3回
2019/10 訪問
今回は松茸狙いで。しかし意外にも某フレンチで過去最高に松茸を食べたのでもう
いいや、という気にはなっている。大体どんな食材も一度腹いっぱいになるまで
食べれば熱は収まるものだ。
電車が遅れているので1時間早く行ったら50分も前に着いてしまった。向島百花園も
もう閉まっているので公園で過ごす。たくさんいた子供達も日が暮れると共に一斉に
いなくなった。10分前に店に行ってみるともう皆さん大体そろっている。そう言えば
夜の開店時間が少し早くなったのかな。それと店先の柳の木が随分と短くなっている。
前回来た時も少し切ってあったみたいなのだが今回は半分くらいになっている。
リスク管理としては仕方のないところかな。
○賀茂鶴・冷酒(二合) ¥1500?
○おまかせ ¥16000?
今回は真ん中のコースに。しかし一番下とはネタが一部違うぐらいの差のようだ。
❖つまみ
・明石産鯛の潮汁の素?、イカ、パプリカムース
潮汁の残りらしいのだが旨味はそれ程ない。それよりムースの出来が素晴らしい。
穂紫蘇も乗っている。
待ち時間に塩をなめながら。次の日仕事が入ってしまったので今日はあまり飲めない。
大将がすごいでっかい牡丹海老をむしっている。
・酔っ払い海老
紹興酒+芋焼酎だったかな?なんと花山椒とネギを合わせてある。これ以外にも
ショウガっぽい香草?の香りがして良かったのだけれど花山椒由来だったのかも。
・余市産あん肝、釧路産サンマ、かんぴょう
サンマは甘露煮風。かんぴょうはあまり好きではない食材なのだが柔らかくて抵抗感
がない。そしてこのあん肝が素晴らしい。過去に食べた中でもトップクラスの出来だ。
後で訊いてみたらやはりモノが違う、とのこと。
やや間が開く。遅れてヘルプの人も登場している。
・釧路産牡蠣、信州産松茸
シトラス滴加。松茸はバターソテーかな。今回スマフォでメモを取ったので読めないと
いう事はないのだが大分間が開いたので記憶の方があいまいだ。松茸は竿?の部分
なのだが噛むと味がある。
・岩手産松茸、濱中産雲丹、城下鰈
下鰈って聞いたことないと思っていたが大分でブランド化している真子鰈。まあ味の
濃いこと。松茸は千切りにしてあるがやや遅れて香る。これ、塩と合わせるとちょうど
よい。
・岩手産松茸、京都産海老芋
大将は松茸を削っていたがあまりうまくいかず手でちぎってもいる。なんと台風の影響
で松茸は普段の1/3の金額だったとのこと。電車遅延にもかかわらず満席だったが
こういう時こそ頑張ってくるものだ。海老芋の香りがいい。
間が開く。1時間半経過。日本酒飲み終えてしまったが自重しておこう。
・丹後産鰤と松茸の椀
怒涛の松茸スペシャルもこれでラスト。この鰤が香ばしくかつ出汁となっていて驚いた
のだが味が被っていたから勘違いしただけかも。
大将はネタの仕込みに入る。テーブル席の方は鮨は数貫ずつの提供になるので鮨重視
ならカウンターの方がいい。
・イクラ鮑ご飯
醤油を垂らして。イクラが標津、鮑が山口産だったかな。
✦握り
・大トロ ※ピンボケ
酸味が少し、脂がある。相変わらずガリが旨い。
・サンマ
銀色が見えたので何だろうと思ったがサンマ。酢締めで脂感はない。これは以前?
ランチで棒鮨を出していたらしい。
・苫小牧産アオヤギ
・松茸ご飯
おっとまだ松茸が。確か店内が幸せな香りに包まれていたと思う。
・釧路産シシャモ
なんと。卵無しだが身本来の味で香りもする。現地では生でも食べるらしい。北海道は
いろいろテーマを決めて食べに行ったけれどシシャモツアーだけ実現していなかった
のを思い出す。
・苫小牧産鳥貝 ※ピンボケ
・富山産白海老
お茶はこまめに注いでくれる。
・天草産コハダ
これはあまり好みではなかった。
3時間経過。
・赤身漬け ※ピンボケ
今回は写真もスマフォなのだけれど鮪がうまく撮れてない。時間かけたくないので
1回失敗したらもう終わりです。
・鹿児島産スミイカ
出水かな。
・鰻手巻き
焼いて持ってきた鰻を簡単に6等分してそのまま。カリッとしていて脂もある。
・小布施産栗、NZ産オレンジ、長野産シャインマスカット
これはブログに出ていたけど常連さんの差し入れかな。身が緑色で特別感があったの
だけれどこれが特色なのかどうかは調べても判らなかった。
3時間半で終了。一番上のコースだと太巻きも出るようだ。
こうして振り返ってみると松茸スペシャルの名にふさわしくかつ他も充実していたの
だけれど(恐らくは)通常の3倍の松茸をもってしても某フレンチを印象では上回れ
なかった気がする(やっぱりあの店がおかしいのか)。それとずっと一人で行って
料理と向き合おうと思っていたのだけれどかなり長く感じてしまった。二合で止めた
せいもあるか。あり得ないCP実現のためとは言え、複数で行くほうがしっくりは
するかな。
賀茂鶴・冷酒(二合) ¥1500?
明石産鯛の潮汁の素?、イカ、パプリカムース
酔っ払い海老
余市産あん肝、釧路産サンマ、かんぴょう
釧路産牡蠣、信州産松茸
岩手産松茸、濱中産雲丹、城下鰈
岩手産松茸、京都産海老芋
丹後産鰤と松茸の椀
イクラ鮑ご飯
とぼけた感じの猪の絵
大トロ ※ピンボケ
サンマ
苫小牧産アオヤギ
松茸ご飯
釧路産シシャモ
苫小牧産鳥貝 ※ピンボケ
富山産白海老
天草産コハダ
赤身漬け ※ピンボケ
鹿児島産スミイカ
鰻手巻き
小布施産栗、NZ産オレンジ、長野産シャインマスカット
栗が緑色
柳は短くなりました
2019/10/20 更新
2019/06 訪問
他レビューを読み込んだり、こみけんblogを見たらこの店がどういう立ち位置なのか
大分分かってきた。人増やして値段上げれば簡単に利益は上げられる店だろう。でも
それは良しとはしないんだよねぇ。その心意気に感謝の気持ちを持って訪れたいもの
です。6月のウニが凄そうだと思い、マイレビュアーさんに連絡して丸投げOFF(しかし
半年経ったら何が目的だったかすっかり忘れてしまっていた)。地図を見ていたら
向島百花園なる場所が気になったので30分ほど早めに行く。
今回は南回りで行くと東武博物館なる施設を発見。東武の車両が隣に展示してあって
館内から内部にも入れるようだ。前回真っ暗で何もない街だと思ってしまったが
こちら側には普通に商店街があって活気もあった。向島百花園は狭さを懸念していたが
文人達が作っただけあって実に渋い造り。都立庭園に外れなしだ。massで押すタイプ
ではないがこれからの季節は朝顔祭りが人気のようだ。
戻るともう全員集合済み。5分前に店内へ。今回はカウンターのみだった。
○賀茂鶴・冷酒(二合) ¥1400?
猪口に酒を注ぐと色が浮かび上がる。ガラス大好き。常温もあるのだが、これで飲み
始めると両方味わえるのも具合が良かった。
○おまかせ? ¥13000?
これ1コースになったのかな?まあ食材リクエストも出来るようなので当然値段も
変わるはずですが。
ずっとしゃべりながらだったので簡単に。
❖つまみ
・枝豆
いきなり旨くて驚く。このレベルの枝豆はそうはない。
・富山産白エビ
油嫌いの私が何故か油が旨いと思ってしまった。香り高い。ゲランデ塩が後で大活躍。
塩で飲むとか余計な知恵を付けちゃいましたよ!
・夕顔、たまで茄子?、打木赤皮甘栗かぼちゃ、赤蒟蒻、鮟肝スモーク、鮎甘露煮ペースト、真蛸
敢えてペーストにした鮎、これと鮟肝を中心にそれぞれの食材がきちんと立った一皿。
まあ何と言っても鮎なのだけれど、蛸の分厚さも良かった。ゼラチンの量もすごいが、
ひねるようにして切っていた。それと夕顔の出汁、これを食べるとこの店の味の特色が
よく分かった。カボチャは加賀野菜であまり甘くなく、普段は感じ取れないカボチャの
味がする。
・淡路産ホシガレイ、礼文産馬糞雲丹
鮮やかな色のウニ、溶けるような味わいは都内で食べうる最高の状態か。ホシガレイは
親方思い入れの魚。しかし個人的な白身最強とはちょっと違うかな。自分の白身好きは
熟成ありきなのだけれど。これは醤油より残しておいた塩の方が正解だったのだが、
使うのをすっかり忘れていた。
・金目煮付け、ずいき
里芋の茎、ずいき。こういう食材なのか。独特の食感でほんのり香味がある。金目は
味強め。
・炙り穴子、じゅん菜
太くて油の凄そうな穴子を炙って。大量の出汁repriseで先ほどの味を再確認。某さん
からはまるで京都にいるようだ、との言を頂きました。
・鰻白焼き
脂超強め。
今回、カウンターの両脇に他の方がいるという配置になったのだがマイレビュアーさん
がうまく絡んでくれてお話を伺ってみるとどちらの方も只者ではありませんでした。
やっぱりここをリピートしているような方は強者ばかりでしょう。
✦握り
・中トロ
境港産65kg。脂強め、やや酸味。一度時期外にはっきりとそういう味のものがあった
のだけれど酸味のない鮪というのはやはり珍しい方か。前回シャリを小さくしてもらった
のを覚えていてくれたのか、今回は最初からシャリ小さめだった。そんな訳で少し
余裕は残った。
・真子鰈
・平貝
・大トロ
・春子
非常に柔らかかったのだが、湯引きした上に酢を使っているとのこと。
・鳥貝
・ホシガレイ
・赤身
・コハダ
・手巻き(函館産紫雲丹+蟹)
・穴子
✿甘味
・無花果、マンゴー、サクランボ
どれも好評だったがサクランボの甘みと酸味のバランスが特に旨かった。これは
ブログに情報が出ていたが、最高品種の佐藤錦の中でも極実と付いていてセレクトした
ものなのだろう。
3時間で終了。まさかの¥15000割れ。おかしいだろ…。狙っている食材の時季を訊いて
おいたので次は秋に行こうと思う。
賀茂鶴・冷酒(二合) ¥1400?
枝豆
富山産白エビ
富山産白エビとゲランデ塩
夕顔、たまで茄子?、打木赤皮甘栗かぼちゃ、赤蒟蒻、鮟肝スモーク、鮎甘露煮ペースト、真蛸
淡路産ホシガレイ、礼文産馬糞雲丹
金目煮付け、ずいき
蓋裏
炙り穴子、じゅん菜
鰻白焼き
ガリ
中トロ
真子鰈
平貝
大トロ
春子
鳥貝
ホシガレイ
赤身
コハダ
手巻き(函館産紫雲丹+蟹)
穴子
無花果、マンゴー、サクランボ
セッティング
裏手
東武博物館
東武博物館
向島百花園
向島百花園
向島百花園
時計草
くちなし
紫陽花
木桶に植わっていた夕顔
2019/07/04 更新
2018/12 訪問
下町の名店
鮨店で検索すると高い位置に表示されるのでなんとなくチェックしておいた店。しかし
この店の真骨頂はつまみという話は聞いていた。魚の美味しくなった季節に訪問。
初めて降りる東向島。道すがら、既に歩きたくないような暗さだ。本当にこんなところ
に飲食店があるのか。ようやく柳の下に店が見えてきた。掘りごたつ形式のカウンター
へ。他にテーブルが1つだけある。カウンター内にはやや無造作に食材が並んでいる。
鮨屋だと大体は木箱に入っているところだ。カウンターもまばらにスタートするが、
おや、ワンオペ?
○幸おまかせ ¥12420
4コースの内、下から2番目。
○ドリンク ¥?
一合¥756から。大体¥1000以下で安めのラインナップ。
ガラス製の猪口が非常に美しい。ランプのシェードも和モダンな感じでなみなみならぬ
センスを感じる。そう言えば箸置きもどれも違っていた。壁はつべつべの石を埋め
込んである。
❖つまみ
・カワハギの椀
いきなりカワハギか。吸い物にしてもいい魚だ
・鮪・菜の花の酢味噌和え
このクオリティーでいて鮪もたっぷりと。
・和歌山産カワハギの肝和え
店主が叩いていた白いものは白子だと思っていたのだが、カワハギの肝だった。違いを
説明されたのだが忘れてしまった。こんなん絶対旨いに決まってますやん!カワハギの
肝はどうしてこう破壊力が高いのか。さあ、楽しくなってきましたよ。
ひょうたん型の徳利が出て来たが、絵の具を溶かしたような模様が美しい。ひびの
入ったガラス製の猪口、これは触ってみると外側が少し盛り上がっていて、後付けした
部分にひびを入れているのだと判明。
どうもトイレの悪い噂を聞いていたので恐る恐る行ってみたのだが、なんか普通に
きれいだな。どうやら改修されたようだ。
店主はカウンターに置いてあった蟹をすりこぎで潰している。あまり饒舌な感じでは
ないのだが、疑問にはちゃんと応えてくれるし、小声でぼそっと面白い事を言うので
好感が持てる。
・釧路産牡蠣・あん肝・シャリせんべい
こんなん絶対(ry もうね、写真見返してるだけでテンション上がりますよ(笑)。
シャリせんべい、これはいい発明です。あん肝は甘い味付け。
なんだか徳利に入りきらなかった分?を猪口に入れてくれた。
・青森産平目・釧路産バフンウニ・からすみ
上に乗っているのはとうもろこしの芽。味はヒゲと同じで、後味に甘みがある。ウニ
美味しいです。後で黒板を見たら昆布森産だった。食べ終えてみると皿のカラスが
かわいい。
・蟹・海老芋・堀川ゴボウ・壬生菜・ユズ
椀かと思ったら中には!先ほどから潰していたカニだ。赤い内子も入っている。
うっひょ~。堀川ゴボウは中空になっていて柔らかい。
常連さんが来られて満席に。カウンターは6席だが、十分にゆとりがある。常連さんは
特に会話もせず、説明もなく出てくる料理を食べながら黙って飲んでいる。粋だねぇ。
他に席が空いてないかな、と顔だけ出しに来られた方もいた。
香ばしい鰹の香りが漂ってきた。店主は見事な鮪を切り分けている。続けて赤貝。
鯖は包丁を小刻みにらせん状にひねる切り方をしていた。続いてコハダ。この仕込み
に結構かかる。
・八郎潟産?鰻ご飯
飯蒸しかと思ったのだが、ご飯はもち米ではなかった(と思う)。う、美味すぎる。
香りがいいし、天然か?どうもこれは時間かかっていたのでこのコースではない物を
サーヴィスしてくれたようだ。
特に時間は気にしていなかったのだが、店主が「終わりました」とぼそっと言うので
思わず噴き出してしまった。ここから握りのようだ。ガリが美味しい。酸っぱすぎる
ガリは苦手なのだが、本当にちょうどいい好みの塩梅だ。
✦握り
・ブリ
さて、握りの方は…うん、美味い。
・鰹
・コハダ
・中トロ
・大トロ
つまみの評価が高い店って握りはそれほどでもなかったりするのだが、外さないなぁ。
しかしシャリ大きめでお腹いっぱいになってきた(汗)。ネタの大きさからして適正量
ではあると思うのだが。
・鯖
・平目+カワハギ肝
も~、何このネタ。
・赤貝
・白イカ
ゴマ効きすぎ。これは唯一駄目だった。
・赤身漬け
・いくら・松葉蟹の手巻き
ゴージャス!握りこれにて終了。玉子や巻き寿司は敢えて出さないのかな。
✿甘味
・新潟産ル・レクチェ、愛媛産柑橘
香りのレベルが違う洋梨だったのだが、これは11~12月にしか食べられない高級梨
らしい。
会計見て安さにびっくり。酒が安めというのもあるけれど。4時間で終了。握りの頃から
ヘルプの人が来たのだが、普段はもっと短めなのだろう。隣のご夫婦はからすみを
土産に買っていた。
□総評
料理がいちいちかゆいところに手が届く感じなのだが、京料理という要素がこの店を
単なる魚介料理でない立ち位置にしているのだろう(あるいは研究による進化か)。
改めて振り返ると個々の量も多い。名店とはこういう店のためにある言葉だろう。
料理以外のリソースを削ってCPを高めているタイプの店なので、環境面を重視する
人は1.5倍払って都心の店に行った方がいいだろう。ただ、日本酒のラインナップは
ちょっと弱いかな。
#トイレは新しくなりましたよ!(^^;
レビューを読んでみるとまあリピーターの多いこと!10回行ってもまだ中堅(?)な感じ?
定点観測として読み進めて行くと、鰻は後付けで始めていたり、握りもレベルアップ
していると言うのだから驚きだ。ブログが10年以上もまめに更新されていることからも
店主の真面目な性格がうかがえる。実はフルーツなんかも最高級の物を使っている
ようで、上のコースだともっと満足度も上がるのではないかと思われる。また行かな
くては。
非常に美しい猪口
カワハギの椀
鮪・菜の花の酢味噌和え
和歌山産カワハギの肝和え
模様が美しい徳利
釧路産牡蠣・あん肝・シャリせんべい
青森産平目・釧路産バフンウニ・からすみ
カラスの皿
蟹・海老芋・堀川ゴボウ・壬生菜・ユズ
八郎潟産?鰻ご飯
鮨ネタ準備完了。蟹はもう平らげました。
ガリ
ブリ
カツオ
コハダ
中トロ
大トロ
鯖
平目+カワハギ肝
赤貝
白イカ
赤身漬け
いくら・松葉蟹の手巻き
新潟産ル・レクチェ、愛媛産柑橘
お茶
カウンター横の壁
トイレ
2019/10/20 更新
東向島にある鮨店だが、魚介をふんだんにつかったつまみが有名。店主が京都で修行
したこともあって京料理の要素も入っている。自宅かつサーヴィス面を削った分、
CPが高いのも特徴。熱狂的なファンも多い。現在のスタイルになったのは先代から
だが、先々代の魚料理店は大正時代まで遡れる。1つ星獲得経験店。
2019/10/20 更新