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昼の点数:5.0
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~¥999 / 1人
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料理・味 -
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新しい“熱”をすする
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2025/11/14 更新
後楽園のメトロエム地下、かつて『カレーの王様』があったあの場所に、2025年11月に新たに灯った看板『立ち喰いつけ麺 喰狼(KURO)』。
あのカレーの味を追いかけて通い詰めていた頃が懐かしくなる。エスビー食品が運営していた時代の濃厚でスパイスの輪郭が立った味。事業譲渡を経てメニューが少しずつ変わり、ついには閉店。地下へ降りるたびに空いたままだった“あの場所”に、ついに新しい湯気が戻ってきたのだと思うと胸が温かくなる。
今回手掛けたのは「大勝軒まるいち」の運営元。
その名を聞いた瞬間から、麺に対する期待は勝手に上がる。店内は立ち食い7席のみのコンパクト空間。しかし、その狭さがむしろつけ麺の湯気と匂いを満たしていて、一歩入った瞬間に“戦いの場”のような熱気を感じる。
卓上の調味料のラインナップがすごい。胡椒、すし酢、リンゴ酢、一味、辣油、ガーリックオイル、ネギ油、そして葱生姜脂まで。この店は「食べ手の好奇心」をちゃんと信じてくれている。
入口横のタッチパネル式券売機(現金のみ)で食券を買い、提供前にトッピングをひとつ選ぶシステム。今日は迷わずメンマを選択。注文したのはもちろん喰狼つけ麺・大盛り。
コシのある麺がざっくりと盛られ、つけ汁は重厚な香りを放つ。ひと口すすった瞬間、旨味が舌をぐっと掴み、後からじわりと甘みが追いかけてくる。この感じ……「大勝軒まるいち」らしさがしっかり息づいている。
メンマはシャクッと歯切れ良く、葱生姜脂を数滴垂らせば、味わいがふっと軽やかに跳ねる。どの調味料を加えても味に新しい回路が生まれ、“大盛り”なのに飽きがまったくこない。
かつてよく通ったこの地下で、新しい店の新しい味をすする不思議さ。そして確かな満足感。
「跡地」という言葉を、こんなに前向きに感じた日は久しぶりだ。