2回
2015/10 訪問
『驚愕!京丹後の片田舎に』人気のお店が・・・・
本当に驚きましたね。京丹後市の片田舎にある創作料理屋さんですが、評価が高いので息子嫁の実家にほどちかくお祝い事の機会に伺いました。
事前にコースを予約して京都から車で峰山駅まで約2時間半くらいでしょうか。それからまた道がわかりにくいこと。特に初めての場所でナビも迷いそうな地域でした。
しかし、駐車場からお店に近づくごとに建物のたたずまいにオーラあり。田園風景に佇む落ち着いた木造建家に高級感の香り。
玄関から通されると、広く贅沢な空間にテーブルがゆったりとおいてある。更に奥にはカウンター風の席が用意してあります。とにかく空間の使い方が上手でお洒落ですね。まず、料理を頂く雰囲気に期待感が増します。
スタッフが少ないので、おそらく少数の予約客しかとらないような感じですね。もしかするとご夫婦だけかも。ご主人からコース料理を一品一品丁寧に説明して頂きましたが、ふんふん、ほ~と感心しきり。本当に丁寧に説明して頂きました。
どの料理も上品で美味しいですね。全体的にもの凄く薄味です。関西グルメに慣れきった舌には、ちょっと上品過ぎるかもと感じました。
コース全体を楽しむようなコンセプトであり、上品で美味しかったという印象が強過ぎて、それぞれの料理の印象をレビューしようにも全体のイメージしか思い出せませんでした。
半年前の記憶ですから、いい加減になりかねないためここで筆をおきます。参考にならず誠に申し訳ありません。
次回は其々の料理を頂いたうえでしっかりレビューしたいと思います。
ごちそうさまでした。
2017/03/22 更新
京丹後市峯山町の街並みから更に山手方面に向かう。以前は山道に近く夜の外灯は殆どないような道路であったが、最近は割と道幅も広くなり、帰りの夜道も女房にとってはかなり運転し易くなったようだ。それに途中の高速道路もかなり連結が良くなり運転時間も短くなって快適になったかな。
京丹後市へはなかなか行く機会がないが、息子嫁の実家があるので、孫(長男)誕生の吉報の連絡があり駆けつけた次第。最近は、思ってもみなかった慶弔事が続くので毎週忙しい週末を過ごしているが、今回はお祝い事なので遠い道のりも気にならない。祝い事を済ませて夜は楽しみにしていた『魚菜料理 縄屋』に伺う。
3年前に伺っているので、おおよその位置関係は把握しているつもりだが、やはりわかりにくい場所ではある。割と広い道路から脇道に入り、暫くして大きな木造の建物を見つけると、まだ駐車場には1台も停まっていない。一番のりというのも悪くないものだ。
駐車場の反対側の水路を見ると、女房がカイツブリ(雛鳥)を発見すると慌てて羽根をバタつかせながら水面を走って逃げたらしい。何とも情緒ある風景に気持ちも穏やかになる。喧騒のサラリーマン社会に生きているいつもの世界と同じ空間とは思えない。
玄関から飛び石を通って玄関に向かうと、すでに奥様が扉を開けてお出迎えしてくれる。木造の建屋も凝った造りになっているので、建屋の雰囲気から部屋に向かう空気感もお洒落でいい感じである。聞くと、ご主人が地元の設計士と試行錯誤しながら作り上げた建物らしい。
奥様に離れの個室に通して頂くが、室内の設えは落ち着いた趣はあるものの何とも広い。聞くと8畳あるらしく、廊下から畳部屋の奥行きは女房との2人だけではあまりに持て余す。今回、事前に和室(個室)をお願いしていたが、実際にテーブルに2人だけで座るとちょっと寂しいので、申し訳ありませんが、結局カウンター席に替えて頂いた。
料理は、2人ともに事前にお願いしてた11,000円のコース。最初は、冷たい瓶ビールで喉を潤す。女房は紅芋酢ソーダだが、まるっきりお酢って感じかな。
・丹後トリガイ(リンゴ酢+キャベツ添え)
~あまりの旨さに驚きのトリガイ。冷たい刺身と思いきや、ちょっと温かくてリンゴ酢の香りがたっている。この厚みと初めての食感が素晴らしい。トリガイの下には刻んだキャベツが敷いてあり、ちょっと挟んで頂く。このトリガイは大きくて旨味があるので、地元ではブランド化しようとしているらしい。それも頷けるくらいのサイズ。
毎週、土曜日に放送されている小生の好きな番組『青空レストラン』で、たまたま知ったのだが、来週この「丹後トリガイ」が取り上げられるようだ。それにこのお洒落なガラス器のインパクトが素晴らしく更に印象的。最終的に、何か料理の印象を全て持って行った感じでしたね。
・お刺身盛り合わせ(丹後産)
~鯵の葉桜和えに芽紫蘇の香りが絶妙。葉桜をこんな使い方をするんですね。いつもは鯵のプリプリ感を楽しむが、今回は鯵自体が葉桜和えと芽紫蘇に活かされているような感じ。
~まこカレイは普通に食感もプリプリで旨い。それに添えてあるみょうがたけがなかなか珍しい。みょうがが伸びた茎を刻んだものだが、まさに味はみょうがである。
いつもはビール党ではあるが、少しはお酒をと思い地元の竹野酒造の「旭蔵祭」を注文する。ご主人によると、竹野酒造は地元の酒蔵で色んなブランドを出しているよう。それからは3人で取り留めのない様々な話に。醤油はかなり味があり特徴的なので地元のメーカーかと思いきや、地元の醤油屋さんは自社ブランドではなく色んなブランドを混ぜているだけらしく、結局自分で造っているとのこと。田舎だから全てが自然でいいものとは限らないようだな。
・たまごスープ(新玉ねぎ、雲丹)+アサツキの花
~たまごのスープと説明を受けてちょっと拍子抜けしたが、中身はめっちゃ工夫を凝らして充実している。新玉ねぎの一片を器代わりにして雲丹を卵風味に味付けしている。見た目もアサツキの花が散らしてありお洒落な一品。だが、新玉ねぎが強すぎて雲丹の味が消えてしまっているので、別々に頂くことに。ちょっと残念。
・お吸い物(アイナメ、野三つ葉、蓴菜)
~アイナメの骨を焼いて出汁をとったお吸い物。アイナメの白身とあくの強い野三つ葉の香りに蓴菜の滑らかな舌触りが秀逸。アイナメはやはり上品な味わいがある魚である。
すると、またまたご主人が登場して、よもやま話になる。ご主人の吉岡さんは京都和久傳で修業してから地元のこちらにお店を出したらしいが、これほどの腕であれば、何故京都市内にしなかったのか疑問。だが、都会の喧騒や色んな軋轢・気遣いがあまり好きではないらしく、やはり地元でのびのびと好きな料理を楽しみたいとのこと。(奥様も言ってました)それができるにはやはり料理の腕とセンスですよね。それに、けっこう幅広い交友関係があるらしく、他のお店の話も楽しく聞かせて頂きましたので、そちらのお店も機会があれば伺いたい。
・黒むつの塩焼き(アカミズナ、赤酢和え)
~これが噂の黒むつの塩焼きだが、食べてみるとレア感満載である。生でも頂けるのでしっかり焼いた黒むつよりジューシーで赤酢がほど良い酸味を加えて味わい深い。また、アカミズナの彩が綺麗で食欲をそそる逸品。
・モズク蕎麦
~これは前回も頂いた一品。蕎麦にモズクってけっこう合うんですね。
・イサキ白子
~イサキの白子。こんな珍しい白子は初めて。魚臭さが残らないように薄味で炊いてある。珍しくはあるが、淡白で取り立てて旨いとは思わないかな。
・イバラガニモドキ(大バルコ百合の餡掛け)
~ズワイガニの本場である京丹後なので、てっきりズワイガニと思いきや、イバラガニモドキというタラバガニの仲間で、その違いはその身体の色がくすんだベージュらしい。百合の餡かけというなかなか食べる機会がないが、百合って食べれたんだと感心しきり。百合にはスイセンと同じ毒性があるという先入観がありすぎたもの。こちらは食用の百合らしく歯応えもある。
因みに、タラバガニはヤドカリ科に分類されるが、ズワイガニはクモガニ科に分類されるので、正真正銘のカニ。見た目にも足の数が違う。タラバガニは8本だが、ズワイガニは10本と分かりやすい。
奥様に焼酎の水割りを注文。ご主人とは同郷らしく同級生ですか聞くと「・・・そう見えますか?」と、ちょっとムッとされた様子。飲みすぎていたので、女性には必ず年齢より若くという鉄則を忘れていた・・・残念。すごく感じの良い素朴な話しぶりが印象的で、ご主人とも仲がよさそうでお店がうまくいくはずだな。
・太刀魚とスナップえんどうの炊き込みご飯
~大きな土鍋に厚みのある太刀魚を炊き込んだご飯。大きな太刀魚らしくしっかりとした白身の旨みがお米に染み込んでおり、エンドウがアクセントとなっている。太刀魚は愛媛産らしいが、以前広島で頂いた太刀魚も愛媛産であり、これがまたどでかいサイズだった記憶がある。確か頭煮して頂いたが大皿からはみ出していた。愛媛の太刀魚もブランド化を進めていたと思うが、それで地元が活性化すればいいことですね。また土鍋なのでお焦げも味がある。茶碗で三杯も頂いてしまった。
・いちごアイス(自家栽培)
~色合いが綺麗だが、それ以上に美味しい。イチゴの味が濃い。基本的に野菜や果物はほとんど自家製とのこと。
・蓮根もち、抹茶ソース
~これも前回頂いた一品だが、すごく印象に残っている。写真を見て頂きたいが、赤いお椀に鮮やかな緑の抹茶ソースが刺激的であり、葛きりのような蓮根もちのぬるぬる感が秀逸。
落ち着いた建屋の雰囲気と美味しい料理に楽しい会話、贅沢な時間を過ごさせて頂きました。
ごちそうさまでした。