来ますよ。
2時間炭で焼いた後でこんなに柔らかいとは。
肉質の繊維の質が余程高貴なものなのか
身厚なままに焼いてるから火が通り難いのか
ロゼ色に染まる分厚い身肉をナイフでカット
ナイフはスゥ〜ッと肉布団の柔肌に
吸い寄せられる様に自然に沈んでいきます。
いやぁ、肉質感がフゥワフワッ
然もちゃんと火が通ってますよ。
当たり前か。
2時間もじっくり炭で焼いて
外回りは真っ黒でカリッカリに厚めの
皮が引っ付いている感じとなり
お肉のフワンとする柔らかい身質との
肉感のコントラストが
めっちゃクチャ美味しい〜っ!
赤身肉の旨味が迸りまくりますね。
肉質のしっとりとした舌触りも
半端なく舌を官能の渦に巻き込んじゃいますよ。
そして
赤身の肉汁がドクドクでは無くて
サラサラ〜ッと軽妙に流れる脂質感で
爽やかさを感じる肉汁なのです。
ちっともギトギトして無い
この気品溢れる肉の旨味にほ
ん〜と唸りまくりの悶絶です。
然も此奴もボリューミーな肉の塊で
食べ応えするリブロースなのです。
お肉に夢中になって顎が少し疲れるくらい
何切れもカットしてもまだ残ってます。
其処に箸休め的に北あかりさんが
しっぽりと甘味を携えて
和やかに優しく舌を労る感じで
舌を甘えさせてくれるのです。
北あかりの糖度の尊い甘味に感嘆します。
この癒される甘さに
涙が出て来そうになりました。
こんなに極上のマイルドさと
純粋な美味しさを
放つ肉質感が存在するとは
俄には信じ難き興奮する美味を頂きました。
この但馬玄の肉質の素晴らしさが
舌にキュンと刻印されて
忘れられないものとなりました。
⑫但馬玄のビーフカレー
お肉料理の〆は但馬玄の腿肉で取ったコンソメで
炊き上げたライスと
但馬玄の筋や骨でフォンドボーを引いて
たっぷりのすね肉を加えて自家製デミグラソースを引いたものをベースにしたカレーです。
このカレーライス一皿に対して
お肉を200g以上も溶け込ませた旨味とコクが
溢れる贅沢カレーとなってます。
焼きものとして使用してない部位を全て
カレーに注ぎ込んでますので
何と言うか
とてもコク深さが広がり
旨味の奥行きがどんどん展開されていて
其れでいて
カレーを舐めるとデミグラの酸味漂い
甘苦さがほんのりと感じられる絶品な美味さで
旨味の宝庫ですね。
こんなに美味しくて気高い品位を感じるカレーに
出会えた事自体に口福感で胸が
いっぱいになりました。
⑬影山さんのマスクメロンのスープ
静岡の天使音マスクメロン
完熟された肉質は
クリーミーな質感と香り高く
糖度の高さを誇るマスクメロン
その果実と
メロンのスープに
スープを泡状にしたものをセットして
ご用意です。
⑭白トリュフのアイスクリーム
ジャージーミルクに白トリュフをつけ合わせて
トリュフ香を写したものに
白トリュフをオイルで煮込んだ自家製の
白トリュフオイルを合わせて作り込んだ
アイスクリームです。
此れは驚いちまいました。
最後まで飽きさせませんね〜。
お口の中で舐めてアイスが蕩けて広がる
トリュフ香と
その香りが口から鼻に抜けて行く香りが
2通り有って
トリュフ香の快楽を満喫出来ます。
⑮小菓子
焼き立てシュークリーム
珈琲
2022/01/04 更新
2021/05 訪問
感動と歓喜が止まらない御料理
◆2021.5.9(日)夕餉
◆予約 OMAKASE
OMAKASEをパトロールしてましたら
偶然空席に出会いラッキーなお席をGET
皆さま高評価の此方に初訪問です。
◆お料理 本日のコース¥29,700
ハーフペアリング¥12,000
消費税含むお会計¥44,700
■感動と歓喜に震えた日
お料理でこれ程のピュアな悦びを頂けるとは
何と想像を超える料理の世界に
魅入られたひと時かと感動し
その空間と時間を共有出来ましたら
大変光栄かと存じます。
多くの食通の方が
高評価レビューをされてます通り
素晴らしいお料理である事に間違い無く
感動する口福紀行を
私なりに紹介させて頂ければと思います。
①愛媛 藤本さんより神経締め 真鯛のコンソメ
真鯛を痛めない為に小さな網で獲る漁法での漁獲
天然の真鯛を一昼夜水槽の中で休ませてから
神経締めにして出荷されたものを使われてます。
頭や骨で取ったお出汁の中に一匹分のお刺身で
食べれる様な生の身を加えて
コンソメにしてます。
お醤油とか塩とか調味料は一切使用せずの
真鯛だけのコンソメなのです。
ボールの近くに顔を近づけてみました。
先ず薫りが不思議な匂ひでお鼻に届きます。
ボンヤリと甘いうま味を含んでるかの様な
匂ひがお椀からの湯気立ちの中で揺れながら
立ち上って来てます。
この香りにチョット吃驚。
こんなに優しい甘い香りが有るのかと
然も物凄くナチュラルな匂ひ
何というピュアさなのか
全く次元が違う清らかさ
穢れを知らないと言うに相応しい
純真無垢な味わい
一口啜る前に鼻腔を掠めるこの甘き匂ひに
既に陶酔感覚で嗅覚が麻痺しているみたいです。
真鯛の身質が見事にコンソメに溶け込んでます。
凡そ鰹とかのお出汁的なうま味を感じさせない
澄んだ甘さがヒタヒタと舌に寄せて来て
然もその甘さ自体が淡くて純粋な
美しさを感じた。
コンソメを啜ってると
舌が
クリアな円やかさを覚えるコンソメの
美しさに感激してしまった。
②青森 塩谷魚店より 北紫雲丹の冷製フェデリーニ
一見すると雲丹てんこ盛りのパスタなのです。
たっぷり雲丹に
銚子蛤のお出汁で炊いたフェデリーニを
絡める一品
殻を外して蛤の身だけで取った濃厚なお出汁を
吸わせた冷製フェデリーニと共に楽しむ一品と
なってます。
食べてみると
雲丹が沢山盛り付けてあるので
北紫の風味と珍味に痺れますね〜
フェデリーニ自体が溺れる感じはするのですが
それがまた濃厚に雲丹の珍味をたっぷりと
絡めながらの細麺の感触が
トロトロンの雲丹とツルツルンの麺の絡みが
メッチャ美味しすぎ
雲丹に押されて
蛤出しのうま味の影が薄い感じもしましたが
mogmogしてると
蛤のお出汁を吸ったフェデリーニから
ジワリうま味が伸びて来るので
成る程!そう言う仕掛けなのかと
この何とも言えず奥ゆかしいお味が
フェデリーニへの愛おしさを感じる
お料理になってて嬉しくなりました。
③青森 塩谷魚店より 神経締め 桜鱒の藁焼き
レモングラスを乾燥させたオーダーメードの藁で
軽く燻してから紀州備長炭で火入れした桜鱒
ソースはお米と自家製の中国甘酒を
合わせて作った米ドレッシングのソース
上にはとてもフルーティな島根3号の山葵です。
ドレッシングの酸味や米の甘味が桜鱒を
引き立てて
まるで米ドレッシングは酢飯の代わりであるかの様なイメージにて桜鱒の炙りが鮨ネタとでも言いたくなるお鮨の握りを彷彿させる一品。
ソースの酸味の鮮烈さ
清く正しい酸味と言って過言でない
全く外連味のない酸味で
非常に気品が落ち着いた酸味なの
これほどの酸味で攻められると
他のお店での土佐酢やバルサミコ酢等を使った
お料理は何?って感じになりそう。
ヤバァい酸っぱさとお米の甘味が
同時に共鳴し合うソースをたっぷり桜鱒に
吸わせてお口の中に
もう言わずもがなですね。
神技の神経締めされたストレスフリーの桜鱒は
身質が全く無垢なままのもので
舌触り感覚のmildさは半端なく円やかに
円熟して桜鱒の甘味が清く蕩けて舌に絡み付き
抱き寄せ合うんです。
此れは堪らんわ。
美味しいと言う味覚を超えて不覚に陥いる
そんな旨さなのです。
そして身質以上においちぃ〜、と唸ったのが
皮目です。
もう此れだけで一品料理として成立していた。
火入れが絶妙なコントロールなんでしょうね。
カリカリ感も去りながら
皮目がフワンと揺れています。
フッと箸を差し伸ばせば身肉から浮かびあがって
離れて行っちゃう
フワッですよ
その皮目の一片を齧ると
皮にへばりついたゼラチン質が桜鱒の旨味エキスの塊で凝縮度が濃厚なのよ。
んん、どうなってんだろうこのお料理
峯村マジック!
素材鮮度が一番
保管技術が次で
サーブ前の火入れの絶妙な技術力
何度も試してんだろうなぁと思いつつ
おくびにも出さない謙虚さが嬉しい。
ふぅ、美味しかったわ〜。
満足高めで興奮してきた。
④さかな人 長谷川さんより長井の赤座海老
ビスクとともに
赤座海老
赤座海老のビスク
パンドミ
桜鱒以上に興奮する一品がやってきた
舌が異常に興奮してしまうビスク
素晴らしい出来栄えに
興奮の坩堝と化す一皿
衝撃度ほ本日MAXのお料理
さぁ、目の前には
海老とビスクと焼き立てのパンドミが
整然と並べられております。
パンドミも今食べるこの瞬間に合わせて
温度調整されてて
お客様の舌に合わせるために
どうしたら一番美味しいかなるか
頭の中で化学方程式を常に解いてくれてます。
この一品で感じた事
感動した事が
多過ぎて頭ん中で整理が付かなかった。
而して破茶滅茶な文面となるやも知れぬ事を
先にお詫びして起きますね。
でだ、
先ずは印象を受けて頭に残った事を
メモランダム風にお伝えします。
【赤座海老編】
兎に角、この衝撃的な赤座海老の
備長炭で焼き上がったばかりの
出立ちに目が釘付けとなり
興奮するお姿に感動が沸々と湧き上がるのだ。
何だ!この均衡した絶妙な捩れ度の赤座海老
赤座海老がヨガでもしてるのかと思いつつ
そのカタチに惚れちまいますね。
クネ〜ッと捩れて弧を描いてますよ
こんな風に焼き上げれる?
串を加工してる?
でも無く生身が自然にそうなってるみたいです。
もう、見た瞬間に涎ものです。
咀嚼しました。
赤座海老の質感が飛んでもなくピュア
クリアーでクリーンなの
どうやってるんだと思っちゃう。
このプリプリ感は次元が異なる弾力感
海老の白身の鮮度と言うものを
此処まで高められるものか
然も火入れした直後の歯触り感
舌触り感覚のレベルが違い過ぎる
火入れして固まる所か
暖かみが穏やかに保たれていて
新鮮度を身質の中に火入れと共にギュッと
閉じ込めているみたい
其れで咀嚼した途端に
プリッと跳ね返してくる
そして艶かしくしなやかに畝るのである
こんなプリン体無いぞ
噛んでも舐めても
プリプリ感が堪んなくて
ぷるんと歯の中で揺れる様だ
そのプルプルしてる中から
海老の純真無垢な甘味が透き通る様に舌に響く
うんまぁ〜
美味すぎなのだ
答えられん
ホントに凄いと思う
味付けして無いのに
味わいの深さがどこ迄も続いて行く
遠く遠く遥かな彼方から
赤座海老の身質のミネラルが
底味となって浮き上がって来る
不思議だ
塩振ったりしてないのに
体液を汚さず濁らさずそのまんま
純度良く保存されて届くから
海老の体液に含まれる塩味で
味が出るらしい
んん、この辺は難解な化学式だな。
と感心しつつ
要は感激に打ちひしがれるほど美味しかった
此処で全部食い尽くすことはしない
ビスクの分も取り置きしておきます。
【ビスク編】
赤座海老にお供するのは
旨味のエッセンスを凝縮した濃厚なビスク
頭や殻や脚の部分を悉く割いて
一度硬水のコントレックスで茹でこぼして
アク抜きして赤座海老自身を綺麗に磨く事で
鮮度をより高次元に仕上げる
で、この仕込みは本日の全ての素材に
共通してて
どの素材も一度コントレックスで
磨いていらっしゃいます。
ホント吟醸酒を作ってるかの様な繊細な
仕込みなのです。
その後、今度は優しく清めるために
白神山地の柔らかいお水と
たっぷりの香味野菜とで6時間掛けて
赤座海老のエキスを抽出した
濃厚なビスクとなります。
と、峯村シェフの流暢に流れるご説明に
頷きながら良〜く考えてみると
何と慎重に丹精込めた仕込みを施してるのかと
全く屈託ないお話振りに感心してしまいます。
言うは易し行うは難しです。
調味料一切頼る事なく素材のみの
ポテンシャルを極限まで引き出したビスク
さて、そのミラクルなビスクとのお付き合い方法なのですが
以下の様に考えました。
食べ方❶シンプルに飲んで舐める
食べ方❷赤座海老をmogmogし乍ら飲む
食べ方❸赤座海老をディップする
食べ方❹パンドミをディップする
❶素直に少しのんでみました。
一口啜ると瞬時に赤座海老の濃厚に凝縮された
甲殻の旨味がお口いっぱいに充満して
鼻腔から脳天まで突き抜けていった。
そのまま余韻がズ〜ンと残り続ける威力
此れは凄い
其れから
お口の中に含ませながら舐め回してもみます。
んん、ウッフゥ〜ン
凡そ通常の味覚を知覚する領域を遥かに
遠避けて行き
別天地へと誘う極限の美味さが訪れていた
圧倒的な旨味の濃度に舌が押し倒されそう
我ながらパニクらずに良く持ち堪えてるかと
そんだけ濃厚なコクのある旨さ
でも、辛く無いんですよ、此れが。
その点も気に入りました。
一切足してない
地のままの素材だけで完成させた旨味
だから濃厚なのにナチュラルでピュアな旨味に
驚きの旨味ですね。
❷と❸
ビスクとのコンビの相性がどうのこうのでは
無かった
赤座海老とのコンビネーションと
フットワークの完成度に頭が壊れそうになる
赤座海老にビスクを重ね合わせた
旨味と言うエレメントが底なしに湧き上がった
ブチ切れる美味さ
この陶酔してしまうほどの味わいに
このお料理こそ峯村料理の真骨頂なのかと
思いました。
凡そ人生で刻んで来た食卓の中で
これ程印象が刻印されたお料理は
他に類を見ないかと
旨味コクとか言うレベルを超えて行く深さに
驚愕しますね。
異次元の美味しさです。
❹食べる時間帯に合わせて焼き上げた
パンドミにビスクを浸して頂きます。
ふぅ、チョット静かになった。
これ以上感動の味覚が続いたら
舌がパンクです。
パンドミの優しさでビスクの激しさを
細波に抑えて控えさせ乍ら
カップの底までパンドミで吸い取って
残さず頂きました。
⑤台湾より 阿里山金宣茶
お口直しにご用意
ホッと舌を癒してくれます。
此れ、嬉しかった。
何せビスクの鮮烈な味わいが
かなり強く残ってましたので
金宣茶に救われました。
⑥釧路より 毛蟹のリゾット
活け毛蟹を丸々3匹使ってご用意されてます。
毛蟹の殻から取ったお出汁と
蟹味噌の旨味を絡ませて炊き上げた濃厚な
リゾットです。
そのリゾットの上には
蒸し上げた毛蟹の身が鎮座
この一品も他に漏れず蟹だけから抽出した
蟹の風味と旨味だけで調理
毛蟹の甘味
リゾットの甲殻風味漂う旨味
美味に続く妙味にうっとりして
此処でも何も調味料を使わず
→何か味付けを足すことに頼らない
→素材の鮮度に対する全幅の信頼を置く
→素材のポテンシャルを引き出し切る自信
→その自信を支える研鑽により培われた技術
こう言うサイクルが
峯村シェフの中でも完成されてるのでしょうね。
リゾットされてお米と毛蟹のエキスとの
バランスの良さに呆れるほどの珍味が潜んでいた
その味わいの甲殻風味の広がりが
鮮やかなのですよ
この甲殻風味纏う磨かれた味覚
味蕾にジンジン染み渡るわ〜
もうダメ
脱帽です。
⑦石巻 大森鮮魚店より 黒鮑
北海道ジェットファーム グリーンアスパラ
自家製バターで
自家製バターでムニエルにしたグリーンアスパラと宮城の黒鮑
自家製バターで鮑の肝を炒めて鮑の蒸し汁を
合わせたソースと共に
蒼では日々自家製のバターを作製してますので
バターミルクが残り
そのバターミルクで粉を捏ねて作った
自家製のバゲットは食べる時間帯に合わせての
焼き上げとなってます。
更にバゲットには取れ立てのバターを乗せて有ります。
バゲットは
其の儘カナッペみたいに食べても
肝ソースをディップして食べても
何方も美味しい食べ比べが出来ちゃいます。
肝ソース!
此奴は舌が鮑中毒にされちゃいますね。
鮑を綺麗に磨いてるんでしょう
鮑の蒸し汁からの旨味のコクが清く美しい
糖度が澄んでいると言う表現が正しいのか
鮑のコクが浮き上がる糖質感が含まれた旨味
そのソースをバゲットにディップして食べる
濃厚な美味しさがお口の中に爽やかに充満し
肝ソースの味を舌に残して行く
そして
グリーンアスパラのクリアな繊維質の食感が
舌に訪れて鮑の柔らかみと共にコリッとした
食感と対比を成してお口を楽しませてくれる
ムフフな黒鮑料理なのです。
⑧静岡 新玉葱のムース
最初甘味?かと
勘違いするほど可愛いい一品
峯村シェフのスペシャリテです。
先程赤座海老のビスク料理こそ
峯村料理の真骨頂と思いましたが
びっくり仰天ものの玉葱料理が登場
人の舌で感じ取れるアク、苦味、辛味を抜く
玉葱を汚れ無きレベルまで昇華させる匠の技
努力と知恵と工夫が凝縮されてるお料理
単一素材を極限まで澄んだレベルに昇華
新玉葱を一枚一枚包丁を入れて
一昼夜紙に包み込むことにより
辛味や臭みを完全に飛ばしてる
雑味の無い玉葱の無垢な味覚だけが
残る様にしてます。
10分の1になるまでじっくりと炒め上げて
極僅かな塩と数滴の生クリームを加えての
ミキシングにより
円やかでとてもクリーミィな
ムースに仕上げてます。
玉葱ムースの下にはフルーツトマトのジュレ
最後にミキシングして滑らかに
スプーンで掬って舐めます
とても玉葱のものとは思えない滑らかさ
円やかさに舌がメロメロです。
此れが玉葱とは思えない
上品な糖度を感じる優しい甘味なのです。
その円やかさはクリームの様に穏やかで
まるで飲み物の様にスゥ〜ッと口どけして
喉を通り過ぎて行った
ほんのりと淡いコクを残して
⑨稲取 並木屋より 地金目鯛 本日の仕立て
深海の海老を食べて育った金目鯛は
カマの部位から甲殻の香りが漂います。
金目鯛は炭火で焼いたものを金目のアラから
取ったお出汁を合わせた貝のブイヨンで
煮込んだ後に引き揚げたものを再度
炭火で焼いてます。
アラのお出汁の煮込みで施される中で
自然に海老風味の
香り付けが金目に移されます。
お出汁が良いうま味を出している。
掛け合わせるソースには
自家製セミドライトマト
天然のクレソンが花を添えてます。
咀嚼すると
皮目と皮目にピッタリ付着している
ゼラチン質が美味い!
パリッパリな食感
皮目自体の旨味がお口の中に迸ります。
この炭火でパリパリに焼かれた皮だけで
一品料理になりますね
そして
汚れ無き身質がしなやかに唸ってますよ。
金目を歯で噛み進むと
フワンと金目が項垂れてくるのです。
金目の脂が後からドカンと来て
同時にお出汁を吸った金目の体液が
滲み出して来て海老風味がナチュラルに
舌を纏います。
更にはジュワ〜ッと脂が迸って
旨味を口腔内に撒き散らします。
身はハラリと解けるんですけど
舌触りの美しさにうっとりしちゃいます。
綺麗な身質の旨味がどんどん
お口の中で膨らんで来ます。
噛んで舐めて汁を味わい旨味を堪能する
一連の美味しいエレメントが
馴染みあって極上の味覚を完成させていました。
⑩日向夏のグラニテ
スッキリお口をリセットして
次のお肉に備えましょう。
個人的にはお腹も膨らみ
満足度もハイレベルに達してます。
⑪上田畜産 但馬玄の炭火焼
コロボックル村 赤木さんのホワイトアスパラ
但馬玄を活用した2品が続きます。
一皿目は但馬玄の炭火料理で
二皿目はカレーのご用意です。
神戸牛の中でも王様と言われる上田畜産の
但馬玄(たじまぐろ)のリブロース芯
炭火だけで2時間半かけて焼き上げてます。
ソースは但馬玄の筋を使ったジュのソースで
肉の旨味がギュッと凝縮された
おソースとなってます。
付け合わせはホワイトアスパラです。
ホワイトアスパラの皮や芯で
お出汁を取り
そのお出汁の中で軽く茹でながら
アスパラ自身のお出汁を吸わせてから
仕上げにバターソテーを施されたもの。
この一皿は但馬玄の肉片が
美しいロゼ色に染まってるど真ん中を
ポンとお口に放り込んじまいました所
ウゥッと息詰まりくらいのしっとり肉質が
訪ねて来て
赤身の肉汁が程よく旨味を靡かせて
そのサラサラな脂質感に
ん〜と唸り
コレは悶絶するぞぉぉと叫びたくなる
其れでもってmogmogすると
ドキュ〜ンとハート目掛けてリブ芯の
シルキー感が舌を優しく撫でるし
キュンとなってしまい
これ以上のピュアな柔肌の舌触りに
感謝と感動が渦巻きしちゃったのです。
もうこんなに美味しいものかと
拍手拍手で御座います。
ホワイトアスパラの甘味も手伝って
和やかに優しく舌を労る感じで
但馬玄リブ芯の優しさに
涙が出て来そうになりました。
こんなに極上のマイルドさと
純粋な美味しさを
放つ肉質感が存在するとは
俄には信じられ無いもんです。
この但馬玄の肉質の素晴らしさが
舌にキュンと刻印された瞬間は
忘れられないものになるでしょう。
⑫一口カレー
コンソメで炊いたライス
但馬玄のお出汁を潜ませたカレー
ボリュームはホントに一匙分程度のカレー
相当お腹がパンパンとなってますので
この量配分はハッキリ言って有難い。
厨房からウンマそうなカレーの香りが
ふわふわと浮かんでくるので
ほんの少しだけでも但馬玄のカレーを
味わってみたいと言う欲求が生じてしまうのも
自然な流れ
ん?お口に卑しい私の様な者の言い訳か。
但馬玄を焼いて使わない部位を余すことなく
お出汁を引いてカレールウに合わせたもの
旨味の宝庫とも言える各部位を縦横無尽に
使い尽くされてます。
珈琲で言う深煎りのコクが感じられる様な
旨味溢れるカレーなのです。
⑬岡山 ジャージーミルクのアイスクリーム
◉シャトー・ディケムを合わせて
⑭土佐 山本さんのマンゴー
田中農場の卵のプリン
懐かしいプリンアラモードの甘味となります。
プリンが濃厚な糖度かつ品格が有ります。
然し乍ら
此処で遂にギブして食べ切れずです。
シェフ御免なさい、残しました。
⑮珈琲と生シュークリーム
■蒼の扉は異次元料理へのエントランス
蒼のお料理からは
歓喜がうねりの様に押し寄せて来ていた。
時には其れが妙味に変わり
時には其れが旨味に変わり
また時には珍味を呼び込む
この不思議な味覚の連鎖に
舌が連打され続けてしまう
抗えない美味が巻き起こり
その渦の中へうずくまって
蠱惑の中へと沈んで行きました。
峯村シェフは恐らく
料理の化学を追跡し続けている
化学実験以上に追求の手を緩めず
味覚の元素をとことん突き詰めようとして
全国から新鮮な素材を集めて
素材を傷めず労りの心で
丹念に丁寧に繊細な施しを加えて
料理の化学反応を完成させている
感じるのは
全てのお料理に対して化学理論が
構築されていて
お料理の化学式が
完成されてると言うべきか
見事なまでに究極の料理を目指していて
その完成度が極めて高いという事
素材の鮮度、火入れ然り
保存から手を加えるまでの工程管理の精度
どの工程に対しても甘えを許さず
選別に選別を重ねた素材をクリアなまま
調理しその鮮度を保ちながらお客様の前に
サーブする。
決して簡単に出来る事じゃない
最大限に繊細な施しを素材に加え
材自体の持つポテンシャルを引き出し切る
そんなカタチを完成させているお料理なのです。
そのひと時を心ゆく迄堪能する口福紀行が
蒼に訪れた人たちに降り注がれることでしょう。
2021/07/13 更新
◆2022.3.25(金)夕餉
◆予約 前回訪問時にお店にて
◆お料理 本日のコース¥33,000
ハーフペアリング¥12,000
お会計¥52,000
①愛媛 藤本さんより神経締め 真鯛のコンソメ
いつも一品目に旬のお魚でうま味エキスを
キュ〜ッと詰めた極上のコンソメをご用意。
この最初にその季節のうま味をたっぷりと
味わさせてくれる配慮に舌がキュンと泣く
真鯛のコンソメの器が手前に届いた途端に
鼻腔にフワァンと漂って来ます高貴な香り
真鯛を淡麗に濾したかの様な無垢なる匂ひ
その麗しい程の芳しさに包まれて飲む一口
真鯛の頭と骨にすり身を加えながら取った
お出汁から舞ううま味は奥床しく流れ来て
シンシンと佇む静かな味わいに舌が泣けて
来る様な思いがジンワリと募って来ます。
淡いうま味が佇む香味は口当たりが優しく
真鯛の持ち味を引き出し凝縮されたうま味
力強く佇む吸い地の奥深さに舌が狼狽える
更にクッとお出汁を啜ると優雅な味わいに
喉元を通り過ぎる円やかな舌触りが快感を
呼び込んで来ます。
このコンソメの澄み切った味わいには驚愕
コク深さ伴う淡いうま味が無垢其の儘にて
浮きあ上がって来てると言う印象的な味覚
そしてコンソメ自体が優雅に踊るうま味が
奏でる美味がジンワリと舌を染め堪らない
舌はコンソメのピュアな円やかさを覚えて
この味わいの麗しさに感涙しておりました。
②フランス ロワール産 白アスパラガス
オランデーズソース
本日はフランスのロワールから届きました
ホワイトアスパラガスの一皿を素直に用意
アスパラの皮や茎を入れ込んだ白神山地の
柔らかで大自然の恵みを受けたお水の中で
茹でたホワイトアスパラガスとなります。
白ホワイトアスパラにお供を致しますのは
熟成のサバイヨンビネガーやシャンパンを
ふんだんに使っての玉子を攪拌して瀞みを
施したオランデーズソースを麗しげに添え
卵黄の黄金色も美しく輝き乍らフワァンと
お皿上に広がております。
ホワイトアスパラとオランデーズソースの
一体感がお口の中で自然な儘で芽生えます。 甘味と旨味がしっかり引き出された純白の
アスパラガスになるように程良い温度にて
白神山地の大自然のお水で茹でられてます。
そのホワイトアスパラは用意されてる塩を
少し振り付けると甘味がグッと広がりつつ
逆にオランデーズソースでは玉子感濃厚に
コク深さも相まってうま味を引き出します。
ホワイトアスパラの自然な甘味を感じる塩
白アスパラの繊維に濃厚な旨味を添えての
瑞々しい食感との一体感を楽しむソース味
何方も甲乙つけ難いほどに素朴な美味しさ
ロワール産ホワイトアスパラガスの素材の
ポテンシャルを存分に高めて頂き味わいを
満喫させて頂いたお料理には感無量でした。
③佐渡より神経締め 目近鮪
お米と中国甘酒のソース
レモングラスの藁で軽く燻してから
塩と山葵を目近鮪に添えて脂質整理
更に甘酒のドレッシングソース添え
この一品には素直に感動しちゃうよ
ホント驚愕の目近鮪のお料理でした。
恐らくは私の舌の経験値以上のもの
目近鮪の身質
目近鮪の火入れ
目近鮪の香り
目近鮪の食感
目近鮪の味覚
目近鮪の舌触り
目近鮪の歯触り
目近鮪と言う素材の味覚エレメント達が
生々しく鮮烈に研ぎ澄まされてるお料理
自分の目と舌と歯と耳まで疑ってしまう
怖い味覚と言うものが存在するのならば
この目近鮪こそ舌が怖くなる味わいかと
想像と感動を突破してしまう破壊力です。
一口齧っただけでこの身質の豊満芳醇な
赤身とトロが一体化した生身の艶かしい
極上の旨味に舌が溺れてしまい脳味噌に
衝撃がズン!と駆け抜ける程の劇的美味
舌が蕩けるとか唸るのレベルを超えてる
んん、然も半端なくこれほどの上ものを
ボリューミーに食べ応えしっかり味わい
舌を高揚感で満足させてくれていました。
感動と感謝しか無い味覚の優雅な輪舞に
陶酔感が舞うプレゼンテーションでした。
④さかな人 長谷川さんより
長井の赤座海老ビスクと共に
○相模湾の赤座海老
○赤座海老のビスク
○パンドミ
炭でじっくり焼かれた赤座海老に
そのビスクと焼き立てパンドミが
整然と美しく並べられております。
赤座海老の甲殻が赤焼けしており
その殻の色合いを見つめるだけで
食欲が唆られて来ます。
赤座の先っぽから殻と白身を齧る
衝撃的な味覚が広がる赤座海老は
備長炭でこんがり焼き上げたもの
舌が興奮する味覚に感動が沸々と
湧き上がり高揚感が舞い降ります。
赤座海老をグイッと咀嚼してみる
身質が飛んでもなくピュアでした。
クリアーでクリーンな甘味が迸り
噛んだ途端躍動するプリプリ感は
次元が異なる弾力感を放っており
赤座の白身の鮮度の気高い質感を
此処まで高められるものかと感じ
然も火入れした直後の歯触り感と
舌触りの感じのレベルが違い過ぎ
火入れして海老の身が程良く脱水
赤座海老の甘味が凝縮されており
更に赤座の暖かな温度が穏やかに
身質の豊満な弾力性能を保ちつつ
新鮮な旨味を身質の中にギュッと
閉じ込んでいて齧った途端ポンと
旨味が飛び跳ねる仕掛けには脱帽
其れ故か咀嚼した途端にプリッと
跳ね返して来て無垢な甘味が舞い
口内に一気に広がるって行きます。
もう噛んでも舐めても転がしても
プリプリ感が愛おしくなるほどに
とても美味し過ぎて喜んで仕舞う。
身がプルルンと口の中で揺れ乍ら
赤座海老の無垢な甘味が透き通り
舌にジンジン甘味が伝わって来る
うんまぁ〜い
堪らなぁ〜い
気持ち良い〜
味わい深さがどこ迄も続いて行く
赤座海老の身質のミネラル成分が
底味となって浮き上がって来ます。
体液を汚さず濁らさずそのまんま
純度品質良く保存されて届くから
海老の体液に含まれている塩分で
その身から底味が自然に浮き上る
美味しさの余り舌が狼狽えている
その赤座海老を全部は食べ切らず
一部を残したままでビスクに進む
ビスクに浸して赤座海老を頂こう
と密かに企んでおり楽しみ膨らむ
その赤座海老の隣にお供するのは
旨味エッセンスを6時間も掛けて
凝縮した濃厚な赤座海老のビスク
頭や殻や脚の部分を悉く砕きつつ
一度硬水のコントレックスで茹で
アク抜きを施しつつ嫌味を除いて
赤座海老自身を綺麗に磨き上げて
鮮度をより高いレベルに仕上げる
その後
白神山地の淡麗なお水をたっぷり
多様な香味野菜と共にじっくりと
赤座海老から旨味エキスを抽出し
引き出した濃厚ビスクとなります。
先ずビスクを素直に少し飲みます。
一口啜り瞬時に赤座海老の濃厚に
凝縮された甲殻の香味がお口中に
いっぱいに充満して広がって行き
鼻腔から脳天まで突き抜けて行く
誠に洗練された鮮烈な味わいです。
そのまま余韻がズシンと言う感じで
ショックのまま残り続ける破壊力で
圧倒的な甲殻風味濃度に舌が牢籠ぐ
濃厚かつナチュラルでピュアな旨味
その素晴らしき味覚に感極まります。
次に赤座海老の白身をビスクに浸して
頂いてみた感じが健やかに妙味を育て
赤座海老の甘味をビスクの旨味が纏い
味覚のグラデーションの完成度に唸る
赤座海老の甘味に濃厚ビスクを重ねて
旨味が底なしに湧き上がる味覚の深さ
ズバッとブチ切れる程の甲殻が満ちて
舌がこの味覚に溺れて陶酔してしまう
怖いほどに滅茶美味しい味わいでした。
旨味とかコクとかを超えて行く深さに
驚愕して驚嘆して感動してしまいます。
異次元の美味しさを創造されてますね。
このビスクの〆に相応しい食べ方で
食べる時間帯に合わせて焼き上げた
パンドミにビスクを浸して頂きます。
パンドミのフワッとした優しい食感と
時間経過と共に濃厚ビスクが和らいで
今度は興奮せずに落ち着きを取り戻し
パンドミにビスク味を合わせ大人しく
甲殻味がパンに纏う妙味を頂きました。
⑤津居山より 毛蟹リゾット
1kgの大きな毛蟹を丸2杯使用。
毛蟹から自然に抽出された塩分のみで
味を整えて絡めたリゾットを炊き上げ
毛蟹の殻から抽出したお出汁と濃厚な
蟹味噌で炊き込んで蒸し上げた毛蟹の
身を丸々リゾットに添えられてます。
此れも無垢で毛蟹の雑味無い甘味が
リゾットに静かに佇んでおります。
この深淵な旨味と言うのでしょうか
ゾクゾクする感じの旨味の奥行きが
ジンワリ口内に広がって行き毛蟹の
リゾットから自然に浮き上がる妙味
舌をゾッコン惚れさせちゃいますね。
これ程迄に蟹の美味しさを引き出して
貞淑な味覚の健気な味わいに心打たれ
舌が大満足してはしゃいでおりました。
⑥佐渡黒鮑 尾藤農産 3年熟成北あかり
天然椎茸 自家製バターと鮑のブイヨン
佐渡から届きました黒鮑のお料理
黒鮑で取ったお出汁に天然椎茸と
雪下で3年熟成したじゃがいもの
ローストに自家製バターを合せた
黒鮑のブイヨンで具材を纏います。
先ずはブイヨンスープでお口染め
すると、んん、おぉ〜、むふん、
とつい喘ぎ声が出てしまうほどに
ブイヨンのお上品で芳醇な美味さ
口腔内にパァ〜ッとと広がり乍ら
そのコク深さ漂わせる旨味に感銘
そしてブイヨンの浸し地に染まる
黒鮑の美味しさも格別にて何なの
この美味連なる素材達の秀逸さに
驚かされっ放しになっちゃいます。
更に雪下熟成の北あかりの糖度の
耽美な事と言いますと舌が吃驚し
嬉し泣きしちゃうくらいの甘味が
噛めば噛むほどジュッと押し寄せ
此れも感動が続いて来てこれ等の
味覚の要素が入れ替わり立ち替り
口内を占領して堪りませんですw
鮑の旨味の清らかで鮮度の切れ味が
素晴らしく旨味の奥行き広がるもの
北あかりの甘味も天然椎茸の妙味も
どの味覚エレメントたちも邪魔せず
互いに干渉してなくて入り混じらず
其々がピュアな持ち味を主張してて
上手く釣り合ってる味わいが混沌と
する中で味覚同士が融合して来ます
誠に味覚のマジックに出会った様な
嬉しい余韻を残して満喫致しました。
⑦浜松 勢麟さんより 新玉葱のムース
一見して此れが全部新玉葱の一品とは
思えないほど可愛いく鎮座しています。
峯村シェフのスペシャリテとの事です。
無農薬新玉葱を一枚ずつ包丁でカット
一昼夜紙に包んで寝かせることにより
余分なアクや嫌味等を完全に飛ばして
新玉葱が十分の一になるまで炒めてて
塩と数滴の生クリームだけで味を整え
泡立てて出来立たばかりの玉葱ムース
甘味が麗しく可憐に耽美な甘さが佇む
甘味だけては物足りない面を補う意味で
フルーツトマトのジュレを添えて酸味を
ムースの底に潜らせて纏わせてます。
新玉葱ムースをスプーンで掬ってみます。
とても玉葱のものとは思えない滑らかさ
円やかさが舌をしっぽり包み口福感満喫
此れが新玉葱とは思えないクリーミィさ
玉葱の繊維感とか雑味等が微塵も感じず
上品な糖度だけが舌に舞う甘味なのです。
その円やかさは生クリームの様な優しさ
まるで飲み物の様にスゥ〜ッと口溶けて
喉元を通り過ぎほんのりとコクを残して
人の舌で感じ取れるアクや苦味嫌味を抜き
玉葱を汚れ無きレベルまで昇華する匠の技
単一素材を最大限まで澄んだレベルに昇華
優雅で透明度の高さを誇る味覚に拍手喝采
⑧稲取 並木屋さんより 地金目鯛
田原さんの筍 本日の仕立て
深海の海老を食べて育った金目鯛は
カマの部位から甲殻の香りが漂って
とても旺盛に食欲を掻き立てて来る
金目鯛は炭火で一度焼いて穏やかに
仕立てたもののアラから出汁を取り
そのお出汁で軽く煮込み炊き上げて
再度炭火で火を入れる繊細な仕上げ
また、田原さんの筍は
姫皮から取ったお出汁の中で煮込み
ローストした新筍を合わせてからの
アクアパッツァ仕様でのご用意です。
金目のお出汁がとても穏やかなうま味
掛け合わせるおソースには人参の他に
天然のクレソンが飾られ彩りを添える
金目を早速咀嚼してみますと
皮目と皮下の狭間にピッタリ付着する
ゼラチン質が堪らなく美味しく震える
皮目のパリッパリな食感が先走りつつ
皮目自体の旨味がお口の中に迸ります。
炭火でパリパリに焼かれた皮だけでも
しっかりとした一品料理になりますね。
そして
汚れ無き身質がしなやかに唸ってます。
金目を歯で噛み進むとフワンと金目が
項垂れて来て金目の脂が後からドカン
同時にお出汁を吸った金目のエキスが
滲み出し甲殻風味がナチュラルに舌を
纏います。
更にはジュワ〜ンッて脂質感が迸って
旨味を口腔内に撒き散らして行きます。
身質はハラリと自然に解けて行き乍ら
舌触りの美しさにうっとりして来ます。
綺麗な身質の旨味がどんどん口の中で
膨らんで来ます。
噛んで舐めてエキスを味わい堪能する
一連の美味しい味覚エレメントたちが
馴染みあい極上の味覚を完成しました。
⑨静岡 ハールレモネのグラニテ
ハールレモネードから抽出したジュースに
生のシャインマスカットの果肉を合わせて
シャリシャリのグラニテにされてます。
ハールレモネグラニテはサクサクッとする
食感が爽やかな冷感を呼び大変気持ち良い
生の果実の方はゴロンと大粒のグラニテと
なってザクッと齧る食感が歯当たり良好に
冷感を漂わせて来て爽快感を伸ばしながら
お口の中を潔くリセットしてくれました。
⑩上田畜産 但馬玄の炭火焼き
北海道百合根「月光」
本日のメインです。
但馬玄を活用した2皿のご用意です。
一皿目は但馬玄のリブロースの炭火焼き
二皿目はビーフカレーとなります。
神戸牛の中でも王様と言われる上田畜産より
但馬玄の雌牛から取ったリブロース芯を
炭火だけで2時間掛けて焼き上げてます。
おソースは但馬玄リブロースの筋を使った
ジュのソースをベースとして更に但馬玄の
肉の旨味を焼き付けてギュッと凝縮された
おソースとなってます。
お肉には初物の花山椒を合わせておられます。
付け合わせは外観だけからはパン?
パンが付け合わせにご用意なのかと
一瞬勘違いしそうですが
パンを手で半分にパカッと割いてみると
パンの中に北海道産の幻の百合根月光が
パン生地の中にいっぱい射込まれており
パンの中でじっくりと火が入る事により
百合根の甘味の本領を見事に発揮させて
食感もしっとりと舌に馴染み素晴らしい
付け合わせのご用意となっております。
この百合根にはホントに吃驚致しました。
火入れの優しさと言うか
低温調理でまさか、こんな風に仕掛けて
パンで調理してしまうとは恐れ入ります。
故にパンの中でトロ火が百合根の全身に
あらゆる繊維質まで柔らかく解す感じで
百合根の持つ糖度を熟成し育んでいます。
この巧みな素材ポテンシャルを操る術の
コントロールには頭が下がる思いです。
舌はその百合根の糖度をしっぽりと味わい
至福の甘さを携えながらの但馬玄の旨味に
激昂しリブロース芯の肉塊から至福の美味
お皿に鎮座しています但馬玄肉の真ん中を
ナイフの刃先でポンと突ついてやりますと
プヨンと揺れる感じで跳ね返って来ますよ。
2時間炭で焼いた後でもこの柔らかさとは
肉質繊維の品質が余程お上品なものなのか
兎に角不思議なくらいの柔肌の質感に驚く
ロゼ色の分厚い身肉をナイフでカットする
ナイフはスゥッと但馬玄の肉布団の柔肌に
吸い寄せられる様に自然に沈んでいきます。
いやぁ、肉質感がフゥワフワッて感じです。
然も厚手の肉塊にちゃんと火が通ってます。
2時間も掛けてじっくり炭火で焼いており
外回りは真っ黒でカリッカリに厚めの皮が
肉塊を引っ張りリードしている感じとなり
お肉のフワンとする柔らかい身質との落差
肉感のコントラストが鮮明に舌に伝わって
めっちゃクチャゲキ的な美味さを誇ります。
肉質のしっとりした舌触りも芳醇な旨味も
半端なく舌を官能の渦に巻き込んでました。
⑪但馬玄のビーフカレー
お肉料理の〆は但馬玄の腿肉で取った
コンソメで炊き上げたライスと一緒に
但馬玄の筋や骨でフォンドボーを作り
たっぷりすね肉を加えて作った自家製
デミグラソースをベースにしたカレー
このカレーライスの中にはお肉の姿が
全く皆無のカレーとなっている中でも
お肉を200g以上も溶け込ませており
その旨味とコクが溢れるカレーです。
お肉を焼き物として使用しない部位を
全てカレー自体に注ぎ込んでますので
とてもコク深さの奥行きが広がるもの
旨味の奥行きがどんどん展開され乍ら
カレーを舐めるとデミグラの酸味漂い
甘苦さがほんのりと感じられる絶品な
美味しさが舌にストレートに届きます。
斯様に美味しくて気高い品位を感じる
ビーフカレーに出会えた口福に対して
胸がいっぱいになりました。
⑫浜松より紅ほっぺのスープ
静岡から届きました特別栽培の紅ほっぺ
低温調理により芳しさを引き出した苺の
スープと生の果実を泡にして添えてます。
⑬蒜山 ジャージーミルクのアイスクリーム
ジャージーのクリーミーな質感と
気高い香りが舞い糖度の高さを誇る
アイスクリーム
最後まで飽きさせませんね〜。
お口の中で舐めてアイスのトロリと
蕩けて広がる口溶け感がエゲツなく
舌をジャージーミルクの虜にします。
⑭小菓子
自家製焼き立て出来立てのシュークリーム
⑮珈琲
■印象に残る再会したい一品
新玉葱ムース
峯村シェフが精魂を込めて創造されて
純度もピュア度も研ぎ澄まされた甘味
舌にムースが着地した瞬間の円やかさ
驚くエレガンスが纏う味覚に感銘する
この新玉葱ムースを味わってしまうと
舌が懐かしんで愛おしくなるほどです。
是非多くの方々に親しんで頂きたい一品