miti4134さんが投稿した啐啄 つか本(京都/祇園四条)の口コミ詳細

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啐啄 つか本祇園四条、京都河原町、三条京阪/日本料理

1

  • 夜の点数:4.8

    • ¥30,000~¥39,999 / 1人
      • 料理・味 4.9
      • |サービス 4.6
      • |雰囲気 4.8
      • |CP 4.9
      • |酒・ドリンク -
1回目

2025/08 訪問

  • 夜の点数:4.8

    • [ 料理・味4.9
    • | サービス4.6
    • | 雰囲気4.8
    • | CP4.9
    • | 酒・ドリンク-
    ¥30,000~¥39,999
    / 1人

衒うことなき真摯に素材との会話を通じてその持ち味を最大に引き出す巧みのお料理から生み出される至福の味覚が口福を呼ぶ

訪問日 2025.8/4(月)18時〜20時半

お料理 お酒含むお会計¥37,000

ご予約 常連様のお席にて

店内には『啐啄同時』の四文字が真壁に
額に入り掲げられております。
店主の心構えを示されておりお料理に
対する心意気と覚悟を感じます。
故に私たちも真摯にお料理と向き合い
ご用意頂いた逸品一品を真剣に味わう
その様なお気持ちで臨みたくなります。

■お料理撮影不可となります為
お料理のコメントのみを掲載させて頂きます。

1.先付

■玉蜀黍とトマトジュレ

トマトの透明感に溢れるジュレが
旺盛に漲り程良い酸味で舌を纏い
爽快感で暑気払いを兼ねサッパリ
涼風が靡く心地良い舌触りに感動。
そして
トマトジュレをスプーンで掬って
冷製玉蜀黍に絡めながら頂きます。

玉蜀黍は大変滑らか円やかな塩梅に
細やかに漉していらっしゃり其れを
冷んやりと凍らせ恰もシャーベット
感覚で舌をオブラートしてくれます。
その冷製玉蜀黍を噛みますととても
シャリシャリッとする食感が嬉しく
清涼感を放ち口内を爽快感で満たし
咀嚼の喜びを感じさせてくれました。

玉蜀黍自体は素材の甘みと風味を生かして
素直に玉蜀黍自身のストレートな持ち味を
生かし切った甘味を引き出しており下手に
調味等は一切施さずに夏の料理に涼しげな
食感を大切に育むあしらいとされてます。
シャーベット風でシャリシャリ感覚芽生え
その舌触りの心地良さをさりげなく演出し
実に素朴に素直に食材の価値を写してます。

冷製玉蜀黍のシャーベット的なものに対し
其処に酸味が此れも涼しげに靡いて来つつ
透明なトマトジュレでサッパリと舌を包み
清涼感が気持ち良く伸びる甘さで舌を癒す
そんな光景が繰り広げられる夏のお料理を
爽やかなる出立ちで頂きました。

2.お凌ぎ

■淡路の煮蛸
■蛸の卵
■サンド豆
■小芋
■冷たいお出汁

恰も焚き合わせの様に素材の持ち味を
あくまで素朴に引き出して更に素材の
本能を曝け出すかの様に風味を導いて
味覚を真摯に深掘りしている逸品たち。

目に映る全てが雅な美観を整えつつも
舌を優雅に魅惑してくる色艶と香りに
抱きつかれて口福と興奮の予感が募る。
珍味度と希少性に富む蛸の卵と出会い
最初から食感のショックウェーブとの
遭遇に歯も舌も歓喜に震えちゃうもの。
潔い涼やかな粒々感とジワッと染みる
お出汁の淡さを味わう喜びが同期して
訪れる。
蛸な卵に舌を奪われている隙間に次の
煮蛸の美味さに感嘆し刺激を受け歯が
噛み続けている間は唸りっ放しとなり
舌は歓喜の柔らかさで燥いで仕舞う。
蛸の身も吸盤もホロホロにしっとりと
解けて行き口内は蛸の甘味に染まる。

煮汁が蛸の身の芯まで染まりお出汁が
染み込み蛸の甘味が奥行き広く膨らみ
噛む度にジワッと甘味を振り撒いてる。

舌が仰反る様に味わいと香りと食感を
分かち合い煮蛸から頂く喜びを共有し
咀嚼する度に陶酔感が重なり合う。
身はしっとりしてて旨みが深く広がる。
絶品なる事この上無しの煮蛸に感銘し
これ程の感動を頂く煮蛸が有るのだと
つくづく感謝の念が湧き起こります。

そして煮蛸の興奮冷めやらぬ儘に次の
一品の小芋を箸先で摘んでお口に含む。
お口は未だ蛸の余韻に浸っておりやや
興奮気味で熱を持った儘にて小芋には
やや抵抗感を抱く感じを残している。

而して小芋が目ざとくその高揚感を察知
此処が又見事な塩梅の合わせ技の仕掛け
小芋を頂いた瞬時に味わい広がる冷感の
何と素敵に舌の興奮を宥める優しい食感
そして冷んやりと涼感を持つ小芋の甘味
其れ等が物の見事に舌を諌めて大人しく
味わいを広げており落ち着かせて来れる。
最後は淡麗でうま味の深さを知る出汁を
舌に感じながらも味覚の緩急の有り様を
存分に堪能しておりました。

3.お椀

■新蓮根
■鱧の真薯
■叩きオクラ

目の前に届きましたお椀の器に
先ずは目が留まります。
漆器は骨董で明治時代の京塗り
実に味わい深い色艶が落ちずに
春慶塗りの如く艶々に麗しい器
大切に扱われてきてる事が良く
分かる漆の器です。

さて、椀盛の方ですが
昆布の淡いうま味が地を美しく張り
舌を染める度にジンワリとうま味が
浮き上がり心身共に癒してくれる。

お椀に佇む地は昆布の香りフワァンと
広がり鼻に優しく抜けて行くのである。
引かれたお出汁は雑味を一切感じ無い
真摯にクリアな地味を引き立てている。
飲めば舌が力強く惹き寄せられながら
そのうま味はグッと溢れ返るチカラの
印象を刻んで行きます。

口たりは優しく舌を惑わせ味わい深く
うま味が舌一面に広がるお出汁の味が
本当に堪らなく記憶に留まります。

鱧の真薯はこれぞ夏の椀種代表と主張
擂り身の繋ぎと完全なる一体感を創出
真薯自身の旨みと円やかさを演出して
とても優しく舌に和んでくるので有る
此れは椀種なのかはたまた淡雪なのか
と思えるほどのシルキーな舌触りにて
真薯を一口お出汁に絡ませ嗜むだけで
繋ぎの擂り身の上質さが感じ取られて
嬉しい味覚を覚えて舌を歓喜させます。

誠に印象深く淡麗な味わい深さが舞い
舌を高揚させて頂いた作品でした。

4.お造り

■炙り鱧
・山葵
・酢橘
・梅塩
・梅肉

大きな七輪に金網を掛けてその上で
チリチリと骨切りした淡路産独特の
身厚な鱧肉の皮目を炙って金網上で
クルクルッと畝りを見せる鱧の姿態。
火入れされた鱧を手前にお届けです。

鱧の初々しいお刺身感覚にほんのり
焼き霜風のあしらいを整えたお造り
鱧の特性を丁寧に引き出すとともに
やや大胆不敵に皮目の方だけサッと
炙り火を入れて瞬間芸の様に鱧から
余計な脂質を飛ばしてその悩ましい
肉体をキュッと引き締めた感じにて
完成度の高い仕上げを施してます。

あくまで炭火でミディアムレア的に
火入れを施した鱧肉の身質の旨みを
グッと昇華させ味わいを楽しませて
大変鱧の魅力を存分に引き出す一品。

そして単に火が入った鱧料理と言う
訳ではなく鱧に寄り添い味わい深く
掘り下げる仕掛けをご用意されてて
大変舌を喜ばせることになります。

お薬味の味付けを多様にご用意され

一枚は酢橘塩で素直に頂き鱧の身と
少しの塩味と酸味が行き交う薬味が
鱧肉から淡白な味の輪郭をキュッと
引き締める感じの奥ゆかしさで舌を
楽しませてくれます。
これがかなり印象的な味わいを募り
ガバッと一口で踏み込みますと鱧の
肉感よりダイナミズムを感じるもの
咀嚼時の鱧肉の迫力が伸びて来てて
実に素晴らしい味の深みを感じます。

2枚目はより大きなサイズの鱧肉に
梅肉を絡ませながら少し酸味を強め
梅塩を少しだけ振って梅の芳しさに
塩味の装い潜ませながら頂きますと
これ又極上の鱧の美味しさに激変と
なり咀嚼が楽しくて仕方が無い感じ。
鱧肉がかなり分厚いがサラッとして
脂っぽくなくスルスルッと口の中に
溶け込んで行って仕舞います。
その解け感がまた舌を弄びますね。

そして店主より嬉しい一言を頂いて
『お腹に余裕が有りましたら未だ未だ
追加の鱧をご用意してますのでどうぞ』
と言う優しいお声掛け誘われて仕舞い
〆に相応しく梅山葵の仕様にて酸味も
辛味も華麗に絡める味わいを堪能して
塚本大将の鱧ワールドに舌が没頭して
魅了されっ放しでした。

5.お造り

■淡路のデカイ鮑
■肝醤油

サイズ感が半端ない鮑をぶつ切りの様に
ゴロリと大きな鮑の塊に太目の飾り包丁
鹿子状に飾られた鮑肉の下には肝醤油。
慎ましい佇まいの様に見え実は大胆不敵
肉感を勇ましく燃えたぎらせるかの如く
肉肉しさを募らせている名品鮑なのです。

而も目を見張りますのは一見蒸し鮑かと
信じてしまうお姿なのですが此れが違い
サッと火を入れただけの蒸さない煮鮑の
様な感じの仕立てとなりレア感も有って
生々しくかつ活き活きとした旨みを放ち
躍動的な肉感と相まり歯応え十分に募る。

鮑の肉弾からは生々しい躍動が膨らんで
咀嚼感を上手く活かした火入れの仕掛け
噛み心地が抜群の快感を呼び込んでくる
そして噛むだけでは勿体なく感じつつも
お口の中で少し転がす様に咀嚼を進める
舌触りが大変心地良い鮮烈な肉感を呼ぶ

鮑の肉は其れこそ舌を翻弄するかの如く
絶品なる旨みが膨らむ妙味を見せて来る。
サイズ感の膨よかさも咀嚼時の満足感と
高揚感を導き絶品の味わいは感動を呼ぶ。

6.お鮨

■煮穴子 詰め
■酢飯

此処で味変と言うかコースに変化球を
投じて舌を鮮烈に印象的な一品の登場。
煮穴子を一本付けで握ると言う代物で
丸々一本の煮穴子で舎利玉を包み込み
クルリと巻き舎利を上下からサンドし
握りをご用意されてるのです。
此れにはかなり迫力を感じつつ驚きと
迫力の味覚が口内に飛翔する一貫にて
煮穴子の持つ底力とも言うべき旨みを
挟み込んで迫力満載の握りに吃驚する。

2枚漬けならぬ上下で挟み撃ちの様な
舎利を包み込むカタチでたっぷり丸々
穴子一本を使っての握りは壮観でさえ
有ります。

大将曰く修行時代では日本料理ばかりでなく
お寿司にも精進されたとの事で美しい握りの
ご用意となります。

お話しされてましたがコースの中でも
異彩を放ちインパクトのある一品です。

瀬戸内の穴子を煮詰めで味を整え
山葵が心地良い刺激の風を靡かせ
詰めの甘味がとても優雅に美味を
感じせて穴子自身を膨らませてて
咀嚼は満足感を何処迄も誘うもの

関西らしい白舎利はやや甘めに調整し
香りの良い味の方は酢で軽く洗ってる。
舎利の旨みが良く引き出されて米粒を
咀嚼して零れて来る舎利の旨み甘味が
堪らなく美味しく感じます。

斯様な印象の強い緩急の入るコース体験は
初めてかも知れません。
感謝で胸が熱くなります。

7.お口直し

■冷製茄子の冷やし田楽

綺麗に炊かれた翡翠茄子の美しさには
一目で見惚れて仕舞い惚れ惚れします。
田楽味噌がしっとり落ち着いて舌に
寄り添って来る良い地味深さを讃えており
茄子との相性と言うか茄子にピタッと寄せる
甘味の奥深い事
そして田楽の味噌の深さに呼応する様に
翡翠茄子の瑞々しさ青味の奥行きと
歯応えが活き活きと感じる繊維との触れ合い
その全てが統率が取れて尊厳を持って
マリアージュして来る
茄子というものの深さを教えてくれる一品
職人技であり店主の腕が鳴るとは
こう言う事なのかもしれない。

8.珍味

■淡路鱧の浮袋
■肝
■鱧の子
■内臓の煮凝り

鱧の煮凝りが舌舐めずりしたくなる程の
絶品の仕上がりを見せており正に逸品を
遥かに超えて来る領域を体験したかもと
舌が感動で溢れておりました。

煮凝りや浮袋はじっくりとお出汁で煮込み
実に良い味を浮かばせているものなのです。
こんなに美味しい珍味たちを頂けるのなら
もっとお酒を早く頼んでおくべきだったか
と多いに自省の念が思い浮かぶ舌なのです。

浮袋や肝をサラリ感覚で包み込む鱧の卵の
プチプチ感が潔い食感を授けて小気味良く
口内を駆け抜けて行き涼感が大変心地良い。

卵を咀嚼して潰すととってもサラサラ感が
膨らみ食欲も増進させちゃう魅力が芽生え
咀嚼を何度も重ねたくなる誘惑から喜びを
生んでくれております。
そして
貴重な鱧の全ての部位を詰め合わせした
煮凝りのウマミがグッと力強く迫力ある
プルプル感が弾み蕩けて行き絶品珍味で
舌を右往左往させてしまうのである。
然し乍ら直ぐに煮凝りは舌と打ち解けて
身溶けを始めて舌をよろめかせるもので
有りました。

9.焼物

此処で鮎の焼き物のご用意となりますがこれ又
二部構成となっており実に舌を弄んで頂きます。

[前編]

■足羽川の鮎の塩焼き
■加減酢
■蓼ペースト

前半戦では鮎の香味を堪能させて頂く趣向で

頭と中骨が綺麗に抜かれど真ん中の鮎の身が
お皿の上に徐に曝け出され横たわっています。

天然の鮎の成魚は香魚そのものと言えるもの
お腹の辺りをサクッと齧ってしまえば口内に
溢れる香味の芳しさが悩ましく感じられます。

此方の鮎を一口齧り直ちに舌で直感したのは
恐らくは清流に生えた無垢な苔ばかり
大量に食べて育まれた鮎なのでしょう。
香魚の名を欲しいままに冠することの
出来る由緒正しい無垢な香りを放って
これ程までに高貴な香りに満ちた鮎を
未だ知らないでいたのかと感動に震え
ワクワク感が止まらない鮎の香味との
出逢いを頂いてしまいました。

正に身も心も骨抜きとなる鮎料理でした。
鮎の頭と尻尾はカットして頂いて中骨も
スッと抜いておられ腹中の美味しい所を
ふっくらと炭火を掛けて頂いて其れこそ
鮎の一番美味しい醍醐味だけをお口へと
誘ってくれるので有ります。
その香魚はサイズ感も旺盛にて身の方も
相当いっぱいな故に食べ応えがくっきり
浮かび上がる迫力ある身質を頂きました。

[後編]

後半戦では先ほど頂きました鮎の身から抜いた
頭と中骨と尻尾をカリカリッと唐揚げ仕立てに
破砕感がとても潔い食感で歯を喜ばせます。

■鮎の頭と中骨の骨煎餅

鮎料理の後半は鮎の唐揚げのご用意に
嬉しくなっちゃいます。
この鮎の骨煎餅のカリカリ感と破砕感
唐揚げの衣を齧った時の歯触りからの
小気味良さは文句無しに美味しすぎて
齧ってしまうのが勿体ないと思える程。
斯様な鮮烈食感と破砕感に悩まされて
料理が進むとはチョット想像を超えて
感動が何時迄も残る一品となりました。

鮎の料理を二部構成に分けて焼き物と
揚げ物で一つのお料理としてセットし
其々の部位ごとへの美味しさを巧みに
引き出しつつ鮎本来の持ち味の魅力を
グッと昇華させたヒトサラに仕上げて
舌も歯も歓喜に導いておられました。
素敵な鮎料理の出会いとおもてなしに
店主への感謝の念が尽きません。

此処までのお料理を振り返ると

骨太のお料理を強く感じますが
決して主張してるわけでは無く
あくまでも素材を大切に慈しみ
持ち味を研ぎ澄まして追求した
カタチが自然体でお料理として
完成していると言う感じなので
ちっとも舌に飽きが来ないのと
屈託なく味が舌に馴染んで来る
そして紛う事なき口福感が募る。

10.素麺

■鼈素麺
■煮込み椎茸の短冊

◉生姜の搾り汁
◉半熟卵
◉鼈出汁と煮凝り
◉白髪葱

鼈から取ったお出汁が滋味深く佇む中に
涼しく浮かぶ素麺に細やかなあしらいの
短冊状にカットされた椎茸が誠に盛夏の
風物詩を物語る様に涼風を戦いで居ます。

鼈肉と骨から引いた麺つゆはコク深くも
迫力を感じる濃度に唆されて舌がジワリ
そのうま味を嗜むとパチンと弾けるほど
印象的な味わい深さが実に舌に染み入る。

鼈出汁からはアクも嫌味も臭みも全くに
寄り付かずの淡く麗しい鼈スープの味の
出来栄えに感動を頂いちまう。
うま味が強めに引かれてはいるが椎茸の
甘みが写る事を予め鑑み緻密な計算の元
鼈のチカラと椎茸の甘みの合わせ技から
生まれる妙味が大変奥行きを持つ味わい

鼈の出汁の滋味と椎茸の甘味との交差が
互いを邪魔する事無く内溶け合っており
仲睦まじく地が馴染み合うスープとなり
其処に素麺が可憐に絡みながら口腔内を
舞うのである。
更には
鼈の煮凝りも寒天の様にふわふわ〜んと
浮き上がっては舌の上にプヨンと着地し
これまた愉快な食感で舌と戯れ合うので
楽しさ膨らんじまう故の珍味妙味合戦が
尽きる事無く展開し続けて舌を喜ばせて
おりました。

11.赤海胆の小丼 淡路

此処でお腹の具合は如何ですかと店主が
お客様全員にご様子をお伺いして頂いて
差し支えなければお食事の前にもう一品
良い赤海胆が入ってるとの事で丼ものを
ご用意致しますとの申し出に凡そ遠慮等
無用にて全員からの快諾を承知なのです。

そしてご用意された赤海胆丼の何ともまぁ
雅な佇まいが眼前に繰り広げがられており
鮮やかなオレンジ色に輝いてる赤海胆様の
盛付の豪華な姿にお目々がパチクリするわ
鼻腔へプワァンと訪れる赤海胆の香りにも
癒されての眼差しにコクリと舌が頷きます。
赤海胆も酢飯もたっぷり詰まった小丼には
てんこ盛りの赤海胆は丼の器からは今にも
零れそうな勢いで迫って来ております。

意を決し赤海胆の一つを先ず箸先で摘んで
お口の中にパクッと頂いてみます。
んん〜、素晴らしか鮮度の高い赤海胆です!
彼女が舌に着地した途端にトロンと口溶け
珍味甘味の密度濃厚な味わいが舌に着地し
舎利との距離感も物凄く近く相当に濃厚な
美味が舎利とピタッと同調して来て美味し!
それ故激うま旨な味覚で舌を陶酔させるし
咀嚼への衝動誘惑が止まらずなのです。

これが握りですと舎利と価値観を共有して
同調する味わいを楽しみますが小丼ですと
個々に頂きますので少し間を置いて舎利の
酸味が後から追いかけて来ますね。

これは当然の如く赤海胆が丼の天辺に盛られ
先に赤海胆を掬って食べることになる訳の故
赤海胆の珍味が先行して舌の上で広がりつつ
其れを存分に堪能した後でその余韻で酢飯を
楽しむ事となり赤海胆珍味の名残りの余韻と
舎利がほんのりと染まり程良く赤海胆風味と
香味が舞う小丼となりコレまた乙な味わいと
なりますね。

而して舌を最初に赤海胆様に慣らしておいて
次に赤海胆たっぷりと一緒に酢飯を同期させ
頂く事にすると赤海胆のインパクトがガツン
とやって来て酢飯の酸味とお互いに助け合い
溶け合いながら赤海胆珍味が猛然とダッシュ
舎利を惹き込みながら口内調理が俄然進んで
赤海胆丼のリゾット化が見事に完成しちまい
陶酔感を覚えてしまうのである。
この二段攻撃がメッチャ最高に美味しい〜。

斯様な酢飯の一品料理が嬉しい繋ぎを放ち
お料理構成に緩急の七変化を仕掛けられて
満足感を膨らませて来るお料理運びに感銘。

12.お食事

■伏見甘長唐辛子と雑魚の炊き込みご飯
■利尻昆布で煮込まれたごぼうの佃煮
■昆布の佃煮
■白味噌の味噌汁:三つ葉 絹豆腐

いよいよお食事タイムとなります。
と言いましてもかなりお腹の方は満足気味で
既に腹パンにほぼ近い状態となっております。

ご飯ものの用意は甘長唐辛子と雑魚を散らした
炊き込みご飯にお供の佃煮と白味噌を合わせて
つか本定食の完成となります。
伏見の甘長唐辛子は万願寺唐辛子より辛味が
控え目で甘味の糖分が多い唐辛子で細いもの
青味の小気味良さが健やかに伸びる麗しさと
ほっこりと頂ける甘味がお米に良く馴染んで
ご飯を一味違った食べ物にしてしまう感じで
お米の甘味と相性の良い炊き込みご飯となり
大変美味しく頂きました。

また、ご飯に散らしています雑魚の方ですが
山椒で炊いておいてお米が蒸し上がった際に
雑魚を投入に炊き立ての状態に合わせてます。

一方、甘長唐辛子はそのまま炒めずだとかなり
辛い味になる模様なので太白油でサッと炒めて
少しばかり火入れしてやると唐辛子の身が甘く
進んで丁度良い塩梅でお米と馴染む様です。

さて、土鍋の蓋を開けますと唐辛子の香りが
カウンター越しの此方まで届いて鼻腔を刺激
その芳しい匂ひに誘われ乍ら艶々でチョット
煮えばなっぽい炊き込みご飯の美味なる舞を
堪能させて頂きました。

唐辛子と雑魚のご飯を食べつつ味噌汁も頂く。
御味噌汁は三つ葉と絹豆腐の白味噌仕立てで
ほっこり舌を労わる感じの優しい地味深さを
感じる味噌汁となります。
また、ご飯のお供には昆布とごぼうの佃煮が
お付き添いして昆布のうま味で染められてる
牛蒡の穏やかな甘味と柔らかい食感が寄せて
牛蒡の甘さと山椒雑魚の刺激を白米様が快く
受け止めて下さりしっぽり艶めくホクホクな
ご飯からとても心地良い幸せを感じてました。

所で

ご飯には焙じ茶が添えられているのですが
その湯呑みが塚本大将サイン入りでした。
そのサイン入り湯呑みが大変印象に留まり
啐啄同時にて店主との絆の芽生えを感じて
仕舞いました。

13.水菓子

■宮崎マンゴー
■桃のクリーム ミキシングして
■器は大正時代の七宝焼き

2025/09/07 更新

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