レビュアーの皆様一人ひとりが対象期間に訪れ心に残ったレストランを、
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1位
1回
2016/12訪問 2017/01/05
懐かしいツガニ・ヤマメ『唐津の老舗川魚料理は素晴らしい・・・』
福岡空港から地下鉄に乗ると、そのままJR線に繋がっており、乗り換えなしですので便利な交通手段です。約1時間20分で浜崎駅に到着。お天気は最高だし、12月の師走だというのに春のような暖かさ。浜崎駅からはタクシーで5~6分でしょうか。古いですが由緒ある建物の横には玉島川が流れており、思わず宮崎の田園風景と同じだと感じた次第でした。
「飴源」は、1838年(天保9年)創業の川魚と摘草料理の老舗店であり、川魚料理とともに水飴を扱っていた初代源吉さんの通称「飴屋の源さん」からつけられた屋号なのだそうです。清流・玉島川沿いに店を構え、ツガニ、鮎、ヤマメ、鯉、白魚といった川の幸が、中里太郎衛門をはじめ著名作家の唐津焼で供されている。野趣あふれる素材は、秘伝の味と技によって滋味深さが引き出され、グルメと称する多くの食通の文化人に愛されてきた。清流のせせらぎを聞きながら、風情ある四季折々の景色とともに五感で食を楽しめます。(ミシュランガイド福岡・佐賀、二つ星として掲載)
タクシーの運転手さんによると、昔の玉島川は川の幸の宝庫で、ツガニ、鮎、ヤマメ、白魚など四季折々の恵みに溢れていたが、護岸工事のせいか最近は川も浅くなり収穫量もめっきり減ったとのこと。生きた川魚のみを使用する「飴源」では、活きの良い素材をどれだけ調達できるかが重要なので、熟練した地元漁師の活躍が大きいらしい。若女将によると、厳選して仕入れた素材は、古い建屋の敷地内に川から水を引き込み、清流をかけ流しにした生簀で上流からヤマメ、鯉、鰻、ツガニの順に育てられており、最後は玉島川の流れ込んでいるとのこと。
実はこの玉島川は古事記や日本書紀に神功皇后が魚釣りで戦勝を占った川として記載されていたようです。若女将から色々とお店の伝統やしきたりなどを教えて頂きましたが、やっぱり老舗は大変そうですね。伝統の味と技を受け継ぐため、4代目の父と5代目の旦那がともに調理場に立っているそうですが、6代目は若くまだまだ跡を継ぐ気はなさそうとのことであり、若女将も長い目で見るしかないかなと案じているようです。やはり、どこの老舗も同じ悩みがあるんですね。しかし、老舗のお店を継げるチャンスがあるのは限られた直系の方でしょうから、いつかはこんな素晴らしい老舗を継げるという有難味がわかる時期がくるのでしょうね。
素材の味が際立つ川魚料理ですが、滋味深さを最大限に引き出すため細かな仕事が施されており、なかでもヤマメの飴焼きは、創業時から受け継がれる秘伝のタレを使用してます。使用する器は唐津焼で揃えているようです。唐津といえば、唐津焼き。唐津焼と言えば中里太郎右衛門。現在は13代であり、弟の中里重利、中里隆も陶芸家であり、「飴源」でも使うことがあるようです。見事に盛り付けられた料理とともに、器もじっくり堪能させて頂きました。
それに、今回の「飴源」には、もう1つの楽しみがありました。それは、先日伺った銀座の料理屋さん「ろばた(呂者堂)」の大将の奥さんが陶芸家であり、こちらの「飴源」に自作の陶器が使われているとのこと。若女将にその話をすると、「そうなんですよ。由起子窯というブランドで一部の食器に使わせて頂いてます。」とのこと。こんな出会いもなんか嬉しいですね。また、由起子さんは中里隆先生のお弟子さんらしく、ここから近くに窯を構えているらしい。何かの縁でしょうから、帰りに寄ってみることにしました。女房は焼き物が好きなので、楽しみが増えたといって凄く嬉しそう。
若女将から色々と教えて頂きましたが、やはり「飴源」のもてなしの顔といえば、女将さんでしょう。料理だけでなく、江戸時代から続く老舗店ならではのエピソードや玉島川の歴史など話題が豊富で、正座して背筋をぴんと伸ばした姿は歴史に裏打ちされた貫禄が漂っています。唐津焼きにも造詣が深く、さりげなく御教示頂きました。
■注文 おまかせコース8000円+鰻4000円
注文は、事前に連絡していたので、お店に入り、支度ができるまで待合室でお茶を頂きます。ここに飾られた数々の額などから「飴源」さんが色々な文化人や名士・食通の方に愛されてきたお店ということがよく分かります。それから、食事する2階の端の特等部屋に通されます。玉島川が目の前ですので、若女将さんや仲居さんとの話題には事欠きません。
さあ、これから「飴源劇場」の開幕です。
始めに小鉢。素朴な「銀杏素焼き」は懐かしい。「ツガニ豆腐」は蟹味噌ではなく身の方ですからわりとあっさり。「すっぽんの吸い物」は、口に広がる濃厚なすっぽんの風味とコラーゲンたっぷりの身、繊細というより豪快な一杯です。また唐津焼の器がいいですね。
小鉢につづいて供されるのが、お刺身と摘み草のお料理。お刺身は、鯉の洗いとヤマメの背ごしですが、鯉の洗いはシャキッとした歯ごたえが特製の酢味噌(のびる入り)にぴったり。ヤマメの背ごしは、小骨まで噛み砕いた旨みが酢味噌と相まってお見事。これは小生の大好物ですので、これだけで生ビールが本当に旨く感じますし、喜びを感じます。因みに、柚子胡椒と酢味噌は自家製でしたので、お土産に購入することに。更にいっしょに供された野菜がなんと綺麗なことか、食べるだけでなく見た目の豪華な華やかさが素晴らしい。野菜は、全て親爺さんが近くの畑で自前で育てているらしく、新鮮そのもの。種類も豊富でルッコラ、小松菜、淡竹、日野菜、長芋、はつか大根、紫大根、紅芯大根を、4種の薬味(赤紫蘇、蓼の葉、茗荷、柚子胡椒)と酢味噌で頂きます。これらの野菜だけでも、料理屋さんとしてやっていけそう。
次に、味のある大皿に盛られた鰻の湯引きが登場。これがまた、しっかり冷やされてますが、肉厚なので甘味を感じる程で恐ろしく旨い。秀逸、絶品だけでは言い表すことができないくらい。それから、途轍もなくでかい椎茸を半円の鉄板で目の前で塩焼きして頂きます。肉厚なのでかぶりつくとジューシーさが溢れます。親爺さんの力作らしい。お酒は、地元のさっぱり系をお任せで頂きますが、何にでも合いますよね。お酒に浮かぶ紅葉がお洒落。
そして、ヤマメの塩焼と飴焼き。塩焼のヤマメには焼き過ぎずなかはしっとりで、更に玉子がぎっしりお腹はパンパンです。この玉子がプチプチというより、ツルツルねっとり。飴焼きは、金箔を貼ったようで見た目が綺麗ですが、見た目が先行しているので味は独特ですが、ちょっとどうかな・・・。それから、追加注文した鰻が登場。この鰻の皮はパリパリ感が半端なく、身はほっこりと旨みたっぷり。身の厚みはそうありませんが、天然の野生を感じる野武士のような豪快さを併せ持っています。
そして、メインディッシュの蒸しツガニです。初めてということにして、若女将に食べ方を指導して頂き、まず1匹目はを見事に捌いて頂きます。身がギュッと詰まった濃厚な甘さ。田舎育ちの小生は、小さい頃からカーバイドの灯りを頼りに浅い川に入り獲っていました。銛をもってじっと待っていると、手長海老(ダクマ海老)とツガニ(モクズガニ)が灯りに向かって集まってきます。これを銛で突き刺して・・・。
「獲ったど~!」みたいな。
このツガニは想像以上の美味しさであり、独特の甘みの蟹味噌がたまりません。でも、食べ尽くすには相当な時間がかかります。ツガニの旬は秋ですので、今の時期最高でした。
最後の食事は蟹めし。蟹寄せ汁、香の物と一緒に頂きます。この寄せ汁も昔から日本タオルに包み潰してから、タオルで濾してから旨い出し汁を頂いていたので、やはり懐かしくも濃厚な味わい。「飴源」の由緒と格式を感じながらも、懐かしく楽しくかつ美味しい最高の食材を頂き、幸せを感じます。食事だけで約3時間かけて、ゆっくり若女将と会話を楽しみながら頂ける食事は有り難いの一言。
老舗の味ですが、小生にとっては子供の頃に戻ったような懐かしい味。
ごちそうさまでした。
それから由起子窯に伺い、由起子さんにお会いしてきました。おっとりとした優しそうな方で、お茶碗と湯呑み、それに幅広で深い食器を購入。
楽しく、大満足の唐津一日目となりました。
2位
4回
2018/03訪問 2020/02/19
【再訪】秋田、久しぶりの酒盃さん『秋田での最後の晩餐はやはりここで・・・。』
今夜は、大きな仕事がまとまって取引先との祝杯。仕事も一段落したので、これからは秋田に来ることもほとんどなくなると思うと寂しい限り。
秋田ならではの色々な美味しいお店に伺ってきたが、最後はやっぱりここ「酒盃」であろうと思い、日本を代表する居酒屋での飲み会にしました。
取引先も地元の方であるが有名な居酒屋と知りながらも来たことがないらしい。そういう話を聞くと、やはり秋田県外からのお客が多いのであろう。
お店に着くと、いつものように美人の娘さんが「○○さん、こんばんは」と優しくお出迎えして頂く。ああこれも最後になるかもと思うと、ちょっと感傷的になってしまう。
今夜はカウンターではなく初めての個室です。部屋はゆったりとした十分な広さであり、仕切りの引き戸からカウンター越しに坊主頭のご主人がよく見える。今夜のカウンターは意外に空きがあるようだ。
待ち人が1名が遅れてくるとのことですが、30分以上遅れそうなので、二人で飲み始めることに。今夜は最初に出会ったコースをお願いする。さっそく、生ビールを注文して喉を潤すが、間髪入れず美しい箱膳が運ばれてくる。
・箱膳のお通し(6種小鉢)
~磨きにしん、アミタケ、つぶ貝煮、比内地鶏白レバーのコンフィ、ジャコ豆腐、いぶりがっこ白和え。磨きにしんは定番の旨さ。最近アミタケの付きだしを頂くことが多いが味付けがしっかりしている。白レバーのコンフィは生ビールやお酒に合うと改めて感心する。つぶ貝とジャコ豆腐は普通かな。いぶりがっこは秋田ならでは。
いつもながら、こちらの箱膳のお通しは秋田ならではの食材で、味も色合いも素晴らしい。ここで、生ビールからお酒に変更する。
こちらに伺う前、日本酒はあまり飲めなかったのだが、ご主人から「鰯の水煮は、最高の酒の摘まみなんだから、生ビールやハイボールなんかじゃ駄目だよ(笑)」と強烈なダメ出しを喰らっていた。
それからは多少の拒否反応がありながらも、なるべく日本酒を飲むようにしてきた成果か、最近ある程度は飲めるようになってきた。ご主人にその話をすると、「そんな失礼なこと言ったかな~(笑)」と嘯かれてしまったことを思い出す・・・。
・雪の茅舎「美酒の設計」齋彌酒造
~一般的な評価は繊細な甘い香りとあるが、とにかく名前が素晴らしい。「雪の茅舎」には雪深い秋田ならではのロマンを感じる。そのうえ仕事にも関係する「美酒の設計」とは、これ以上自分に合った日本酒の名前は考えられない。
・近海産お刺身盛合せ
~炙り鯛(秋田産)はあっさりした鯛に炙りのアクセント。夏のスズキ(秋田産)。平目(秋田産)は寝かせてる?。スミイカ(秋田産)の飾り包丁は綺麗。つぶ貝(北海道産)は丁度よい醤油味。薬味は、山葵、海蘊、ミョウガに食用菊。秋田では食用菊が普通に使われるらしい。
・比内地鶏とり刺身(800円)
~レバー、ハツ、砂肝、笹身、キンカン。
またまた、この鶏刺身が楽しみで食べたかった。朝引き地鶏なので品切れも覚悟していたが、残っていたことが嬉しい限り。部位で楽しみなのはキンカン。この濃厚極まりない未成熟な卵がもたらす旨さは例えようがない。
ご主人からは、秋田の旨い牡蠣をたくさん食べさせて頂いた。男鹿産の岩牡蠣や、鳥海山からの清流で育った山形の牡蠣。時期ではないときには富山湾のものまで。
お客さんが皆さん帰られると、決まってご主人と二人で飲んだのもいい思い出ですね。自前の一升びん(晩酌酒)をカウンターに持ってきて二人で飲み始める。今夜もよもやま話に花が咲く。ご主人の晩酌酒は○○酒造と決まっているようだが、かたく口止めされていたものだ。すぐに忘れてしまったが・・・。
それに酔っぱらいのネタとして、毎回なにがしかのテーマがあったものだ。『秋田の良さはあまり安売りしなくてもいいんじゃないか』とか。『秋田市民市場が観光客に解放されてない』とか・・・。
大田和彦著書「北の居酒屋の美人ママ」の秋田編に「酒盃」のご主人(沖口さん)が紹介されていたことなど・・・。大田さんもたまに来るらしいが。
お店も全国区になりましたね。というとご主人も謙虚に家族のお陰と語っていた。そうでしょうね。前回、若い頃から色々やってから最終的に居酒屋を始めて約40年だが、最近は県外からのお客が年間4500名を越えるようになったと感慨深かそうだったことなど。
まだまだ語り尽くせなかったが、ご主人から大事な晩酌酒をたっぷりとご相伴にあずかったことにも感謝しかありません。
落ち着いたら、女房とお世話になったお店を巡る東北旅行に行こうと思っているので、それまで暫しの別れとなります。
ごちそうさまでした。
『酒盃』はやっぱり日本を代表する居酒屋だった。ここまで日本酒に合う肴を追い求める御仁はいないであろう。ご主人(沖口さん)のいつものセリフ「俺がやってるのは料理屋や割烹じゃなく、酒の摘まみの居酒屋なんですよ。」居酒屋としてのプライドが半端なく滲み出ている。
お店に着くと、美人の娘さんが「○○さん、こんばんは」と優しくお出迎えして頂く。今夜のカウンターは満席。騒がしさから判断すると個室もすべて埋まっているようで、大きな笑い声が響き渡っている。先日の大雨の影響による土砂崩れで新幹線は運行停止していたが、飛行機は奇跡的な運行であり、空港バスも運行開始していたのでちょっと安心した次第。
さっそく、生ビールを注文して喉を潤すが、間髪入れず美しい箱膳が運ばれてくる。今夜もお客さん多いねとご主人に言うと、昨日まではやはりキャンセルだらけとのこと。本当に豪雨の被害が大きく大変だったんですね。
・箱膳のお通し(6種小鉢)
~磨き鰊、つぶ貝煮、いぶりがっこ白和え、茄子モロヘイヤかけ。ほか2品。磨きにしんは定番の旨さ。いぶりがっこは秋田らしく白和えにぴったり。茄子の煮浸し風な味付けにモロヘイヤとは驚き。でも最近のモロヘイヤは品種改良されて独特な臭みがなく栄養満点で味もいい。つぶ貝はちょっと煮てあり生ビールやお酒に合うと改めて感心する。
ここで、生ビールからお酒に変更する。今までお酒はあまり飲めなかったが、前々回に伺った際、ご主人から「鰯の水煮は、最高の酒の摘まみなんだから、ハイボールなんかじゃ駄目だよ(笑)」と強烈なダメ出しを喰らった次第。そう言えば○級うん築士さんからも居酒屋「つくしのこ」はお酒飲めないと入れませんよと言われてたことを思い出す。
それからは多少の拒否反応がありながらも、なるべくお酒を飲むようにしてきた成果か、最近ある程度は飲めるようになってきたかな。ご主人にその話をすると、「そんな失礼なこと言ったかな~(笑)」と嘯かれてしまったが・・・。
・雪の茅舎「美酒の設計」齋彌酒造
(秋田県由利本荘市)~一般的な評価「雪の茅舎とは由利正宗の特定名称酒の総称。繊細な甘い香りの中に、若草のような爽やかさも感じ、生酒なのにもうすでに味わいしっとりしている。酸や渋みが少なく、程良い甘みと旨みがバランス良くつまっていて、スムーズに身体に入ってくる。」
あまり詳しくないので、ちょっと甘くすっきりしてるかな程度のコメントしかできないが、秋田観光に来ていたお隣の女性がわざわざお土産として買い求めていたくらいの銘酒。
・近海産お刺身盛合せ(5種盛)1600円
~炙り鯛(秋田産)はあっさりした鯛に炙りのアクセント。夏のスズキ(秋田産)。平目(秋田産)は寝かせてる?。スミイカ(秋田産)の飾り包丁は綺麗。つぶ貝(北海道産)は丁度よい醤油味。薬味は、山葵、海蘊、ミョウガに食用菊。秋田では食用菊が普通に使われるらしい。
鯛は意外にあっさりとした食感だが炙りのアクセントがいい。夏のスズキも爽やかな濃厚さが引き立っている。スミイカの飾り包丁は居酒屋とは思えないくらい美しく、つぶ貝も綺麗で旨い。前回はカワハギのインパクトが飛び抜けていたが、今夜はどれもハイレベルな横一線。
・比内地鶏とり刺身(800円)
~レバー、ハツ、砂肝、笹身、キンカン。
またまた、この鶏刺身が楽しみで食べたかった。朝引き地鶏なので品切れも覚悟していたが、残っていたことが嬉しい限り。部位で楽しみなのはキンカン。この濃厚極まりない未成熟な卵がもたらす旨さは例えようがない。地鶏に関しては、やっぱり宮崎地鶏と甲乙つけがたいレベル。
・春霞「春霞(黄ラベル)」栗林酒造
(秋田県美郷町)。
~ご主人が岩牡蠣にあうお酒を選んでくれたもの。だんだんと調子がよくなってきた。まあまあお酒も飲めるようになった気分。一般的な評価「酒処・秋田の中でもとりわけ酒づくりが盛んな美郷町にあり、さらに六郷は名水の里。蔵人が育てた契約栽培の酒米、美山錦・美郷錦・酒こまちの3種類で仕込んでいる。上品な旨みと深みが調和。香りはやや抑えめで繊細な味わい。」
・男鹿産の岩牡蠣(1000円)
~ようやく秋田の岩牡蠣が解禁されたらしく、まずは入店と同時に最初に予約する。と言うのも以前隣に座った客が遅い時間に慌ただしく3個も食べて品切れに遭遇するという最悪の事態を経験したから。牡蠣殼はめっちゃ大きく、今までで最大の容量。身はパンパンでみっちり入っている。濃厚でクリーミーな味わい深い。
前回秋田産は解禁前だったので富山産を頂いたが、この時の蓴菜入りと違いシンプルなレモンだけで頂く。やはり昨年末にも頂いた男鹿半島の岩牡蠣は今まで頂いた牡蠣のなかでは最上級の価値ある旨さ。有名な鳥海山の伏流水で育った山形との県境の岩牡蠣よりも大きく濃厚で旨い。これからの時季、やはり秋田の地物はいいね。
・「まんさくの花」日の丸醸造(秋田県横手市)
~一般の評価「元禄2年(1689)創業の老舗。柔らかな軟水で醸しだされる酒は、まろやかで優しい風合いを持つ。最大の特徴は低温瓶貯蔵で、1年以上寝かせ上品な風合いを生み出している。」これから先は酔ってきたので特徴もわからないかな。その後に頂いたお酒は記憶にございません。
・男鹿産のふぐと蓴菜(800円)
~しょうさいふぐの刺身に軽くジュレ風のポン酢で味付けした逸品。あっさりとしたポン酢は大好きですから夏らしい食感が嬉しい。
・そば味噌(200円)
~蕎麦の身が入った八丁味噌?酒肴として料理の合間に頂く。間がもてないときの口休め。
・鯛と蓴菜の貝焼(1200円)
~ホタテ貝の殻を器にして、厚く切った鯛の身にたっぷりの蓴菜を軽く焼いて頂く。味付けも他の貝焼き料理の味噌味と違ってすりおろした大根がやさしくさっぱりした1品。でも、もうちょいパンチが欲しい。味噌味の貝焼きの方が好きかな。
お客さんが皆さん帰られると、ご主人も自前の一升びん(晩酌酒)をカウンターに持ってきて二人で飲み始める。今夜もよもやま話に花が咲く。ご主人の晩酌酒は○○酒造と決まっているようだが、かたく口止めされてしまった。(覚えてる訳ないが)
味はかなりしっかりした旨味の濃いお酒だったような・・・。因みに、写真撮影はこれから解禁。
前回は秋田の良さはあまり安売りしなくてもいいんじゃないかと考え方が変わってきたことが話題になったが、今回はこの「酒盃」というお店について。発端は小生が最近伺う福島の小判寿司の大将が秋田の酒盃に行きたいと言ってるという話題から。
大田和彦著書「北の居酒屋の美人ママ」の秋田編に「酒盃」のご主人(沖口さん)が紹介されている。でも、小生が知ったのは、その本の博多編にでている「独酌しずく」の大将からお店が紹介されているので一度読んで欲しいの一言から。因みに「独酌しずく」は博多で懇意な五島産の鯖料理専門店。その本で「酒盃」を知ってから今に至る次第。大田さんもたまに来るらしい。
全国区になりましたね。というとご主人も謙虚に家族のお陰と語っていた。そうでしょうね。前回、若い頃から色々やってから最終的に居酒屋を始めて約40年だが、最近は県外からのお客が年間4500名を越えるようになったと感慨深かそうだった。
昨日は、神亀酒造(埼玉)の亡くなった小川原社長を偲ぶ会(会の名前があったような・・・)に東京まで行っていたらしいが、そこでまた旧知の居酒屋後輩から刺激を受けたとのこと。東京っていいよな~とのたまう。どこまで貪欲なのであろうか。
まだまだ語り尽くせないが、ご主人から大事な晩酌酒をたっぷりとご相伴にあずかり、お開きに・・。
午前様にならないうちに帰宅の途につく。
秋田市内では8月3日から竿燈まつりが開催されるようで、夜の街中では竿燈のバランスをとりながら練習している若者達が頼もしい。秋田ってなにかいいですね。
毎度ながら、ごちそうさまでした。
やっぱり『酒盃』は、東北だけではなく日本を代表する居酒屋だった。ここまで日本酒に合う肴を追い求める御仁はいないであろう。主人(大将)のいつものセリフ「俺がやってるのは料理屋や割烹じゃなく、居酒屋なんですよ。」居酒屋としてのプライドが半端なく滲み出ている。
今晩は最終便の飛行機だったので秋田に着いたのは夜の9時30分過ぎ。閉店は11時なので間に合うと安心していたら、最初女性スタッフからは時間も遅いのでお断りとのこと。気持ちは『酒盃』になっているので、それではあまりにやるせない。小生の名前を出して女性スタッフからマスターに直談判。
お店に着くと、美人の娘さんが「お久しぶり」とお出迎えして頂く。すでにカウンターにはお客は誰もいなかったが、テーブルの個室から数人グループと思われる大きな笑い声が響き渡っている。しかし、カウンター席が完全に空いているのも珍しい。
さっそく、生ビールを注文して喉を潤す。すると、マスターから、申し訳ないが、この時間なので手間のかかるメニューは出来ないですよとのこと。当たり前ですし、小生の目的は手間のかからない刺身類の生ものですからご心配なく。
■注文
・箱膳のお通し(6種小鉢)
~磨きにしん、アミタケ、つぶ貝、比内地鶏白レバーのコンフィ、ジャコ豆腐。磨きにしんは定番の旨さ。最近アミタケの付きだしを頂くことが多いが味付けがしっかりしている。白レバーのコンフィは生ビールやお酒に合うと改めて感心する。つぶ貝とジャコ豆腐は普通かな。
・近海産お刺身盛合せ(5種盛)1600円
~鯵(秋田)、メバル(秋田)、カワハギ(秋田)
肝醤油+葱、水蛸(秋田)~飾り包丁、ほっきカイ(北海道)。薬味は、山葵、海蘊、ミョウガ。
鯵は意外にあっさりとした食感で拍子抜けしたが、返ってメバルのねっとりとした濃厚さが引き立っている。何といっても水蛸の飾り包丁は料亭かと思えるレベルで美味しい。つぶ貝も綺麗で旨いですが、今夜はやっぱりカワハギでしょう。カワハギは外れが少ないが、今夜の肝醤油は更に葱の香りが濃厚な旨味を倍増させる。この肝醤油は、比内地鶏の刺身まで使える逸品。
・比内地鶏とり刺身800円
~レバー、ハツ、砂肝、笹身、キンカン。
実は久しぶりにこの鶏刺身が食べたかったのである。朝引き地鶏なので品切れも覚悟していたので、残っていたことが嬉しい限り。更に本日のサプライズはキンカン。この濃厚極まりない未成熟な卵がもたらす旨さは例えようがない。前回地鶏に関しては、贔屓目なしに宮崎地鶏の方が旨かったと書いたが、正直甲乙つけがたいレベル。
・富山湾の岩牡蠣(1000円)
~富山湾の牡蠣は初めて頂く。岩手や秋田の岩牡蠣はまだ解禁されてないらしく、岩牡蠣は人気なので富山産を仕入れたとのこと。牡蠣殼は意外に深いので、中の身がパンパンでみっちり入っている。濃厚でクリーミーな味わい深い。それに今回は割りと大きめの蓴菜が牡蠣の味わいに新たな食感を加えている。
しかしながら、やはり昨年末に頂いた男鹿半島の岩牡蠣の方が遥かに上手だった。今まで頂いた牡蠣のなかでは最上級の価値ある岩牡蠣だった。鳥海山の伏流水で育った岩牡蠣よりも大きく濃厚。これからの時季、やはり秋田の地物が楽しみである。
・手打ち蕎麦(限定15食)
600円
~マスターが自ら打った蕎麦の逸品。どこまで拘るんでしょうか。娘さんによると、料理をのせる食器も全てマスターが焼き上げた陶器。料理を思いついたらそれに合う皿を探すのではなく、自ら創りたくて自宅に陶器窯を作ってしまったらしい。なんとも拘りが徹底してる。今回のそば粉の生産地は、北海道の幌加内産と岩手葛巻産をブレンドしたもの。残念ながら、小生の舌ではそこまで認識出来ない。
お客さんが皆さん帰られると、今夜もマスターとよもやま話に花が咲く。マスターも自前の一升びんを持ってきて二人で飲み始める。以前は秋田の良さを県外に発信できていない苛立ちが酒の肴だったが、今夜は秋田の良さはあまり安売りしなくてもいいんじゃないかと考え方が変わってきたことが話題に。秋田の人口が百万人を切ると言って騒いでいるけど、人口が減っても秋田なりの豊かさがあれば良いんじゃないか。だから、若い人は一旦県外に出ていってもいずれ秋田に戻ってきて何かやればいい。秋田に戻ってこれる環境造りが必要なんだと力説する・・・仰る通り。
自分も若い頃から色々やってから最終的に居酒屋を始めたが、ずっと奥さんや家族に支えられている。居酒屋を始めて約40年だが、最近は県外からのお客が年間4500名を越えるようになった。ここからマスターの居酒屋経営者としての蘊蓄が始まり、それに小生が客の側からの意見を述べる。居酒屋とは酒の肴を提供するのであって、旨い料理ではなく旨い肴(アテ)が大事なんだな・・・仰る通り。
明日も早いのでここら辺りでお開きに。最後までお付きあい頂き感謝する次第。
いつもながら、ごちそうさまでした。
【再訪】2016年10月
予約可能な一番遅い時間でお願いしましたが、意外にカウンター席が満席ではなかったですね。今日はそんなこんなで、9時過ぎにはカウンター席が小生一人になったので写真撮影を許可して頂きました。しかし、これで思う存分写真撮るぞ~と思いきや、けっこうな料理はすでに胃袋の中に。それでメニュー表の裏紙に、今回写真を撮れない間、数十年ぶりに料理のスケッチを描いてみることに。(下手ですが備忘録のために・・・)すると、これが意外に楽しくてかえってマスター(大将よりこっちが良いそうです)やスタッフの方との会話が弾んだかな。
今夜の注文はコースでなくアラカルトで魚介類の生もの中心に頂きます。
■注文
・お通し(6種小鉢)
~研きニシン、ピリ辛枝豆、白レバーコンフィ、生しらす(黒胡椒味?)、豆腐の味噌漬け。この味噌漬けは、かなり豆腐の旨味を残しています。熊本の豆べいは味噌糀の味が強めかな。
・近海産お刺身盛合せ(5種盛)1500円
~真鯵、真鯛、炙りスズキ、つぶ貝、水蛸。薬味は、山葵、海蘊、ミョウガになんと菊(浸しただけ)。秋田ではよく食卓にあがるそう。鯵の色がかなり赤見を帯びて戻りカツオかと思ったくらい。何といっても水蛸の飾り包丁は料亭かと思えるレベルで美味しく頂きました。つぶ貝も綺麗で旨いですよ。
・比内地鶏ねとり刺身800円
~レバー、ハツ、砂肝、笹身。
品切れでしたので、無理言って捌いて頂きました。地鶏に関しては、贔屓目なしに宮崎地鶏の方が旨かったように感じましたね。
・南洋マグロのほほ肉の炙り(黒胡椒味)
~生ものが食べたいと言う希望に応えて頂いた裏メニュー。けっこうボリュームがあって食べごたえあり。
・秋田県産黒毛和牛の叩き(秋田産)
~旨くないはずがないでしょう。お洒落なソースはブルーベリーをベースにマスターが色んな方にアドバイスを受けて作ったものらしい。和牛の旨味が活きてます。
・鱈の白子(ポン酢)
~こちらもまた裏メニュー。時期的にはちょっと早いのでまだ脂肪が乗り切れてないが、今の時期から少しずつ旬になってくるらしい。
・手打ち蕎麦(限定15食)
~これもマスターが自ら打った蕎麦の逸品。どこまで拘るんでしょうか。ついでに娘さんによると、料理をのせる食器も全てマスターが焼き上げた陶器らしい。料理を思いついたらそれに合う皿を探すのではなく、自ら創りたくて自宅に陶器窯を作ってしまったらしい。なんとも拘りが徹底してる。
しかし、マスターの娘さんは本当の秋田美人だなぁ。きっと奥さまに似てるのでしょうと言うと、娘さんが「いや、父親似てと言われます」とすかさずフォロー。家族愛が半端ないかな。今時の女性にはない日本人の家族愛(秋田愛)を感じました。
また、店内を穏やかな雰囲気を醸し出している音楽は、けっこう古い50年代のJAZZ。それもお客様の会話を邪魔しないピアノをメインに選択しているとのこと。それじゃ、小生の好きなバリバリサックスのソニーロリンズは、難しいねと言うと「そうだね」と、あっさり却下。残念。
久しぶりに楽しい時間を過ごさせて頂きました。いつもながら、ごちそうさまでした。
…………………………………………………
【再訪】2016年7月
秋田を代表するというより東北を飛び越えて日本を代表する居酒屋さんという評判のお店になったようですが、運よく今月も伺うことができました。
事前に「おまかせ料理5000円」をお願いしてました。今回はカウンターのお客様も帰られたので最後の最後で写真撮影許可がでましたが、手打ち蕎麦とデザートのみの写真となります。(ちょっとだけですが・・・)
尚、写真撮影できないので、大将にから特別におまかせ料理の「お品書き」を簡単に書いて頂きました。
■おまかせコース(5000円)
○お通し(小鉢6品)
・いぶりがっこの白和え
・磨きにしんの麹漬
・もずく
・他2品
○刺身盛合せ
・そい、フグ、鯵、真鯛、他
~そいが旨いですよね。けっして高級魚ではありませんがあっさりの白身にねっとり感もあります。フグは多少厚切りで量は少しですが旨味あり。
○冷しトマトの蓴菜ジュレ
~酒飲みにはない発想には感心します。大将が自分で飲んでる時に野菜も食べなくてはと思いついたらしい。
なぜ蓴菜なのか。
○季節の揚げ物
~海老と○○のかき揚げですが、三種類のお塩で頂きます。男鹿半島の藻塩、赤紫蘇塩、他ですが、藻塩がいいね。
○比内地鶏の石焼き
~歯応えのある比内地鶏を小さな石焼きで焼き塩と山葵で頂きます。刺身でも食べれる新鮮さなので、ちょっと生加減が旨い。
○真鯛と蓴菜のしぐれ貝鍋
~真鯛と蓴菜を大きなホタテ貝殼を鍋代わりにして擦り大根で頂きます。あっさり、さっぱり。
○穴子の串焼き
~軽いタレ焼き。もの凄く肉厚で食べごたえがあり旨味たっぷり。
○手打ち蕎麦
~すっきりしたざる蕎麦。
大将の手打ちらしい。
■男鹿半島の岩牡蠣(1000円)
~牡蠣殼自体もでかいですが、なかの身がパンパンでみっちり入ってます。濃厚でクリーミーで味わい深い。前回カウンターのお客が一人で3個も食べるので品切れでした。ようやく雪辱。今まで頂いた牡蠣のなかでは最上級の価値ある牡蠣だな。山形との県境の鳥海山の伏流水で育った牡蠣よりも大きかったかな。
お酒も地元を大事に沢山の品種あり。
今回は、大将と秋田の食材があまり知られていないので、情報発信についての話しになりました。まずは市内にある秋田市民市場は、新鮮な食材をそのまま食べさせてくれるような場所(ちょっと丼のような)がないことが話題に。小生も前回この市場に伺った際、回転寿司とかしかないので、目の前の食材もすぐに食べることができない。ですから、県外や海外(インバウンド)からのリピーターがいないのではと。回転寿司も市場が経営しているので民間に完全に市場解放されていないことが原因らしい。せっかくの食材も広く食べてもらわないと価値は上がらないよね。大将の秋田を良くしたいという気持ちが伝わってきます。
酒盃を越える料理居酒屋はないのでしょうね。小生の中では最上級になりました。
■評価 4.6→5.0
また次回を楽しみに、東北を飛び越えて日本の真髄にごちそうさまでした。
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【初訪】2016年6月
秋田を代表するというより東北を代表する居酒屋さんという評判のお店ですので楽しみにしてました。入店すると靴を収納する下駄箱に、来店する予約客の名前が貼ってあります。う~ん、ここから始まるのかと唸るしかありません。
店内のカウンターでは、料理の写真撮影だけでなくスマホを扱うことも禁じられてます。
事前に知っていたので理解はしていましたが、そこまでしなくてもとは思います。
隣に座った御客さんも「この前まで良かったのにな~」と言っていたので禁止になったのは最近のことでしょうか。
ということで、これから先は写真がありませんので実況中継となります。
さてカウンターの真ん中に通されると、大将の目の前でしたので、色んな話ができそうと期待感アップ。
注文は、お店の特徴やどんな料理が得意なのかわからないので、先ずはおまかせコースをお願いしました。値段をみるとこれが4000円とは本当に楽しみです。
■おまかせコース(4000円)
○お通し(小鉢6品)
・いぶりがっこの白和え
~いぶりがっこは、秋田だなという感じでしょうか。
・フキのたいたん
・磨きにしんの麹漬
・比内地鶏の漬けきんかん(未成熟卵)
~半熟のとろみに味が染みて激旨ですね。
・白レバーのコンフィ
~好きな摘まみの1つですね。
・もずく
○刺身盛合せ
・真鯛、烏賊他
~量は少しづつですが、どれもちょっとづつ手が加えてあり嬉しい付加価値ありですね。
○季節の揚げ物
~海老と枝豆の真丈揚げ。海老の香りが濃厚なふかふかの真丈に大粒の枝豆を入れてあり
熱々に揚げて本当に旨いと思いましたね。
○黒毛和肉の叩き
~霜降りが美しい牛肉は口の中で溶ろけるし、また果実系のソースがお洒落。
○真鯛とハマグリのツボ蒸し
~真鯛と蛤の味が濃厚ですね。ツボの中には何が入っているのでしょうか。
○手打ち蕎麦
~すっきりしたざる蕎麦。
おまかせコースの途中から、一人増えたのでアラカルトとして追加しました。実は急遽増えたので、入店時から空きがでたらとお願いしていましたが、優先的に配慮して頂いた次第でした。
■穴子の白焼き(700円)
~三陸沖の穴子です。表面はこんがり焼き目がついてますが身は柔らかく味が濃いかな。九州では対馬産の穴子が旨いですね。
■カワハギ刺身(700円)
~これも軽く昆布締めしてるのでしょうか。飲み過ぎて舌の感覚が鈍っていたにも拘わらず大将に聞くのを忘れました。
■ハタハタのなれ寿司(500円)
~郷土料理らしく、琵琶湖の鮒寿司が大好物な小生としてはすぐに帰りのお土産にと考えてました。
■烏賊わたのごろ見焼き(700円)
~わたの濃くが半端ないですね。めっちゃボリュームもあってお得感満載。
お腹いっぱいになりました。
■いぶりがっこ盛合せ(500円)
~秋田だな。
秋田のお酒が充実しているようで、大将から色々と薦めて頂きましたが、すいませんがきき酒セット以降はあまり覚えていません・・・。
しかし、秋田のお酒の幅広い種類に米処の奥深さに触れることができて感激です。
■きき酒セット(800円)
~二人でしたので、他にも大将から薦めて頂いた地元のお酒を沢山頂きましたが、残念ながら覚えておりません。
噂に違わぬ本当に奥深く味わいのある超一流の居酒屋さんでした。無理やり居酒屋さんという枠組みに縛りつけるのも憚るようなお店かな。
最後に大将になぜ40年も続けられたのですかという問には、「適当にやってきたからですよ」という笑顔での回答。
それが正解とは思えませんが、ご本人にとっては極める為の真髄なのでしょうか。
秋田の真髄に、ごちそうさまでした。
3位
3回
2020/07訪問 2020/07/30
【再訪】博多、❤️泳ぎ鯖刺しとゴマ鯖の強力なラインナップ『好きすぎて仕方がない ♫・・・。』
今夜は、博多最後の夜♫
博多に来たらやはりこのお店は外せない。逸る気持ちを抑えたつもりだったが、時間を間違えて30分も早く着いてしまった。やっぱり、焦りは禁物。(^_^;)
色々な地方の生鯖を食べ歩いたが、生鯖に限っては、やはり大分佐賀関の「関サバ」と長崎五島列島の「五島サバ」が最強でしょうか。
生鯖はブリンブリンの弾力と鯖特有の脂の甘みと味わいが好きですね。まあ、鯖を生で食する文化は九州くらいでしょうが。
いつもながら、ご主人の前に通して頂きます。奥さまと一緒に伺うのは久しぶり。いつもは出張の際に、新幹線までの短時間に慌しく集中してガッツリ頂くパターン。「今日は、ごゆっくりなんですね。」・・・ハイ♫
まずは、生ビールとウーロン茶でカンパーイ。
いつもながら、忙しそうに調理しているご主人が刺身包丁を手にしていない合間を縫って色んな話をするのが楽しみ。
「今日は、穴子も良いのが入りましたよ。」♫
・お通し〜鯖肝、もずく、茶碗蒸し
・活き〆穴子刺(対馬産)
~透き通るように綺麗な穴子。なかなか生で頂く機会はないので、めっちゃ嬉しい。あっさりと軽く塩を振ると、最初は甘みを感じて、更に噛み締めるように頂きます。
・泳ぎ鯖刺(五島産)
〜ねっとりとした鯖の青魚特有の香りが好きだな。この舌ざわりと触感は、山葵醤油が最高。
・ゴマサバ
〜軽く漬け込んだ生鯖にゴマを絡めて、茗荷と胡瓜の千切りを挟んで頂くと、九州特有の甘い醤油がまったりと旨味を引き出してくれる。
・焼き鯖の味噌焼き
〜前回、お気に入りの料理となった逸品。お酒にはぴったりなのだろうが、山崎のハイボールにもぴったりなんですよ。解した焼き鯖の身がふんだんに練り込んでおり、もはや絶品。♫
ご主人に「たまには、奥様やお子さんと食事に行ってますか。」・・・すると、「食事はあまり行かないですね。それより海外旅行の方が多いかも。」(-_-)
そうだ、思い出した・・・ご主人は若い頃に料理人になるため、なぜかドイツのベルリンに渡ったらしい。それもベルリンの壁が崩壊する前後という非常に微妙で危険な状況のさなか。
その後、日本に戻ると勤めたお店が人気店となったが火災でお店も閉めることに・・・(^_^;)。
そして、また旅にでる。それも今度はニューヨークという破天荒な行動。それも本人にとってはそんなに深刻には考えていなかったとのこと。何と恐るべきチャレンジャー。(((^_^;)
ご主人とは、わりと嗜好が似ているが、行動までは真似できない。「じゃあ、たまには国内旅行は?京都で一緒に食事でも。」
行きたいお店や他のお客様から聞いたお薦めのお店を教えて頂きますが、これがけっこうピッタリと、はまったりします。
・焼き鯖のポテトサラダ
~ポテトサラダのなかには、香ばしい焼き鯖がたっぶり。けっこう味は合うものだな。
・揚げたてさつま揚げ
~すり身から作っているので、熱々でジュワ~っとエソの雑魚感がたっぷり。こういう地元しか食べない雑魚を頂けるのは幸せ。♫
・炙り鯖刺
~脂がのった美味い生鯖を炙って香りづけ。だが、やはりシンプルな泳ぎ生鯖には敵わないかな。
・博多ごぼう天婦羅
~ごぼう天婦羅は、好きだな。博多の柔らかいうどんには、このゴボウ天がめっちゃ合うんです。「牧のうどん」では定番の美味さ。
・五島うどん釜揚げ玉うどん
~本日の〆は、初めて注文する五島うどん。やや冷や麦のような細い乾麺は、意外に食感もあってズルズルと頂いてしまう。
ああ、今夜も大満足な博多の夜❤️
ごちそうさまでした。
久しぶりの訪問です。今年の夏、ご主人に連絡したところ、改装中らしく、それに姉妹店の『きはる』が『独酌しずく』に統合するとのこと。
「ちょっと、何言ってるのかよくわかんない。」サンドイッチマンのギャグさながらのリアクション。(^_^;)
ようやく、北九州出張のタイミングで博多まで足を伸ばして訪問することに。だが、最終新幹線までの2時間という限られたもの。
博多駅に着くと、綺麗なクリスマスのイルミネーションにしばし見惚れてしまうが、「あら時間がないっ・・・」ハタと慌ててタクシーに乗り込む。
『独酌しずく』に伺うと、今までどおりの春吉のマンションの1階だが、お店の名前が『きはる』に変わっていた。だが店内は今までと一緒。どういうこと?
ご主人にご挨拶して、いつものご主人の前(カウンターの真ん中)に・・・。そこで、ようやくコトの顛末をお聞きして理解できた次第。なかなかお店の経営も色々あって大変なんですね〜。(^_^;)
まずは生ビール。その前に、毎回しつこいようだが「まだ写真撮影は禁止なの?」。今回の件で、もしや改善したかもと思いながら・・・すると、嬉しい方向転換。(^_−)−☆
さっそく、泳ぎ鯖のお造り盛合せを注文。
「今夜は、生鯖を食べ尽くすぞ〜。」とご主人に宣言して気合いを入れて頂きま〜す。(*^_^*)
・泳ぎサバ刺し、炙り鯖刺し、ゴマサバ盛合せ
〜ねっとりとした鯖の青魚特有の香りが好きだな。さらに炙りで香ばしさを感じ、最後はゴマサバに。
もう、幸せ一杯。サバ一杯。・・・(((o(*゚▽゚*)o)))♡
・活き〆穴子刺し
〜こんな穴子は対馬にしかないだろう。新鮮さと楽しみが相まって一気に頂いてしまう。♫
お隣さんは、ご年輩のカップルのようだが???
いつものように和やかにご挨拶すると、男性はおんとし80歳。現役でバリバリ働いていると仰る。相方の女性はまだまだお若いよう・・・定かではないが。(^_^;)
わたくしは"食べ歩きサラリーマン"とお話しすると、ご主人が「こちらは何をされている方と思いますか?」と問いかけてきた。その歳で現役で働ける職業は限られているからな〜。
身綺麗なお爺ちゃんで、矍鑠としているそのお姿から想像するに「舞台関係ですか?」と。
すると、相方の女性もびっくり。・・・「そ、そうなんです。」(*_*)
女性はスッピン。女優さんらしい。だが、プライベートなので無粋なことは御法度。
それからは、ご主人もちょこちょこ話に加わりながら、3人で地方の美味しいお店や居酒屋の楽しい会話に・・・。
お好きなお店を教えて頂いたので、お二人のご出身地である八戸と焼津の好きなお店をご紹介することに。(^_−)−☆
人生100歳まで現役でやりますよ。と有言実行しそうな勢いのお爺ちゃん。やはりパワフルでした。٩(^‿^)۶
・泳ぎサバ刺し、ゴマサバ盛合せ
〜またまた泳ぎサバ刺しとゴマサバの盛合せをお代わりして、鯖づくしを心ゆくまで堪能させて頂きます。
・焼き鯖の味噌焼き
〜お酒にはぴったりなのだろうが、山崎のハイボールにもぴったりなんですよ。焼き鯖の身をほぐしてふんだんに練り込んでおり絶品。♫
・ゴマ鯖のお茶漬け
〜旨旨なゴマ鯖をお茶漬けで頂きます。博多のゴマ鯖はお茶漬けにすると、さらにめちゃくちゃ美味くなる。
「あ〜、そろそろ新幹線の時間が・・・(^_^;)」。慌しく皆さんにご挨拶し、急いでタクシーに。
やっぱり、博多の夜は最高だった。
ごちそうさまでした。
博多に来るとまずはこちらの『独酌しずく』さん。長崎県五島の新鮮で旨い鯖を頂ける、鯖好きにはたまらないお店。ゴールデンウィークに帰省を兼ねて伺うことにしたので、今回も帰省日程が押し迫ったなかご主人に予約をお願いした次第。いつもお手数をおかけします。
今日は、午前中から楽しみにしていた佐賀有田の陶器市でぎりぎりまで楽しんでいたため予約の時間には滑り込み。もう7時過ぎですからすでにお店は満席です。
今夜はこちらでゆっくりと泳ぎ鯖刺しと穴子刺し(半分は炙りにして頂く)を堪能します。もうこれが絶品なんです。五島から活き鯖を堪能できますが、いつも入荷が少ないので売り切りとなる。
・五島の鯖刺し900円
・対馬の活〆穴子刺し950円
・鯖の味噌焼き580円
・他の摘まみ諸々
まずは、生ビールとスパークリングワインで乾杯。
しかし、毎度のことながら活きのいい綺麗な鯖を写真撮影ができないのが非常に残念。今夜もご主人にそろそろ写真解禁しませんかと誘っても、申し訳なさそうに、やんわりとお断りされる。仕方がないので、今回は女性誌『フィガロ』の特集をアップ。
いつもながら、忙しそうに調理しているご主人が刺身包丁を手にしていない合間を縫って色んな話をするのが楽しみですね。
今夜はご主人の意外な経歴が話題になる。料理人になると決めると、いきなりドイツのベルリンに渡ったらしい。それもベルリンの壁が崩壊する前後という非常に微妙で危険な状況のさなか。
その後、日本に戻ると勤めたお店が人気店となったが火災でお店も閉めることに・・・。そして、また旅にでるが、それも今度はニューヨークという破天荒な行動。しかし、それも本人にとってはそんなに深刻には考えていなかったとのこと。何と恐るべきチャレンジャー。(((^_^;)
ご主人とは、わりと嗜好が似ているが行動までは真似できない。でもいつも楽しい時間が過ごせます。行きたいお店や他のお客様から聞いたお薦めのお店を教えて頂きますが、これがなかなかピッタリとはまったりします。
翌日には、大野城市の『菊鮨』に伺うとの話をすると、そう言えば先日女性誌『フィガロ』にお店が掲載されたらしく、同時に『菊鮨』さんもとのこと。何という偶然。またまた話のネタができたとほくそ笑む次第。(*^^*)
いつもながら、鯖談義からお店の話まで旨い鯖刺しと楽しい時間を有り難うございます。次回は奥様を誘って飲みに行きましょう。
ごちそうさまでした。
4位
2回
2018/08訪問 2019/08/15
【再訪】山形、いつも山菜の話題で盛り上がる『地元密着型の小料理屋さん・・・』
お久しぶり、2年ぶりだろうか。やはり、山形に来たら必ず伺いたくなるご夫婦の小料理屋さん。いつもながら家族的な雰囲気が嬉しい。
今夜は、カウンターには地元の年輩のお二人と3名。いつものように料理はおまかせ、というかメニューがないので選べない。『今日は何がありますか?』と聞くこともしなくなった。ですから、おまかせ。
・ノドグロの塩焼き
〜生ビールをお願いすると、待ってましたとばかりに、ノドグロの塩焼きが出てくる。脂ののりは半端なく美味すぎる逸品。それに生ビールもキンキンに凍った器なので痺れるくらいに冷え切って旨い。
・ニラ穂(辛子醤油)
〜本日一番の絶品。あまり使わないニラの穂の部分を軽く茹でて辛子を溶いた醤油で頂きます。穂の歯応えと辛子醤油のベストマッチで悶絶するくらいの旨さ。おかあさんは、こういうシンプルな小料理をさりげなく食べさせてくれる有難いお方。
・山形だし
〜これは山形県村山地方の郷土料理である。夏野菜と香味野菜を細かくきざみ、醤油などで和えたもの。飯や豆腐にかけて食べる。山形のだしと呼ばれている。
・だだちゃ豆(鶴岡白山)
〜鶴岡の白山地区でしか採れない本場のだだちゃ豆。面白いのは通常の枝豆と違って、必ずサヤには豆が2個しか入っていないこと。カウンターの年輩のお二人からだだちゃ豆について教えて頂きます。
お盆くらいに白山地区の畑を通るとだだちゃ豆の特有の香りがするらしく、この地域の土が特殊らしい。ちなみに、日本三大マメ豆は、新潟茶豆・丹波黒豆・だだちゃ豆。
いつもながら、ご主人とおかあさんは仲が良い。何でもやりたい放題のわがままなご主人をたてながら、必ずファローしている。それに山菜や料理の知識は豊富なのに、ひけらかそうとはしない。日本のおかあさんの鏡。
・茄子の餡掛け
〜揚げた茄子をちょっと中華風にアレンジしたおかあさんの意欲作。茄子が旨い、旨い。
・茗荷の卵とじ
〜茗荷は大好物なのだが、ちょっとインパクトがないかな。
・桃(黄金糖)
〜綺麗な黄色が食欲をそそる。また、これが甘くてジューシー。最後の〆にはもってこい。そういえばお中元に送って頂いたこともありました。
いつもながら、山菜などの日本の原風景を思い起こさせるような目から鱗の小料理を頂ける有り難いお店。
ごちそうさまでした。
今夜も山形の話で盛り上がります。カウンターは5席しかありませんが、いつも多種多様な方が飲んでます。たまたま出会う方々は必ずお知り合いになってしまう。今夜のメンバーは、地元の大学教授OBらしき年輩のご夫婦。先生と呼ばれている風来坊風のかなり太った御仁。初めて伺ったらしい大阪の営業マン。それに小生の5名。
ですから、必ず予約しておかないと残念なことになります。(奥に和室があるようだが全く興味なし)
店内にはメニューはありません。カウンターに座ると、先ずは某かのつまみが準備されている。ほんのり煮付けられた小ぶりのイカ、なずなととんぶりを軽く醤油と胡麻油で和えた小鉢。
今までになく目の前の棚に置いてある『鬼兜』が1杯1000円と書いた紙が貼られている。十四代の高木酒蔵が造っている唯一の貴重な焼酎『鬼兜』は大好物。樽に漬け込んで熟成されているので、ほぼブランデーのような豊潤で柔らかな味わい。それなら頂かない訳にはいきません。(自宅にも大事なお客用に1本キープ中・・・)
いつもながら、大将の山形産のお酒談義は物凄い。本当、山形酒のコレクターですね。お酒が苦手な小生としては単なる聞き役でしかありません。
次は、お造り。白子と鱈の昆布締め。新鮮すぎてピンク色の白子は、ねっとりと舌にまとわりつく旨さ。鱈の昆布締めは初めて頂く一品だが、淡泊な鱈に昆布締めが効いた新鮮な味わい。『鬼兜』のあてに相応しいお造り。
お代わりは、大将お薦めの焼酎『三十六人衆』。菊勇酒蔵の大吟醸酒粕を使ったフルーティーな味わいの焼酎。おつまみは、いつもの山形の馬刺し。この霜降りの見事さ。これを頂きに伺うようになったものです。
すると、お隣の御仁から「52℃の熱燗が旨いよ」とキープされている『三十六人衆』を頂く。確かに香りがたっている。「次は僕のも飲んでみて・・・」と大学教授からも有難いお誘い。(*^^*)
結局、今夜はずっと他のお客のキープ焼酎を飲んでました。
お次は、山形での呼び名が口細カレイ(くちぼそ)の焼き物。通常の名前は、マコカレイですのでよく頂く魚です。そして、気になったのは、和室の団体さんに出されていた鱈汁と馬肉煮込み。ちょっとでいいからとお願いします。
鱈汁は、酒粕とお味噌?
めちゃめちゃ濃くがあって旨い。旨い。酒粕の香りと味を通り越してます。繊細ではないが、こんな旨味の濃い汁物は初めての感覚。それに馬肉の煮込みは、しっかりと煮込んでいるわりに、豆腐の絡みなのか意外にあっさりして馬肉とはわからないくらい。
最近、お料理がちょっとマンネリになったかな~と思ってましたが、見事に大復活の大満足。(*^^*)
なぜか、大将帰り際に大きな鯛の頭(かしら)を持ってきて、明日何かの料理を試してみるらしい。天然の鯛は脂がのってないので、大きな養殖鯛を探していたとのこと。またまた次回も楽しみ。
今夜は、他のお客さんにも恵まれて楽しい時間を過ごさせて頂きました。これも話好きな大将と奥さんの人柄ですね。
ごちそうさまでした。
5位
1回
2016/11訪問 2019/08/12
『宮崎牛』が日本一と思っていましたが、宮崎牛に優るとも劣らぬ『伊賀牛』を知ってしまいました。三重県といえば松阪牛が有名ですが、その松阪牛と肩を並べるのが、三重県が誇るブランド肉「伊賀牛」。しかし、そのほとんどが地元で消費されるため、一般に出回ることは少ないのだそう。その肉質は柔らかく、味わえば芳醇な香りとコクを醸し出し、とろけるようなまろやかさが口いっぱいに広がる特有の風味は松阪、神戸をしのぐとさえ言われているようです。この伊賀肉は寒暖差の大きい気候と緑の山々から湧き出る清らかな水。豊かな自然の中でストレスを与えることなく、 伊賀盆地の恵まれた自然環境に育まれながら歳月と人手をかけ、丹精込めて肥育された牛だからこそ、最高級の肉質になるとのこと。
今回は、女房と名古屋小旅行の帰りに伊賀上野に寄りました。伊賀は忍者の里ですから、さっそく「伊賀流忍者博物館」に寄って、有名になった忍者ショーを観覧しますが、ほんまもんの真剣を使うなどなかなか本格的。ちょっとしたお笑いの小芝居をいれてお客さんを飽きさせないように工夫されているのも面白い。そして、お目当ての伊賀牛を喰らいに、「伊賀肉」といえば「金谷」さんへ。
「すき焼 金谷」は、代々地元で愛されつづけ、創業100余年を誇る老舗。優れた血統の伊賀牛を、幾代にもわたってさらに改良、吟味した至極の伊賀牛が味わえるとあって、地元の人が太鼓判を押す名店中の名店。元々は和牛の卸し業から始まりその後精肉店を経営され、昭和になってからこの料理店を展開したとのことですが、今は店舗が主流になってるようです。 四代にわたって優れた血統をもつ伊賀牛をさらに改良、吟味した最高級の伊賀肉を提供しています。
民芸調の古い風格のある店内に入り案内されるまま階段を上りきると、どこまで続いているのだろうと思わせる長い廊下があります。じっと奥を見てると霞んでいるようです。本当に長い廊下で、どうも7~80mはありそう。確かに横の駐車場からみるとづっと長屋が繋がっているように見えますね。長い廊下づたいに大小10部屋の個室、奥には70畳もの大広間があるようです。床板は温もりのある木の風合いが心地よく、昭和初期からそのまま使われているという大きな窓ガラスは、気泡があったり、ふくらみがあったりと何か芸術的な雰囲気。
■注文 『すき焼』 7,722円
注文は、もちろん「すき焼き」です。しばらくすると、ベテランの仲居さんによってすき焼の材料が運ばれてきましたが、お肉のなんと美しく綺麗なことか。濃いピンクのバラのような見事さで、ここまでくると芸術品ですね。そしてお皿に盛られた野菜は地元で栽培されたものらしく、採れたての瑞々しさを感じます。調理はすべて仲居さんがお任せ。煙が出るほどに熱した鉄鍋に牛脂を入れてお肉を焼いていきますが、なんとも芳ばしい香りが素晴らしい。
すると、すばやくお肉に砂糖としょうゆを絶妙に振りかけます。調味料はたったこれだけ。やはり、割り下を使わない関西風の調理法ですが、なんともシンプル。「まずは野菜を入れる前のお肉を味わってください」と、溶いた卵の器によそっていただいたお肉の香りがいいですね。伊賀牛は香りが良いとは聞いていましたが、まさにその通りでした。そして、驚いたのはたっぷりと「さし」の入ったお肉なのに、脂の香りが殆どなく噛みしめるほどに赤身肉に近い旨みが口の中に広がります。最近は霜降りよりも赤身を頂くことが多いですが、霜降りのしつこさがまったくないのが不思議なくらい。
味つけも甘からず辛からず、絶妙な加減。醤油は特別なものを使っていると思いきや、普通のまるきん醤油(香川県小豆島)とのことで、びっくり。普通の砂糖に普通の醤油でこれだけの味付けになるとは、本当に驚きました。それに、この分量も目分量ですよ。仲居さんの熟練した技にも驚き。
1枚目のお肉をいただいている間に、野菜や糸こんにゃく、豆腐、そして最後にお肉が鉄鍋に並べられていきます。今度はお肉を直接焼くのではなく、野菜の上で蒸すようなイメージでしょうか。野菜も旨い。豆腐だけは、一般的な焼き豆腐ではなく、地元の豆腐屋さんに「金谷のすき焼用」として作ってもらっている特注の木綿豆腐みたい。今度のお肉は1回目の焼きとはまったく違う味わいですね。まろやかでまったりした旨みを感じます。それに、野菜や豆腐は、本来の甘みに加え、お肉の旨みとコクをたっぷりと吸い込んで、深い味わい。はじめの1枚はお肉本来の味を楽しんで、2枚目からはすき焼を楽しむみたいな。
器に使われている陶器はすべて「伊賀焼」。ふかふかなご飯は「伊賀米」。それに日野菜のお漬物。調理のあいだには、仲居さんとの楽しいおしゃべり。何か贅沢な時間を過ごさせて頂きました。1階の精肉店で伊賀牛の霜降りを拝見したが、とにかく色が綺麗。店員さんによると、すき焼きのお肉は最上級のグラム2,000円のお肉らしい。旨いはず。女房も大満足。
う~ん、本当に旨かった。
ごちそうさまでした。
6位
1回
2016/10訪問 2019/08/15
銀座でお昼の会席料理を味わう。こちらのお店は、東京駅から歩いてもそう遠くない場所にありますが、なにせ小さな雑居ビルの2階なので本当に分かりにくい。看板も遠慮がちなので目だたないし、ひっそりと佇んでいるようなお店。狭い階段を上がりますが、なにか場所を間違ってそうな気がする。
お昼に伺いましたが、更に時間前には何やら鉄扉のような頑丈な扉が閉まっている。きっちり時間になると室内へ。店内は清潔なしつらえではあるが、けっして華美ではない。人気の割りに質素だなというのが第一印象。カウンターは8席かな。テーブル席もありました。カウンター席の向かって右端に座ります。料理は事前に注文済み。
■注文 会席コース5500円。
・先付(2品)
~ズワイカニと蛸のジュレは、カツオと昆布出しに醤油、味醂で上品に仕上がってます。自家製ゴマ豆腐は胡麻がきつくなくあっさり味。
・前菜(6品)
~たたみいわし(普通です)、鱒(薄味で上品)、子持ちアユ煮付け(これは味付けといい、卵の熟成といい抜群の旨さ)、粟麩のブルーチーズ田楽(ちょっとブルーチーズが効いてないかな)、小茄子煮(見た目が綺麗)、卵黄の味噌漬け(卵黄の旨味が濃くて最高。お酒が欲しい)※大失態。写真撮り忘れました。
・椀物
鯛、舞茸、シメジの土瓶蒸し(カボス)
~出汁の効いた椀物は大好物なので、本当に日本に生まれて良かったなと思える瞬間です。鯛があまり主張しておらず、やんわりと出汁に深みを加えてます。大将によると鯛の諄さがないのは、塩をふって下拵えが大事とのこと。鯛の味の違いは、場所によるのではなく食べる餌によって変わるらしいと漁師さんが言ってましたとのこと。(そこまで謙虚でなくても・・・)
・お造り
~本マグロ(赤身)は普通に旨い。真鯛は愛媛産。最近愛媛産の魚介類を頂く機会が多いですが、この鯛も食感の素晴らしさは何なんでしょう。
・煮物 蕪の風呂吹き
~繊細な蕪の炊き方が素晴らしい。甘い練り味噌の濃くとの相性が絶妙ですね。これまた日本食の奥深さを感じます。
・揚げ物
レンコンのはさみ揚げ(海老真薯)
~蓮根の揚げ方がカラッ、パリッと気持ちよい食感がさらに食欲をそそる。またレモン塩がサッパリして爽やか。
・焼き物
山梨三弦鳥の塩焼きと鱒照り焼き
~頂く前に、まず見た目のボリュームに驚きます。このタイミングでがっつりの量ですが、鶏肉の旨味に炭焼きの香りと焼き加減が絶妙ですので、さらりと頂きました。鱒の照り焼きは、白ご飯が欲しくなる程の味付け。さつま芋と大根おろしの添え物。
・お食事 鯛茶漬
~出し汁をかけて頂きます。鯛の味噌味は甘めですが出し汁に合います。また、この出し汁が旨いんですよね。
・甘味 抹茶の水羊羹?
~甘味は何かホッとしますね。
大将とお話ししましたが、特に有名なお店で修業した訳ではなく、横浜で7年、銀座で10年修行されてたようです。こちらのお店を開店してからは既に7年目らしいですが、現在はご自分のお店で人気を博しており、『水野ワールド』を確立されたようです。料理は全体的にオーソドックスな日本料理ですが、ボリュームが凄い。銀座でこれほどしっかり頂けるのも珍しいのではないでしょうか。感心します。
大満足、ごちそうさまでした。
7位
2回
2018/04訪問 2019/08/16
【再訪】神田、抜群の雰囲気をもった居酒屋さん『凄いお通し、またまたマイブームが訪れそうな予感が・・・』
久しぶりに神田の居酒屋光壽。2年前にはちょっとしたマイブームとなり、よく伺っていましたが、最近ご無沙汰だったことを思いだし予約した次第。
JR神田駅から線路沿いに歩いて5分くらいでしょうか。大通りに面した分かりやすい場所にあります。店構えはどっしりした居酒屋さんであり、いい雰囲気。いつもながら満席ですから活気がありますね。
カウンターに腰をおろすと、生ビールを注文している間に、綺麗なお通しが出てくる。このお通しが素晴らしいんですね。
・お通し(1280円)
~切り干し大根と鶏肉の炊き合わせは田舎料理らしくいい感じ。もずく酢はアクセントかな。若鮎の甘酢はかなりの大きさがあり食べ応えあり。
岩のりはなかなか変わった一品。煮た豚もつは食感がいいね。数の子とあさりとホウレン草の和え物、クリームチーズとツナ、山芋とめかぶの山葵味。どれも酒のあてには最高です。
生ビールからお酒にします。
・亀の海(長野県佐久市土屋酒造店)
~お酒は雰囲気だけですが、これはまたすっきり甘口のよう。飲みやすいが注意しなくては・・・。
・赤身の馬刺し(1200円)
~これはお店の定番商品。いつも準備されているが数量限定なので早めに注文します。売り切れ御免の人気商品。赤身が奇麗でニンニクをたっぷりのせて頂きます。明日の仕事は覚悟の上ですが、きっと臭いんだろうな~。
・酒盗入りのポテト(480円)
~これも定番の名物品。かなりのボリュームで食べ応えあり。いい味付けなんですよね。これがまた。
今夜も美味しいお摘みとお酒を頂き満足な夜となりました。次回は賑やかな方々を誘って伺いましょう。
ごちそうさまでした。
【再訪】2016年7月
またまた、再訪しました。今日のお通し9品から至福の時の始まりです。
■お通し1280円
~其々に味があるからいつも楽しみですね。
・もずく
・枝豆の麺汁漬け
・いぶりかっこと酒盗のクリームチーズ和え
・ミミガーの玉葱和え
・カツオの酒盗和え
・数の子
・サメ軟骨和え
・茄子浅漬け
・もずくと桜えびの椀物
■生馬刺(赤身)980円
~佐賀県産の馬刺は歯応えもあって旨い。
■ポテトサラダ450円
~定番ですから旨いでしょ。
■クリームチーズ450円
~四種類のうち、西京漬けと八丁味噌が旨いね。
■メンチカツ290円
~このボリュームと旨さでこの値段ですか。
■お酒
・風の森460円
・雨後の月520円
・生ビール(2杯)600円
なんか、最近マイブームのお店になりそう。
今夜もごちそうさまでした。
……………………………………………
【初訪】2016年4月
神田を代表する居酒屋さん。
・・・という表現がいいのかな?
もしかすると理想的な居酒屋さんかな。
予約で一杯とのことですが、なんとかねじ込んで頂きました。
いきなりのお通しの充実感は凄いね。
手の込んだ9品がずらり。
圧巻でした。
悲しいかな、清酒が苦手なのでビールで頂きましたが、じつはどの料理もビールにもあいますね。
付きだしは、スルメの和え物、豆腐の酒盗のせ、茄子の煮びたし、ミミガーのクリームソース添え、ゴボウとコンニャクの煮付け、青海苔のジャコのせ、浅利の吸い物、(覚えてない料理あり)
これが、付きだしかとは思ったが、お店からも付きだしを食べ終えるくらいに注文した方がいいですよと親切なアドバイスあり。
アドバイスとおりに、食べ終えるくらいに、馬刺しとポテトサラダを注文。
ずっとビールで通そうと思ったが、流石に酒の肴ばかりなので、思わずお酒を注文。
やっぱりあいますね❗
■付きだし1280円
馬刺し980円
ポテトサラダ480円
クリームチーズ450円
ビール(2杯)600円
亀の海980円
満足の夜になりました。
ごちそうさまでした。
8位
1回
2016/08訪問 2019/08/16
韓国や日本の韓国料理屋さんの有名店がコラボしたなんとも贅沢なお店です。有楽町駅から徒歩3分位でしょうか、数名にて予約して伺いました。
楽しみにしていたのは、プロカンジャンケジャンのカンジャンケジャン(ワタリガニの醤油漬け)です。2年前に韓国通の女房と韓国旅行に行きましたが、韓国に本店がありめっちゃ旨かったので日本で食べれて幸せですね。日本にも支店はありますが、これだけでなく他にも色んな有名店の料理が食べれるとのことでお得感満載。
注文は大人数ですので、極上コース(飲み放題)にしました。
■注文(極上コース・飲み放題)6300円
・キムチ盛合せ
~甘辛いキムチですから、日本好みに仕上げてあり本当に旨い。小生好みの甘辛さ。
・海鮮チヂミ
~厚みがありながらふわふわで海鮮の香りがあり旨いね。
・直火肉野菜炒め
~ソゴンドンという韓国の有名店からの一品ですが、直火焼きをした豚肉、イカ、野菜とソゴンドン秘伝のピリ辛味噌をからめていただきます。上品でマイルドな辛さ、イカも柔らかくて本当に旨い。カンジャンケジャンについていたご飯にかけるとさらに旨すぎ。
・カンジャンケジャン
~ソウルの有名店であるプロカンジャンケジャンのカンジャンケジャン(渡りガニの醤油漬け)ですが、もう絶品ですね。これが食べたくて伺ったと言っても過言ではありません。凍ったままの渡り蟹を秘伝の醤油に漬けたものなんですが、お酒のおつまみにもぴったりの味。このままじゅるって口の中に吸いますが旨味爆発。
・サンナッチ (活けダコの踊り食い)
~これには皆興味津々。舌や口のなかにへばりついて離れない。また、それが心地よく蛸の感触が秀逸ですね。胡麻油が効いてる。
・薫製サムギョプサル
~七輪で焼く燻製サムギョプサル。東京ナチュラルポークというブランド豚の三枚肉を熟成したワインソースに一晩漬け、炭で燻製にして余分な油をとりのぞいてるらしい。チシャに包んで頂きますが味噌が合ってるね。
・A5ランク黒毛和牛希少部位焼肉盛合せ
~あのイビョンホンがプライベートで通っているという焼肉店「高麗屋」のA4A5のお肉らしく普通に高級焼肉店よりも旨い。
・特選ソロンタン(ライス付)
~最後のご飯ものは、特選ソロンタン(ライス付)と 海鮮純豆腐チゲ(ライス付)・ユッケ石焼ビビンバ(スープ付)の中から普通なかなか食べることがない特選ソロンタンを選びましたが、ちょっとインパクトがなかったかな。
・梨ジュース
~口直し。
因みに、KollaBo (コラボ) の提携店舗11店舗は以下の通りです。
1. 『プロカンジャンケジャン』
~今話題のカンジャンケジャン韓国No.1のお店
2. 『ソゴンドン・トゥペキ』
~1982年にソゴンドン(明洞の旧地名)でオープンした韓国純豆腐チゲ発祥の店
3. 『元祖 燻製サムギョプサル』
~秘伝のワインだれで12時間漬け込み、さらに最高級備張炭で炙り燻製
4. 『ファロヨン』
~韓国人だけでなく、多くの日本人観光客が明洞に行った際に訪れる焼肉名店
5. 『炭火焼肉 高麗屋』
~創業40年以上の大阪人気焼肉店!
6. 『韓国伝統酒家 創作』
~韓国大統領愛飲の生マッコリと、韓国南部地方の創作料理酒家
7. 『明洞チヂミ生マッコリトゥクタ』
~カクテル生マッコリ専門店
8. 『グラスゴー』
~1988年創業の大阪心斎橋の老舗喫茶店
9. 『趙善玉料理研究院』
~手作り伝統茶と餅のお店
10. 『ボドゥルコル・イヤギ』
~韓国で「海鮮居酒屋」人気No.1のお店
11. 『ハンチョン・ソロンタン
(別名:ガンミオク)』
~韓国とNewYorkで「ソロンタン」人気No.1のお店ソゴンドンという韓国の有名店。
本当に旨かった。
ごちそうさまでした。
9位
2回
2020/07訪問 2020/07/31
【再訪】博多薬院、大物の"アラ"を豪快に頂ける幸せ『懐かしい博多弁が嬉しい・・・♫』
博多の街は、いつもながらワクワクさせてくれる♫
昔ながらの屋台、長浜ラーメン、もつ鍋に焼き鳥の豚バラ、鶏皮など数えたらきりがない。
今夜は久しぶりに魚の美味い『大どころ』。
前回は、お昼に唐津の『飴源』、夜は博多の『大どころ』とお腹パンパンのハードスケジュール。今回こそはお腹を空かせ、余裕を持って伺います。
あらあら、まだ木製の壁のような扉が閉まっている。時間は丁度18時の予約時間。すると「扉を押して下さ〜い」と。のんびりした空気感はやはり博多だな〜。(^_^)
ご主人にご挨拶して、生ビールと炭酸水でカンパーイ♫
4年ぶりの訪問ですが、近くの六本松に住む女性スタッフ(奥様?)の方が覚えていて頂き、いきなりうちの奥さまとローカルなジモティー談義♫
・お通し
〜あらの肝煮、鹿児島産枝豆のチーズ、岡山産素麺瓜とゴーヤ、茗荷、土佐酢のジュレ、ヤングコーンの天麩羅。あらの肝煮がまさに肝という濃厚さ。
・とうもろこしのスープ
〜トマト(熊本)、とうもろこし(長崎)をカツオベースで伸ばしたスープ。とうもろこしの甘味が半端ない。♫
・お造り
〜アラ(呼子産)、蛸(長崎産)、目鯛(長崎産)、あら縁側たれ焼き、鱧(対馬産)。本日のアラは24kgの大物。冬に脂がのるが、この時期でも型の良い脂ののった大物。
ご主人は元々魚屋さんですから、丸々一匹買い取ってから、ご自分で捌く。アラでも産地によって食べるもので肌色が異なる。今夜は玄界灘でも最近ブランド化している呼子産のアラ。
ちなみに、正式名称はクエだが、九州での呼び名がアラ。アラという正式名称の魚とは別物。だが、このアラもこれまた美味しい魚。なんだかややこしいが。(^_^;)
・天然鯛の白子茶碗蒸し
〜裏越しした鯛の白子をあらの骨の出汁で茶碗蒸しに。あらの骨はちょっと炙っているので香ばしさも加わって旨味が増している。
・稚鮎のテリーヌ
〜稚鮎を内蔵丸々ジューサーにかけて、テリーヌに仕上げる。内蔵の苦味がまた刺激的な魅力となるお摘みに。
・アラの皮
〜干したアラの皮を軽く炙ってパリパリ。軽く塩振って頂きます。コンロの前には、アラの皮の他に、大きなヒラメのあらがスモークされ黒光りしてぶら下がっている。
・イサキ(長崎産)
〜大きな伊佐木頭を焼いて、ニンニクを効かせたアンチョビオイル焼。アンチョビオイルが良いね。自宅でも使えそう。
・黒毛和牛さがり(鹿児島産)
〜丁度よく火入れされた牛肉に甘めの糸島醤油で味付け。九州独特の甘味ある醤油は博多の気候に合う。野菜のバルサミコドレッシングとレモン胡椒が食欲を唆ります。
・アラのしゃぶしゃぶ
〜身の厚いアラを贅沢にしゃぶしゃぶして、ダイダイ汁のポン酢で頂きます。キノコと野菜も糸島で採れた新鮮なもの。このポン酢も何にでも合いそうなくらい旨味があって美味しい。
・炊き立てご飯
〜福岡の艶姫を炊き立てで。土鍋で炊いた熱々のお焦げつき。ご飯のお供は、ちりめんじゃこ、肉味噌、スモーク沢庵。肉味噌がいいね。
・デザート
〜最中のなかには、イチジクのアイスクリーム。珍しい味わい。
こういう時期ながら、博多の夜を満喫できて有難いことですね。やはり、博多は何でも美味い街 ♫
ごちそうさまでした。
やっぱり、博多の魚は魚種が豊富で旨かった。今回の博多帰省のメインイベントの一つ。お昼には、唐津の『飴源』で素晴らしい料理とおもてなしを受けましたが、贅沢なことに夜には、この博多でまたまた旨い魚を頂きます。『飴源』の食事が2時30分くらいに終わったので、予約時間を遅らせて頂き、結局8時過ぎからの夕食。
こちらのお店は、博多のレビュアーの方々が称賛していたのを拝見して伺うことにしました。本当に楽しみ。唐津から博多には6時頃には到着しましたが、しばらくホテルオークラにて休憩し中洲川端駅から地下鉄で薬院大通り駅に。そこからは、ぼちぼちと散策しながらお店に向かう。いつもながら、博多の街は活気があるというか華やかな雰囲気がありますね。行き交う地元の方もなにか明るいような気がする。きっと、地元に対するプライドも持っているので、あまり媚をうる文化がないような気がするな。「なんしょ~とや?」「そいけんさ~」通りすがりの人から博多弁を聞くたびになんかいいな。
そうこうしているうちにお店の近くまで到着。しかし、これからがわかりにくい。地図検索してようやくたどり着いたのが、薬院の奥まった小さな通りに面したマンションらしい。看板もなくマンションの玄関近くにまで行ってから、ここが入り口なんだと認識した次第。「大所」そうだんたんだ~。お店の名前「大どころ」ではなく、漢字の「大所」でした。入り口も狭いが店内に入ると今まで抱いていたお店のイメージがまったく違っていることに驚きます。そもそも、魚が半端なく旨いお店と聞いていたので、てっきり割烹のような店構えかと思いこんでいたが、着いた途端、女房と顔を見合わせてしまったほど。
店内は薄暗く落ち着いた雰囲気で、お洒落なバーのような感じでしょうか。大きな大理石のカウンターと奥には数名用のテーブル席があるようです。椅子は皮張りで幅広く、なかなか座りやすい。音楽は最初軽快なJAZZトリオの曲がかかっていましたが、しばらくするとわりと賑やかな曲に。こういう雰囲気の中で旨い鮮魚が出てくるのかと疑心暗鬼に。
事前に、お任せでお願いしていたので、準備万端なのでしょう。マスター(ここでは大将という呼び方は相応しくないかも)は意外に若そう。他の店員さんはマスターを入れて3名。寡黙な年配の男性と営業センス抜群のよく気が効く若く可愛い女性。年配の方は、マスターの親父さんらしく、かといって料理人ではなさそうなので、なんか不思議な感じ。基本的に接客は女性が対応してマスターが料理するみたいな。親父さんは皿洗いしかしてないのかな・・・。
まずは、お通しから。
ひらすに似た「すぎ」(五島産)という魚の肝ですが、かなり濃厚で旨味たっぷりです。手前の白い豆腐状は「あら」(呼子産)のすり身にチーズを混ぜ込んだものですが割とあっさり目かな。しいたけとしろ菜のお浸しは意外に普通。串に刺して焼き上げているのは、ぎんなんと「むかご(山芋の弦の実)」の塩焼。素朴な味わいがいいね。
次は、刺身盛り合わせ。
こちらのお店は食器に凝っていて、見た目からしてかなり歪な形状のものが多いですね。お話を聞くと「そうなんですよ。気に入ったらすぐに買ってしまうので、形も歪だから食器棚に入らないんですよ。」とのこと。お通しにも出ていた「すぎ」という魚はねっとり、あっさりで旨みが濃い。初めて耳にした名前だが、こういう普通お目にかかれない魚を頂くのは嬉しいですね。
あらハラミ炙り(呼子産)は、これはなんと表現したらよいかわからないくらい旨いが、まずはその厚みが凄い。普通は薄造りくらいにして小葱を巻き、ポン酢で頂くことが多いですが、なんとも豪快な大きさ。マスターによると「あまり薄造りにすると味がわからないでしょう。結局何枚も掬うように食べてたら一緒ですから、厚く切って旨味を味わって欲しいんですよ。」仰るとおりです。「たいらぎ貝」の炙りはなんとも大きくて食べ応えあり。しっかり噛むことができるくらいの大きさを頂くことはあまりないかな。それに、鯵の刺身(相ノ島産)は、締りがよく脂ものってます。次は、「はかつお」(長崎産)は、かつおににているが鯖柄。味わいはカツオでもない、サワラみたい。
次は、見た目から旨そうな真鱈の白子茶碗蒸し。見るからに濃厚さが伝わると思いますが、まさにその通り。女房は途中でギブアップ。お父さんが1.5人分を頂きますが、ぺろりと頂けました。下の茶碗蒸しもシンプルな味わいで、濃厚な白子にあってます。
次は、何とも豪快なさわらのお頭山椒醤油の煮付け。サワラは明石産らしく、最近瀬戸内海のサワラを頂く機会があったが刺身としてもやはり旨かった。しかしながら、このでかさはなんなのと言うくらいのスケールです。(女房の手のひらと比べて下さい)最近広島で、同じように大きい太刀魚のお頭煮つけを頂きましたが、こちらがはるかにでかい。
ちょっと落ち着いて、薫製ホタテのバルサミコサラダを頂きます。ホタテはもっと柔らか目にしたほうが・・・。あまりにヘビーな料理でしたので、少し胃を休めるため。
そして、今度はさきほど刺身で頂いたあら(呼子産)のしゃぶしゃぶがまた身の厚いこと、厚いこと。食べ応えあるに決まってます。マスター曰く「身が薄いとポン酢の味しかしないでしょう。」仰る通り。あらの旨みたっぷりです。〆は、あらの旨みが残った出汁をつかい雑炊に。旨いに決まってます。いぶりがっこ付き。
しかし、これだけの魚を仕入れるのは大変でしょうとマスターに問いかけると「基本的に魚は魚屋さんに任せてるんですよ。だから、当日にならないと何が入ってくるかわからない。うちは居酒屋ですから料亭みたいに、これくらいの、この魚とは指定できないんです。指定すると値段もはね値上がるので、とてもやっていけないから、全てお任せです。ですから、かえって変わった魚が入荷できる場合もあるんですよね。」あ~そういうことか。確かに正直なお話ですね。それだから、珍しい魚にも出会えるし頂ける訳ですからね。よくわかりました。料理人にしてみたら、やりがいがありそう。
それにしても、仕入れしている魚屋さんが凄いみたい。きっと、宮崎日南のねこさんみたいな魚屋さんなんだろうな。
最後に、カボスアイスクリームですが、目が荒くてサッパリしてます
。
本当に博多の夜を満喫できた夕食。
大満足の大どころさん。
ごちそうさまでした。
10位
1回
2016/01訪問 2019/04/20
■再訪 : 2016年4月
お久しぶりです。前回の訪問で味をしめたので再訪しました。今度も仕事での利用でしたが今回は和室の個室です。和室もまた趣があっていいですね。
注文は、前回同様に『しゃぶQ』に牛肉のスモーク塩タン。
お肉は豪快ですが、前菜は繊細ですね。ホタルイカの湯引き、ぬた、カブのチーズ包み、他かな。
前菜にビールが進みます。今日は、みんな早々にテンションがあがり、途中からウィスキーに変えてハイボールへと急ピッチに。
そろそろ、『しゃぶQ』の始まりです。お店のかたが野菜を鉄板周りの溝に出し汁と白菜のキムチ浅漬けを入れ、更にキムチを足していく。そして本うちである牛肉の登場です。お店の方も心得たもので、牛肉の皿を「写真はいかがですか?」とアピールし撮影会に。
そして、分厚い牛肉を焼き始めます。
ミディアムレアに焼けたくらいに、醤油味とワサビ、焼き肉のタレの希望の皿に入れてくれる。そして、至極の時間を過ごせるのです
やっぱり、ワサビ醤油がめっちゃ旨いわ‼
またまた、ハイボールがぐいぐいと飲めるのですね。
今夜もごちそうさまでした。
■2015年12月
5名で仕事の懇親会。
なかなかわかりにくい場所にありますが、得意先の方が先にお店の前で待っていてくれたので何とか見つけられたくらい。
初めてお店ですから勝手がわからず、割と狭い和風の空間にテーブル席。
料理は幹事にお任せして、注文されのは「しゃぶQ」という名前のコース。
まったく想像ができないネーミング。
料理がでてくるまで、まずはビールで乾杯!!
楽しくお話ししてる間も、お隣さんのテーブルを見ながらどんな料理か興味しんしん。
よくみると鍋というか傾いた鉄板が・・・・周りに野菜が満載!!
すると、お待ちかねのしゃぶQが登場。
牛肉を鉄板に広げると、焼き加減まですべてお店の方がリード!!
いたせりつくせりで、あっという間に牛肉をペロリ!!・・・・(お肉を追加)
味の染みた野菜をペロリ!!
旨い肉と野菜の後は、締めのきしめん。
あっという間にお時間になりました。幹事さん、ありがとう!!!
本当にまた行きたいお店です。
ごちそうさまでした。
昨年3月から食べログに投稿させて頂きましたが、伺ったお店にたいするレビュアーの皆様の見方や捉え方の違いがわかり、勉強になりました。またそれぞれのお店にも個性があり素晴らしかったのですが、今年伺ったなかで最も感動させられたのは『飴源』さんと『酒杯』さんでした。『飴源』さんは、老舗としてのおもてなしが素晴らしく、子供の頃の昔懐かしい料理を感動するレベルで提供されていることに驚かされました。また『酒杯』さんは、大将(マスター)やスタッフの方のさりげない気配りや居酒屋の域を超えた料理の数々が相俟った「The・居酒屋」という雰囲気が素晴らしかったですね。失礼なコメントすることもありましたが、皆様の料理を頂けたことに感謝いたします。