3回
2018/11 訪問
希代のエンタテイナーが繰り出す「驚き!!!」の数々
1年3か月ぶりの再訪である。あの当時はウワサに聞くぐらいで今ほどブレイクしていなかった。しかしあの時訪問した後、この店は早く行かないととんでもないことになる・・・と確信していた。すると3カ月も経たないうちに雑誌の表紙に載ったり、ユーチューブで話題をさらったりとその勢いは止まることを知らず、もう食べ歩きの世界では知らない人がいないぐらい有名な店に駆け上がっていった。
元々は今の大将のおじいさんが戸畑の地で開業。一昨年までは大箱の一般的な地方の鮨屋であった。しかしあの大将の持ち前のエンターテイナー性が受け、もう日本全国どころか世界中から人を集める店となってしまった。
今回はランチでの訪問である。ランチとはいってもこちらでは今昼も夜もコース1本なので、都合の良い方で行けば同じものを食べることができるのだ。今回は私は夜会食の予定があったので、ランチでの訪問であった。
12時一斉スタートである。カウンターに座ると向こうには昨年より一段と自信を深めた顔をしている大将の渡邊さんがいらっしゃた。昨年以来、本やネットで見ていたけどやはりあの眼力(めぢから)凄いものがあるなあ~~
今回はいきなり大トロとキャビアからのスタートであった。前菜は煮鮑、以前も頂いた甲羅を裏返しにしたお皿に盛られてくるワタリガニの身、そして低温調理したトラフグの白子の上に届いたばかりのアルバ産白トリュフを「これでもか!」というぐらいかけていくらと共に頂いた。どれも食べたことがない驚きの連続であったが、一番びっくりしたのが10キロのカツオの刺身であった。通常カツオは2~3キロ。大きくても4~5キロである。しかしこの日のカツオは10キロ、形は見ていないので何とも言えないが、身はビックリ知るぐらい脂が乗って全身トロ状態であった。口の中に入れるとす~~っと溶けてその味わいは本マグロの大トロよりも美味しい~~初めての感覚であった。
そしてこちらのスペシャリテ、うなぎバーガーを頂きそこからは松茸のお吸い物をはさんで握りの連続であった。中トロ、大トロ、赤身、煮ハマ、特大赤貝に「そこらへんのアジ」(笑)・・・
どれも驚きの連続であった。また昨年よりも酢飯がマイルドになった感じがして、より一層ネタを引き立ててくれる感じがした。
約2時間半滞在したが、最初から最後まで笑いっぱなしで最高に楽しく、料理も最高に美味しかった。その上素材を見るごとにみんな「お~~っ」という歓声が上がるぐらいのビックリするものを揃えて出してくれた。
北九州というアクセスの悪いところにあるお店だが、
「わざわざ旅行してでも訪問したい店」
なのである。ちなみにこれはミシュラン三ツ星の定義でもある。この大将の豪快さを知るとこちらの鮨からは離れられなくなるのだ。こちらは生涯通いたい、そんなお店なのだ。
2019/01/25 更新
2017/08 訪問
凄い寿司屋に出会ってしまった~~
とにかくすごいお寿司屋さんに出会うことができた。とても美味しく楽しい、一言で言えばそんな陳腐な表現になってしまうのだがもうそうとしか言えないのだ。
凄いお寿司屋さんが北九州にあるという話は食べログ仲間からも聞いていたし、某グルメ芸人さんも訪問して絶賛していたとのことを風の便りに聞いてとても興味を持っていた。
場所は北九州市戸畑、私はこの日ちょうど小倉で用事があったので、到津からタクシーでの訪問となった。戸畑バイパスを走ってわずか10分程度、夜宮公園のすぐ近くだ。
タクシーを降りて店構えに衝撃を受けた。濃い色のピンクの門構えで銀座の鮨屋によくある「奥ゆかしさ」というものが全く感じられない造りだったからだ。
とても派手な入口なのである。予約時間の少し前に着いたのだが、すでに入口にはスーツ姿のお店の方が待っていてくれた。
名前を言うと「こちらへどうぞ!」
と素晴らしい対応であった。そして案内されるまま2階にエレベーターで昇った。降りて左奥に向かうと長いカウンターがありその向こうには一目で大将と分かる人がいた。
見た目は内山くんかな??(失礼!!)
この方こそオーナーの3代目渡邉貴義さんであった。
想像した通りかなり派手なことが好きな方のようである。白衣(というのかな??)には
「JAPAN」
と書かれており、何故か?と聞いたらすでに海外での仕事も決まっているらしい。夢は世界制覇のようである~~野心満々なのである(笑)
かなりギラギラしたものを感じたが、お寿司屋さんたるものそういうものを持っている人の方が期待が持てるのだ。
さて今回は急なお願いにも関わらず、受け入れてくれたお店に感謝しての食事であった。カウンターはピカピカに掃除されとても清潔感がありとてもしっかりと手入れされているのが分かる。
こういうお店はとても良い空気が流れていて食べる前から「絶対に美味しい」という確信が持てるのである。もうこの時点で期待MAXであった。
そしてカウンターの奥には刀のような長い包丁が置いてありそれで大将が魚を切るのである。そんなに長い包丁必要なのかなあ~~と思ったが、切り口の細胞を壊さないためにはスパ~~っと滑らかに切らないと味が落ちてしまう。そのための長い包丁らしい。
しかもこの包丁、1本で3桁万円するらしい。こういう一流の道具を使い、それをきちんと手入れしているお店に不味いところはない、と本能的に分かっているのですべての説明にいちいち納得してしまうのだ。
しかし魚がなくて、あの刀のような包丁を持っているだけだったらこちらの大将、誰が見てもその筋の人にしか見えない(笑)
今回はランチでの訪問であったがカウンター席は夜も昼も関係ないようだ。最初は下関の殻付きの雲丹からのスタートであった。殻が半分に割ってありとても食べやすくなっている。スプーンですくって口の中に入れるとほど良い甘さと磯の香りがマッチしてとても美味しかった。
続いてはワタリガニであった。蟹の甲羅がお皿代わりになっているのだがこれを見て驚いた。なんと甲羅の湾曲が逆になっており甲羅の表側に料理が乗っていたのだ。どうやって甲羅をこのようにできるのか?と聞いてみたらこれを習得するのに100万以上払ったとのこと。とにかくあらゆることで客を楽しませようとしているのがよく分かるのだ
ほぐした蟹の身の上には雲丹とオクラが乗っていた。そしてとても美味しいジュレで味つけがしてあった。これも何の文句もない一品であった。
そして何やら大きな陶器製の入れ物を持っていた。ふたを開けて中からとてつもない大きさの煮アワビが出された。それを例の刀のような包丁できれいに切って出してくれた。その際一緒にアワビの肝で作ったソースも出てきた。これに浸けて食べると濃厚なこと・・・美味しいを通り越している・・・
そして余った肝ソースがもったいないなあ~~と思っていたら大将かなり色の濃いが酢飯を入れてくれこれをその中で崩して頂いた。
次は五島で獲れた26キロのクエである。大将が長い包丁で切ると・・・脂がべったりつくぐらいのお刺身であった。熟成させたクエは口の中でとても良い香りが感じられ白身本来の美味しさを堪能することができた。
そしてカツオのたたきだがこれも初めての食感であった。無農薬の藁で燻したカツオのたたきは燻製の香りが素晴らしくおそらく人生で食べた中で最高のものであった。
これだけ驚きが続くともう後は何で驚かせてくれるか楽しみである。
天然うなぎの肝焼きの串を食べた後、出てきたのは何と天然うなぎのサンドイッチであった。少量のシャリを天然鰻で挟んで、それをさらに海苔で挟んであった。鰻はあえて遡上する前の海ウナギとのこと。全く泥臭くなくて脂ノリノリ、最高に贅沢なサンドイッチであった。
こちらのお店では地元にお金を落とすため、あえて福岡、山口のものを調達しているそうだ。そうすることによって地元を活性化させたいとおっしゃっていた。しかしネタの中でどうにもならないものがある。それはマグロである。
今回は今シーズン初の大間のハラカミの部分が登場した。もう見るからに美味しいに決まっているでしょ!と言いたいぐらいの色が良いマグロである。それを目の前で切って鮨にしてくれた。
づけ、も美味しかったし中トロも抜群であった。ちなみにこちらのシャリは色がウナギのたれがかかっているのではないか?と思えるぐらいの濃い色をしていて、酸味と酢の香りが少し強めである。そのあたりが何となく・・だが好きな銀座の鮨に似ているのだ。
そして済州島近くの大きなサバはまるでカモメのようないでたちをしていた。他では絶対に味わうことのできない鮨であろう。
そして海老、穴子などを頂いたが当然ネタもシャリも文句のつけようのないできの握りであった。
最後にシャインマスカットのデザートで終了。大満足、全く隙のないコースであった。
まだ予約はそんなにタイトではないが、近いうちに大ブレイクするのは間違いないだろう。
予約の取れる今のうちに行かれることをお勧めする。
2018/10/31 更新
またまた久しぶりに訪ねることができた。今回で3回目である。こちらのお店に関しては食通の友人からも賛否両論あるが私は大好きなお店である。というのも今まで訪れたどのお店よりも楽しい時間を過ごせたし、最初から最後までびっくりして笑いっぱなしで帰りのタクシーに乗るまで楽しませてくれるたのである。
こちらの3代目である渡辺さんは
「うちの商品は自分自身」
と言ってはばからない。もともと戸畑の片田舎の普通の鮨屋だった照寿司を今や世界中からこちらを目的に人を呼べるような店に育て上げたのも3代目なのである。SNSを使い、パフォーマンスし過ぎるとかいろいろな方から批判もあったようだが、自分の信じる道を進んでこられてたった3~4年で日本の食通で知らない人はいないぐらいの有名店に育てたのも事実である。とにかく店のためになることはいろいろされてきたそうだ。昨年はニューヨーク、そして今年は本当ならサウジアラビアに寿司を握りに行く予定だったらしいが、このコロナでその話は立ち消えとなったとおっしゃっていた。彼の頭の中には日本はおろか世界が見えているのである。
今回もほとんどすべての材料は九州、山口のものを使っていた。有名になると東京に出たがるお店も多い中、彼は戸畑を心から愛しているようなのである。この日はカウンター8人で皆さん大阪や福岡市など地元以外の方ばかりのメンバーであった。
今回の料理もすごかった。ウニとキャビアの海苔巻きを頂いた後にはおつくりからであった。ウニや白身の魚など楽しませてくれた。そしてあの長~~い刀のような包丁も健在であった。
最初この包丁を見たときにはこちらの大将、あっちの世界の人かな??刀が妙に似合ってるな、と思った記憶があるのだが、どうやらこの包丁、照寿司のHPで通販しているらしい。1本130万円である。限定品なのでどなたか興味のある方、どうでしょうか??(笑)
そしていつも出てくるとにかく大きいアワビの煮たものが出てきた。これも贅沢に分厚く切ってあり、そこに気もソースを混ぜて頂くのである。これも美味しかったなあ~~そしてその鮑のソースとバーミキュラで炊き立てのご飯で作ったシャリを絡めて頂いた。ニューヨークでの営業の時にはこのバーミキュラを3台持っていったそうである。もうシャリも大将の中では出来上がっていたようなのだ。ちなみにニューヨークでのお店には私が世界で一番好きなレストランのシーザーラミレスさんも食べに来られたそうである。彼は日本びいきだからなあ~~
そのあとカツオにカラスミを頂き、ここから握りのスタートである。もういろいろ頂いたので数えるときりがないのだが、どっさりウニが乗ったもの、特大の車海老はシャリが上になっている変形物であった、そして大トロ、きす、桑名の煮ハマ、等々であった。そして最後にはこちらの名物「うなぎバーガー」が出てきた。もうご存じの方も多いかとは思うがこのうなぎバーガー、松屋とコラボして松屋でも食べることができるようである。しかし同じ形はしていても照寿司のうなぎバーガーは天然うなぎを使用して大将が丁寧に焼いたものを使っているので全く違うものだろうね。これも最高に美味しいものであった。
まだまだ書き足りないものあるがお客さんとのコミュニケーションを一番とする大将の姿勢は感服するものがあるし、料理も以前よりも格段に美味しくなってきている。舌の肥えた客が大勢来るから大将も鍛えられたのだろうね~~
いろいろな評価はあるかもしれないが、こちらを経験されていない方、また2~3年前に一度だけ食べてそれっきりの方などにぜひとも今の照寿司を体験してほしい。私もまた北九州に来る機会があれば必ず訪問したい、そんな大好きなお店なのだ。