5回
2022/10 訪問
✴️DestinationRestaurants2021 【再訪】 『日本料理界の"兄貴"にはいつも驚かされる・・・♫』
❶八寸 特製玉子焼き カマスの風干し 石川小芋 浅利と春菊の胡麻寄せ 車海老つや煮 銀杏 生落花生 ばちこ
全国の名だたる料理人から"兄貴"と頼られる高村さん 誰にでも分け隔てなく接するホスピタリティが素晴らしい♡
❷鱈の白子(秋田産)甘酢餡
❸イクラの醤油漬け丼(小)
サントリー角瓶の原酒(こちらでしか飲めません♫)
美しい器
新政酒造の特別ピンクバージョン
❹沢煮椀
❺かんずり和え 本鮪(八森)活蛸(秋田)鰤(噴火湾)
比内地鶏(秋田)首皮包み焼き 和装の似合う笑顔ながら凛とした雰囲気漂う女将さん
じっくりと比内地鶏(秋田)首皮包みを炭焼きに
❻比内地鶏(秋田)首皮包み焼き
何とも魅力的な器
❼鰆(秋田産)蕪蒸し 百合根の餡
❽焼き茄子 汲み上げ湯葉 菊のお浸し 黒皮南瓜の旨煮
❾毛蟹(秋田産)のクリームコロッケ 海老芋唐揚げ 特製タルタルソース
➓すっぽん雑炊 香のもの
香の物(いぶりがっこ)
⓫特製モンブランと柿
低温で長期熟成された「ガージェリーエステラ」で乾杯
屋号『日本料理 たかむら』
2025/07/30 更新
2019/11 訪問
【再訪】秋田、地方から料理界を引っ張るカリスマ『江戸料理の枠に捉われない自由奔放さ♫・・・。』
今日は楽しみな秋田の夜。♫
お昼は大館で、きりたんぽ鍋を頂き、それから秋田には鈍行でのんびりと電車の旅。♫
冬の寒さを覚悟していたが、なんとも暖かい日差しに拍子抜け。だが、ポカポカした気候に長閑な田園風景は東北の厳しさを和らげてくれる。(雪景色の東北も魅力的なのだが・・・。)
ああ〜、懐かしの秋田駅。*\(^o^)/*
一昨年までは仕事で頻繁に伺っていた場所。食材の豊富さは言わずもがなだが、驚くべきは美味い料理屋さんがたくさんある処。
その秋田の頂点に立つのが『日本料理たかむら』さん。だが、その他にもお鮨屋、フレンチ、天麩羅屋、居酒屋など、其々のジャンルでも一目置かれるお店ばかり。
それに飛び込みで伺った割烹や小料理屋さんが、何気に驚くほど美味いお店だったりするんです。それからは、秋田の虜になった次第。
ちょっと遅めの時間帯にお願いしていたので、カウンター席は私たちを除いて満席。ご主人と奥様にご挨拶して席に。ご夫婦ともに相変わらず優しい笑顔でおもてなし。
まずは、低温で長期熟成された限定生ビール「ガージェリーエステラ」と、お薦めの「しらら」という炭酸水で乾杯。
「しらら」は白樺の味わいらしく驚くほどすっきりしている。たかむらさんの料理にあうように特別に作ったらしい。奥さまがお気に召したので重いお土産に。(^_^;)
・八寸
〜本モロコの山椒煮、銀杏、玉、きぬかつぎ、ゴマ寄せ。どれも大事に頂きたくなるほど、見た目も綺麗で繊細な味わい。
・蕎麦粥
〜牛タンで出汁をとった珍しい蕎麦粥。意外な組み合わせ。
ここでハイボールをお願いすると、ご主人から「とにかく飲んで欲しい珍しいウィスキーがありますが。」と、出てきたのは、『SUNTORY角』の原酒だった。・・・これがまた美味い。
・蕪餅
〜和食では蕪は出汁と分けるが、それでは一般的な料理になるので、出汁も使って蕪餅として全ての旨味を凝縮して閉じ込めたもの。ベステルキャビアをのせて上品に。これは絶品です。(^_−)−☆
・沢煮椀
〜10種類の山菜とキノコを昆布出しに濃くを出す為に豚の背油を入れて仕上げる。すっごく健康的な逸品。
・お造り
〜秋田産のアオリイカ、クエ、ホタテに水前寺海苔を添えて。やはり地物ですから鮮度抜群。
・比内地鶏の肉詰め
〜首皮に内臓以外の全ての部位を細かく叩いて詰めた肉の塊りを備長炭でじっくり焼き上げる。目の前の七輪で焼き目を入れて仕上げます。
・熊肉のシチュー(マッシュポテト添え)
〜予約の際に熊肉料理をお願いしていたので、てっきり熊鍋か熊肉煮込と思っていたが、現れたのは八丁味噌でちょっと甘めに仕上げた熊肉のシチュー。(*_*)
ご主人からは赤身の多い熊肉を見せて頂くが、やっぱりジビエでは熊肉が一番美味いので、調理法を間違えなければ、必ず美味く仕上がると豪語。
それにしても、熊肉を"洋食"に仕上げるとは、想定外の料理法に驚きを隠せない。いつもながら和食という枠に捉われない発想が凄い。m(__)m
・太刀魚の天麩羅
〜秋田産の太い太刀魚の天麩羅をタルタルソースで、それに海老芋はトリュフ塩で頂きます。
・白和え
〜ご主人曰く、白和えは材料に工夫が必要。味わいと食感にアクセントをつけるため、ベニアカネ、干しシイタケ、海老など画一的にならないよう配慮されている。
・イクラご飯
〜朝どれのイクラを、ササニシキとコシヒカリをブレンドした炊きたてご飯にのせて、モズクのお吸い物ないぶりがっこでシンプルに頂きます。
またまたご主人の交友関係の話にはなると、益々広がっているようで、イチリンハナレの◯◯さんの名前まで。どうも、色々な分野の料理人からは「兄貴」と呼ばれているらしい。
・たかむら麺
〜今や、大人気のたかむら麺。東京のイタリアン『TACUBO』さんでもパスタとして使われている。
・栗のモンブラン
〜イチジクのコンポートが隠された栗のモンブラン。めっちゃ美味い。
秋田のカリスマ料理人、高村さん。
毎回、新たな試みにトライされ何が出てくるのか楽しみ。定期的に訪問させて頂きたいお店です。(^_−)−☆
ごちそうさまでした。
八寸。本モロコの山椒煮、銀杏、玉、きぬかつぎ、ゴマ寄せ。どれも大事に頂きたくなりほど、見た目も綺麗で繊細な味わい。
沢煮椀。10種類の山菜とキノコを昆布出しに濃くを出す為に豚の背油を入れて仕上げる。すっごく健康的な逸品。
高村さんご夫婦。優しい奥さまも料理に造詣が深い方。(料理人ですから・・・)
蕪餅。蕪は出汁がでるが、それでは普通のやり方になるので、出汁も使って蕪餅として全ての旨味を凝縮して閉じ込めた絶品。ベステルキャビアをのせて上品に。
風格を増してきた屋号『日本料理たかむら』。
蕎麦粥。牛タンで出汁をとった珍しい蕎麦粥。
蕎麦粥。器も骨董品のように珍しい柄が多い。
秋田産のアオリイカ、クエ、ホタテに水前寺海苔を添えて。やはり地物ですから鮮度抜群。
毎回、お椀の美しさに惚れ惚れしてしまう。
比内地鶏の肉詰め。目の前の七輪で焼き目を入れて仕上げます。
比内地鶏の肉詰め。首皮に内臓以外の全ての部位を細かく叩いて詰めた肉の塊りを備長炭でじっくり焼き上げる。
ご主人からは事前に赤身の多い熊肉を見せて頂きます。やっぱりジビエでは熊肉が一番美味いとのこと。肉自体が美味いので調理法を間違えなければ必ず美味く仕上がると豪語される。枠に捉われない発想が凄い。
熊肉のシチューにマッシュポテト添え。現れたのは八丁味噌でちょっと甘めに仕上げた熊肉のシチューなんです。
白和え。ご主人曰く、白和えは材料に工夫が必要。味わいと食感にアクセントをつけるため、ベニアカネ、干しシイタケ、海老など画一的にならないよう配慮されている。
太刀魚の天麩羅。秋田産の太い太刀魚の天麩羅をタルタルソースで、それに海老芋はトリュフ塩で頂きます。
モズクのお吸い物。
イクラご飯。朝どれのイクラを、ササニシキとコシヒカリをブレンドした炊きたてご飯にのせて。
香り高いいぶりがっこでシンプルに。
たかむら麺。今や、大人気のたかむら麺。東京のイタリアン『TACUBO』さんでもパスタとして使われている。
栗のモンブラン。イチジクのコンポートが隠された栗のモンブランとは、どこまで挑戦するのか。
玄関のアプローチ。すっきりとした雰囲気。雪が降るとさらに趣きが。
ちょっとしたお出迎えの雰囲気が。
低温で長期熟成された限定生ビール「ガージェリーエステラ」。
お薦めの「しらら」という炭酸水。白樺の味わいらしく驚くほどすっきりしている。たかむらさんの料理にあうように特別に作ったらしい。
SUNTORY角の原酒。ボトルには寿屋のイニシャルが。
2022/11/17 更新
2018/03 訪問
【再訪】秋田、江戸料理の哲学を知る『伝統料理の奥深さに、挑戦と進化を・・・』
3月になりちょっと寒さも峠を越したような秋田の夜。またまた『日本料理たかむら』さんに伺います。予約がとりにくいお店に変わりはありませんが、いつもタイミングがいいと言うか、有難いことに相性が良いのかもしれません。
いつもよりちょっと早い時間に伺うと、カウンターはまだ空きがあるが予約席ではあるようだ。今回からと言うか3月から値段設定が変わったらしい。お任せは、今までは8,000円と10,000円だったが、それに13,000円が新たに設定されたもの。
今まではオーダーだった熊肉やすっぽん料理等の良い材料を使う最上位クラスを常設的に設定されたとのこと。さっそく、新たなクラスでお願いすることに・・・。
【八寸】
~茶ぶりナマコは番茶で湯がいているので生臭さがなく、柔らかい絶妙な歯ごたえに旨味が染み渡る。天然子持ち昆布は噛むと味わいあるぷつぷつ感がいいね。ホタルイカの昆布締めにちょっと焼き目を入れている。アサリの出汁に山菜を入れて煮こごり玉子焼き風に。玉子焼きは正調江戸前の逸品。なぜかもろきゅう。
【比内地鶏の碗物】
~比内地鶏、すっぽんのワンタン、筍を加えた1品。それに野菜を添えたもの。とにかく上品な出汁と比内地鶏の濃くがなかなか強烈な美味しさで、すっぽんのワンタンも個性豊か。
それに、またまた素晴らしい御碗を使っている。目の前におかれた黒地に鮮やかな金色の漆を塗り重ねた立体感、色合いの奥深さが素晴らしい。器も料理の美味しさを表現してくれますね。
高村さんは、東京目白にあった江戸料理の名店である「太古八」で修行され、東日本大震災を機に「太古八」仕様のお店を建てて今に至るという由緒正しい江戸料理を継承する第一人者。それも秋田で・・・。
【毛蟹の巻き寿司】
~毛蟹の身がたっぷり入った巻き寿司。海苔巻きが強すぎて毛蟹の味わいがちょっと薄れているかな。
【金目鯛の焼き物】
~金目鯛は身が柔らかいので少し干してから、焼いている。干すことによって皮目もパリッと食感も素晴らしい。身を半分頂き残った皮だけでもパリッとして形も崩れないくらい。(写真をご参照)それに食用のほおづきと山ももを添えて。
【鮟肝の旨煮】
~ちょっと辛しを添えて頂くが、やはり味付けは旨煮になっているんですよね。ちょっと甘めで旨いな~。鮟肝の濃さに煮付け具合が絶妙です。
【お刺身】
~アイナメ、白海老、さくら鱒(本鱒)。アイナメの歯応えとじわっと広がる上品な甘みには塩が合いますね。白海老とさくら鱒のルイベも塩にすると混じりけのないそのまま素材の旨さ。
【すっぽん椀物】
~すっぽんの身がたっぷり、定番の蕪はそのまま使うのではなく、蕪を裏ごしして〇〇(ど忘れです)を加えて揚げた蕪餅に仕上げてあり、もちもちでトロトロの食感。すっぽんは卵があるのでメスを使うとのこと。ちなみに、見分けかたは尻尾が短い方がメス。蕪の使い方等、色々な工夫が素晴らしいですね。
高村さんも少し料理が落ちついたところで、今夜の話題は江戸料理とは?。「具体的にこれというものはありませんが江戸料理の哲学(概念)は明確ですね。『華美でなく、派手でなく、美しく。』この哲学(概念)が全てですから、本当に理解していないとここまでこれなかったと思います。」と目がキラリ。ちなみに、京料理はお公家さんの文化、江戸料理は武士の文化から・・・。
ところで江戸前は東京湾で採れた魚介を使った料理のことであり、江戸料理とは異なるとのこと。江戸料理や京料理はベースになる哲学(概念)なんですね・・・。
秋田に戻った当初は苦労したが、県外からもお客様がきてくれるようになって、ようやくやりたいことができるようになった。だから、伝統的な江戸料理の哲学を守りながら新しいことに挑戦できるようになりお客様には感謝してますとのことでした。
【お摘み】
~下関の天然河豚の白子が口の中で蕩けてしまう。庶民にはもったいないのでじっくりと時間をかけて味わうほど。それに白魚の海苔巻きだが、複雑な具の旨みが交じり合っている。
黒川カボチャ、アメーラトマト、きゅうりは、どれも新鮮で綺麗。ちょこんとのってる黄色い卵はすっぽんの漬け。色彩のバランスが取れて奇麗。
【甘鯛の松かさ揚げ】
~秋田産の甘鯛の松かさ揚げに春トリュフの塩で頂きます。パリパリの鱗はまたいいね。揚げ方のコツを教えて頂いたが、実際に調理することはないし・・・。
【虎ふぐの雑炊】
~虎ふぐ出汁の雑炊は上品で旨いのだが、ちょっと関西人には薄味かな。
【デザート】
~豆腐のティラミス風に抹茶かけ。これまた高村さん独自のアイデア料理。一番下の敷物にはパン生地にコーヒーを染み込ませて豆腐が洋菓子のティラミスに変貌している。これは豪華列車のトランスイート『四季島』にてだされていたもの。
他のお客様で料理に詳しい方もおられて勉強になりました。それにしても、高村さんの人脈というか、料理界のポジションは凄いですね。特に国内外を問わず超一流の料理人と頻繁にコラボされて、殻に籠らず新しい料理に挑戦を続けている姿勢が素晴らしいと思います。
いつもながら、ワクワクした楽しい料理界の話に美味しい料理の数々で大満足な夜となりました。
毎度のことながら、秋田はいいな~。
ごちそうさまでした。
2018/10/31 更新
2018/02 訪問
【再訪】祝、2018年度ゴールド獲得!!! 東北地方から初の快挙『江戸料理を秋田から謙虚に発信・・・』
またまた、東北に大寒波が訪れたタイミングでの秋田訪問。今夜は「日本料理たかむら」さんのゴールド獲得の御祝いに訪れたようなものです。秋田らしく寒さ(ー3℃)が身に染みるなか、雪に包まれたお店に到着。雪景色がなんとも幻想的でいつもながら期待感から気分が高揚してくる。
『こんばんは。ゴールド獲得、おめでとうございます。(*^^*)』
カウンター席に通されるなり、ご主人の高村さんに御祝いのご挨拶。高村さんも奥さまもニコニコ顔で『本当に嬉しいですね。東北では初めてなんですよ。』ほ~、それは初耳でした。
こういうことには斜に構える料理人がいるなか、地元の常連客でもない、京都の一高村ファンの言葉にも素直に喜ばれていることが懐の深さを感じて何か嬉しい。
今年のThe Tabelog Awardには共通の知人(Wさん)が招待されていたので、事前に日程を聞いていたもの。その後に、結果を知ってさすがに驚きましたね。ブロンズからいきなりゴールドですから。ちなみに、Wさんもブロンズを獲得されて嬉しい限り。
だが、高村さんはお客様の予約で欠席されたらしくご本人は残念だったと思います。ですから、奥様は『来年はお店を休んででも出席しますよ。』とキッパリ。
受賞式典の様子を携帯のビデオで見せて頂きましたが、こういう豪華な晴れの舞台に大都市以外の地方代表として登壇して頂きたいものですね。きっと、地方の料理人の方の励みになることでしょう。
カウンター席は今日も満席。前回と同じくカウンターの最後のお客になっていたようです。すぐにガージェリーエステラという低温で長期熟成された限定生ビールを注文。やはり美味しい。
【八寸】
~茶ぶりナマコは番茶で湯がいているので生臭さがなく、柔らかい絶妙な歯ごたえに旨味が染み渡る。天然子持ち昆布は噛むと味わいあるぷつぷつ感がいいね。本シシャモは北海道鵡川産で身が厚く食べごたえあり。玉子焼きは正調江戸前の逸品。
【すっぽんの茶碗蒸し】
~すっぽんの出汁が効いた茶碗蒸しに春トリュフをのせた豪華な逸品。この春トリュフの香りが口の中に広がる幸せ感が半端ない。底には柔らかく煮たすっぽんのコラーゲンたっぷりの肉が隠されている。探しだす楽しみもありかな。
【毛蟹の巻き寿司】
~毛蟹の身がたっぷり入った巻き寿司。鮨職人さながらの料理を出してたら鮨屋さん(Wさん)から文句言われますよ。
【ヤガラの碗物】
~3kgもあるヤガラの椀物。ヤガラは頭でっかちで長いのでこれくらいの大物になると、2m?くらいあるらしい。それにむくもち大根などの野菜を添えたもの。とにかく繊細で上品な出汁とヤガラの身が太くて旨い。
それに、この御碗が素晴らしい。目の前におかれた御碗の深緑の鮮やかさと漆を塗り重ねた立体感、色合いの奥深さに目を奪われる。ある京都の料亭から骨董品として売りに出されたもので、まとめて購入されたらしい。綺麗です。
高村さんは、東京目白にあった江戸料理の名店である「太古八」で修行され、東日本大震災を機に「太古八」仕様のお店を建てて今に至るという由緒正しい江戸料理を継承する第一人者。それも秋田で・・・。それに器にも拘りが・・・。
宿泊して連日来られるお客様に毎日料理を変えるのは、料理人としては当たり前のことと仰る。特に、2日目の方に八寸は出さないらしい。料理のレパートリーと対応力が凄すぎ。
【お刺身】
~ルイベ(鮭)、ヒラメ、赤貝(閖上産)。
ルイベとヒラメは混じりけのないそのまま旨さ。赤貝は叩いて開かせるが、高村さんは丸くなるように叩くので、内に空気が溜まり赤貝の香りが増すとのこと。なんと繊細なところにまでの気配り。
【焼き物】
~黒むつの塩焼きに椎茸の南蛮漬けと山もも。黒むつは身が厚く脂がのって旨い。それより椎茸の南蛮漬け。唐辛子やネギと合わせた酢に漬けた料理だが好きな味付け。
【百合根饅頭】
~百合根に海老と松の実を加えて蒸した饅頭。これは絶品でした。とにかく百合根を裏ごしして素材が蕩けるようで、百合根がこんなに美味しいとは初めて知りました。舌触りも良くほどよい甘みと上品な餡が蕩けるような本日最高の逸品。
【お摘み】
~下関の天然河豚の白子が口の中で蕩けてしまう。庶民にはもったいないのでじっくりと時間をかけて味わうほど。それに鰯の海苔巻きだが、複雑な具の旨みが交じり合っている。黒川カボチャ、アメーラトマト、きゅうりは、どれも新鮮で綺麗。
【蝦夷馬糞雲丹の天婦羅(昆布巻き)】
~巻いた昆布に蝦夷馬糞雲丹をたっぷり入れて天婦羅に・・・。火入れが難しいでしょうね。天婦羅専門店でも難しそうな感じ。トロトロで熱々で旨すぎる。
【たかむらの担々麺】
~これが有名な高村の蕎麦担々麺であり、立派な日本料理になっている。何にでも挑戦するんですね。飽くなき好奇心と挑戦する心意気が素晴らしい。
【デザート】
~豆腐のティラミス風に抹茶かけ。これまた高村さん独自のアイデア料理。一番下の敷物にはパン生地にコーヒーを染み込ませて豆腐が洋菓子のティラミスに変貌している。これは豪華列車のトランスイート『四季島』にてだされていたもの。
他のお客様が帰られたあとに、片づけをされている高村さんと暫し楽しい会話に・・・。秋田は素材も素晴らしいが、各ジャンルにおいて高村さんのようにレベルが高く美味しいお店が多いとの話になる。だが、営業日が重なるのであまり交流はなさそう。
かえってWさんのように県外の料理人との交流が多いらしい。最近は海外もとのこと・・・。交流のある方(料理人)のお名前を聞いただけでただ驚くのみ。フェンシングのOさんまででてくるとは・・・。
今夜は百合根饅頭が絶品でした。すると、高村さん、『前回は月の輪熊の肉系の料理でしたが、今日は魚と野菜中心だったので、丁度良かったでしょう。』げげっ・・・、前回の料理まで覚えておられ、ご配慮頂いていたとは。
またまた奥深く美味しい江戸料理と高村さん夫婦との楽しい会話で充実した秋田の夜となった次第。人を惹きつける高村さんの人間力と控えめな奥さまの人柄が魅力的なお店です。
あ~、また伺いたくなったなあ。
ごちそうさまでした。
2018/02/24 更新
2017/12 訪問
秋田、東京から秋田で進化した江戸料理『月の輪熊を喰らう・・・深々と雪降る夜に』
"ようやく"という表現が本当にしっくりくるな~。なかなかタイミングが合わずに、延び延びになっていた「日本料理たかむら」さんに伺う機会がようやく訪れた。嬉しい限り。
今年からJR東日本の豪華寝台列車「トランスイート四季島」の車内料理を提供することになり、かなり営業日も制限されていたこともあるが、それにしても超人気店ですから3ヶ月前の予約でようやく実現の運びとなった次第。
秋田らしく新雪が降りしきるなか、雪に包まれたお店に到着。雪景色がなんとも幻想的でいやがおうえにも期待感から気分が高揚してくる。
綺麗な玄関からお店に入ると、カウンターの最後のお客になっていたようだ。カウンター席に座ると御主人やスタッフの方が何気なく声をかけて頂けるので、すんなりとお店の雰囲気に溶け込んでいく。
注文はお任せ(10000円)をお願いしていたので、考えることなく先ずはガージェリーエステラという限定生ビールを注文。肉厚の薄いガラスコップの口当たりがいい。
【秋田産鱈白子の甘酢餡掛け】
~御主人曰く、「とにかく白子は鮮度が命なので、地元男鹿半島産に拘っている」とのこと。秋田で食べるには北海道産でも駄目らしい。ちょっと中華風の蕩ける白子は大好物。
ちなみに秋田では鱈の白子をだだみと呼ぶが、だだは男性という意味で、そこから白子をだだみと呼ぶらしい。また山形のだだ茶豆も本来旨い豆は、なぜか男性が食べるべきという古い考えから由来するものらしい。
【前菜】
~天然子持ち昆布は、お正月にしか頂かない料理なので旨さの基準がよくわからないがおめでたい雰囲気。本シシャモは北海道鵡川産で身が厚く食べごたえあり。焼き銀杏は一大生産地である愛知県曽於産であり大きくて粒揃い。宮崎産のきぬかつぎにカラスミをのせた一品はいい感じ。ばい貝は北海道産でいいお摘まみ。
玉子焼きは「正調江戸前です。」とのこと。そこから玉の旨さの話になるが、御主人としては今まで食べたなかでは銀座「鮨さいとう」の玉が絶品だったとのこと。トロトロとした旨さは別格であり最高らしい。でも、やはり鮨はちょっと値段が高いですよねとの話に・・・。
【すっぽんの茶碗蒸し】
~すっぽんの出汁が効いた茶碗蒸しに、やわらかく炊いた蕎麦の実をのせており、この蕎麦の実の香りが何とも言えないひなびた趣があって初めての食感。さらに五色あられの彩りがいい感じ。
次はさっぱりしたお酒をお願いする。頂いたのは「刈穂(シルキースノー)」秋田酒造。
【沢煮碗】
~セリ等の山菜にきのこ10種類以上を昆布出汁でまとめた碗物。ご主人が仰るとおり其々に個性が強いので昆布出汁で調和をとるというイメージらしいが、食べてみるとやはりかなり主張しあっているようだ。
カウンター席は地元の名士らしき2つのグループで其々に会話しているので、御主人はこちらから質問すると懇切丁寧に教えて頂き、奥様からも色々と話しかけて頂いて楽しい食事となる。それに男性スタッフ、女性スタッフも皆さん明るくハキハキとしてすごく感じがいいですね。御主人と奥様の人柄でしょうか。
御主人である高村さんは、東京の料理学校を卒業して目白にあった江戸料理の名店である「太古八」で修行されたらしく、奥さんもまた同じ料理学校出身。その後、秋田でお店を出していたが「太古八」の師匠から跡を継いで欲しいと・・・。ところが前後して師匠が亡くなり、意を決して跡を継ぐことに・・・。しかしすでに秋田で出店していたためそのまま秋田に残り、東日本大震災を機に「太古八」仕様のお店を建てて今に至るという江戸料理の由緒正しい歴史を語って頂いた。
てっきり京料理であり京都の料亭で修行されたと思っていたが、思いもよらない経歴の持ち主と聞いて驚いた。勉強不足で申し訳ありません。ですから、高村さんは伝統的な江戸料理を継承する第一人者ということなんです。それも秋田で・・・。
【お刺身】
・氷見の寒ブリ
~寒ブリの脂が醤油を弾くので大根おろしに醤油を吸わせて目ネギを巻くという工夫された1品。奥様からご指南頂く。
・佐渡の鯖
~軽く締めて炙り、胡麻油を薄く塗ってカラシで頂く。これは山葵がなかった江戸時代では辛しを使っていたことから。江戸料理らしいな。ちゃんと理由があるんですね。
・ヤリイカ(秋田)
~甘いヤリイカは、男鹿半島の塩と焼いた竹塩を軽くかけて頂くが更に甘味が増してくる。
料理を堪能しながら高村さんとお話していると、「ちょっと値は張りますが月の輪熊の肉を仕入れているので、如何ですか。」との嬉しいお誘いの言葉。実はお隣のグループは月の輪熊を目当てに来ているらしい。是非とお願いすることに・・・ラッキー。
ちなみに熊を狩猟できるのは冬眠する前まで。冬眠中は狩猟禁止。春先は冬眠明けの餌をたくさん食べた時期が旨いらしい。月の輪熊の肉をみせて頂いたが、脂身より赤身が多いのは珍しく今年最後の熊とのこと。グルメ芸人の○○も熊を食べたいので、この時期に予約してくるらしい。ちなみに4万円/kgの高級品。
【月の輪熊の煮物】
熊肉となると、かなり強烈な臭いや固さがあるのかと思っていたが、まったくもって旨い肉である。ゴボウとセリを炊き合わせた赤身は柔らかく煮物としても絶品。山椒を添えて。脂身もくどくなく意外にあっさりとした旨味が秀逸である。高村さんも今までジビエでは猪肉が一番美味しいと思っていたが、熊肉を食べてからは考え方が変わったらしい。でも脂身が旨いというが、やはり赤身あっての脂身ですから肉質のバランスが大事とのこと。
次のお酒は「影鳥海山」秋田県由利本荘市天寿酒造。何かやわらかな旨味と穏やかな香りが心地いい感じ。
【焼き物】
~大きな鰆の焼き物。秋田の鰆はお薦めとのことだが、広島の鰆も旨いですよ。
【お摘み】
・蛸の柔か煮~周りの皮の部分は柔らかいが、丸い筋肉部はしっかりした歯応えがある。
・鯵の磯辺巻きジュレのせ~これは見た目もお洒落な磯辺巻きだが鯵の風味は抑え気味。ジュレが綺麗。
・大黒たけ、黒川カボチャ
・食用菊~食用菊の秋田での呼び名は「もってのほか」。もともと天皇家は菊の御紋ですから、昔は菊を食べるとはもってのほかであるという意味からきたものらしい。なるほどと妙に納得してしまう。
【海老芋のトリュフ塩かけ】
~日本料理らしい蒸した海老芋にたっぷりのトリュフをかける味わい深い逸品。トリュフたっぷりで旨いでしょうと自信満々の逸品。
【お食事】
~白御飯に牡蠣の生姜しぐれ煮が絶妙。更にカラスミをたっぷりかけて頂く。〆の食事としては贅沢な御飯物。たっぷりとろろの入った汁が濃くて旨い。
また、デパートやネットで「たかむら」の贈答品を扱っているとのこと。え~そうなんだ。ということは、自宅でも頂けるんですね。するとその話に関連して、最近の地方で名を馳せたお店がすぐに東京に行ってしまうという話になる。高村さんとしては残念らしく、地方にいるから価値があるのにな~と呟く。そんなこともあり、地方からでも情報発信できると考えられたのでしょう。
【生麩のぜんざい】
~デザートには生麩と白餡のぜんざい。ぜんざいに白餡は珍しいが、とにかく甘さが絶妙に丁度良くこれは旨い。それに五色あられが綺麗。
奥深く美味しい江戸料理と秋田のお酒に高村さんとの楽しい会話で充実した秋田の夜となった。帰りにはご丁寧に玄関まで御夫婦でお見送りして頂く。お二人とも写真を撮影しようとすると、ピースサインというお茶目なお見送り。(^_^)v
ちなみにお店は会員制ですが、これは予約した方が連絡なしでドタキャンすることが多くなったので、やむ得ず常連さんか常連さんからの紹介の方の会員制されたとのこと。
「日本料理たかむら」に伺いたい方は日本全国にたくさんいます。どちらのお店でも、心ない方のために伺う機会を逸しているお客様がいることを理解して頂きたいものです。
秋田の「日本料理たかむら」。
人を惹き付ける江戸料理と高村さん御夫婦の人柄が魅力的なお店。
ごちそうさまでした。
2017/12/18 更新
秋田料理界の頂点に君臨する『日本料理たかむら』さん
秋田だけではなく、日本料理界の重鎮ですね
今夜は、秋田の食べ友様主催の食事会
全国の名だたる料理人から"兄貴"と慕われる高村さん
もはや何も説明する必要はないので、本日はお料理のみ
いつも食べ歩きばかりで、僅かながらの罪滅ぼしと
昨年は奥さまと一緒に伺って以来の訪問
低温で長期熟成された「ガージェリーエステラ」で乾杯
❶八寸
特製玉子焼き カマスの風干し 石川小芋
浅利と春菊の胡麻寄せ 車海老つや煮
銀杏 生落花生 ばちこ
❷鱈の白子(秋田産)甘酢餡
❸イクラの醤油漬け丼(小)
❹沢煮椀
❺かんずり和え
本鮪(八森)活蛸(秋田)鰤(噴火湾)
❻比内地鶏(秋田)首皮包み焼き
❼鰆(秋田産)蕪蒸し 百合根の餡
❽焼き茄子 汲み上げ湯葉 菊のお浸し
黒皮南瓜の旨煮
❾毛蟹(秋田産)のクリームコロッケ
海老芋唐揚げ 特製タルタルソース
➓すっぽん雑炊 香のもの
⓫特製モンブランと柿
誰にでも分け隔てなく接する"兄貴"の高村さん
和装の似合う笑顔からも凛とした雰囲気漂う女将さん
"あらっ"といつも笑顔で接して頂く女性スタッフさん
生真面目に料理を出して頂く男性スタッフさん
料理だけではない"日本料理 たかむら"のホスピタリティ
心豊かにして頂ける魅力的な数少ない超一流店
毎度、期待に違わぬお料理の数々には感心するばかり
ごちそうさまでした