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1位
1回
2016/07訪問 2017/03/06
#生井シェフは2017/03で退任されるそうです。
日本橋や大手町にはそれなりにフレンチがあるのだが、八丁堀というやや穴場エリアで
高い評価を得ているフレンチ。アミューズ多皿構成や立地に関してはやや賛否両論?
ビストロタイプで目の前の通りの眺めは良くないが、サーヴィスの質は高い。2015年
に星1つ獲得。土曜日のランチは平日とは違うコースが味わえる。
生井シェフの料理は意外な食材の組み合わせで全体として美味しく構築されるものが
多い。オーナーソムリエの星さんによるマリアージュも秀逸。お酒が好きな人は
デギュスタシオンを頼むと構成にないものまでどんどん出してもらえます(^_^;
#サラダランチの採点は4.1です。
●1回目(2014/09)
マイレビュアー氏のレビューで知ったお店。4点越えなのだが、珍しく評価が割れて
いる。もっとも、批判はアミューズ多皿という形式とCPに関するものが大半のようだ。
エリアが八丁堀なのと、ランチに安いコースがあるので、行ってみようと思い立つ。
他のコースと随分価格差があるが、店の実力の一端ぐらいはうかがえるだろう。
さっそく予約を…と思ったら一月先まで満杯で愕然とするが、何の事は無い、昼は
電話予約のみだった。
経路的にあまり差がないので、八重洲口から歩く。20分程度で到着。
この付近には去年、このクラスの店がこの値段で食べられるようになったのか、と
感嘆したレ トノ(テーブルワインが多いんだけど、セレクトが秀逸)、更に
人気系列店のtamayaもある。
それにしても本当に小さな店だ。数えるとこの日は17席セッティングされていたが、
20席も作れるんだろうか。窓際の席だったが、ビジネス街の通りなので眺めはあまり
良くない。
メインは2種から選べるが、ここで非常に詳細なメニューの説明を受ける。う~む、
ランチでここまで詳細に説明されたのは初めてだ。より熱が入っている感じだった
魚料理にしてみる。
カトラリーはカトラリーレストではなく、テーブルクロスの上に置かれた細長い板の
上に乗っている。
○キールロワイヤル ¥972
やや蒸し暑かったが、泡はやっぱり高いので、カクテルにしてみた。
○野菜たっぷりランチ ¥2160
#全然覚えられなかったので、メニュー名は私が適当に付けました。
・3種のキノコのスープ
上はカプチーノのエキム仕立て。スープと混ぜながら食べるが…う、うまい。
松茸他3種と言っていたが、松茸の風味は微かにする程度。メインはポルチーニ?
・バゲット
袋で提供された、やや黒っぽい、固いバゲット。噛むともちもちで味のするタイプかと
思ったが、違った。割と普通の味。
・採れたて野菜のグリーンサラダ特盛り
ボウル並に大きな皿に盛られたサラダ登場。有名らしい農場からの直送品。ジャガイモ
とトマトも2種類使うという凝りようだ。流れるような説明を聞いていたら、うっかり
写真を撮り忘れる。比較的手つかずの半分だけ撮影。しかし、結局のところは
グリーンサラダじゃないのか?と思って食べ続けると、ある事に気付く。野菜が半端
なく美味しいのだ。鮮度の成せる技か。意外にも素材でずどんと来る一皿だった。
などと感心しながら食べ進むが…さすがに量が多すぎる。やっぱり前言撤回!
○ショレイ・レ・ボーヌ2009 ドメーヌ・シャンタル・エ・ミシェル・マルタン
グラス ¥1188
軽めの赤を…というリクエストで出してもらったもの。ボーヌの赤なので、軽いという
より、ちょっと弱々しい感じがした。
・北海道産タラのエチュベ? ヴァン・ジョーヌのソース
ヴァン・ジョーヌって干し葡萄で作るワインだったっけ?とうろ覚えだったが、
もちろんジュラの特産ワインである。実はフランスの地方別のワインは一通り飲んだが、
ジュラだけ飲んだことがない。甘すぎない甘さのこのソースはとても美味しい。
上にはビーツ。そしてこのタラなのだが、一瞬イカかと思うぐらいの弾力で押し返して
くる。なるほど、ポワレではこの食感は出ないだろう。フォークとナイフをどかし
ながら、ソースを残さずすくって食べる。
○本日のデセール(カボチャのタルト) ¥756
何とここでデセール別という衝撃の事実が判明。そりゃ¥2000になるだろう。
という訳で追加でお願いしたが、この¥700という価格設定はいけない。セットなら
¥2400ぐらいが相場だろう。お得感を出しつつ、ここだけ値段高めなのは巧妙と
言えば巧妙。
タルトはカボチャ感強く、甘さ控えめ。手前が生クリームと何かのクランブルなので、
甘さはここで補完出来る。
・コーヒー
普通においしいコーヒーだが、個人的に嫌いな正円系の持ち手。このタイプのカップは
持ちにくいので、絶滅して欲しい。
・プティ・フール(ココナツのフィナンシェ?)
確か、ココナツと言っていた気がするのだが、あまりそういう味ではなかった。
□総評
¥5000越えなら減点しようと思っていたが、予想の範囲内に収まった。
接客も良くて、良い時間を過ごせたのだが、いざ点を付けるとなると、サラダに対する
疑念がふつふつと湧き上がってくる。例えば、農場の隣に食堂があれば、そこで
食べられる料理だ。それを都内で食べられるのは素晴らしい事だとは思うが、フレンチは
どこへ行った、という話だ。変化球で入れてくるならともかく、構成的にメインの一角を
成す皿である。確かにこのコースでも一端らしきものはうかがえたかな?
とは言え、全体的なレベルは非常に高い。他のコースでも十分な満足は得られる事だと
思う。
#某グラン・メゾンに行ったら、ここのサービスの質の高さを思い出したので、点数上げました。
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●2回目(2015/09)
なんだかんだで料理に凄みは感じていて(たいてい、うぐっとか書いているのがそれ
だ)、周辺も何軒か行ったら、そうそうないレベルの店だという事が分かってきた。
何故か上のコースの値段を勘違いしていたので一年ぶりになってしまったが、再訪。
#2015になって星獲ったのかな?
しかし、八丁堀で降りたら迷う。間違って北の方へ行って、うろうろする内に時間
オーバー。携帯持ってきてないよ…。焦りながらも何とかたどり着くが、汗がどっと
噴き出す。なんてざまだ。小皿にきゅうすでお湯を注ぐと何かがふくれる。アミューズ
かと思ったらなんとおしぼりだった。
〇デギュスタシオン1(泡×1、白×1、赤×1) ¥4968?+¥1080?
なんだかとち狂っていきなりムルソー頼んだら、今日の構成を明かした上で、やんわりと
別の提案をされる^^;今回、対応してくれたのはオーナーソムリエ氏?噛みしめるような
語り口で接してくれたのが印象的だった。
・ブラン・ド・ブラン ルグラ
シャンパンはあまり飲まないし、詳しくもないのだが、泡がかなり抜けたところで
飲んだら^^;うまくてちょっと驚いた。アミューズ1のサラミと特に合うと言っていた
かな。
〇おまかせランチコース ¥6480
平日は以前食べた川田農園サラダと、¥5400のメニューがあるのだが、このコースは
土曜限定。ディナーが¥12960のおまかせのみなので、ちょうど半額になる。
メニュー詳細はなくて、出て来てからのお楽しみ。サービス料10%。
・オリーブ
ラングドック産の三日月型オリーブ、リュック(もう一種、ピッショリーヌという
品種もあるらしいが、これは見た事がない)。皿は斜めに傾けられる。
・シャンベリー・ベルモット・ロタン ¥サービス
思いがけずドライ・ベルモットが出て来たが、なるほど、オリーブと合わせてマティーニ
ですか(にやり)。香りは結構控えめだ。
・アミューズ1
バスク・キントア豚のサラミ。でっかい塊も一緒にディスプレイ。味強めという事で
かなり薄く切られているが、テーブルに置かれた時から香りが漂ってきた。一瞬、
どんぐりっぽい香りもしたが、さすがに気のせいか。味は某自作サラミ店ほどには
とがっていない。
・アミューズ2
あ~、これはいろんなとこのレビューで見かける、掘り出すやつですね。体験する
のは初めてだ。種はキャラウェイで、中身はチーズクッキー。しかし、これが口に
含むと思った以上に濃厚で、更にカレーの香りもして驚く。キャラウェイがクミンと
似ている、という説明があったのだが、見事に意表を突かれた感じ。
・アミューズ3
はっとする外観。一体、何なのかと思ったら、上はビーツのふた、周囲はビーツの
飴細工、中にはクリームチーズとキャビア(もう1種、何かあったけれど忘れた)、
という説明。フレンチの飴細工ってたいていもろい物なのだが、これも一口で。
渾然となって何だかもう良く分からない味に。中にもビーツは入っていて、一応、
主役はビーツかな。
・アミューズ4
乾燥させて削ったフォアグラ(コポー)、カボチャのチュイル、生クリームと
パンプキン・シード。もはや一言で料理が表現出来ない。これがまた全体を合わせて
食べるときちんと組み合わさった味になる。うむむ。
・アンリ・ジロー ソレラ・ラタフィア・ド・シャンパーニュ ¥サービス
フォアグラと一緒にどうぞ、と。ラタフィアって初めて聞いたのだけれど、ブルゴーニュ
で作られる酒精強化ワインのようだ。シェリーと同じ、樽を積み重ねて抜いたら順に
補充するソレラ方式。元がブドウジュースなので、甘くてフォアグラとの相性もいい。
・アミューズ5
自家製豆腐に生クリーム、フォアグラソース、コンソメなど。さらっと自家製とか
言うけど、どんだけ手間かかってるんですか。確かに豆腐だ。味はコンソメベース
だけど、それだけではない。何だか焦がしネギっぽいものも入っている。これは和食
なのか、フレンチなのか。考えてみても答えは出ない。
ようやくアミューズ終了。3ぐらいから感心しきりで、本当に楽しめた。多皿批判とは
何だったのか。
〇アラン・ジャニアール ロゼ コトー・ブルギニオン2012 ¥1600
デギュスタシオンを泡×2に変更しようと思ったのだが、オススメというこちらを
追加で(ハーフも可だったのだけれど、フルで)。強めに冷やしてあるが、この
くらいの方が長めにピークを保てる。淡いバラの香り?
・パン
2種類だったかな?ちょっとだけ焦がした風味で、バターなしでもありでもいける。
脇役として料理に合わせるのに特化したパンだった。後、バターが柔らかいのは
温度のせいだけではないかな。
・前菜
馬肉、イチジク、サンマ、キノコ、後は謎の葉(説明忘れた)。またしても説明が
難しいが、馬肉の食感、イチジクの甘み、その他もろもろが合わさって完成している。
後、オススメのロゼがぴったりでさすがと思ったのだ、サンマとロゼは相性がいい
そうだ。
・ベリー・ブラザーズ&ラド ムルソー2011 +¥1000?
グラスメニューにあったムルソーをデギュスタシオン組み込みで(単体で¥1900)。
ドメーヌ・コント・ラフォンが別名で出しているワインで、ベリー・ブラザーズ&ラド
と言うのはネゴシアンかと思ったらワイン専門店?う~ん、なんだこの香り。
アーモンドかな。
他のテーブルはエレガントなマダム二人組、オーナー氏とも懇意らしい男性一人、
シックな装いの女性二人組。男性がボトルを注文していたっぽいのを見てデ・ジャ・ヴュ
感に襲われたのだが、そう、こうした男性がいた店はどこも料理の素晴らしい店ばかり
だった。非常に確度の高い指標だ。
・函館産タラ カブの葉ソースのリゾット
見た目つやつやしているのでもしや、と思ったが、エチュベというかブレゼというか
前回と同じく弾力のある仕上がり。シェフの得意とするところなのだろうけれど、
この作り方は本当に美味しい。緑は何の野菜なのだろうと思っていたらカブの葉で
ちょっと意表を突かれる。しかし、奇をてらったわけでもなく、きちんとしたソースに
仕上がっている。カブと、アサリとかも入っていたかな?(例によってメモが汚くて
読めない)
・ヴィルフリー・ルース シノン・レ・ピュイ
ACシノンってどこ?と思ったらロワールだった。カベルネ・フラン。ボルドーとも
また違った、穏やかだけどタンニンのしっかりしたワイン。
・フォラン・アルベレ アロース・コルトン・クロ・デュ・シャピトル2004 ¥サービス
え~~~。本日3回目のサービス。しかもプルミエ・クリュて…。2004は外れ年では
あるのだけれど、さすがに畑名だと格が違う。一緒に並べられたシノンには気の毒な事
になってしまった^^;さわやか腐葉土系+干しブドウ?何だかよくわからん。
・牛ホホ肉の赤ワイン煮 ロックフォールチーズソース付き
あまりにべたすぎて、コンフィともども滅多に頼まないホホ肉赤ワイン煮。しかし、
これが美味しい。何だろう、ソースの差かな。今まで前菜までは良かったのにメイン
が普通、とかいう体験も多かったのだが、最後までだれることなく駆け抜けてしまった。
付け合わせは根セロリと何とかというパスタ、後、定番のジャガイモのピュレなのだが、
これにクルトンで変化をつけてあるのが何とも心憎い。この赤ワインソースだけでも
十分なのだが、おまけのロックフォールチーズソースも捨てがたい。追加のパンを
駆使して残らず回収。
・デセール
キャラメルムース、生クリーム+塩、アーモンドのロミアス。これもロミアスを
割り、混ぜて食べる。塩の存在が効いている。しかし、こういう料理はどうやって
思いつくのだろう。
・ミシェル・クーヴルー ブロッサミング・オールド・シェリード ¥サービス
本日4回目。今までサービス2回というのは体験したことがあるが…。シングルモルト
なのだが、香りがまるで違う。フランスの作り手なのだが、樽に相当こだわっている
ようだ。
#家に一本、欲しい感じだけど、値段見て止めました^^;
・コーヒー
・プティ・フール(マシュマロ、フィナンシェ)
石そっくりなだけじゃなくて、かなり美味しいマシュマロ。フィナンシェの方はやや
ねっとりとした感じ。
気が付くともう3時間も経っている。まったく時間の経つのを感じさせなかった。
最後はシェフもお見送りに。
いや~、はまりました。料理はパーフェクト。グラス高め(¥1000超)で更に追加など
したものだからちょっと高くなってしまったけれど、この内容なら文句なし(でも、
さすがに飲み過ぎてしまった)。改めて店のコンセプトを見るとビストロ・レストラン
の定義をあいまいにしているが、ビストロのような店構えながら、料理やサービスは
レストランのそれだ。某店もそうなのだが、一人だとこのくらいのサイズの店が一番
居心地がいい。いずれ、もっとふさわしい器へはばたいて行く店なのだろうけれど。
土曜のおまかせコースの内容はそんなに変えないそうだが、後はその時々の食材で
適当に、とシェフがこともなげに言うのでちょっとびっくり。ミュージシャン出身と
いうシェフ、あれこれ計算するより、本当に感覚重視で作っているのかもしれない。
それにしても土曜日にして大正解だった。次はとりあえず、冬かな。
#採点、大幅に上げました(4.1→4.7)。
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●3回目(2016/01)
いつもの癖で銀座線に乗ってしまい、慌てて京橋駅からダッシュしていったが、
あっさり到着。こっちの方が近いぐらいか。まだ時間前なので、近くのバナナの上に
座って待つ。
〇デギュスタシオン2(泡×2、白×1、赤×1) ¥7020
グラスが1杯多いデギュスタシオンその2に。しかし、最終的にグラス数が凄い事に(^_^;
・ガストン・シケ トラディション
ピノ・ノワール主体のシャンパン。確かにそれっぽい。味は普通に酸味系。
・オリーブ(ラングドック産リュック)
・シャンベリー・ベルモット・ロタン
・ライゼットバウアー ブルー・ジン
何かいきなりグラス2つも出て来たぞ(汗)。前回と同じドライ・ベルモットにキンキンに
冷やしたブルー・ジン。針葉樹みたいな香りだが、これはジュニパーというヒノキ科の
植物らしい。一気に飲んでしまったが、温度が上がると砂糖を焦がしたような香りに
なるそうだ。なんだかもう酔っ払ってきた(笑)。
〇おまかせランチコース ¥6480
・アミューズ1(バスク・キントア豚のサラミ)
・アミューズ2(チーズクッキー)
・ブラン・ド・ブラン ルグラ
前回も飲んだルグラだが、最初スイカみたいな香りでびっくり。オレンジみたいな香りに
変化して、ちょっと変わっている。
・アミューズ3
巨大な箱が出て来たが、中には一口サイズという人を食った演出。フォアグラのコポー
とバニラ生クリームだが、今回は西京味噌を使ってあり、一番下はあんぽ柿(!)。
口の中で甘みと塩味が合わさり、味が完成する。
・クレメント シングル・カスク
今回のフォアグラのお供はカリブ産ラム。フランス領マルティニーク島産だったかな。
サトウキビの絞りかすで作るラムだが、これはサトウキビをそのまま使っているという
逸品。雑味がなく、すっと飲める。
・パン
・下仁田葱のポタージュ
極太下仁田葱を使った何とも言えない味わいのポタージュ。そして上にセロリ塩を
まぶした小魚のかき揚げが。これが絶品だった。
・ドメーヌ・ド・ラ・フェルメ・ブランシュ エクセレンス2011
プロヴァンスのAOCカシス。凄い軽くてあっさりした白。品種訊くの忘れた。下のクラス
だとマルサンヌ、クレーレット、ユニ・ブランとかいろいろ使っているようだが…。
ここでオーナーソムリエの星さんから、グラスの数は忘れて下さい、との衝撃発言が。
今回、いろいろな酒瓶が並べられた隣の席で、薄々感づいてはいたのだが、最初に
星さんの「酒好きな店」宣言もあり、マニアックなこだわりは相当なものだ。ワインも
結構高い物を使っているし、半分、趣味で出している気すらする(^_^;
・サンセール メガリテ2008
うぐっ、こ、これは…。熟成した白だ。大体、プリムールばかり飲んでいたし、特に
白の熟成ってあまり経験した事がないのだが、こんな具合になるものなのか。しかし、
2008って2007と並んで良くない年のはずだが…。訊いてみると、去年まではまだ
駄目で、今年からようやく良い感じになったらしい。十分に堪能させてもらった。
・ペコロス(小タマネギ)と本マグロのタルタル
真ん中のムースっぽいのもタマネギだったかな。下にはアンチョビとクミン、上には
食用カタバミのオキザリス。更に一滴だけ濃縮したバルサミコ。う~む、来ちゃい
ましたよ、シェフの得意とする食材のアンサンブルが。特にクミンの使い方が完全に
フレンチの物になっていて素晴らしい。何だかピーナツバターっぽい感じもしたが、
ゴマ油も使われていたせいか。
・サントーバン サンティエ・デュ・クルー 1erクリュ2013
・シャブリ ボーロワ 1erクリュ
同時に2杯出て来た(笑)。メモが全然読めない上に思い出せない。シャブリが普通の
シャブリっぽくなかったはずだが…。
・函館産タラ? カキのソース
この辺からメモが読めない上にかなり記憶もあいまいに(汗)。皮の上に原木シイタケの
ピュレが層を作っている。カキの他にはアオリイカだったかな。このカキのソースが
とにかく素晴らしかった。
・大山地鶏胸肉 イタリアンパセリのソース
ここら辺でペンが壊れてメモ取り不能に。丸いのはやはりペコロスだったかな。
ニンジンの葉と花で飾られた胸肉が何とも可愛らしい。これ本当に胸肉なの?という
ぐらいしっとりとした味わいだった。ナイフがペルスヴァルの9.47。滅茶苦茶良く
切れる。
・Chateau L'inclassable2014
・Alain Jeannia Cote de Nuits Village2006
好みを訊かれた上でメドックとコート・ド・ニュイ・ヴィラージュ。すぐ書けば何とか
なると思ったのだけれど、帰ったら寝てしまった。
・デセール(リンゴタルト)
オーソドックスだけど、タルトまで出来がいい。左は生クリーム、右は何のアイス
だったかな。
・カルヴァドス ドンフロンテ
リンゴタルトにはノルマンディーのカルヴァドス。30年物ですよ。
・コーヒー
・プティ・フール(マカロン、フィナンシェ)
大きな切株でサーヴ。マカロンも何だったか失念。
終盤適当なレビューになってしまったけれど、実は結構酔っぱらってたかも。結局、
泡×2、白×4、赤×2にその他×4。単に数多いだけじゃなくて、星さんが全力で頭を
ひねって料理に合わせてくれる。本当にその世界を堪能しました。この上に更におまかせ
コースというのがあるのだけれど、頼んだらどうなっちゃうんだろう(^_^;
#もちろん、前回全部飲んでるのを踏まえての、この数でしょう。
料理の方も再訪でどうなるかなと思っていたが、ポタージュ辺りから冴え渡りまくり。
もう値段とかどうでも良くなってきた。土曜でも上のコースが頼めると分かったので、
頼んじゃおうかな~。
今回、やはり正月明けで空いている席もあったのだが、フリーで入ろうとした人が
お断りされていた。土曜は食材の関係で予約専用かも。
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●4回目(2016/04)
最近、自分が高得点つけてるレビューはアルコールが充実してるからじゃないかと思う
今日この頃(^_^;夜メニュー+デギュスタシオンもおまかせコースで多分、過去最高額。
※今回も昼の訪問ですが、夜と同じメニューなので、夜として採点しました。
〇EDITION ¥12960
夜のメニューだが、土曜なら昼も頼める。他の日でも希望すれば出してくれる様子。
〇おまかせコース ¥9180
数は不定だと思う。今回は8種だった。
・ガストン・シケ トラディション
・マティーニ(モンキー 47 ドライ・ジン+シャンベリー・ベルモット・ロタン)
今回は本当にマティーニが出て来た。ドイツのシュヴァルツ・ヴァルトで作られた、
47種もの原料を使った世界的にも有名なジン。この豊かなハーブ香に圧倒される。
ちなみに味は全然しない。
・オリーヴ(リュック)
・アミューズ1(キントア豚のサラミ)
おなじみのサラミだが、今回はやや若い(?)ということでいつもより厚く切ってある。
塩も強めだが、旨味も感じられる。
・ブルーノ・パイヤール プルミエール・キュヴェ
ピノメインのシャンパーニュ。やや果実味が感じられる。
・アミューズ2(シャドウ・クイーンのキャビア詰め)
シャドウ・クイーン(ジャガイモ)をくり抜いた皮を揚げた後、半日経って元に
戻したもの(方法は忘れた)にサワークリームとキャビアを詰めてある。弾力のある
最中のような皮をかじると、おお、これはポテトチップの延長上にあるとでも言うべき
味だ。そこにサワークリームの酸味が加わる。むむむ、アミューズの段階から早くも
生井シェフのアンサンブルが炸裂だ。
・アミューズ3(ビーツとフォアグラ)
中はフォアグラと南高梅・蜂蜜。これをビーツではさんだ…わけではなくて、ピュレに
してから薄く焼いてある。この辺の細部のこだわりが本当に凄いのだが、確かにこの
やり方でしか出せない食感と味になっている。下は礫岩かな。
・アミューズ4(地ハマグリのスープ)
地ハマグリのジュ(?)を熱で溶けないゼリーとして加えてある。他に菜花、クレソンの
若芽、豆(これも若い感じ)、スープをかけて完成。ゼリーは良いアイデアだ。
・CHATEAU TOUR DE CALENS 2011
グラーヴのソーヴィニヨン・ブラン。微かに青リンゴ味。これが地ハマグリにどハマリ
でさすがとしか言いようがない。
・ドメーヌ・カブロル ピクプール・ド・ピネ プレスティージュ2014
ラングドックのピクプール。ミュスカデっぽい品種らしい。シトラス系の苦み+甘み。
・パン
・キュウリと鳥貝
小さく丸く巻いたのがキュウリなのだが、これにキュウリのパウダーに、大きめの白い
円もキュウリ(製法訊いたのだけど覚えられなかった)。上にフェンネルと、青いのは
ボリジというハーブの花。カキの味がするという(オイスターリーフとはまた別物)。
全景も撮ったが、かなり離れた位置にavocadoのピュレ。とにかくキュウリ尽くしで
凄いキュウリ味。中華にこんな味の料理があったな。それにしても絵になる皿だ。
・フキノトウと豚背脂
他にホタルイカも使っている。フキノトウのさわやかな苦みと豚背脂の相性の良さに
驚かされたが、フキノトウの天麩羅が発想の元になっていると聞いて納得至極。
・ドメーヌ・デュ・プティ・メトリ サヴニエール クロ・ド・ラ・マルシュ2012
シュナン・ブラン100%。白ながら、インクのニュアンスがある。後はライチかな。
やっぱりシュナン・ブラン好きだ。
・サワラと押し麦のリゾット パセリソース
これだけじゃ良く分からないので、めくったところも。サワラの皮が美麗だこと(*^_^*)
リゾットにはウニと、あとはウルイだったかな?しっとりとしたサワラが素晴らしい。
今回、一番の皿。
・SANCERRE ZESTE
きれいな酸のサンセール。この辺の白のどれかのマリアージュも素晴らしかったのだけど、
どれだか思い出せない(^_^;
・山吹ウズラとコンソメスープ
山吹ウズラは三河のブランド品種。下にモモ肉(?)と上に生の胸肉。ここにセップ茸の
コンソメスープで熱を加えて完成。他にジャガイモ、ペコロス、ナスタチウム。花の
名前は忘れてしまった。コンソメが胸肉には強すぎるかと思ったのだが、モモ肉よりは
弱く、ちょうど中間でバランスを取っている。地の旨味を持った、良いウズラだった。
・ボーヌ・モンルヴノ2010 ジャン・マルク・ボワイヨ
プルミエ・クリュ。きれいな赤茶色。料理に合わせてタンニンなし。そのためか、
2010だが熟成感は特になし。
・アヴァンデセール(キウイとヨーグルトパウダー)
パウダーはクリームチーズも使っている。これにカボスで香り付けしたプロヴァンスの
オリーブオイルをかけて完成。
・デセール(サクラジャム?とキャラメルエスプーマ)
白い球はクリームチーズのメレンゲ。黒いのはゴボウ(!)。周囲に薄く焼いたパン・
デピス。何故かゴボウが甘かった。
・プティ・フール(ヒジキのマカロン)
下は煎ったばかりのコーヒー豆。ヒジキはよくわからなかった。
・コーヒー
今回、シャドウ・クイーン辺りからずっとトップ・ギアだったのだが、アミューズから
強力なので、全体的な印象がやや散漫になってしまったきらいがある。なるほど、これが
この店に批判がある原因か。下のコースではそれなりにメリハリあるので分から
なかった。それと、値段も跳ね上がったが、それに比例して満足度が上がったわけでも
ないので、採点はやや低くなった。
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●5回目(2016年7月)
今回も夜メニューで。さすがにこの時季、あまり飲みたくないので、以前見かけた
グルマン氏にならってヴァン・ムスーをボトルで頼もうと思っていたのだが、リストの
値段見てびっくり。そこで、今日はシャンパーニュ主体で組み立てて…という話で一旦
まとまったのだが、そこはさすが星さん、セラーから自分用のクレマン・ド・ジュラ
を持ってきてくれた。
〇EDITION ¥12960
・ガストン・シケ トラディション
瓶を冷やすまで…ということでこれはサーヴィス^^
・オリーヴ(ラングドック産リュック)
・ライゼットバウアー ブルー・ジン
って言ってるそばからジン出て来たし^^; オリーヴとジンは星さんには譲れない一線
なのか。気温が高いせいか、香りが良く感じられた。凍っていた瓶の表面が気付くと
すっかり溶けていた。
・アミューズ1(バスク・キントア豚のサラミ)
〇Domaine de la Touraize Millesime 2012 ボトル ¥7020
クレマンはシャンパーニュと同じ製法で作られたスパークリング・ワイン。ヴァン・
ムスーより圧が低いらしい。ピノではなく、白ブドウから作ったブラン・ド・ブラン。
ヴァン・ジョーヌでお馴染みのジュラ産だが、結構人気あるようだ。やや複雑な香り。
やや温度が上がると変化も。シャンパンと言うより白を飲んでいるみたいだったが、
シャンパンよりも圧が低いせいか。
生井シェフが他テーブルであいさつされていたが、どこかの店のシェフ達なのだろう。
他のテーブルはカップルと女性二人組。サラダランチの構成は以前と変わっていない
ようだ。
・アミューズ2(鮎と蓼のマカロン)
いきなり鮎と言われてびっくり。これに合わせてあるのが蓼(タデ)。上からパウダー
もかかっている。鮎は全体を使ってあるようで、肝味。甘くはなく、塩味のマカロン。
・アミューズ3(フォアグラとナスのクリーム、カカオのクランブル)
・MELEDITH MADEIRA
上にはナスの皮のパウダー。フォアグラとナスの中間(?)の味。後、西京味噌を使って
いたのがこの料理だったかな?合わせるのは5年物のマデイラ酒。
・乾燥ササミのトルティーヤ
上の細い物がササミなのだが、一本一本ほぐした(!)後に乾燥させてある。他にオクラ、
マイクロニンジン、キャロット・ラペ。トルティーヤで包んで食べるのだが、なんだ
これは…。ちょっと説明不能な味だ。これを一言で言うと何だ?必死に考えていると、
鶏、という単語が頭に浮かんできて、ちょっと安心する。
・パン
・ボタンエビ、白キクラゲ、ペコロス、生マッシュルーム、ライチのエスプーマ
上からペコロスの粉と、木の芽(山椒)も。オリーヴオイルをかけて完成。もう訳が
分かりません。でも、美味しい。とりあえず、生井シェフがペコロス好きなのは
分かった(星さんも好きらしい)。
・五島列島産アオリイカとパスタ? イカスミとパセリソース
パスタ?が何なのか2回ぐらい聞いたのだが、覚えられず(汗)。これの完成度も高いの
だが、とにかくイカスミの旨味が濃厚。シブレット?も効いている。ほぼイタリアン
寄りな一皿だ。すっかり、まったり味わいモードになって食べていたが、まだ前菜だと
気付いて、はっと現実に引き戻される。後で教えてくれたが、この料理だけはリクエスト
があるので毎年、この時季だけ出しているそうだ。これこそがシック・プッテートルの
スペシャリテなのかもしれない。
・ハモとヤングコーン ブール・ノワゼットとクミン
ヤングコーンのベニエとチュイル。後、ペコロスの粉だったかな?クミンできれいな
黄色。これはまさしく、アナゴの天ぷらをカレー塩で食べるのと同じ系統の味だった。
・仔牛、黒トリュフ ペシャメルソース
後はカボチャとナスタチウム、上のクロケット?は似たような名前が付いていたのだが
覚えられず。ソースも何か足していたはずだが…。大分、記憶が怪しくなってきた。
・キウイと実山椒のグラニテ?
・勝沼アイスワイン?
液体窒素で作ったグラニテ。多分、これであってると思うのだけど、自信ない(^_^;
・?
上はレモン。中央にちらっとオキザリスが見える。後はメモには枝豆と書いてあるの
だが…。全然思い出せません。
・プティ・フール(パイナップルシートとショウガ)
・コーヒー
たっぷり、3時間で終了。今回、第一希望も第二希望も埋まっていたので予定をねじ
込んだけど、長居しすぎたか。とりあえず、1シーズン通して行ったのでしばらく
間を置こうと思っていたけど、まだまだ行かないと駄目なようだ。酒量はちょっと
オーバーしてしまいました(^_^;
2位
1回
2016/12訪問 2016/12/13
六義園周辺には結構イタリアン/フレンチが多くて、その内の一軒…なのだけれど、
これが都内でも屈指のフリウリ州特化コースを出せるお店。
個人的にこの店との出会いは偶然に近くて、イタリア郷土料理もロクに食べた事が
なかったのだけれど、すっかり魅了されてしまった。フリウリ料理以外でも
前菜盛り合わせなんかを頼むと、この店の料理に手を抜かない姿勢が良く分かる。
いつもではないのだが、時折、とんでもなく当たりのメニューがある印象。
駒込からはやや歩くが、その分、CPは高め。後、全部フルで頼むと多すぎる
ので(^_^;、ハーフで様子を見るのが無難。
#どうも、南北関係なく、イタリア郷土料理は一部の人には受けが悪い事が分かって
#きたので、特に和食メインの人にはおすすめしません。
ダブルシェフ体制だが、営業時間内の調理は主にもう一人のシェフ(鈴木シェフ?
修業先はトスカーナ)が担当している。シェフは食べ歩きも好きで、こんな店に行った、
と言うと、次の時にはもう行っていたりする。混んでくるとやや回らなくなってくるのが
難点ではある。
客層はバラバラ。大体は、快適に過ごせる。
六義園のシーズン(桜と紅葉の季節)が特に繁忙期なので、少しずらして行くとより
快適に過ごせるかもしれない。
■おすすめ
・フリウリコース
普通のトラットリアとしても優秀だけど、やはりフリウリコースは絶対に押さえて
おきたい。特にチャルソンスは必食。
・魚介系料理
仕入れがいいのか、当たりが多い印象。カルパッチョだけでも侮りがたい。シェフに
オススメを訊いてみて、あったら頼んでみよう。
・パスタ
とりあえず、手打ちニョッキとカラスミパスタがおすすめ。最近はなんだか他にも
レアなパスタが?
==============================================================================
※字数オーバーしたので、まとめ以外は特に印象に残った料理だけ書くことにしました。
#写真はCTRL+Fで検索出来ます。
●2014/10
初訪問。開店7ヶ月目。
エゾジカを食べに行って、チャルソンスとの衝撃の出会い。
○シェフおすすめコース ¥4800
・前菜盛り合わせ
(カルパッチョ、白レバーパテ、スモークチーズ?、アスピック(ゼリー寄せ)、トマトソースの?、鴨の生ハム、自家製ハム)
その店の食材に対するバロメーターのような気がしているカルパッチョ。さてここのは
どうかな…と思って食べるとぷりっぷりだった。後で訊いてみたが、やはり力入れて
選んでいるようだ(産地は下田)。手前の自家製ハムはかなり美味しい。鴨の生ハムも
負けていないぞ。凄い噛み応えと濃厚さだ。左の透明なテリーヌのような物は
アスピック。写真よりクリアーで美しい外観をしているので、単品で頼んでみたい
ところだ。
・モンサンミッシェル産 ムール貝とプチトマ スパゲッティ
具はムール貝の他にエビとアサリ?、イカも少し入っている。かなり小ぶりのムール貝
なのだが、ちょっと味が濃い気がする。他の素材は愛知産と言っていたかな?エビは
そのまま食べられる。何故かは分からないけれど、妙に美味しい。
#モンサンミッシェル産 ムール貝はAOCでした。
・チャルソンス シナモンバターソースとスモークチーズ
濃厚なシナモンの香りと共に英語みたいな名前のショートパスタがやって来た。
ラビオリの一種ではあるらしい。写真では分かりにくいが、具にほうれん草が入って
いて緑色をしている。インド料理をほうふつとさせる。そしてこのソースなのだが…
チョコレート(!)である。上にはスモークしたリコッタチーズもかかっていて香ばしい。
一体どんな味なんだろうと食べ始めるが、単にチョコレート味というわけではなく、
ちゃんと料理になっている。特にこのスモークが絶妙だ。具にもリコッタチーズが
使われている。最初はシナモンがきつすぎるのではないかと懸念したが、そんな
心配は無用だった。念のため訊いてみたが、これがフリウリの郷土料理なんだそうな。
これが郷土料理って…(絶句)。都内でもこれを食べられる店はそうそうないようだ。
・ドルチェ(ティラミス、セミフレッド)
「半分冷たい」セミフレッドは、以前食べた層状のものではなくて、全体的にちょっと
冷えている。そしてこのティラミスなのだが…今まで食べてきたティラミスは何だった
のかと思う出来だ。生ティラミスとでも言うべきだろうか。「出来たてです」と言って
提供されたのだが、時間経過で味が違う物なのだろうか。最初、グバーナじゃない
のかぁ、等と思ってしまったが、そんな気持ちは完全に吹き飛んた。
●2015/01
〇シェフおすすめコース ¥4800
・前菜盛り合わせ
(ナス、サーモンマリネ、ずわい蟹とアボカド、ブロッコリーのオムレツ、鹿肉のミートボール)
とてもいい香りがする。鹿肉ミートボールのチーズかな。北海道産サーモンがめちゃ
めちゃ濃厚。そして、ずわい蟹とアボカドは、ヴェネト州の郷土料理(!)。ピンク
ペッパーが効いている。オムレツとナスもそれぞれ旨い。う~む、なんだこの皿は。
相変わらず、一品たりとも手抜きしていない。感心しきり。前菜盛り合わせは、
アラカルトでも頼むことが出来る。
・芝エビとズッキーニとカラスミのスパゲッティ
またしてもいい香り。このカラスミが最強すぎる。エビもこんなに大量でいいのか、と
思いながら食べ進めていくが…いや、いくらなんでもちょっと量多すぎなんじゃない
ですか、これは。お腹いっぱいになってきた。
・ポルチーニ茸とパンチェッタのニョッキ
チーズはゴルゴンゾーラかな。このニョッキなのだが、モチにしか思えない柔らかさ。
「外形」というものがない。ニョッキってこんなのだったかな。
〇グラッパ(小) ¥500
Facebookにあったどでかボトルのグラッパが気になっていたので、注文。グラス(大)
は¥800のようだ。シェフが普通にふたを開けるので蛇口は飾りなのかと思ったが、
もちろんそんな事はなく、空気を通すためだ。酒精強化ワインと勘違いしていたが、
これは普通に蒸留酒だった。このボトルは入口横に置いてある。
●2015/04
初のフリウリコース。ワインもフリウリのもので合わせて。開店1年ちょっと。
〇Emilio Bulfon Sciaglin Venezia Giulia グラス ¥800
メロイが開いたのでもう一杯…と思ったらほぼ最後の一杯で、もう無くなってしまった。
じゃあ最初に説明されたもう1つの方を…と言ったらこれは変わってますよ、と全然
違うワインを持ってきてくれた。むむ、ワイン力を試されている気がする^^; シャリン
という品種。まったく聞いたことがない。帰ってMYネタ帳を見たらちゃんと載って
いたが、フリウリの土着品種、名前は隣国スロヴェニアから来ているらしい。濃厚な
黄色、そして古漬けした洋ナシみたいな香りがする。それでいて味は酸味だ。う~む、
これは変わっているどころではない。
〇フリウリコース ¥5500
・グリーンアスパラとタマゴ バター・アンチョビ・ケーパー
割とシンプルな料理だけど、美味しい。パーティーで脇役として活躍する、そんな
タイプの料理。
・ポレンタのモンターニュがけ
クスクスに似ている粗挽きトウモロコシ粥。シンプルな塩味で、チーズ粥を食べている
ような錯覚に陥る。
・プルーンのニョッキ、プルーンとグラッパのアイスクリーム
これを食べたいと思っていて、パスタとして出て来なかったので今度アラカルトで
頼もう、と思っていたのだが、ドルチェ扱いになっていて驚いた。後で訊いたらどちら
にも使える料理なのだと言う。確かにチャルソンスよりも甘い。これもいいのだが、
実はプルーンとグラッパのアイスの方が美味かった。濃厚グラッパで、ラムレーズンの
上位版、という感じだ。フリウリはプルーンの産地のようだ。
●2015/06
〇赤豆のズッパ? ¥1000
今日はフリウリ料理を嗜む女子会があるそうで(何ですか、その素敵な集いは)、
良かったらどうぞ、と言うことでおすそわけ。中にはラビオリやパンチェッタが入って
いる。地味な見た目だが、ローズマリーとセージのいい香り。しかし結構ボリューム
あった。
〇グバーナ ¥600
フリウリの名物ドルチェ。未食をオススメされたのでもう一頑張り。カットする前を
撮らせてもらえたが、30㎝ぐらいある、どっしりとした焼き菓子だ。中にはフリウリ
名物のプルーンやレーズン、クルミがぎっしり。素朴な味わいだけどやはりボリューム
たっぷりだった。
●2015/09
最近行った店の話などをしていたら、シェフが西麻布でConvivioの樋口さんと一緒に
働いたことがあると知ってびっくり。業界の事情にも詳しくて、以来、いろいろと
教えてもらえるように。
〇北海道鰯のオーブン焼き ¥1200
意外と甘い味付け。レーズンぽいものも入っていたのだが、シェフによるとタマネギの
甘み、とのこと。トマトと松の実も使われ、非常に「らしい」北イタリア風料理だ。
〇子持ち鮎のコンフィ ¥1200
子持ち鮎なんて初めて見かけた食材だったのだが、ちょうどシーズンらしい。これが
鮎4:卵6ぐらいの割合で、通常の鮎とはかなり違った味わい。とても美味しい。味が
ついていてそれだけでも十分だと思ったのだが、右上の礼文の塩がまた良く合う。
先日、鮎の小骨でちょっとアレな目にあったばかりだったが、コンフィだとかなり
高温調理になるせいか、全然大丈夫だった。今回、一番だった皿。
〇トラミン グラス ¥900
ケットマイアーが最後の一杯だったので、新たに開けてもらった。なんとTRAMINは
ゲヴェルツ・トラミネールの原産地であるらしい(アルザスじゃないのね)。
でも、これはリースリングと、あと4種ぐらいの混醸だった。味はあんまり覚えて
ません^^;
〇イタリア産カラスミと白イカのスパゲッティ ¥1700
今回、楽しみにしていたカラスミパスタ。他の店で食べるといつもここの味を
思い出してしまう。メニューだとブロッコリーだったのだが、シェフのオススメで
白イカに(+¥100)。このイカが美味くてびっくり。変えた甲斐があった。ただ、
話に夢中になっていたら、時間が空きすぎたのか、最後ちょっと油がきつい感じに
なってしまった。
〇クレマ・リモンチェッロ ¥サービス
白いので何かと思ったら、なんとミルク入りのリモンチェッロ。何だかどこかで飲んだ
ことあるような味がする。レモン牛乳?いや、栃木特産のレモン牛乳なんて飲んだこと
ないぞ。結局、思い出せず。
●2016/01
フリウリコース2回目。体調が悪く、料理の内容でいろいろと気を使ってもらう。
〇ブラッドオレンジジュース ¥550
まだ体調戻らないのでソフトドリンク。ブラッドオレンジって料理に合わせにくい、と
思っていたのだが、酸味がアクセントになって結構合った。おいしかったし。
〇お通し(京野菜のピクルス、豚喉肉のリエット、チーズフリット、鴨胸肉ハム) Coperto¥200
京野菜のピクルスはちゃんと京野菜している。こんな単純な方法で和洋折衷料理が
出来上がっている。フリットは2種類使っていて、パルメザンと…ミモレットだった
かな?喉肉も旨いし、鴨胸肉はいつも通りだし、今回も大満足のお通し。葉っぱは
パセリだった。
〇フリウリ郷土料理コース ¥5500
・ソバとポレンタのチーズがけ
何かと思ったら蕎麦粉とポレンタに、フリットと同じくチーズを2種かけたもの。
蕎麦粉を食べるのはスロヴェニアの習慣、とのこと。なるほど、国名の通り、スラヴの
国だからなのだろう。リンゴのペーストと皮も使ってあり、薄味だが何とも不思議な味。
東欧だと蕎麦粥のカーシャがあるが(食べた事はない)、それともまた全然別物だろう。
・ポレンタ、ホウレン草、パンチェッタのスープ
優しい料理。スープと言うより粥かな。ぺろりと食べてしまった。
・カボチャのリゾット
んん~、カボチャ?上にはスモークしたリコッタチーズがかかっている。チャルソンス
と同じ香りだ。またこれも和食のおかゆ+カボチャとは全然違う味だ。ちょっと甘い。
今回、パスタ出て来なかったのでシェフに訊いてみたら、時間あったので手間のかかる
料理を作った、とのこと^^;(私含めて3組だった)
●2016/04
この回は大当たり。開店2年ちょっと。
〇アイナメのカルパッチョ ¥1200
迷った末、シェフがオススメに挙げていたものにしたのだが、これが美味すぎた。
アイナメの鮮度もいいし、野菜がとろける(カラシ菜と水菜だったかな)。過去最高の
カルパッチョだったかもしれない。
〇ばってん茄子と燻製モッツァレラのカプレーゼ ¥1300
バッテン茄子って何だろうと思ったら、熊本産のナスだった。水茄子ほど水分は多く
ないが、サラダ向きのナスだ。
〇ネコティウム ピノ・グリージョ2014 ¥サービス
フリウリのピノ・グリージョ100%。シャルドネの方は味と香りが一致していたが、これは
ピリっと来る酸味と香りのギャップがある面白いワインだった。
〇タケノコとサルシッチャのニョケッティ ¥1700
メニューではリゾットだったのだが、シェフの提案で小さめのニョッキに。はぁ~、
相変わらずここのニョッキは美味い。なんちゃってイタリアンのものとは大違いだ。
サルシッチャがあまり自己主張の激しくない薄味で、タケノコと共に絶妙の塩梅。
ちなみにイタリアにもタケノコは生えてるけど、気味悪がって食べないそうだ。
〇イサキのソテー(ハーフ) ¥1600
メニューに興味を示していたら、シェフが先を読んで内容決めてくれた(笑)。しかも
別メニューの山菜のフリット(ウドとコゴミ)まで付けてくれた。これでちょうどいい
量になったし、もう至れり尽くせりです。
〇サンブーカ ¥600
ニワトコのリキュール。これにコーヒー豆を入れてファイヤー!香り付けしたら
グラスを移しかえる。リキュール自体、結構香り強いので、コーヒーの香りはいまいち
分からなかったかな。
●2016/06
蒸し暑くてビールとスプマンテのみ。なかなかイケていたので、今まで行っていなかった
真夏も行く事に。
〇サンダニエーレ産削り立て生ハム ¥サーヴィス
削り器?で削っていたのだが、これは本当にいい生ハムだ。ジャンルこそ違うのだが、
質の良い鰹節の中の方を削ったピンク色の部分に通じるものがある。後でシェフにも
聞いたが、生ハムは酸化による変化が重要なようだ。
〇北海道産牛モモ肉のハムとルッコラ ¥1400
マリネに2週間、乾燥に2週間ぐらいかけたという手間のかかった品。かなり甘いのだが、
これが肉だけの甘みと知ってびっくり。上にはスライスしたチーズとルッコラ。特に
~農場産とかはうたっていないが、ルッコラの鮮度もいい。
〇水茄子と燻製モッツァレラ ¥1400
シェフのオススメから。メニュー名ではそうは思えなかったのだけど、カプレーゼ
なのか。燻製モッツァレラのいい香り。シンプルだけど、旨い。水茄子もこの季節
向き。
〇トローフィエ 磯ツブ貝のバジリコソース ¥1600
どうもメニューに見慣れないパスタが2種あると思ったら、これもオススメだという
ので頼む。このこより状の外観が特徴らしい。もう一つはパッケリという巨大マカロニ
だった。具はツブ貝とバジルの他に、ジャガイモと、緑のは大きめのさやえんどう?
んん~?これはピーチだな。うどんのようなコシのあるパスタだ。シェフに訊いた
ところ、確かにピーチと同類のようだ。
●2016/08
昼間食べた、頂き物のクッキーのせいで、あまり食欲なし。
〇冷製カッペリーニ 大山地鶏スープ ¥1200
上にはサンダニエーレ生ハム。薬味が素麺互換じゃないか(笑)。ほぼ、冷やしラーメン
といった印象。夏はこういうのもいいかもね。
〇モレッティ ドッピオ・モルト ¥800
メニューにあった、もう一種のビールだけど、これもモレッティだったか。飲み応えは
ややあるが、意外にもフルーティな感じだ。これはどこかで見かけたらまた頼もう。
〇仔牛のミラノ風カツレツ(ハーフ) ¥1500
飲んだらちょっと調子出て来たので、オススメ品を。これは良かった。他にベリートマト
とチーズ。肉の旨味が十二分にあるので、レモンはかけなくていいかも。
〇トスキ・ノチェロ(クルミのリキュール) ¥800
何故かグラス勢揃い。中央左のクルミリキュールをセレクト。中央右のヘーゼルナッツの
リキュールと迷ったのだけれど、香りはそれほど変わらず、むしろこちらの方が
ヘーゼルナッツっぽかった。
●2016/10
フリウリの地図も引っ張り出してきて、チャルソンス談義。何だかイタリアに
行きたくなってきた。
〇お通し(クロダイ+カラスミ、紫キャベツ、?) coperto¥200
クロダイのカルパッチョの上にカラスミが。この値段のお通しで頑張りすぎだ。
今日のおすすめを訊くと、最近は私がいろいろ食べたがっているのを知っていて、
とにかくてんこもりスペシャルを出してくれた。
〇前菜盛り合わせスペシャル ¥1800
サンダニエーレ産生ハム、テリーヌ、生ハム+?のブルスケッタ、湘南野菜のテリーヌ、
霜降りマイタケと牛スネ肉のミートボール。この中では生ハムに何か処理をした
ブルスケッタが特に美味かった(かなり話し込んでいた上にノーメモだったので
忘れてしまった)。すごいボリュームもあったんだけど、こんな値段で何だか
申し訳ない。
〇ヴェンク2007・ブラソン グラス ¥600
何となくフリウリらしいワインというのが分かってきた気がするが、その「らしい」
ワイン。最後だったので、かなり多めに注いでくれた(汗)。今回はスプマンテと
ヴェネトのシャルドネも良かった。
●2016/12
久々のフリウリコース。クリスマスまでまだ間があるから大丈夫だろう、と思ったら
他5組で満員。
〇フリウリコース ¥5500
・ニンジンとカルドンチェッリのピクルス、鴨生ハム、サンダニエーレ生ハム
サンダニエーレ生ハムが相変わらず美味い。カルドンチェッリはイタリア産黒エリンギ。
・ウサギのインボルティーニ?、プロシュット・コット
ウサギは内臓も使っていてもつ味がする。プロシュット・コットは加熱したプロシュット。
凄い厚さだ。これはこれでおいしい。中央はポレンタ、上は名前忘れたけど、魚の
すり身だった。この2つも日本で食べた事ある味ではない。満員の中、仕込みも大変
だったと思うが、さすがぬかりない。
・グヤーシュのニョッキ
ハンガリー名物、牛ホホ肉のグヤーシュをソースにしたニョッキ。ビターな味わいだが、
パプリカだけでこの味を出しているんだろうか。だとしたら相当大量に使っている
はずだ。
・チーズと細く切ったジャガイモ?
名前不明。こういう料理、作ったことがある気がする。素朴な美味しさだ。左は
ポレンタ。
・エゾジカの赤ワインとカカオ煮
先日食べ損ねたカカオ煮。ちょっとだけ登場。味濃い目で、あまりカカオ感はない。
・プリッツァ?
名前は多分、間違っている。ラム酒レーズン?やクルミを使っていて、グバーナの
チョコ版、といったところ。濃厚だが、生地が薄い分、グバーナほど重くはない。
相変わらず美味しいし、まだまだ食べたいのだけれど、最近、他の常駐している店と
比べて居心地の点でどうなのかな、と思う事がある。ちょっと今回の電話対応は
なかったかな。
#採点、下げました(4.2→4.0)。
3位
7回
2019/03訪問 2019/03/26
サラミ職人の資格を持つオーナー氏とイタリア大使館で働いていたシェフのタッグに
よる、日本でも珍しいアブルッツォ州料理のトラットリア。日本一濃いのではないか
とも噂される、完全現地仕様の味。よく、イタリア人も見かける。他に替えの効く店
ではないので、リピーターはかなり多い様子。とても好きな店だが、あまり一般向け
ではないと思うので、採点は控えめにしている。
■おすすめ
・野菜
自社農園栽培で鮮度抜群。シンプルにサラダが美味しい。
・肉類
アブルッツォの特徴の一つは羊料理だが、サラミを始めとして肉料理は流行りの
肉イタリアンなんかより、よっぽど満足感がある。ラグー系のパスタなんかも同様。
赤ワインと一緒にどうぞ。
・カヴァテッリ
手ごねのショートパスタ。ソースはメニュー改訂で変わるが、毎日食べられる、
くせになりそうな味。
・グラスワイン
どの料理にも合う、汎用性の高い安旨ワイン。ぐびぐび飲みまくれ!
・ドルチェ
見た目が楽しい、驚きのドルチェがちょくちょく新作で登場。オススメを訊いてみよう。
11回目。今回は早めに予約していった。まだメニュー変わってなくて、と言われるが
今日はどのみちサルシッチャ目当てだ。長らく3人(オーナー居ない時は2人)で回して
いたこの店だが、遂にシェフがもう一人増えたようだ(もちろんイタリア人)。
でも提供時間はそんなに変わらなかった。
〇グラスワイン・赤 ¥800×3
今日は最初から赤全開だ。
どんどん飲んでいたら段々量が多くなっていったような?(笑)
〇神戸牛のブレザオラ ¥?
生ハムどれか一種類にしようと思ったが、はて、どれが美味しいんだっけ?珍しく
牛があったので頼んでみたが、これは癖が無さすぎて失敗した。コッパにしておくべき
だったかな…。セルパチコとチーズとフルーツトマトと一緒に。チーズうまいな。
ブレザオラはキャンペーン中との事で安くなっていた
他にメニュー外メニューもざっと教えてくれたのだが、トリッパもあった。トリッパ
大体どこで食べても同じなのだけれど、この店のは一度頼んでおくべきか。
私含めて3組でスタート。今日明日は空きがあるが、他の曜日は満席、とのこと。
やはりもう予約無しで入るのは難しそうだ。
〇3色のパッパルデッレ 羊ソースと黒トリュフ、チーズ(ハーフ) ¥?
メニュー外から。写真では分かりにくいが、パッパルデッレはオレンジと緑もある。
このトリュフが厚い!噛み応えのある黒トリュフなんて初めて食べたよ…。やばい、
ソースが美味すぎる。イタリアンパセリ?で大雑把にバランスも取ってあるんだから
笑ってしまう。
〇フォカッチャ
〇サルシッチャのグリル ¥2000
またローズマリーを枝ごと…。レバーとモモ。ややペペロンチーノ(トウガラシ)も
感じる。これはもう癖が果てまで行っちゃってるね。普段、ピエモンテの星付き店で
修行した~という店にばかり行ってる人にはお勧めしない。
〇ピスタチオのジェラート ¥800?
ピスタチオが超濃い。ピーナツそのまま食べてるみたいだ。ミントも豪快に乗せてある。
〇甘草のリキュール ¥サーヴィス
今日はもう目一杯飲んだ~と思っていたらオーナーがにっこりしながら瓶とグラスを
持ってきた。しまった、これの存在を忘れていた(^^; しかもたっぷりと注いでくれる。
それほど度数は高くないみたいだけど。甘さとハーブ香と。
〇サフランのリキュール ¥サーヴィス
なにぃ。一杯目はまだ笑っていられたが、ここはちょっと真顔にならざるを得なかった。
ダイジョブ、ダイジョブ~と言うが…。それにしてもなんとびっっくりのサフランで
ある。物も見せてくれたが、ラクイラではなくウンブリア産。手摘みの最高級品だろう。
こんなリキュール頼んだら¥1700ぐらいはするのではないか。酸味もあり、上品な味と
香りだ。少しライム系?サフラン自体も味はあるようだが、リンドウで味付けした、
とのこと。ヨーロッパだと多分、ゲンチアナという薬草だろう。
帰りにまた入口横のサルーミの横で話していたら、イタリア人達がぞろぞろやって来て、
オーナーとがっちり握手。奥に吸い込まれていった。そういう店です、ここは。
10回目。今回はパスタのみ目当てだが、他に行く候補もあったので、直前に電話かけて
から行った。オーナー氏はイタリアに帰省中。速攻でオーダーを通す。
〇ブラッドオレンジジュース ¥600
早い時間から大人数のグループが2組スタート。早くも臨戦態勢だ。しかし、素面だと
ちょっと辛い。最近は、カウンター割烹の方が居心地良くなってきている。
〇キオッキ ¥?
前回小耳にはさんだ、キタッラの亜種?というパスタ。少し太いらしい。結局、イタリア
のパスタは地域によっても呼び名が違うし、イタリアに住んでても覚えきれないそう
なので、覚えるのは諦めた。カリッカリに焼いたパンチェッタのクロカンテとアスパラ、
左上にある骨髄のソースとメインは卵?だったかな…?キタッラとはちょっと食感も
違う。パンチェッタは塩もちょい強め。どうもこのソースはあまり好みではなかった。
〇ピッツェッラ ¥?
まあ、桃を使ったドルチェだろうと思い、ろくに見ずに頼んだが、ワッフルか…。
中央は赤ワインに漬けたベリー。黄色いのはサフランクリーム。桃の上にミント。
ワッフルはハート型をしていた。
今回はやや微妙だったかな。
チャッチャコーラの綴りはciacciacolaと判明。検索してもよく分からなかったが、
見た目カササギなので、やはり頭の良い鳥なのだろう。
9回目。また最後の一席だった。しかし、日によってばらつきがあるそうで。この辺、
超有名店でない限り、どこへ行っても耳にする不思議な現象だ。しかし朝から肉気分で
入れなかったらショックだから、今度から予約する事にしよう。
〇グラスワイン・白 ¥?
メニューは変わったばかり。よし、骨付き仔羊があるな。手早くオーダーを通す。
お隣はイタリア語ペラペラの男性。長く、現地で仕事されてきたのだろう。メニューに
ないパスタをオーダーしていたが、シェフもまかせろ、という感じだった。
〇七面鳥と野菜のゼリー寄せ 色々なソースで ¥1600
これはハーフには出来なかった。理由は見れば一目瞭然だ。ソースがサルサ・ヴェルデ、
サフランクリーム、ビーツの3種類。七面鳥は細かくちぎってあり、ゼリーはやや酸味も
ある。
〇フォカッチャ ¥? ※写真なし
やっぱり前回から少し変わっている気がする。
〇グラスワイン・赤 ¥?
赤は二種類あり、まずはmedium?な方を。モンテプルチアーノ・ダブルッツォ。真っ黒
でややスパイシーだが、スグリ(?)みたいな香り。酸味もある。
#今気付いたけど、例の赤い実はスグリのようだ。
割と早い時間から大人数のグループもスタート。
〇手長海老とフレッシュトマトのキタッラ(ハーフ) ¥1200?
ん!キタッラ旨すぎる。太くてバキバキだ。手長海老、これはスカンピか。日本の
スカンピの方が大きいですよね?と某所で覚えた知識を披露すると、オーナー氏は
イタリアの方が大きい、と言う。まあ、イタリア人の言うことだから話半分に聞いて
おくかな。美味しそうなソースも結構残るが、スプーンがない。すると、オーナー氏が
こういう時はスカルペッタだ、と言ってフォカッチャですくう仕草をする。じゃあ、
遠慮無く。
〇グラスワイン・赤 ¥? ※写真なし
重い方の赤。こっちの方がタンニンはややしっかりしていたはず。
〇骨付き仔羊肉のグリル 野菜添え(2/3) ¥2400?
ん~、これこれ。これですよ。フィンガーボウルも無いが、最後はかぶりつく!これ
以外の選択はあり得ないだろう。単なる脇役顔をしている野菜が美味すぎる。ポレンタ
(?)ももっちもちだ。3/3頼むべきだったかな、と思っていたが、もうお腹いっぱいだ。
フルで頼むなら他を削らないと駄目だろう。
奥の席には美女達もやって来て、もう満席に。開店と同時に入って、メインまでオーダー
通すのでなければ、さすがに待ち時間は長くなるだろう。
〇チャッチャコーラの巣 ¥950
謎のドルチェがあったので説明も訊かずに頼んでみたが…何コレ、楽しすぎ!
周囲は苦みもある飴細工、ホワイトチョコの卵を割ると、中身はパンナコッタ?
チャッチャコーラはアブルッツォにいる、何でも盗む鳥だそうだ。恐らくは巣作りに
使うのだろう。残念ながら検索しても鳥は特定出来なかった。原語が分かるといいの
だが…。周囲にはベリー類も。後、バニラの香りがした。
〇リモンチェッロ・ゼンゼロ ¥サーヴィス
濃いオレンジ色のリモンチェッロ。自家製じゃなくて、オーナー氏が届いたばかりと
いう瓶を封切りしてくれた(^_^; zenzeroはジンジャーの意味だった。
〇エスプレッソ・ドッピオ ¥500
一度、ドッピオ(ダブル)と言ったら通じなかったイタリアンがあったのだが、ここは
もちろん大丈夫。
もう満点でいいんじゃないか、という考えも頭をよぎったのだが、重い足取りで帰ると、
まあこんな点かな、というところに落ち着くのだった。見かけないパスタがあったし
(キタッラの亜種?)、今度はサルシッチャメインで頼む事にしよう。
8回目。どうにもここの肉が食べたくなり、カヴァテッリと簡易セットで済ませようと
やって来た。こうなってしまうと、この飢餓感はこの店でしか満たされない。最近の
レビューを読んだら空いてるのかと思ったらとんでもない。2人がけの1テーブルだけ
開いていたようだ。また混んでくると大変なので、ペースを上げて食べることにする。
〇ブラッドオレンジジュース ¥600
今日は飲む日じゃないので、グラスは1杯だけにしておこう。
〇サルシッチャとポルチーニのカヴァテッリ ¥2000?
オレンジ色のはパプリカ入り。とにかくサルシッチャとポルチーニ茸味。この店らしい、
豪快な料理だ。ここの料理を食べていると、世の中の細かいことなどどうでもよくなって
きて、悩み事も忘れてしまうくらいだ。
〇フォカッチャ
今まで一度もなかった事だが、ちょっと冷たい。
〇グラスワイン・赤 ¥700
これはモンテプルチアーノ・ダブルッツォだったらしい。
〇豚肉のポルケッタ ¥2500?
フルメニューなのだが、巨大な豚肉巻きを輪切りにしてある。詰め物を巻いているから
インボルティーニの一種かな?驚いた事に皮がパリッパリ・ギトギトだ。日本だと、
こうは作らないところがほとんどのようだが、完全現地仕様。包み焼き状態なので、
中はほろほろ。まあ、脂は多い。いろいろスパイスを加えるようだが、少しショウガ分
も感じた。ポテトは皮ごと焼いてあるが、甘みがある。
〇ピスタチオのジェラート ¥750?
1時間で食べ終わったが、まだ予約客はそろっておらず、料理はスタートしていない。
肉でしめるのもどうかと思い、軽い物を…と言うことでジェラートに。例の名前不明の
赤い実付きだ。
〇ザクロのリキュール ¥サーヴィス
(^^; まあ、これくらいなら全然大丈夫だ。ザクロジュースもそうなのだが、元の味(?)
とどうも結びつかない味。新作なのだが、飲みやすいように度数低めに作ってある。
う~むぅ、胃がずっしりと重い。一人ならハーフで十分だったかな(汗)。全然、簡易
セットじゃなかった。本来なら赤も2杯は飲まないといけないところだ。
入口横のクーラーにずらりといろいろな肉のサルーミが勢揃いしている。やっぱり、
サルシッチャのグリルを頼むべきだったかな~。本当言うと骨付き仔羊のグリルが
食べたかったのだが、メニューにはアロスティチーニしかなかった。メニューは
そろそろ変わるそうなので、また行っておこう。サルーミも単品で頼めないか、
今度訊いてみよう。
●1回目(2015/06)
某雑誌に載っていたのだが、イタリア人オーナーとシェフのタッグによるアブルッツォ
料理のトラットリア。自家製サラミが売りらしい。結構珍しいエリアのようだが、店の
HPによると日本唯一、とある。ちょくちょく通る高田馬場の外れにこんな店が…と
思って見ていたら、開店直後にレビューを読んだことを思い出すが、
素晴らしすぎるレビューがあったため、さっそく行ってみた。
通りからちょっと奥まったところにあるお店。厨房の横を通って奥に進むとシェフが
中からブォナ・スェーラ!とあいさつしてくれた。テーブル席のみだが結構素敵な
雰囲気だ。コースが安くていいかなと思ったのだが、何故か多いといって止められた
ので、アラカルトに。一皿は多いが、全部ハーフに出来るそうだ。
〇スプマンテ ¥700
甘さと酸味のバランスが取れたスプマンテ。スターターだが、一皿目が肉だから
赤にしとくべきだったか。
〇自家製アブルッツォサラミの盛り合わせ ¥1400
取りあえずサラミを食べないことには始まらない…と言うことでハーフではなく、フル
で頼む。サラミは4種類だったかな。それぞれの説明がなかったのはちょっと残念。
野菜の上に乗っている。かなり塩気が強いサラミ。それぞれ味は結構違うが、旨味は
しっかり出ている。赤に合いそうだが、それよりもパンにはさんだら最高に美味く
なるのではないかと感じた。右上のトウガラシは辛いので注意、と言われたが、
まったく辛くはなかった。
〇フォカッチャ ¥?
コペルトもかかっていなかったので、これは他の料理のおまけ、という事になるようだ。
薄い塩気と油の多いフォカッチャ。ついつい食べ進んでしまう。
〇2色の自家製カヴァテッリ 海老とアスパラのソース(ハーフ) ¥850
アブルッツォ名物・キタッラは切れていてパッパルデッレだと言うので、聞き慣れない
こちらのショートパスタにしてみた。ナイフで切って手で丸めるタイプのパスタの
ようだ。黒いのがイカスミ、白いのがプルーン?で2色。海老と薄く切ったアスパラ、
セロリが入っている。やや控えめな海老味なのだが、食べ進むほどに美味しく感じる。
パンもそうだったのだが、普段着の美味しい料理。いくらでも食べられそうだ。
〇グラスワイン・赤 ¥700×2
ガッツリタンニンの効いた赤。野性的な土の香りと甘さ、絵に描いたような南部の
ワイン(アブルッツォは地理的には中部だけど)。う~む、これは目利きの選んだ
安くて旨いワインという感触がする。かといって全然安っぽくはない。
〇骨付き仔羊のグリル(1/3) ¥1000
さて、アブルッツォと言えば羊(最近、知ったばかりですが^^;)。3ピースという
事で1ピースだけにしてみたが、値段もきっちり1/3にしてくれた。脂っぽい安い肉
ではない。かと言って高級店のような上級の肉でもないが、きちんとおいしい。
美味しくなる方法を知っているかのような焼き方だ。ワインを飲みつつ、すっかり南部
の食堂にいる気分になってきた。ああ、2ピースにしとけば良かったなぁ。下の黄色い
のはポレンタ…じゃないな。プルーンも付いている。北部のフリウリではプルーンが
名物だけど、他の地域も結構使うのかな。
入った当初はイタリア好きと思われる女性(シェフと熱心に話し込んでいた)がいた
だけだったのだが、結構早い時間帯からいっぱいになってきた。食べログでは全然
盛り上がっていないが、やはり皆さん、美味しい店は良く知っている。イタリア人と
日本人のカップルもいる。シェフは大使館で働いていたようなので、その辺の人脈も
豊富なのだろう。
〇マイェッラ ¥900
謎のドルチェだが、オリジナルらしい。説明が覚えられなかったが、上には凍った
メレンゲ?下には温かいビターチョコレートで、ふわっと香り立つ。更に中には黄色い
クリーム?が。これはいい、と思って食べていたが、ヌガーの粒が歯にくっつくので
後味はあんまり良くなかった。
〇エスプレッソ ¥500
会計は席ではなく、レジで。
□総評
何というか、南イタリアのイメージ通りの味だった。地元で評判の旨い店の味、
という感じ。内税だし、ハーフの値段も本当にハーフなので、思ったより安かった。
量を警戒して頼んだが、これくらいならまだ全然大丈夫だ(某激盛りトラットリアで
鍛えられてるし^^;)。
接客はやや淡々としているが、ポイントは押さえていて、離れた場所にいてもしっかり
とグラスの空きを把握してくれている。ただ、結構混むようなのであんまり一人向き
ではないかな。キタッラを始めとして、まだまだ頼んでみたいものも多いが…。
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●2回目(2015/09)
急に涼しくなった9月。もう夏は終わってしまったのだろうか。しかし、ワイン日和
でもある。最近、急激に点数が上がってやや焦りを感じていたこちらに再訪してみた
(確か初訪時は3.0台だったかな)。
今回はこれとこれを頼もうと見当を付けてきたのだが、あれぇ?メニュー随分入れ
替わってるな。でも、キタッラとサルシッチャは健在だ(もちろんサラミも)。
19時ぐらいになるとまた混みそうなので、ハーフでがしがしオーダーを入れる。
すると、前回はいなかったオーナーのサバティーノ・ジュゼッペ氏、登場。
日本人スタッフ(シュンヤさん、かな)に替わってメインで接客してくれる事に。
メニューは新しくしたばかりだと言う。3ヶ月に1度程度、変えるようだ。
〇グラスワイン・白 ¥700
んん~?何だコレ。嗅いだことない香りで混乱する。熱帯に生えてる花のような…。
ラン?洋ナシ系の仲間ではある。ワイン自体はトレビアーノ…かなぁ?
〇アドリアティック海のシーフードサラダ(ハーフ) ¥850
イカやアサリ。特に変わった食材ではないのだが、しっかりと異国味に着地していて、
海の幸を食べているという感じがする。
〇フォカッチャ
手がべたべたになるので、紙のふちでぬぐいながら。オーダーした内容からお代わりは
要らないだろう、とゆっくりペースで食べていたのだが、オーナー氏がお代わりを
持ってきてくれそうになったので、慌ててお断りする。
〇白ビネガーとアブルッツォサフランの肴のマリネ(ハーフ) ¥800
料理名長いが、オーナー氏はエスカベッシュときっぱり。しっかりと酢の効いた
エスカベッシュだった。オーナー氏によると、アブルッツォの山奥の料理で、
アドリア海で作ってるのはここだけ、と言う。アドリア海…なるほど、イタリアじゃ
なくてそういうくくりですか。対岸のクロアチアはワインも沢山作っているし(内戦
で荒れてたので、技術レベルはそう高くないはずだ)、史跡も多くて、クルージング
では人気のコースだ。後、サフランもここで最高品質の物が採れるという(調べてみる
と、ラクイラという歴史ある場所だった。ていうか州都か)。
オーナー氏の日本語は少々、怪しいが(アドリア海が完全に原語なので気付くのに
時間かかった^^;)、こちらに聴く気さえあれば何とかなる。もしかすると英語の
方が通じやすいかも。
〇自家製キタッラ シーフードのトマトソース(ハーフ) ¥1100
お待ちかねのキタッラ。ギターみたいな弦で切ったアブルッツォのパスタだ。
な、何だこの食感は…。中国の干し豆腐みたいな弾力だ(分かりにくくてすいません
^^;)。これだけで元が取れた気分だが、ソースもきっちり作られている。
〇グラスワイン・白(2杯目) ¥700
もう一杯頼んでみたのだが、あれ~、もうへたれてしまったか。そう高いワインでは
ないようだ。しかし、液量少なくなってくると、少し香りが復活した。これだから
ワインは面白い。
天候が良くないせいか、今日は奥のエリアは私一人だ。しかし、地元の人が子連れで
やって来た。厨房前のゾーンは常連エリアになっている気がする。それにしても、
パスタとメインはかなり入れ替わっている。巻きスクリペッレグラタンって何だ~?
骨付き仔羊が無くなってしまったけど、アロスティチーニって猟師風かな?(正解は
串焼き)魚介パン粉焼きも気になる~。
〇アブルッツォ風、自家製サルシッチャのグリル ¥1900
これはフルで。凄い炭香だ。複雑な肉の旨味。結構、レバー味だ。しかし、めちゃめちゃ
しょっぱい!日式イタリアンに飼い慣らされた人ならブチ切れる事請け合いだ(笑)。
左と奥はトマトのコンフィ。これは…何だかもう説明不能な味。豪快に入っている
ローズマリーも香ってくる。赤をぐいぐい開けながら食べ進める。オーナー氏は
肉を手で切り取る事の重要性を力説していた。レバーの事を訊いたらレバー味と
言っていたので、種類?があるのかもしれない。
〇グラスワイン・赤 ¥700
〇パンツアブルッツォ酒とバニラの香りのパフェ ¥750
思いがけず、美麗な皿が出て来たので驚く。下はセミフレッド、上のコイル状のものは
キャラメル。赤い実はマイクロトマトかと思ったら、グミみたいな渋みがある。これ
何ですか?と訊いたら、3人で日本語で何て言うんだ?と喧々がくがく(^_^;レッド
カー何とかと教えてもらったが、メモが汚くて読み取れない…。
〇カプチーノ ¥500
セガフレード。
〇自家製リキュール(チョコ、スターアニス) ¥サービス
何やらオーナー氏が瓶を2つ抱えてやって来た。シェフのファビアーノ氏もごあいさつ
に。何だかもう至れり尽くせりです。瓶の銘柄を確認しようとしたが、どちらも自家製
リキュールだった。う~む、旨い。右は中々使わないのでいつも最後まで残ってしまう
あの八角なのだが、薬っぽい匂いは全然せず、とても良い香りだった。
帰りに奥にあるドデカボトルの事を訊いてみたら、グラッパじゃなくてワインボトル
だった。何と35リットル!?記念にもらったそうで、世界に5個しかないと言っていた
かな。
こんなに充実していていいのかというアブルッツォ・ナイト終了。ここに来ると、
肉バルなんかより、よっぽど肉を食べたという気になれる。他のメニューも気になり
過ぎるので、メニューが変わる前にまた行かなければ。
#採点、少し上げました。
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●3回目(2015/11)
メニューが変わる前に、と再訪。
〇グラス・白 ¥700×2
オーナー氏が山盛りのロマネスコを見せ(びらかし?)に来た。千葉の畑から収穫
したばかりだと言う。驚いた事に、持ってきただけで濃厚な残り香が残る。本当に
鮮度がいいようだ。
〇サルシッチャとポレンタのグリーン野菜シチュー、ペペロンチーノ添え ¥1500
良く分からないが、アブルッツォ料理だというので頼んでみた。あまりシチューと
いう感じではない。ペペロンチーノって唐辛子のことだったのか。何となく頼んだ
料理だったが、これがかなり美味しい。ほうれん草がめちゃくちゃ美味い。これも
鮮度が非常にいいようだ。今まであまり頼んでいなかったが、ここは野菜も頼む
べきか。上の巨大唐辛子はかなり辛かったので、ほとんど残す。
〇フォカッチャ
〇きのことリコッタを詰めた巻きスクリペッレグラタン ¥1700
クレープ状に薄焼きしたのがスクリペッレ。これもアブルッツォ発祥のようだ。
具を巻いてある。食感は世界中どの地域にも大体ある小麦粉料理、といった感じ。
チーズも使っている割りには、ややあっさりした味だ。
〇グラス・赤 ¥700
〇仔羊のアロスティチーニ(5P+3P) ¥1200+¥700
串焼きというのは予習しておいたが、一応訊いてみると焼き鳥みたいな、という説明。
ホイルで包んで持ってきたが、木串かつ具も小さめで確かに焼き鳥みたいだ。
中国東北地方の羊串だとクミンと唐辛子たっぷりだが、これは素焼きな感じ。脂も
落としてあってさっぱりしている。結構焦げ焦げしい。メインの中では一番安い皿
だし、3本追加。端数は切り捨ててくれたようだ。
うっ…何か急に苦しくなってきた(汗)。楽勝だと思ったんだけど、アロスティチーニ
はふくれる余地があったか。なんか毎週同じ事言ってる気がするけど^^;(でも冬に
なったら少し痩せましたよ。筋肉代謝万歳)
〇パンツアブルッツォ酒とバニラの香りのパフェ ¥750
間違えて前回と同じ物を頼んでしまったorz。
〇カフェラテ ¥500
〇自家製リキュール(スターアニス) ¥サービス
何だかキラキラ光っている事に気付く。写真ではいまいち分かりにくいけれど、光に
かざすとキレイだ。オーナー氏曰く、ファンタジスタ。オリジナルレシピらしい。
3回行ったけれど、まだまだ底が知れないアブルッツォ料理。次のメニュー変更は1月
とのこと。採れる野菜(無農薬栽培)に合わせて変えているそうだ。
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●4回目(2016/03)
今日から新メニューだそうで、凄いタイミングだと驚かれる。以前のメニューは
ずっと使っていたらしくて、本当にちょうど良いタイミングだった。
〇グラス・白(トレビアーノ)×3 ¥700×3
何でもアブルッツォからワインを700本(!)も仕入れたそうで、横浜からトラックで
運んできて裏が大変なことになっているらしい。これはどんどん飲まないとね♪
試飲会にはワイナリーの社長も来ていたが、凄いやかましい人だったそうな(笑)。
〇フォカッチャ
〇自家製ミックス野菜ソテーのフレッシュトマト乗せ(ハーフ) ¥850
カポナータっぽい料理。かなりいろいろな種類の野菜を使っていたが、メモが汚くて
全然読めない。ナスとニンジンとズッキーニと…あと、ジャガイモも多かった印象。
上のはバジルかな。相変わらず現地仕様の味だ。
〇マダイのマリネ ルッコラとオレンジ(ハーフ) ¥800
マダイはちょっと圧縮したような食感。ルッコラが美味い。本当に苦みが美味しく
感じられる野菜だ(20代前半にはオススメしない)。またこのオレンジが違和感ない
料理なんだよなぁ。
〇自家製パッパルデッレ 伝統のラム肉のラグー(ハーフ) ¥1200
ショートパスタのファルファッレと勘違いしていた(^_^;タリアテッレを更に伸ばした
感じのロングパスタ。ラグーにはモツ分も感じる。ソースだけと言えどもかなり肉肉しい
のだが、酸味もあって重くなりすぎていない。む~、合わせるならやっぱり赤だな。
〇イトヨリの白ワインソテー アスパラクリームソース(ハーフ) ¥1800
新メニューもまたいろいろあって悩んだが、無理言ってこれをハーフにしてもらった。
イトヨリは巻いてあってニンニクの芽で縛ってある。上に乗ってるのはポレンタだが、
これが美味しい。魚は肉以上に現地仕様かも。漁師飯みたいだ。ソースがフォークで
すくえるぐらい濃くて喜んでいたら、オーナー氏から魚を味わって下さい、と言われて
しまった。
〇ペスケ(アブルッツォ風ビスケット カスタードクリーム入り) ¥800
ペスケはピーチの事だが、本当に桃そっくりの可愛らしい外観で驚いた。中に
カスタードクリームが入っている。味も桃の味で、これはかなり楽しい。
オーナー氏がまた食材を見せびらかしに来たが(笑)、グラネッロという生ハム?
会心の出来みたいで、凄い美味しそうだった。これはサラミ盛り合わせで頼めるそうだ。
〇CAPAMMOND Ratafia alle Amarene ¥サービス
酒精強化ワイン・ラタフィア。ブルゴーニュ特産だと思ってたけど、イタリアでも
作っているのか。ワインと同じところの品で、日本でここだけだそうだ。写真が
ボケてて生産者名が分からず。カシスとチェリーの中間ぐらいの味。度数はグラッパ
ほど強くなくて飲みやすい。
まだ4回目だけど、大分馴染んできたかな~。ここに来るといつもイタリア気分に
なれる。またメニューが変わらない内に行く予定。
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●5回目(2016/05)
開店直後にやって来たのだが、既にグループ客がいる。何と、最後の一席だった。
既に12人ほど入っている。まずいな。今日はオーナー氏もいないようだが、大丈夫
なのか。あらかじめ頼むものは大体決めてあったので、一気にドルチェまでオーダーを
通す。前回までは見当たらなかった、アブルッツォ州旗?が壁に飾ってある。
〇グラスワイン・赤×2 ¥700×2
〇自家製アブルッツォサラミの盛り合わせ ¥1600
コッパ、プロシュット、グラペロ?(グラネッロじゃなかったか)、中央のは
ヴェンテルチーナ、右下はイノシシ、左上はオーナー氏の名前を付けたオリジナル・
ジュゼッペ。右上に甘酸っぱいロマネスコのピクルス。ニンジンが甘くて驚く。野菜が
美味すぎだ。ジュゼッペは辛い味のパテのブルスケッタ。イノシシは脂にくせがある
感じ。
〇フォカッチャ
〇自家製カヴァテッリ 季節野菜とシーフード(ハーフ) ¥1100
キタッラとカヴァテッリはメニュー改訂でソースだけ変わっている。周囲にスパイスで
彩りが。いい香りがすると思ったら、イカが旨い。アスパラのとろけ具合もやばいぞ。
他にトマトやキノコ。相変わらず毎日でも食べたい味だ。アブルッツォ名物のキタッラ
もいいのだが、このカヴァテッリこそがシェフのスペシャリテではないのか。写真
見てたら、また食べたくなってきた(笑)。
〇自家製キタッラ 鴨肉のラグーとモンテプルチアーノ(ハーフ) ¥1100
キタッラはバッキバキだ。上下にモンテプルチアーノのソース。これは甘いだけでなく、
苦みもある。ラグーとどう絡むんだろうと思ったが、端で少し混ぜると意外なほど
馴染んだ。
〇エビの串刺し 香草パン粉焼き ¥2500
豪快な串焼き。殻ごと食べるが、パン粉付きで水分も残ってるので、ややきつい^^;
ていうか、ハーフで良かったな。
〇グラスワイン・白 ¥700
満員になったが、料理は滞りなく出ている。隣はアブルッツォ通のリピーターの女性と
ワインに詳しい男性がいるグループと、イタリア人(?)カップルだった。
〇アブルッツォ産サワーチェリーのリキュールとアプリコットのパンナコッタ ¥700
この角度だとよく分からないが、サワーチェリーにミントが生えている。冷やし固めて
あって、上のゼリーもパンナコッタもやや硬い。
〇リモンチェッロ ¥1200?
グラッパを頼もうとしたのだが、今はアブルッツォ産のものしかなくて¥2000すると
言うのでこれに。これも自家製かな?手作りっぽい味。
く、苦しい…。ハーフとは言え、結構な量があるので、パスタ2種は無謀だった(汗)。
オーナー氏は新潟にサラミ用の豚を見に行ってたそうだ。飼育状態も確認しに行くとか
さすが認定職人。次はいつ行こうかな。夏はクラフトビールばかりなのだけど、
カヴァテッリだけ食べに行くのもありかな。
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●6回目(2016/08)
今回はカヴァテッリだけ食べに。既にグループ客が。ちょくちょくあるのだが、予約が
ある時は通常より早く開けることもあるそうだ。
〇ジンジャーエール ¥500
〇ナスとアンチョビのパンセロッティ(ハーフ) ¥600
パスタの他にもう一品…とと言うことで目に付いた物を。パンセロッティは揚げピザの
ようだ。見た目、ギョウザっぽいのだが、味は普通にピッツァな感じだ。揚げる料理も
あるから、一応ダンプリング料理の仲間かな?ソースは甘い。
〇自家製カヴァテッリ 季節野菜とシーフードのソース ¥2100
かなり騒がしいし、どんどん人が増えてきたので、ドルチェは頼まず出る。結局、間際
にはグループ客×2、2人客×3、1人客×1、という状況だった。グループ客はやはり
リピーターらしき人に率いられていたが、この分だと人増える一方だなぁ。
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●7回目(2016/10)
今回は初めて奥の席に通される。今日は空いているのかな。あれ、しかしメニューが
変わっていないな。まあ、いいや。
〇グラスワイン・白 ¥700
〇自家製野菜のタルトとペコリーノクリーム ¥1600
食べた感じでは野菜のキッシュだ(実はタルトとの定義はあいまいらしいけど)。
アブルッツォカラー?に彩られている。ほうれん草はいつも通り、香り強めで濃厚な味。
これにペコリーノが絡む。元の形は四角なんだろうか。
・フォカッチャ
新しく入った、サーヴィスの人と話しながら。以前の、青山の店で一緒だったらしい。
最近は混む一方だったが、この日は入りが悪く、結局貸し切り状態だった。電車が
止まっていたのも一因かもしれない。
〇グラスワイン・赤 ¥700×2
〇自家製タリアテッレ サルシッチァと赤パプリカとスカモルツァチーズの燻製(ハーフ) ¥950
タリアテッレは緑色で、何か練り込んである。このサルシッチャがとにかくぐいぐい
来る!そのまま食べてもいいが、この店のサラミ類は料理に放り込むとより輝く気が
する。もちろん、赤と合わせて大正解。
〇豚肉のビステッカ アブルッツォ風味 ¥1800
薄い色だが、まあ豚の香ばしいこと。今日は控えめにしようかと思っていたのだが、
たまらず赤を追加。下のジャガイモピュレは肉汁だらけ。洗練されたイタリアンでは
ないが、とにかく肉肉、という感じだ。
〇パッロッツォ(アブルッツォ風アーモンドとチョコレートのケーキ ヘーゼルナッツクリーム) ¥950
外はカチカチのチョココーティング。オレンジコンフィも半分ホワイトチョコで
コーティングしてある。
〇モンテネグロ・アマーロ ¥1200
イタリアに多いらしい、甘苦(アマーロ)ハーブ酒の一種。先日飲んだチナールほど
苦みは強くない。やや多めに注いでくれた。これはジグザガーレどころではないな…。
明日、ジビエ食べに行くんだけど、大丈夫なのか(全然大丈夫じゃなかった)。
どうもシェフはお父さんが危篤で帰国していたらしく、それでメニューが変わって
いなかったようだ。確かにドルチェにいつものキレはない気がしたが、代理のイタリア人
シェフもいい仕事をしていた。それと、アブルッツォのイベントにも誘われた。残念
ながら、その日は予約が入っていたが。ビュフェ形式で、一人でも大丈夫なようだ。
4位
16回
2023/03訪問 2024/11/04
六本木を代表するフレンチ、ル・ブルギニオンからの独立店。五十嵐一門の中でも
ブルギニオンは更にいろいろなところのシェフを輩出している印象(フロリレージュや
ア・ニュなど)。ブーダン・ノワールが常設メニューだったり、ランチに本日の内臓
料理がある点に出自が見て取れる。もちろん、冬季にはジビエも。
池袋の喧噪からは遠く、目白でも周囲に飲食店がないエリアのせいか、いつもとても
静かに落ち着いて過ごせる(google mapだとうまく表示されていないが、都電・
鬼子母神前駅の下にある、副都心線・雑司ヶ谷駅が一番近い)。壁にある絵も素敵
(私は勝手に、夕焼け空とイルカの絵と呼んでいる)。内容の割に値段が安めなのも
特徴(ランチ4皿コースなら¥2900だ)。この店は履歴を取っているので、頼めば2回目
からでもまったく違う料理を出してくれる。北野シェフの引き出しは非常に多く、5回
ぐらい行っても余裕で内容は被らない。
個人的に、ここはいろいろとフレンチの勉強もさせてもらった店。場所が利用しやすい
というのもあるけれど、池袋大エリア以北でこれだけリピートに耐えうるフレンチは
他に存在しない。通うほどに面白い店です。
●マイ・ベスト10
現状、フォロワー限定の公開にしているのだが(この形式で精力的に活動されているマイレビュアーさんもいる)、検閲かかっていない気もするのでおまけUP。
第10位 ピエパケ風トリッパ 2019/03夜・20回目(リクエスト:内臓スペシャル)
ピエ(羊足)料理。シェフがエスコフィエの本でレシピを調べた、と言うので驚いたのをよく覚えている。調べてみるとマルセイユ名物であるらしい。地味だけど手間のかかった一品。
第9位 日本酒のサヴァラン 2016/04昼・7回目、2019/06夜・21回目(リクエスト)
貸し切りキャンセルがありシェフが特別料金でバスク豚を出してくれた日に出てきたデセール。予約が全滅したわけで私の貸し切り状態だったがこちらの方が印象に残っている。大吟醸を自分でかける方式。どうしてもまた食べたくてその後もう一度リクエストしている。
第8位 ペルドロー地獄 2015/11夜・5回目(リクエスト)
初めての夜訪問に初めてのペルドロー(山ウズラ)。これがとんでもない量で(一羽分?)お腹がいっぱいすぎて寝れない!というのを始めて経験した。もう一度食べろと言われても無理だろう。内臓も使って苦かったので、長らくペルドローは苦いものだと思い込んでもいた。次に行った時にシェフに良くあれだけ食べられましたね~と言われて爆笑したのもいい思い出。
第7位 デセール(ライチと?のジュレ、スモモとモモのクリーム、フロマージュのソルベ、クロレラ入りメレンゲ) 2016/07昼・9回目
これはかつてのスー・シェフ作。他にもいろいろあったのだが一番印象に残っている。構造があまりに複雑すぎて覚えられなかった。彼の置き土産である土佐小夏のリキュールもいい品だった。
第6位 茨城産紫峰牛、カナダ産松茸 2019/10夜・22回目(リクエスト:子持ち鮎)
自分史上、過去最高に松茸を食べたのが和食ではなくこの店である。地味なリクエストで予算が余ったせいか、シェフが盛りに盛ってきた。笠が開いていて滅茶苦茶香った。
番外 生ハム?のメロンスープ
スペシャルメニューを頼むようになって、他席では一般メニューが出されていたのだが、かなり気になった皿。その内食べられるだろうと思っていたのだが、結局食べる機会がなくてちょっと心残り。
第5位 ホウボウのカルパッチョ 赤紫蘇ヴィネグレット 2014/07昼・初訪問
ホウボウの旨さ、赤紫蘇ヴィネグレットの美しさ。この店に通うきっかけとなった料理。また食べたいなと思っていたのだがタイミングが合わないのか結局二度と食べる事はなかった。魚好きのシェフが旬の魚を多用するのでいろいろな魚と出会えた店でもあった(ヤガラもここで覚えた)。
第4位 ウニ、コンソメジュレ、ニンジンピュレ、フエフキダイスモーク、ボリジの花 2018/07夜・18回目
ありがちなようでいて、フエフキダイスモークが絶妙に効いた一皿。特に魚介系でこういった秀逸な前菜は数多くあったのだが、この年のベスト前菜!と言う程印象深かったこれをセレクト。
第3位 冷製サワラのトリュフがけ 2016/10夜・10回目
付け合わせがマツタケ、カブ、柿。すっかりフレンチを分かったような気になっていたが説明を放棄せざるを得ず衝撃を受けた皿。割とポピュラーな鰆を使い、しかも冷製である点もポイントだと思う(前もって作っておける)。他にもセルヴェル・ドゥ・ポー(豚脳みそのゼリー寄せ)、ミンククジラのタルタルなどシェフの底力を思い知らされる料理だった。
第2位 ピジョン・ラミエ・スペシャル 2017/02夜・12回目
鹿、フォアグラ、黒トリュフ、そしてジュと内臓を使ったスペシャル。ブルギニオン出身らしいシェフの内臓ソースが極まった一皿。結局ピジョン・ラミエはこれっきりだったがコルヴェール・スペシャルの時も似たソースが食べられた。
第1位 ホロホロ鳥 2018/01夜・16回目(リクエスト)、2019/06夜・21回目(リクエスト)
第2位と迷ったのだが…。大雪の日にリクエストで食べたホロホロ鳥。他客は全部キャンセル…と思いきやカップルが一組だけいたのだが、この日が婚姻届けを出した記念日でどうしても来たかったもよう。一年後にまた来てくれた、という素敵エピソード付きである。ホロホロ鳥は元々ランチでも出ていた人気メニューだったのだが、これはシェフが独自のルートで仕入れたものでそれらともまたモノが違う。シェフが鳥類で見せる本気火入れも相まって絶品だった。恐らく生涯これを超えるホロホロ鳥を食べることはもうないのではないかと思う。もう一度リクエストした時はホロホロ鳥尽くしで更にパワーアップしていた。
25回目。開店とほぼ同時に4組。久々に見る光景だ。しかし前日や昼などはもっと大変だったもよう。
〇おまかせ特別コース ¥16500
〇適当ペアリング ¥6000
サーヴィス料10%。
なかなか出て来ない…。そう言えば人多いと当然こうなるんだよなぁ。すっかり忘れていた。
・アミューズ(北海道産本鱒・海老・ブロッコリーのタルトレット、山形産豚のパテ・ド・カンパーニュ、トマト・バルサミコ酢) ※写真なし
本鱒=サクラマス。賽の目状でこういうのは和食でも出て来るが、ディルのソースであくまで上品に。
・BICHAT CHAMPAGNE BRUT?
・アントレ(ホワイトアスパラ、ツブ貝、帆立、細巻海老 ジャガイモとピサンリのソース?、柚子パウダー)
・HURST GEWURZTRAMINER VIEILLES VIGNES? ※写真なし
貝いっぱいで嬉しい。先日は和食でもホワイトアスパラ出てきたが、やはりこのレベルにはない。
・アントレ(フォアグラポワレ、鮑、リゾット)
・マコン シャルドネ
リゾットにはバルサミコ酢。上には最近多用されていたイタリアンパセリとディル。ぐうう~旨い。10人中10人が旨いの旗を上げるであろう皿だ。前菜でこのレベルの皿を連発していたのがこの店の特徴でもあった。フォアグラの脂を余さず回収。環審はすっきり系の香りだがそれほど青臭くはなくやや苦味。
・甘鯛、筍 ズワイガニ・ビスクソース
・ドメール・ラリュー? ブルゴーニュ・アリゴテ
他席でホウボウのポワレが出ていたので遂に再会できるか?と思ったが違った。まあ鯛も美味しいですが。鱗は松笠焼き。シェフは和食も出来ると言っているが実際こういうのも上手い。鱧の骨切りもしていたし。ねっとりとした部位は内臓だろうか。ワインは淡い林檎香。甘さと青っぽい酸味。
・新潟産コルヴェール、葉タマネギ
・シャトー・ロラン2015?
最後にジビエが食べられた。がっつりと濃いソース。ワインはすました香りで古木っぽい。まだ鮮やかな赤。
・キアニーナ牛、鎌倉野菜 フォン・ド・ボー
・オリヴィエ・ルフレーヴ ブルゴーニュ・ピノ・ノワール2019?
いや二皿かよ!しかもキアニーナ牛だと?説明聞いて笑ってしまった。キアニーナ牛というのはビステッカに使われるイタリア最強のブランド牛なのだが、フレンチで食べるのは初めてだしこの量も過去最高だ。やはり相当高かったらしいが、最後だしまあいいや、で仕入れたとのこと。最後の最後にこの店のいかれっぷりを楽しませてもらった。この店の基本となる鎌倉野菜だが非常に状態が良く、蓮根・黒大根・紫大根が旨い。ワインはやや硬さがあるがフルーティ。
・アヴァン・デセール(レモン・金柑のコンポート・ジュレ)
・デセール(ガトー・ショコラ、フレーズ、カカオ、アール・グレイのアイス)
・コーヒー
・プティ・フール(カヌレ)
3時間?で終了。3ヵ月連続だったから最後は軽く。いつの日か、この店に通ったことが自慢できればと思う。
24回目。FBを見ていたら3月はかなり埋まって来ているようなのだが、結局貸し切りだった。
〇おまかせ特別コース ¥16500
〇適当ペアリング ¥8800
サーヴィス料10%。
・アミューズ(甘海老のタルトレット、サーモンとレモンクリーム、杏のシロップ漬け)
・BICHAT CHAMPAGNE BRUT
タルトレットにはディルが効いている。もう一つはコリアンダーかな?サーモンにはケッパーのピクルスとアマランサス。透明なシートはシロップ。簡単に書いているがどれもちゃんと美味しい一品である。
・〆鯖とフロマージュ?のテリーヌ、セロリラブ、トリュフヴィネグレット
・HURST GEWURZTRAMINER VIEILLES VIGNES 2019
結構な回数来ているのに初めて見る料理が出てきた。またこんな物を…。後で訊いたら大量のセロリラブを扱っていたら昆布っぽい香りがした、とのこと。分からん。こういう分からなさが半ば意地になって通っていた理由でもある。ヴィネグレットソースは前にも使っていたけれど。ゲヴェルツは随分甘いけれど後から苦味も。
若いスタッフと話したのだが結構話好きである。加藤ソムリエとも1日だけ一緒に働いたという事で意外と長い。前任のサーヴィスマン氏が退任してからホールもやっているそうだ。
・オマール海老とマツカワガレイのパイ包み焼き イタリアンパセリ、ディル
・H&B Languedoc Blanc
高級食材の暴力。
・真鱈白子のポワレ、菜花 サバイヨンソース
・Lunaria Malvasia Bianca Orange Ancestral Brut Nature
冬の味覚にがっつりと塩気のある濃厚ソース。
・フグ、ちぢみほうれん草、霜降りひらたけ 春菊ソース
・VINCENT MOREY&SOPHIE BOURGOGNE CHARDONNAY 2020
聞き慣れない茸が出てきたが交配品種。このソースも塩は強い。青っぽいシャルドネ。
・ブルターニュ産羊 モリーユ茸・シェリーヴィネガー・赤ワインソース
・CAMU Frères BOURGOGNE PINOT NOIR 2021
先日ジビエそれ程好きじゃないと言ったせいか出て来ないな…。最後にあのピジョン・ラミエ・スペシャルは食べるべきだったかも。
・アヴァン・デセール(紅玉のタルトタタン ヴェルヴェーヌ・レモンソース、ヴェルヴェーヌのアイス)
・デセール(甘夏、ローズマリーのアイス)
・コーヒー
・プティ・フール(カヌレ)
最後に1時間ほど話し込む。絵はどうするんですか?と訊いたらそのまま?やっぱりイルカじゃないそうだけど。額縁は欄間を使ったシェフの自作だそうで。
これ程の料理を作りながら貸し切り状態ということに無力感を感じたのもこの店の10年であった。3月の予約もしてあるので次回が最終回となる。久々に満席が見られるだろうか。
23回目。親切にもマイレビュアーさんに閉店の件をメッセージで知らせていただいたので、3年3ヵ月ぶりに顔を出すことに。いつだったか写真見たらシェフ少し太ったかな?と思っていたのだがそんな事はない。近況報告をいろいろと。シェフも次の予定は決まっているとのこと。まあしかし足繫く通っていた店に急に行かなくなるのは考え物だ。私はそういう奴だけれど。
〇おまかせ特別コース ¥16500
〇適当ペアリング ¥7150
サーヴィス料10%。
新しく上のコースが出来たのかと思ったら、いろいろ高騰しているのでこれは以前の上のコース相当とのこと。閉店セールでボトルが安くなっているのであわよくば…と思っていたのだがさすがに一人では無理がある。久々に座る店内は記憶にあるより小さく感じる。席数は少し減らしているようだ。
料理の方は簡単に。
・アミューズ(ポルトガル産生ハム&柿、鴨?のテリーヌ&ピクルス、グジェール&キャビア)
・シャルドネと何かの泡(ブラン・ブラン)
・ズワイガニ、菜の花 バターナッツカボチャソース、柚子パウダー
・ブルゴーニュ シャルドネ
・3週間熟成鳩?のパテ・アンクルート、コンソメジュレ マーマレードコンフィ、からし
・ボルドー?2002
パテ・アンクルートに熟成なんて概念があると知ってびっくりしてしまった。シェフは水分が落ち着いてくると言っていたけれど。惚れ惚れするような枯れた色のワインはちょっとインク香。
・氷見産鰤、トマト、サフランライス、パンプキンシードオイル
・コノスル ゲヴェルツトラミネール
他にディルとケーパー。いろいろあるが鰤の濃厚な脂に対抗するのが品種名ありのトマトだ。
若いスタッフは落ち着いていてそつがない。後客がスタートしてやや間が開き始めた。
・真鯛白子、ちぢみほうれん草、ベーコン シェリーヴィネガー
・オレンジワイン マルヴァジア イタリア
うむ。ソース回収用のパンの出番だ。久々のフルコース、ちょっとお腹いっぱいになってきているがここで使わなくていつ使う。オレンジワインはやや甘い香り。
・1ヵ月熟成クエ 白菜・芽キャベツ・下仁田葱のクリーム煮、黒トリュフ
・クロ・デ・リュヌ
野菜の旨味たっぷりのソース。リードしているのは白菜かな。ワインはセミヨン・ソーヴィニョン・ブランのすっきりタイプボルドー。
・宍粟牛ヒレ 赤ワイン・黒トリュフソース
・シャトー・ベルナドット2015
おや、メイン牛?シェフの地元ルートの和牛。ペリグーっぽいソース。まだ若々しい色のオー・メドック。
・アヴァン・デセール(金柑コンポート、ヨーグルトと蜂蜜グラース)
・デセール(カシスのテリーヌショコラ?)
・コーヒー
・プティ・フール(カヌレ)
2時間50分で終了。食べ終わってちょっとほっとしたが、9皿だったのか。後客を見送った後、シェフと今後のことなど1時間ほど話し込む。閉めるに至った最大の要因は新しいサービスマンが見つからなかったからとのこと。
食べ歩きを趣味としている皆さんは、飲食店の寿命が結構短いという事は良く承知の事だと思う。10年続いたという事でシェフからは前向きなコメントが聞けたのだが、しかしオーナーシェフとして独立した店を手放すのはやはり本意ではないであろう。私なりに閉店に至った原因を考察してみた。
✤立地
この通りは日本女子大への通り道と言え、もちろん南には学習院もあるのでその辺の客の取り込みを狙った立地であろう。しかし目白の飲食店街は西口にあり、まったく繋がっていない。また雑司ヶ谷駅の方が近いのだが、この駅は副都心線線でも屈指の深さにあり(現在工事中の環5-1のトンネルより深くしているため)出るのにやや時間がかかる。池袋大エリア自体フレンチとは無縁のエリアだったし、青山や銀座の新店を追いかけているだけでも一年回せるので積極的に足を延ばしたくなる立地ではないのだろう。ブルギニオンで一緒だった渡辺さんから、開店当初あまりにお客さん来ないので青くなったシェフから電話がかかってきた、という裏話を聞いたこともある。
しかし私自身もそうだったのだが、喧騒とは無縁なこの場所だからこそ気に入っていた人も多かったようだ。一度行けばシェフの実力とCPの高さ、分かる人には分かる店である。
#詳しくは書かないが意外な常連さんの話を聞いた。まったく別の場所なのだが皇族御用立の店が意外な場所にあった事もあり(SNSに書くと100%削除される)立地が逆の要素になる例もある。
✤サーヴィスの継続性
この店のサーヴィスマンを4代に渡って見てきたが(今のスタッフは専任ではないだろう)、継続性に欠けていたように感じる。3代目ソムリエ氏がいた2016~2019年、中でも若いスー・シェフが凝ったデセールを出していた2016年が一番安定していたと思う(彼の事を覚えておこうと思っていたのだが、オルグイユに行った後辞めてしまったのであそこのシェフにはちょっと含むところがある)。
20年、30年と続く店だと奥様が長年サーヴィスを支えていたり(シェフの奥様は別分野の仕事をされている)、強固なチーム作りがされているものだが、薄利なためか慢性的な人手不足に悩まさていたこの店ではサーヴィス面はやや軽視されていたように思える。結局のところ、その人手不足がこの店に終止符を打つことになった。
✤SNS
今でこそgoogle mapの方が影響力が高いが、2010年代ぐらいは食べログの影響が大きかった。毎年メダルに投票したかったが結局この店が候補になる事は一度もなかった(初期は4点を超えていた時もあったのだが)。これはやはり立地の影響でフレンチレビュワーが来ないからである。サーヴィスの点でビブグルマンなども望み薄だったが、どこかでうまく好評価のサイクルに入れていればまた違った未来もあったかもしれない。
シェフの新天地はリゾートホテルなのだが、帰って値段調べてみるとこれはちょっと気軽に行ける店ではない。そんな訳で再会出来るのは相当先のことになるだろう。こんなタイトルを付けたが閉店までもうちょっと通うつもりである。
15回目。今回もソムリエと話そうと30分早く行ったのだが、休日前なので既に4組。
う~ん、これはさすがに無理か。
〇おまかせコース? ¥12000
〇適当ペアリング ¥5000ぐらい?
今回はコルヴェール。最初に指定していた日が解禁前で後から日にちを変更することに
なってしまった。雷鳥といい、正確な解禁日を覚えとかないと駄目だな~。解禁直後な
ためか値段も¥10000で収まらず。
・アミューズ(山口産クルマエビ、セイコガニ)
・ラングドック グルナッシュ・ブラン、シャルドネ
セイコガニはチュイルとパウダーと。これは海老せんべい…じゃなくて蟹せんべいか。
・スミイカのデクリネゾン 春菊と黒キャベツソース ※写真なし
・アルザス エーデルツヴィケール?
偉そうに写真の取り忘れを指摘していたら、自分も撮ってなかった(^^;;(土下座)
カリフラワーのピュレ、これは卵も使っているのかやや乳化を感じる。イカは生・焼き・
揚げと。どれも美味しい。良いイカを使っている。ワインはブランデー+イチゴ?
・真鱈白子
・シノン シュナン・ブラン
シノンは赤かと思ったら白だった。アルザスと似ているようでまた違う。
白子は軽く衣状のもので包んで旨味を逃がさないように加熱してある。ジャガイモと
バルサミコだったかな…。
付け合わせにレンコン、オカヒジキ、ディル、ピンクペッパー。
・ヤガラのポワレ
・ブルゴーニュ・シャルドネ フレデリッック・マニャン
・ジュラ・サヴァニャン
ヤガラなんて魚は初めて知ったのだが、長細い魚らしい。しかも通常、身は楕円形なの
でこれだけ太くなる事はまずない、との事。ムール貝、パプリカ、リゾットと。
この魚はいい出汁が取れるらしいが、確かに実にいい出汁だった。カサゴ系かな。
万能感のあるシャルドネはばっちり。直前で引っ込めたというワインもちょっとだけ
出してくれた。ブランデー+シトロン。確かにこれはどうだろう。
・コルヴェールその1
・ローヌ ヴィエイユ・ヴィーニュ2004 シラー、グルナッシュ
ソースはジュとガラのフォン。理由忘れたが焼きにくいので皮ははずしてある。
付け合わせに下仁田ネギ。王道の構成だ。どうも記憶にあるコルヴェールは意外と野趣
に富んだ味だったのだが、結構、鴨味がする。
・モモコンフィ
あ、こっちは記憶にある味だ。そうか、部位による味の違いなのか。
・コルヴェールその2
・シマール1996
メモが判然としないが砂肝などの包み焼き。これにフォアグラが載せてある。
またこんな卑怯な技を…(笑)。内臓スペシャルだ。ソースは血。どうも血が手に入らず、
シェフが心臓と肺から苦労して作ったようだ。ブーダン・ノワールも一時お休みする
かも、という悲しいお知らせが。
・デセール(栗、コーヒーアイス)
栗はフィナンシェと渋皮煮と…もう1つ何だっけ?
・コーヒー
・プティ・フール(カヌレ)
もう他の客は皆帰ってしまったが、我々だけ粘って3時間半で終了。なんか疲れた。
後になってシェフと話をする事が頭からすっぽり抜け落ちていた事に気付く。食材の
話をしておくんだった。久しぶりの機会だったのに…。そう言えば青森産のホロホロ鳥
が結構良かった話をずっとしようと思っていたのだが、FBを見ると最近は輸入解禁
されているようだ。
今回は魚も全ヒット。時季にもよるのかもしれないが、この店はやはり魚介類も強い。
その都度なのでなかなか狙った魚を食べられるわけではないけれど(またホウボウが
食べたい)。
14回目。おすすめ食材を訊いたらアワビとフェア中のオマール・ブルーとの事だった
ので、夏らしく、というアバウトなオーダーでお願いする。今回、マイレビュアーさん
と二人で行ったのと、いつもよりお酒多かったので適当モード。早めに行ってソムリエ氏
とだべっておく。
〇おまかせコース? ¥10000
〇適当ペアリング ¥3850
・アミューズ・ブーシュ(ハモのベニエ、羊のミネストローネ)
・ドメーヌ・ド・フォンドレッシュ ブラン
かなり羊味がしっかりと出たミネストローネ。やや意外な感じのアミューズから
スタート。ワインはローヌ。グルナッシュ・ブラン、ルーサンヌ、クレレット?
・オマール・ブルー
・ジヴリ
えへへ(*^^*) 身と右に爪も。下はサフランのタルタル、上はパプリカ塩。下は冬瓜と
ワタだと思うのだが、これが美味い!ワインはコート・シャロネーズ。表現しにくい
複雑な香り(^^;で、今回一番良かった。
・アワビ 肝ソース
・ロワール ガメイ
アワビは酒蒸ししてソテー。ソースに紫黒米を混ぜてあり、これがかなりの存在感。
意表を突いたガメイ。これはアワビ+肝ソースに最適解かも。
・鮎のカダイフ包み ジャガイモソース
・無濾過ミュスカデ
上にオカヒジキとオーストラリア産黒トリュフ(!)。花はメモが読めず。これは
鮎の香りを前面に出すよりも周囲の食材に仕事をさせた不思議な皿。ジャガイモソース
も何故こんなに美味い、と思ったらニンニクも使ってあった。
・黒田庄和牛
・ル・ルレ・ド・デュフォール・ヴィヴァン
付け合わせはズッキーニとジロール茸。スモークを効かせた(?)ベーコンlikeな
仕上がり。ワインはマルゴー、デュフォール・ヴィヴァンのセカンド。
・デセール(桃と杏仁豆腐)
・桃リキュール
ソルベは何だったかな~(汗)。
マイレビュアーさんが次々と説明にないサブ食材・スパイスをピタリと当てるので、
えらい人を連れてきてしまった…と思いながら(^_^; さすが数多のフレンチレビュアー
が認めるアナリストですよ。私はと言えば八角が思い出せなくて悩んでました(しかも
どこで使ってたか忘れた(--;)。
#料理の中にトウモロコシとカルダモンが登場するけど、さてどこでしょう?
13回目。前回のピジョン・ラミエ・スペシャルが激旨だったので、今回は内臓
スペシャルでお願いした。詳細も全部シェフに丸投げした。自由度高いと凝り性の
シェフが頭を悩ませる事は知っているのだが。食材指定もしなかったので、結果、
9皿コースでやってもらえた。
〇9皿コース ¥9180
〇少しずつペアリング ¥3510
・シャンパン
4周年、と言うことで半額で出してくれていた。やや果実味もあっていい。
連休中は毎年、菊地シェフ一門のお誕生会があるそうで。思わずにやりとする業界裏話
などを聞きながらスタート。スタッフ問題もようやく解決したようで一安心。今回、
誕生日に来られたご夫婦など、他に4組だった。
・アミューズ・ブーシュ(豚タンのワイン煮とレンコン春巻き?、タコのカダイフ巻き)
皮がパリパリに硬くて、切ったらちょっと飛び散ってしまった。特にそういう説明は
なかったのだが、これはどう見ても春巻きだ。内臓料理ながら重くない。他にもいろいろ
入っているはずだが、やや不思議な味。タコの方はやわやわだ。
・豚脳みそのゼリー寄せ(セルヴェル・ドゥ・ポー)、豚タンのガスパチョ仕立て
・ソーヴィニヨン・ブラン、シュナン・ブラン、シャルドネ、ヴィオニエ
さて、シェフが不敵な笑みを浮かべて自ら皿を持ってきましたよ。これは気合いを入れて
食べないといけない皿だ。おお、クリーミィな脳みそがシームレスに周囲のゼリーに
溶けていく。タンの方はクスクスと混ぜ合わせてある。クスクスはかつて叔母から
土産に大量にもらったが、シンプルにトマトとキュウリで食べるのが美味しい。そう、
それがまさにガスパチョになっているのだ(泡もガスパチョ)。そしてどちらも
肩すかしを食らわせるようにさわやかにまとまっている。ぐぬぬ…参りました。
内部構造も分かる透明ゼリーはインパクトもあるのだが、後で訊いたら本当はもっと
大きく作るが半分にした、とのこと。しかしこれでも地味にボリュームあり、早くも
ちょっとお腹いっぱいになってきた(^_^;
ワインの方は最初にネタばらしされると、4種の特徴がそれぞれ感じられる。白い花を
甘い香りが包み、苦みもある。単一品種のものとも違っていていい。
・フォアグラとアワビ 肝ソース
・シノン レ・ヴァレンヌ・デュ・グラン・クロ2013 シャルル・ジョゲ
海陸肝コンビ。そう来たか。フォアグラの方はバルサミコとピンクペッパー。下には
ズッキーニ。意外にもフォアグラの方が軽く仕上がっている。シノンはカベルネ・
フラン100%。結構力強いイメージを持っていたが、これはエレガントな造り。酸味と…
ちょっとバラの香り?ソムリエ氏にこれどんな香りですか?と訊いてみたところ、
いや~さすがに本職の語彙は豊富だ。シダー(ヒマラヤスギ)のニュアンスなんて
思いもよらなかった。
#コメント欄で指摘して頂いたので修正しました。
・鮎のポワレ ジュとブール・ブラン、スピルリナソース 内臓添え
・ラングドック・ルーション ピクプール
骨パウダーに、内臓も別添えで一尾まるごと。養殖なので卵も持っていた。下には
水ナス。スピルリナって何だっけ?と思ったが藍藻類!?鮎の香ばしさと内臓の苦みを
堪能。しかし、でかい鮎だな…(汗)。まだヴィアンドあるのだが…。
tomkagaiさんはしょっちゅう来られるのでワインが被ってしまって…とぼやかれる(笑)。
・アンドゥイユ 赤ワインとマスタードソース
・マランジェ2013 ドメーヌ・シュヴロ
久々のアンドゥイユ。何とここで食べたのが初めてで、これが2回目だ。下には初夏の
風物詩、アスペルジュ・ソヴァージュ。以前、癖の強さにびびったアンドウィユなので
どうかな…と思いつつ食べ始めるが、これはまったく癖無く仕上げてあった。マランジェ
はボーヌ最南端のAOC。奥さまが日本人だそうで。ブランデー+ちょっと紅茶の香り?
・仔牛とロニョン
・クローズ・エルミタージュ・ルージュ2015 ドメーヌ・ド・リセ
アンドゥイユの時点でもう一皿あるのは分かったのだが、そう言えば以前の8皿から
9皿に増えたのだった。ガルニはヤングコーンとグリンピースなど。うおっ、なんだ
この火入れは…。超やわやわだ。強めにバターが香る。後で訊いたら、バターで
泳がせるように、とのこと。ロニョン(腎臓)は初体験のような気がするが、こちらは
アンドゥイユとはうってかわって癖は強めだ。赤紫+タンニンのしっかりとしたシラー
100%で。
・アヴァン・デセール(ジンジャーエールのジュレと紅茶風味のババロア)
・デセール(湘南ゴールド、バナナ、グレープフルーツ)
下からこの順で、チュイルもグレープフルーツだったかな。内容まで覚えられなかった
のだが、このバナナが不思議な味わい。バナナはひねりがないと野暮ったくなってしまい
がちなのだが。
・土佐小夏のリキュール ¥サーヴィス
あっ、これはかつて面白いデセールを出すスー・シェフが作っていたやつだ。
一年経って飲み頃に。
・コーヒー
・カヌレ
料理もペアリングも楽しんだ、良い夜でした。まだお客さんもいるのであいさつは
簡単に。リピーターも多くて、もう貸し切りタイムが訪れる事もないのかなぁ。
店にとっては、もちろん良い事ですが。
12回目。さすがに面倒なので過去レビューを分割するのは止めておいた。
今回は貝スペシャルでお願いしたが、貝だけではそうは高くならないようなので
ジビエも。
〇おまかせコース? ¥10000
このコースは事前にシェフと相談して食材を決めておくといいでしょう。
〇適当ペアリング ¥3150
もう飲める量は把握してもらっているので、いつもペアリングはおまかせ。大体、
ハーフグラスとか、少しずつ。にしても安い。
・アミューズ・ブーシュ(コガネウニと岩海苔のチュイルほか)
・ローヌ ピクプール
メモがよく読めないのだが、他2つはフグ、コガネウニ、芽キャベツ、味噌?、昆布?
など。コガネウニというのはエゾバフンウニ?やや塩強め。
ピクプールは名前は覚えてたものの、品種特性はすっかり忘れていた。酸と香りが
ある。
・ホッキ貝+本ミル貝+ツブ貝のジュレ ブロッコリーのスープ仕立て
・ロワール シュナン・ブラン
・下関酒造 海響 大吟醸
これぞまさしく貝スペシャル。3種の貝の旨味が味わえる。
シュナン・ブランはクリームのような?甘い香りでいて飲むと酸強くてびっくり。
アミューズでこれは日本酒合いますね、という話をしていたら、本当に用意されていた。
昨年、シェフがフェアに行ってきた下関のお酒。ブラインドで出て来たので生酒?とか
言ってみたが、大吟醸だった(^_^; さすがに全国トップクラスの人気銘柄に対抗出来る
ほどではない。
・パン
・三重産クロアワビ+黒トリュフと赤ワインのソース
・ジュラ サヴァニャン
・下関酒造 大吟醸
後、ブランダードもあるけど、これは何だったかな。ソースはペリグーソースの
マデラ酒を赤ワインにしたもの。
サヴァニャンも飲んだことあるはずだが、名前すら忘れていた(汗)。割とリンゴっぽい。
大吟醸は関娘だったかな?ちなみにこれは全部ちょっとずつでサーヴィスです。
・カサゴ+白子
・ラングドック シャルドネ
付け合わせは菜花、甲殻類の泡と。カサゴの淡く上品な味わいと香ばしさが十二分に
楽しめる一皿。白子はやや甘い味付けだった。
シャルドネは非常に軽い作りで、カサゴにぴったり。今回のベストマッチ。
・ピジョン・ラミエ+鹿+フォアグラ 黒トリュフと黒キャベツ ジュのソース?+内臓
・シャトー・シマール96
うぐっ…。この内臓を入れたソースが絶品。鹿とフォアグラの旨味も押し寄せる。
いやちょっとこれ反則だろ!と思ったのだが、足し算なりの難しさもあるようだ。
そう言えば毎回あまりにいろいろな皿が出てくるので忘れていたけど(^^;、内臓は
シェフの得意分野だった。
サンテミリオンの飲み頃を開けてくれました。メルロー80%+カベルネ・フラン。
・酒粕のアイス+大吟醸のジュレ+酒?のチュイル
・下関酒造 Spirits of 445 純米大吟醸
酒尽くしデセールに最後も大吟醸を合わせて。445というのは下関酒造立ち上げ時の
賛同者の人数だそうだ。酒デセールと言えば、またあのサヴァランが食べたい。
・コーヒー
・プティ・フール(カヌレ)
カヌレが美味しい。
またシェフ一人体制になってしまったので、提供はゆっくりと。この日は他に1組のみ
だったし、ソムリエ氏が話し相手になってくれるので、特に持てあます事もないのだが、
これで満席とかだとさすがにストレスあるのでは、という懸念はある。
私は「守りに入ってもしょうがない」というシェフの姿勢を高く評価しているので
この点なのだけれど、スタッフ問題が解決するまではあまり積極的にはおすすめ
しかねる、という状況なのは付け加えておく。
※字数オーバーしたので、まとめ以外は特に印象に残った料理だけ書くことにしました。
#写真はCTRL+Fで検索出来ます。
●2014/07 昼
初訪問。開店して1年4ヶ月。
皿のビジュアルの美しさと美味さに衝撃を受ける。当時、最高点を付けていた。
○ランチ(メイン二皿) ¥4000
・ホウボウのカルパッチョ 赤紫蘇ビネグレット
ホウボウなんて初めて聞いたが、カサゴの類らしい。これがなかなか濃いめの味で
美味しい。そして野菜を片付けていくとあらわになるビネグレットの色鮮やかな事よ。
思わず見とれそうな色だ。透明な皿の上で、同じ色のプラム(最初はこれのソースかと
思っていた)、黄色い葉(エディブルフラワー…ではないようだ)、緑の葉野菜、の対比
も美しい。上にかかっているのは最初にんにくかと思ったが、噛みしめると甘い。
オニオンのようだ。何だかいきなり凄いクオリティの皿が出てきちゃったぞ。
・ホロホロ鳥のロティ
ここでライヨールのステーキナイフ登場。ランチで使うのは去年、ラトラスで会食して
以来だろうか。
う~ん、香ばしい。そして独特の美味さだ。というかジンジャーエールなんか飲んで
いる場合ではない(なかなか飲み進まないのでまだ残っていた)。赤…赤が欲しい。
しかし、ランチだと調整出来ないし、ここから頼むのもなんだな…という訳でそのまま。
プチトマトは念入りに焼いてある(味付けは忘れてしまった)。豆苗がちょっと珍しい。
・白桃のコンポート
よくある盛り合わせではなく、一皿で出て来た。この皿が、同心円ではなく、更に
傾いているという面白い皿だ。ソルベ(?)を口にふくむと爆発するように液(?)が弾け飛ぶ。
これは一体…。しかし、そんな複雑な仕掛けが出来るとも思えないので温度のなせる
わざだろうか。
●2014/11 昼
シャルキュトリーが有名だと分かったので内臓料理にチャレンジ。初めて食べた
アンドゥイユにびっくり。
〇ランチ(メイン二皿) ¥4000
・スープ(カリフラワーのピュレとモン・サン・ミシェル産ムール貝)
モン・サン・ミシェル産ムール貝って最近見かけるなと思ったら、何とAOC認定だった。
小ぶりで味濃いめなのが特徴。個人的には地中海の大きなムール貝の方が好きだが、
このカップには小さめサイズで十分。それにしてもやはりこのクラスになると、普通に
スープは出してこないのね。
・アントレ(ブーダン・ノワール)
ソーセージなのだと思ったが、リエットみたいにして出て来た。黒い(ノワール)のは
血なのだが、主に背脂とタマネギで作られている。ブルスケッタ用のパンと薄切り林檎
が用意されているが、全部は乗せきれない。これはやはり、少しずつ味わいながら
食べる料理だ。右下にあるのは新生姜なのだが、非常によく合った。辛い、との事
だったが、ちょっと甘い味付けがしてあった。
・ブイヤベース
具は分かりやすくて、紅鮭、エビ、牡蠣、下仁田ネギ、春菊。鮭の皮がパリッパリ
なのがうれしい。下仁田ネギが何だかもうよく分からないとろける物体と化している!
スープはやっぱりちょっと塩分強めだが、メインの鮭は薄味(?)だからまあいいかな。
・本日の内臓料理(アンドゥイユ)
豚の大腸に小腸や胃などを細かくして詰めた料理(小腸に詰めるとアンドゥイエット
と言うらしい)。付け合わせは紅くるり大根(紅芯大根と何が違うのかと思ったら、
芯だけ赤い紅芯大根に対して皮まで赤い)、山ゴボウ、トランペット茸などのキノコ類。
ソースは黒コショウ。
さて、アンドウィユを切ると、結構強烈な香りがしてちょっとたじろぐ。う~む、
これは上級者向けの料理だ。味もかなりこってりだ。これ、ワイン頼まなかったら
どうやって食べるんだろう?糸はナイフでも切れないのでくくったまま残す
(あれっ!?今気付いたけど、片方食べちゃったかな…)。
〇シャトー・ドワジ・ヴェドリーヌ ¥サービス
デセールの前に何やらデザートワインが。「今日はボルドーばかりでしたので…」と
言う事でサービスらしい。おや、ソーテルヌ?グラスもキンキンに冷やしてある。
ん!うまい~。ここまで冷やすとこんなブドウ本来の香りがするものなのか。
ロワールの安貴腐ワインはよく飲んでいたのだけれど、ここまで冷やしてなかった(汗)。
・デセール(モンブランと紫芋のスープ)、コーヒー
上には栗。一見、普通のモンブランなのだが、栗の下にメレンゲが隠れていた。
やはりここは、デセールもレベル高い。
●2015/04 昼
2回ほど入れず、予約しての訪問。開店して2年目。
〇プリフィックス・ランチ(5皿) ¥4000+¥500
・ボラのポワレ エビの泡
いい香り。泡だけじゃなく、小エビが散りばめられている(サクラエビだったかな?)。
エビが味を支配しているかというとそうでもなくて、ちゃんとバランスが取れている。
後、このタケノコが妙に美味しい。食感は普通の硬さだが、じんわりとタケノコ由来の
旨味がする。アスパラは先日凄いのを食べたばかりなので、普通に感じる。
〇コート・デュ・ローヌ キュヴェ・ヴォヤージュ モンショヴェ グラス ¥900
シラーとグルナッシュの古木。以前、ブラインドで飲むとブルゴーニュだと騙されると
いうローヌの古木ワインを飲んだことがあってそれかと思ったが、違った。ダーク
チェリーにちょっとインク入った香り。古木ワインってやっぱりなめらかだ。
・和牛頬肉のマデラ酒煮込み プティ・ヴェールの花添え +¥500
唯一の+料金メニュー。またしても美味しそうな香り。ナイフを入れるとやや硬めの
レバー切ってるみたいだ。最初の印象は洋食屋の煮込み料理だったのだが、次第に
違ってくる。マデラ酒の存在は感じるのだが、そう甘くはない。肉と結合して別の物に
変化させている感じだ。プティ・ヴェールというのは初めて聞いたが、糖度の高い
葉野菜。更にその花というレア食材だ。一応、菜の花のくくりなのだが、味はちょっと
説明がつかない。
〇? ¥サービス
またしてもデザート・ワインサービス。ボトルは後ほど…と言うことで取りあえず
飲んでみるが、ちょっと青い(青臭くはない)風味のあるさわやかな飲み口。
何だろう、と思っていたら、運ばれてきたボトルを見てびっくり。メルシャン?
甲州種か。そういや、日本でも貴腐ワイン作ってたっけ。これは今の時期にしか
出さないと聞いて得心。
●2015/06 夜
初めて夜行ったのだが、取材直後で入れず。
●2015/10 昼
〇プリフィックス・ランチ(5皿) ¥4000
・秋鮭 ムール貝のソース
白いピュレはブロッコリーだが、とにかくこのムール貝のソースが濃厚で美味い。
鮭はテンション上がらない食材だな~と思っていたが、中が半生っぽい火入れで
よそ行きの顔だ。そして下のナスを食べてびっくり。ねっとりとした色気すら感じる
味わいで、別の野菜を食べているようだ。これが秋ナスパワーか。見た目も美しい
一皿だった。
●2015/11 夜
初訪問から一年以上経って、初めて夜訪問。カウンターもない店なので、結構おっかな
びっくりだった。以前のサーヴィスの方がいる内に夜、行けなかったのが心残り。
前のシーズンから食べ始めたジビエ、初のペルドロー(ヤマウズラ)チャレンジ。
予約からしてしどろもどろだったが、最後はシェフに長いこと解説していただいた。
めちゃくちゃ量多くて、次行った時によく食べられましたね、と感心される(^_^;
〇8皿コース+ペルドロー ¥10000
サービス料10%。
・アミューズ 写真なし
いきなり写真を撮り忘れるorz。透明な長いくしの刺さったパテ・ド・カンパーニュと、
薄い長方形の何かを焼いた物が隙間にはさまったヴィジュアル。パテ・ド・カンパーニュ
の方はやや酸味がある意外な味。なかなかおいしい。焼いた物は卵白と何かだった
かなぁ?これが味すら表現が難しい。甘い&しょっぱいが一応ベースかな。不思議な
味わいがあり、かみしめながら食べる。
・アントレ1(ズワイガニのムースとエビの泡)
ムースというか、茶碗蒸し(?)っぽいズワイガニ。そしてエビがとても香ばしく、
かといってズワイガニの邪魔をするでもなく絡んでいる。ううむ、美味い。そう言えば、
前々回のポワレもこうだったか。
〇白・グラス(リースリング?) ¥1200?
オススメのアルザス。これがリースリングらしくない淡いカリンの香りで、最初の
落ち着かない頃はスパイスっぽくも感じた。徐々に酸味が主張するように。他のも
混ぜてるのかな?と思ったが、聞きそびれた。これはかなり良かった。
・アントレ2(ブーダン・ノワールのイカ墨エクレア)
上にはお馴染みのリンゴ、下にもリンゴのピュレ。他に赤いスプラウトやアマランサス
など(アマランサスは大体、種か葉かのどちらかだ)。ナイフが通りそうもないので
手で食べるが、リンゴがこぼれるのでちょっと大変だった。エクレアの食感がかなり
面白い。定番のブーダン・ノワールを再構築した一皿だ。
・カンパチのポワレ トランペット茸とサフランソース
後からシェフが登場したので何事かと思ったら、乗せ忘れた万願寺唐辛子(?)を乗せて
いった(笑)。下にはリゾット状の発芽玄米。セップ茸も使ってあり、料理名はブルグル
(名前分かったので更新)。ナイフを入れたら何だか
凄い音でちょっと驚くが、皮の音だった。焼いたカンパチって食べたことなかったが、
ほぅ、こんな味か。何だか一味違うが、後でシェフに訊いたら、和食っぽくならない
ように焼いている、とのこと。黄色いのがサフランソース、茶色いのがトランペット茸
だが、この茶色ソースが美味すぎる!ちょっとデミグラスっぽかった。
・ペルドロー胸肉のポトフ仕立て
ペルドローは二皿構成。まずは胸肉から。ペルドローはグリ(灰色)とルージュ(赤)
があるが、これはグリ。意外とくせのない味だが、ゴボウも使ってあり、この辺は
うまく処理してあるようだ。スープはペルドローのガラだが、やや苦い。
・ペルドローもも肉のパイ皮包み ジビエソース
シェフ直々に説明に。中身はちょっと足りなかったので、エゾシカとホロホロ鳥も
使用。ソースはやはりガラと、後はピジョン・ラミエなんかも使ったもの。えー。
何でそんなに盛り沢山なんですか(^_^;後、量が多いと警告されたが、確かに多いどころ
ではなかった。パイ皮を崩すのが嫌なので大きめに切ってばくばく食べる。今度は
はっきりとした苦みを感じる。後で訊いたら、内臓由来、とのこと。サラダも付いて
くるので合間に食べながら。最後に中心部のモモの部分は手づかみで。足の先端は
パリパリになっていて、先の方を持っていたら骨も途中から折れてしまった。
かなり高温で焼き上げているようだ。骨の周りはくさみもあるが、やはりこの部分が
一番旨い。
●2016/02 夜
いよいよジビエの女王・ベキャス(山シギ)にチャレンジ…のはずだったのだが今年は
高騰しているということで断念。仕方ないので何故か食べようと思うと見かけない
シャラン鴨にしてもらった。またシェフにジビエについて詳細に解説して
いただいたが、deco(現LATURE)が閉店するという話をかなり早い時期に知ることが
出来たのは幸運だった。この回もめちゃめちゃ量多し。
〇8皿コース+シャラン鴨 ¥8500+¥1000
・アミューズ(マグロとパルミジャーノ、ボタンエビ)
前回同様、アクリル串(?)を使っているが、謎のビジュアル。マグロボール(?)の方は
中心に柚子を効かせてあるが、味の主役はパルミジャーノ。こんなものは食べたことが
ない。ボタンエビは海水とトリュフオイルに漬けてあり、クレソンが浮かべてある。
串を引き揚げると自動的にクレソンがくっついた。うむむ、こっちも未体験ゾーンの
料理だ。
・ズワイガニとカブ
意表を突いた外観。乾燥させたホウレンソウと、ズワイガニのオイルパウダー(殻だった
かも)。下にはハチミツと何かのジュレとズワイガニ・カブが。パウダーから蟹の風味
が。ズワイガニはそれほど多くないが、このカブが美味。香気のある、よそ行きの
表情だ。ホウレンソウがちょっと食べにくいので先に食べてしまったが、ちゃんと
全部合わせるべきだったか。
・銚子産キンメダイ 芽キャベツとパセリのソース
またしてもソースが美味い。やや酸味があるけど、バターが効いているのか?下が
キャベツとベーコンで、それ由来な気もする。今回は塩分は控えめだった。
・マダム・ビュルゴー シャラン鴨 +¥1000
付け合わせはアンディーブ(チコリー)のブレゼに、トランペット茸ほか3種のキノコ。
写真でも判ると思うが、分厚い脂が美味い。以前食べたエトフェシャラン鴨とはちょっと
タイプの違う美味さだ。それにしても肉厚だな…。この厚さだとペルスヴァルのナイフ
が欲しくなる。アンディーブも単体でやっていけるぐらいだ。後でシェフが詳しく
解説してくれたが、某三つ星店の仕入れに便乗させてもらった、とのこと。
●2016/04 昼
ホロホロ鳥が食べたくて昼に行ったのだが、貸し切りのキャンセルがあって食材が
だぶついていると言うので、いつもの値段でおまかせスペシャルを作っていただいた。
開店して3年目。
〇プリフィックス・ランチ(5皿) ¥4000
・新潟産あんこうのテリーヌ 赤ワインとエシャロットのヴィネグレットソース
時季外れのあんこう。肝以外なら別に変わらない。いろいろな部位を調理法を変えて
合わせてある。周囲は結構コリコリだ。付け合わせはホワイトアスパラ、イタリアの
食用タンポポなど。
・サワラ+黒ゴマ 蛤のブール・ブラン
サワラの皮をはがしてゴマをまぶしたという大胆な調理法。これにベーコンと新玉葱、
シバフタケ・ムースロンなどを添えて。一見ごちゃごちゃしているようだが、それぞれ
がちゃんと役割を持ってサワラを引き立てる。これはサワラが染めやすい食材だから
だろうか。
・バスク・マシュー豚のグリエ ポワブラード・ソース
キントア豚かと思ったら違った。部位は肩ロースで、グリエにする事によって少し薫香も
ついている。付け合わせはデュラム・セモリナなどを混ぜたブルグルに押し麦、舞茸、
ホワイトアスパラ、小さいながらも存在感のあるのはパセリの苗だった。やはり
スペインの豚らしく、脂たっぷり。ワインが進む。それにしても…ちょっと多くない
ですか?(汗)
・日本酒のサヴァラン
酒はシェフの地元から福寿。いきなり大吟醸だし。アイス自体はヴァニラかな?これに
レモンパウダー?がかかっている。甘すぎないサヴァラン。何だか器もあったので
もっと大吟醸かけてもいいのかな~と思ったが、さすがにやめておいた^^;
●2016/05 夜
シェフがケータリングに行って不在だった。以降、夜は予約してから行くことに。
するとシェフがちょっと違う皿を用意してくれる、という効果もあった。
●2016/06 夜
前日、チーズ祭りでめいっぱい飲み食いしてしまったので、朝からちょっと重め。
暫く、アンビグラムのパティシエ氏がお手伝いされていたのだが、鎌倉の新店に
移られた。この頃から、スー・シェフの出す、とても凝ったデセールに注目するように。
〇6皿コース ¥7020
・アミューズ(赤ピーマンとノルウェーサーモン)
またしても初めて見る器のアミューズ。スプーン代わりにして、このまま頂く。
上と周囲にあるのはウイキョウの花。先日、フィノキエットとフィノッキオの違いを
覚えたばかりだけど、花もあるのか。サーモンの味は濃い目。赤ピーマンは少しマリネ
してあるようだ。これにウイキョウの香りがプラスされる。
・山口産白バイ貝のムニエル
ソースはブール・ノワゼットとムースロン?それから白バイ貝の肝と大葉。下には
砕いた枝豆とそのままの枝豆。加熱したバイ貝って初めてかも。これが不思議な食感
でいて、干物のように噛めば噛むほど味が出る。う~む、面白い上に美味しい。バイ貝
は塩で下茹でして、後は塩味は加えていないそうだ。肉の風味がすると思ったら、生ハム
も使ってあった。
・デセール1
青リンゴとセルフィーユ(上に乗っている)のソルベ。ラベンダーのジュレとパウダー
が使ってある。これにシャンパンをかけて完成。笑っちゃうくらい楽しいデセール。
・デセール2
とてもインパクトのある外観。中にチェリー、周囲を炭メレンゲで囲んである。さらに
周りにはフレーズのソース。後、下段がブラックチェリーだったかな?
何だかデセールが凝ってるのでシェフが作られたんですか?と訊いたところ、若い
スタッフにまかせた、とのこと。いいセンスしていると思う。
・土佐小夏のリキュール ¥サーヴィス
これも同じく、若いスタッフが作ったというもの。すっきり上品にまとまっている。
試作品らしいけど、もうこれで完成でいいのでは。
●2016/07 昼
ホロホロ鳥が食べたくてまた昼行ったのだが、鳥インフルエンザで輸入制限がかかって
いる事を知る(この制限はかなり長引くことに)。スペシャル食材のエトフェ鳩を
出してもらう。
〇クロ・シギエ カオール2012 グラス ¥1000
やや繊細な作りのちょっと珍しいというカオール。カオールってタナと勘違いしてた
けど、マルベック(オーセルワ)が主体か(タナも使っている)。色は紫系じゃないな。
濃い目のルビー色だ。そう黒くはない。次第に香り始めたが、そうそう、マルベックは
こんな香りだった。アルヘンのマルベックは結構好きで飲んでいた。選べるなら軽めの
ピノにしようかと思っていたのだが、鳩にこのセレクトははまった。ソムリエ氏も自信
あったみたいだ。
〇プリフィックス・ランチ(5皿) ¥4000+¥500
・ランド産エトフェ鳩(1/2) ジュのソース +¥500
中央がコーンと内臓。フィンガーボウルはないが、おしぼりを新しく出してくれた。
三角なのはヒヨコ豆のスナック。ソックという名前だと思ったのだが検索しても出て
来ないし、メモがどうも怪しい。この内臓の部分が美味しい。身にも少しレバーの
ような食感がある。ホロホロ鳥は食べられなかったけど、十分に満足。
〇シードルのアイスワイン ¥サーヴィス
デセールに合わせて。シードルのアイスワインなんてものがあるのか。マールっぽい
のが、リンゴなので、酸味がある。ブラインドで出されると分からないかもだが、
言われてみるとなるほど、と思う感じだ。
・デセール(ライチと?のジュレ、スモモとモモのクリーム、フロマージュのソルベ、クロレラ入りメレンゲ)
後はデセールだけ、と気を抜いていたら、な、なんだコレ。まったく見た目から予想が
つかない物が出て来た。最近、フレンチはメモに頼らなくても写真だけで結構思い出せる
ようになってきたぞ、と思っていたのだが、これはあまりに複雑で全部覚えきれなかった
\(^^)/ 一番下がジュレで、ベリーとピンクいのは何だったかな(汗)。渦巻き状のが
スモモとモモ。モモクリームはやや濃くて、フロマージュを使っているのかも。味的には
フロマージュソルベが支配しているのだが、この香りがとてもいい。
●2016/10 夜
非常に凝ったデセールを出していたスー・シェフがオルグイユに異動。一人で大変な
シェフが本気出しすぎの料理で待ち構えていて、参りました、の一夜。
〇6皿コース ¥7020
・昆布森産カキのセビーチェ
20cmはある巨大カキが出て来て驚く。やっぱり昆布森産ですか。鮮やかな赤はタデの
スプラウト・マジックレッド。下にはブロッコリーとディルのムースでまたきれいな
白緑色。昆布森産独特のクリーミィさもさるものながら、出て来た瞬間に心を鷲づかみに
される一皿。
・冷製サワラのトリュフがけ
ソースはトリュフとヴィネグレット、マツタケ、カブ、柿を添えて。前の皿もそうだった
のだが、どうも最近、私が行くとシェフが新メニューを作るらしく(^_^;、ソムリエ氏が
何を合わせるか頭を悩ませていた。結局、少し貴腐香のあるサンセールを選択。
この皿は説明が難しい。一言で言うと、分からん。ソースに少しだけ甘みもあり、
ここにマツタケの香りと柿の甘みもちゃんと絡む。とにかく参りました、の一皿。
・真鱈白子のムニエルとアンコウ
これも新メニュー。ソースはフォン・ド・ヴォーとケーパー。ワインは白ながら
なめし皮の香りのローヌ・ヴィオニエ。フォアグラに近い濃厚さ、という見立ては
間違っていなかった。
・フランス産仔牛フィレ ムール貝のソース
ヴィアンドに貝ソース、というソムリエ泣かせの一皿。何しろ、食べている最中に
ソースがきれいなピンク色に。結局、コート・ド・カステイヨンというマイナー地区の
お値打ちボルドーを合わせてくれたが、この皿は強めの白でもいけたはず。素直な
仔牛に濃厚ムール貝のソースは45:55ぐらいだった。
●2016/12 夜
またしても新作ラッシュ。ドイツのマイナー品種の話や業界の話で盛り上がる。
いろいろ充実し過ぎて3時間も長居してしまった。
〇ボジョレー・ビラージュ ¥サーヴィス
ややイチゴの香りのボジョレーからスタート。最後の一杯だったので少しのはずが
結構、多くなった。貸し切り状態だったもので、ソムリエ氏とワインの話もたっぷり
出来た。
〇6皿コース ¥7020
・鹿パテ・冬トリュフ・ブロッコリー
真っ黒い冬トリュフ。トリュフにこんなに違いがあるなんて今まで知らなかった(^_^;
〇トーマス・ブータン セルシアーヌ・ペルラン2014 1/2グラス ¥756
エチケットが可愛いシュナン・ブラン。色は薄め。なまめかしい香りでいて甘い、と
すごいギャップがある。
・ヒラメの昆布締め・ミンククジラのタルタル・牡蠣・春菊
新作。シェフが嬉しそうにやって来て、自ら説明。またこんな、説明に困るレベルの
料理を…(^_^; 下から牡蠣、ヒラメ、タルタル、牡蠣の泡、の順。タルタルはアーモンド
を使っている。パレットに出されたヴィリディアンの絵の具のような春菊のソースが
美しい。味の主体はヒラメ。これに赤身の魚のようなフレッシュ感のあるミンククジラ
が絡む。牡蠣はそれほど目立たない。ミンククジラは改めてこんな味なんだ、と驚か
される。
〇サヴィニー・レ・ヴォーヌ プルミエ・クリュ レ・フレノー2010 1/2グラス ¥864
華やかさがありながら、やや枯葉系。
・島根産ジャンボしいたけ・香箱蟹とペシャメルソース・パン粉がけ
これも新作だが、ワンオフかも?とか言われる(汗)。ペシャメル・ソースがベースに
なっていて、グラタンを想起させる。中に焼いたギンナンも入っていて、結構な存在感。
〇シルヴァン・ボック 1/2グラス ¥756
ローヌのメルロー。これかなり面白かったんだけど、メモがなくて内容忘れてしまった。
・キジハタ スープ・ド・オニオン
この写真では分かりにくいと思うが、切り口が虹色に輝いている。やや衣?がついて
いて皮がカリッカリ。スープ・ド・オニオンはかなり強い味で、これは断然赤ワイン。
フレンチで食べた記憶がなかったのだけれど、結構クラシックな料理かな。中に
入っている小松菜もおいしい。
〇ドメーヌ・デ・エスピエ ジゴンダス レ・ブランシュ2012 1/2グラス ¥972
色濃いながら、ローヌらしい飲みやすさ。これもメモがない。
・鹿ランプ肉 ポワブラードソース
付け合わせは根セロリ、万願寺唐辛子、泥ネギ、冬トリュフのブレゼなど。ランプ肉は
甘みがある。しかし…ちょっと多いんじゃないですか、これは(汗)。
・タルトタタン バニラアイスソース
解かして温めて冷やしたグラス・ヴァニーユでタルトタタンながら軽く仕上がっている。
たっぷりの肉の後は軽いデセールがいい。
〇デザート・ワイン(ジュランソン) ¥サーヴィス
ジュランソンは南西地方にある。詳細は忘れた。爽やかな味わい。
遂に(?)ワンオフまで登場して、この店のレビューはこれでいいのかと思う今日この頃。
それにしてもこの店が貸し切り状態なんてもったいない。フレンチ好きはまず来ない
エリアだろうけれど、副都心線なら東急直通で来れますよ。渋谷から15分ぐらい。
実はメニューにない、¥10000のコースもあるので、最初からシェフの全力を味わいたい
人はこれを頼むといいかも。
#夜の採点、少し上げました。
5位
1回
2016/07訪問 2016/07/12
ソルマリの出現が最大の話題で終わるかと思われた2015年末、突如として現れた大型
ネパール料理店。それまで誰も経験したことのなかったメニューの充実度、禁煙フロア
の存在(後に屋上席もオープン)、聞き慣れないネワール族の料理、と百戦錬磨の
ネパール料理好き達をも驚嘆せしめた。オーナー氏の着実に店を進化させる姿勢も
見逃せない。半年で新大久保のNo.1ネパーリに上り詰めた。最近は女子会も頻繁に?
#どうも、2016年6月にアーガンにシェフが独立した影響が結構出てるような。
●1回目(2015/12)
☯前編
先日たどり着けなかったムスタングにリベンジしようかと思っていたのだが、気になる
新店情報が。ネワール族というのも聞いたことないし、CP特化型の店らしいムスタング
よりもこっちの方が面白そうだ。もう開店一月未満の店に行くのは止めようと思って
いたのだが、どのみちメニューからすると何度も行くことになりそうな店である。
新大久保から大久保へかけて道路の南側をざっと歩くが、見つからない。またか。
探知レベルを上げて引き返すと、おや?ビルの上に見慣れたネパール国旗が。あそこか。
しかし、随分高いな?ビルの前まで来ると、千里香という黄色い看板がとても目立つ。
これを目印にするといいだろう。階段を上がると2Fがその千里香。ドアの外からでも
店内の熱気が伝わってくる。東北部朝鮮族の店だが、間違いなく「本物」が食べられる
店だろう。そして目の前にも扉が。開けると3Fへの階段が現れた。いざ行かん!
店内に入ると喫煙か禁煙か訊かれ、更に上の4Fへ。何と!ここはフロアで分煙なのか。
店内は既に半分ほどお客さんが入っている。
メニューに目を通し始めるが、な、なんだこれは…。サンサールでしか見た事のない
チャタマリが3種類に、ソルティーカージャガルでしか見た事のないジディに、ソルマリ
とMOMOにしかないダック・チョエラ、更にはスクティ・トゥッパ、クワティ・
モモなんて合わせ技まで。チウラ・ブジャ・ディドも当然のようにそろっている。
ドリンクの方もチャン、ソムラサ、プルジャ・ダイニングでしか見た事のないトゥンバ、
更に謎のドリンク・アイラアーまである。注文を取りに来た優しそうな店員さんにこれ
何ですか?と訊いたところ、作るのに2週間ぐらいかかるのでまだ出せないと、ていねい
に教えてくれた。いや、それよりも早くオーダーを決めなくては。セットメニューの
サマエボウジも気になるが、ここは基本から入ろう。グンドゥルックとチウラ、パングラ
を注文。
〇プレーンラッシー ¥300
普通に注文したのだが、サービスにしてくれた(ドリンク頼まないとサービスで出てくる
ことはちょくちょくある)。量はやや少なめ。
〇グンドゥルック・サデコ ¥650
!?
あれ?…グンドゥルック?干し発酵野菜を使ったカレーのはずなのだが…サデコ?
(和え料理)あわててメニューをめくるが、他にグンドゥルックはない。写真からする
とこれで間違いないようだ。しかし、チウラと合わせるのはきついな。かなり酸っぱい
味付け。確かにあの干し発酵野菜・グンドゥルックだ。味付けも濃いので、つまみ
向けかな。さくさくの豆も入って、ミャンマー料理と言われても違和感ない。
〇チウラ ¥250
以前は謎の料理だった干し米・チウラ。最近は出す店も随分増えた気がする。汁気の
多いネパールカレーと合わせるのが王道だが、肉類にくっつける食べ方もある。
〇チリ・パングラ ¥500
砂肝。頼む時に辛いやつ?と訊かれたので一応確認したのだが、実は辛くないのと2種類
あった(^_^;結構辛いが、ネパール料理で、辛いのが苦手な私が音を上げるほど辛い
料理はそうはない。砂肝は大きめの切り方、コリコリ感はほどほど。
う~む、やっぱり汁なしでチウラを食べるのは無理がある。カレーも頼もう。ここは
マトン…ポークや魚、クワティもあるぞ。いやいや、そんなに飛ばしてどうする(^_^;
基本のダルにしておこう。
お客さんも増えたせいか、ダルはなかなか出て来ない。まだかな…と思いながら食べて
いると、やっぱり優しそうなマネージャー氏登場。グンドゥルックの事を訊いてみると、
メニューはいろいろ間違ってるので、今作り直している、とのこと。そうか、やっぱり
あれは別の料理なのか。アイラアーは年末ぐらいには飲めそうだ。
〇ダル・カレー ¥600
ネパールの国民食にしておふくろの味、ダル(豆)。半分くらいになったチウラを
全部入れて食べる。ダルと言っても店によって使う豆の種類や濃さ、量などピンキリ
なのだが、豆がぎっしり入っている。う~む、旨いな。今まで食べたダルの中で
ベストかもしれない。
マネージャー氏はうちのミスだ、と言ってダルをサービスにしてくれた。いや、
グンドゥルック・サデコなんて貴重な物が食べられたし、別に良かったんですけどね。
15年前のデータだが、ネワール族は120万人で総人口の5%、ネパールで5番目に多い
民族(最大民族のパルバテ・ヒンドゥーが40%ぐらい)。タカリ族なんかは1万人しか
いないし、結構多い方だ。セットにはそのタカリのメニューもあったけれど、どういう
関係なのだろうか。
☯中編
1Fの張り紙(前回は無かった気がする)を見ると、ナングロ・ガルと書いてある。
これが正式店名なのかもしれない。今回は特に喫煙の有無は訊かれず、そのまま3Fへ。
メニューの件といい、まだオープンしたばかりで多少の混乱は見られる。
バスマティー・プラオ(中央アジアではプロフと呼ばれるピラフの仲間だろう)を
頼んだが、これは事前予約しないと食べられないようだ。ディドももしかしたら
そうかも。新しいメニューで直ってるといいけど。
〇マンゴーラッシー ¥サービス
またサービス。そう言えば出すの忘れていたけれど、ちらしでドリンク一杯サービス
だった。量はやはり少なめ。
〇チウラ ¥250
〇マトン・カレー ¥700
何故か日本語表記はラム・カレーとなっているが…。やや甘い味がする。う~む、
これに関してはMOMOやソルマリの方が上か。
〇? ¥サービス
何だかよくわからないが、赤唐辛子ペースト?結構辛い。ちびちびつまんで全部
食べたら、チューブでお代わりが来た(^_^;
〇クワティ・モモ ¥800
これもちょっと甘い。発芽させた豆を複数使うクワティはダルよりも手間がかかって
いるはずだが、実のところ、ちょっと地味なスープかもしれない。後、モモの皮が硬い。
この店にはノーマルの蒸したモモは無いようなので、全部このタイプかな。
〇ジブロ・ブタン(タン炒め) ¥600
追加注文したらセクワ(焼き串)並にかなり時間かかった。ややカリカリに炒めてある
(豚肉でこういうのがあるだろう)。シンプルな塩味だが、これがなかなか旨い。
う~む、しかしアルコールが欲しい。完全に酒のつまみ向けだ。オーナー氏がやって
来たが、これは好物なんだそうだ。ブタンとブトゥワとブテコの違いを訊いてみたが、
ブトゥワが肉らしい、という事しかわからなかった。
オーナー氏が上にヨクジョウを作っていると言うので思わず聞き返したら、案内して
くれる事に。すると5Fにテラス席が(オクジョウか(^_^;)。なんとびっくり。この
店は3フロア構成だったのだ。それでビルの上にネパール国旗が見えたのか。まだ
整備中だが、気候が良くなる頃にはオープンするだろう。新宿も見えるそうなので、
夏が楽しみだ。
☯後編
2Fのドアがガラス付きになったのかな?日々改良されてますね。結構にぎにぎしいが、
半分くらいの入りか。大テーブルの予約札も見えたので、早め早めに頼む。しかし、
ヒャクラとフィッシュ・セクワが切れていた。
〇アイラアー ¥500
本邦初公開?アイラアー(Aila)。蒸留酒か。飲んでみると酸っぱいような甘いような
香りがする。う~ん、何だろうこれは。後で訊いてみたら、ブラック・マスタード?を
ラクシに漬け込んだものだとか。調べてみるとネワール族にとって祭事用の重要な酒
らしい。原料はたぶん、一種ではないだろう。
〇スクティ・キーマ ¥890
スクティ(マトン干し肉)のキーマってどんなのだろう。
私「これってスクティのキーマ?」
店員「そう、スクティのキーマ。」
OK。頼んでみよう。すると、スクティがちぎってある。キーマは細かくする、という
意味を持つ単語か。油で和えてあり、ややさくさくした食感。ミャンマーの干し鹿肉
料理(サッター・チョッ・トウッ)に似ている。濃く、やや辛い味付け。そうそう、
スクティでちびちびやるってのはこういうことだよね。
〇セクワ(砂肝×2+マトン×2+ポーク×2) ¥280+¥300+¥300
盛り合わせもあるが、セクワ(焼き串)は2本単位から。一串¥150ぐらいか。この中では
砂肝(パングラ)がかなりうまい(砂肝大好き)。マトンとポークは肉がいまいちな
感じだが、かんでいると結構旨味がある。
〇ミックス・アチャール ¥380
ちょっと間が空きそうなのでアチャール(漬物)追加。内容はムラコ(大根)、ニンジン、
グリンピース、多分ダルにも使われている小さな豆。これはかなり辛い。でも後をひく
感じではない。
〇チャタマリ・プレーン ¥400
小麦粉料理だと思っていたのだが、実は米粉料理らしいチャタマリ。あんまり強く
加熱してなくて半生っぽい食感だ。パクチーと薄い塩味がする。
〇チャング ¥450
んぐっ、ちょっと酸っぱいな。度数高めなのか飲みにくい。某所のチャングはとても
爽やかで飲みやすかったのだが、やはり……な酒なので、一定の味がするものでもない
だろう。底の方は澱?も結構たまっていた。コップは下の方がひび割れたタイプ。
〇ラルモン ¥300
デザートの欄で写真がない一番謎っぽいものを頼んでみたのだが、あれ、これが
写真にあったやつか。甘いヨーグルトにグラブ・ジャムンっぽいもの(そのものかも)。
この店のオペレーションはまだやや弱い。というか、ソルマリが優秀すぎるんだけど。
□総評
プルジャ・ダイニングが現れた時、「これは凄い店だ。ナンを置いていない」と驚き、
ソルマリが現れた時は「こんなに充実したネパール居酒屋はかつてなかった」と感心
したものだが、何だかもうそういう次元を越えている。ネパール料理店の進化・深化が、
新たなステージに突入した感がある。ここに全部そろっているので、メニューの豊富さ
なら新大久保の店にすら圧勝だ。まだ開店したてで粗も垣間見えるが、増築もして
いるし、今後の発展も楽しみだ。
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●4回目(2016/01)
こう寒いとネパール料理でもない気もするのだが、トゥッパの存在を思い出し、行って
みる。ややマイナーな麺料理・トゥ(k)ッパ(軽くkを入れてトゥクパと発音する)。
実は決まった味がないような気がしているが…。
〇ミックスバラ ¥550
未だに味がよくつかめていない豆粉料理・バラ。プレーンの他に卵と肉があるが、
両方合わせたミックスを頼んでみた。中央に目立っているが、結構卵味。内部に肉も
入っているのだが、量の割りにあまり存在感はない。具が入っている分、バラは衣化
している。外はバリバリな部分もある。相変わらずこれがバラの味、というのがつかめ
ない。プレーンを頼まないと駄目か。
〇スクティ・トゥッパ ¥650
頼むのは確かまだ2回目だ。前回頼んだ時はまるで蕎麦のようなスープだったが…。
意外なことに酸っぱい。そしてコショウでかなり辛くしてある。インドの野菜スープ
がこういうタイプだったから、その系列かな。麺はちょっと柔らかすぎ。スクティは
小粒でも存在感がある。う~ん、やはり麺と野菜ぶち込んでおけばそれでトゥッパ
かな。後で喉がかなり渇いたが、コショウの影響だろうか。
禁煙フロアはネパール人達にはちょっと不人気のようだ(下に移動したりしていた)。
==============================================================================
●5回目(2016/02)
ほぼ向かいのソルマリに行った時に通りの反対から見たら3・4Fに大きな電飾と看板が
あるのを発見。そう言えば店内から見えていたが、下からだと全然気付かない。
いつの間にか登録名が「ナングロ」から「ナングロ・ガル」になったけど、結構、
スムーズに改名が通るものだ。
今回は蕎麦粉料理・ディドです。ネパールは北へ行くほど高度が高くなっているので、
その辺の米も育たない地域では主食のようだ。結構置いてあるようで要予約だったり
するので、常設であるのはプルジャ・ダイニングとここぐらいか。食べるのはまだ
3回目だ。
〇タカリ・ディド・セット ¥1500
単品も山岳民族のタカリの名前が付けられている。メニューの方はディロとかデイロとか
書かれているが、まあ大体そんな感じのあいまいな発音なのだろう。カレーをフィッシュ
とマトンから選ぶ。英語メニューを見るとディド自体も2種類あるように見えるが、
現状では特に選ばない。
・サラダ
最初にこれだけ出て来た。本体の方は出てくるまでちょっと時間がかかる。
・ディド、パパド、アチャール、サグ
・フィッシュカレー、ダルスープ、ギー
のわ~!これ、滅茶苦茶多いな(汗)。ちょっと湯気が出ている。そうか、蒸すのに
時間がかかっていたんだな。手で押すと弾力があり、くっつかない。手で食べた方が
いいような気もするが、フォークで食べる。やはり味はついていない。これをカレー
なんかに合わせろ、という事か。サグやアチャール(もう一つはグンドリュックだった
かな)、例の辛いペーストなどと混ぜながらどんどん食べる。パパドはさすがに単品で
食べるが、塩気が効いてて妙においしい。ネパールのフィッシュカレーというのは
初めて食べたのだが、意外にもトマトの酸味が効いているマチャ系(?)のカレーだ。
魚の味はあまり関係なくなっている。ダルはメニューになかったが、薄いスープタイプ。
小皿は最初バターだと思ったのだが、使ってみると獣っぽい乳製品の味。そうか、これが
ギーか。固まってしまったので、最初にかけておくべきだったか。
段々、以前食べた時の事を思い出してきたが、プルジャ・ダイニングのはちょっと
トウモロコシっぽい味がした。やはりダル同様、店によってタイプが違う感じか。
バター(?)も最初からかかっていた。そして何よりこんなに多くなかった(汗)。
まずいな、これ満腹コースだ。漬ける物が無くならないよう、慎重に配分しながら
食べる。
・デザート
マンゴーの入ったヨーグルト。
ペースを落として食べ終えたが、やばい、一呼吸置かないと動けないレベルだ。これは
危険なセットだ。頼む際は注意されたい。値段も一番高いのだが、量の多さに
意味を持たせているのかも?
#単品(¥750)もありますが…。
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●6回目(2016/04)
未だにサマエボウジセット食べていないのだけれど、今回も単品で。
そんなに埋まっていないのだが、グループの人数が多いせいか、ちょっと待たされる。
おや、向こうのテーブルでトゥンバが頼まれている。一人で飲むとちょっと大変なの
だが、そろそろ自分も頼まなくては。フロアにいろいろな料理の匂いが漂っている。
〇ダック・チョエラ ¥750
アヒルのチョエラ。滅茶苦茶味濃いが、なんとなくアヒル味。これはちょっとつまみ
以外で頼む品ではなかったか。骨がゴロゴロ入っている。そして、かなり辛い。
大体、チョエラは辛くなる傾向が強いのだけれど、今まで食べた中でも一番辛かった。
チョエラとチリ系は避けておいた方が無難かな…。
〇ミックス・チョウミン ¥650
まさかの大皿である。甘辛い味だが、スイートチリというよりもケチャップっぽい(^_^;
外れチャウミンとは言わないが…。食べ終わる頃にはちょっとやばい感じに苦しく
なった。
〇ラズバーリ ¥300
チョウミンが来たタイミングで注文。Rusberyという表記でラズベリーの菓子かと
思っていたのだが、これは白いグラブ・ジャムンこと、ラスマライか。冷やしてあり、
ヨーグルトと、ライチ味。そもそも、ラズベリーはraspberryなので全然違った。
〇マサラチャイ ¥サービス
良い香り…。これはスパイスを入れたマサラチャイか。甘くておいしいチャイ。
サードウェーブカフェなんかで出てくるチャイってどうも中途半端な味付けで、
こういうチャイらしいチャイは中々出て来ない。
オーナー氏に屋上の進捗を訊いてみたところ、現状では6月頃と言っていた。
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●7回目(2016/05)
いつものように階段を上がると、オーナー氏からナマステ~と挨拶。ナマステ~。
4Fに行くと、何だか女子グループが多い。女子会かと思ったら、ネパール人か。
〇ネワーリ・サマエボウジ・セット ¥1200
葉皿を使ったスペシャルメニュー。もちろん、この店にしかない。最初に行った時に
既にたくさんレビューがあったので、ずっと後回しにしていた。持ってくる時に変形
していたので、葉皿は持ちにくそうだった。これ確か、輸入しているという話だった
が…。さて、内容の方は、
小さいバラ、黒大豆、ゆで卵、柔らかい豆、スパイシーラム、チウラ、サグ、
ジャガイモのドライカレー、ムラコ・アチャール、パウーワ、となっている(リストに
あったスライス生姜は見当たらない)。
既存メニューで味の分かるものは省略するとして、黒大豆…カッチカチに硬い。ボリボリ
と音を立てながらかじる。でも旨味もある。ジャガイモのドライカレー…アル・なんとか
というジャガイモ+カレーメニューのどれかだろうと思ったのだが、これが激辛レベル
に辛い。スパイシー・ラムの方を警戒していたが、それどころではなかった。
パウーワ…消去法で行くと、右上の小皿がそうなのだろう。カレーかと思ったが、意外と
梅酢のように酸っぱい。
周囲のものを少しずつ真ん中のチウラに混ぜながら食べる。複数混ぜるとなんかちょっと
いい感じだ。カジャセットも単なる盛り合わせじゃなくてこういう感じなのかな?
しかし、やはりチウラを水分なしで食べるのは無理があるのでドリンクが必要だ。
フォークで食べていたので、葉皿の底に穴が開かないように気を付けながら。底が
見えてくると、葉と葉をつなぎ合わせる部分は茎か葉脈を使った釘で留めてあった。
〇ディタ・ラッシー ¥450
ソフトドリンクを頼むのもつまらないと思い、結局アルコールに(^_^;しかし、さっぱり
アルコール分は感じられなかった。ディタと言うのはライチのリキュールらしいが…。
ラッシー多めか。
何故か女子ばかり増えるが、ネパール人だけでなく、日本人もいる。う~む、禁煙
だからか?間もなく5Fもオープンだけど、こう混むと使いづらいものがある。また、
安住の地を探しに出かけるか…。
新たにポイントカードが導入されていた。ランチ・ダルバート50%OFFと書いてあるが、
夜はどうなんだろうか。
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●8回目(2016/06)
未食の中から、今回は久々にトゥンバを飲もう!と思ってやって来たのだが、何と
ないと言う。え~~~。そこへオーナー氏がやって来たのだが、そもそも温めて飲む
お酒だし、全然出ないので夏はやっていないのだと言う。もう一つの目的である
テラス席の事を訊いてみると、オープンしたが予約専用だと言う。いち早くレビュー
したかったのだが、これでは入る事すら出来ない。
・ネパール・アイス ¥550
すっかりテンションが下がってしまい、この際、軽く済ませようと定番ビールにする。
・ムラコ・アチャール ¥サーヴィス
オーナー氏から。さすがの気配りである。結構、辛い。
・スクティ(プレーン) ¥700
意外に小さいものが出て来た。以前、トゥッパに入っていたものは小さくしているの
だろうと思っていたが、同じ大きさだ。まあ、スクティ硬いので、この方が食べやすく
はあるのだろう。出来たてなので、ややカリッとしていておいしい。
・パングラ・セクワ ¥280×2
美味い。やっぱり、パングラがセクワ最強か。まあ、一番の好物なんですが。
・ククリ・ラム ¥400×2
段々、調子出て来たのだが、周囲は女子ばかりで女子会まで始まった。女子会は
独り飯野郎の天敵である(汗)。いつの間にやら食べログが公式ページになって用途も
女子会向けになっているのだが、4Fに関しては本当にそうなってきたか。飲み食いする
スピードを上げる。
・ジブロ・ブタン ¥550?
前にも頼んだのだが、どうも感じが違う。かなり柔らかめだ。
・ベジ・パコラ ¥480
インド料理のヒヨコ豆粉揚げ。結構久々だ。何かに似ているが、どうも思考停止気味で
めんどくさいので思い出すのを止める。
もうちょっと週末の禁煙フロアは自粛するレベルになってきたかなぁ。曜日をずらして
みるか。それで駄目なら…。
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●9回目(2016/07)
週末は避けて別の曜日に。でも、結構、人がいる。
〇ラッシー ¥サービス
ちょっと待ち時間長かったせいか、ラッシーが出て来た。この辺、この店は如才ない
ところ。
〇チウラ ¥250
おや?と思ったけれど、以前は普通の皿だったから、葉皿入りになったのか。
〇アル・タマ(ジャガイモとタケノコのカレー) ¥650
急に興味が出て来たアル・タマ。やっぱりちょっと熱めか?容器にいっぱいいっぱい
なので、出て来た皿でチウラと混ぜる。ちょっと例の発酵タケノコの香りもしたのだが、
タケノコは一体どこだ?溶けてしまったのだろうか。それに結構、辛い。先日食べた
ものは発酵タケノコとのバランスが非常に良かったのだが…。
〇フィッシュ・カレー ¥650
チウラを分割して後半戦。しかし、このカレーが…ちょっと生臭いなんてもんじゃ
ないぞ。味もやっぱり辛いし、2月に食べたものとはまったく別物だ。
〇ジョル・モモ ¥600
スープ・モモとは別にあり、汁入りモモと書いてあったのだが、見た目スープ・モモで
ある。ゴマが使ってあって、やや酸味もある。モモは以前と変化ないようだ。
6月に、シェフが独立し、ほぼ同じメニューのアーガンがオープンしたのだが、あちらの
店はカレーが異様に美味しく、多分、カレー担当だったのだろう。逆に炒め物類は
ちょっと弱い印象があるのだけれど。どうも重要な戦力が分散してしまった感じだ。
#採点、少し下げました。
6位
1回
2016/07訪問 2016/08/16
MOMOからの独立店。2015年以降の新大久保ネパーリ新店ラッシュの先駆けとなった。
メニュー構成もMOMOに似ているが、アルコール類も豊富で、飲むのにかなり適した店。
厨房スタッフが多く、提供が早いのも売り。MOMOより広くて入りやすいが、混み具合は
波がある感じか。日本人も見かけるようになったが、それでもほとんどはネパール人。
時々、ちょっとカオス。
#他に蒲田店と福岡店がある。
●1回目(2015/05)
新大久保を代表するネパーリ・MOMOからの独立店。まだ開店して一月経っていないが、
3週間ぐらいレビュー書きで死にそうになっていたら気付くのが遅れてしまった。
場所は新大久保から西に歩いて5本目の路地…というより2つ目の信号の北側の細い路地
に入って左側にある。階段を上って3Fに入口があるが、正面にはQuality foods and
Spiceというハラルフード店。ソルマリの入口は右に進むとある。簡素な作りだが、
店内はゆったりめで真新しい。店内にはネパール人がちらほら。注文を取りに来た
恐らくマネージャーと思われる男性に、どこで店の事を知ったのかと訊かれたので、
ネットで見て…と答えておいた。
メニューをざっと見るが、大体MOMOと似たような感じか。モモ(チベット由来の
ダンプリング料理)5種類、サデコ(和え料理)4種類という充実ぶり。もちろん、
ナンはない。チウラ(焼き米)、チャオミン(チョウメン=炒麺)、トゥクパ
(ラーメン?)あり。ディード(≒そばがき)やグンドュルック(発酵野菜カレー)は
今のところ無いようだ。アルコールはビールがネパールアイス、エベレスト、
ムスタン、後はラクシ(ヒエ焼酎?)とソムラサ(ソバ焼酎?)がある。
とりあえず未食のものから頼んでみる。
〇ラッシー ¥サービス
めちゃくちゃ濃いラッシー。ちょっとくせを感じるが、まさか山羊乳ラッシー?
店内は軽快な音楽が流れている。相変わらず客だか関係者だか分からない人達が
入ってきて奥の方で何やら盛り上がっている。店構えや日本語で書かれた黄色い制服
からして日本人をメインターゲットにした店、という印象を受けたのだが、どうなん
だろう。しばらくはほとんどがネパール人だろうけれども。
〇スープ・モモ ¥600
あまりレギュラーでは見かけないスープモモ。MOMOにはなかったかな?味の方は
普通にモモ+スープ。日替わりの非常設メニューだったけど、プルジャダイニングの
超クオリティースープモモを食べた後だと、さすがに見劣りする。でも、スープは
辛くなくてうまい。
〇ブザ ¥250
メニューにも説明が無かった謎メニュー。小麦粉料理かも?と思ったが、やはり米粒を
ふくらませたスナック(?)だった。要はふくらんだ版チウラ、と言ったところ。手で
つかんでむしゃむしゃ食べる。味は付いているような付いていないような…?独特の
香気もある。後で訊いてみたが、やはりカレーをかけて食べたりもする、とのこと。
〇エッグ・バラ ¥400
これはMOMOにもあったメニュー。プレーンもある。さて、食べ始めると、ん~何だろう
これは。卵味と…後何かの旨味がする。とにかく旨い。これは大当たりだ。スープも
スプーンですくって全部飲む。後で訊いてみると、原料は豆のみ、とのこと。う~む、
豆だけでこんなに旨味があるのか。プレーン版も食べてみなくては。
まだ食べられそうだったが、料理が出るまで少し時間もかかったので、今回はこの辺に
しておいた。楽しみは次回に取っておこう。
□総評
MOMOと比べてどうなんだろうと思っていたが、環境はずっといい。料理はさわりだけ
だったのでとりあえずこの点で。MOMOほど辛くなさそうなのも個人的にはありがたい。
ネパール居酒屋を名乗るだけあって、アルコール類も充実していた。値段不明だが
セクワ(焼き)セットはなかなか良さそうだ。
オペレーションはややぎこちなかったが、開店1ヶ月なら当然だろう。ネパール好きな
皆さんは放っておいても行くだろうが(^_^;、そうでない人にもオススメ出来る店だと
思う(もっとも、新大久保なので他のエリアの店よりは怪しい)。
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●2回目(2015/05)
月替わりまで我慢できなかったので再訪。おや?ネパール人が半分以上入ってかなり
盛り上がっている。でもついたてのある奥の離れた席に案内されたのであまり様子は
分からず。若いネパール人カップルなんかもいて、TVからはネパールのPOPSが流れて
いた。次回はクワティを頼もうと思っていたのだが、飲みたい気分なのでセクワセット
に。
〇ムスタン ¥550
ネパールアイス、エベレストに次ぐ第三のビール?ムスタン。先の2つと違って
置いている店は限られている。3種の中では一番くせがある感じか。
〇パングラ(砂肝) ¥600
人数的にちょっと時間かかるかと思っていたが、意外と早く出て来た。砂肝は普通に
こりっとしている。プルジャダイニングのくたくたパングラよりこっちの方が好き
かな。パクチーもたっぷり入っていて美味い。しかし、かなりニンニク多い。残して
おいて結局食べてしまったが、アフターケアが万全じゃなかったかもしれない。
〇セクワセット ¥700
値段不明だったのだが、上にシールが貼られている。ウィング(手羽)、チキン、
ポーク、マトン、パングラ、5種のセクワ(焼き)。各¥150なので、¥50安くなって
いる。う~む、これもかなり美味いぞ。ポークは何故か右に外して置いてある。
順々に食べていくが、マトン…!これが美味すぎる。肉質はあまり良くなさそうなのに
何故だ。セクワの焼きたれ(?)が優秀な気がする。延辺料理とかモンゴル料理とか
羊串の美味しそうな店は一人じゃ行けないとこが多くて指をくわえて見ているほか
なかったが、もう行かなくていいや。
〇ラクシ・ロック ¥400
ロキシーの方が通りがいい、シコクビエ焼酎(この原料がトゥンバらしい)。
ソルティ・カージャガルより量多いのでCP高めだ。
〇スクチィ(マトン干し肉) ¥600
未食メニューを優先しようと思っていたのだが、やっぱり飲むならスクティでしょ、
と思い直す。しかし、これがかなり辛い。舌が慣れてきたのか終盤は平気になったが
帰りに唇がひりひりしていた。カチカチではなく、ちょっとウェットな感じのスクティ。
やっぱりかなり旨い。ラクシとの相性も最高だ。
エッグ・バラの時も思ったのだが、この店はソースとかたれの作りが秀逸なのだろう。
これは、早々にカレーも食べてみなくては。セクワの提供の速さと焼きたて感も
ネパール居酒屋の面目躍如といったところだ。
#採点、少し上げました。
#追記。グンドュルックは多分、6月第2週から提供可能。
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●3回目(2015/07)
気が付くと一月以上行っていない。今回こそクワティを…と言いたいところだが、
故あってまた、飲み。普段、再訪時には未食メニューのレビューを優先しているが、
それも破って好き放題頼むことに。
〇ソムラサ・ロック ¥400
そば焼酎。ペースのせいか、何だか薄く感じた。ラクシの方がいいかなぁ。
お通しは浅漬けな感じのムラコ・アチャール。ちょっと辛い。
〇チキン・チリ ¥600
名前に面白みがないが、実は結構期待出来るメニュー。しかし何だかスクティっぽくて
ちょっと硬い。めちゃめちゃ味濃いぞ。
〇マトン・セクワ ¥150×10
掟破りの羊串10本食い(2回も聞き直された)。しかし、一人羊祭りじゃ!と意気込んだ
ものの、さすがに多すぎたか(^_^;最近、結構食べたから、身体の10%ぐらいは羊で
出来てるんじゃないかな~(などと意味不明の供述をしており)。
〇ラム・トニック ¥450
意外とあっさりしたさわやか系カクテル。
いつも接客してくれるマネージャー氏の子供がやって来たのだが、かかりきりになって
しまい、捕まらなくて困った(^_^;今回、日本人も半分くらい。ちょっと煙草の煙が
きつかった。
〇チャナ・ブテコ ¥500
煮染めた色のチャナ(ヒヨコ)豆。しょう油ではないが、やっぱり煮染めた感じの味。
まったく辛くはなかった。
〇ラム・バック ¥450
ラム・バックって何だろうと思ったが、よくよく考えなくてもジン・バックと同じか。
レモンジュースとジンジャーエールなので、これも軽め。
あれ?そう言えば新規メニュー見かけなかったけど、どうなったんだろう。
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●4回目(2015/08)
いきなりネパール人達で6~7割の入りだ。しかし喫煙率高いな。奥に座敷が見えるが
こんなのあったかな。
○ドックチョエラ ¥700
これだけ入っていても、料理が出てくるのはさすがの速さだ。
ドックというと何となく不穏な響きだが、なんのことはない、DUCKだ。味は普通に
アヒル味。記憶をたどっても最後にいつアヒルを食べたのか思い出せないのだが、
一応、食べ覚えのある味だ。鴨とは結構違う。
5分も経たない内に満杯になる。どこからわいたのか小さな女の子までいる。皆、
見知った仲なのか挨拶している。音楽の音量も上がり、カオスな雰囲気になってきた。
日本人は一人もいない。ここはカトマンドゥか。なんか、MOMOと変わらなくなってきた
なぁ。女の子は宿題(?)をしている。
〇チウラ ¥250
干し米という説明より焼き米と呼んだ方がしっくりくると思っていたチウラだが、
説明読むと蒸した後に乾かしてから潰しているらしい。焼き色が付くのはその後で
煎るからかな?
カレーと合わせるのはライス・プザ・ロティと選択肢豊富だが、チウラにして正解
だった。水分多かったおかげかすぐ染みた。それにしてもかなり量多い。MOMOや
プルジャ・ダイニングもここまで多くないぞ。
〇クワティ ¥600
豆を複数種使った、ダルの豪華版みたいなクワティ。大きめのどんぶりで出て来た。
単品よりかけた所を見てもらった方がよく分かるが、豆がごろごろ入っている。
初の実食。意外な事にやや甘みがある。まろやかな味わいだ。思わずぱくぱくと
1/3ぐらい食べてしまった。しかしずっと食べているとやや地味な感じもする。
出て行くグループもいて、また少し空いてきた。日本人に人気の店は19時ぐらいまでは
空いている事も多いのだが、こういう店は17時、18時からいっぱいになる。この分だと
入れない事もあるかも…。また、MOMOの方にも行ってみようかなぁ。
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●5回目(2016/02)
何と半年ぶりになってしまった。行かなきゃならない新店が多すぎて…。混む一方だった
し、いっぱいならナングロに行こうと思いつつやって来たが、おや、意外と空いている。
ネパール人達も他の店に行っているのだろうか。未だに頼んでなかった基本メニューを
注文。
〇チウラ ¥250
やはり、ここのチウラは多い。大きめのマトン・カレーに入れたのに汁が足りない。
混ぜ混ぜしたら、その内、完全に汁分がなくなってしまった。
〇マトン・カレー ¥600
パクチーが香る。ナングロ以上ラトバレ未満か、と考えつつ食べるが、何だか辛く
なってきた。後から来るからコショウの辛さか?しかしこれ、かなり辛い。インドほど
辛くはないのが特徴のネパールカレーだが、ここまで辛いのはタール以来かも。
〇ブトゥワ ¥600
羊の内臓炒め。カレーの後で印象薄くなってしまったが、普通においしい。
最近、マトンカレーを重視しているだけに、辛かったのはちょっとショック。たいてい、
マトンが一番辛い傾向があるので、他は大丈夫なのかもしれないが…。ここは重点
ローテ予定だったが、優先度下がってしまったかな。
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●6回目(2016/07)
最近気になるアルタマを食べようとやって来たのだが、メニューが新しくなっている。
日本人向けに随分と分かりやすくなった感じだ。周りはネパール人ばっかりですが。
水はテーブルポット配布型のセルフか。
〇ダル ¥600
〇チウラ ¥250
相変わらずどんぶりサイズで量が多い。多めのチウラを半分入れるが、十分に余裕が
ある。ダルは灰色。黒い細いものは何だか不明。
〇アルタマ(タケノコとジャガイモのカレー) ¥600
すっぱ辛い。酸味強めだ。白い豆(大豆?)が目立つのだが、ジャガイモはどこいった。
パクチーが結構効いているが、タケノコもそれ程存在感はない。やっぱりアルタマを
美味しく作るのは難しいか?これで3店目だが、アーガンの出来が突出している。
〇ジゲマチャ ¥600
聞いたことない料理があったので頼んでみる。もっとも、エビの写真もPRAWN(綴り
間違ってたけど)という説明もある。やはり、タンドリープローンと大差ない。
エビの皮はパリパリだ。塩と何かのスパイスを混ぜた薄茶色の粉がかかっている。
何かまた印象変わったな~。今までそうは思わなかったのだけど、ここはCPもやや高い
のが特徴だ。
#採点、少し下げました。
7位
1回
2015/10訪問 2015/10/13
5回行ったので、ちょっとまとめ。
惜しまれつつ閉店した北池袋の味家が場所を変えて復活。この店、とにかく濃さが
半端じゃない。ネパール料理店と言うとインド料理のついでにネパールのつまみが
置いてある所が大半、ネパール主体の店が一握り。その一握りの店でも営業上の理由で
インド料理であるナンを置いているのが常だが、それすら廃しているという潔さ。
カレーもナンに合わせたインドタイプではない。
私自身はネパールに行ったことはないが、そうそうたるレビュアーさん達が太鼓判を
押す、ネパール現地仕様の味。ただ、凄いごちそうが出てくるわけではなく、あくまで
庶民の味。ネパールや本格インド料理を食べた経験が一度もないと、?となってしまう
かもしれない(自信ない人にはホワイトヒマラヤ(現在、乱調中)やサンサールがオススメ)。
■長所
・他所ではなかなか見かけないものが飲み食い出来る
食べる方ではディード、チウラ、飲む方ではジャイカッテ、トゥンバなど。
・おふくろの味
#味については主観になってしまうので省略。
■短所
・店内がやや殺風景
清潔だけど、簡素な食堂タイプ。あと、混んでくるとちょっと狭いかも。
・メニューは完璧という訳ではない
味家時代より、ちょっと減っているというのが残念。また、他の店にあるのにここには
ないものも、やはり存在する。特にセクワ(焼き串)が無いのは結構痛い。
・サービスに少々怪しい点がある
オーダーや予約はしっかり確認しよう。
■おすすめ
・マトンカレー
辛さよりも旨味を前面に出している。ネパールカレーとはどんなものか、実感出来る
一品。
・グンドゥルック・コ・ジョル(干し発酵野菜のカレー)
野菜の旨味が溶け込んだ酸味カレー。
・チウラ(焼き米)
カレーと組む事で初めて真価を発揮する。かけて少し時間を置いてからどうぞ。
・ディードセット
そばがきとは似て非なるディード。いい意味で意外な味。
・スクティ(マトン干し肉)
軽く揚げてあるスクティ。旨すぎる。
まとめ終わり。
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●1回目(2014/10)
未筆レビューを12件も抱え、しばらくは既レビュー店にばかり行こうと思っていたの
だが、マイレビュアー氏のレビューを読んだらいてもたってもいられなくなった。
時折、そういう「魔力」を持ったレビューがあるものだ(結局、行く前にレビューは
全部書き終える。やれば出来るじゃないか^^;)。
巣鴨から線路沿いにひたすら西進。あれ、もう橋だぞ…?と思ったら、小さな立て看板
だけだった。大きく目立つ看板とかはないので注意(橋が一番の目安だと思う)。
店内は新しいが、簡素な作り。食堂という感じがする。ややもすると殺風景だが、
そんな中で某氏の可憐な花がとても安らぐ存在だ。
さて、何を頼もうか。まずチウラ…これは欠かせない。セットもあるが、ここは単品で
グンドュルックと組み合わせてみよう。店の実力を測るために炒め物も頼んでおきたい。
○チウラ ¥290
干し米と聞いていたので、伊勢物語に出てくる干し飯(ほしいい)とか非常食の
アルファ米みたいなものかと想像していたのだが、なんとかろっかろに乾いている
ではないか。潰されて平べったくなっているが、半乾燥後にやっているのだろうか。
カレーが来ないのでポリポリと食べ始めるが、このちょっと香ばしい感じは…
せんべいだ。知っているような知らないような、不思議な感覚。
ひときわ黄色いムラコ・アチャール(漬物)は粒々多めだが、なんだろう。
いくら食べても飽きの来ない味だ。
○ブトゥワ ¥680
なんとかブトゥワというと炒め物なのだが、シンプルにブトゥワという料理名。
パングラ(砂肝)と迷ったが、羊の内臓を使っているのでこちらにしてみた。
聞くと豚も選べると言うのだが、ここはもちろん、羊を選択だ。
ややくせがあるが、それほど気にならない。火加減が絶妙なのか、ちょうどいい
噛み応えだ。
メニューを見ていて気付いたのだが、日本語名ではなく、英語でオプションのある
メニューがある。チキン/エッグチャウミン(炒麺)と、スクティ・サデコだ。
スクティ・サデコ…何が違うんだろう?
○グンヅルッ・コ・ジョル ¥680
やや遅れて出て来た。干し発酵野菜の酸味のあるカレーなのだが、グンドュルックと
いう呼び名の方が通りがいい気がする。「コ」は&の意味だと思うが、ジョルって
なんだろう。ぷかぷか浮いているのは大豆。野菜は一端、乾燥しているせいか、味は
ほとんどしない。どちらかと言うと出汁をとるための具材だろうか。しばらくそのまま
食べていたが、ここはやはりチウラにかけてみるべきか。すると、急に野菜の旨味が
増したように感じた。これか!チウラがふやけるぐらいが一番おいしい。というか、
これ以外の組み合わせが考えられないぐらいだ。なんでセットになってないんだろう。
○モモ ¥550
意外とブトゥワ少なめだったので、まだ食べられそうだ。というわけでモモも注文。
フォークを刺すと中の黄色い汁が飛び出してしまうので、まるごと食べる。このモモは
割と普通だった。
□総評
謎メニュー・チウラ。保存食系だろうから過度な期待は禁物…と思っていたのだが、
汁物とのタッグは強力だった。早いとこ一通りレビューしたら、ひたすらチウラ大盛り
(そんなメニューはない)とグンヅルッだけ食べていたい気分だ^^;まさしく、毎日
食べても飽きの来ない、ネパールの食堂の味だった。プルジャさんは常にニコニコ
しながら接客していた。
開店当初は出来ないメニューもあったようだが、帰りに確認したら、もうすべての
メニューが食べられるとのことだった。
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●2回目(2014/11)
〇チキンチャウミン ¥700
このチャウミン(炒麺。チョウメンの表記が多い)という料理はネパール料理の
中でも軽視されているのか、日本風のソース焼きそばそのものが出てくる事があって、
もうすっかり心が折れてしまっていたので余程の店でないと頼まないと決めていた。
うん、やはりちゃんとしたネパール料理だ。麺は細くて不安定。結構辛いな…。
パクチーの茎の部分が目立つ。そしてやはりちょっと粘りつく感があるが何だろう。
食べ終わるとクミン・シードが入っていたのに気付く。そう言えば、ブトゥワ
やグンヅルッにも入っていた。私には要・水のちょっと辛めの味付けだったが、辛い物
好きの人には全然物足りないレベルだと思う。
調理の音がしなくなっていて嫌な予感がしたので確認したら、やはりオーダーが
通っていなかった。この時点で一人だったのですぐ気付いたが…。
#サービスの採点は下げました。
〇ロティx1 ¥120
注文し直したのでついでに頼む。ムラコ・アチャール付き。このロティってパパドと
何が違うのだろうと思っていたが、何とびっくり!柔らかい。ずっと折れ曲がって
いるのが謎だったが、疑問が解けた。味も甘みがある。おっと、ついつい半分も
食べてしまった。原料は全粒粉。発酵させているのかと思ったら、無発酵だった。
〇パングラ(砂肝の炒め物) ¥550
好物の砂肝だが…あれっ、しなしなだ。これはいったいどうした事だ。そういう
調理なのかとも思ったが何だか納得いかない。ブトゥワもこんな感じだったけど、
もしかして他の炒め物もかな。これもクミン・シード入りだった。
#キャラウェイと勘違いしていたので修正しました
入口で戸惑っている人がいたが、出入り口は真ん中の引き戸(ちょっと
わかりにくい)。
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●3回目(2014/12)
最近は混んでいるという話も聞くのだが、いつも通り、私が一番乗りだった。
中央の引き戸に赤い矢印が追加されている。
さて、今日はディードだ。ホワイトヒマラヤでのオフ会で幸運にも食べる事が出来た
(メニューにはない)ので、2回目である。一般にそばがきという説明がされているが、
その時はまるで里芋のようだという評が多かった。
時間かかります、と言われたが、そんなに待たずに出て来た。
〇ディードセット ¥1500
・タルカリ(中央上)
ダルバートにもついてくるタルカリ(野菜カレー)。あ、これは噂の里芋じゃないか。
なるほど、これはおいしい。ねっとりだ。半分はジャガイモだった。
・アチャール
お馴染みのムラコアチャール。
・ディード
見た目はかなり蕎麦っぽい。中央にバターが溜まっている。結構、弾力があるな。
あれっ、美味しい。意外な美味しさだ。バターが香ばしいが、それだけではないな。
改めてディードの説明を読むと、そば粉の他にキビ、小麦、大麦、とうもろこし、
大豆が原料として挙げてある。とうもろこしがポイントだろうか。
・青菜(右上)
炒め物。サブジではないな。ディードの内容一覧にマスというのがあるが、これなの
だろうか。
・チャトニ?(左上)
ちょっとすっぱ辛い。ディードを漬けながら食べてみる。ディードは手食が標準らしい
ので、ちょっと手でも食べてみた。
・マトンカレー(別皿)
最初、何なのか分からなかったのだが、食べてみるとマトンカレーだった。しかし、
これが一般的なインドのマトンカレーとは全然違っていてびっくりする。マトンは
ちょっと脂身多めだが、髄の味が濃厚に出ている。スープはちょっと透明だ。
辛いとか、油っぽいとかカレーを敬遠し続けてたのは何だったのか。
ディードをチャトニやマトンカレーに漬けながら食べる。チャトニは結構深くて
量がある。しかし、この店で一番高いメニューなので、さすがにディードも量多い。
蕎麦はGI値低いから、腹持ちも良さそうだな~。
結局、マスは青菜なのだろうか。食べ終わった後に訊いてみるが、どうも違うっぽい。
すると、厨房からプルジャさんが「肉の事!」と教えてくれた。なるほど。この場合、
マトンがその役目か。マスチウラセットの意味も分かったぞ。
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●4回目(2015/02)
事前にメニューをチェックしていたら、何と英語メニューのところにジャイカッテが
あるではないか。しかもククリラムと焼酎の両方?バターで炒めた米を入れたお酒だと
思っていたのだが、どうやら飲み方を指す言葉で、酒の種類は選ばないようだ。
写真を見ていたらチャン(どぶろく)もあるようだが、今回はメニューにない謎の酒・
トゥンバに挑戦。
〇トゥンバ(+お通し) ¥800
な、なんだコレ…。レビューは読んでいたはずだが、食べログの写真って固まって
いるので、いまいち探すのが面倒くさかったりする。予想外に大きい(汗)。ふたを
開けてみると白く濁っているが、底の方はよくわからない。味は酸っぱいのだが、
意外と梅っぽい味がする。クエン酸かな。飲み進めていくとヒエみたいな穀物が
見えてきた。ストローの先はこれを吸い込まないように潰してある。
#後で調べていたら、中はかき回しちゃいけないそうで…。
#思いっきり、ストローで突きまくってました^^;
〇ネパール・サラダ ¥490
ネパール料理店でサラダ類を頼むのは初めてかも知れない。キュウリ・ニンジン・
タマネギ・ゴマで大体、想像がつく通りの味。タマネギがさらしてないので結構辛い…
と思っていたが、後からどんどん辛くなってきたので、他にスパイスも使っている
ようだ。
〇スクティ・サデコ ¥850
スクティとスクティ・サデコって何が違うんですか?と訊いてみたが、キュウリを
加えて…と言っていた。具材追加しているということかな。スクティ(マトン干し肉)
を一口食べてみると…!う、うまい~。こんなうまいスクティは初めてだ(ってまだ
2回目ですが^^;)。軽く揚げてあって、表面がかりかりしている上、旨味も増している
気がする。冷めてきても美味しいが、やはり熱いうちの方が少し上だ。
〇トゥンバ(2杯目)
お湯を入れてトゥンバお代わり。3回まで注げるそうだが、4回頼む人もいるとか。
あちち。アルミは鉄より冷えやすいはずだが、なかなか冷めないな。だんだんきつく
なってきて、ほぼ飲み終えたところでギブアップ。なんか回ってきた~。
〇チキン・サデコ ¥650
サデコシリーズ。大豆やピーナツを使ったバトマス・サデコが一番メジャーだと
思うが、いまいち共通点が分からない。和え物系ってことかな。これはショウガが
効いていた。
帰りにちょっと訊いてみると、チャンはあるが、ラクシ(蒸留酒)はない、とのこと。
ジャイカッテは寒い時期に飲む飲み方のようだ。
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●5回目(2015/03)
今回はカレー+チウラ。プルジャさんにチウラ大盛りで!とボケをかまそうかと思った
が、先客がいるので止めておいた^^;
〇チキンカレー ¥650
やはり、チキンが良く煮込んであり、スープ多め。辛さはまったくなし。
〇ベジタブルカレー(インゲン、オクラ、ジャガイモ、タケノコ) ¥680
ネパールではタンパク質はダルで摂るようなので、カレーは野菜が標準(たぶん)。
具はその時々。オクラがいい感じ。しかし、これはちょっと辛かった。かけて食べない
と、もっと辛かったはずだ。
〇チウラ×2 ¥290×2
今回、気付いたことが2つ。まず、がっついて食べるとチウラがふやけない。我慢が
必要だ。それと、ベジカレーは具がどっさりで、その分、チウラにかけるカレーが
足りなくなってしまった。う~む、まだまだ修行が必要か。
今回は私の他に4組。いずれ、カウンターを使う日も来そうだ。それにしても両隣から
ディードという単語が聞こえてくるとは思わなかった。ネパールの女性も来ていたが、
中の仕立てゾーンで服を注文しているらしかった。
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●6回目(2015/04)
そろそろカウンターに座った方がいいかな、と思って扉を開けると、おや、誰もいない。
勧められるまま、テーブル席へ。やっと例のサトイモの頼み方に気付いたので(^_^;
ホワイトボード(入口左の壁にある)をチェックすると、サトイモ発見。よしよし、
取りあえずこれから頼もう。
〇ククリラム・スパイス・ジャイカッテ+お通し ¥700
ジャイカッテというのは以前、タカリバンチャで頼んだときに見た表記。メニュー
には、JHWAIN KHATTEと書いてある。ククリラムにノーマルとスパイシーがあり、割り方
(?)にノーマル・ラムコーク・ジャイカッテの3種類があるので、計6種類も飲み方が
ある。飲み始めると、上に浮かんでる米はバター炒めではなく焼いてあって、かなり
香ばしい。タカリ族の飲み方とは違うのかな?ククリラムはいろいろ入って何だか
良く分からない状態になっている。気を抜くと米は結構沈んでいくので、スプーンで
すくいながら。
お通しはキノコ、タケノコ、チャナ豆など。調子に乗って青唐辛子も食べたら、
さすがに辛すぎた。
〇フライド・マトン ¥800
骨付きマトン。脂身多め。やはり、マトンもくたくたになっている。
〇ネパール式ふかしサトイモの炒めwith小魚(WBメニュー) ¥650?
噂の人気メニュー。いい具材がない時しか作れないので、WBメニューになっている。
ねっとりとしたサトイモにアクセントの小魚。食感はカボチャサラダにかなり似ている。
ただ、味付けはシンプルなので、思っていたほどスペシャルなメニューではなかった
かな。
どんどん人が増えてきたので、最後のメニューを早めにオーダーする。まだまだ
初めて来た人も多いようだが、皆さん、美味しい美味しいと言いながら、楽しそうに
食べている。
〇チャン ¥750?
これもメニューにない酒。よく、どぶろくという説明がされているが、実は蒸留酒
ラクシの原料?見た目はとろっとしている。飲み始めると、意外とさわやかな味。
度数も低くて飲みやすい。スターター向きかも。
〇スープ・モモ(WBメニュー) ¥550?
ぐぇっ、多いな。チャンも予想外に多かったが、フルメニューのモモ+スープの
ボリュームメニューだ。この赤い色は某所の変わり種グンドュルックで見覚えがある。
さて、スープを一口すすると、うまっ。なんだこりゃ。スープをかきわけてみると、
骨付きマトン、チャナ豆、何だかいろいろ入っている。そしてノーマルモモとは違い、
コテモモ(焼きモモ)なんかと同じ餃子型。皮も水餃子系のもちもちタイプ。プルジャ
さん、煮込み系も得意なのか…。参りました。
ぐ、ぐるじい…。スープ・モモの多さは大誤算だった。それにしてもWBメニュー恐る
べし。メインメニューはほぼ制覇しつつあるけれど、まだまだ通わなければいけない
ようだ。
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●7回目(2015/07)
募金しに行こうと思ったらプルジャさんはもう帰国した後だったし、WBメニューが
無くなったと聞いていたので(後は新大久保ばかり行っていたので^^;)ちょっと間を
置いての訪問。おすすめはあるみたいなので新しく入った男性の店員に訊いてみたが
通じないので諦める。
〇チャン ¥750?×2
男性店員にチャン下さいと言ったら聞き返され、「チャング」と力強い発音で言い
直される。日本語通りの発音だと時々通じない事があるなぁ。ちょっと茶色がかった(?)
チャン。前回より何だか濃い気がする。飲みやすい酒だと思っていたけれど、結構
コクと匂いもあるかな。
・お通し
グリンピースだが、何だか凄く香ばしい。クミンかなぁ?どうもはっきりしない。
プルジャさんは厨房から出て来ないが、相変わらずいい仕事してるなぁ。
〇チョエラ ¥750
まだ未食だったネパール基本メニューの和え料理。ネパール店ならほぼすべての店に
置いてあるが、辛いイメージが強いので個人的にはあまり頼まない。んん?これは
凄い羊臭い。過去最高レベルだ。どんどん現地度が増しているのか?一般受けしなさ
そうなんだけど、大丈夫なのかなぁ。最近は特に昼が人気のようだが。特に辛くは
なかった。
ラクシはないし、ビールやラム気分でもないのでまたチャンを頼む。壁には緊急帰国時
の写真と感謝の言葉が書き綴られている。さすがにアジアではまだまだ強い円、多くの
支援物資が行き渡ったようだ。でもまた帰国するとなると大変なんじゃないかな~。
〇チキン・チリ ¥750
これも定番メニュー。面白みのない名前だが、安定していて外しにくい料理だ。
しかし、ニンニク多すぎかな。インド料理もそうなのだが、物によってはどっさり
ニンニクが入っているので注意が必要だ。電車に乗らないのなら別にいいんですけどね。
〇バトマス・サデコ ¥550
これもド定番の大豆和え料理。大豆自体の味が結構強い。しかし、チャンを飲む手が
ぴたりと止まってきた。う、しまった、大豆が膨らむのを計算に入れてなかった^^;
く、苦しい…。
今更だが、メニューを見ていて重要な事に気付いてしまった。そう、この店にはセクワ
(焼き串)がないのだ。個人的に一皿メニューを頼んでの居酒屋的利用を重視している
ため、これは結構痛い。ダルバートは白米を腹一杯食べる事になるケースが多いため
(残すなんてとんでもない)、あまり頼まなかったりする。ラクシ(ヒエ焼酎)や
ソムラサ(ソバ焼酎)完備の店も出来たし、WBメニューが封じられている現状では
優先度が下がってしまったかな。
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●8回目(2015/10)
最近頼んだマスチウラセットが少々不完全燃焼だったので、こちらに。
〇マスチウラセット(マトン) ¥800
あれ、なんか少ない…?まあ、値段相応だが、以前の写真だともう少しチウラが
多かった気がする。大豆と何かのアチャール付き。大豆もカレーをかけるとふやける。
このカレーが骨ばかりだった。う~む、やっぱり最近量少なめという噂は本当なの
だろうか。マトンカレー自体もMOMO2号店の方が満足度が高かったかな。
〇ウコン・ティー ¥350
予想外に茶色い。以前の写真検索すると黄色いけど、何でだ。ウコンをそのまま
食べるとあまりおいしくないが、これは普通に飲める。何か混ぜているか一加工して
いるのか。
〇ムラコ・アチャル ¥500
ちょっと足りないと思い、アチャール追加。なんかアチャールも普通かな。以前は
もっと黄色かった気がするのだが。
相変わらずWBメニューは復活していないし、ちょっとしょんぼりな出来だった。
これだと、新大久保へ行っちゃうかな。
再訪のみ。順位はあまり意味なし。