16回
2024/07 訪問
夏の吉いもパーフェクト!!
昨年の12月に伺って以来7カ月ぶりの訪問となった。こちらは私が日本で一番好きな割烹!!
今回は以前よりリクエストを頂いていたお初の方2名をやっとお連れすることができた。
また前回は冬の幸であったが今回は夏の食材を楽しませてもらうことができた。
吉いさんはどの季節に行っても最高の料理を楽しむことができるのである。
この日は
水茄子と塩昆布、
とうもろこしの春巻き
鱧の焼き霜
賀茂茄子と車海老の椀物
はまぐりと大根おろし
木曽川天然うなぎ
実山椒で
天竜川の鮎の塩焼き
無花果の風呂吹き、胡麻ダレ
鯵飯
ご飯
味噌汁
漬物
黒蜜寒天とコーヒーのアイス
いつもながらの吉いさんらしい料理の数々であった。淡々と料理を作ってお皿に乗せ、ビジュアルは「映え」も何も全くないのであるが、一口食べただけで天国に行けるのである。
この日はいつもッと順番が違い、トップバッターに春巻きが来るというイレギュラーなものではあったがこれも吉いさんならではの計算なんだろうな。
その後は完璧な骨切りのされてあったほんのりと温かくてしっとりした鱧の焼き霜を楽しませてもらうことができた。
そして大量のかつお節を鍋に投入し取りたての出汁を使って車海老と加茂茄子の椀物を頂くことができた。関西風とは少々違うがこの薄味の中にも旨味をしっかり感じる吉いさんの出汁はみんなを虜にしてしまうようなのである。今回の椀物もパーフェクトであった。
天然うなぎの焼き物はこの季節独特の物・・・皮目をパリッとさせる焼き方は私好みなのである。
しめの食事は鯵とめかぶを混ぜた鯵ご飯であった。いつもながらの美味しい白ご飯の上に切りたての鯵を乗せて頂いたのだがこれが最高だったのは言うまでもないだろう。
最後に定番の黒蜜寒天とコーヒーのアイスを頂いて待ちに待った宴は終了した。
また次を楽しみに待つとしよう!!
水茄子と塩昆布、トウモロコシの春巻き
鱧の焼き霜
加茂茄子と車海老の椀物
蛤と大根おろし
木曽川の天然うなぎ 実山椒で
無花果の風呂吹き ごまだれ
天竜川の鮎の塩焼き
鯵ご飯
黒蜜寒天とコーヒーのアイス
2024/07/10 更新
2023/12 訪問
冬の最高峰!!「宇宙一の鴨のロースト」!!
日本で一番好きな割烹に8カ月ぶりに訪問することができた。吉いさんはどの季節行っても素晴らしいが特に12月は魅力的な食材が揃っており、誰もが憧れるプラチナシートなのである。
今回ご一緒させて頂いた皆さん、どうもありがとうございました。
今回も最初から最後まで感動の嵐の連続、もう完全にノックアウトさせられてしまった。シンプルさの中にも凄みのある料理で帰る頃には呆然となるぐらいやられっぱなしであったのである。
この日は
ぶりと辛味大根 酢飯
コハダと蕪
三重のクエのお造り
たらの白子の焼き物
香箱蟹
ネギの春巻き
このわたのソース
新潟の真鴨のロースト
ご飯
釜炊き北魚沼産コシヒカリで
ヤイトガツオ、本しめじの味噌汁
黒蜜寒天
こちらの料理はシンプル過ぎて映えは全くなくその美味しさを写真で伝えることは難しいのだが、単純に見えても一品一品が極限まで完成度が高く、どれも感動の領域なのである。
特にこの日の今の時期にしかない香箱蟹が素晴しかった。単に茹でてあるだけでなく、足の身の部分に内子と外子をまぶして山盛りにし、カニの身の部分の味とミックスさせて食べさせてもらった。これは今年一番の香箱蟹であった。
また最近定番となりつつある春巻きは今回ねぎを使ったものであった。今まで水茄子や玉ねぎを使用した春巻きは食べたことがあったが葱は初であった。このわたソースと絡んで抜群の美味しさになっていた。
ホントこれも凄い料理であった。
でもやっぱりこの日一番は新潟の真鴨のローストであった。この鴨はこの時期でも出せる日と出せない日があるようで
「運が良ければ食べることができる」
という一品である。
昨年の冬は程度の良いものが入手できずにほぼ出せなかったそうであるが、この時期にお邪魔するのは2年ぶりとなるので今回も食べることができたらいいな・・・と自分の運を信じての訪問であった。
願いが叶い最高の気分・・・ただこれで今年の運は使い切ってしまったかな涙
この鴨は羽根つき頭つきで熟成され、提供直前に大将が羽をむしり頭を落として捌いて、じっくりと焼き上げ提供してくれるのだ。
軽い塩と特製のタレで頂いたのであるがしっかりと血の味はするのに臭みは全くなく、肉汁がジューシー・・・咬むごとに口の中に旨味がほとばしり、幸せを感じながら食べることができた。
前回同様、私の浅い経験の中ではあるがこれは過去ダントツナンバーワンの鴨のローストであった。
陳腐な表現しかできないが恐ろしさを感じるぐらい美味しい!!!
1人あたり2切れだけだったがこれはもっと食べたかったなあ~
和食、フレンチ、イタリアン・・・そして日本だけでなく海外で食べた鴨と比較しても私にとっては吉いさんの鴨が一番なのである。
そして最後に南魚沼産新米のコシヒカリの釜炊きご飯を頂き、定番の黒蜜寒天で終了。
この8か月、ずっと待ち続けてきた2時間半の饗宴はあっという間に終わってしまった。 平均すると今や年に1.5回ぐらいしか訪問できないのだが通い続けることができるだけ嬉しいのである。
また次回の訪問を楽しみに待つことにしよう。
新潟のマガモのロースト
羽のついたまま熟成させた鴨
セイコガニ
ブリと辛み大根、酢飯
小肌と蕪
三重県のクエのお造り
タラの白子の焼き物
玉ねぎの春巻き このわたソース
ヤイトガツオ
釜炊き新米南魚沼産コシヒカリ
黒蜜寒天
2023/12/21 更新
2023/04 訪問
余計なものを一切削ぎ落とした感動のミニマリズム
やっと今年初の訪問となった。最近和食の世界では名古屋でも新風が吹いてきており新店舗の美味しい割烹も出てきてそれはそれでとても嬉しいことではあるのだが、こうやって吉いさんの料理を頂くとそういう店とはまだまだ天と地ほどの差を感じてしまうのだ。
またこちらは「名古屋一」どころか日本最高峰の割烹の一つであると思う。私自身はまだまだ食べ歩きの経験値は低いのだがその乏しい経験の中でも日本トップクラスと思える割烹を上げるとすれば、吉いさんの他には金沢のK折,七尾のI杉K嶋,東京のSばしH野の3軒ぐらいしか思い浮かばないのである。
他にも美味しい割烹は多くあるが吉いさんを含めたこの4軒は「美味しさ」を通り越してある種の『凄み』を感じるのである。そんな大好きな割烹が地元名古屋にあるのは嬉しいことではあるが、訪問できる頻度は少ないというのが寂しい現実でもあるのだ。
現在では新規のお客さんは一切取っておらず既存の常連さんだけで回している。そんな大好きなお店に定期的に通える幸せを感じながらの訪問であった。
この日は
アカムツの飯蒸し
小鯛と山菜
岸和田の筍の塩茹で
桑名の蛤と大根おろし
穴子の焼き霜 紫蘇の芽
金目鯛、アミガサダケ、コシアブラ
新玉葱と塩昆布の春巻き
鯛の炊き込みご飯
赤出汁
お漬物
黒みつ寒天
であった。
味一本で勝負するとはこういうことであろう。
こちらでは和食でよくある「見て楽しむ」ということは一切考慮されていない。例えばこの日の筍はお椀の中に切った筍が入れてあるだけであった。
映えもなにもないのだがそんなシンプル極まりない料理が、
「タケノコってこんなに美味しいんだ!!」
と涙が出るぐらいの感動を与えてくれたのである。
余計な物は一切加えず単体の材料を料理だけでこれだけの感動の領域に持っていく料理人は吉いさんの他には私は知らない。
そしてこの日はほぼスペシャリテとなってきた塩昆布を挟んだ春巻きを楽しませて頂いた。普通の春巻きの皮に切りたての新玉葱と塩昆布を包み油で揚げただけの単純な料理である。
これも食べてみると恐ろしいほどの迫力を感じる料理なのであった。何か仕掛けでもあるのでは??と表も裏も見ても何もない。包んで揚げて切っただけの物なのにこれだけの感動を与えてくれたのであった。
鯛の炊き込みご飯、デザートは吉いさんの定番の黒蜜寒天を戴いて終了。天にも昇る宴は2時間半で終わりとなった。
次の訪問がとっても待ち遠しい。
2023/04/14 更新
2022/07 訪問
「美味しい!」を越えて感動の領域に!!
やっと今年初の訪問をすることができた。ちょっと前からは指折り数えて待つぐらい楽しみにしていたのである。
以前より抜群に美味しかったのは周知の事実ではあるが、最近ではその美味しさにすごみが加わり益々研ぎ澄まされ恐ろしいほどの切れを感じる料理になってきたのである。
例えて言うならば触ると手を切ってしまう鋭利なカミソリのような料理とでも表現すればよいのだろうか。
どの料理も「美味しい!」とか「不味い」とかの概念を越えて恐ろしさを感じる領域に達するぐらいであった。
今回は夏の料理だったが
「美味しさには季節は関係ない!!」
ということを実証するかのように想像をはるかに超える料理を楽しませて頂いた。
そんな中いつもながらに場を和ませてくれた大将、そして女将さんには感謝しかないのである。
今回頂いたのは
グリーンピースの出汁煮
ケンサキイカとこのこ、山芋の細切りと山葵
サザエの木の芽鮨
鱧の焼き霜
イワシのつみれの椀物 東京三つ葉とともに
マスの焼き物
茹でた特大の蛤
天然うなぎの焼き物
水茄子と塩昆布の春巻き
長良川の鮎ご飯 香の物
黒蜜寒天
であった。
最初は
『グリーンピース?』
と思ったが青臭さは一切なく出汁と共に美味しく頂いた。
サザエの木の芽鮨も初の食感・・固さはなく木の芽とサザエの旨さが際立つ一品であった。
また焼き物がキレッキレの美味しさでマスも天然うなぎも感動の領域に達していた。こんなに美味しい焼いた魚ってこちら以外では食べたことがない・・・うなぎもここ以上の物ってあるのだろうか?
食べログゴールド「S」も全くこちら吉いさんの鰻には足元にも及ばない・・・
ありきたりの表現ではあるがホントに『旨い!』としか言いようがないのである。
水茄子と塩昆布の春巻きは数年前からこちらの定番となっているが誰もがそのシンプルな旨さに驚愕する一品なのである。
大将が目の前で茄子を切り衣を巻いて揚げるのだが普通に真似できそうなシンプルな料理なのだが、いったい何処に美味しさの秘密があるのか全く謎なのである。
最後に鮎の炊き込みご飯、そして以前は定番であった黒蜜寒天を頂いて夢のような饗宴は終了となった。
毎回行くたびに凄みが増しているようである。次回はかなり先となってしまうがこちらのお店の暖簾をくぐることができるだけで幸せと思ってしまうほどなのだ。気長に次回の楽しみを待つことにしよう。
水茄子と塩昆布の春巻き
茹でた蛤
マスの焼き物 蓼酢
グリーンピースと出汁
ケンサキイカとコノコ 山芋の細切り
サザエの木の芽鮨
鱧の焼き霜
イワシのつみれと東京三つ葉の椀物
天然うなぎの焼き物
長良川の鮎ご飯
黒蜜寒天
2022/07/21 更新
2021/12 訪問
冬の吉いにノックアウト!!
今や1年に2回しか行くことができないが、それでも定期的に通うことができるだけの幸せを感じながらの訪問であった。
また今回は一年での最高の時期に行くことができた。
こちら、吉いさんはどの季節に行っても完璧なものを食べさせてくれるが、やはりその中でも特に秀でているのがこの12月なのである。
もう立ち上がれないほどのパンチ力で冬の味覚を楽しませてもらうことができた。
いつもながら大将と女将さんには感謝なのである。
今回もまたまた5名での訪問であった。中に入りカウンターの中を覗いてみると大将が羽つきの鴨を捌いていた。まず首を落とし羽をむしりきれいに焼くことができる状態に持っていっていた。
この時期、運が良ければ出会うことができる青首鴨であった。この日はたまたま市場で良いものがあったので提供できるということおっしゃっていた。こういうのって嬉しいなあ~~
これはメインの食材なので後でご紹介したい。
さてこの日頂いたのは
コハダとカリフラワー
薄く切ったブリと辛み大根
甘鯛の蕪蒸し(かぶらむし)
鯛の漬け
セイコガニ
焼き白子
聖護院大根
青首鴨のロースト
新米、新海苔のお握りとお味噌汁
チョコ最中
であった。
どれも吉いさんらしいシンプルな味わいであったが、それでいてこれ以上ないぐらいの感動を与えてくれるのである。名古屋、いや日本には多くの名店と言われる和食のお店は多々あるが、これほどの感動を与えてくれる和食のお店はいったい何軒あるのだろうか?
今回は寒ブリに心を討たれ、蕪蒸しの出汁と甘鯛、そして何よりも蕪の風味に感動させられた。シンプルながら鯛の漬けはあまり熟成させず、食材の持つモッチリ感と特製のタレで皿として完成させ、セイコガニの蒸し物は単に身をむいただけではなく、中の外子、内子と身を絡めて温かくして提供して下さった。これも感動の領域であった。
そしてやはりこの日のメインの食材、青首鴨のローストは前述のとおり、客が店に入って座った後、捌き、じっくりと焼き上げて提供された。
数年前最初にこれを食べたときにはもうビックリするぐらいの感動であったが今回も負けず劣らず恐ろしいレベルの鴨のローストを食べることができた。鴨独特の臭みは全くなく、旨みのみが際立つすごい鴨であった。今まで色々な名店と言われるレストランで鴨は食してきたが、前回こちらで食べた時と同様、人生で食べた鴨の中で最高の物であった。こんな鴨料理、和洋を問わず吉いさん以外では未だに経験がない。
〆は白ご飯を新海苔でおにぎりにしたものと、吉いさんの出汁で作ったお味噌汁で終了となった。このご飯も今年頂いたご飯の中で1,2を争うぐらいの美味しいものであった。
そして最後にまだトライアル状態だそうだが、自家製のチョコ最中を頂いて終了となった。
約3時間近くの饗宴であったが、あっという間のことに感じられた。やはり楽しい時間って早く過ぎてしまう・・・
次回は夏に楽しめそうである。今から待ち遠しい、そんなお店なのである。
2021/12/14 更新
2021/03 訪問
1mmの隙もなし~~すべてが完璧!!
ちょうど半年ぶりに日本で一番好きな店に伺うことができた。今や新規のお客さんを全く受けつけず、常連さんでも半年に一度がやっとという超人気店である。カウンターがたった7席で、しかも夜1回転しかしないのでおのずと客数が決まってしまうのだ。そんな状況の中、定期的に訪問できる幸せを感じながらの食事であった。
今回もまたまた5人での訪問である。ご一緒して下さったのはいつものメンバーに加えて2年ぶりにお会いするみうっちょさん、そして大阪の友人であった。みなさんいつもありがとうございます!!
いつも遅めの時間帯からお願いしているのでこの日の閉店までの時間は2時間、大将も笑いながら余裕がないとおっしゃっていた・・・
まずは生クチコのご飯であった。塩味と海の香りが空腹に染みわたる、最初にしてはとても刺激的な一品であった。これは旨いなあ~~シンプルだが幸せを感じさせられる~~
次は天然トラフグのお刺身であった。炙った皮と共に提供され山葵としょう油でシンプルに頂いたのだがこれも極上でぐうの音も出ないぐらいであった。お刺身とは単純な料理と思われがちだが奥が深いのだろうなあ~~
そして大将がいつものように出汁を取り始めた。きっと椀物だろうなあ~~予想は的中!!今回は海老がゴロゴロする食感の海老真薯であった。やはり吉いさんの出汁の旨さは半端ではない。未だにこちらより好みの出汁には出会ったことがないのである。もうこれだけでも至福の時間であった。
そのあとはシンプルに出汁で煮た聖護院大根の煮物を頂き、そのあとは大将の手作りの半生のカラスミを乗せた院蒸しが出てきた。
きれいなオレンジ色をした光り輝くカラスミは卵の粒々が分かるぐらいの生でしっとりとしていた。こんな美味しいカラスミ、間違いなく人生で初であった。蒸したご飯と一緒に食べるともう最高であった。やっぱりすごいわ、こちらの大将!!
次は揚げ物、新玉葱と昆布の春巻きであった。今まではその水茄子バージョンが多かったが今回の玉ねぎは初めてであった。これも美味かったなあ~~
金目の焼き物を頂き白ご飯とお味噌汁、そして明太子の炙りをお供に終了となった。またまたこの半年食べ歩いた中で最高の感動を与えてくれたお店である。
そう頻繁には通えないが次は冬の幸を楽しむことができそうである。次回を楽しみに待ちたいと思う。
2021/03/28 更新
2020/09 訪問
すべてが完璧!!
いろいろ食べ歩いてどんなに美味しいお店でも、味に関しては何かしら突込みどころがあるのだが、ここ吉いさんに関しては、もうぐうの音も出ないぐらいやられっぱなしなのである。今回も友人5名での訪問であった。
私にとってはすべてが完璧、全く突込みどころがない。特に和食は椀物が一番の決め手となると思うのだが、名古屋市内ももちろん、東京でも京都でもここより美味しい椀物に出会ったことは未だにないのである。まだまだ私が知らないだけかも知れないが、それでもこれだけ美味しければ美味しいを超して感動の領域に達しているのだ。
そんな吉いさんは現在は常連でも半年待ち、年に2回しか訪問することができない。また今は全く新規の客を受け付けておらず、実質会員制のような形になっているのである。まだ行ったことがない方はどなたか常連さんに連れて行ってもらうしかないのだ。
今回訪問したのは9月中旬であった。もう夏も終わろうとしているがそれでもまだまだ暑い日が続いていた。今回も夏の食材を交えて凄い料理の数々を食べさせて頂くことができた。
吉いさんの特徴はほぼ下準備はしていないことだろうか。客が椅子に座り準備ができた段階で材料を取り出しそこから料理がスタートとなるのだ。椀物の時はその場で鰹節を削り、ざるに入れ、お湯を注ぎ出汁を取る。また以前鴨を食べたときには羽が生えたままの鴨を取り出し、羽をむしり取り、それをその場で捌いて食べさせてくれた。
今回はイワシの細切りをご飯の上に乗せたものであった。イワシの塩梅が絶妙過ぎてもう声も出ないほどの美味しさであった。こういう単純そうな料理でも塩加減が絶妙なところが吉いさんのマジックなのである。そしてそれを食べ終わるころ、カウンター越しにとても良い香りがしてきた。出汁を取っていたのである。そしてその出汁を使って海老しんじょうが用意された。
蓋を開けると出汁の良い香りがとても心地良くしてきた。いつもながら出汁は完璧、そして中に入っている車海老の真薯は粗く切ってあり海老のプリプリの食感を楽しむことができた。凄い料理である。
そして次はイチミダイのお造りである。軽く昆布で〆てありモチッとした食感がたまらなかった。山葵をつけて酢で食べるかもしくは醤油というという面白い趣向であったが、酢とワサビがこんなに合うなんて初めて知った次第である。これも他では食べたことがない凄いものであった。
そして次は夏鹿のローストであった。ミディアムレアに焼き上げた鹿を細切りにしてその間にはクレソンを挟んで頂いた。ここで肉とはね。素晴らしい鹿で嬉しいサプライズであった。
そしてここで吉いさんが大きな鱧を取り出し骨切りを始めた。そして骨から取った出汁に入れて素麺と共に出してくれた。鱧素麺である。
何これ????
これには正直驚きと共にこの日最高の感動がやってきた。鱧の骨の出汁と若干の味付けでこんなに素晴らしいスープになるなんて!!!
身もとっても美味しい!今までいろいろな店で鱧を食べてきたが、こんなに美味しい鱧料理は初めてである。素麺のスープとはもったいない話だがもうこれには感動しまくりであった。
そして次は天然うなぎの白焼きであった。しかもただの白焼きではない。丁寧に皮を炙りせんべいの様な食感に仕上げ、しかも身はふわふわ。これも最高に美味しいとしか言えないものであった。
最後は松茸ご飯である。松茸はメキシコ産らしいが切っているときから良い香りがしてきた。炊いたご飯に入れてかき混ぜ一杯目はそのまま、そしてお代わりには何と卵の黄身を乗せ、そこに少ししょう油を垂らすというかなりの反則技であったが、これがもう大当りである。濃厚な黄身だが、決して松茸の香りに干渉することはなく両方の美味しさを楽しめた。このアイデア、凄いなあ~~
そして最後に寒天あんみつを頂いて終了となった。
あまりしゃべらない寡黙な大将だが決して堅苦しいことはなく、いろいろと話してくれる。居心地のとっても良いのである。半年待つのは長いが、それでもこちらで食事をするのを楽しみに日々を過ごせば楽しみも倍増するものなのだ。
次回がすごく待ち遠しい、そんなお店なのだ。
2020/09/22 更新
2020/03 訪問
やはりここは別格!!
待ちに待った吉いさんの順番が回ってきた。約半年ぶりの訪問である。もう何度も言っているが私にとっては日本一の和食店なのだ。待つのは長かったが今回も友人5人での訪問となった。ご一緒して下さった皆さん、どうもありがとうございました。
今回も7時一斉スタートであった。こちらはカウンターのみ7席である。私たち5人の他にはお二人の方がいらっしゃっていた。
ドリンクが揃ったところで乾杯。そしてカウンター越しに大将の料理を見ながら話しに花が咲いた。いつも思うことだが一流の料理人の動きは無駄がなく美しさすら感じるのである。吉いさんもその例の如く見ていて気持ちの良いぐらい美しい動きである。出汁を作り時には作るギリギリで鰹節を薄く削り、濾し器に入れてあの絶妙な出汁を作っていた。いつもながらお湯が鰹節をくぐるときには素晴らしい芳香が漂ってくるのである。
この日は白魚にオニオンがかかったものからのスタートであった。繊細な味付が何とも心地良く、食べるとさらにお腹が空いてくる、そんな感じのものであった。そしてとてもきれいな色をしたカラスミのおこわはこの分量では拷問だなあ~~と軽口が出るぐらい美味しかった。これならこの5倍はイケるかな!!
そしてマナガツオを頂いた後はメジマグロの新海苔巻きであった。新海苔の海らしい香りとメジマグロの旨味が相まって素晴らしい味わいであった。もうクラクラである。
そして金目鯛の蕪蒸しの上に乗っていたのは何と自家製のバチコである。塩梅も文句なし!!吉いさんらしい上品な出汁の効いた最高の蕪蒸しであった。それにしてもこのバチコ、香りも味も素晴らしかったなあ~~
感動に浸っていると目の前の大将が水茄子を切り出した。「もしや?」と思ったのだが大正解!!前回とても感動した水茄子に塩昆布を加えて春巻き風に仕上げたあの一品だったのだ。
完璧な火入れの春巻きはやはり最高の旨さであった。中華でも和食でもこれほどレベルの高い春巻きは食べたことがない。
トラフグの焼き白子を頂いて鯛めしで終了となった。どれもこれもシンプルであるが、それゆえに全くごまかしの効かない直球勝負の物ばかりであった。そしてその単純ともいえる物が旨さどころか感動すら与えてくれるのである。出汁のすばらしさにおいて私はこれ以上の和食店を知らない。
とにかくすべてが私の中では最高のお店なのである。半年に1度しか訪問できないが、それでも訪問できるだけ幸せである。これからもずっと通い続けたいお店なのだ。
2020/03/21 更新
2019/09 訪問
またまた最高の時間が過ごすことができました。
またまた最高に好きなお店に半年ぶりに訪問することができた。こちらは人気のため最近では半年毎にしか訪問できないが、その待ち時間に高まる期待をプラスしても帰る時には大満足できるお店なのである。
今回もいつものように期待いっぱいでの訪問であった。
扉を開けると皆さんスタンバイされていた。私たちのグループと別のお客さん2名でのスタートであった。何と言うかこちらのお店には何度来ても言いようのない緊張感があるのである。大将がそれだけ真剣勝負でもてなしてくれているからなのだろう。
今回はまずは鱧からであった。出汁が抜群に美味しいので食べた後は思わず出汁も飲み干してしまった。吉いさんの出汁は私は宇宙一好きなのである。京都の名店を含めてのどの店よりも好きなのだ。もう一品目から感動に浸っていた。
そして2品目は三重県産の雲丹を酢飯に乗せたものであった。これもかなり単純な料理だが単純だからこそごまかしできない吉いさんらしい直球勝負そのものの料理であった。雲丹自体が素晴らしく、また雲丹と酢飯のバランスが最高であった。これはいくつでもイケるなあ~~
つぎはワタリガニの身を真薯のようにして蒸して、それに餡掛けしたものであった。カニの旨味と出汁の味わいが素晴らしく、もうこの時点で昇天してしまっていた(笑)
そして次は鰻のかば焼きである。とはいっても吉いさんのウナギのかば焼きはそこらの鰻屋の物とは全く違う。鰻の皮をビックリするぐらいカリカリに焼いて見の方はふわふわ・・人生で食べた鰻の中で一番美味しいものである。やっぱり鰻は吉いさんに限るなあ~~(笑)
そして次の一品は私も初めて食べたものであったがこれがまた素晴らしかった。水茄子をきれいに縦に切りそれをピッタリと抱き合わせるようにくっつけ、塩昆布を乗せて皮で巻いて春巻きにして揚げたものが出てきた。断面を見ると分かるのだが、切り口には全く隙間がない。しかも揚げているのにも関わらず中には全く油が入っていないから驚きであった。食べてみると言葉が出ないほどの料理であった。「見た目も味の内」ともいうがこちらではそう言うことは全く関係ないようである。吉いさんの料理はあくまでもシンプルで旨味のみを追求しているのである。
最後にアカムツに栗の粉をかけて頂き、そのあとご飯であった。もちろん吉いさんのご飯は全く普通ではない。日本人に生まれてよかった・・と心から思えるものなのである。
現在こちらでは新規の予約は全く受け付けておらず常連さんに連れて行ってもらうしかないが、ひとたびこちらの暖簾をくぐれば天国が待っているのだ。
私も次の訪問がどこよりも待ち遠しいそんなお店なのである。
2019/09/13 更新
2019/02 訪問
一番幸せな気分になれるお店です‼️
半年以上前に予約しておいた順番がやっと回ってきた。こちらは私にとっては特別なお店、和食に関してはどこよりも好きなお店なのだ。
ゴチャゴチャした和食で人気の店もあるが、こちらはその対極となっている。無駄な物を徹底的にそぎ落として素材と店主の腕のみで勝負するのだ。その姿勢と味にほれ込んだファンが多くて現在ではおそらく新規の客は予約することは不可能で、常連さんと一緒に行かない限り入ることができない。しかも常連でも半年に1度訪問できればラッキーなのである。
予約が先のお店は多々あれどこちらのお店ほど待ち遠しいところは他にはないのだ。食通と言われる方の中にはこちらの美味しさは認めた上で
「名古屋では一番美味しい和食・・・」などと「名古屋」という限定をつける方もいらっしゃるが、私にとっては日本で一番好きな和食のお店なのである。どことは言わないが東京の食べログゴールドのお店や、京都の名店と言われるお店でもこちらより美味しいと思ったことはない。特に和食の肝になる「出汁」に関しては抜群に美味しい!!
他のお店の椀物の粗が見えてしまうのである。
さて今回も和食とはこういうものだ!という神髄を見せてもらった気がした。
この日の最初は吉いさんの18番である最高の出汁を使った白魚の玉締めからであった。そのちょっと前には大将が出汁を取っていると何とも言えない良い香りが充満してきたので否が応でも料理の期待が高まってきた。そしてその出汁を使って白魚を玉子であえた繊細でギリギリの芸術品ともいえるような美味しい料理を堪能させて頂いた。
くちこご飯で一休みした後は絶妙に茹でた車海老と新海苔を組み合わせたものであった。半生よりわずかに火を入れた車海老は素材の持っている旨味を十分楽しめた。これが少しでも違うと生っぽかったり固かったりとこの食感は楽しめない。さすが、という感じのものであった。
そのあとはハタの昆布締めのお刺身、ふぐの焼き白子と続き、金目鯛のフライがやってきた。これも完璧な火入れで中がミディアムレアで旨味が凝縮されていた。こんな美味しいフライは食べたことないなあ~~
そしてメインは小鴨である。小鴨と言っても成長してこの大きさらしい。名前は小鴨なのだがこれで大人とのことである。前回と同様その場で捌いて焼いて下さった。これも美味しかったのは言うまでもない。
そして毛蟹のご飯で終了。今回は毛蟹の風味が際立つように敢えてリゾット風に仕上げてくれたようだ。こういう変化球も嬉しいものである。
最後に恒例の黒みつ寒天を頂いて帰路についた。次はいつ伺えるか分からないがとっても楽しみである。
やはりこちらは最高の和食店なのだ。
2019/02/18 更新
2018/11 訪問
いつも幸せな気分に浸れます❗
私は食べログで5.0というのはまずつけることがないのだが、こちらのお店は別格である。すべてが私好みなのだ。いつも定期的に訪問させて頂いているのだが、今回は友人主催の会にてイレギュラーでの参加となった。また仲間内で楽しい時間を過ごすことができ、皆さん大満足であった。東京から来ている友人もいたため余裕をもっての早めのスタートであった。
今回は冬の味覚、カニからのスタートであった。ズワイガニの身をほぐしてあり、それを頂いたのだがやはり旬なものは最高である。カニはどの店で食べても同じと思われるかもしれないが、それは違う。目利き、そして茹で方などで大きく味が変わってくるのである。もう非のつけようのない最高の物であった。
そしてトラフグのお刺身、この時期にしか食べることのできないセイコガニが乗った茶わん蒸しのようなものを頂いた。これも感動の領域の味であった。
どれも単純な飾り気がない料理で全くインスタ映えしないものばかりなのだが、食べてみるともうここでしか味わうことのできないものばかりなのだ。そしてその単純さが「美味しい!」を超えて感動すら与えてくれるのである。
この日はマナガツオの焼物、ノドグロに熟成させた栗粉をかけたもの、そしてメインの鴨はその場で羽をむしり、捌いて焼いて出してくれたのであるが、こんな美味しい鴨初めて食べた気がした。鴨は出す直前に捌かないとすぐに味が落ちるとのことである。日本中、いやパリやニューヨークで食べた鴨含めて私が食べた鴨の中で一番のものであった。それにしても忘れられない最高の鴨である。
またいつも楽しみにしている〆のご飯は白ご飯をおにぎりにしたものであったが、抜群の海苔と最高のご飯の組み合わせで、たぶん人生の中で食べた一番おいしいおにぎりだと思った。
大将はインスタ映えは全く狙っておらず(笑)、お皿の上にはその料理しか乗っておらず写真を見てもたぶんまったく伝わらないと思うが、こういう単純な料理だからこそ感動の領域に持っていくことができるのであろう。今回は椀物は頂けなかったが、京都に行っても吉いさんより美味しい出汁にであったことがない。先日伺った京都の有名店で食べログゴールドのOなども椀物では吉いさんに完敗、レベルの違いを見せつけてくれた。
この時期に誘ってくれた友人にホント感謝である。いつにも増して感動をいっぱい与えてくれた。名古屋、いや日本で一番好きな店といっても過言ではない。またの再訪が待ち遠しいのである。
2018/12/12 更新
2018/06 訪問
何も言葉が出ない・・やはりここは完璧でした‼️
久しぶりの訪問である。最近はだんだんと予約のサイクルが長くなって今回は8カ月ぶりの訪問となった。しかしそれでも訪問できるだけとっても嬉しいお店なのである。
扉を開けるといつものように全く飾り気はないが、凛とした空間が広がっていた。この空間に入るだけで否が応でも期待が高まってくるのだ。お店には一切余計なものがなく、そんな姿勢は料理にも表れている。とにかく素材力と大将の力の直球勝負で来るのがこちらのお店なのだ。
今回も私たちのグループともう一組の方たちでの食事となった。こちらはカウンター7席のお店であるが、奇数なので6人で頂くことが多い気がする。1席もったいない気がするのだが、どうやらそこを無理に埋めようとはしないらしい。呼んでくれればいつでも一人で伺うのに・・・と思うのは私だけではないだろう。
今回も全く飾り気のない料理ばかりであった。私の友人はこちらの料理のことを
「ミニマリズムの芸術品」
と表現したが、とても的確な表現であろう。
無駄なものが全くなく、徹底的に無駄なものをそぎ落として最後の大事な物だけを楽しませてくれる、そんな料理なのだ。しかもそれがもう美味しいとかそういう次元を通り越して、感動の領域なのである。今回も期待を上回るものを頂くことができた。
今回は最初から三重県産の雲丹をご飯に乗せた物から始まった。わさびをおろしたものを少し上に乗せ、そのまま一緒に頂くと・・・もう食慾が止まらなくなる。最初っからやられっぱなしであった。
2品目は色鮮やかな車海老に厚みのある海苔を乗せたものである。味付けは山葵だ。夏らしい食感とワサビの風味、そして海苔の食感が完璧にマッチしたものであった。
半分軟らかく煮たタコと摩り下ろしたれんこんを頂いた後、大将が目の前のまな板に大きな鱧を取り出した。それを数ミリの間隔でザクッ、ザクッと骨切りを行い、サッと湯通しして塩味の出汁で出してくださった。
もう最高の美味しさであった。こんな美味しい鱧は食べたことがない!!
その前の週、京都の〇〇木劇場と呼ばれるお店でも鱧を頂いたが、天と地の差、月とスッポン、それくらい味の違いがあった。
それが終わると同時に大将が大きなハマグリを出してきた。それを目の前で1個ずつ人数分向いてはらわたの部分を取り、だし汁をかけて出してくれた。少し酸味がありとても美味しい出汁と蛤がマッチして夏らしい味であった。
メインは甘鯛とニラの花で作った餡をかけた物である。この絶妙な組み合わせにもうクラクラするぐらいであった。
最後はワタリガニのご飯を頂き終了。もちろん以前より格段に美味しくなった黒みつ寒天も堪能させて頂いた。
最初から最後までやられっぱなしであった。こちらは名古屋でダントツに好きなお店である。次が待ち遠しい。
2018/10/20 更新
2017/10 訪問
いつもながら完璧です‼️
8か月ぶりに訪問することができた。だんだん間が長くなっていく気がするが、ここは超人気店、仕方のないところだろう。今回も7時半いっせいスタートであった。
まずは大将が鰺のような魚を細かく刻んで酢飯の上に盛り、その上にキャビアを乗せるという贅沢な
「鮨」を出してくれた。スタートから吉いさんの本領発揮!!めちゃ美味しいものであった。
次はかなり身の太い魚が登場!!それを藁を焼いてさっと香り付けをしてお刺身で出してくれた。さわらである。足が早い魚なのでなかなかお刺身では食べることができないが、今回はワサビとネギソースが用意された。とても脂がのっているので、どちらでつけて食べてもとても美味しいものであった。
食べ終わる頃大将が何やらこねて饅頭のようなものを作って蒸し器に入れていた。そしていつものようにかつお節を削り始めて出汁を取りワタリガニのしんじょうを作っていた。これぞ吉いさんの料理の真骨頂!!お出汁だけで感動できるのである。手際の良さ、そして完璧な出汁には「美味しい」という陳腐な言葉では表現できない。
このまったく飾り気がなく見た目には華やかさはないのだが、このシンプルな料理で感動させる吉いさんは素直にすごいと思う。私はあまり京都の料理屋さんは行ったことがないが、そちらと比べても絶対に引けは取らないだろう。
そして次はすっぽんの茶椀蒸しであった。とは言っても具は何も入っていない。単に卵のプリンのとうな食感がするだけなのだが、これがシンプルであっても「世の中にこんな旨い茶碗蒸しがあるのか?」と思えるような感動した一品であった。
次は焼物であった。赤ムツに栗の粉をかけてあった。一見奇をてらった料理に思えるがそんなことはない。まずこの栗粉を食べて驚いた。味がとても濃いのだ。大将に「今の季節らしい料理ですね~」と話したら笑いながら「実はこの栗7月から冷蔵庫で寝かせてあったのです」とのこと。
栗は寝かせた方が甘み、旨味が出るとのことであった。やはりこういうところにもかなり気を使っていらしゃるようである。こういう細かい心配りが人を引き付けてやまないのであろう。いつもはこの後メインの肉が出てくるのであるが、この日は天然のウナギの焼物であった。
またまた驚いたのが皮がパリッパリ。うなぎ屋さんで食べたことがないような食感であった。どうやら皮のぬめりをしっかりと落としてから念入りに焼いたようである。そういうことだけでこんなに食感が変わるのか、と驚かされた。つくづくすごいお店だなあ~~
最後はいつものようにご飯である。カマスご飯にいくらを乗せたものだ。これも最高だったことは言うまでもないだろう。
そしてデザートは定番の黒蜜寒天。天然の甘みで黒糖の旨味が感じられるものであった。
できれば毎週でも通いたいお店なのだが、予約が超難しくて今はもう年に1度程度しか伺うことができない。何を差し置いても伺いたい、そんなお店である。
2021/11/24 更新
2017/02 訪問
ヤッパリ名古屋で最高の和食
半年ぶりの訪問である。カウンター7席の小さなお店なので予約が殺到し今や半年待ちなのである。それだけ待っても行く価値のあるお店である。
今回は友人たちと4人での訪問であった。予約の7時半に行くと我々の席4と向こうにはお二人様の席が2、何と1席余っているのである。何ともったいない!!女将さんによるとそういうことは時々あるとのこと。それなら一人でも来るから呼んで欲しいなあ~~
今回は定時スタート。本来は当然時間厳守のはずなのだが遅れてくる人も多い。まあ何ヵ月も前に予約を入れるので仕方がない面もあると思うが・・
今回のスタートは茶碗蒸しからであった。とは言っても普通の茶碗蒸しではない。濃厚な卵の中に何か入っている。食べてみるとパルメザンチーズだ。これが妙に茶碗蒸しに合うのである。また上には細かく刻んだこのわたが良い塩梅のアクセントになっていた。もう最初っからやられてしまった。
続いてはヒラメのお刺身、食べるととてもねっとりして口の中に芳醇な香りとわずかな甘みが感じられる。3日間熟成させたものらしい。新鮮過ぎると刺身は美味しくないからね。これも最高の状態で食べさせてくれた。これを食べているとき大将が何やら団子を作り始めた。そしてそれを蒸し器に入れていた。何を作るのかと思いきやワタリガニの身の団子であった。それをお椀の中に入れ提供された。
これぞ吉いの神髄・・だ。お椀の中に出汁と団子が入っているだけの単純なものなのだが、とにかくこれが凄いのだ。
ざるいっぱいの薄く削りだした鰹節を沸騰したお湯に入れ、頃合いを見計らい濾してそれを椀に入れるのである。
その味ときたらもう感動の領域だ。その素晴らしい出汁の中に旨味たっぷりのワタリガニの団子が入っているのだから、たまらない。私にとってこの日一番の感動した料理であった。
続いては金目鯛に百合根のソースがかけてある。これも相性バッチリ❗美味しいなあ~
魚の焼き物を頂いたあとはメインの焼鴨だ。実はこれ、カウンターから見ていたらかなり早い段階から焼き初めていた。大将焼き具合をずっとチェックしていたからね。味は最高⤴⤴めちゃ美味しい鴨であった。
そして今回こちらの名物の釜炊きご飯は白ご飯に白魚の卵とじを乗せたものであった。釜を開けるとご飯の良い香りが店中に広がった。
とにかくご飯が美味しい。この感動はどんな豪華なフレンチやイタリアンでも味わえるものではない。日本人に生まれてホントによかったと思える瞬間なのである。同行者みんなおかわりしたのは言うまでもない。
そしてデザートは定番の黒蜜寒天である。甘味が絶妙、これを食べないと吉いさんでの食事を終えることはできないのだ。
ホントに大満足な食事であった。しかし次行けるのは遥か先のこと。こればっかりはどうしようもないのである。楽しみに待つことにしよう。
2018/07/02 更新
2016/08 訪問
すべてが完璧
[2016.8]
約半年ぶりの訪問である。前回予約した時は「次が長いなあ~」と思ってしまうのだがあっという間に順番がやってきてしまう。時が流れるのは早いものだ。それでも前日にはとてもウキウキした気分になれるのである。
今回は煮たタコからだ。そして吸盤を取ったタコの刺身も登場。また夏ということで鱧の料理が出てきた。鱧はまずは骨のみでとっただしを味わい、その後身の入った椀物が出てきた。夏らしいすっきりとした料理だ。
その後、牛肉をさっと茹でて雲丹と山芋を乗せたもの、赤ムツの焼き物が出てきた。もちろんどちらもうなるぐらい美味しかった。
またここでのいつもの楽しみは土鍋ごはんだ。前回はシラスだったがなんだろう??とわくわくしていたら炊きあがったご飯に何か白いものを
混ぜているではないか。ワタリガニの身だ!
カニは美味しいのだが身を剥くのが大変だ。かなりの手間暇がかかっていそうなご飯だった。
最後は定番の黒蜜寒天だ。
またまた大満足。あっという間の時間であった。
[2016.3]
久しぶりに吉いさんに伺うことができた。ここの予約はプラチナチケット。新規の客はほぼ予約不可能なのだ。席はカウンター7席しかなく大将と奥様お二人で切り盛りされているのでそれが精いっぱいなのだろう。現在は常連客でもほぼ半年待ちというような状況である。それだけファンが多いのもうなずけるそんなお店なのである。店主おひとりで料理を作られているので全員一斉スタートが基本だ。とはいっても遅れてくる人もいてなかなか大変なようだが、最後には何故か帳尻が合っているという不思議な現象がみられるのだ。しかしながらやはり遅れると多大な迷惑がかかるので時間厳守で伺った方が良いだろう。
今回は19時30分スタートであった。最初の突き出しは鮟肝を使ったもの。これは美味しかった。素材の良さを十二分に引き出している感じだ。続いてのお刺身はアオリイカとヒラメだ。イカは皮があり旨味はその下にあるということで、大将は細かな隠し包丁を入れとても手間暇かけて刺身を作ってくれた。こういう隠し包丁が入れてあるとしょう油の乗りもよくイカがとても美味しく頂ける。私はここほど刺身に細かな隠し包丁を入れるお店を他には知らない。素材の良さを大将の腕で引き立てている。
次は軽く炙ったのど黒であった。軽く火を入れるだけでのど黒の脂はとても旨味が増す。そして今回一番のお気に入り、筍のお吸い物だ。目の前で鰹節を削り、温度計できちんと管理したお湯の中にその鰹節をドバっと入れて出汁を作り、かつお出汁と筍のみのお吸い物だった。しかしこんなに美味しいお吸い物は初めて頂いた。シンプルな料理であるが故ごまかしも効かない。素材の良さと大将の腕のみのものすごい椀物だった。
そのあとはブリを軽く湯で温めたものと焼いた金目鯛だった。これらが美味しかったのは言うまでもない。
ご飯はもちろんここで土鍋で炊いた白ご飯だった。それにシラスの卵とじ。美味しくないわけがない。
いつもいつも感動すら覚える直球勝負のお店である。
2016/8定番の黒蜜寒天
2016/8ワタリガニのご飯
2016/8赤ムツの焼き物
2016/8牛肉と雲丹、山芋
2016/8鱧の椀物
2016/8 鱧の骨のみでだしを取ったお吸い物
2016/8タコとイチミダイの刺身
2016/8
2016/8 煮タコ
「エロい」じゃありません(笑)
アオリイカとヒラメ
炙ったのど黒
絶品!筍のお吸い物
ブリ
焼き金目鯛
シラス卵とじご飯
プリン
2021/11/24 更新
指折り数え訪問の日を待っていた吉いさんに 8ヶ月ぶりに訪問することができた。
やっぱりココは独特の空気が流れているようである。そんな中、大将と女将さんは今回も温かく迎えてくださったのが心地良かったのである。
この日はたまたまもう一組のお客さんが友人ご夫婦であった。こういうのってとても嬉しい。全く知らない人よりこうやってみんなでワイワイする方が楽しいね!!
こちらは居心地が良いのと共にある程度の緊張感を感じるのだ。
大将の真剣な眼差しを見ているとこちらもなんだかつられて手に汗を握ってしまうのである。
料理をしている時の大将のオーラは凄いものを感じるのだ。
ちなみに今回も4名での訪問であった。期待値が高いだけに何が出てくるかワクワクなのであった。
この日は
しずのお刺身
菜の花のおひたし
酢飯にクチコ
蛤乳麺
穴子の焼き霜
茹でたたけのこ
金目鯛の焼物とふきのとう味噌
新玉ねぎの揚げ物 塩昆布と
車海老のごま和え
赤出汁 車海老真丈
漬物
白ご飯
黒蜜寒天
ひとつひとつの料理については敢えて言うまい。
いつもながら1mmの隙もない料理ばかりであった。私の少ない経験の中ではあるがやはり他の店とは全く違う味わいがあり、それが私の中にググっと刺さってくるのである。
余計な飾り気一切なく、素材を生かす直球勝負の吉いさんらしい料理の数々を堪能することができた。
日本広しといえどもここまでの直球勝負のできる料理人は他にいるのだろうか。
あっという間の2時間半の幸せな時間が過ぎた後も余韻に浸ることができた。
次の訪問を楽しみに待つとしよう。やはりココは日本で一番好きな割烹である。