6回
2018/03 訪問
悶絶‼️1000頭に1頭の割合でしか出ない特選松阪牛のコース
先日田中社長から「凄い牛が入ったのでぜひ食べに来てください」とのご連絡を頂き、これは行かねば!!と思い伺ってきた。
ご一緒さて下さったのはmeer32さんご夫妻と友人のA君である。この人たちとの食事会はいつも内容がとても濃いのである(笑)
2018年、いきなり食べログアワードシルバーを受賞され、飛ぶ鳥を落とす勢いのあるお店なのであるが、やはり社長の努力が実を結んだことが嬉しかったのだろうか、今回これを記念して普段ならなかなか競り落とすことができない1000頭に1頭程度しか出ない43カ月飼育の松阪牛を値段に糸目をつけずに競り落とし、仕入れたそうなのだ。
これくらい飼育したものは普通はA3程度らしいが、今回これは間違いなくA5である。ほとんど市場には出回らないとのことであった。
ちなみにコストを考えるとこの牛は仕入れることができないので、今回は採算度外視であったようだ。
料理の前にこの日のお肉を見せて頂いた。とってもサシがきれいなお肉であった。この日はすべての肉がこの43カ月の牛のものであるとのこと、とても楽しみに頂いた。
最初は福岡の筍から。たしかこれはトゥラジョアで頂いたものと同じ産地の物である。雑味のない筍と上に乗ったベルーガキャビアがとてもマッチして美味しい前菜であった。
昆布締めを頂いたあと、いきなりシャトーブリアンである。ほとんどレアであったが普通の牛とは香りが全く違っていた。松阪牛とは思えないほどのさっぱりとした味わいで、この時点でもうノックアウトである。スダチ、塩などがあったがこれだけの肉はほんのわずかの塩で頂くのが一番おいしい気がした。
椀物は河豚の白子のすり流しにすね肉とフカヒレの塊を入れたものであった。箸休めにしてはとても贅沢な一品である。
次は田中社長もうちでは珍しいのですが・・・と前置きしたうえで出されたのが「ハラミのドライエイジング」であった。旨味が凝縮してこんなうまいハラミは食べたことがないものであった。ホントこれは凄かった!!
鮨仕立ての物はウチモモである。それに名古屋の某鮨屋が「名古屋ではうちしかはいりませんから・・・」と自慢していたはだての雲丹を乗せたものであった。肉屋でこの雲丹を食べれるとは幸せなことである。
しゃぶしゃぶはリブリースで根芹と一緒に頂いた。根芹の香りがとても良くて牛肉の味をとても引き立てていた。これも絶品であった。
冷麺を頂いた後は、海苔巻きである。ミスジの先っぽを使用したものらしい。これも大満足であった。
そして最後に真打登場!!得選牛のサーロインのステーキである。私はサーロインはあまり脂が強いと苦手なのであるが、こちらの肉の脂はとてもすっきりしており普通の松阪牛のものとは明らかに違う。こんなサーロイン、今まで食べたことがなかった。
そしていつものように釜炊きご飯とカレーを頂いて終了。デザートはイチゴのジュースであった。
今回は田中社長のご厚意で最高の肉料理を堪能させて頂いた。コースで35000円+税と決して安くはないが、おそらく仕入れの値段を考えると大幅な赤字であろう。それでも今回食べログのシルバーを受賞されたことの記念のコースである。HPにも書いてあったが1頭買いはしているが、肉がなくなり次第終了のコースである。楽しみたい方は今すぐに予約した方が良いだろう。
2018/03/04 更新
2018/01 訪問
チャンピオン牛のみ使用!!田中社長スペシャルコース
いつもは自分で予約して行っているのだが、今回は友人に誘われての訪問である。
夕方早い時間からスタートだったので最初は私たちのグループのみであった。この日は正月早々、美味しい食材はもちろんのこと、田中社長自らが飛騨牛の縁起の良い一番牛を高山で競り落として用意してくれる等、スペシャルなコースを頂くことができた。
ちなみにこの日の営業は私たちのせいで(おかげで??)、他のお客さんも全員このスペシャルコースのみの提供となったようだ。田中社長、いろいろなお気遣いありがとうございました!!
2カ月ぶりにお会いした田中社長は少々痩せられていた。どうやらダイエットに励んでおられるようであった。健康第一ですからね。お互い頑張りましょう!!
4人でカウンター奥の席に陣取り、まずは食材の説明からである。まずは目に飛び込んできたものは深紅のリンゴだ。「天皇陛下献上品同等物」と書かれている。「光密」という品種で一般的には出回らない代物らしい。それは最後に頂くことになるのだが、それひとつとっても田中社長の意気込みが分かるというものだ。肉に関しては誰にも負けない!!そんな自負心が顕著に伝わってくる雰囲気であった。
ここから本日使う肉の説明が始まった。とにかく正月早々なので味も大事だが縁起も大事。ということで一番牛にこだわって下さったらしい。ホントに感謝である。
本日の食材のお披露目のあと、料理が始まった。
最初は飛騨牛とルレクチェ、食欲をそそる一品からのスタートである。とても柔らかく肉自身の旨味を感じることができた。そして次に出てきたのはお披露目の時にビックリしたのだが、超特大の伊勢海老である。和歌山産1.6kgのものだ。それを惜しげもなくサガリと共に小さく刻んでミックスした。刻むならこんな大きな伊勢海老を使うのはもったいない気がするがそれも田中社長のこだわりだろう。お皿に盛り付けそこにベルーガキャビアと馬糞雲丹を乗せて完成した。味は・・言うまでもなくとてつもなく美味しかった。
飛騨牛頬肉のすり流しを頂いた後飛騨牛の競りの一番牛の厚切りのタンの昆布締めを頂いた。炭火でじっくり焼かれたタンはとても柔らかく既存の概念を変えてくれるような食感であった。昆布の味がほんのりとしてこんな美味しいタン、人生で初めて食べた気がした。
お口直しのトマトを頂き次は軽くスモークしたハツの登場であった。新鮮過ぎて血の味が強いのでスモークしたとのこと。柿とバルサミコのソースがばっちり合い食感、味とも文句のつけようのないものであった。
次は牛の握りである。一つは脂の乗ったイチボ、そしてもう一つは赤身のランプ肉であった。両方とも炭で表面を軽く炙り、脂が溶ける程度の温度にして頂いた。これも美味しかったなあ~~
焼いたレバーを頂いた後は賞を取った三河牛シャトーブリアンのど真ん中を頂いた。これは10日(だったかな??)熟成させてありステーキにはあまり向いていないということで、しゃぶしゃぶにして頂いた。シャトーブリアンなのにかなりの脂を感じる物であった。しゃぶしゃぶにして脂を多少落としてちょうど良い感じであった。とにかく柔らかくて歯が要らない感じである。こんな食感今まで経験したことがなかった。
メインの前に柚子の器に入った固めの冷麺を堪能した。出汁が凍らせてありさしづめシャーベットのような感覚であった。口に入れると溶け出汁の味が麺と共に広がるという趣向のものであった。
そしてメインは近江牛ナンバー12のシャトーブリアンのステーキであった。以前にも解説したがNo.12(ナンバートゥエルブ)とはA5の中でも最高級のものである。じっくり炭火でミディアムレアに焼かれたシャトーブリアンはサシの感じもとても良い。単に柔らかいだけではなく咬むと肉の旨味がじわ~~っと口の中に広がるのだ。口福とはこういうことを言うのだろう。最高の経験であった。
その後釜炊きの龍の瞳を頂いた。ご飯自体が素晴らしい香りを持っておりこのままで食べるのが一番であろう。しかしそこに雪月花特製のN0.12の飛騨牛のみを使用したカレーが出てきたのだ。ご飯をどう食べるか悩ましいところではあるが、最初は白ご飯を楽しみ、その後はカレーをかけて頂きうまくバランスを取った。どちらかだけでは後で後悔しそうだからね。
デザートはカウンターに置いてあったリンゴ「光密」を頂いた。帰ってネットで調べたら一般には流通しておらずある特定のルートでしか買えない物らしい。
天皇陛下献上品と同等の物とのこと。とても美味しく頂いたのだが、どちらかというと歯応えはあまりなく、歯に優しい食感であった。
最後にみんなで記念写真を撮って解散。素晴らしい食事会であった。こちらは名古屋では最高級の肉割烹である。また近いうちに伺いたい。
和歌山産特大1.6kgの伊勢海老
伊勢海老と下がり、馬糞うにとベルーガキャビア
No.12近江牛シャトーブリアン
飛騨牛頬肉のすりながし からすみと共に
昆布締め 飛騨牛一番牛のタン
レバー
シャトーブリアンど真ん中
三河牛のシャトーブリアンのしゃぶしゃぶ
メインの近江牛シャトーブリアン
光密
龍の瞳 釜炊き
2018/01/12 更新
2017/09 訪問
和牛料理の最高峰!!
久しぶりの訪問である。友人からどこかお肉の美味しいお店を聞かれると必ずこちらを紹介するようにしている。しかし私自身はもう数か月訪問していなかったのでそろそろ伺いたい、と思い行った次第である。
今回は1万5千円のコースでお願いした。料理内容は月替わり、また素材の仕入れ状況によって違ってくるので完全にお任せである。カウンターに座ると目の前には岐阜県産と書かれた松茸や栗などが大量に置かれていた。こういうのを見ると期待がとても膨らむ・・・
メインはいつもはコースの最初でフィレにするかサーロインにするか・・等聞かれるのだが、この日はオーナーさんが
「めったに入らない凄い松阪のシャトーブリアンが入ったのでそれにさせてください!!」
と自信を持って言われたのでもちろんお任せした。肉の専門家がそう言われるのだから間違いないだろう。こちらのオーナーさんは毎日カウンターに立って先頭に立って包丁を振るわれている。何店舗もある大きな会社の社長さんなのに、自ら調理場に立ってお仕事をされている姿を見ると
「この人、ホントに肉が好きなんだな~」と思えてくる。そしてこの人に任せておけば肉に関しては間違いないという信頼も生まれてくるのだ。
今回のコースのスタートはまずは「ナムル」からスタートであった。ナムルと行っても普通のものではない。大きなアワビを切ったもの。松茸、栗と言う豪華なものであった。そしてタコ、そうめんカボチャも美味しかった。
そして次は肉に雲丹をはさんだものであった。雲丹は「はだてのうに」高級寿司屋でして見たことのない超一流品である。
これが美味しかったのは言うまでもない。
椀物はもちろん松茸であった。長野県産の松茸は輸入物と違って香りがとても良かった。高級料亭顔負けの料理であった。
舞茸のフライを頂いた後はおまちかねのナンバー12の松阪牛のシャトーブリアンであった。火入れはカウンターの炭火を使った焼き場で丁寧に焼かれ、完璧な状態での提供であった。もうこれは天国、いやそれ以上であった。
ちなみにこちらのお店ではメインによってプラス料金が発生する。今回はこれだけのものを頂いて3千円のプラスだけであった。
最後に釜炊きの松茸ご飯とさっと焼いたすき焼きで終了。こちらのご飯は並みの高級料亭よりも美味しい。肉だけでなくご飯も素晴らしいのだ。
決して安くはないがお値段以上に満足を味わえるお店である。高級店だけど決してかしこまる様な雰囲気ではない。霜降りはあまり得意でない私が大好きな肉割烹なのだ。
2017/10/09 更新
2017/01 訪問
「最高級」が似合う店
約3カ月ぶりの訪問である。月ごとにメニューが変わるので何を食べさせてくれるのかとっても楽しみに行ってきた。今回はカウンター指定である。というのは前回、前々回と4人で行ったため入口手前の個室にての食事であった。個室は個室で仲間内と気兼ねなく楽しめるのでよいのだが、あれだけ大きいカウンターがあるとそちらの方が座ってみたくなるというものだ。今回カウンターに座って前回まで気付かなかったこともあった。
まず一つ目は大きな木のカウンターであるが何とどこにも継ぎ目がない。「まさか!!」と思って聞いてみるとやはり・・・であった。銀杏の木の一枚板なのである。この半分程度の長さの一枚板は寿司屋でたまに見かけることがあり、それがその鮨屋の自慢の種であったりするのだが、比較にならないほど長くて幅がある。値段とそのいきさつも聞いたのだがこちらで公にするのは控えようと思う。またカウンターの後ろにはしっくいで作った波のアートがありしぶきなども表現されていてとても迫力があった。波の先端は立体的になっておりお店の方も出来上がるまで知らなかったとのことであった。有名しっくい作家によるもので畳1畳150万円するとのこと!!あの壁って一体何畳あるのだろう??と庶民の私は考えてしまうのだ。
荒波のアートは何となく北国の荒海を連想させ、凡人の私にはなぜこれが肉屋さんにあるのか理解不能なのだ。どう考えても鮨屋にあった方がしっくりとすると思うのだが・・・(笑)
オーナーがそこまでこだわるのには理由がある。とにかくこちらは田中屋さんの店舗の最高級店。オーナー自ら毎日お店にいるのでほとんどひきこもりになっていると冗談をおっしゃっていた。そういう姿を見てると気合の入れようがよく分かるのだ。気合が入っているのは内装だけではない。いつも田中社長自らカウンターに立ち、料理をしている。普通何店舗も持っているオーナーさんがキッチンに立つことなど聞いたことがない。恰幅の良い田中社長とお話ししているとこの人ホントに肉好きなんだ、ということが分かるのだ。そういう人に仕入れられ、手をかけられた肉が不味い訳がない。実際に今回の料理も抜群に美味しいものばかりであった。
今回のメニューは最初にスープ、そしてフルーツトマトからだ。肉はたん昆布〆からスタートであった。今回はカウンターなのでオーナーさんの手元がよく見えた。下に昆布をぎっしり詰めた箱には薄切りのタンが乗せてある。それを手際よく切って塩昆布と主に出してくださった。単には昆布の旨味が移りとても美味しい。これは絶品であった。肉寿司が出てきた後近江牛のさがりとトラフグの白子のコラボである。さがりとはハラミのことで焼いた下がりの上には白い白子が・・・別に食べても美味しいし、一緒にしてもなお美味しい~~
椀物のあとは牛テールの赤ワイン煮込みだ。もちろん主役は肉なのだが、一緒に頂くエクレアはポルチーニを焼いて作ったものだ。これは毎朝社長の奥様が気持ちを込めて焼かれているとのことであった。エクレアは何だかポルチーニそのもののような香りがしてとても美味しいのだ。素晴らしいコンビネーションを見せてくれた料理であった。
ミノ、しゃぶしゃぶを食べた後にはメインのステーキが出てくるのだが、今回は私は飛騨牛のシャトーブリアンを選択した。まずは社長が生の肉を見せてくれ、焼き場で炭火で丁寧に焼いてくださった。
もちろんレアに近いミディアムレアである。また私がウルフギャングのステーキが好きということもご存じで、表面をウルフギャング風にパリッと焼いてくださったとのことであった。味は・・・最高であった。こんなすごい肉普通のコースでは出てこないよね~^
最後には釜炊きご飯で終了。しかしこちらのご飯は抜群に美味しい。もうすっかりやられっぱなしのディナであった。
2017/02/07 更新
2016/10 訪問
飛騨牛A5シャトーブリアンNo.12の衝撃!!
[2016.10]
連月の訪問である。前回は試食会だったがとても美味しかったので今回は友人のmeerさんたちとの食事会で利用させてもらった。こちらのお店は私の周りでも一度でも行った方にはとても評判が良い。何といっても贅沢な肉を惜しげもなくどっさりと出してくれる。また名古屋初の本格的な肉割烹なのだ。
10月になってメニューが変わったとのこと。今回は何を食べさせてくれるのかな??期待いっぱいでの訪問であった。
入口を入ると相変わらずの高級感、この緊張感は高級店じゃないとなかなか感じることができない。同時にそれがこれから出てくる食事を否が応でも期待させてくれた。また今回も前回と同様端の個室であった。カウンターはスーツ姿の男性たちや、高級そうない出で立ちの女性客ですでに満席であった。オープンしてからやっと2か月というのに認知度の高さはさすがである。今回はちょっ奮発して25000円のコースだ。
着席すると最初にオーナーの田中さんが大きな肉の塊を持ってきて説明してくれた。
「こちらが飛騨牛のシャトーブリアン、最高級、ナンバートゥエルブです・・・」
「トゥエルブ???」何のこっちゃ??と思って聞くとA5というのは高級肉の代表なのだがその中でもナンバートゥエルブ(No.12)というのは最高級の物だそうだ。私たち庶民には全然縁のない番号であった(笑)
まずはまた3大和牛のコンソメから。今度はワイングラスではなく湯呑に入っていた。1枚のトリュフが浮いておりとても香りが良い。食欲をそそる1品だ。
そして松阪牛のイチボの生ハムサラダ仕立てだ。塩味が効いた生ハムは一瞬でなくなった。牛の良い香りのする肉だ。
続いて「近江牛さがり昆布〆とふぐのユッケ、厚岸雲丹、ベルーガキャビアを添えて」である。何だかかなりゴチャゴチャした名前だが雲丹と河豚というのはなかなか相性が良いようだ。また肉もバッチリ!!そして何と言ってもスプーンに添えられたベルーガキャビアが最高!!いい塩味を出してくれた。
その後、タン塩、みすじと九条葱のしゃぶしゃぶ 松茸ポン酢を頂いた。どれも全く文句なく美味しい。ちょっとリッチな肉なので続けて出てくると口の中が脂っぽくなるのだが、メニューもそれを織り込み済みなのか、ここでほっと一息つける「飛騨牛ちまきと林檎赤ワイン煮」が出てきた。
「ちまき」って??と思っていたら早速meerさんがググって、すね肉であることが判明。赤ワインのソースが口の中を一掃してくれリフレッシュな感覚で次の料理を待つことができた。次は近江牛のひれのたたき・・・どこまでも肉が続くのである(笑)
ここでちょっと変わった趣向の料理が出てきた。テールスープならぬ「近江牛テールの炊き物」である。大きな土鍋がひとりひとりの前に置かれ、蓋を取ると大きなテールを煮込んだものが入っていた。一番根元はくど過ぎて食べることができないので2番目の骨を使用しているとのことであった。ということは4人で4頭分、何とも贅沢な話である。しかもこの料理オーナーが子供の頃お母さんが作ってくれたという母の味とのことであった。熱々のテールは生姜で甘辛く煮てあり、箸を入れるとほろりと肉の部分がきれいに取れるのだ。かなり脂ものっているのだがとても美味しく頂けた。おそらく今まで食べたテール料理の中で一番の出来のものであった。オーナーにそのことを伝えると「お母さんが喜びます!」と嬉しい返事をしてくださった。
そして前回と同じ赤身と霜降りの握りを頂いたのち本日のメインである2種類のシャトーブリアンが登場!!
ひとつが近江牛、そしてもうひとつが飛騨牛であった。炭火でじっくりと表面がパリッと、そして中がとってもジューシーはお肉だ。最初にどちらが飛騨牛で・・・と説明は受けたのだが私のバカ舌では判別できない。両方とも抜群に「美味しい」のだ。ここまで美味しいとまあどちらでもいいか!という気になってきた(笑)
かぼすのシャーベットで口を整えいよいよナンバートゥエルブのすき焼きの始まりだ。その前に銅の釜が運ばれてきた。中にはとても香りの高い松茸がどっしり!!お茶碗によそってもらい、ここから自分たちのテーブルの上ですき焼きがスタートだ。
しかしながら自分たちで焼くのではない。ここでもスタッフの方がすき焼きの肉というよりはかなり分厚さのある肉の塊を目の前で焼いてくれた。
すき焼きの割り下を入れるとジュージュー音を立てて良い香りがしてきた。
それを生卵の入った器に入れてくれたのである。玉子に絡めてグッと咬むと歯が要らないぐらいの柔らかさ、とてもジューシーで味わいのあるお肉であった。
とにかくこちらは素材へのこだわり、説明を聞いていると長年肉に携わってきた自信というものが感じられる。飛騨牛、近江牛の分野で言えば名古屋でここを超すような肉の専門店はないだろう。お値段がお値段だけにそうは行けないが、記念日などに行きたいものである。
[2016.9]
友人からの誘いで初めて行ってみた。試食会である。岐阜の有名なお肉屋さんが満を持して名古屋に初出店したということだ。どうやら素晴らしい肉のフルコースを食べさせてくれるということで楽しみに行ってきた。
場所は名駅の第3堀内ビルの地下1階だ。名古屋駅からすぐの場所にあり便利は良いのだが、名駅の華やかな場所とは地下で繋がっておらず正直アクセスは良いとは言えない。また人の流れのない場所なのでなかなかお店が認知されるまでには時間がかかりそうな感じがする。またここは笑笑や奥志摩など比較的安いお店があるのだが、客単価の高いこのクラスの肉割烹に居酒屋の客が来るとはとても思えないのだ。コンクリート打ちっぱなしの壁に白木のドアがとても高級感を漂わせ、扉が閉まっていると中が全く見えず外からは雰囲気さえもわからない。これはまるでハリーウィンストンの入り口のようだ。雰囲気で冷やかしの客が入れないようにして無言で客を選んでいるのである。
さて前置きが長くなったが中に入るととても明るい雰囲気のお店であった。横に長いカウンターがあり入口から右奥と左の突き当りに個室があった。今回は私たちは左手の個室での食事となった。
コースの初めは三大牛のコンソメだ。3大牛とはつまり松阪牛、近江牛、飛騨牛のことである。その温かいコンソメがワイングラスに入っており中にはトリュフがひとかけら入っていた。とても濃厚なコンソメで飲むと食欲を増進させてくれる。トリュフの香りが堪らなくマッチしている。出だしには最高の前菜であった。ただこれはここだけのオリジナルかと言えばどうなんだろう?どちらが先かは知らないが東京のマルゴットエバッチャーレで全く同じものを飲んだことがある。
次は自家製の飛騨牛生ハム、旬菜ナムルサラダ仕立てだ。生ハムはハムと感じさせないほど瑞々しくしっとりして肉の味がする。軽い一品だ。
そして次はかなり重い。雲丹の殻の器に松阪牛のタンを昆布締めにして雲丹とキャビアを乗せたものだ。これは美味い!!昆布締めは普通白身魚で行う技法だが牛タンにもばっちり合う。新鮮な雲丹とキャビアが相まってとても美味しかった。ちなみに肉の下には昆布が敷いてあった。
次の肉料理は近江牛のミスジのしゃぶしゃぶだ。とてもきれいな色をした薄切りのミスジに店員さんが特製の鰹出汁をかけてくれた。それをポン酢で頂くのだが口の中に入れるととろけそうな柔らかさだ。口の中は天国だ!!食べた後肉の旨味の出た鰹だしをポン酢に入れて飲んだのだがこれがまた美味しかった。
メニューにはなかったが続いて塩ミノ、薄切りでコリコリしてとても美味しかった。添えてあった塩昆布がとてもマッチしていた。
派手さはない一品だけどこういうのが肉一筋のお店の強みだと思う。実際肉に接していないとこのタイミングでこのさっぱりしたものを持ってくることができないからね。
次は60日間ドライエイジング(こだわるけど英語ではDry Aged、エイジングではない)のサーロインのサンドウィッチだ。う~ん、美味しいのだけれどサーロインってドライエイジドに適しているのかな??アメリカでは赤身のみなのだが・・・
普通のお肉として食べる分にはとても美味しかったが、正直ドライエイジドビーフ独特のナッツの香りはしなかった。まあビーフサンドウィッチと思えばとても美味しいから細かいことを言わなくてもいいか・・・
次はA5の近江牛のユッケがトリュフと共に出てきた。ユッケとはいっても当然火が通っている物である。これもギリギリの火入れだ。美味くない訳がない。
ハツの炙りの後、目を見張るような鮮やかな鮨が出てきた。寿司と言っても魚ではない。肉屋の寿司だから当然肉なのである。近江牛の赤身と霜降りのコンビだ。シャリに使う酢も自家製とのこと。細かいところまでとても気を配っているのがよく分かる。下の写真を見てもらうと分かるがまるでマグロの赤身と大トロのような色合いだ。これが抜群に美味しかったのは言うまでもないしこの文章を書いていてもまたよだれが出るぐらい美味しかった。
そして次はテールスープなのだが何と椀物で出てきた。テールスープと言うと何となく韓国風の物に慣れてしまっているのでかなり意標を突かれた感じであった。お椀の蓋を開けると焼いた松茸と共にテールの肉が入っている。思いっきり美味しいスープに松茸、シェフの感性の鋭さに感服せざるを得なかった。
ここまですべてメインの様な料理が続いたのだが、ここからが本当のメインだ。社長がドカンととにかくデカい肉の塊を持ってきて
①近江牛のイチボ
②近江牛のサーロイン
③飛騨牛のシャトーブリアン
のなかから選んでとのことだった。これは悩むでしょ!!どれも美味しそうで困ってしまう。結局私はサーロイン、友人はシャトーブリアンをオーダーして後で食べ比べをすることにした。
味は・・・これは是非とも皆さんに経験して頂きたい。天国に行かせて頂いた・・・感じであった。
お口直しのシャンパンのグラニテの後、〆はすき焼きだ。すき焼きとはいってもシェフがテーブルの上で焼いてくれ、それをほんの少しだけ火を入れた玉子の黄身につけて頂くのだ。またご飯は釜炊き。粒が光っていてとても美味しいご飯であった。お腹もかなりいっぱいのはずなのにこのすき焼き美味しく食べれてしまう。
最後のデザートは静岡産のマスクメロン。完熟で一番食べごろである。
お値段は張るが最初から最後まで全く手の抜いていない・・・と言うか、思いっきり手間暇をかけて最高級の肉料理を食べさせてくれた。
気軽に行けるプライスレンジではないが、何か特別な日にでも奮発して訪れたい、そんな素晴らしいお店であった。
2016.10飛騨牛、近江牛のシャトーブリアン No.12
飛騨牛シャトーブリアン
2016.10飛騨牛サーロインNo.12すき焼き
2016.10松茸ご飯
2016.10飛騨牛サーロインNo.12のすき焼き
松茸ご飯とご飯と一緒に
2016.10松茸ご飯
2016.10 飛騨牛シャトーブリアン、近江牛シャトーブリアン
2016.10タン塩
2016.10近江牛にぎり赤身と霜降り
2016.10トマトナムル
2016.10近江牛テールの炊き物
2016.10みすじと九条葱しゃぶしゃぶ 松茸ポン酢
2016.10 お椀 蕪と毛蟹
2016.10飛騨牛ちまきと林檎赤ワイン煮
近江牛さがり昆布〆めフグのユッケ、ウニとベルーガキャビア
3大和牛のコンソメ
2016.10松阪牛イチボ生ハム
2016.10松茸ご飯
牛握り 酢は自家製とのこと
牛肉の昆布締め 雲丹とキャビア
左は飛騨牛のシャトーブリアン、右は松阪牛のサーロイン
飛騨牛の生ハム サラダ仕立て
中は全く見えない
三大牛のコンソメスープ トリュフとともに
トリュフとユッケ
60日ドライエイジングサーロインのサンドウィッチ
塩ミノ
しゃぶしゃぶ 鰹出汁で
お椀で出てきたテールスープ
松阪牛サーロインステーキ
シャンパンのシャーベット
釜炊きご飯
すき焼き
半熟卵にてすき焼き
昆布の入った生キャラメル
デザートは静岡産マスクメロン
2016/10/22 更新
あの名古屋を代表する肉割烹、雪月花が改装して新たな出発をした。どんな感じになったのか確かめたくての訪問である。まずは入口、以前はちょっときらびやかな感じの看板であったがそれがとてもシックな墨で書いたものに変わっていた。そして以前はカウンターの奥の壁には有名作家の石膏で作った作品があったのだが、それを取っ払ってシックな木に変わっていた。壁だけでなくカウンターの天井もどこか京都の料理屋さんに来たような、質素な中にも高級感溢れる雰囲気に変わっていた。
そして壁には有名水墨画作家さんに作ってもらったというオリジナルの作品が飾られていた。
絵は「雪と月、そして花」である。もちろんこれはお店の名前に由来するのは言うもでもない。
そしてお値段も少々変わった(笑)以前は1万5千円と3万円?だったのだが今回は2万5千円と3万円の2種類になった。しかし例えばシャトーブリアンなどをオーダーすると追加料金がかかっていたものがそれがなくなり分かり易い料金体制となった。
今回は2万5千円のコースでお願いした。まずは最初の食材のご披露からである。とっても美味しそうな松阪牛の肉の塊、そして閖上(ゆりあげ)の赤貝、桑名のかなり大ぶりな6~7年物と思われる蛤、天然釣り物のヒラメなどなどである。
まずは先付の野菜から頂いた。水菜をサッと湯通しして、器に入った牛の出汁と鰹節で頂くものである。優しいがしっかりとした牛の出汁が水菜と合って何とも言えず美味しい!!食欲をさらに増進させてくれる最初のお皿であった。
そして次は閖上の赤貝と牛の細切りをぬたで和えたものでる。厚みのある赤貝と牛がばっちりマッチして素晴らしいものであった。次はヒラメのお刺身と牛刺し、そして真ん中にはシャキシャキ感のある野菜が入った海苔巻きを堪能させて頂いた。
そして椀物の登場である。最初の食材紹介の時から椀物は大体予想がついていたのだが、ある面当たり、ある面外れた。椀の蓋を開けると中には予想した通り先ほど見た大きな6年物の蛤が椀なのかにドカンと入っていた。ちなみに6年物と書いたのはボスから聞いた訳ではなく、以前桑名の有名蛤料理店の女将から蛤の年齢の見方、というのを習ったことがあるので分かるのだ。このクラスの蛤は名古屋の割烹ではなかなかお目にかかることができない大きさなのである。
話しを元に戻すとその蛤の上には尾鷲のカラスミと木の芽が乗っていた。カラスミの良い塩梅の塩味が蛤の旨味と相まって最高の味に仕上がっていた。もうここでクラクラである。こういう味は一流和食店でもなかなか出会うことができない。
そしてここでハラミをじっくり炭火で焼いたものが出てきた。さすがというかこんなこと私が言うのはおこがましいのだが焼きは完璧!!
これがハラミなのかどうなのか食べても分からないぐらいシャトーブリアンのような柔らかいものであった。これが本当にハラミだったのか今でも謎である(笑)
加藤農園のフルーツトマトで箸休めの後はとっても贅沢な・・・酢飯の上にはだての雲丹とベルーガキャビアの乗った一品であった。これを不味いという人がいるのかなあ~~(笑)
サーロインのしゃぶしゃぶは下にはフランス産のホワイトアスパラを裂いたものが敷き詰めてあった。出汁はもちろん牛からのものである。これもボスが頃合いを見計らいながらきちんとしゃぶしゃぶしてくれたものを少しシャキシャキ感の残っているホワイトアスパラと共に頂いたのだが素晴らしいものであった。出汁まで飲んでしまってお行儀が悪かったのはごめんなさいかな??
そして次はこちらのもう一つの名物、ゆずの中をくり抜いて作った器に入った冷麺である。上の蓋を取り、それを絞って中に入れて頂くのだが、出汁と柚子の香りがマッチして最高の味になっていた。これを食べないと雪月花という感じがしなくなるもう定番中の定番である。
イチゴドレッシングのかかった野生のクレソンを付け合わせにこの日のメインがやってきた。松阪牛のシャトーブリアンとサーロインである。塩、柚子などどれをつけて食べても美味しいのだが、やはり少しの塩で頂くのが一番美味しいと思った。肉の香りがダイレクトに感じられ、ボスの肉屋としての誇りも感じることができた。
やはり最高級の物を扱い、肉のことはすべて知り尽くしているからこその貫禄だと思うのだ。ボスはいたって謙虚で人間的にも尊敬できる人なのでそういうことは一切言わないが、もうこの肉を食べればボスの自信と言うものがおのずと分かるのだ。
そして〆まで抜かりはない。今回頂いたのは「銀の三日月」というブランドのご飯であった。見た目にも艶々していて、それだけでただ物ではないことが分かる。これは「龍の瞳」から派生したブランドらしくもちろん炊き方にもよると思うのだが、おそらく白ご飯では私が人生の中で食べた一番のものであった。そう断言できるほど美味しかった。
ご飯の旨味を楽しんでいたらそれに追い打ちをかけるようにカレーがやってきた。ボス、このご飯にカレーはもったいないでしょ!!と言いたいところであったがこれも食べない訳にはいかない。こちらも堪能させて頂いた。
最後にメロンを食べて終了。最初から最後まで全く抜かりのない料理の数々であった。最低限季節ごとには伺いたい、そんなお店である。