『魯山人の言葉』tomkagaiさんの日記

足立美術館で一番感銘を受けたのは庭園でも特別展の絵画でもなく、壁に貼ってあった
魯山人の言葉、というパネルだった。撮影禁止だし後で検索すればいいや、と思った
のだけれど残念ながら見つからない。記憶を辿って書いてみる。

「…およそ絵であれ食であれ、その本質を理解するには膨大な事が必要になってくる。
数十年、数百年に及ぶ歴史から知らなければいけない。細民の美食から大名の悪食
まで知らないといけない。厨房の中にいるだけでは何十年かかっても理解は出来ない。」

細民の美食から大名の悪食…。この一節は間違いないと思うが、何とも示唆に富んだ
言葉である。確かに高額な料理とジャンクフードを等しく愛すレビュアーさんや、
あえて書いてないけど昔はこういったジャンルも制覇した、というレビュアーさんも
結構いる。

「私を嫌っている人は多い。私が滅多に人を褒めぬからだ。人を褒めちぎって生きて
いく事はたやすい。だが、意に沿わぬ物に意に沿わぬ言葉を吐くよりも自分自身に
正直であり続ける事の方が本当に価値のある事だ。」

後半、もっといい言葉が続くのだが忘れてしまった。そんな大層な事をしているつもり
はないが、食事に採点を付ける、などといった行為をしている以上、傾聴すべき点は
あるだろう。