5回
2023/02 訪問
【再訪】郡山、食材に合わせた自由奔放な料理『野心的な俺の料理か・・・♫』
⑭白菜と菜の花と福島牛 〜今夜のメインディッシュ。だが、メインは牛肉ではなく白菜。旬の白菜を煮ているがシャキシャキ感は丸ごと残した絶品。牛肉に負けない白菜の味わいが凄い(^^)
相変わらずお元気そうな熊倉さんにお会いできてホッとする。
屋号『丸新』。
①蒸し牡蠣 〜採れたて新鮮な牡蠣は火入れも絶妙。
②大根を練りあげた練り豆腐、東松原産柿のソース 〜嬉しくなるような田舎料理ですね♫
③銀杏餅の唐墨かけ、唐墨の食べ比べ 〜唐墨は仕上りを柔らかめと硬めの2種類を食べ比べると口に残る食感に応じてお酒の旨味も変化する。
④ズワイ蟹、味噌ジュレかけ 〜濃厚な蟹味噌にジュレの酸味が絶妙に絡む。
⑤蟹真薯の椀物 〜蟹の身がびっしりと重いくらい。蟹の旨味が絡むので昆布出し、鮪節はあっさりと。
先ずは生ビール。
⑥炙り鯖、鯖白子のソース 〜居心地の良い居酒屋のような上品な酒の肴、鯖白子のソースは初めてだがこれで鯖を丸ごと頂ける。
⑧甘海老、頭殻スープ 〜「良い甘海老が入りましたよ」とちょっとした酒の肴をだして頂きます。この頭殻の濃厚なスープが絶品♫
⑧甘海老、頭殻スープ 〜「良い甘海老が入りましたよ」とちょっとした酒の肴をだして頂きます。この頭殻の濃厚なスープが絶品♫
⑦白甘鯛、葱ポン酢、橙添え 〜贅沢にも白甘鯛を葱ポン酢にかき混ぜるようにざっくりと口に頬張る。虎河豚のテッサのよう。
⑨中鮪(ちゅうぼう)、泥障烏賊 〜本鮪より多少小さめの本鮪のこと。ひっさげより大きく脂ののりは本鮪クラス。
⑩甘鯛の鱗焼き、天豆、牛つくね、潤と蕗の薹お浸し 〜愛媛の藤本さんから仕入れた甘鯛。流通経路は色々とあるようだ。
ちょっと味見してって、何だったんだっけ?
⑪金目鯛の蕪蒸し 〜先ほどの椀物と違ってかなり濃い味わいに仕上げられた蕪蒸しは好きだな〜。
⑫鮑の煎餅焼き、馬糞雲丹 〜パリパリの煎餅焼きに仕上げた鮑に、ちょっと温めた馬糞雲丹を絡める。
白州ハイボール。
⑬赤貝、帆立のヒモの酢の物 〜酢を使った料理は大好物。こういうシンプルな酢の物も食材の新鮮さを感じて嬉しい。
色鮮やかな福島牛。
⑭白菜と菜の花と福島牛 〜今夜のメインディッシュ。だが、メインは牛肉ではなく白菜。旬の白菜を煮ているがシャキシャキ感は丸ごと残した絶品。牛肉に負けない白菜の味わいが凄い(^^)
⑮手打ち蕎麦 〜ご主人曰く「蕎麦は切り方、エッジで風味が変わります」。確かにそうだな〜と納得してしまう。
⑯帆立の炊き込みご飯 〜もはやお腹はパンパンですから、味見の小椀の残りはお持ち帰りにして頂きます。
⑰自家製小豆のアイスクリーム 〜この風味ある小豆の味わいが良いね♫
カウンター席。
玄関の豪華なフラワーアレンジメント♫
まさに料亭という建家。
至るところにお洒落な空間が♫
2023/03/10 更新
2018/11 訪問
【再訪】郡山、新進気鋭の行動する料理人『福島を愛する飽くなき挑戦心と探究心・・・』
⭐️おもてなしの夜⭐️
大事なお客様との会食。
今回は撮影できた写真のみですが・・・。(^_−)−☆
熊倉さんにお任せ。
旬の魚や野菜を使った美味しい料理がずらり。
〆にはお蕎麦もあったかな〜。(*_*)
お酒は、地元福島の『飛露喜』『廣戸川』『一歩己』、山形の『十四代』『出羽桜』、秋田の『雪の茅舎』『新政』などの東北を代表する銘酒を30種類ほどずらりとご用意頂きました。
皆さんご機嫌さん。
楽しい夜会となりました。(^-^)
『粋・丸新』⇒『小判寿司』⇒『粋・丸新』
楽しく贅沢な福島の2日間。
ごちそうさまでした。
色鮮やかな八寸。甘鯛、つぶ貝、松茸・・・。(^^)
鱧と松茸のお吸い物。上品な味わい。(^^)
玄関先のお庭。いい雰囲気。(^ ^)
福島牛のロースト。柔らかくジューシー。(^^)
お刺身盛り合わせ。旬で旨い魚をちょっとずつ。(^^)
イクラご飯。自家製のイクラ。旨いんだな〜。(^^)
色鮮やかな八寸。紅葉が秋らしい。(^^)
なんだっけな〜。このときはすでに記憶喪失気味。(*_*)
スマカツオの刺身。カツオとマグロの中間みたいな旨味あり。(^^)
最中アイスクリーム。爽やか。(^^)
門構え。夜の『粋・丸新』は更にいいね。(^^)
こちらのお部屋。スッキリした設え。(^^)
2021/02/02 更新
2018/11 訪問
【再訪】郡山、新進気鋭の行動する料理人『福島を愛する飽くなき挑戦心と探究心・・・』
【初日のお昼】
熊倉さん、お久しぶりです。
今回は翌日に大事なお客様をおもてなしする場を提供して頂くため、事前に打合せを兼ねて昼食に伺った次第。こういう美味しい企画は楽しみ。(^_^)
いつもは夜なので、ランチは初めて。玄関からの前庭には紅葉が赤く色づき、秋らしい郷愁を感じさせる。立派な門構えから飛び石を経て清々しい格子戸を開ける。
カウンター席に通されると、ご主人はランチのお客様対応に追われているので、軽く言葉を交わすと、まず生ビールをお願いする。
左側の壁には、ワクワクするようなランチのメニューが自筆で書かれている。マグロ、サワラ、甘鯛、鯵などどれも食べたい衝動に駆られる。
こちらのランチが人気があるのは料理だけでなく、夜の部に出される魚と同じ材料で提供されているから。見るからにめっちゃ良い魚なんです。
まずは、刺身定食の刺身だけをお願いしてお摘みに。活き〆鯵、マゴチ、カツオ、スズキの4種類から2種類を選ぶ。それなら、活き〆鯵とマゴチを。
・刺身(活き〆鯵、マゴチ)
〜活き〆鯵の新鮮でぷりぷり感が素晴らしい。マゴチも負けず劣らず。
熊倉さんもひと段落したらしく「いや〜、昨日は和地さんと飲みすぎました。・・・」
これはまた話が長くなりそうだ。(^_^)
ハタと気がついたらカウンターに高校生が一人で定食をガッついている。聞くと息子さんとのこと。熊倉さんも跡を継いでほしいが強制はしないと・・・、暗にプレッシャーを・・・。(*^^*)
食事にすべきか迷ったが、やはりお摘みと生ビールのお代わりをお願いする。メニューの中でひときわ輝いていた甘鯛の漬け焼き。本当にこの値段で頂けるのは贅沢な話。
だが、東北では甘鯛は普通の魚という認識らしく特別な魚ではないとのこと。それではランチでご相伴に預かります。
甘鯛、旨い。はしたなくも骨までしゃぶりついて旨し。その間、昨夜のお二人の酔っ払いぶりをずっと聞かされる羽目に・・・(笑)
お摘みがなくなったので、食べてみて下さいと煮貝の小皿と漬け込んだ甘海老の小皿がでてきた。どちらもお摘みには最高。最後にアラ出汁を頂きます。
「こんなに食べて、夜お鮨食べれますか?」
しまった。(^^;)
今夜は、磐城棚倉の『小判寿司』に伺う予定だった。調子にのって食べ過ぎた・・・。(-_-;)
【2日目のお昼】
またまた、翌日も伺います。和食のランチは『粋・丸新』の定食に勝るお店はないかな〜。(今まで伺ったお店のなかでも)
落ちついた和風家屋のなかで、美味しい魚料理をリーズナブルに頂けるのは有り得ない。
今日は、昨日他のお客さんが美味そうに食べていた「マグロハラスの照り焼き定食」に生ビールをお願いします。まずは、お摘みに定食に含まれる活き〆鯵の刺身を先に出して頂きお摘みに。
もう見た目もピカピカの綺麗な鯵。お次はおからと茶碗蒸し。生ビールが旨いが今日は1杯だけにしておこう。
最後は、お目当てのマグロハラスの照り焼きに白御飯と味噌汁にお新香。丁度良い加減の甘辛い醤油味が最高だな〜。大満足のお昼となりました。
最後に「これはどうですか?」と葡萄のドライフルーツ。味わいが濃く旨い。知り合いの方が作っているらしい。それではお土産にして頂きます。
さあ、締めは夜の会食。熊倉さんも「気合い入れて頑張りますよ。」と力が入っている。有り難いことです。
夜会が楽しみ。(^-^)
ごちそうさまでした。
玄関からのアプローチが鮮やかで綺麗。
甘鯛のかぶと漬け焼き定食の甘鯛だけを注文。
活き鯵の刺身。透き通るような身が綺麗でモチモチ。
熊倉さんご夫婦。お世話になります。
【初日】刺身定食の刺身だけを注文。まごち、活き真鯵。
玄関から入ったお庭も綺麗に手入れされている。
玄関前の庭。
かなり広い敷地。新しい和食を想像する館。
カウンターの中はいつも綺麗な生け花が。
仕事中の熊倉さん。
甘鯛のかぶと漬け焼きアップ。
刺身定食の盛合せ。マゴチ、真鯵。旨すぎる。
煮貝の小鉢。旨いよね〜。
甘海老の漬け。濃くと甘みが蕩ける。
すまし汁に近い味噌汁。魚のアラ出汁がたっぷり。
【2日目】マグロハラスの照り焼き。醤油の絡みが素晴らしい。めっちゃ旨い。
最後のマグロハラスの照り焼き定食。
活き鯵の刺身。夜の料理の材料と同じレベル。
おからとは珍しい。
茶碗蒸しは普通かな。
お皿は珍しい木製。
ご飯のアップは要らないか。
最後に出てきたドライ葡萄。味わいが濃く絶品。
生ビールは必需品。
ワクワクしかないメニュー。どれも食べたい定食。
2018/12/06 更新
2017/09 訪問
【再訪】郡山、新進気鋭の行動する料理人『福島を愛する飽くなき挑戦心と求心力・・・』
郡山の熊倉さんのお店『粋・丸新』。今回も楽しみにしていたが、やはり楽しみにしていただけの満足感が得られるのは旨い料理だけではなく、ご主人である熊倉さんの魅力的な人間性が起因するのであろう。
それにしても、熊倉さんのバイタリティはどこからくるのか。福島を愛する気持ちがすぐに行動に表れるところが素晴らしいが、それだけではなさそうなところが未知数で語り尽くせない。
いつもながら玄関から飛び石を歩いて引戸を開けるまでにすでにワクワクしている。お洒落な日本庭園の植栽がライティングされ、この数歩の時空間が熊倉劇場をいざなう。
引き戸をガラリと開けると、女性スタッフにカウンター席の調理する生板の前に通される。そこに至るまでのカウンター席とテーブル席の雰囲気の温度差はやむ得ない。
まずは、熊倉さんに会釈して生ビールをお願いする。今夜はテーブル席のお客が多く忙しそう。やはり金曜日ですから、活気があってスタッフの皆さんフル稼働のようだ。
ちょっとしたおもてなし。ウェルカムボードが色鮮やかで綺麗。生ビールが置かれるや否や、さっと熊倉さんからお通しが出される。この間髪を入れないタイミングが絶妙である。
【お通し】
・朝どれ枝豆の擦り流し
~前回同様に、いきなりカウンターパンチのようなインパクトのある逸品。これがまた色鮮やかなグリーンというか木の葉のような色彩。いつもながら初っぱなの料理に驚き、気分も高揚させられる。
朝どれ枝豆の擦り流しは野菜出汁を加えた優しくも枝豆の味わいがしっかりと残っている。それに周りはトマトゼリーが添えられ、トマトの酸味が効いて茄子の食感を引き締めている。前回のトウモロコシに葛を練り込んだ蕩けるような自然の甘味が素晴らしかったが、今回も彩りと食感に感嘆する逸品。やはり料理は五感で味わうものである。
【椀物】
~メヌケ(メバル系)と松茸の椀物。分厚いメヌケを軽く焼いて旨味が溶け込み綺麗に澄んだ出汁が旨すぎる。そこにしなっと寄り添うホウレン草がいい感じ。更に松茸をのせたもの。驚いたことに松茸は生を厚く切っただけ。
なぜ?・・・???
松茸を使った土瓶蒸しだけでない料理を提案したく松茸の生の食感を活かしたいとの挑戦的なものらしい。「それなら食感が残るくらいちょっと焼いて薫りづけしてもいいんじゃないの。」と小生の独り言。そんな独り言を聞くと普通の料理人はそっぽ向きそうなものだが、熊倉さんは違う。「そっちの方がいいかな?」と素人の意見を聞く耳を持っている。考え方が柔軟である。
ここで、地元福島のお酒(広渡川)を頂く。今回、地元郡山の老舗酒屋さんである泉屋さんにも伺い、福島のお酒を丁寧にご教授頂いたので、さらさらと地元の銘柄が思い浮かぶ。
【お造り】
~ぶり、金目鯛、ヒラメ、鯵、炙りきんき、本マグロ、スズキ、つぶ貝
ぶりの飾り包丁が綺麗だな。それにふだんぶりを注文することがないが、このぶりは脂がのり過ぎず旨い。金目鯛のねっとりとした食感が素晴らしい。また炙りきんきは当たり前のような香りと脂が魅力的。本マグロのトロも蕩けるようで、スズキもつぶ貝も負けていない。
最近頂いた刺身盛合せでは群を抜くレベルである。塩はイギリス産(ドーバー海峡)とのこと。普通の塩でないところが、何となく熊倉さんらしいかな。
【焼き物】
~生麩田楽、甘鯛鱗揚げ、釣キンキ、梨と葡萄白和え
甘鯛の鱗揚げはパリッとした食感のあとにじわ~っとした甘鯛特有の品のよい旨味が漂う。何といっても釣キンキの脂身と塩加減が絶妙で最高でしたね。生麩田楽は普通でしょうか。梨と葡萄を合わせた白和えとはなかなか思いつかない。
ここで、地元のお酒(写楽)をお願いする。福島の酒を代表する銘柄で、3年連続で全国新酒鑑評会の都道府県別金賞一位を獲得。特徴はよくわからないが、料理には地元福島のお酒が合うに決まっている。
・蒸し物
~写真にある通りの徳島から仕入れたもの凄く太い鰻。天然鰻を蒸してから焼いているとのことで、関東風かな。活きのよい身の引き締まった天然ものであるにも拘わらず身の厚みが凄い。
これを蒸し物と表現するのだろうか。鰻のライスバーガーとは・・・。遊び心満載である。いつも同じだと面白くないからと色々なことにチャレンジしている。それがまた更に刺激になっているのでしょう。お客の反応を楽しんでいるかのようである。「だが海苔の巻き方に工夫が必要では・・・。」と、また独り言を言いたくなる。
ここで醤油の話題に。普通に濃口として使っているのはヤマサ醤油、薄口はヒガシマル醤油、白は山代醤油。修行時代から使っているので変える気はないらしい。
ヤマサ醤油といえば、テレビ番組「カンブリア宮殿」でプロ料理人が選ぶ醤油としてクローズアップされていた。「玄人好みの味」と絶賛され東京の寿司店の7割が使い続けるほど。創業370年以上の歴史を持つ老舗ではあるが、絶えず新しいことにも挑戦している。なかでも「鮮度の一滴 特選しょうゆ」。開封しても酸化しない作り立ての醤油という画期的な商品であり、“鮮度”という新たな価値観を生み出した。
【肉料理】
~神戸牛の三角バラ。三角バラは赤身が濃厚で噛むごとに旨味が染みだしてくる。舞茸焼きにジャガイモソースで頂く。
【お食事】
~ご主人自ら打った手打ち蕎麦であり、久しぶりに旨い蕎麦。出汁はわりとあっさりした感じ。また、蕎麦湯は濃厚で出汁と相まって一気に。
ちょっと間が空いたので、すかさず熊倉さんからサービスに佐賀のお酒(万齢)をだして頂いた。それにお摘まみに海老味噌まで。これがまた濃厚で海老の味わいが強烈。
・【甘味】
~ほうじ茶のムース。素材のほうじ茶の香りがそのまま生かされており、シンプルで爽やかなデザート。これは若手のお弟子さんが考案して作ったもので説明するお弟子さんも嬉しそう。若い職人さんが多いので活気がある。やはり素材の良さを引き出すことをいつも考えているお店の方針なのだろうか。ビスタチオ、アーモンドの砕いたものも効いている。
熊倉さんとの会話はいつもながら楽しい。今回は『浜の漁師飯・浜のかあちゃん飯推進プロジェクト』地元福島を愛する熊倉さんが、関与しているプロジェクトに興味津々。それは相馬市と南相馬市鹿島地区の漁協とのコラボ企画に取り組んでいるらしい。
コンセプトは「地元の魚をもっとたくさんの人に食べて欲しい」「地元で培われた魚料理の文化を知って欲しい」という思いから立ち上がった企画にプロの料理人として参画している。今まで浜の漁師や地元に受け継がれた伝統のレシピとプロ料理人のアイデアが融合したメニューを考案しているらしいが、何と魅力的で楽しそうなプロジェクトであろうか。
※ご参考までに、パンフレット(写真)を添付。
熊倉さんの料理は、素材の良さを引き出すことに主眼をおいてどれも美味しいですが、それだけではなく地元活性化のために積極的に活動する行動力や郷土を愛する想いが料理にも表れている。昨日伺った磐城棚倉『小判寿司』の和知さんともこういう感性が共通しているので、お互いに仲がいいはずである。それに小生もちょっと加えて頂いて、いつもこんな話で更にお酒が旨くなる。
今夜もごちそうさまでした。
2018/10/30 更新
2017/07 訪問
郡山にもいた次世代の料理人『福島を背負う気概をお持ち・・・』
今回は磐城棚倉の小判寿司の和地さんからのご紹介で伺った次第。「粋・丸新」大将(熊倉さん)の料理が素晴らしいとお聞きしていたが、お薦めであれば間違いないでしょうから楽しみ。お店は郡山駅から歩いて10分くらいでしょうか。繁華街からちょっと住宅地に入ったくらいの場所。
以前、父親の代からは郡山駅前に和食・定食屋として営業していたが、こちらの建家を居抜きで購入し改装・移転されたもので規模の大きな料理屋として再出発したとのこと。それにしても外観も内装も落ち着いた雰囲気。個室は4~5部屋あるが其々に個性があってお洒落。設計は地元の有名な方らしい。
お店につくと予約していたカウンター席に通されるが、カウンターの綺麗なウェルカムボードが気になる。飲み物はまず生ビール。注文は事前におまかせの特別コース(6500円)を注文済み。いったいどんな料理が出てくるのか楽しみでしょうがない。ワクワク感が止まらない。
まずは、熊倉さんからご挨拶頂く。和地さんからのご紹介なので気を使っておられるみたい。でも、これはほんの序曲に過ぎなかった・・・。
・お通し
モロコシ豆腐
~いきなりカウンターパンチのようなインパクトのある逸品。中央の部分はトウモロコシに葛を練り込んだもので蕩けるような自然の甘味が素晴らしい。周りの粘性の低い部分はトウモロコシを昆布だしで伸ばしている。同じトウモロコシを食感を変えて融合させたパンチのあるお通し。
・椀物
~分厚い鱧に綺麗に澄んだ出汁。椀の黒に鱧の白が対比され、さらに冬瓜の蒟蒻風な練り物の薄い緑がよく映えており、ワンポイントに梅肉の赤が効いた見た目にも綺麗な椀物。それに品よく蓴菜が漂っている。料理の顔と言える椀物は大好物であり、じっくり頂きながらこれから出てくる料理に思いを馳せる。考えるだけでワクワクしてきた。
ご主人によると、コース料理は椀物で一旦落ち着かせたイメージであり、次の刺身からまた徐々に料理のピークに向けて仕上げていくと言う分かりやすい説明。料理人としての目線が参考になる。
・お造り
~きんきの炙り、のどぐろ(宮城産)の炙り、3日寝かせたスズキ、ボタン海老(味噌添え)、本マグロ(ニュージーランド)、つぶ貝
違う素材を其々に手間のかけ方を変えている。炙りでもきんきとのどぐろの味の違いや脂ののりの違いが分かりやすく、あ~そうなんだと感心しきり。ボタン海老の味噌添えや本マグロも何気にいい感じ。
次は、生ビールからお酒にチェンジ。ご主人お薦めの郡山の地元のお酒を頂くことに。残念ながら銘柄を忘れてしまった・・・。
そうそう、ここで郡山の老舗酒屋「泉屋」さんの話に。福島のお酒を知りたければ、とにかく泉屋さんとのことで地元では絶大な人気らしい。それに品揃えは福島だけでなく全国的な銘柄が揃っているらしく是非とのこと。実はそれだけではなかった。泉屋さんは福島の料理人の世界でもキーパーソンらしいので、次回伺ってみたい。
・焼き物
~甘鯛のウロコ焼きはパリッとした食感のあとにじわ~っとした甘鯛特有の品のよい旨味が漂う。マナカツオもいい感じの味わい。海老しんじょうはちょっと普通かな。モロッコインゲンは口直し的に頂くが、ここでなぜスイカ?と聞くのを忘れた。
・蒸し物
~四万十川の天然鰻を蒸してから焼いているとのことで、関東風でもないかな。活きのよい身の引き締まった天然ものであるにも拘わらず身の厚みが凄い。ご飯は餅米なので白米と違ってちょっと変わった感じ。
・お肉
~大和牛リブロース。以前は郡山牛を扱っていたが、最近は奈良の大和牛に代えたらしい。(理由を忘れてしまった)このリブロースは赤身が濃厚で噛むごとに旨味が染みだしてくる。白茄子は軽い味噌味で頂くが肉料理にこの手の添え物は珍しいかな。最後にリブロースに敷かれたヤングコーンは皮を剥いて頂くが甘味よりも食感がいい。
・手打ち蕎麦
~ご主人が自ら打った蕎麦であり、久しぶりに旨い蕎麦。出汁はわりとあっさりした感じでさらりと頂いてしまった。また、蕎麦湯は濃厚で出汁と相まって一気に頂いた。
・メロンシャーベット
~素材のメロンの香りがそのまま生かされており、シンプルで爽やかなデザート。やはり素材の良さを引き出すことをいつも考えているとのこと。
熊倉さんの料理は、全体的に素材の良さを引き出すことに主眼をおいているようでどれも驚くほど美味しく頂きました。だがお店としては、ランチのコスパが高いと評判になり過ぎているようで、ご主人としても夜に繋がっていないようだと危惧されているよう。
それにしても、熊倉さんは本当にお話が好きですね。和地さんのご紹介と言うことでかなり気を使って頂きましたが、小生も話好きなので話題には事欠かない。
料理の説明よりも和地さんの話題で持ちきり。お二人とも仲が良いんですね。和地さんとは、十数年来のお付き合いで、当初は怖いかたと思っていたらしい。料理人の世界は師弟制度が残っているので、そう思い込んでいたがお付き合いするようになると、全くイメージが違っていたとのこと。それから魚の仕入れ先や他の料理人の紹介など色んな範囲に交流がひろがり、今ではすごくお世話になっているらしい。
実は先日、「小判寿司」が定休日でもないのにお店を閉めており伺うことができないことがあったが、これは和地さんの誘いで他のお店に食事に行っていたらしい。実はその時に「粋・丸新」にも予約しようと連絡していたのだが・・・。どこまで仲が良いんでしょう。
そういう熊倉さんも意識が高く、お互いに切磋琢磨しているので話が合うんでしょうね。一方、和地さんから見た熊倉さん評は小判寿司のレビューに譲ることに・・・。
予想を越える料理の数々に驚かされた3時間。そのうち2時間くらいは熊倉さんとの会話だったような気がする。
楽しい郡山の夜、ごちそうさまでした。
2017/08/01 更新
今夜はホントにお久しぶりの郡山。
コロナ禍も多少落ち着いたので、那須塩原から足を伸ばします。行き先は郡山の丸新さん。相変わらずお元気そうな熊倉さんにお会いできてホッとする。
夜の部の開店に合わせて伺うと、1番乗り。いつもながら腰の低い大女将さんもお元気そう。何も変わっていないことが嬉しい。
先ずは生ビールから。
あれっ、なんかちょっと料理の雰囲気が違うな〜?
いつもの纏まった懐石風ではなく、食材毎にかなり多品種のお料理がタイムリーに出てくるようだ。
①蒸し牡蠣
〜採れたて新鮮な牡蠣は火入れも絶妙。
②大根を練りあげた練り豆腐、東松原産柿のソース
〜嬉しくなるような田舎料理ですね♫
③銀杏餅の唐墨かけ、唐墨の食べ比べ
〜唐墨は仕上りを柔らかめと硬めの2種類を食べ比べると口に残る食感に応じてお酒の旨味も変化する。
④ズワイ蟹、味噌ジュレかけ
〜濃厚な蟹味噌にジュレの酸味が絶妙に絡む。
⑤蟹真薯の椀物
〜蟹の身がびっしりと重いくらい。蟹の旨味が絡むので昆布出し、鮪節はあっさりと。
⑥炙り鯖、鯖白子のソース
〜居心地の良い居酒屋のような上品な酒の肴、鯖白子のソースは初めてだがこれで鯖を丸ごと頂ける。
⑦白甘鯛、葱ポン酢、橙添え
〜贅沢にも白甘鯛を葱ポン酢にかき混ぜるようにざっくりと口に頬張る。虎河豚のテッサのよう。
⑧甘海老、頭殻スープ
〜「良い甘海老が入りましたよ」とちょっとした酒の肴をだして頂きます。この頭殻の濃厚なスープが絶品♫
⑨中鮪(ちゅうぼう)、泥障烏賊
〜本鮪より多少小さめの本鮪のこと。ひっさげより大きく脂ののりは本鮪クラス。
⑩甘鯛の鱗焼き、天豆、牛つくね、潤と蕗の薹お浸し
〜愛媛の藤本さんから仕入れた甘鯛。流通経路は色々とあるようだ。
⑪金目鯛の蕪蒸し
〜先ほどの椀物と違ってかなり濃い味わいに仕上げられた蕪蒸しは好きだな〜。
⑫鮑の煎餅焼き、馬糞雲丹
〜パリパリの煎餅焼きに仕上げた鮑に、ちょっと温めた馬糞雲丹を絡める。
⑬赤貝、帆立のヒモの酢の物
〜酢を使った料理は大好物。こういうシンプルな酢の物も食材の新鮮さを感じて嬉しい。
⑭白菜と菜の花と福島牛
〜今夜のメインディッシュ。だが、メインは牛肉ではなく白菜。旬の白菜を煮ているがシャキシャキ感は丸ごと残した絶品。牛肉に負けない白菜の味わいが凄い(^^)
⑮手打ち蕎麦
〜ご主人曰く「蕎麦は切り方、エッジで風味が変わります」。確かにそうだな〜と納得してしまう。
⑯帆立の炊き込みご飯
〜もはやお腹はパンパンですから、味見の小椀の残りはお持ち帰りにして頂きます。
⑰自家製小豆のアイスクリーム
〜この風味ある小豆の味わいが良いね♫
お料理の印象は、今までとはガラリと変わって単独の食材をより際立たせるような感じでしょうか。お陰様で食べたいお料理を少しずつという充実感が半端ない料理構成になっている。
いつもは、磐城棚倉の「小判寿司」から郡山の「丸新」のコースだが、残念ながら仕事の都合で郡山しか行けずに残念でしたが、次回は必ず伺いましょう。
明日も東京で仕事なのでゆっくりと食事を楽しめた郡山の夜。
ごちそうさまでした。