3回
2023/04 訪問
狂気の花山椒鍋
2年前キャンセルした店の一店。その前の年も花山椒の時期に予約しようとして席が空いていなかった。そんな訳でど~しても花山椒が心残りだったのでまた予約。花山椒は4月後半と覚えていたのだが、マイレビュアーさんのレビューによると4~5月にやっているようだ。昼は一人では無理だったので夜に。
改札まで上るとまた1~3番出口が無く、ホームまで戻って上り直す。1Fがお蕎麦屋さんで地下だったな。先客2名。セッティング見ると後は私だけかな。カウンター内2人体制。
〇夜コース ¥33000
時価なので¥27000~¥30000 or ¥30000~¥35000の2コースを提示された。これが税抜き価格で更に夜はサーヴィス料10%だと思う。
〇醸し人九平次 純米吟醸 ¥2200
メニューは値段あり。九平次としか書いてなくて吟醸だとそういう銘なのかと思ったが違ったようだ。
・先付(牛スジの飛龍頭、タラの芽?の天麩羅、菜花)
酢醤油で。牛スジの他に何か使っていたはずだがやはり覚えられない。あまり牛スジという感じではなくさっくさくだ。
・鯖寿司 ※写真なし
海苔を巻いて手渡しで。一応撮ったけど省略!
・白魚とハマボウフウの茶碗蒸し、白子がけ
白子をこう使うか。黒いのはやはり覚えられず。白子の海にふんわりと広がる白魚だが、外側のさくっとした食感は残っていて面白い。
改めてこの店の店内はごく普通でわくわくする感じではない。最初に岡本さんに挨拶していただいたが説明以外に特に会話はなく淡々と進む。まあ随分前に来たっきりだし初見扱いかな。
・椀(アイナメ真丈、ヨモギ麩、葉ワラビ?、炙ったばちこ)
なんと。椀にばちこが(中央の細いのがそれ)。どうなのかと思ったがこれはこれでいい。その分出汁は薄くしてあり、上からかけた木の芽が支配する。後は蕗かな?
温かい物が続いたせいか、火の前だからか暑いくらいに温まってきた。
・からすみ蕎麦
見ていると何かとあえていたが、食べてみると炒った蕎麦の実と判った(すっかり忘れていたが以前のレビューと変わらない)。そしてこれでもかというぐらいにからすみをかける。まあ間違いなくトップクラスのからすみ蕎麦でしょう。
手前の小上がりに客が?と思ったが後でTOP画像を見るとカウンターの端が突き出しているようだ。密談に向いている。
・桜鱒の西京漬け、蕗味噌、蓮根、筍
蓮根は揚げてあったがキャラメリゼっぽくしてあり甘く香ばしい。
〇梵ゴールド 純米大吟醸? ¥2200
猪口を変えてもらったがここでトラブル発生。何を思ったかスタッフが下げた猪口の方に酒を注いだ。オイオイ。しかも気付いてねーし。
1時間経過。
・八寸(もずく酢・じゅん菜、炙った干しホタルイカ、白和え、空豆、イイダコ、鱈の子、芋の田楽、蘇、こごみの白胡麻和え、琵琶湖産稚鮎、からすみ揚げ)
水も切れてすっかり気持ちが冷え込んできたが、しかし料理に嘘はない。キレッキレだな。白和えは胡桃入り。鱈の子はパウダー様に細かいが真鱈子?蘇は平安時代のアレだがチーズとは違う。熱は加えてあるあるが基本無発酵だろう。そしてからすみ揚げ(!)。字面からしてもう特級呪物並みにヤバイのだが食べてもヤバイ。
・牛肉の花山椒鍋
さて、花山椒です。先週食べたフレンチ(未レビュー)で花山椒が出てきたので久々というわけではない。う~んやっぱり量おかしいよ。おかしいだろこれ。料理のバランス的にもここまで多くする必要は無さげなのだがとにかく花山椒を食べる事が重要なのだ。
岡本さんに花山椒の量の事を話すと破顔で良く言われます、と。そうか~こういう人なんだな。この店の立ち位置も理解した。驚いた事に4年半前に来たことも把握されていた。
・食事(筍、蕗)
3杯食べて残りは土産に。そちらにも花山椒が入れられる(笑)。
・甘味(ラムレーズンアイス、胡桃のキャラメリゼ、オレンジの赤ワイン煮)
黒糖で和風になっている。和食だと味濃い甘味ってあまり出ないがこういうのもいいね。
・甘味(オレンジピールの蒸し羊羹)
2時間10分で終了。また1Fまで見送って頂いた。
もう一軒行こうと思っている所があるしあまり和食の手を広げたくないのだが、秋の松茸鱧巻きに冬の松葉蟹…どうするかなぁ。
先付(牛スジの飛龍頭、タラの芽?の天麩羅、菜花)
白魚とハマボウフウの茶碗蒸し、白子がけ
椀(アイナメ真丈、ヨモギ麩、葉ワラビ?、炙ったばちこ)
からすみ蕎麦
桜鱒の西京漬け、蕗味噌、蓮根、筍
八寸(もずく酢・じゅん菜、炙った干しホタルイカ、白和え、空豆、イイダコ、鱈の子、芋の田楽、蘇、こごみの白胡麻和え、琵琶湖産稚鮎、からすみ揚げ)
牛肉、花山椒
牛肉の花山椒鍋その1
牛肉の花山椒鍋その2
食事(筍、蕗)
食事(筍、蕗)
甘味(オレンジピールの蒸し羊羹)
甘味(ラムレーズンアイス、胡桃のキャラメリゼ、オレンジの赤ワイン煮)
醸し人九平次 純米吟醸 ¥2200
梵ゴールド 純米大吟醸? ¥2200
土産の袋
土産
土産
2024/11/04 更新
2018/10 訪問
素材の増幅に長けた店
「俺の」グループだった銀座おかもとの独立開業店。店主の岡本氏は地元の岡山から
スタートし、京都和久傳や麻布幸村の料理長を務められた。スペシャリテのからすみ
蕎麦の他、花山椒鍋、鱧、松茸、間人蟹、と季節毎の定番料理があるようだ。2つ星。
何故か行く対象から外れていた店。移転して点が下がったためだろうか。通常、こう
いった新店にはレビューが殺到してすぐ点が上がるのだけれども、2年近く経つのに
どういう訳かレビュー数が少ないままだ。ランチが意外と1万前半からある事に気付いた
ので行ってみる(¥6000?のコースもある)。
聞いたことあるようで実は全然知らない神谷町。有楽町から日比谷に乗り換えたが
出口が閉鎖されていた事もあって手間取る。駅も4a出口から出てしまったが、反対側の
2番出口が最寄りだったようだ。歩いて行くとなんと出口すぐ隣のビルにあった。1Fは
蕎麦屋だけど今日は休みかな。時間まで待ってから入るが、既に他客は勢揃い。子供
連れか。近所の方だったようで、ちょっと興味深い話も聞けた。
○醸し人九平次 大吟醸? ¥2800ぐらい?
メニューには値段書いてなかった。猪口は選ぶ方式だが、すべてガラス製で細かい模様
が入っている。
カウンター内には焼き場の他に調理器具も完備している。ここで見せていく形式か。
見ていると岡本さんが焼きナスを流水で皮むきしている。目の前には巨大な椎茸が。
天然かな。
○昼コース ¥14040?
4コースの内、下から2つ目。推定だが、サーヴィス料10%。
・先付(モロコ、揚げズッキーニ、焼きナス)
先ほどの焼きナスが出て来た。揚げズッキーニが食べた事ない感で面白い。モロコと
ナスも味がよく感じられる。
岡本さんは今度は白身の魚で細く切ってある何かを巻いて串打ちしている。相変わらず
調理前の魚だとさっぱり分からない。お弟子さんが中身に塩を振る様子をじっと
見つめていた。提供はゆっくりめのようなので取りあえず酒を呑む。
・鯖寿司 ※写真なし
切った物を海苔で巻いて手渡しで。事前に写真撮りますか?と訊かれたが断っている。
マイルドでじんわりとした旨味がある。色もちょっとくすんでいるな、と思ったのだが、
これも通年メニューで、シーズン内に冷凍しておくようだ。劣化した、という感じは
しない。
2品食べて、この店は素材の旨味とか香りとか増幅するのに長けた店だな、という印象。
コース通して続いたので、この見立てはそう外れでもなかった。
・椀(グジ、生姜屑豆腐、冬瓜)
甘鯛という説明だったが、まあグジですね。冬瓜の透明度が高い。出汁もいい。
先ほどの串は少し焼いたところで縛り直している。向こうでは何か細い物を茹で始めた。
渾身の湯切り、いろいろリズミカルな音がカウンター内に響く。
・からすみ蕎麦
茹でていたのは蕎麦だったか。見て下さい、この色。そして粉どころではなく、削った
そのままの形状でたっぷりとかかっている。もう食べる前から美味しいのが分かる。
う、美味い…(*^^*) もうこれ食べるためだけにでも来る価値ありでしょう。カリカリの
細かい物が入っているが、これは蕎麦の実を砕いたもの。
・焼物(松茸の鱧巻き)
ようやく焼いていた物が登場したが、何と!鱧と松茸だったとは…。最初はこの倍ぐらい
の太さがあった。開いてからスダチを松茸にかけて。…美味しいです。
○蓬莱 吟醸? ¥1800ぐらい?
辛口と書いてあったものにした。結構香りもある。
・寿素麺?
・揚物(オクラ、百合根、小柱?)
・サンマ幽庵焼き、干しホタルイカ、明太子焼き?、岩手産白金豚ソーセージ、菊菜の白和え?、落花生塩茹で
なんか酒に合いそうな物ばかりキターー。いいタイミングだ。これは八寸の一部なのだろう。
メモも怪しいので一部適当。素麺はゴマも入っている。白和えは何かのプチプチも。
特に右下の小鉢がヤバイが、ソーセージも酒に良く合う。
・焚合(すっぽんの飛竜頭香煎揚げ、ナス、インゲン)
すっぽん、手が込んでるなぁ。さじも付いてきた。
・食事、香の物、おじゃこ、止め椀
この金額だと白飯か。まあ、しょうがない。おじゃこはやや甘め。味噌汁の具は湯葉。
香の物は結構いい。盆配膳で3杯。お焦げもある。
・甘味(イチジクソテー、レモンアイス)
・黒豆春雨シナモンがけ
イチジクは焼きたてをフライパンから入れていた。アイスはやや崩れる感じで、溶けて
くるとソース代わりにもなる。黒豆はほんのりとした甘さ。シナモン使っているので
ちょっと八つ橋っぽい。
お茶が切れても放置されたままだったので要求しなければならなかった。この辺、詰め
の甘さは感じる。税サ別と日本酒が結構高かったようで¥2万を超えてしまった。2時間
で終了。帰りは1Fまで見送ってくれた。
□総評
これで1万後半なら凄い事だ、と思ったのだがさすがにそこまで安くはなかった。お酒
が進むメニューなのだが、値段を気にする人は頼むのは慎重にした方がいいだろう。
でも十分に満足。からすみ蕎麦はもちろんだが、やはり季節の食材を狙って行った方が
良さそうだ。からすみ蕎麦も鯖寿司同様、通年メニューとなっている。カウンターで
様々な調理を見られるライヴ感も魅力の一つ。どういう訳か注目度が低いので、今の
うちに行っておくといいかもしれない。
先付(モロコ、揚げズッキーニ、焼きナス)
椀(グジ、生姜屑豆腐、冬瓜)
からすみ蕎麦
からすみ蕎麦UP
焼物(松茸の鱧巻き)
サンマ幽庵焼き、干しホタルイカ、明太子焼き?、岩手産白金豚ソーセージ、菊菜の白和え?、落花生塩茹で
揚物(オクラ、百合根、小柱?)
寿素麺?
焚合(すっぽんの飛竜頭香煎揚げ、ナス、インゲン)
食事(白飯)
おこげ
甘味(イチジクソテー、レモンアイス)
甘味(黒豆春雨シナモンがけ)
醸し人九平次 大吟醸?
醸し人九平次 大吟醸?
蓬莱 吟醸?
蓬莱 吟醸?
巨大椎茸?
2番出口の隣
2018/10/21 更新
冬は蟹の季節なのだが、マイレビュアーさんが食べていた白子スープ、これが美味しそうだったので出て来る年明けに予約した。もちろん蟹も楽しみである。その昔まだ大阪で新人だった頃に先輩に連れられて香住に蟹フルコースを食べに行ったのだが、それ以来冷凍蟹は馬鹿馬鹿しくて食べられなくなってしまった。冷凍による劣化は蟹の場合致命的なのだ。ほぼ別の食材になると言ってよい。
カウンターと小上がりの方にも先客。既に海外客にも存在がバレているようだが今回はいなかった。
〇醸し人九平次 純米吟醸 ¥2200?×2
メニューは変化なし。あまり面白くないが結局頼むとすればこれだ。でもおいしい。
〇夜コース ¥33764?
¥33000 or ¥41800で下のコース。サーヴィス料10%で逆算すると何故かこの額に。
・揚げ鮑、淀大根、堀川牛蒡、タラの芽、芹
揚げ鮑?こんなの食べるのは初めてだ。酸味の効いた暗、これだけいろいろ使っておいてとにかく旨い。大根のほっとさせる存在感。一皿目から凄いの出てきたぞ。
・鯖寿司 ※写真なし
・香箱蟹、蓮根、菊花酢漬け?、柚子?
蓮根は細かく切って食感のアクセントに。また酸味をうまく使ってある。
そろそろ割烹は卒業しようかなと考えているのだが、こんなに手間のかかった一皿は割烹でしか食べられない。
・フキノトウ、河豚白子、香箱蟹?の茶碗蒸し
フキノトウの苦味がいい感じだ。
最初からアクセルふかしっぱなしでにやにやが止まらない。
ふと聞き覚えのある名前が聞こえたので先客はもしかしてフォロワーさんなのでは?と思ったが、声かけて向こうが知らなかったら気まずいな~と感じ止める(しかし帰って思いっきりマイレビュアーさんだった事を知る)。
・椀(白甘鯛、海老芋)
白味噌。辛子を溶いて。白甘鯛が香煎揚げ+何かでもちっとした食感だったのだが、後で訊いたら水分で餅に戻るとのこと。なるほど。
越前蟹登場。写真を撮ろうとするとはさみを振って何か挨拶している!そしてちょっと目を離した間にもうバラされているのであった。小上がりにも運ばれていたが全部では一匹分よりも余分にあったように思う。
・からすみ蕎麦
蟹を待つ間、定番のこれを。本当にこれでもかというくらいかかっている。
・蟹刺身
菜花と。山葵も効かせてある。美味い。
・蟹天麩羅
他にコゴミと唐墨(!)。スダチと山椒塩で。美味い。
蟹が焼かれているとその匂いだけで幸せな気分になれる。
・焼蟹
蟹が出てくるとひたすら食べるタイムだ。下のコースだと二切れだけですが。そのままでもいいがやはり蟹酢。これは蟹のために生まれた奇跡の調味料だ。
・蟹味噌
甲羅で焼いた後、取り分けてクワイ煎餅と合わせる。この発想がまた凄い。後、蓮根も入っていたかな。
・八寸
味噌漬け、黒豆、チョロギ
綿状に切った茄子、辛味大根
白和え、とびこ
山椒漬け、干した明太子の炙り、蘇、焦がした柚子?
既に酔っぱらっているせいかあまり覚えられず。この中ではナスが本当に麺並みに長くて驚いた。高い技術力の成せる技だろう。後、やはり焼き・揚げを多用するのが岡本さんの特徴かな。精緻に作りこまれたレベルの高い八寸だ。
・鱈白子スープ
中身は九条葱と蕪だが、蕪もほうとうのように長く切ってある。しかし期待値が高すぎたせいかそれほどでもなかった。
・食事(新筍+鯛、穴子+牛蒡)
カウンターに二人いたため(?)、二種類提供。新筍は1月のみというのを知った。しかし食事もそれ程ピンと来ず。某所の神懸かったご飯をずっと食べていたので駄目出しが厳しくなる。
・甘味(ラムレーズンヨーグルト、リンゴの赤ワイン煮)
黒糖とキャラメリゼした胡桃。やっぱりいいなぁ、これ。
・甘味(小豆、栗の渋皮煮、オレンジピールの春巻き)
2時間20分で終了。怒涛の前半に比べると終盤はそれ程でもなかった。欲を言えば蟹雑炊食べたいところだが、都内でまともな蟹のフルコースを食べるには更に倍の額が必要になるだろう。福井まで出かけても同じぐらいの額になりますが。まあとにかく蟹を食べられて満足。