6回
2023/07 訪問
夏バテ気味の舌に元気を頂く怒涛の夏鮪に魅了された
◆訪問日:2023.7.30(日)20時半〜23時
◆予約 前回訪問時にて
◆お料理 お任せ¥44,000税込
お酒含む会計¥63,140税込
■□ お摘み □■
❶温かいお浸し
○三つ葉と油揚げの短冊:茨城
○糸がき
○振り胡麻
○鰹昆布のお出汁
三つ葉のシャキシャキ感伴う温感が舌を
優しく包みお出汁が絡みながら瑞々しく
揚げ物がしっぽりと舌を纏う
同時にフゥッと胡麻の甘い香りが湧き立ち
淡いうま味が舌に染み入って来て満足感が
訪れる。
鰹風味が良く出ている浸し地を飲むと
胃が優しく温められて行きゆっくりと
宥められほっこりと落ち着いた味わい
舌も胃も和ませて頂きました。
❷赤海胆:山口下関市安岡産
お通しの一品の後にカウンター上には
お薬味がセットされます。
○醤油
○浅葱ポン酢
○塩
○山葵
最初から旬のお摘みとして三房ほどの
赤海胆がご用意されたのは驚きでした。
大将からのお話には赤海胆産地が山口!
然もあらい大将ニコッと笑みを浮かべ
『下関産のもので豊洲にはまず入らないもの』
と嬉しそうにお話になるのでかの安岡産
らしいと推察。
貴重かつ希少な産地の赤海胆珍味を舌で
転がしつつ耽美な甘味が口内を満たして
じっくりと房房の赤海胆様を堪能させて
頂きました。
この振る舞いには感謝感激となり歓喜に
震えちゃいましたね。
あらい大将に重ねて感謝!
❸アマテ鰈 明石
いわゆる眞子鰈のお刺身を二切れ
鴨頭葱のポン酢でいただきます。
鮮度がものを言う切り身ですが
流石に身質の初々しさを鮮烈に
感じる一品のお摘みで舌触りも
歯触りもフレッシュに響きます。
明石の激流に揉まれてる所為か
シコシコ感がグッと伸びる咀嚼
とても噛み心地に快感を呼んで
その潔い食感から芽生える淡い
甘味に舌が狼狽えてしまいます。
❹新ワカメ 鳴門
旬の和布の新鮮なシャキッとした食感と
甘酸っぱさ広がるポン酢で頂きます。
和布をお摘みでご用意されるお店は結構
有りますがきちんと正方形にカットして
ミルフィーユ状に切り分けするのはお初
和布が綺麗に重なり合い束の状態になる
咀嚼した時の厚みのある繊維感が歯応え
充分に響いて一層和布のうま味を感じる。
更にポン酢の酸味が適度に和布に馴染み
ツルッと舌を滑る和布を引締めて快適な
食感を味わえて楽しませて頂きました。
❺新銀杏:愛知祖父江
翡翠色が全く鮮度の良さを物語る
鮮烈な色合いを見せてます新銀杏
何でも枝から落ちていない銀杏との事。
落ちる前なので熟成されてなく新鮮で
やや未熟な為深緑色に染まった新銀杏
サイズも小さな落花生くらいの大きさ
噛んだらコリッとはせずにムニュッと
弾力感が膨らみながら潰れて行く感じ
咀嚼感は弱めでしたが銀杏には特有の
苦味とかが殆ど無くて初々しい青味の
味わいが広がるものでした。
振り塩された塩気が良く銀杏に馴染み
新銀杏の青さをクリアな美味しさへと
味を整えてました。
❻鰹 山山葵漬け丼:漬け醤油
初鰹の漬け丼となりますが鰹は漬け醤油で
鰹の及ぼす酸味と舎利の酸味が見事な迄に
マッチングする漬けの小丼です。
丼の天に海苔を散らせて美観と香りを整え
オリジナリティに溢れる小丼が舌を誘う。
小丼に雅に盛り付けられた初鰹の漬けは
キラリと脂汗を掻いて肉肌に輝きを見せ
艶かしく姿態を曝け出しております。
その美観の光る様相を眺めているだけで
舌が欲を渇望し食したくなります。
欲望の渦に巻き込まれる様に箸先で丼を
掻き混ぜ鰹と山山葵を絡ませ乍ら喰らう。
舌が鰹と山山葵を直感してこれ程に鰹を
グッと引き立てて来るとは正しく目から
鱗となる味わいの覚醒でした。
❼葛粉素麵:シラス 生唐墨 オリーブオイル
清涼感溢れる葛粉の繊細なコシの素麺を
鰹節と昆布のお出汁に数滴の薄口醤油の
地に浸して静かにシンシンと佇ませます。
その葛粉素麺に生唐墨の刻みをパラリと
散らしてシラスをお供に添えています。
更にはお薬味の鴨頭葱の青みに香り高い
オリーブオイルをポトリと数滴落として
芳しく気品を装い香りと味覚を整えつつ
とても爽やかな一品に仕上げております。
冷んやりとしたお素麺をツルツル〜ッと
啜りますと鰹昆布のうま味淡く佇む地が
お素麺に絡見ながら涼感を口内に走らせ
凄く良い気分になります。
其処に奥床しく唐墨の塩味がふんわりと
届いてこれが絶品の味わいを呼び込む。
お素麺の淡白な甘味を唐墨の塩気で頂く
そしてほんのりとシラスから潮風が吹き
磯の香りを少しだけ感じさせてくれてる
此れも嬉しい味わい
お素麺が綺麗な淡味を持つ素材だからか
唐墨やシラスが活きてジワリ寄せて来る
そんな涼感が漂うハーモナイズが素敵な
一品でした。
❽ナガス鯨の尾の身:生姜醤油 浅葱
吃驚する美味さに舌が震え続けて
堪らん止まらん留まらんなのです。
もう、此奴のヤバさは尋常成らず
赤身肉からの筋が皆無の尾の身の刺身
噛んだ途端ビンビン響くモッチリ食感
尾の身を咀嚼し始めて直ぐに肉布団が
舌にピタァッと抱きついて来て仕舞い
ホント、柔らか〜く筋が無く活力溢れ
舌触りの何と滑らかな肉肌にうっとり
噛めば噛む程肉汁漲り旨味が口内へと
溢れて満ちて行き肉汁脂質が口腔内で
蕩けまくります。
尾の身って滅茶苦茶美味しい〜〜っ!
咀嚼した時の衝撃度が堪らなくなる
滑らかな舌触りが伸びつつ
肉のしなやかさを保ちつつ
其れでいてしつこくはなく
まるでヒレ肉のお刺身の様
加えて生姜醤油が淡く尾の身を纏って
尾の身の身肉からは零れ落ちる肉汁と
噛み合って相性抜群に尾の身の旨さを
際立たせて来る。
鮪の中トロと大トロの脂質を巧みに
合わせたような酸味と旨味が優雅に
舌の上で軽やかに雅な味わいが踊り
尾の身の旨味が赤身肉の奥から迸り
身質はその脂質とは裏腹に春の様に
爽やかにサラサラと流れる食感走り
その上舌触りがシルキーに艶めいて
スッと軽快に身溶けして行く脂質の
美味しさに驚愕してしまいました。
❾真魚鰹の塩焼き 淡路:酢橘
真魚鰹の持ち味をしっとりと引き出し
身質は上手に程良く油を飛ばしており
ハラリと解けた身をお口に含んだ時の
しなやかな肉感を響かせ印象的な味に。
肉厚に膨らんだ真魚鰹の塩焼きを齧ると
仄かに塩味と酢橘の酸味が身を引き締め
美味しさ倍増となり無我夢中で堪能する
満足感だけが残香を追いかける様に佇み
真魚鰹へ儚き思いを馳せておりました。
■□ 此処から握り □■
今日の鮪は全て松前の延縄との事。
やま幸さんより仕入れたピンピンの鮪は
大将がスライシングしている所を見ると
この夏場にして凄く立派な鮪のご用意に
感銘して仕舞いウルウルしちゃいますね。
①墨烏賊:塩
咀嚼が素晴らしくコリコリ感を膨らませ
僅かな振り塩が墨烏賊の甘味をクリアに
伸ばして来た一貫
墨烏賊に入れられた包丁飾りの一本一本が
肌理細かく身質を甘く浮き上がらせている。
咀嚼していると墨烏賊の身が蕩けて行く時
トロ〜ンとする旨味がvividに躍動して
身質が徐々に溶けながら舎利を巻き込んで
墨烏賊の甘美な味わいが渦巻いて美味しと
なる至高の一貫でした。
②鱚:昆布〆
二貫目に鱚と来ました。
流石はあらいさんですね。
鱚自体は切り身ですと味気無い感じ
処がその鱚を昆布でキュンと締める
俄然旨味が膨らむ身質に変わるのが
不思議なくらいで舎利との距離感も
さり気無く間合いが詰まって咀嚼を
進めると自然に鱚と舎利が調和して
見事にマッチングしてしまうのです。
偶に鱚のお刺身をお摘みで其の儘の
状態を頂く事が有りますがお塩とか
山葵醤油等で味を足さない様ですと
物足りなく感じられる事が多いかと。
で、あらい大将の昆布〆はキュッと
鱚を抱き抱える様な締め方で優しく
鱚の身欠きを包む様にして姿態との
距離間を縮めてグルタミン酸で纏い
丁度良い感じで昆布のうま味を鱚に
写して味を整えております。
鱚の握りを含むと舎利との一体的な
抱き心地の良さ故でしょうか良ぉく
引き締まった鱚の身質が艶やかな上
舎利は切れ味良くシャリッと背筋を
伸ばす感じで舌に迫り舎利の粒感が
歯切れ良く弾んで其処に旨味十分の
鱚が見事なマッチングを見せて来る
此れは参りますね
淡白な鱚を美味しくさせちゃう技に
感心しますし感謝の念すら抱きます。
其の儘咀嚼を続けてますとキスって
性格がとても素直な身質を昆布側が
ほんのりと鱚の身を昆布色に旨味を
染めてやや昆布勝ちとなり嫋やかに
その身を男前の舎利に委ねて仕舞い
鱚の旨味が膨らみつつ舎利と一緒に
仲良くスゥ〜ッと消滅。
これがまた良い余韻を残してくれて
実に上手く纏まった一貫でした。
③みる貝
コレは素晴らしいみる貝との出会いは
感動モノです。
その貝粒らしからぬ堂々の出立ちにも
大振りの肉感が漲る姿態も圧巻の眺め
大海の恵みをいっぱい受けて育ったと
思われるフォルムに見惚れながら咀嚼
その瞬間にみる貝から弾力する肉感が
力強く歯に押し寄せて来て食感からは
刺激的な旨味が口内に溢れて充満して
更に咀嚼を重ねると貝の大海の香りが
お口の中に吹いて抜けて行く感じです。
貝の身質感もしっかり繊維が感じられ
コリっとした生息感が伸びて噛んだ時
コリコリ感が潔く芽生えて楽しませて
くれます。
お口の中でグチュグチュし続けてると
フレッシュな貝の甘味が一気に吹いて
舎利を巻き込みみる貝が本領発揮して
おりました。
④鬼鰺:浅葱 生姜
お料理人からしますとかなり皮を剥くのが
難しいお魚さんだそうで
そう言う所から鬼の名前がついてるらしい
鬼鯵自体は真紅の身に染まり赤く血合いが
多い身質を抱えており見応えも噛み心地も
十分欲望を満たしてくれる鮨ネタかと感じ
中々巡り合うことも少ないだろうと思って
慎重に少し緊張気味にお口を動かしました。
一目見ただけだと外観はイマイチかもです。
然しながら一度噛み始めると適度な歯応え
更に皮目からの脂質の乗りが良くて旨味も
旺盛に舎利に響いて来ちゃうので何?これ
意外と濃厚な味わいが口内で踊りまくりで
少し吃驚しちゃいます。
まるで何処か高級ブランドの釣りの真鯵を
食べている様な錯覚に陥って仕舞いました。
自分の経験値不足を仕切りに恥いると共に
あらい大将の慧眼に感嘆致しました。
⑤新烏賊の下足焼き:七味
単純に初々しい新烏賊の下足の若々しい
フレッシュな弾力感を伴う甘い美味しさ
舌がキュンとする食感から程良い温感が
展開しており噛み心地の良さで舌が喜ぶ
下足が甘く舌に寄せて来ながらも七味が
ツンと突っ張って辛味を飛ばして下足の
甘味をグッと伸ばしつつ舌を楽しませて
実に新子らしさを感じる下足から元気を
頂きました。
⑥黒鮑のお出汁のリゾット
○黒鮑
○鮑のお出汁で炊いたお米のリゾット
その黒鮑を咀嚼すると新鮮な儘で
コリコリッと歯応えが心地良くて
食感を伸ばし同時に旨味が広がる
鮑からのお出汁で炊いたリゾット
一口啜ってみたらトロ〜ッと鮑の
うま味が飛んでもなく凝縮されて
リゾットの煮汁が従順な程お米に
馴染んでリゾットを美味しくさせ
瀞みが麗しく広がり鮑の味と共に
美味さをグンと引きだしてました。
一口を重ねリゾットを飲む度に
煮汁の詰まった鮑の味わいとで
程良く調和した激旨リゾットが
舌に心地良い印象を残しました。
⑦赤身漬け 松前
本日の鮪は松前より旬の活きの良さが
伺える鮪4貫もの大行進で有りました。
この夏の時期にこれだけの身質を保ち
痩せてない逸品を揃えられるのは流石
感嘆を通り越して絶句してしまいます。
夏鮪最初の一貫は赤身の漬けからです。
漆黒のカウンターに大将の手から離れ
フワッと着地するとその見事な真紅の
姿態に目が釘付けとなってしまいます。
更に鏡面仕上げの如く磨かれた漆黒の
カウンターには赤身が置かれた美観は
逆さ富士の如く上下に反転して写され
その煌びやかなお姿にもうっとりして
眼を楽しませてくれます。
ここ迄美しいと工芸品となりますね。
これ程の美しきフォルムで臨まれると
欲が沸き起こり舌が渇望の渦を巻いて
噛めば噛む程に深く舌に赤身の旨味が
浸透して行き口腔内で留まる味覚から
戸惑いが生まれてしまいます。
赤身の艶のある肌合いにうっとりして
滑らかな舌触りが咀嚼を心地良く進め
食後の残り香に耽りながら気高く舞う
余韻を楽しみました。
⑧中トロ 腹上
この美しさを誇る見事な一貫も
素晴らしく美観が整った芸術的フォルム
カタチの美しさと完成度に眼を奪われる
目の前に厳かに佇む中トロの一貫に
舌が平伏しております。
弧を静かに描く曲線美からは刺しが
流麗に線を描いて艶めく輝きを放つ
目がたじろいでしまうほどの美観は
食べる事を一瞬戸惑わせてしまう。
而してその握りを口に含めばトロが
舌に着地するや否や有無を言わさず
欲望を掻き立て乍ら程よく寝かした
中トロの甘味が舌を撫で始め舎利を
グッと巻き込み乳化と共にどんどん
口溶けを膨らませて舌に吸い付いて
一瞬その抱擁感に舌を任せたくなり
その舌触りの官能的な美味に戸惑う
咀嚼を進めると中トロの肉肌が舌に
妖艶な味わいを放ち抱き付いて来て
あっという間に蕩けて消えて行く
陶酔感と余韻に浸りつつ儚さを感じ
ゾクゾクする一貫に感動を頂いた。
⑨中トロ 背側 松前
香りと酸味と甘味が三位一体となり
味覚の均整が絶妙に整っている一貫
この中トロとの感銘的な出逢いに感謝
背側の中トロは咀嚼を緩やかに進める
腹上より優しい脂質が纏う繊細な身質
故に慌てて咀嚼してしまうと忽ち消滅
其れは勿体無いなと言う食いしん坊の
拘りが早目の咀嚼を嫌う
此処は折角の上品な中トロをじっくり
噛み締めたい欲望に身を任せて脂質が
サラリと口内に流れて来て舌に着地し
滑らかに撫でて行く快感を堪能したい。
咀嚼を進めるとトロの甘味に舎利から
酸味を頂きケンカする事なく調和して
中トロの握りとしての味覚を整えます。
実に舎利とネタとの調和がスムーズに
進む一貫の一体感が駆け抜ける美味さ
これは中々出会え無い味わいかと感じ
脂質感が優雅に舞うのと同時に身質の
タフさも兼ね備えて噛み応えも満足し
舎利との一体感もピタリとトロに寄せ
握りの完成度を高めておりました。
⑩大トロ 蛇腹
松前の鮪の蛇腹からはピンピンのネタ
夏痩せしてしまう時期にも関わらずの
鮪尽くしの4貫の握りには此処でしか
味わえない至極の逸品ネタばかりにて
舌が感動と驚きで狼狽えてしまいます。
その大トロを咀嚼し続けていますと
甘い香りが鼻に抜けて行き
この艶やかな身質の食感と
官能的な肉肌との触れ合い
悩ましく揺れる肌合いから
零れる旨味に舌が没頭して
悶絶する味わいに溺れます。
トロトロ〜ッと大トロが直ぐに蕩け始め
脂など存在しなかったかの様な身溶け感
さり気無く人肌の温度で解けて行きます。
甘い脂質の香りが膨らみ陶酔へと誘われ
大トロの身質は豊満な脂質で舌を弄んで
サラサラ〜ッと口内に沈み儚く消えてく。
芳しい残香を残して耽る余韻に落ち着く。
⑪小鰭
あらい大将の小鰭の仕込みは
酢締めで40分きっちり〆る
決して寝かせたりとかしない
故に
鮮度を保ち乍ら其の儘の小鰭の身質を
肉厚な身がキュッと締りを見せている。
小気味の良い肉感が迸り潔い咀嚼感が
芽生えて舎利と共に爽快に走り抜ける
小鰭の咀嚼を重ねていると身質のキュッと
する締め具合をvividに感じこの食感と
肉質感の整え方に大将のセンスを感じます。
酢〆と塩〆のバランスのキレの良さが整い
小鰭の皮目と身肉の輪郭がクリアに伸びる
肉感はシャープな味わいに加えて肉厚感が
グンと広がり実に小鰭の持ち味を引き出し
舌を咀嚼の度に何度も蠱惑の世界へ誘う。
舎利と鮨ネタとの間合いも絶妙な故に
一体感が素晴らしく舎利のエアリーな
味わいが舌に訪れて舌をリセットする
かの如く小気味の良い味わいを堪能。
⑫蜆汁:三つ葉
良く蜆のうま味が素直に出てる
ホッと安堵する蜆の旨味が濃厚
じっくりとお汁を啜ってやると
ほっこりと舌を癒やしてくれる
ゆっくりと和みが訪れるひと時
⑬車海老
温度感が熱々な感じなのが舎利と
温感の同期を取りながら調和して
握りとしての一体感を強く形成し
車海老の躍動感と共に美味を創造
温かい車海老のプリプリ感と共に
口腔内で元気よく踊って美味しさ
俄然膨らみます。
この若々しく元気食な感に舎利が
ブ〜ンと巻き込まれつつ車海老と
一体化して絶妙な味わいが生じて
舌が喜んでしまう一貫でした。
⑭天草の赤海胆 軍艦
赤海胆の軍艦が舌に着地した途端
お海苔が美味しくてバリバリッと
破砕感が透き通る様に風味豊かに
口内に響き衝撃が走っちゃいます。
そしてお海苔と共に襲い掛かるは
赤海胆の極上の珍味で舎利を纏う
この時期の赤海胆は甘味が優しく
感じられてほんのりと赤海胆から
レアっぽさをストレートに感じる
赤海胆珍味が濃厚に芽生えている
味わいが舎利玉を深く覆い尽くし
咀嚼すると忽ち蕩け乍らも彫りの
深さが感じられる美味しさです。
その味覚は僅かにほろ苦さを帯び
赤海胆固有の甘美な味わいとなり
極上珍味を満喫させて頂きました。
⑮焼き穴子:煮詰め
定番の熱々の焼き穴子なのです。
手で摘むとチンチンに熱いので
この時だけはお箸をご利用して
穴子の一貫を箸先で摘んでから
お口へと運びます。
その焼き穴子が舎利を伴い舌に
着地した瞬間からフワァ〜ンと
優しい食感が展開して粉質感が
旺盛な身質はまるでカステラの
様にサラサラ〜ッと口内で解け
穏やかに甘味を広げてくれます。
熱々の穴子は身肉がふっくらと
膨らんでおり
咀嚼すると煮詰めが絡んできて
タラ〜ッと穴子に纏わりついた
煮詰めの耽美な味わいが口内に
広がって行きます。
これ程焼き穴子自身の持ち味を
豊かに引き出し舎利を巻き込み
一体感が熱々の音感と共に醸成
舌を蠱惑の渦に惹き込んで行く
焼き立ての熱々な穴子の名作に
感銘を覚えて締めに相応しさを
添える一貫に感じました。
⑯玉
追加❶由良の赤海胆 軍艦
この軍艦珍味が舌に着地した瞬間に惑う
赤海胆の匂ひが口内を舞い高揚感で充満
軍艦に巻かれた海苔の磯風味が心地良く
戦ぐと共に赤海胆が舎利の乳化を同時に
呼び込んで赤海胆と同化しながら口内で
珍味リゾット化して行きます。
其の儘身溶けしつつ飲み物となりサッと
甘美な佇まいを留め乍ら蕩けて消える。
後に残った赤海胆の余韻に纏う残り香に
浸り乍ら幸せのひと時を満喫致しました。
追加❷カッパ巻き
最後はシャキッと瑞々しいカッパ巻きで
舌を綺麗に洗う気分となり気分良く終了。
2023/09/02 更新
2023/03 訪問
佐渡の春鮪は名人の手により気品に満ちて厳かに微笑んでいた
◆訪問日 2023.3.5(日)夕餉
◆予約 前回訪問時にて
◆お料理 お任せ¥44,000
お酒消費税含むお会計¥52,140
◆滞在時間 20時半〜23時半
〜〜〜お摘み〜〜〜
❶メジマグロのたたき
メジマグロの下に大根を少し粗めに刻んだ
小角が盛られており鰤大根ならぬメジ大根
と言う感じに仕立てられて磯の香り付けに
揉み海苔を散らしております。
お大根は塩と醤油とオリーブオイルで軽く
和えられててサッパリとして軽快に甘味が
駆け抜けて行きます。
メジマグロを一枚咀嚼してみると身質から
品の良さが漂って身はトロッとして蕩ける
メジマグロ自身の旨味がフワッと滲み出し
口内をあっという間に占領してしまう。
その直ぐ後からお大根がザクザクッと舌に
挑み掛かり爽快な破砕感を残して気高くも
メジマグロの膨よかな旨味と共に香り高き
余韻を残していきました。
❷天然帆立の磯辺焼き 野付 大葉香る
焼き上がったばかりの帆立の磯辺焼きを
手巻き海苔にして大将が直接手渡しされ
受け取って直ぐに海苔からムシャムシャ
齧り付いて帆立の柔らかな身の中に舌を
委ねる。
ムニュ〜ッと弾力して帆立の肉肌が歯を
招き入れる時の咀嚼が頗る快感を呼んで
其の儘口内に走る磯辺焼きの香りと甘味
更に大葉の紫蘇の香りがフッと膨らんで
実に風味豊かな磯辺焼きに魅了されました。
❸蒸し牡蠣 室津
ぷるっぷるんで滑らかに舌を撫でて来る
火入れは12分間程で全く身が縮んで無い
お酒をサッと掛けてラップして蒸してる
蒸した牡蠣からの旨味エキスが滲み出て
そいつが滴り落ちて皿底に溜まるのだが
それが無茶苦茶うんまぁくて舌を潤して
つい、日本酒をもっと飲みたくなります。
牡蠣の身の絶妙な味わいと脂汗の旨味に
舌が感激しっぱなしでした。
❹余市鮟肝とメロンの奈良漬
あらい大将定番の円形鮟肝をお箸で
四等分にして鮟肝を扇形に揃えます。
奈良漬も丁度扇形に4枚のお揃いで
1/4切れに割いた鮟肝の上に奈良漬
それに山葵を盛ると丁度塩梅の良い
姿形が整い鮟肝奈良漬の山葵添えが
美しいピンク色と山葵色も鮮やかに
完成しておりました。
何時も山葵が足りなくて追い山葵を
頼んでしまいます。
綺麗なピンク色に染まってる身質は
良く脂が乗ってる証拠で有り山葵は
やはり少し足らなく鮟肝2/4切れで
食べ尽くし山葵を追加所望してから
鮟肝奈良漬の円やかな旨味と一緒に
口溶け感を堪能させて頂きました。
❺九絵のたたき 黒七味 舞鶴
九絵の身肉の焼き霜の仕上がりは
火入れの力をサラッとセーブして
皮目の膨よかさを残しつつ火入れ
肉質に逞しさを与えながら身質は
九絵の生命力を感じるぷよぷよの
レア感が豊かに香るもので美味が
咀嚼を喜ばせて進めている。
皿底に溜まった九絵からの脂汗が
実に旨味を豊富に含んだ良い味で
どんどんお酒を進めてしまいます。
❻菱蟹(渡り蟹)宮城 日本酒漬け
爪も脚も胴体の部分にも身が一杯に
詰まって日本酒をたっぷりと吸った
蟹の身がトロットロンとなっており
菱蟹の殻からは瀞みが生々しい身を
カニスプーンで穿り出しつつお口に
放り込むと実に艶かしく舌に絡んで
其の儘濃厚な珍味を纏う酒肴となり
舌をものの見事に弄んでくれました。
〜〜〜握りスタート〜〜〜
①鹿児島 墨烏賊
墨烏賊三段活用が十分に舌を満足させる
咀嚼した途端コリコリ感が真っ先に走り
柔らかな肉質がシナッと捩れ舌と戯れる
潔い食感が突き抜ける爽やかな歯触りで
歯を楽しませてくれ同時に身が滑らかに
蕩け出ししっぽりと舌を包み込み舎利と
同化しながらサラッと消えて行く
この気持ちの良い咀嚼感と舎利の酸味が
同調して口内を駆け巡る快感に惑わされ
舌が喜んでしまいました。
②閂 塩じめ 生姜
やはり閂の歯応え感と清い姿態が口の中で
一杯に満たされるのは気持ちの良いものだ。
閂の大きさも丁度咀嚼感が満たされるもの
サイズ感が誠にお口にフィットして来るし
透明感の肉感も潔し舎利とのバランス感も
とても良く整えられてる握りとなっており
閂の澄んだ旨味と舎利との距離感が舌妙で
素晴らしい身質の厚みが感じられるもので
咀嚼からの満足感がとても広がりました。
③鳥貝
時期的には未だ走りものかとも感じます。
でもそんなに時期尚早と言う訳でもなく
咀嚼してみますと
きちんと身はふっくらして瑞々しさを誇り
鮮度の良い身質感が広がり食感も歯触りが
柔らかくてぷよぷよ感が膨らむものであり
口当たり滑らかに舎利をも巻き込みながら
鳥貝の握りとしての一体感を醸成していた。
然も咀嚼を重ねる度にあんまぁ〜くなって
めちゃくちゃ舎利と相性良く身肉が交わる
どんどん鳥貝から甘味がジュワ〜ッと滲み
甘美な味わいが口内いっぱいに広がりつつ
舎利と同調しなごら妙味を増してました。
④赤貝 閖上
流石は閖上の赤貝です。
ほんと、ご無沙汰です。
一年振りくらいですか。
久しく出逢わずの閖上
少し前までは赤貝なら
閖上が代名詞でしたが
今では影が薄くなって
中々お目に掛からない
でも、鮨あらいですと
閖上のご立派な赤貝を
堪能できるのですね。
此れは実に嬉しいです。
今時希少品なのですが
其処は外さず閖上にて
逸品を求め続ける姿勢
そう言うのにも感銘し
流石はあらい大将だと
強く感じて感謝ですね。
⑤ヒモキュウの細巻き
赤貝は身よりヒモの方が立派な事が多く
旨味も甘味も絶品でありヒモキュウ等に
してくれちゃうと舌が悦びまくります。
赤貝のひもはコリコリ感が特徴でもあり
噛む程に広がる甘みと旨みが堪りません。
ビヨ〜ンと伸びて極太で長い立派なヒモ
あらい大将が折り畳んだ所で胡瓜と合せ
その後で海苔と舎利で海苔巻きに仕上げ
手渡ししてくれます。
ヒモと胡瓜が一体化した海苔巻きからは
立派な赤貝のヒモからコリコリッとした
食感と風味が豊かな美味しさが胡瓜との
シャキシャキなコラボで妙味を完成させ
咀嚼を素晴らしく快適に進めて来ます。
噛みごたえ抜群に伸びて来るものだから
閖上の赤貝のヒモの無垢な旨味がグッと
口内に広がってヒモの力強さと瑞々しい
胡瓜の食感がハーモナイズしていました。
⑥赤身 漬け:佐渡 定置
新潟は佐渡のドンピシャ舌を唸らせて
惑わせる素晴らしい身質の鮪4貫及び
鉄火巻きが続く圧巻の鮪尽くしが迫る
迫力満点魅惑度200%の鮪の握り開始
何と豪勢な鮪尽くしのオンパレードが
登場してくれちゃいました。
この鮪シリーズ4連発プラス鉄火巻き
かなりインパクトのあるおもてなしを
頂く事になり歓喜してしまいました。
その至高の握りをこれから頂きます。
春鮪最初の一貫は赤身の漬けからです。
漆黒のカウンターに大将の手から離れ
フワッと着地するとその見事な真紅の
姿態に目が釘付けとなります。
逆富士の如く映える煌びやかな美観も
手伝って食欲は赤身を渇望してます。
噛めば噛む程に深く舌に赤身の旨味が
浸透して行き口腔内をフワッと浮かす。
赤身の艶のある肌合いにうっとりして
滑らかな舌触りが咀嚼を心地良く進め
食後の余韻に香りが気高く舞い上がる
⑦中トロ 背上 佐渡 定置
2段目の鮪ロケットスタートは
背上の部位けらの中トロで舌を
完全に沈黙させるものでした。
佐渡の春の鮪4貫の中でも格別な気品の
高さを感じた背トロの一貫となりました。
この崇高で品格を感じる中トロの脂質は
抜群にバランスの取れた舎利玉と繋がり
その間合いの良さに歓喜している
舎利の空気感とネタの密度
中トロと舎利との距離感が整う
中トロが振り撒く甘美な味わい
中トロが蕩けていくスピード感
舎利が乳化して行き蕩ける速度感が共鳴し
咀嚼を重ねると味覚のグラデーション進み
酸味・甘味・食感・香りの全てが一体化し
完成度の高さに酔い痴れてしまう一貫てす。
⑦大トロと中トロの狭間 腹上 佐渡
鮪の部位でも腹カミの非常に希少な
部位である大トロと中トロの狭間に
潜む部位の鮪で強いて表現するなら
『大中(ダイチュウ)』の呼称にて
認識すれば良いと大将からのお言葉
その大中の鮪の身を咀嚼したら吃驚
これ程迄鮮烈に旨味突き抜けて来て
鮪マグロしている食感と芳醇な脂質
舌をスッと蕩ける旨味の中に誘って
其の儘口溶け感が広がり舎利玉との
一体感を形成しつつ口内に中トロの
旨味漲りサラリと流れる様に満ちて
そして静かに消えて行く中トロです。
研ぎ覚まされた脂質感の佇まいには
唖然となり静かに清く美しく優雅に
舞う大中のナチュラルに蕩けるトロ
そんな出会いが待ち受けていたとは
この一貫との巡り合わせに感謝です。
斯様な貴重な舌の体験を頂く機会を
貰えただけで本日お伺いした甲斐が
有るというものです。
それ故に舎利玉も鮪の鮮烈な味覚に
匹敵するやや大き目で逞しく舎利を
握られてる様で鮪の強さに合わせて
舎利もキュンとやや強目に締めてて
大中トロとの一体感を楽しみました。
⑧砂擦り大トロ 蛇腹 舞鶴
舞鶴からのピンのピンの蛇腹の握り
鮪尽くしの握りの締めには相応しく
興奮する旨味に舎利を惹き込み鮪と
一体感を綺麗に整えて脂質溢れつつ
口内調理が進み砂擦りと舎利玉とが
リゾット化する蛇腹の一貫なのです。
この握りから浮き出す脂質や甘味や
旨味たちがぜ〜ん部エレガントなの
コレが春鮪の特質にてサラッとして
舌を優しく労わる様に撫でてくれて
かつダイナミックな旨味は損なわず
気高さを感じさせて蕩け感が広がる
而して鮪の締め括りは舞鶴なのです。
この驚異的に迫ってくる美味さには
完全に舌が翻弄されてしまいました。
舌にピタッと寄り添う完璧な間合い
咀嚼が止まらず自然な形で舎利玉と
砂擦りから芽生える舌妙なる一体感
お口に入れた途端に砂擦りは口溶け
威風堂々のインパクトが訪れ瞬時に
フゥッと穏やかになり去って行く
蛇腹から浮き上がるサラサラの脂質で
フワンと舎利を優しく巻き込んで行き
其の儘舎利に甘美な味わいで抱きつく
その抱擁感に舌がが巻き込まれながら
砂擦りの渦の中で乳化してやんわりと
舎利玉が解けて行きます。
そして
味覚が突き進んで砂擦りトロの旨味が
一気に開花し舌が歓喜に震えたふかと
思った瞬間アッという間にトロトロに
口溶けし儚くも消え失せてしまいます。
もう少し楽しみたかったと残念に感じ
全て飲み込んだ後に残る余韻が意外な
ほど長く名残りの香りがとても妖艶に
漂っておりました。
⑨鉄火巻き
ダイナミック&エレガントな鮪の握りが
続いた後にはしっくりと舌を宥める如く
赤身の鉄火巻きが鉄分旺盛に見える赤く
中央を染めた海苔の細巻きで舌を慰める
この巻物の中心に落ち着いて坐る赤身が
実にシックな感じの舎利感で同化してて
春鮪らしい優しい酸味旨味で舌に味覚を
繋いでくれておりました。
⑩小鰭
その小鰭を咀嚼してみると身質がキュッと
程良く引き締まり乍ら肉も皮もシャープに
エッジを効かしたテクスチュア〜を感じる
この食感と質感の小平の仕上げ方に大将の
拘りを感じてしまいますね。
酢〆と塩〆のバランスのキレの良さが整い
小鰭の皮質と身肉の輪郭がクリアに伸びる
肉感はシャープな味わいに加えて肉厚感が
グンと広がり爽快感さえ走らせて来ます。
更に咀嚼を進めますと
舎利と鮨ネタとの間合いの配置がお見事で
絶妙な程のエアリー感で味わい深さが舌に
訪れて来るのです。
鮪の鮮烈な旨味が続いた後のスッキリ感を
頂けて舌をリセットするかの様に浮き出す
小気味の良い味わいが走り抜ける一貫です。
堪らないひと時の訪れでした。
⑪長崎 車海老
舎利の温感と同期を取りながら
温かい車海老のプリプリ感共に
口腔内で元気よく踊って甘美な
味覚を振り撒いてくれます。
この若々しく元気食感に舎利が
ブ〜ンと巻き込まれて車海老と
一体化して絶妙な味わいが生じ
舌が喜んでしまう一貫でした。
⑫煮蛤
しっぽりと甘美な味わいを頂ける浸し地を
施してコトコト煮込んだ煮蛤の握りです。
火入れがとても優しい煮詰めを纏わせてる
そして穏やかな柔らかさ漂う煮蛤の甘味に
咀嚼してる間からボンヤリと滲み出て来て
味覚を嗜み憂いが含まれている事に気付く
その麗しの甘美なる佇まいを更に美味しく
煮詰めが舎利の酸味と共に追いかけて来る
うっとりする蛤の旨味が膨らんで舌を魅了
何度でも噛み続けたくなりグニュグニュと
蛤と舎利を噛み直し同化した絡みに喜びを
感じつつ煮蛤を堪能致しました。
⑬べったら漬け
お口直してきに軽くお摘みを
挟んでくれます。
一呼吸置かせて頂くタイマンが
バッチリで鮨を飽きさせない様
素敵に舌をスカッとさせてくれ
嬉しい小物と言う感じでした。
⑭北紫海胆
漸く落ち着いて来た感のある海胆です。
根室から北紫海胆をご用意されてます。
流石です。
この軍艦の珍味が舌に着地した瞬間に惑う
北紫海胆の匂ひが口内を舞い高揚感で充満
軍艦海苔の磯風味が心地よく戦ぐとともに
北紫海胆が舎利の乳化を同時に呼び込んで
海胆と同化しながら口内で珍味リゾットに
進化して飲み物となってサッと蕩け消える
後に残る北紫海胆の余韻でほろ酔い加減に
なってしまいそうになりました。
⑮蜆汁 三つ葉
4kgもの蜆を使ったお出汁の汁
ホッと安堵する蜆の旨味が濃厚
じっくりとお汁を啜ってやると
ほっこりと舌を癒やしてくれる
ゆっくりと和みが訪れるひと時
⑯焼き穴子:詰め
熱々の穴子なのです。
手で摘むとチンチンな熱さなので
こん時だけはお箸をご利用させて
頂いて穴子一貫を挟んでお口へと
運ばせて頂いてます。
焼かれたばかりの穴子は
表皮から泡がプクプクと
蒸発してホックホクです。
大将は直ぐに食べると火傷するくらい
チンチンに熱いよ〜!と有難きご忠告
気を付けてね召し上がれと仰いますが
その熱々の穴子を舌に着地させる前に
チョット怯えつつ恐る恐る到着させる
ん、何とか我慢出来そうな熱々の温感
逆にこんだけ熱いと穴子の肉が余計に
ふっくらして来て膨よかな旨味を感じ
其処に煮詰めで舌をまったりとさせて
十分に甘えさせてくれちゃう感じです。
その間合いと温感の捌き方がまた旨し
焼き立ての熱々なる穴子の握りに感銘
舌を蠱惑の渦に惹き込んで行きました。
⑰玉
2023/04/01 更新
2022/07 訪問
洗練された和空間に佇む研ぎ澄まされた美食一貫に酔う
◆2022.7.20(金)夕餉
◆予約 常連様のお誘いにて
◆お料理 お任せ¥38,500
お酒消費税含むお会計¥44,000
〜〜お摘み〜〜
❶お揚げと水菜の温かいお浸し
お腹を温めて舌慣らしに
優しいお揚げの食感と
瑞々しいシャキシャキ食感が
交錯する一品
ホッと安堵感が訪れる穏やかな温感に
心温まる温和なお出汁
日頃の疲れが癒される一品
❷明石の真子鰈:塩 醤油 山葵
水晶の如き透明感優れる肉片が
しなる肉感
しっとりと唸る身質
舌を惑わす淡麗なる旨味
塩を効かせて輪郭鮮やかに華麗に舞う
❸福井小浜の海胆
海胆の珍味を素のままで味わう
何も掛けず
何も纏わせずに
生のままの身綺麗な海胆だけを頂く
口福感が舞い降りる海胆だけを
占有するひと時に浸りました。
❹鳴門の和布:山葵醤油
大海の恵みを頂く
和布のシャキッと背筋が伸びる
快適な繊維感が伸びる食感伴う
グルタミン酸たっぷり含む旨味
和布を噛めばジワッと浮く妙味
舌で丹念に舐め回した後の旨味
快適な触感と旨味を貪りました。
❺佐島の蛸 塩茹で:山葵
山葵でとの大将からのおススメが
有りましたが
この塩茹での絶妙な塩加減と
温感と
弾力感と
蛸の身質の旨味とが
一体化して醸し出す美味を
汚す必要を微塵も感じられず
一切の調味料は不要にて
茹でたてにそのままパクッと食らいつく
ムゥ〜、んん〜と
つい、唸ってしまう塩梅の良い肉感
塩味
旨味にやられる
茹で加減の優しさ
塩味が蛸全身から浮き上がる滋味深さ
そのバランスの取れた嫋やかなる旨味
歯に食い込んでくる食感の素晴らしさ
どの美味しい要素も素敵に絡み合う
蛸の身が柔らかな表情で
優しく解けて行くのを感じながら
この茹で蛸は天下一品だと強く感じました。
❻葛素麺:白魚 唐墨
あらい大将曰く
夏に清涼感の膨らむものを何か作りたい
唐墨も夏の暑い時の方が美味しいんじゃないかと
考えたのと
暑い時に塩分欲しくなるだろうから
冷たいものと合わせて創作してみた
とのお話。
成る程
良く考えてられますね。
葛素麺の食感が頗る涼風感を靡かせて
その涼風に乗せて唐墨の塩味が
誠に嫌味なく爽やかにフワッと香るんです。
更に白魚が美しい淡麗な味わいで
舌に無邪気に闖入して来るもんだから
夏の涼しい元気を頂いた気分となり
とても嬉しくなる一品でした。
❼渡蟹をお酒と醤油で漬けたもの
完璧にお酒のアテ
蟹の味はしない
しっぽりとお酒の旨味と塩味が
穏やかに舞う味わいでした。
此れはお酒がないとやってられない感じの
可愛い一品
❽岩牡蠣:おろしポン酢 紅葉おろし
おろしポン酢の酸味に支えられて
やんわりと潜航しているぷっくら
膨らんだ岩牡蠣を碗底から探り出し
お口にポンと其の儘放り込む
かなりのサイズ感でお口が満杯です。
プチュ〜ッと岩牡蠣を押しつぶすと
中から
クリーミィでシルキーな味覚が
トロトロ〜ンと飛び出して来るでは
有りませんか。
これは堪らんの絶品!
こんなに円やかでクリーム感覚の甘味が
牡蠣から頂けるとは
想像を超える美味さです。
更にそのクリーミィな味わいに
おろしポン酢がサクッと絡んで
酸味を装う
此れがまた、岩牡蠣の美味しさに
心地良い爽快感を添えて
一層クリーミィさを伸ばして来ます。
膨よかで
プルプルで
チョーミングな甘味で
舌を撫でて行く極上岩牡蠣でした。
❾鰹:山山葵 おろしポン酢
脂質がたっぷりに乗ってて
舌触り艶かしく滑らかに
舌を駆け抜けて行く鰹の切り身
山山葵がほんのりとピリッと
舌を痺れさせて鰹の旨味を
クリアな刺激で纏う
そのアクセントがキュンと
舌を誘って鰹の鉄分旺盛な旨味を
深掘りさせていました。
➓白甘鯛の酒蒸し:おろしポン酢
お摘みの中で本日の白眉
もう、素晴らし過ぎです。
皮目のゼラチン質がたっぷりと
ぷよぷよに熟してる感じで
コラーゲン感が極まってます。
皮と一緒に頂くと
口内でプルプルと揺れて無茶うんまい
白河の艶めかしい姿態が潤いを帯びて
眼前に横たわります。
箸先で突くとハラリと白身が解けて
ハラリと身から肉片が剥がれます。
その欠片の一口を頂きますと
うぅ〜ッと唸ってしまい
その嫋やかなる美味に目が覚めます。
しっとり身質の滋味深さに惑わされ
淡く静かに佇む白河の旨味に震えます。
更におろしポン酢がいいお仕事振りで
やんわりと酸味を白河に添えて
淡白な旨味を掘り下げて美味しさに
奥行きを広げてくれます。
此奴は堪らない妙味が展開し続けて
一気に食べ切って興奮冷めやらぬ内に
ほろ酔い加減に浸る感じで舌が
溺れてしまいました。
⓫鮟肝ペースト:西瓜奈良漬の小角を刻んだもの
しっとり鮟肝に付き添うスイカの奈良漬けが
鮟肝の甘味に寄り添って鮟肝の味をより
深く掘り下げていた様で、
美味しさに奥行きを与える素敵なアクセントの
お仕事をしておりました。
〜〜〜握り〜〜〜
いよいよ王道の江戸前鮨 あらい劇場の開幕
期待に胸が弾み欲望と興奮が沸々と湧き起こり
ワクワク感が漲ります。
①本アラ
スタートの一品は本アラ
良い具合に寝かせてます。
程良く熟成されて
熟れた艶かしさを抱えつつ
しなる肢体が妖艶に踊る
その踊りに舌が翻弄されて
身から蕩けるように滲む芳醇な脂質
しっとりと艶かしく蠢くアラの肉体
舌がメロメロとなり沈没です。
②泥障烏賊:塩 酢橘
ほんのりと熟成感が漂う泥障烏賊の厚みに
一本一本を流麗な飾りが入り
泥障烏賊の甘味がフワッと自然に浮く
仕掛けを施されてます。
その鮮やかな飾り仕事も手伝って
泥障烏賊のネットリ舌に絡む甘味が
しっぽりと舎利を抱き寄せながら
口内にジュワァ〜ンと広がります。
この粘性と甘味の共演に舌が
つい、惑わされてしまいます。
更に咀嚼を重ねて行きますと
ん〜、
此れは蕩けるわ
もう烏賊の身を噛み始めるとすぐ様
トロ〜ンとなります。
甘味もゆったり滲んで継続しますし
握り全体が抜ける様に甘んまくなり
アクセントに添えられた酢橘塩が
泥障烏賊の蕩けるスピードと同期して
泥障烏賊の旨味をキュッと引き締めて
甘味をクリアに際立たせます。
泥障烏賊の持ち味をフルバージョンで
引き出す満足の一貫。
③鯵:生姜
鮮度抜群の鯵
握りをお口の中に入れてみた
舎利が鯵と絡み合いながら
スッと溶けて消えて行く
歯が鯵の肢体に抱き寄せられる
鯵はマイルドに
その気品溢れる脂質分を振り撒く
鯵が蠱惑的な味覚を広げ
舌は陶酔感の中に埋もれてしまう
④赤身 漬け
鮪の醍醐味を素直に堪能させてくれる一貫
酸味も丁度良い切れ味で品の良さを感じます。
舎利にピタッと馴染んでくる赤身は
脂質分もサラサラでジンワリ広がる
酸味が舎利に寄り添いつつ乳化して行く。
赤身の美味さを存分に味わう事が出来ます。
鉄分の香りがフワッと匂ひつつ
赤身の旨味を主張して来て
グッと鮪を飲み込んだ後からも
余韻としての香りも華やかで
赤身の余韻にどっぷり浸ってしまう一貫でした。
⑤背トロ
夏鮪の特性をこれ程印象付ける中トロで
他を寄せ付け無いのでは。
鮨あらいの真骨頂が如実に現れている一貫。
一目惚れして忘れたく無くなる美観
その芸術的なフォルムに畏敬の念さえ覚える
トロトロの脂汗が表面を綺麗に覆っており
艶々のお肌がキラッと輝いている
アートの領域に入り込んでる匠の握り
其れは
厳かに佇み
整えられたカタチを曝け出し
官能の渦を巻き起こす
凡そ美味を担うエレメントたちが
舌を煽り味覚野を麻痺させる瞬間
瞬く間に舌に震えが走り始め
トロの身が妖艶に蕩けて行く
夏鮪らしい爽やかな脂質感が
舌を艶かしく優しげに撫でる
舎利が背トロに和やかに調和
感動及ぶ一貫の美味を知覚し
又と無い美味に酔い知れる間
これ以上の至福を求めたら罪と
なるであろうかの一貫でした。
⑥中トロ
徐にその中トロを両の指で抱き抱え
舌にポトリと落とす
その耽美な味わいに舌が狼狽える
身質の艶やかさに戸惑う
中トロの艶かしさが吐露し始め
舌が感極まり恍惚の中に溺れる
そして驚くべき味覚が検知され
中トロの本性が曝け出され暴露
更に溌剌とした舎利が飛び込む
中トロと甘味と舎利の酸味が相性良く共鳴
舎利玉が嬉しそうに微笑む
握りとしての完成度の高さを名実共に
誇る一貫であり
舌を夢中にさせる名作が儚くも消えて行く
⑧大トロ 蛇腹
大トロとは何か
何も語らず
何も聞かず
何も言わず
何も問わずして
その存在感が一瞬にして完成され
光り輝き眩い程に味覚を昇華する
至高の味わいを造形する工芸品の
美しく高貴なフォルムに見惚れる
漆黒のカウンターに富士返し映り
魔性の姿が欲望が沸々と湧き立つ
大トロの一貫はエレガントな味覚
滝の様に雪崩を打つ口溶けが舞う
舌が興奮の坩堝と化し耽溺に埋没
正真正銘に悶舌する舌殺しの一貫
⑨小鰭
肉肉しくてシャープな酢締めを施された身質
咀嚼感がとっても潔くて清々しい
小鰭が解けて行く時の切れ味の品格が
この一貫の全てを物語っている
気品を感じつつも何処か荒ぶれる男らしさと
フレッシュな肉感が湧き出る小鰭
食した後の余韻が初々しく感じられた一貫。
⑩車海老
舎利との距離感が抜群の間合い
丁度お口に目一杯に収まるボリューム感も
食べ応えが有って楽しい
車海老のプリプリ感を膨らます様に
舎利の温度感とのバランスが
絶妙に保たれており
この一貫の妙味を最大に引き出してました。
mogmogしてるとお口に充満した車海老の
プリプリな身から甘味が溢れ出て甘美な
味わいが謳歌するも
海老味噌が仄かに苦味を漂わせて
エスプリを効かせた旨味へと
昇華させていました。
⑪煮蛤 詰め
詰めの甘味は濃厚かつ耽美な味覚
然し自己主張し過ぎないように
あくまで黒子に徹する控えめなあしらい
寧ろ主人公はしっかり
煮蛤から滲み出る蛤の旨味と
煮汁の染み込んだ蛤の柔らかい肌との
触れ合い
煮蛤が醸し出す味覚同士が入り混じり
舎利の乳化に溶け込んで行く
その味覚の渦にフッと詰めの甘味が
芽生える
粋な計らいなのである
咀嚼を進めると詰めの甘味と香りが煮蛤の
味わい深い旨味をグッと引き伸ばして
グニュグニュ感が愉快に心地良く弾力する
頬っぺたがニンマリして止まらなくなる一貫。
⑫蜆汁
蜆のポテンシャルを最大限に引き出した蜆汁
蜆の旨味
磯風味を汁の中にたっぷりと閉じ込めて
口内に汁を含んだ途端にその広がる旨味
口内を満たす圧倒的な蜆の美味に陶酔する
⑬馬糞海胆軍艦 利尻:丸山のこんとび
この馬糞海胆が尋常ならざる逸品
これ程鮮度に拘りクオリティの高さを
誇る馬糞海胆はあらいさんならではと
感嘆する逸品
お口に触れた途端に
蕩けるのではなく
途轍もない珍味がクリーミィに口溶けして
恍惚となるひと時が舌に訪れておりました。
⑭穴子:詰め
焼き穴子は熱々です。
すぐに食べると舌が火傷しそうです。
少し間を置いて
お箸で挟み撃ちに摘んで
お口に運びますと雖も
まだチンチンにアチチです。
その焼き穴子を思い切って
熱々のまま噛み砕きます。
と言っても歯に力を入れる訳でもなく
舌で圧を加える訳でもなく
ホント、ビックリするくらいナチュラルに
お口の中に入った途端
サラサラと解けて行く
淡雪のような粉質感が広がり
穴子の旨味と詰めの甘味が
フワフワ〜ッと拡散して行き
優雅に展開するも力強く甘味を広げる
この〆の一貫こそ
王道の江戸前鮨を締め括るに相応しい
一品と印象付けられました。
⑮玉
2022/10/10 更新
2022/02 訪問
漆黒のカウンターに写る逆さ鮨の真紅に佇む肢体は希少価値に富む工藝品
◆2022.2.13(日)夕餉
◆予約 常連様のお誘いにて
◆お料理 お任せ¥38,500
お酒消費税含むお会計¥41,800
◆店内撮影は原則禁止です。
鮪のみ撮影が許可されてます。
寄って殆ど記憶のみに頼る記載ですが
記憶の許す限り正確にお伝えさせて
頂きたいと思います。
◆本日の鮪
富山の氷見の鮪が素晴らしくて
100kgほどの個体で
背一丁を丸ごと全部仕入たそうです。
なので、今日の握りは
赤身、血合ぎし、トロ迄全部が
背の部分になります。
大将曰く
他店で扱って欲しくないから
この素晴らしい鮪を
背一丁丸ごと買ってしまったとの事。
大将の心意気に感じ入ってしまいますね。
〜〜〜お摘み〜〜〜
❶茶碗蒸し:このこ
ほっこりするわぁ〜
玉地の何と滋味深いこと
しっぽり舌を温めてくれます。
玉蒸しがぷよぷよと揺れてトロンと
舌の上に滴る
熱々にぷるるんと揺れて玉蒸しの甘味を
振り撒いてくれる
玉地の中からひょっこりと
蒸されたこのこが珍味を浮かばせる
実に塩梅の良い甘味と珍味が口内で溶け合い
妙味を膨らませておりました。
茶碗蒸しを食べ切って
ホッと安堵感が芽生えてくるひと時を
頂きました。
❸帆立:野付
野付なので有る
大きいので有る
美味いので有る
ぷよっと揺れる
噛んでみるのだ
ぷるるって鳴る
弾んで楽しい味
プヨッと柔らか
mogmogすると
帆立の甘美な味
帆立が舌に寄る
清い甘味が佇む
麗しき味わいに
喜びに震えてた
❹煮蛸
素晴らしい煮蛸です。
どうすれば蛸が
これ程の旨味を発揮してしまうのか
蛸の旨味をギュウ〜ッと圧縮して
優しく茹で上がってる身質から浮かび上がる
穏やかな甘味の佇まいに感じる底味
其れは舌にジンとなって響き渡る
蛸の身の体中から浮かんでくる底味
蛸の表皮だけからではなく
煮蛸の全身から底味が浮き上がるのです。
中々出来ない仕込みかと思うのですが
素晴らしい出来栄えの煮蛸の身の味わいに
驚いてしまいました。
❺蒸し鮑:三陸
もう、ぷよんぷよんの
プリプリ感が満載に
食感の豊かさに呆れて絶句する
鮑の煮汁がたっぷり身質の中に染み込んでいて
鮑自身の旨味で鮑を更に美味しくさせている
いやいや、スンバラしか蒸し鮑に
舌が呆然としてしまいましたね。
んん、今日はお摘みレベルが
半端なく高いです。
❻氷見 中トロの細巻き
背中の中トロを短冊にカットして
細巻きにして頂きます。
お海苔の香りと中トロの香りが
ふわふわと
口内に漂ってスッと鼻に抜けて行く
この気持ちよさが堪んなく
愛おしくなりますね。
大将のマグロ愛が感じられる巻物
この鮪を咀嚼して感じるのは
ジワッと蕩けるのではなく
サラサラ〜ッと舌を撫でていって
しっとり感が和やかに踊る身質なのですよ。
その優雅な踊り方に舎利がそっと
寄り添って慎ましくお淑やかな甘味の佇まいに
悶絶しちまいます。
むふふ、と舌が北叟笑んじゃってましたね。
❼焼き白子:酢橘 塩
皮の厚みが欲をそそりますぅ
皮をブチっと突っついて
トロンと白身が零れて来ましたよ
塩味は満遍なく白子に馴染ませてあり
白子の甘味と振り塩の塩加減の塩梅の良い事
厚手の皮目がしっかり纏って
厚みのある白子の皮をブチンと
噛み切らんばかりに歯でグッと咀嚼しますと
ポンと弾力感豊かに反発して来て
中からはトロ〜ンなのです。
この見事な食感に脱帽
もう、焼き白子のプヨンぷよんの白身から珍味が
いっぱい飛び出して来て
舌が狂喜乱舞しちゃいました。
❽喉黒の小丼:炙り 黒七味
ご飯無しの大きな焼き物の喉黒
若しくは
ご飯付きで小さなサイズの焼き喉黒添え
この何方かのお摘みを選択致します。
迷ってますと大将が気を効かして
少し大きめの喉黒の焼き物をご用意して
喉黒の旨味もたっぷり堪能出来て
喉黒ご飯も頂けてしまうと言う
一挙両得的な一品をご用意頂いてしまい
ご常連様の威力に只管感謝してしまいます。
切り立ての酢飯は赤酢の酸味がキリッと
シャープに効いていている所に
喉黒から滴るジューシィな脂質の甘味が
ジュワンと唸りまくり
酢飯と一体化して喉黒がどんどん
解けて行き
酢飯と一緒にぐるぐる旨味を振り翳して
舌を妙味の渦の中に巻き込んで行って
しまいました。
❾余市の鮟肝とメロン奈良漬け
鮟肝の綺麗なお味が印象的です。
こんなに雑味なく円やかな
舌触りが伸びてて
舐めるとスッと舌の味蕾に耽美な味覚が
入り込んできます。
丹念に綺麗に洗ってるんでしょうね。
しっとり感に気品を感じながら
じっくりと珍味を味わいました。
〜〜〜握りスタート〜〜〜
①羽太
羽太って余り頂いたことがなくて
どんなお味だっかなぁと
朧気な記憶を辿りつつ
mogmogしました。
ん、こじんまり纏まってて
意外としっかり身質がしなる感じで
羽太ってこんなにしなやかな身質で
少しモチモチッとしてて
甘味が柔らかく丸いお味だって事を
改めて再認識させられました。
スタートしてはとても無垢な美味さで
食感も優しくスッとお口の中に入ってくれる
白身ですね。
素直にお口慣らしが楽しい一貫です。
②鱵:閂 振り柚子
鱵が軽くフッと揺れながら舎利が沈む
咀嚼し始めるとフワンと柚香の芳しさ
口内に香り立つ
鱵がお口の中で軽やかに
しなやかな舞を見せています。
舎利が少し踊るんです。
この鱵とのリズム感がまた素敵
その内に鱵と舎利がハーモナイズして
舎利の乳化を手伝って蕩けて消える
このリズム感と
鱵の瑞々しさ溢れる透明な旨味
舎利と鱵の美しか奏でる味わいに
舌が魅了されて仕方ありませんでした。
③牡蠣:酢橘 長崎
吃驚するほど美味な牡蠣の一貫です。
噛み心地も抜群にプヨッと牡蠣の身が
揺れて歯をふんわり包んで来る
この牡蠣をギュッと抱き締めたくなる
身がジュッと鳴ります
牡蠣から旨味エキスが舌にジュワ〜
ほぅ、コリャ素晴らしいわ。
然も脱水状態がとてもキュッと絞られていて
ツルリと滑って蕩ける食感の爽快感と
味覚が途轍もなくピュアな牡蠣の味わいが
しっとりと身質が引き締まった感じで迫ってくる
牡蠣の旨味が際立ちますね〜
牡蠣の甘味と言いますか
旨味と言いますか
得も言われぬ甘美な味わいに
陶酔仕切ってしまいます。
仕込みの繊細さでここまで牡蠣の味わいを
昇華させたものに出逢ったのは初めてです。
④〆鯖:鞍掛の握り
浅葱ペースト入り
〆鯖がパカンと二股に分かれ
その間に舎利が射込まれてる鞍掛
玉子の鞍掛は偶に出逢いますが
〆鯖では珍しいと思います。
〆鯖が両面から舎利を囲んで
分厚い身質でキュンと締めて来ます
咀嚼すると〆鯖の肉感がたっぷりに支配する
握りの豊満な味わいに唸りますね。
そして鯖の潔い身質がストレートに
酸味を伸ばして爽快に走り抜けて行きます。
とても爽やかな一貫。
⑤小柱軍艦
小柱のこのサイズ感が丁度良くて
お口にすっぽりフィットし
mogmogしていると
瑞々しさが膨らんでくる小柱は
シコシコ感が生き生きと響いて
クニュクニュと貝柱の繊維感が溢れて
食感を楽しませてくれます。
コリッとした食感を撒き散らし乍ら
これこれ、この歯触り感が大好きで
舎利の酸味を小柱の甘味が中和する感じで
爽快感が口内を走り抜けて行きました。
⑥赤身 漬け:氷見 背の天端
氷見のドンピシャ舌を唸らせる
スンバラし過ぎる鮪が3貫
舞鶴のピンのピンの蛇腹が1貫
何と豪勢な鮪尽くしオンパレードなのでしょうか
此れは鮪を知り尽くしている大将だから
成せる技なのでしょう。
その至高の握りをこれから頂きます。
見て下さい、この見事な真紅の肢体
磨かれたフォルムの美観
そしてカウンターと一体化した漆黒の付け台に
映し出される
逆さ富士の如き赤身の逆さ鮨
幾何学的情景の美しさは神々しく
目を見張ってしまいます。
噛めば噛む程に深みのある酸味が
口腔内をフワァンするのです。
赤身の艶のある肌合いが
滑らかに舌を這いながら
香りが気高く舞い上がり
赤身から発散する気品と香りに
舌が圧倒されてしまいました。
そして赤身が口内で滑らかに解けた後に
訪れましたのは
うっとりするほどの余韻
その芳醇な余韻に浸り切って
暫し呆然としてしまいました。
⑦背側の血合ぎし
氷見のマグロ3貫の中でも格別な気品を
感じた血合ぎしの一貫です。
この崇高と思えるほど
抜群のバランスの取れた舎利玉とネタとの
間合いに驚愕する
舎利の空気感とネタの密度
血合ぎしと舎利との距離感
血合ぎしが振り撒く甘美な味わい
血合ぎしが蕩けていく速度感と
舎利玉が乳化して行く速度感が共鳴し合う
そして咀嚼し始めると
味覚のグラデーションが進み
酸味・甘味・食感・香りの
全てが一体化する。
こんなに完成度の高い握りが存在するんだ
と舌がのたうち回りました。
血合いぎしの身質って
こんなに舌触りが素直な滑らかさだっけ
肌合いの円やかさが図抜けて良い中トロ感
此れは悶絶級の食感です。
マイルドでこの上ない程にシルキーな
舌触り感にメロメロになってしまいますね
其れでいて肉質感もしっかり甘味が通って
咀嚼してますと
血合いぎしの中トロは
身が意外としっかりとしていて
歯応え充分な上に
爽やかに脂が駆け抜けて
クリアーな旨味が舌一面に
広がって来るんですよ。
然もですよ、フッと香り鼻に抜けて行く時の
あんまぁく漂う匂ひの芳醇さにうっとり
そして血合ぎしは咀嚼後に
程良く甘い余韻を残して行きました。
⑧背トロ
此処まで鮮烈に突き抜ける旨味と言うものを
未だかつて知り得ない
未踏の味覚領域に足を踏み入れて
舌が路頭に迷ってしまったのか
研ぎ覚まされた脂質感の佇まいに唖然とする
こんなに静かに清く美しく脂質感が
滞りなくサラサラと流れて
ナチュラルかつスムーズに蕩けるトロとの
出会いが待ち受けていたとは
この一貫の出会いだけで鮨あらいに
お伺いした甲斐が有るというものです。
此れは大威張りして胸を張って
今年最大の至高の鮪に出会えた!
と叫びたくなる背トロの醍醐味を頂きました。
それ故に舎利玉も鮪の鮮烈な味覚に匹敵する
やや大き目の握りで頂きます。
所が、いざお口の中にポンと放り投げてみると
舎利玉のサイズ感と鮪のネタの配分の
完成度の高さに震えます。
まさに酸味一体となり
バランス良く
何と言う凄まじい脂質の静けさが
佇む似合いぎしなのかと
自分の目?舌を疑ってしまうほどの
穏やか〜な甘味が軽妙に走り抜けて行きます。
⑨蛇腹 砂ずり:舞鶴
赤身も血合ぎしも背トロも今日の
氷見の鮪は全部背中です。
だからなのか
脂質とか甘味とか旨味とかが
ぜ〜ん部エレガントな脂質がサラリと
舌を這う様に流れていき
気高さを感じる蕩け感が広がっておりました。
而して鮪の締め括りは舞鶴です。
此奴も只者ではない
何だろう
この驚異的に迫ってくる美味さ
それも舎利にピタッと寄せながらです。
ズ〜っと感じてるこの
舎利玉とネタとから芽生えてくる舌妙な一体感
お口に入れた途端はやはり蛇腹なので
ドンと来てインパクトが強く響いて来ますが
瞬時にフゥッと穏やかになるんですよ
今までにない感じ
普通の冬鮪だと此処でドンと来て
一気に畳み掛ける様に大トロが解け出して来る
此奴は違った
蛇腹から浮き上がるサラサラした甘味で
フワンと舎利を優しく包み込んでいき
其の儘舎利に甘美な味わいが抱きついて行く
その抱擁感に舎利が巻き込まれて
蛇腹の渦の中で乳化してやんわりと解ける
そして
味覚が突き進んで蛇腹の醍醐味を堪能して
舌が歓喜に震えたかと思った瞬間
アッという間にトロトロに蕩けて
儚くも消え失せて行ってしまいました。
しまった!と思ったら終わってました。
然し
全てを飲み込んだ後に残る余韻が意外なほど長い
名残りの悦楽がとても妖艶に佇んでました。
大将締めのお言葉は
今日の鮪だけは
お酒飲んでくれた方が商売になるのに
お茶の方が絶対うまいよ〜、とのお言葉でした。
⑩小鰭
此処でつい、うっかりして
鮪に引き続きiPhoneを構えて
撮影してしまいそうになります。
アブナイ危ない。
小鰭を咀嚼してみると
その身質がキュッと程よく引き締まっていて
そのシャープな締まり具合には
大将の拘りを感じてしまいます。
酢〆と塩〆のバランスが程よく整えられて
小鰭の皮の輪郭がクリアに伸びる
肉感はシャープな味わいを讃えて
爽快感を走らせて来ます
舎利とネタとの間合いがお見事で
絶妙な味わいが舌に訪れてます。
鮪の鮮烈な旨味の後に
スッキリと舌をリセットするかのように
浮き上がる小気味良い切れ味が走る一貫。
堪らなくなりますね。
⑪べったら漬け
お口の中を甘くシャリッと癒してくれます。
⑫馬糞海胆 希望
この高騰が続いてる時期でも
きちっと馬糞海胆をご用意して来ます。
流石です。
この海胆めちゃくちゃ高いんですよ、
なんて事は噯にも出さない
サッと軍艦の上にさり気無く乗せて
カウンター上に
はい、どうぞ召し上がって下さい
美味しいとか
蕩けるぅ
とか言う前に大将の潔さに参りますね
ありがとうございます!とお辞儀をして
軍艦をパクッと頂きました。
⑬蜆汁 三つ葉
ホッと安堵する蜆のウマミ
じっくり汁を啜って
ほっこりと舌を癒やして
鮪の高揚感が残ってる舌を宥めるひと時
⑭車海老
舎利の温感と同期を取りながら
温かい車海老のプリプリ感が
口内で元気よく踊って甘味を
振り撒きます。
この若々しい食感に舎利が
ブ〜ンと巻き込まれて
車海老と一体化する妙味が嬉しくなる一貫
⑮穴子:詰め
焼かれたばかりの穴子は
表皮から泡がプクプクと
蒸発してホックホクな感じ
大将は直ぐに食べると火傷するくらい
チンチンに熱いよ
気をつけて召し上がれと仰いますが
その熱々の穴子を握ってる掌は
真っ赤になって来てますよ
何も言わず沈着冷静に小手返しされてます
んん、プロの心意気みたいな覚悟を感じる
焼き立てで熱々な穴子の握りに感銘
詰めの甘味が穴子の熱でまったりと
蕩けます。
その耽美な味わいの纏わせ方も
舌を蠱惑の渦に惹き込んで行きました。
⑯干瓢巻き
⑰玉
2022/05/25 更新
2021/07 訪問
あらいさんの鮪は舌を悩殺し蠱惑的な魅力を振り撒いていた
◆2021.7.23(金)夕餉
◆予約 常連様のお誘いにて
常連様のご好意により
誠に光栄な事にあらい大将の真前
スーパーアリーナ席と言う誉れを
頂きました。
◆お料理 お任せ¥38,500
お酒消費税含むお会計¥44,605
◆店内撮影は禁止です。
寄って記憶のみに頼る記載ですが
果たしてほろ酔いの頭脳が
何処まで覚えることが出来ているのか
不安混じりの投稿にて
予め曖昧になる事をお許し頂きたい。
〜〜〜お摘み〜〜〜
❶赤身の漬けに山掛け
山葵 煮切り 海苔
暑いので涼感が舌に届くものから
あらい大将の優しいお言葉と共に
中鉢にいっぱいの山盛りの薯蕷と
漬けの赤身がお海苔と山葵付きで
饗されます。
山掛けをズルズル〜ッと啜って
冷んやりとして伸びて行く薯蕷の
心地良い食感と漬けの赤身が旨味を添えて
お口の中に入ってきます。
んん、冷感が和やかに火照った舌の温感を
下げて涼風を誘います。
幸先の良いスタートです。
❷佐島の蛸 明石の真子鰈 塩 山葵
水晶の如き透明感優れる肉片が
漆黒のカウンターに美しく輝く
一面に横に伸びて広がる付け台と一体化した
カウンターが漆塗りでカバーされてます。
美学を感じるカウンターです。
こんな華麗に優雅に佇む漆黒のカウンターが
存在するとは
見惚れてしまいお摘みが置かれてる事も
食べることも忘れてしまいそうです。
此のビジュアルをお見せできないのか残念ですが
ハッと見惚れた時
高揚感が高まり続けて無言の威圧感が漂い
気品溢れる佇まいに一目惚れとは正にこの事
この幸福な出逢いに目が癒されました。
さて、茹で蛸は
炊き加減の優しさ
煮込み具合の滋味深さ
そのバランスの取れた嫋やかなる甘味の出現に
歯に食い込んでくる食感の素晴らしさを
瞬時に理解できてしまう
それくらいこのフワッとした蛸の食感に
サラサラと崩れ落ちて行く蛸の身質を
満喫致しました
❸蒸し鮑
一枚が大きく鮑の旨味を直に舌で
たっぷりと感じることができる物
咀嚼するとそのしなやかな肉質感
舌触りの滑らかな肉肌の品の良さ
山葵も塩もお醤油などの足し算は
一才不要とでも言いたげな気高い
旨味が蒸された黒鮑に潜んでいた
❹鰹 塩〆 生姜醤油
鰹をお口に入れて滑らせてみた。
とてもナチュラルな舌触りに驚いちゃう
麗しいほどに艶やかな肌触りがそこに控えて
鉄分旺盛に感じられる肉質感が飛び交う
もう、ずつと舐め尽くしていたい。
別皿でご用意の生姜醤油をほんのり浸す
噛んだ途端に生姜醤油がツンと突っ張る
鰹が嫋やかに微笑む
その味覚の合間を舌は
ぷよんと妖艶な肉肌の中に吸い込まれちゃい
ました。
此れが鮨あらいのカタチ
世の中藁焼き流行り
鰹をキュッと締めて素直に焼き目だけ付けて
素材のポテンシャルに任す
素材の持ち味を最大限に活かす
素材の味覚を最高レベルに引っ張る
鰹から滋養をたっぷり頂き
ヘモグロビンが増えた気がした。
❺海鰻 白焼き 山葵 唐辛子醤油 胡瓜酢漬け
凄かったぁ〜
こんなに感動する海鰻をお鮨屋さんで
頂けるなんて美味しいを飛び越える感動を頂く
あらい大将に感謝しか無い
舌妙に響いてくる皮目のカリカリ感
厚みの有る豊満な肢体は
ホクホクのふっくらに焼き上がり
正に舌を巻く味覚が止まる事なく
海鰻の旨味を彷彿とさせて行った
然も豪勢な粋な計らいにて4切れ
身質の雑味の無さに驚いちゃう
全く臭みとかエグ味とか無くて
無邪気な旨味というのでしょうか
お口の中が口福感で充満しました。そ
❻ネギトロ
❼鮟肝 スイカ奈良漬
しっとり鮟肝に付き添うスイカの奈良漬けが
鮟肝の甘味に寄り添って鮟肝の味をより
深く掘り下げていた様で、
美味しさに奥行きを与える素敵なアクセントの
お仕事をしておりました。
〜〜〜此処から握り〜〜〜
①本アラ
身に弾力感があり
躍動する身質を感じつつも
少し寝かせてあるのか
優しい艶やかな肉質も感じられ
咀嚼すると緩やかにコリッと反発して
とても上品な味わいです。
この本アラに舎利が潔く寄り添って
ベストマッチな握りの味覚を
振りまいてました。
その身質の憂いを含んだしなやかさに
舌がドキドキしてました。
②本みる貝
mogmogする事の楽しさを教えてくれる一貫
こんなに楽しくなる甘味を飛ばしてくるのか
本みる貝って
この時期かなり甘味が乗ってくるんだなと
お勉強になりました。
サイズも大きくて舎利玉を端から端まで
カバーしちゃうほどでした。
③赤身漬け
いきなり鮪の赤身の身質が叫んでいました。
酸味の浮き上がり
漬けの甘味の広がり
鼻に抜ける赤身の香りの気高さ
そして広がるシャープでエレガントな舎利
どのエレメントたちもバランス良く円舞していた
この握り一貫の見事に美しい味覚のバランス
此れがあらい大将の本領発揮なのでしょう。
ピンの中のピンネタに生き生きとした舎利が
マリアージュする。
見事な一貫。
④中トロ
その味覚に舌が瀞ける
身質の艶やかさに蕩ける
中トロの艶かしさが吐露する
恐らく日本一の中トロであろう
感動して舌が震えっ放しでした。
そして驚くべきは
中トロだから余計に感じるのか
舎利が生き生きとして溌剌としてるのだ
何故?
中トロとの相性がその様な共鳴する感じの
舎利玉に表情を変えさせるのか
将又、あらい大将の握りの匙加減なのか
恐らく両方なのであろう
握りとしての完成度の高さに溺れました。
舌を夢中にさせる一貫。
⑤大トロ
大将が大トロのブロックをスライスしてます。
そのブロックの刺しが限りなく美しい事
こんな鮪が有るんだなぁと
まるで工芸品の様な姿形に見惚れてしまいます。
お写真で見せれないのが残念。
握りを小手返しする時の優しい所作に
目が止まってしまいます。美しい。
大トロの一貫は
エレガントな酸味が舞う
対して
酢飯の粒がお口の中で躍動してる
でも暴れ過ぎず穏やか過ぎず
きちんと大トロの蕩ける速度に合わせて
舎利の乳化も同期するの
何此れ?
もう、うふんで御座いました。
舌を陶酔させる一貫。
⑥蛇腹
ずーっと鮪尽くしが四連発なのです。
鮪を知り尽くしている大将だから
成せる技なのでしょう。
この4貫の握りに見て取れるもの
進化する味覚のカタチに参りますね。
どんどん味覚が進化して行くんですよ
漬けの柔らかい酸味で舌を慣らして
チョット油断させて置いて
次に鋭くエッジを効かせた様な舎利に
蕩ける酸味を纏わせたかと思うと
ドン!とvividな力強い舎利玉をキュンと〆て
大トロに合わせて
ダイナミックに蕩けさせる
そして
この鮪尽くしの中でも
〆の蛇腹は旨味と甘味が同居しており
筆舌し難い滑らかな舌触り
気品溢れる香りが口内に匂ひたち
官能的な肌触りに恍惚となってしまいました。
舌殺しの一貫。
⑦おはぎ
中落ちのたたきに葱を和えたもので
握られてます。
ポンとお口に放り込むと中落ちが
速やかにジュワ〜ン
散って蕩けます。
⑧小鰭
肉肉しくてシャープな酢締めを施された身質
咀嚼感がとっても清々しくて
小鰭が解けて行く時の切れ味の品格を伴う
フレッシュな食感が走り抜けた。
食した後の余韻が初々しく感じられた一貫。
⑨鯵
鮮度抜群の鯵
握りをお口の中に入れてみた
舎利が鯵と絡み合いながら
スッと溶けて消えて行く
歯が鯵の肢体に抱き寄せられる
鯵はマイルドに
その気品溢れる脂質分を振り撒く
鯵が蠱惑的な味覚を広げ
舌は陶酔感の中に埋もれる
⑩馬糞雲丹の海苔巻き
この馬糞雲丹が尋常ならざる逸品
これ程鮮度に拘った生雲丹はおそらく
あらいさんだけでしょう。
と言いますのは
史上初の試みらしい
めいさんが独自のルートで開発した
礼文島から海水に入れたままの運送
普通は雲丹の鮮度を保つには塩水雲丹の手法で
生の馬糞雲丹を劣化しない様に運びます。
所が本日の馬糞雲丹は
根底からその常識を覆すものにて
鮮度をそのまま維持して運ぶ為に
海水に浸して獲り立てたままの状態を維持して
運ばれてます。
よって礼文島で獲れた状態が
今、この海苔巻きの中に有るんです。
お吉に折れた途端に
蕩けるのではなく
クリーミィに口溶けして来た。
⑪蜆汁
蜆のポテンシャルを最大限に引き出した蜆汁
蜆の旨味
磯風味を汁の中にたっぷりと閉じ込めて
口内に汁を含んだ途端にその広がる旨味
口内を満たす圧倒的な蜆の美味に陶酔する
⑫福井の赤雲丹 軍艦
めいさんが雲丹を盛り付け
お海苔を巻いて握る軍艦。
この時期の赤雲丹は甘味が優しく漂う。
レアっぽさがストレートに感じられる赤雲丹の
軍艦です。
雲丹の珍味が濃厚な味わいで
彫りの深さが感じられる美味さが寄り添う
その味わいは僅かにほろ苦さを帯びた
赤雲丹特有の甘味で独特の持ち味を
堪能する事が出来ました。
⑬車海老
舎利との距離感が抜群の間合い
車海老のプリプリ感を膨らます様に
舎利の温度感とのバランスが
絶妙に保たれており
この一貫の妙味を引き出してました。
⑭煮蛤 詰め
詰めの甘味
煮蛤から滲み込む蛤のうま味
煮汁の染み込んだ蛤の柔らか味
味覚同士が入り混じり舎利に煮蛤の甘味が
しっぽりと写っていた。
ほんのりと香る磯の風味が蛤から寄せる
咀嚼するとグニュグニュと心地良い弾力感が
動き出す。
大海の恵みを頂いた一貫。
⑮干瓢巻き
⑯玉
2021/10/26 更新
◆訪問日:2023.11.19(日)20時半〜23時
◆予約 前回訪問時にて
◆お料理 お任せ¥50,600税込
お酒含む会計¥54,600税込
■□ お摘み □■
❶三つ葉とお揚げの炊き合わせ
□千葉県の本三つ葉とお揚げ
□糸掻き
□穏やかなお出汁
□振り胡麻
炊いた油揚げから優しい甘味が滲み出て
天に添えた糸掻きがソワソワする食感で
舌を涼しげに味を和めてくれてます。
外気が今日は少し肌寒く感じられるので
身体が冷え気味なのです。
タイミング良く先付は温感が人肌温度で
三つ葉の繊維感を更にシャキッと感じて
温もりを舌に運んで来てくれました。
その温感とお出汁からの地味深いお味を
絡ませるとしっぽりと身も心も温められ
親方の優しさが伝わる一品となってます。
お揚げを絡ませて三つ葉を頂く
糸掻きを絡ませてお揚げと三つ葉を頂く
お出汁をたっぷり浸して三つ葉とお揚げを頂く
順番に試したくなる奴でどれを取ってもジワリ
食道からお腹迄を穏やかに温めてくれ地味深い
味わいが染み染みと伝わって来ます。
其処にほんのりと胡麻の風味が気持ち良く飛び
味覚に味を添え味蕾の感性を呼び覚ましました。
◉日高見を御燗で
❷増毛の牡丹海老
❸明石の鯛
❹鳴門のワカメ
❺佐島の茹で蛸 3切れ
漆黒のカウンター上に❷〜❺までの7品が
整然と矢継ぎ早に整って圧巻のお摘み軍団
舌が追いつかないよ〜(笑)
特に明石の鯛の切り身のご用意は周到に
計算されてのものか素晴らし過ぎて
背側の切り身 2切れ
腹側の切り身 1切れ
鯛の皮の湯引き 1枚
鯛の旨味を角度を変えてお楽しみの摘み
これはかなり嬉しいご用意で酒が進んで
致し方無いと言う感じです。
特に綺麗に削がれて洗われた皮目の旨さ
皮の香りと脂質が薄らと滲み乍ら決して
皮の旨味を邪魔をしない様に落ち着かせ
湯引きの加減の素晴らしい事。
これはかなり好感度が増しましな一品!
そして鯛に劣らず秀逸な味を見せました
増毛の大きな牡丹海老をくるりと丸めて
二重に重ね置きカウンターにどっしりと
鎮座させてます。
最初は重なってるとは思わず丸ごと箸で
摘もうとしてポロリと中から尻尾の方の
牡丹海老がクルクル状態で落ちて仕舞い
少し慌てちゃぃました。
見た目はまるで一体の様に丸めてあって
とても可愛いく仕上げて有りました。
こんな所もあらい親方の愛嬌でしょうか
楽しく牡丹海老の耽美な味わいを堪能し
舌が大喜びとなりました。
お薬味は
山葵
ポン酢
醤油
藻塩
等々が揃えられておりお好みで合わせます。
牡丹海老は何も足さ無いで其の儘の甘味が
実に素晴らしかったです。
そして佐島の蛸の芯まで良く塩揉みされた
柔らか味と塩味がジワリ舌に忍び寄る感じ
噛めば噛むほど味わい深く蛸ってこんなに
味深くなるのかと認識を新たに致しました。
❻焼き牡丹海老の頭
蛸を食べた段階で直ぐにご用意が
有りましたのが牡丹海老の頭にて
カリッと焼かれたものを頂きます。
そのままパクッと食べるのですが
頭を齧って焼かれた焦げ目を破砕
甲殻の香りがプワァンと口内から
飛び出して来て駆け巡ります。
この匂ひに連れられて殻の破砕感
とても良い感じで食感が伸びます。
味覚よりも香りと歯触りを楽しむ
そんな一品でした。
❼秋田のイクラ小丼 もみ海苔
ほんのりと薄く醤油漬けをしてます。
漬けと言うよりもチョット潜らせる
程度の浸し方で抑えておられます。
イクラのエキスが大変素直でクリア
とても新鮮な甘味を感じるイクラで
イクラのピュアな美味さを舌で直に
感じ取ることが出来て其処に舎利が
サラッと絡んで来てる美味しさには
堪らなくイクラが愛おしくなります。
可憐な甘さのイクラ小丼に脱帽です。
❼九絵の竜田揚げ風 三重県尾鷲
うま味が地味深いお出汁に浸された
九絵の揚げ物で揚げ出しっぽい感じ
三杯酢と鬼おろしが参加して九絵の
エネルギッシな身肉の力強い肉感と
身質をさり気無くフワッとさせてて
肉感も優しく宥めて穏やかな旨味に
整えておられました。
咀嚼がとてもスムーズに運んで舌に
九絵らしからぬ優しくジンワリ来る
美味しさで着地していて少し驚く。
而も旨味は損なわれておらず活力
豊満に弾ける肉質は健在也でした。
◉福島 飛露喜
❽ニタリクジラの尾の身 アイスランド
□生姜醤油
□浅葱をすり潰したものを塗して
こんな絶品ものが登場するとは
正に悶絶しちまう味わい に愕然
中々の珍味である鯨の尾の身
出会う回数も極端に少ない為
味わう事も滅多にない希少品
その中でもニタリクジラには
未だお目にかかった事が無く
今回あらいさんで初経験です。
一枚を頂いてみると冷んやり
冷たい食感が舌に先に着地し
鮪のトロみたいに滑らかなる
脂質感がその肉質より浮き出
鯨の身肉の旨味がジンワリと
際立って来て舌を浸してます。
身質の方はその脂質と裏腹に
爽やかな感じと噛むと少しく
弾力し肉肌からしなやかさが
感じ取れて優しさをも併せた
肉感が漲っております。
更に舌触りが中々の艶やかさ
而も意外と油っぽくはなくて
サラリと流れて行く静かさの
中で浮き上がる甘い脂質感に
舌が踊らされているのです。
何となく不思議食感と味覚に
出逢い乍らも感謝感激してて
あっという間に終了でした。
もう少し味わいたかったかな
経験値も少ない為か良く舌が
理解せずに終わってしまった
と言う感じでした。
❾間人の勢子蟹醤油漬け
勢子蟹の脚の身は詰まり
外子と内子もぎっしりに
巧みに整えられたお姿に
見る目が潤んでおります。
内子は蟹味噌をお供にしてトロットロン
外子はお醤油漬けが染み渡りプチプチの
ギュ〜詰めで塊ごと頬張り触感炸裂する
勢子蟹の身はめッちゃくちゃトロ〜ンと
蕩けており舌に着地した途端に身溶けし
瀞みの甘さとネットリ感で陶酔しちゃう
こんだけトロットロな美味さに出会えて
口福感がMAXに感じる程の蟹の身を全部
食い尽く散らかした後も尚未だ食欲勝り
甲羅や脚の殻を舐め回して残香を探って
しまいました。
■握り■
①中トロ 腹上 噴火湾
久し振りにお伺いしてます。
鮪からスタートの一貫が始まると言う
ワクワクするスタイル変更にチョット
驚きを感じる共に新鮮さを感じますし
何時もはお写真を撮るまでかなり間が
空いてムズムズする気持ちを抑えつつ
早く鮪回って来ないかなぁと思ったり
辛抱するのですが本日はスタートから
親方の握りを撮影出来るのは臨場感と
高揚感が一緒に膨らんで時めく感情に
支配されて仕舞いますね。
滅茶嬉しい気分でスタートした握りの
最初の一貫が漆黒のカウンターに届き
富士山返しの雅な姿が映るのを見つめ
其の儘惜しげ無く摘んで中トロを頂く
咀嚼した瞬間に感じるトロの優雅な舞
優しく舌をしっぽりと抱き寄せこれが
冬鮪とは思えない脂質がとても艶やか
かつ穏やかに蕩けて舎利を惹き込んで
一体化して行く中トロの一貫かれ頗る
気品が満ち溢れて来る。
まるで大将の人格が其の儘中トロへと
写って舎利と戯れているかの様な感じ
素晴らしく優雅に口内を舞う中トロに
舌が幾分震えちゃいました。
スタートから衝撃的な鮪のウェーブが
口内に響き渡って舌に着地するや否や
有無を言わさず欲望を掻き立て乍らも
程良く寝かしている中トロから甘味が
舌を撫で始め舎利をグッと巻き込んで
その乳化と共にどんどん身溶けしつつ
脂質の甘味を膨らませて舌に吸い付く。
一瞬その艶やかに溢れる抱擁感に身を
任せたくなり舌触りの官能的な美味に
酔いしれて仕舞う。
そして有無を言わせず中トロの肉肌が
舌を妖艶に抱擁するかの如く官能する
味わいを放ちその瞬間にも蕩けちまい
儚く消えて行って仕舞い名残惜しさが
口内に留まり僅かな余韻を楽しむのも
一興となるのでした。
②背中の中トロ 噴火湾
この一貫に希少価値を見出す美的外観に
惚れ惚れして仕舞いますね。
素晴らしく美観が整った芸術的フォルム
カタチの美しさと完成度に眼を奪われる
ある意味、表と裏のトロをご用意して
頂いてると言う理解で良いのか迷いも
有りますが表裏一体とも言える冬鮪の
醍醐味を頂くレアなチャンスを獲得。
この素晴らしき二貫にて本日の鮪から
腹側の脂質が漲るものと背側の芳醇な
脂質が薫るものとの贅沢な食べ比べを
満喫する好機を得る事が出来て大変に
舌が喜ばしい限りと興奮気味なのです。
どちらかと言うと背トロの方が自分の
舌の好みに合うかと感じてます。
こればかりはどっちが美味しいかより
お好みの問題かと思いますが個人的に
背トロの方が脂質感がしっくり舎利と
紡ぎあって舎利との同調が優しく秀逸
かつ
香りと余韻がエレガントに伸びて来る。
咀嚼が進みフッと気が付けば背トロは
艶やかで張りも有りつつ肉感は優しく
靡いて酸味の旨味が濃厚気味の酢飯を
穏やかに感じさせる程の極上のトロの
そのポテンシャルに感服するほどです。
着地した背トロは厳かに佇む艶やかな
味わいの一貫に舌が平伏しております。
香りと言い清らかな脂質の旨味と言い
酸味を賑せる舎利の美味さを意識した
背トロとのバランスの完成度の高さも
優れて秀逸な一貫にて感動ものです。
マジ忘れられない背トロの味わいには
舌が完全に沈黙してしまいますね。
③小鰭
小鰭は咀嚼感が鮨と言うジャンルの中で最も
優れて酢飯にピタッと照準が合うと感じます。
これだけお鮨の為にこそ生きているお魚って
無いんじゃないかと思える程で小鰭を頂く時
全神経を舌に集中させ真摯に対応したくなる。
本日の小鰭の握りも
膨よかな酸味の酢飯に合わせた小鰭の豊かな
肉感が漲りキュッと張り詰めた旨みが揺蕩う
仕上がりの一貫に舌が骨抜きとなります。
柔らかな身質が一粒一粒の酢飯と共鳴し合い
優しく舌を支えて美味が炸裂しております。
その身質は程よく引き締まる肉感を帯びて
シャープな身の締まり具合に感じる大将の
拘りが良く反映されている一貫と感じます。
酢〆と塩〆のバランスが程よく整えられて
小鰭の皮の輪郭がクリア〜に伸びると共に
肉質はシャープに味わいを整えてて爽快に
肉感を走らせて行きました。
舎利とネタとの間合いと言い一体感と言い
絶妙な味わいが舌に訪れており鮪の鮮烈な
旨味の後に舌をスッキリさせての間合いは
抜群の咀嚼感を引き出して来ます。
浮き上がる小気味の良さが走る一貫であり
堪らなくなりますね。
◉伯楽生
④墨烏賊
咀嚼が素晴らしくコリコリ感を膨らませ
僅かな振り塩が墨烏賊の甘味をクリアに
伸ばして来る優れものなのです。
墨烏賊に入れられた包丁飾りの一本一本が
肌理細かく身質を甘く浮き上がらせている。
咀嚼していると墨烏賊の身が蕩けて行く時
トロ〜ンとする旨味がvividに躍動して
身質が徐々に溶けながら舎利を巻き込んで
墨烏賊の甘美な味わいが渦巻いて美味しと
なる至高の一貫となります。
柔らかな輪郭の酢飯の温もりに
墨烏賊と山葵が協調し合う旨み
フワンと匂ふ香ばしさが漂って
ネットリと舌に絡む甘味が舞う
咀嚼が続いて派生する旨味の深さ
酢飯との類い稀なる距離感からは
咀嚼する一瞬に感じる江戸前鮨の
新世界が展開される究極の一貫で
素晴らしい完成度を誇ります。
⑤松川鰈
松川鰈は分厚い切り付けで握りに豊満な肉体を
委ねております。
咀嚼するとその伸びる弾力に参りました。
噛むとグニュって筋肉質が感じられるのも束の間
適度な弾力感と柔らかく伸びる肉感の豊かさには
舌を巻くものとなり舎利の重なりが旨味を増幅。
しっかりと身質が引き締まり見事な身質の松川鰈
小鰭に引き続き酢飯の酸味を押し返す男前な握り。
⑥真鯛
この真鯛も素晴らし過ぎて握りがどんどん
進むにつれて鮨あらいの実力と言うものを
限り無く掘り下げて知り尽くしたくなる程
感無量な心持ちが芽生えて来るのです。
どの一貫も完成度の高さに舎利と間合いが
一体となる味覚の深さに感じ入って仕舞い
お酒もつい、クイッと進んで仕舞いますね。
真鯛の身質がキュンとなる感じに引締まり
その淡白な甘味をクリアに浮き上がらせて
舌にしっとりと抱き付いて来るのも妖艶で
悩ましいと感じますが加えて酢飯の旨みと
調和する美味しさも頭抜けております。
舎利の米粒から感じる膨よかさと放たれる
酸味と柔らか乍らもその輪郭で歯切れ良く
真鯛の身質が甘味をしっかり引き出してて
味わいの各要素が同期し合う見事な完成度。
咀嚼自体が記憶に残るキレのある一貫です。
⑦青柳
瑞々しくいい香りが優れて鼻腔から
口内に留まり春風の匂ひが舞います。
この青柳独特の香りにうっとりとし
こんなに香る青柳も初めてかくらい
幸せ気分に浸り乍ら頂く握りを堪能。
レアに仕上げた薄いオレンジ色の青柳に
佇むは淡白乍らも香り高く舎利の酸味を
惹きつけて舌を巻き込みます。
達人の仕込む酢飯は流石に万能の威力を
発揮して鮨ネタを活き活きとさせますね。
素晴らしいの一言に尽きる。
⑧愛知の天然車海老
引き続きパンチの効いた天然の車海老を
ご用意を頂き緩急に優れる起伏の多様な
あしらいに舌が右往左往のてんてこ舞い
と言った感じとなってしまってますよ。
兎に角元気で活力溢れる身質の車海老に
咀嚼がシャクシャクとして進み甘美なる
旨みが口内にどっと溢れると共に温かい
舎利玉が穏やかな酸味を纏って車海老に
寄り添い乍ら一体感を弄んでるかの様に
プリプリッと口内を跳ね回る美味しさは
格別なものを感じるので有ります。
噛めばパキッと清々しい歯応え感が満ち
身肉の繊維の密度が違いを満喫します。
この若々しく元気な食感と共に舎利玉が
ブ〜ンと巻き込まれつつ車海老と一体と
なり絶妙な美味さが生まれて舌が喜んで
しまう一貫でした。
⑨噴火湾定置の赤身 漬け
後半のど真ん中に配置する残りの鮪二貫
実に嬉しいボリュームと貫数なのである。
スタート時に二貫を頂き後半にも部位を
変えての味変のカタチで鮪尽くしの構成
実に充実した圧巻の握り構成に拍手喝采
此奴は咀嚼が止まらなくなる訳で何度も
味わいたくなるのも止むなしか思えます。
柔らかな香りとしなやかな身質の佇まい
赤身は膨よかに輝きながら酢飯の酸味に
同調しそのポテンシャルを余すこと無く
開放して滋味深き旨みに着地する。
元来赤身は鉄分が魅力であると思ってて
これ程身の旨味が開く赤身もあるのかと
本日の鮪の素晴らしさに感じ入ります。
息を呑む美味さとは此のことですね。
信じ難い鮪の躍動感が伝わる美味しさ
でした。
⑩大トロ 噴火湾定置の蛇腹
本日のマグロはどの部位も全てが秀逸
かつ
とても脂質がエレガントに舌に馴染む
此の大トロもとても品の良い舌触りに
脂質感が身肉から零れてくるのに吃驚
静かに脂質が優雅に佇み咀嚼をするか
しないうちにトロトロ〜ッと大トロが
直ぐに蕩け始めまるで脂質などは存在
しないかの様な身溶け感に舌が驚いて
さり気無く人肌の温度で解けて行く。
清らかなるキレの甘い大トロの脂質は
何処迄も艶やかに膨らむ舎利の酸味と
旨味にピタリと重なり合い余韻を残し
刹那に消え去って行くのです。
咀嚼が自然な内に進み過ぎて仕舞って
甘い香りが鼻に抜けて行き
この艶やかな身質の食感と
官能的な肉肌との触れ合い
悩ましく揺れる肌合いから
零れる旨味に舌が没頭して
悶絶する味わいに溺れます。
此の鮪シリーズの締めとなる一貫には
ヤバヤバの美味しさでした。
⑪白子雑炊
雲子でお粥を混ぜ混ぜしてる食感が佇む
真鱈の白子雑炊です〜これも美味し過ぎ!
然も握り構成のアプローチの緩急膨らむ
スムーズさに舌が踊らされっぱなしにて
この巧みな美味妙味のコントロールには
参って仕舞います。
大トロの衝撃の直ぐ後に優しい味付けの
白子の珍味がしっかりと表現されていて
ホッとする安堵感を伴う白子の味わいが
冴えてとても美味!
舌先にジンワリと伝わる雑炊の穏やかな
お米の輪郭も頗る心地良さを発揮してる。
咀嚼するとスルスル〜ッと自然に消えて
行く白子雑炊の余韻にうっとりしちゃう。
前段の大トロの脂質が口内に残りつつも
其れ等を全部洗い流してくれているのが
とても好感を持てました。
⑫昆布森の馬糞海胆 軍艦
もうそろそろお終いに近づいて参りましたね。
何と無く寂しい気もしますが終盤に差し掛り
鮪を二貫も頂き高揚感が膨らんだ所に間合い
宜しく珍味爽やかな蝦夷馬糞海胆のご登場に
これまた舌が歓喜してしまいますね。
零れ海胆の様相を呈しています海胆の軍艦を
逆さ落としにしてポトリと海胆から舌に着地
見事なダイブに応える様に直ぐ様身溶けして
舌一面に海胆珍味が広がって行きつつ同時に
お海苔の磯風味がフワァンと口内を駆け巡る
この海苔風味に囲まれた海胆珍味の味わいは
慎み深い滋味に溢れる清楚な海の幸とも言え
海胆塗れの酸味豊かな舎利がリゾットの様に
口内に展開して甘〜く囁き珍味走らせ美しく
飲み物と化して仕舞う海胆を満喫する軍艦。
⑬穴子
繊細に仕上げた穴子はポーションも
素晴らしく仕上がり超高温の貴公子
定番の熱々の焼き穴子は相当な温感
アチチとなるくらいの高温で仕上げ
この時だけは手掴みでは無くお箸を
許して上げて一貫を箸先で摘み乍ら
お口へと運ぶ様にします。
咀嚼を開始した途端に鮮烈な穴子の
持ち味がブワァンと口内に氾濫して
これぞ焼き穴子の醍醐味かと痛烈に
舌を巻き込んでダイナミックな温感
だけど身質はとても穏やかに佇んで
フワッと解ける優しい食感で満ちる
此のコントラストにやられちゃう
焼き加減の塩梅の美しさ
表面カリッと仕上げてて
パリッとした噛み心地が
とても清らかな食感にて
口内に着地して来ます。
穴子の中の質感フワッと
スポンジ感覚な仕上がり
その解け感にも吃驚する
焼かれた穴子の香ばしさも際立ち
甘味も出しゃばらずの美味しさは
とても温感とは打って変わり上品
終盤まで息を抜かせぬ美味が行進
ストーリー性豊かな握りの構成に
舌が溺れて歓喜極まる美食の〆を
頂きました。
⑭蜆汁 三つ葉
良く蜆のうま味が素直に出てる
ホッと安堵する蜆の旨味が濃厚
じっくりとお汁を啜ってやると
ほっこりと舌を癒やしてくれる
ゆっくりと和みが訪れるひと時
⑮玉