7070JAZZさんが投稿した飴源(佐賀/浜崎)の口コミ詳細

レビュアーのカバー画像

イリオモテヤマネコ・シーラカンスの神秘性に想いを馳せながら、楽しい食事と美味しいワインを・・・♡

メッセージを送る

7070JAZZ (京都府) 認証済

この口コミは、7070JAZZさんが訪問した当時の主観的なご意見・ご感想です。

最新の情報とは異なる可能性がありますので、お店の方にご確認ください。 詳しくはこちら

利用規約に違反している口コミは、右のリンクから報告することができます。 問題のある口コミを報告する

飴源浜崎/日本料理

1

  • 昼の点数:5.0

    • ¥10,000~¥14,999 / 1人
      • 料理・味 5.0
      • |サービス 5.0
      • |雰囲気 5.0
      • |CP 4.8
      • |酒・ドリンク 4.8
1回目

2016/12 訪問

  • 昼の点数:5.0

    • [ 料理・味5.0
    • | サービス5.0
    • | 雰囲気5.0
    • | CP4.8
    • | 酒・ドリンク4.8
    ¥10,000~¥14,999
    / 1人

懐かしいツガニ・ヤマメ『唐津の老舗川魚料理は素晴らしい・・・』

福岡空港から地下鉄に乗ると、そのままJR線に繋がっており、乗り換えなしですので便利な交通手段です。約1時間20分で浜崎駅に到着。お天気は最高だし、12月の師走だというのに春のような暖かさ。浜崎駅からはタクシーで5~6分でしょうか。古いですが由緒ある建物の横には玉島川が流れており、思わず宮崎の田園風景と同じだと感じた次第でした。

「飴源」は、1838年(天保9年)創業の川魚と摘草料理の老舗店であり、川魚料理とともに水飴を扱っていた初代源吉さんの通称「飴屋の源さん」からつけられた屋号なのだそうです。清流・玉島川沿いに店を構え、ツガニ、鮎、ヤマメ、鯉、白魚といった川の幸が、中里太郎衛門をはじめ著名作家の唐津焼で供されている。野趣あふれる素材は、秘伝の味と技によって滋味深さが引き出され、グルメと称する多くの食通の文化人に愛されてきた。清流のせせらぎを聞きながら、風情ある四季折々の景色とともに五感で食を楽しめます。(ミシュランガイド福岡・佐賀、二つ星として掲載)

タクシーの運転手さんによると、昔の玉島川は川の幸の宝庫で、ツガニ、鮎、ヤマメ、白魚など四季折々の恵みに溢れていたが、護岸工事のせいか最近は川も浅くなり収穫量もめっきり減ったとのこと。生きた川魚のみを使用する「飴源」では、活きの良い素材をどれだけ調達できるかが重要なので、熟練した地元漁師の活躍が大きいらしい。若女将によると、厳選して仕入れた素材は、古い建屋の敷地内に川から水を引き込み、清流をかけ流しにした生簀で上流からヤマメ、鯉、鰻、ツガニの順に育てられており、最後は玉島川の流れ込んでいるとのこと。

実はこの玉島川は古事記や日本書紀に神功皇后が魚釣りで戦勝を占った川として記載されていたようです。若女将から色々とお店の伝統やしきたりなどを教えて頂きましたが、やっぱり老舗は大変そうですね。伝統の味と技を受け継ぐため、4代目の父と5代目の旦那がともに調理場に立っているそうですが、6代目は若くまだまだ跡を継ぐ気はなさそうとのことであり、若女将も長い目で見るしかないかなと案じているようです。やはり、どこの老舗も同じ悩みがあるんですね。しかし、老舗のお店を継げるチャンスがあるのは限られた直系の方でしょうから、いつかはこんな素晴らしい老舗を継げるという有難味がわかる時期がくるのでしょうね。

素材の味が際立つ川魚料理ですが、滋味深さを最大限に引き出すため細かな仕事が施されており、なかでもヤマメの飴焼きは、創業時から受け継がれる秘伝のタレを使用してます。使用する器は唐津焼で揃えているようです。唐津といえば、唐津焼き。唐津焼と言えば中里太郎右衛門。現在は13代であり、弟の中里重利、中里隆も陶芸家であり、「飴源」でも使うことがあるようです。見事に盛り付けられた料理とともに、器もじっくり堪能させて頂きました。

それに、今回の「飴源」には、もう1つの楽しみがありました。それは、先日伺った銀座の料理屋さん「ろばた(呂者堂)」の大将の奥さんが陶芸家であり、こちらの「飴源」に自作の陶器が使われているとのこと。若女将にその話をすると、「そうなんですよ。由起子窯というブランドで一部の食器に使わせて頂いてます。」とのこと。こんな出会いもなんか嬉しいですね。また、由起子さんは中里隆先生のお弟子さんらしく、ここから近くに窯を構えているらしい。何かの縁でしょうから、帰りに寄ってみることにしました。女房は焼き物が好きなので、楽しみが増えたといって凄く嬉しそう。

若女将から色々と教えて頂きましたが、やはり「飴源」のもてなしの顔といえば、女将さんでしょう。料理だけでなく、江戸時代から続く老舗店ならではのエピソードや玉島川の歴史など話題が豊富で、正座して背筋をぴんと伸ばした姿は歴史に裏打ちされた貫禄が漂っています。唐津焼きにも造詣が深く、さりげなく御教示頂きました。

■注文 おまかせコース8000円+鰻4000円

注文は、事前に連絡していたので、お店に入り、支度ができるまで待合室でお茶を頂きます。ここに飾られた数々の額などから「飴源」さんが色々な文化人や名士・食通の方に愛されてきたお店ということがよく分かります。それから、食事する2階の端の特等部屋に通されます。玉島川が目の前ですので、若女将さんや仲居さんとの話題には事欠きません。

さあ、これから「飴源劇場」の開幕です。

始めに小鉢。素朴な「銀杏素焼き」は懐かしい。「ツガニ豆腐」は蟹味噌ではなく身の方ですからわりとあっさり。「すっぽんの吸い物」は、口に広がる濃厚なすっぽんの風味とコラーゲンたっぷりの身、繊細というより豪快な一杯です。また唐津焼の器がいいですね。

小鉢につづいて供されるのが、お刺身と摘み草のお料理。お刺身は、鯉の洗いとヤマメの背ごしですが、鯉の洗いはシャキッとした歯ごたえが特製の酢味噌(のびる入り)にぴったり。ヤマメの背ごしは、小骨まで噛み砕いた旨みが酢味噌と相まってお見事。これは小生の大好物ですので、これだけで生ビールが本当に旨く感じますし、喜びを感じます。因みに、柚子胡椒と酢味噌は自家製でしたので、お土産に購入することに。更にいっしょに供された野菜がなんと綺麗なことか、食べるだけでなく見た目の豪華な華やかさが素晴らしい。野菜は、全て親爺さんが近くの畑で自前で育てているらしく、新鮮そのもの。種類も豊富でルッコラ、小松菜、淡竹、日野菜、長芋、はつか大根、紫大根、紅芯大根を、4種の薬味(赤紫蘇、蓼の葉、茗荷、柚子胡椒)と酢味噌で頂きます。これらの野菜だけでも、料理屋さんとしてやっていけそう。

次に、味のある大皿に盛られた鰻の湯引きが登場。これがまた、しっかり冷やされてますが、肉厚なので甘味を感じる程で恐ろしく旨い。秀逸、絶品だけでは言い表すことができないくらい。それから、途轍もなくでかい椎茸を半円の鉄板で目の前で塩焼きして頂きます。肉厚なのでかぶりつくとジューシーさが溢れます。親爺さんの力作らしい。お酒は、地元のさっぱり系をお任せで頂きますが、何にでも合いますよね。お酒に浮かぶ紅葉がお洒落。

そして、ヤマメの塩焼と飴焼き。塩焼のヤマメには焼き過ぎずなかはしっとりで、更に玉子がぎっしりお腹はパンパンです。この玉子がプチプチというより、ツルツルねっとり。飴焼きは、金箔を貼ったようで見た目が綺麗ですが、見た目が先行しているので味は独特ですが、ちょっとどうかな・・・。それから、追加注文した鰻が登場。この鰻の皮はパリパリ感が半端なく、身はほっこりと旨みたっぷり。身の厚みはそうありませんが、天然の野生を感じる野武士のような豪快さを併せ持っています。

そして、メインディッシュの蒸しツガニです。初めてということにして、若女将に食べ方を指導して頂き、まず1匹目はを見事に捌いて頂きます。身がギュッと詰まった濃厚な甘さ。田舎育ちの小生は、小さい頃からカーバイドの灯りを頼りに浅い川に入り獲っていました。銛をもってじっと待っていると、手長海老(ダクマ海老)とツガニ(モクズガニ)が灯りに向かって集まってきます。これを銛で突き刺して・・・。
「獲ったど~!」みたいな。
このツガニは想像以上の美味しさであり、独特の甘みの蟹味噌がたまりません。でも、食べ尽くすには相当な時間がかかります。ツガニの旬は秋ですので、今の時期最高でした。

最後の食事は蟹めし。蟹寄せ汁、香の物と一緒に頂きます。この寄せ汁も昔から日本タオルに包み潰してから、タオルで濾してから旨い出し汁を頂いていたので、やはり懐かしくも濃厚な味わい。「飴源」の由緒と格式を感じながらも、懐かしく楽しくかつ美味しい最高の食材を頂き、幸せを感じます。食事だけで約3時間かけて、ゆっくり若女将と会話を楽しみながら頂ける食事は有り難いの一言。

老舗の味ですが、小生にとっては子供の頃に戻ったような懐かしい味。
ごちそうさまでした。

それから由起子窯に伺い、由起子さんにお会いしてきました。おっとりとした優しそうな方で、お茶碗と湯呑み、それに幅広で深い食器を購入。
楽しく、大満足の唐津一日目となりました。

2017/01/05 更新

エリアから探す

すべて

開く

北海道・東北
北海道 青森 秋田 岩手 山形 宮城 福島
関東
東京 神奈川 千葉 埼玉 群馬 栃木 茨城
中部
愛知 三重 岐阜 静岡 山梨 長野 新潟 石川 福井 富山
関西
大阪 京都 兵庫 滋賀 奈良 和歌山
中国・四国
広島 岡山 山口 島根 鳥取 徳島 香川 愛媛 高知
九州・沖縄
福岡 佐賀 長崎 熊本 大分 宮崎 鹿児島 沖縄
アジア
中国 香港 マカオ 韓国 台湾 シンガポール タイ インドネシア ベトナム マレーシア フィリピン スリランカ
北米
アメリカ
ハワイ
ハワイ
グアム
グアム
オセアニア
オーストラリア
ヨーロッパ
イギリス アイルランド フランス ドイツ イタリア スペイン ポルトガル スイス オーストリア オランダ ベルギー ルクセンブルグ デンマーク スウェーデン
中南米
メキシコ ブラジル ペルー
アフリカ
南アフリカ

閉じる

予算

営業時間

ページの先頭へ