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2025/11訪問
1回
新しい“熱”をすする
2025/11訪問
1回
東陽町の大通りを少し入った団地の一角に、アメリカンダイナーのようなネオン看板が光る。『Louis HAMBURGER RESTAURANT』。人形町の名店「ブラザーズ」出身の店主が2022年に開いたチーズバーガー専門店だ。 この日はベーコンチーズバーガーのスープセットを注文。本日のスープは濃厚なクラムチャウダー。温かい白いスープの中に小さなあさりが顔を出し、食前から心を掴まれる。 主役のバーガーは、ひと目見てわかる“本気”の仕上がり。厨房に吊るされた自家製ベーコンがそのままはみ出すほどのボリュームで、持ち上げた瞬間、スモーキーな香りが鼻をくすぐる。パティはハンドチョップで練りすぎず、肉の繊維がほどけるような柔らかさ。レッドチェダーがとろりと溶け、肉とベーコンをつなぐ。 噛むほどに炭の香ばしさが広がるのは、倖生炭グリラーでじっくり焼かれているから。ジューシーなのに重たくない、食後感まで計算された完成度。 炭の香りとチーズのコク、ベーコンの塩気が一体になった瞬間、「これが理想のハンバーガーかもしれない」と思わず口の中でつぶやいた。
2025/11訪問
1回
静岡・鷹匠の路地に、朝の光をやさしく吸い込むように佇む「YOAKEMAE DONUTS」。 2025年1月に駅前へ移転したメキシコ料理店「夜明け前」の跡地に生まれたこの小さなお店は、名前の通り「夜明け前」がプロデュースするドーナツスタンドだ。 ショーケースには、素朴で愛らしいドーナツが並ぶ。 この日はココナッツとメープルベーコンをテイクアウト。メープルベーコンはふわっとしたイーストドーナツ生地に、メープルシュガーのグレーズがきらりとかかり、カリカリに炒めたベーコンがトッピングされている。甘さと塩気が絶妙に溶け合って、朝の空気のようにやわらかい幸福を残す。 テイクアウト中心ながら、店内にはカウンター席が4つ。コーヒー片手にドーナツを頬張るひとときは、静かな朝の儀式のよう。 鷹匠の街にふわりと漂う甘い香りは、きっとこの店からはじまっている。
2025/10訪問
1回
目黒駅から歩いてすぐ。にぎやかな通りを少し抜けると、やさしい灯りに包まれた「佰年食堂太助」が見えてくる。暖簾をくぐった瞬間、出汁の香りがふわっと広がって、なんだか家に帰ってきたような気分になる。 この日はサバの塩焼き定食に、納豆とカキフライを追加。 パリッと焼かれたサバの皮を箸で割ると、ふっくらとした身が顔を出す。そこに熱々のご飯をひと口。噛むほどに脂の旨みが広がる。カキフライは衣が軽くて、サクサク。とろけるような中身に思わずうなずいてしまう。 ご飯は白米と発酵黒米玄米から選べて、どちらも炊きたて。追加で頼める具だくさんの豚汁も、やさしい塩気と野菜の甘みで心がほどけていく。 カウンター中心の店内はひとりでも入りやすく、タッチパネルで注文もスムーズ。お昼時のざわめきの中で、静かに“自分の時間”を過ごせるのがうれしい。 しっかり食べたい日も、ちょっと疲れた日も。 太助の定食は、ちょうどいいやさしさで迎えてくれる。
2025/11訪問
1回
HUMAXシネマズ成田で『もののけ姫 4K IMAX版』を観た帰り道、胸の奥にまだ森のざわめきが残っていた。 神々と人のあいだで揺れるあの静けさを抱えたまま、夜風に流されるように辿り着いたのは、ラーメン山岡家 成田店。 注文は「醤油ネギチャーシュー麺」。カウンターに座って丼を待つあいだ、映画の残像がゆっくり溶けていく。運ばれてきた瞬間、立ちのぼる湯気とともに現実へ引き戻される。濃厚なスープにネギが絡み、チャーシューの脂が舌の上でとろける。にんにくを投下、コショウをもりもり。体の芯がじんわりと熱を取り戻す。 映画の中の森が燃え、夜空を切り裂くあの火の粉のように、丼の中でスープの油がきらめく。静かな感動のあとに訪れる、確かな満腹。 成田の夜、心と胃袋の両方を満たすには、山岡家こそが正解だった。
2025/11訪問
1回
青葉横丁の路地にある『どみんご』。 飲み物を尋ねると、メニューはないけれど、「何でもあるよ」と店主が笑う。そんな軽やかな言葉に導かれて、カウンターへ腰を下ろした瞬間から、この店の世界に巻き込まれていく。 おでん鍋から立ちのぼる湯気。おまかせで見繕ってもらった数品に、だし粉をふわりと振る。静岡おでん特有の黒い出汁の香りが鼻先をくすぐり、思わず唾を飲み込む。ひと口すすると、しみわたる旨みに、体の芯がゆっくりとあたたまっていく。 その合間に、今朝、用宗で揚がったという生しらすが出てきた。とろりと濃厚で、舌に乗せた瞬間に静かな海が広がるよう。たったひと品で、季節の輪郭がはっきりと見える。 気づけば店は常連でいっぱい。笑い声とグラスの音が重なり合い、夜が少しずつ熟れていく。 知らない人同士が自然と会話を交わす。そんな空気が心地よくて、もう少しここにいたいと思った。 『どみんご』は、料理よりも空気を味わう場所だ。静岡の夜のやさしさを、だし粉とともに沁み込ませてくれる。
2025/10訪問
1回
静岡・人宿町の裏通り。賑やかな街の喧騒から一歩離れたところに、そっと灯る暖簾がある。「風と松」。その名前の通り、温かな空気が漂っていた。 店内は落ち着いた照明と心地よい音楽。カウンター越しには穏やかな笑顔の店主が立ち、ゆっくりと料理が運ばれてくる。そのテンポが心地よく、時間の流れがいつもより少しだけやわらかくなる。 料理はどれも丁寧で、素材の味がちゃんと生きている。だし巻き玉子はふんわりとしてやさしく、舌の上でほどけていく。刺身も焼き物も、奇をてらわないのに印象深い。派手ではなく、心の奥に残る味。 締めにはタコスを。和の流れのなかに唐突に現れるこの一皿が、また見事に美味しい。パリッとした皮に包まれた具材の香りが口いっぱいに広がり、思わず笑みがこぼれる。 「風と松」は、味も人もあたたかい。 静かに杯を傾けながら、日々のざわめきをそっと置いていけるような、そんな居場所だった。
2025/10訪問
1回
三茶の煙の向こうに、羊の香りがあった
2025/10訪問
1回
ラムの香りに包まれる夜
2025/10訪問
1回
高崎で出会った、ひとり焼肉の贅沢
2025/10訪問
1回
あらかわ遊園の帰り道で出会う、やさしい定食
2025/09訪問
1回
夏の終わりに、駒込でアイスをすくう
2025/09訪問
1回
夜21時の一撃
2025/08訪問
1回
TOHOシネマズ市原で『アマデウス』を観たあと、 劇場の余韻のまま向かった PIZZA DINING JOYs 五井店。 音楽の幸福感に満たされた心に、次は何を重ねようか……そんな気分で扉を開けたら、小麦のあたたかい香りがふわっと迎えてくれた。 ランチで選んだのは、ピザのランチセット。 サラダとドリンクがついてくるのが嬉しいし、なによりピザはハーフ&ハーフ にできる贅沢仕様。 フンギとビアンカを選択。 本格石窯で焼かれたピザ生地は、外はパリッと香ばしく、中は軽い食感で心地よく噛み切れる。 フンギのきのこ香る旨みと、ビアンカのミルキーでやさしい塩気が半分ずつ口に広がっていく感覚がたまらない。 そして、とろりと溶けたチーズの量がしっかり多く、映画館で胸を震わせた音の重なりみたいに、チーズの重なりが舌の上で豊かに響く。 『アマデウス』で高ぶった気持ちが、 ここで静かに美味しさのかたちになって着地したような時間だった。