6回
2018/10 訪問
一年半ぶりのマノワ。6月頃行こうと思ったのだがしかし、この時季がアナグマの
季節というわけでもないし…といろいろあって見送りに。今回のターゲットは私的
マノワ2TOPの1つである雷鳥。スコットランド産は9月中旬解禁のはずだし、まあ大丈夫
だろう。
いつも渋谷川沿いの小道を歩いて行くのだが、歩きタバコに2回も遭遇。…もうここを
通るのは止めておこう。ここの途中にある小さな建物がビストロアムである事に
気付いて行こうとしたのだが電話にさっぱり出ない上にオンラインでは2人以上からで
諦めた。1人に来て欲しくないってことかな。
まだ少し早いので手前の児童遊園で時間を潰す。久しぶりだけど勝手知ったる感じの
マノワ。いつものようにさっと扉が開いて…はっ、名前名乗るの忘れてた。今日は
カウンターか。流れるような説明を聞くが、初めてだと情報量多くて戸惑うかもね。
うっ、雷鳥がない…。やっちまったか。明日ぐらいから入荷、とのこと。昨年、LATURE
では9月から出ていたからすっかり油断していた。オンライン予約だったのだが、やはり
事前に確認はすべきだった。まあしかし今月雷鳥はもう1店予約してある(レビューは
しない予定)。もう1つのリピート候補のアナグマに。
○ポール・ブルケール リースリング グラン・クリュ・ケフェルコフ2013 グラス ¥1620
オススメで。濃い麦わら色のリースリング。やや甘い香り。量はやっぱり多い。もう
こんなに注いでくるのはこの店ぐらいかな(笑)。
〇ムニュ・ルミエール ¥4104+¥864
サーヴィス料10%。
・天然スッポンのフリット
時季的に最後、というスッポン。フレンチでは中々見かけないが、ジャルダン・デ・
サヴール以外にもやっている店があったか。一度ばらして戻して?という説明だったが、
すり身になっていてゼラチン部分も少し、といった感じ。オカヒジキで巻いてある。
周囲の半透明のものはてっきりブドウだと思ったのだが甘くない。冬瓜か。後はリンゴ。
丸まっているのもソース(?)で、ショウガ、リンゴ、バルサミコなど。この形式だと
それほどスッポンの味は分からない。某店で大きめの焼物を食べたのでスッポン熱は
大分治まった。
・パン
ちょい焦げてるか?と思ったが、やっぱりバターと合わせると美味しい。
・山口産マトウダイ ブール・ノワゼット
最初レンコンソースという説明だったのだが、ケッパーも使ってある。レンコンは
ベニエとポシェ。
ぼちぼちと後客もやって来たが、ここまで30分で凄いペースだ。
○ドメーヌ・ルー・ペール・エ・フィス ジュヴレ・シャンベルタン2014 ¥1944
セルブーズがいいのが開いてるんですよ~、と言って6本ぐらい持ってきてくれたが、
説明聞くまでもない。バニラも入った豊潤な香りだけしばらく堪能。す、素晴らしい…。
しかし味の方はやや酸暴れている感じ。少し落ち着いた頃には香りも急降下。それ程
ピークは長くはなかった。抜栓直後だとここまで良くなかったかも。普通の店だと
¥2300、マノワだと¥1700ぐらい?と思ったが、さすがにそこまで安くはなかった。
量はとんでもなく多いですが(笑)。
・アナグマのロースト
前足ミンチを巻いて…という事で初めて食べた時と同じ調理法のようだ。手前に
ジュニパー・ベリー、上は中は白いカブ。私的に四つ足最強ジビエと思うアナグマ、
旨味は強いがしかしややぱさついた感じで以前食べた物には及ばない。あれは時季外れ
だったが、脂もたっぷりで本当に凄い個体だったんだな…。やはりジビエは一筋縄では
いかない。
・デセール(オレンジチーズケーキ)
久々だし、時季的にもマノワの球体モンブランを頼もうとしていたのだが、何故か
口からこちらが出てしまった。アールグレイのムース、ソルベはレモンで柑橘尽くし
だと思う。後、メモが読めない。
・コーヒー(デカフェーノート?)
あれ、ちゃんと読んでなかったけどこれ、カフェインレス?
どうも今年の雷鳥は少し遅かったようだ。マノワでは10月恒例の北海道ハンティングに
行っていたが(相変わらずブログが読み応えある)、熟成も考えると10月後半から
行くべきだった。飼育ではないので、猟期以外の要素も考えないといけないようだ。
#採点、少し下げました。
ドメーヌ・ルー・ペール・エ・フィス ジュヴレ・シャンベルタン2014 ¥1944
アナグマのローストUP
アナグマのロースト 手前がジュニパー・ベリー
山口産マトウダイ ブール・ノワゼット
天然スッポンのフリット
デセール(オレンジチーズケーキ)
ポール・ブルケール リースリング グラン・クリュ・ケフェルコフ2013 グラス ¥1620
パン
コーヒー(デカフェーノート?)
2018/10/12 更新
2017/06 訪問
今回は反対側のテーブル席へ。そろそろ、うり坊のシーズンだと思ったのだが、少し
早かったようだ。もっとも、うり坊は別の店で少し大きめのを食べて、くせのない
感じだったので、やや興味は薄れた。ブログでヒグマが獲れたのを知っていたので、
ヒグマに。
〇モンタニー セレクション・マノワ グラス ¥1296
なんと自社ブランド自社輸入品。初登場かな。いろいろ申請とかで2年かかったそうだ。
上から撮っているので分かりにくいが、ちょっとどころではない多さだ。モンタニーは
コート・シャロネーズの一番南。果実味があり辛口、という説明だったが、ややきりっと
した酸もある。クロスが映ると青みがかって見える。割と石灰岩土壌か?何にでも
合わせやすそうな白だ。たっぷりあると思ってちびちび飲んでいたら、結構速いペース
で減ってしまった。
〇ムニュ・ルミエール ¥3780+¥1944
・夕張産ホワイトアスパラと山梨産山菜のソテー 雉のソース
シーズン最後のホワイトアスパラにタラの芽、コシアブラ、行者ニンニク、セリ、
ウルイ、コゴミ、とてんこ盛り。行者ニンニクの粉末にホワイトアスパラと雉のソース、
更にアカシアの花も使ってある。食用になるのはニセアカシアの方だったと思うけど。
雉由来なのか、およそ山菜の皿らしからぬ香りがする。山菜の香りも強いから、ちょうど
いいか?ホワイトアスパラは国産なのでどうかと思ったが、バターも絡んでちゃんと
おいしい。マイレビュアーさんのコメントで気付いたが、ホワイトアスパラは太さも
重要か。火入れがちょっと違うと感じた部分もあったけれど。やはりこのソースが
良くて、満足のいく皿。
・桜鯛
ブラックオリーヴ粉末と、これにもニセアカシアの花。ソースは…確か白ワインソース?
早くもメモが解読不能な上に記憶も怪しくなってきました(汗)。
〇ポムロール ヒューグ・ド・ネナン2012 グラス(ハーフ) ¥648
〇ニュイ・サン・ジョルジュ ヴィエイユ・ヴィーニュ セレクション・マノワ グラス(ハーフ) ¥648
迷っていたら中村さんが半分ずつにしましょう、と言って2つ注いでくれたのだが、
どう見ても半分の量じゃない(汗)。ネナンの方はむんむんと力強い香り、ティアーも
綺麗だ。黒と青紫色でスパイシーなのだが、飲んでみるとそれほど強くはない。
メルロー主体だからか。ニュイ・サン・ジョルジュの方は腐葉土とはちょっと違う香り
(枯葉?)。やや甘さも(ネナンの方だったかも…)。
・美幌産ヒグマ 赤ワインソース +¥1944
鮮やかな有機ニンジンのピュレと、下にジュニパーベリー。切ってあるのは何の赤ワイン
煮込みだったかな~(^^; 重厚なライヨールのナイフが出て来たが、それでも肉はやや
切りにくい(硬くはない)。初体験のはずのヒグマだが、何かに似てるな…。考えが
まとまらないが、少し熟成感もある。ツキノワグマともまた別物。脂は多くなくてくせ
もあまりないのだが、ニンジンベニエの葉の香りと根の甘さがピタリと合う。強すぎる
のではないかと思ったジュニパーベリーも良く合う。
・デセール(ライチコンポートとヨーグルトのパルフェ)
残りが思い出せないが、バラだったかな。フランボワーズも使っていたはず。
・コーヒー
一番強いもの(フォルテではなかった)。すべてエスプレッソタイプとコーヒータイプ
が選べるようになったようだ。
帰りはシェフもお見送りに。
2杯しか飲んでないけど、実質3杯以上あったかな(^_^; 春にシェフが交替したので
(スー・シェフが昇格)どうかと思っていたが、特に遜色ないように思われる。ここ
最近、やや小粒になってきている気はするのだけれど。今回はデセールは普通だった
けれど、今までのヒット率が高すぎたせいもあるか。
美幌産ヒグマ 赤ワインソース +¥1944
美幌産ヒグマ 赤ワインソースUP
夕張産ホワイトアスパラと山梨産山菜のソテー 雉のソース
桜鯛 白ワインソース?
デセール(ライチコンポートとヨーグルトのパルフェ)
ポムロール ヒューグ・ド・ネナン2012 グラス(ハーフ) ¥648
ニュイ・サン・ジョルジュ ヴィエイユ・ヴィーニュ セレクション・マノワ
ニュイ・サン・ジョルジュ ヴィエイユ・ヴィーニュ セレクション・マノワ グラス(ハーフ) ¥648
モンタニー セレクション・マノワ
モンタニー セレクション・マノワ
モンタニー セレクション・マノワ グラス ¥1296
2017/06/04 更新
2017/02 訪問
寒くて凍えそうな中、小雨もぱらついてきた。仕方なく、少し先の空き店舗の軒先で
雨宿り。この店は到着と同時にさっとドアが開くので初めての人はびっくりするだろう
が、実は長めのスロープを下りてくる客は店内からも良く見えるのだ。今回はテーブル席
get。でも、満席だったようだ。一応、ベキャス希望とは伝えておいたのだが、一通りの
説明。+料金も教えてくれて分かりやすい。鹿はもちろんのことだが、アナグマと
カモもほぼ固定メニューになったようだ。冬場はクマも。
〇マコン・ヴィラージュ テヴネ・エ・フィス ドメーヌ・ド・ラ・ボングラン2011 グラス ¥1296
完熟ブドウでやや貴腐香が付いたというシャルドネ。マコン・ヴィラージュと言っても
広いのだが、霧が出る地域で高額な貴腐ワインも作っていて、その周囲の畑で作られた、
というもの。そんな情報まで教えてくれるのはさすが。黒みがかった黄色で液量多め。
貴腐香はこの甘い香りか。最初に産が来るが、甘みと苦みも。こういうワインは徐々に
甘くなるのが常だが、飲む度に甘さが波状に変化した。
〇ムニュ・ルミエール ¥3780+¥2700
・アンキモ
今季最後というアンキモ。塩サブレにセロリ?とシュークルートっぽいもの。ユズで
味付けして、フェンネルも。端の粉もユズだ。荒い感じの塩サブレのゴリゴリとした
歯触りが食感を支配している。中央にカラスミがあった気がしたのだが、説明聞き
落としていたかも。
・パン
テーブル席だと、シャンデリアと緑色の落ち着いた天井も良く見える。更に倍ぐらい
あるといいな、とも思うのだが、なるほどこの店が愛されている理由も分かる。
・和歌山産ヒラメ
じっくりロースト。左は根セロリと黒い粉はオリーヴ。上はヒジキ。オカヒジキはある
けど、フレンチでヒジキ食べたのって初めてかな。だらだらと食べていたが、最後の方
でヒラメの淡い旨味を感じる。慣れてきてつかめたのか、部位による差だったのか。
〇シャトー・ムーティノ2008 グラス ¥1620
サン・テステフ。説明だけセルヴーズがしてくれたのだが、しっかりと淀みない。
また液量多めだな、と思っていたらそこから更に追加。ここまで注がれたのはちょっと
記憶にない(^_^; 優に2杯分ぐらいある。微妙にスミレ?だが衰えることなく最初から
最後まで安定。量抜きにしても、もう少し高くてもいいくらいだ。
・ベキャス 骨のソース +¥2700
猟果と勘違いしていたが、さすがにそんなわけはなく、スコットランド産。モモは
コンフィ。頭と、頭が乗っている部分はどこかの部位のミンチ。付け合わせはつぼみ菜
にカリカリキノコ、長いのはゴボウ。下には麦?のリゾット。フィンガーボウルも登場
して準備万端だ。初めてジビエを食べたときは良く分からなくて、必死にナイフで肉を
削っていたら手が痛くなってしまったが…(わずか2年前の出来事(^_^;)脳みそも
結構ちゅるちゅるすすってしまった。しかし、あんまり骨までガリガリ囓ると後味は
あまり良くない。やっぱりモモが一番美味い。ベキャス小さいので、少ししか食べられ
ないが…。
・デセール(イチゴ尽くし)
生の他にフィルムとソルベ、後はフロマージュ・ブラン?に黒豆?このソルベが香りと
いい味といい、完璧な出来。やっぱり、ここのデセールは高いレベルで安定している。
・コーヒー(フォルテ)
他の物も試したいが、今回はかなり飲んだので。深みのある香り。
次のターゲットの時季を訊いてお暇する。鴨がいつ頃から太るのか訊くのを忘れて
しまったが…。
ベキャス 骨のソース +¥2700
和歌山産ヒラメ
デセール(イチゴ尽くし)
アンキモ
シャトー・ムーティノ2008 グラス ¥1620
マコン・ヴィラージュ テヴネ・エ・フィス ドメーヌ・ド・ラ・ボングラン2011 グラス ¥1296
2017/06/01 更新
2016/11 訪問
今回、大分前にテーブル席で予約したのだが、結局またカウンターに。まあ、休日だし
空気を読むべきだったか、と思いながら行くと、ドアがさっと開いて、中村さんが
カウンターまで誘導するかのような動き。まるで目に見えない道が出来ているかのよう
だった。パーフェクト。
おしぼりがミントの香りだ。さてと、本日のラインナップは…一部のジビエはメニュー
に記載されるようになったようだ。日本鹿、ヒグマ、キジ、真鴨、雷鳥、おや、うり坊
も(やや大きめ)?むむ、ヒグマがあるのか。また一頭買いだそうで、シベの他に
ローストも出来る、と。なかなか見かけないキジも気になる…。しかし、訊いてみた
ところ、これは家禽と変わらない味、とのこと。予定通り、雷鳥に。今更ながら未食だ。
割とあちこちで見かけるのだけれど、間違いのない店で食べておきたかった。
〇コート・ド・ニュイ・ヴィラージュ2013 ダヴィド・デュバン グラス ¥1620
液量たっぷり。赤紫色。フルーティーで、ブルーベリー?香。
〇ムニュ・ルミエール ¥3780+¥1944
前菜・肉・デセールがプリフィクスの二皿コース。同じ値段のもう一つのコース・
エキムはメイン一皿でドリンク一杯付き。
・パン
・静岡産熟成日本鹿のテリーヌ
なんとも野菜の盛りつけが美しい。マスタードとイチジクが3種?あれ、オレンジ色のは
野菜じゃなくて柿か。ちょっと光ってるので減圧調理か?とも思ったが、普通の野菜
だった。テリーヌはあまりくせがない。まあ、鹿だとこんなものか。やっぱり、ジビエ
のテリーヌなら猪、熊、コルヴェール辺りかなぁ。しかし、結構量もある。
・マツカワガレイ・燻製パン粉がけ ゴボウのソース
マツカワガレイってどこかの産地ブランドかな?と思ったが、こういう種名だった。
上にはスプラウトも。この燻製パン粉がなかなか面白い。タンパク質のスモークとは
また違った香り。カレイ本来の風味は分からなくなってしまったが(そう強くはない
だろう)、美味しくいただけた。
〇クローズ・エルミタージュ・エキノックス2015 グラス ドメーヌ・デ・リセ ¥1296
シラー100%。またまた液量たっぷり。とにかく真っ黒。2015は特に濃いそうで、傾けても
真っ黒のまま。カオールもびっくりだ。しかし、するりと入って飲みづらくはない。
いまいち香らない。あまりに濃すぎてちょっとバランスは悪くなってるかな。この年は
濃くなりすぎて、本来意図していた造りとは異なっているのだろう。
・スコットランド産雷鳥 +¥1944
左のモモはコンフィ、右の胸肉は表面に燻製竹炭、骨のソース。カリッカリのキノコが
付いていて、これがえらく美味しい。レンズ豆も少々。さてと…あれ、特に松くさくは
ないな。散々脅されていたのだが…。というか、これかなり美味しいぞ。また食べたい
くらいだ。あ、でも胸肉の方は後味がちょっと松っぽいか?…と思ったらこれは
取り替えたおしぼりの香りか。あまり、おしぼりの香りを強くするのも考えものだ。
・マノワの球体モンブラン
まん丸の割る系デセールかと思ったら、半球の土台の上に半球状に盛ってある。
雫型のメレンゲと栗、ほうじ茶のパルフェ、中央にやや大きい栗が入っていた。
下が丸いので均等に食べないと傾いてしまう。下の生地は硬くはなくて柔らかかった。
・コーヒー(フォルテ)
エスプレッソ×2、コーヒー×2、だったかな。
初ジビエから3シーズン目にしてようやく食べた雷鳥だけれど、他の鳥より好きかも。
今年はもう終わりだけど、来年は他の店でも食べてみよう。
これからどんな鳥が入るんですか?と訊いたところ、鴨、キジ、キンクロハジロに
ホシハジロ…。すかさず、最近疑問に思っていた、キンクロハジロって美味しいん
ですか?という質問をぶつけてみたところ、おいしくない、とバッサリ(爆笑)。
単にマニア向けかな。もっとも、食べている物次第だそうで、有明の海苔食べている
ような鳥は美味しい、とも。なるほど。
それにしてもこの店は使い勝手が良すぎる。後何回行けばいいんだろう、という感じだ。
スコットランド産雷鳥 +¥1944
マツカワガレイ・燻製パン粉がけ ゴボウのソース
静岡産熟成日本鹿のテリーヌ
静岡産熟成日本鹿のテリーヌUP
コート・ド・ニュイ・ヴィラージュ2013 ダヴィド・デュバン グラス ¥1620
クローズ・エルミタージュ・エキノックス2015 グラス ドメーヌ・デ・リセ ¥1296
マノワの球体モンブラン
マノワの球体モンブランUP
コーヒー(フォルテ)
2017/02/11 更新
2016/10 訪問
そろそろ行こうかと思ってブログを見ていたら、驚いた事に中村さんが北海道に狩りに
行っていた。そう、本州の猟期はだいたい11月15日からだが、北海道は1ヶ月早いのだ。
しかし、本当にそのために北海道まで行くとは…。
今回もカウンター。しかし、テーブルに座っている一人客の男性もいた。あれ?前回
来たことは忘れられてる?まあ、常にそういう対応なのかもしれない。さて、今回の
ラインナップは…アナグマ、シカ、コルヴェール、ツキノワグマ、雷鳥か。雷鳥のみ
輸入品。北海道の猟果は入っていないが、まだ寝かせ中なのだろう。予定通り、今回は
クマにチャレンジ。しかし、前日飲み過ぎてとてもじゃないが飲める状況ではない…。
前週もそうだったが、今月はいつもと違って飲む予定詰めまくったものの、24時間は
空けないとキツイ事が分かってきた。とかいいつつ、来週も同じ状況になってしまって
いるのだが…。
〇レザグリュム ¥864
そんな訳でソフトドリンクからスタート。グレープフルーツとザクロと、後は何だった
かな?人を写したくないのでやや上から撮っているが、上はグレープフルーツ、底に
赤い部分が分離していてきれいだ。これは飲んでいる最中も混ざらない。
〇ムニュ・ヴェルデュール ¥6480+¥1944
・アミューズブーシュ
(サンマコンフィのフリット、ルビークイーンとブランダード、焼きナスのブラン・マンジェ)
黒い粒々はちょくちょく見かけるブラックオリーヴだが、これがすごい香り高い。
程よい塩気だ。上のナスタチウムを単品でかじってみたところ、意外とピリ辛だ。
本来はオランダガラシの事らしいけど、味が似ているのでキンレンカをこう呼ぶらしい。
ブランダードは何かの魚の身を丸めたもの。上のルビークイーンは要はポテトチップ
なのだが、カリッと香ばしくて格調の高さすら感じる。この店はフリットのレベル高い?
最新の調理機器のおかげかもしれないけど。
・パン
・赤エビのうずまきビーツ巻き
上に大きなアマランサスの葉とキャビア。アマランサスって育つと赤くないのかな。
縦置きを切るのは無理だったので、ふただけ食べて、後は横に倒して切る。
・黒いフォアグラたい焼き
今回のピュレはシャドウクイーン。このピュレは普通だった。どうも、フォアグラの
脂が重く感じる。ソフトドリンクと合わせる料理じゃないし、それ程体調が悪いのか。
しかし、このコースだとフォアグラたい焼きは固定なのか。下のコースでも良かった
かな。アントレ・デセールはパワーダウンしてしまうが。
・イトヨリ レンコンソース?
説明全然覚えられず。レンコンと何かのソースだった。火入れはカリっと。下には刻んだ
葉菜と貝、後、米粒大の黒くて堅くてやや苦い物。米ではなかったはずだ。レンコンは
酸っぱかったし、割と和風の構成か。
〇シャトー・クラーズ2003 グラス ¥1620
6本ぐらいの中から一番古いビンテージにしてみたが、液量かなり多めだ。右岸・
フロンサックのメルロー。赤紫色+黒で、タンニンを結構感じる。あまり香らないが、
飲み込むともれなくブドウの香りの後味がする。この辺がメルローの熟成感か?
・ツキノワグマのシベ +¥1944
木曽産のオス。左にジュニパーベリー+ハチミツとルバーブ。結構、脂を感じる。
味は…煮込みなので良く分からないな。食感は牛煮込みとそれ程変わらない。臭みは
特にないのだが、ジュニパーベリーが一番合う気がする。後ろにレンズ豆・黒豆などの
付け合わせがあるが、ここにゴロッと入っている栗が主役を食うぐらいに激旨だった。
クマについて中村さんと話すと、1を訊くと50ぐらい返ってくる。この会話で貴重な
情報をいろいろとget。ヒグマのメスが旨いらしい、相変わらずの鳥インフルエンザで
今年は輸入ジビエは奪い合いになるだろう、などなど。某シェフもクマの手はやりたく
ない、と言っていたが、あらゆるジビエの中で一番面倒らしい(うちは若い連中に
やらせますよ、と言うと厨房が微妙な空気になっていた(^_^;)。それと、旬にはもっと
敏感になった方がいいようだ。某所のマツタケもそうだったが、月単位ではなく、10日
単位ぐらいで考えないと…。
・チョコ梨
洋梨型のチョコ(ナスじゃないよ)。へたはクッキーなど。上にはラズベリームースと
ソルベか。上から食べようとしたが、やはり倒さないと無理がある。すると中から
さいの目切りの洋梨が出て来た。更に底の方にはチョコクランチが。見た目の楽しさ、
味の変化、季節感、とすべてを兼ね備えたデセールだった。何気にこの店、デセールが
面白い。
・エスプレッソ・ダブル
・プティ・フール
終盤までテーブル席空いていたのでもしかして空きがある?とも思ったが、もちろん
そんな事はなかった。確か10日前ぐらいだったと思うが、もうちょっと早めに予約しない
とテーブル席には座れないのかも。中村さんは各テーブルでワインの説明も詳細に
淀みなく行っていた。本当にいろいろな仕事を精力的にこなす人だ。
ツキノワグマのシベ +¥1944
ツキノワグマのシベUP
チョコ梨
チョコ梨 解体中
アミューズブーシュ(サンマコンフィのフリット、ルビークイーンとブランダード、焼きナスのブラン・マンジェ)
赤エビのうずまきビーツ巻き
黒いフォアグラたい焼き
長崎産イトヨリ レンコンソース?
シャトー・クラーズ2003 グラス ¥1620
プティ・フール
レザグリュム ¥864
バゲット
バター
エスプレッソ・ダブル
2017/02/11 更新
2016/07 訪問
オール・シーズン・ジビエ
ここもdeco(現LATURE)同様、某所のシェフにジビエ食べるなら、とお勧め
いただいた店。どうせ行くなら、夏にしようと思っていた。オーナー・ソムリエの
中村さんは、ブルギニオン、ラシエット、ア・ニュの支配人を歴任してきた
という経歴の持ち主。いろいろな点で間違いないだろうと確信させる店だ。
まだちょっと早いので、恵比寿から極めてゆっくり歩いて10分程度で到着。太りすぎを
気にする食べロガーなら、この程度の距離は歩く習慣を身につけておきたい。店は
道路から少し奥まった、マンション?の1Fにある。以前は別オーナーによる
ブラッスリーだったそうだ。まだちょっと早いが、既に先客が。意外と席数は少ない。
オープンカウンターへ。飾り皿は木製だ。
さて、本日のジビエは…鹿に、うり坊(!)にアナグマ!さっそく出たな!アナグマ!
うり坊も今の時期だけらしいので後ろ髪を引かれたが、ここはまだ未食のアナグマに
チャレンジする事に。ドリンクメニューには噂のシャンパンフリーフロー¥7560が。
でも、今日は断然赤だ。実に都合がいい事に、今日は気温も低い。
〇デギュスタシオン・デュ・ヴァン×4 ¥4320
×3、×4、×5とあり、どれも一杯¥1080計算。最初は×3で頼んだのだけれど、後で
追加したので×4に。リストはなく、ボトルから自分で選ぶ方式。
・マコン・ビラージュ・テヴネ・エ・フィス2010
ちょっと変わった作りと言っていたが、甘さと苦みが同居している。中盤は苦みが先行
していたが、終盤になると復活。
〇ムニュ・ヴェルデュール ¥6480+¥1944
ランチで一番上のコース。下に金額が同じコースが2種類ある。サーヴィス料10%。
・アミューズブーシュ
(大根+マスカルポーネ、ハマグリ+セージジュレ+青リンゴソルベ、トウモロコシのムースとチュイル)
トウモロコシは粒も入っている。ムースが随分と軽いのだけれど、何だろう。エスプーマ
かな?大根がしゃっくりとした食感で瑞々しい。ハマグリにはこういう青っぽい白ワイン
が良く合うが、これは具材でそれを実現した感じだ。
・パン
細身のパン。バゲットじゃなくてペティ・パンというやつか?バターが良く合うパンだ。
・青森産ムラサキウニとコンソメジュレ
殻入りの楽しい外観。良く冷やしたスプーンでいただく。ウニとコンソメジュレの黄金
コンビ。やっぱり東京で食べるウニは加工したものの方がいい気がする。シブレット?
もいいアクセントになっている。中間に魚の切り身があり、一番下にはソラ豆なども
入っていた。結構粘っていたが、種が見えたのでオクラも使っていたようだ。
出だしから好調だ。
・ルイ・ラトゥール サン・トーバン2002
きれいな麦わら色。白い花系だが、飲み込むと杏系の香りの余韻が長くて驚く。よくよく
見ると2002年じゃないか。しかし、そう長続きはしなかった。
・北海道産今金男爵の黒いフォアグラたい焼き
このビジュアル。下には笹の葉。SINCERE+でも鮎型フォアグラ最中を見かけたけど、
割とジャンルが出来ている気もする。ただ、これは包んでいるわけではなく、後ろ側に
フォアグラがある。下に今金男爵のピュレで接着してあるが、皮も今金男爵製。色は
竹炭だろうか。とりあえずピュレを食べてみると、これがびっくりする程美味しい。
過去最高のジャガイモピュレだ。フォアグラはコンフィチュールで甘く仕上げてある。
表面もかりかりでいい感じ。
ドアが近いのと、動線の中央にあるので、カウンターはいまいち落ち着かない。
テーブル席はマダム達で満席。
・鮎のコンフィ 山梨・芦安の山椒の香り
下にオカヒジキ。最近よく見るけど、旬なのかな?表面カリカリなのだが、食べている
と、控えめな山椒のいい香りがする。加熱してこんな香りがするものなのか。木の芽
料理みたいに辛くはない…と思ったが、一瞬、少し辛さも感じた。左は肝という事だった
が、これもカリカリで香り高かった。
・レ・ヴァン・ド・ヴィエンヌ サン・ジョセフ2013
オススメでローヌのシラー。先日、仔羊にやや線の細い赤を合わせるというソムリエ氏
セレクトが大当たりだったけど、やっぱりジビエにはストレートにシラーですかね。
若々しい赤紫色で、ベリー系。液量多め(^_^;
キッチンから香ばしい香りが。ポワブラードソースだと思ったのだけれど、別テーブル
の料理だったのかも。
・鹿児島産アナグマ 赤ワインとジュのソース
オスだったかな。ミンチにした前足を後ろ足のモモで巻いている。この時季にこんなに
脂の乗ったアナグマは珍しい、との事だったが、これを説明する時の中村さんの
嬉しそうな顔ったらなかった。写真には入れていないが、ジンに使われるジュニパー
ベリー+ハチミツのペーストも。初めて聞いたけど、結構定番のようだ。確かにモモ部分
は脂が凄く乗っている。何だか想像していたほどくせは強くない。イノシシより素直な
ぐらいだ。それでいてもちろん、ジビエらしい旨味もある。初アナグマだったけど、
これはなかなかおいしい。最後にいろいろと話もうかがったが、狸(ムジナ)汁とは
アナグマを指すそうだ。狸は全然不味いらしい。もちろん猟期があるだろうから害獣
扱いなのだろうけど、銃が使えないのでくくりわな捕獲。何でも、ブルーベリー畑を
荒らしてたそうで(^_^; 農家の方には申し訳ないが、そりゃ美味しいに決まってる。
・ポール・ジャブレ・エネ ミュスカ・ド・ボーム・ド・ヴニ-ズ ル・シャン・デ・グリオール
デセールと一緒にどうですか、と言うことで追加。ローヌのミュスカ(マスカット)を
使ったデザート・ワイン。
・山梨県一宮産桃の瞬間コンポート シャンパーニュのムース
真空調理によるコンポート。減圧すると沸点低くなるから、そういう原理だろう。
ソルベとメレンゲ、ライチのジュレも乗っている。ん、なんだこれ?弾けるキャンディー
か。某アシェット・デセール店でも見かけたけど、結構使われてるもんだなぁ。
・プティ・フール
ベリーのパート・ド・フリュイ?、形は丸っこいけどフィナンシェ?、ショコラ、
クッキーはピスタチオかも。
・コーヒー(フォルテ)
コーヒーは驚いた事に5種類からタイプを選べる。エスプレッソかコーヒーかの指定も。
一番強いストロングタイプにした。使わなかったけど、シュガーポットが金平糖で
カラフル。
テンポよく、1時間半で終了。他にどんなジビエが入荷するか訊いたところ、猟期は
鳥主体、それ以外の時季は4つ足なら何でも、との事だった。
□総評
既に5年目という事でとても安定している印象。ちょっと手狭でカウンターもそれほど
居心地よくはないのだけれど、何しろこの店には他の店にはない、強力な強みがある。
まだまだ食べてみたいジビエもあるので、また行ってみたい。
#シーズン中は結構、混むのかも…?
鹿児島産アナグマ 赤ワインとジュのソース
北海道産今金男爵の黒いフォアグラたい焼き
フォアグラたい焼き裏側
青森産ムラサキウニとコンソメジュレ
鮎のコンフィ 山梨・芦安の山椒の香り
アミューズブーシュ(大根+マスカルポーネ、ハマグリ+セージジュレ+青リンゴソルベ、トウモロコシのムースとチュイル)
山梨県一宮産桃の瞬間コンポート シャンパーニュのムース
マコン・ビラージュ・テヴネ・エ・フィス2010
ルイ・ラトゥール サン・トーバン2002
レ・ヴァン・ド・ヴィエンヌ サン・ジョセフ2013
ポール・ジャブレ・エネ ミュスカ・ド・ボーム・ド・ヴニ-ズ ル・シャン・デ・グリオール
プティ・フール(ベリーのパート・ド・フリュイ?、フィナンシェ?、ショコラ、ピスタチオクッキー?)
コーヒー(フォルテ)
シュガーポット
パン
バター
飾り皿
2017/02/11 更新
オーナーソムリエ氏自ら、ハンターとしてジビエの狩猟もする店。それだけでなく、
伝手のあるこの店では一年中ジビエが味わえる。また、選択肢も他の店より多い。
熟成度は標準では軽めなので、ジビエ初心者にもとっつきやすい。ブルギニオン、
ラシエット、ア・ニュの支配人を歴任されてきた中村さんのスーパーな仕事ぶりを
見に行くのも楽しみの一つ。最寄り駅は広尾となっているが、広尾と恵比寿のちょうど
中間ぐらいにある。
2017/06/01 更新