4回
2020/11 訪問
メニュー
Melodie en C GRand Cru Extra BRUT
歓喜への誘い 虎魚、松茸、秋ナス
Azur Rose
甘美なる憂愁 フォアグラ、車海老、カカオ
華やいだほほえみ 玉珧、シャインマスカット、ミモレット
華やいだほほえみ 玉珧、シャインマスカット、ミモレット UP
EMPREINTE Napa Valley Sauvignon Blancs 2013
里山からの贈り物 シャンピニオン、軟水、能登塩
FERNAND de CASTILLA Sherry PALO CORTADO Antique
荒波を乗り越えて 鰆、天然茸、エストラゴン
DOMAINE DE LA VOUGERAIE VOUGEOT 1er Cru LE CLOS BLANC DE VOUGEOT MONOPOLE 2017
パン・ド・ミ、ボルディエバター
大地に思いを馳せて あんがとう農園ハーブ、花、ピスタチオ
DOMAINE DROUHIN-LAROZE GEVREY-CHAMBERTIN 2013
EMPREINTE Napa Valley Grenache 2015
情熱の赴くままに シャラン鴨、筍芋、黒ニンニク
情熱の赴くままに シャラン鴨、筍芋、黒ニンニク UP
玉響 五郎島金時芋、くるみ、黒ゴマ
玉響 五郎島金時芋、くるみ、黒ゴマ
マジョラムアイス
プティ・フール
プティ・フール
ハーブティー
wasan
2020/11/15 更新
2019/09 訪問
前回と同じ面子で。最初から前回以上にレビューを書く気は無くしていたのだが、
料理を食べて考えをまとめる前にマイレビュアーさんが隠し味まで全部当ててしまう
(スタッフが困ったような顔をして確認しに行くとちゃんと合っている。マジで
食べログ最強のanalystだと思う)。もうエチゼンクラゲ並みに思考を単純化して
取水口を塞いだり塞がなかったりしていようと思ったのだが、時折感想も求められる
ので猿山の個体群Cぐらいの知性は保っていないといけなかった。以下、雑感など。
✜料理について
もはや和も洋もシームレスに。イノヴェーテイヴというとどこか違和感を感じたりも
するのだがそういう点もない。スペシャリテに代表されるが五味を分解して割と酸味も
ポイントで使っていたように思う。途中の小品がとても上品に仕上がっていてこれが
シェフの料理の真骨頂ではないかとも思った。能登の食材多用というのは縛り要素だと
捉えていたのだが、のとてまりがチート級アイテムだし、逆に強みになっている気が
してきた。
またある程度役割分担みたいなものも見えてきたのだが(あのやり過ぎレベルの
アミューズはスーシェフ担当らしい)、デセールもペアリングもちゃんとシェフの
考えに寄り添っている。
✜チーム
ソムリエ、パティシエ、お茶目なイタリア人メートル・ディ、とにかく全員の意識が
高い。質問するといつまでも喋り続けていそうだ。特に渡辺ソムリエは今から名前
覚えておいた方がいいんじゃないかと思う。初回の小笠原味醂、前回のキスヴィンに
続いて今回のGOWARINGOにも驚かされた。
#ここのペアリングの縦横無尽さはちょっとドンブラボーを思い出す。何度も行って
#慣れてしまったが、あそこの先進性はやはり高い。
でもね、何と言っても一番印象に残ったのはサーヴや見送りに来られるシェフのまったく
けれん味のない笑顔。こちらまで幸せな気持ちになれます。
✜環境
今回、希望した時間の予約が取れず1時間遅れだったのだが、満席で二回転している
テーブルも。美男美女のカップル、少し着崩した西麻布スタイルの男性グループ、と
びっくりする程客層がいい。電話で連絡が取れず(営業時間内だけかも)、もう少し
早く入れないものかと思ったのだがこの箱でこのクオリティーを維持するのならこれで
いいのだろう。
以下、適当に。
・緑茶
Waiting roomにて。ここに30分ぐらい長居したい気分だったが揃ったところですぐ
テーブルへ。
○AZUR Course ¥16200
○フルペアリング ¥12960
○水 ¥1080
フルペアリングは値上がり。サーヴィス料10%。
メニューはちょうど秋メニューに変わったばかりだった。
・フィンガーフード
銀杏ムース入り松茸のフリット
・ピエール・パイヤール ラ・グラン・レコルト ブージィ グラン・クリュ2006
いきなりこんなものが。シャンパンは香りを拡げるために敢えて大きなグラスで、との
事だったのだがこれが素晴らしく、もう語彙が消失した。
・来たれ愛しい人
アミューズ4種(クロケット、甘鯛、鯵、タカエビ)
定番のブドウの木だが傾向が違っていて意表を突かれる。タカエビは鹿児島産の甘海老。
写真もまとめてしか撮っていないのだが、それぞれが前菜一皿分ぐらいの作り込み。
ここまでの凝りようは思い起こすところではナベノイズムだが、あそこは八寸扱いで
皿数ももっと少ないからなぁ。
・甘美なる憂愁
フォアグラ、海老、カカオ
・Azur Rose
・里山里海
子持ち鮎、藻屑蟹、トピナンブール
・シャトー・ミュザール1997 ガストン・ホシャール
・パン
子持ち鮎が食べたくて某店にリクエスト予約したのだがここで出て来たか。ソースが
ケンカせずにちゃんと合う。ペアリングはなんとレバノンの古酒。かねてからこの緯度帯
でまともなワイン作れる国イスラエルだけ説を唱えているがレバノンも加えておこう。
パンはソースに合わせてここで出て来た。
・清澄
シャンピニオン、軟水、能登塩
のとてまりはこの時期に味が増すようなのだが、動物性としか思えない深さ。
・望郷
もみじ鯛、地蛤、金糸瓜
・エトナ白
魚醤用の鰯とグレープフルーツ使用だったかな。もみじのフリットが付いているが
これは形だけ。ペアリングのボトル正面から撮らなくていいの、とマイレビュアーさん
が気を遣ってくれたのだがやっぱり読めませぬ(笑)。
・海鳴り
秋モヒート
いや~、これ驚いた。で、パッションフルーツという味の強い食材を使っているのだが
とても上品に仕上がっている点にまた驚いた。
・幸いなる出会い
天草産ホロホロ鳥、マコモダケ、ブール・ノワゼット
・フラナガン・ワインズ セレニティ・ウェイ?
上下で部位が違い、乗せ方がかっこよかったのだがピンボケしたので省略。
天草産ホロホロ鳥というのは初めて聞いた。ホロホロ鳥には一家言ある私ですがこれが
実に味わい深い。マイレビュアーさんとも話したのだが食材由来なのか火入れ由来なの
かは判断出来なかった。ソースはのとてまりを使っているのだが後味はバターも強く
感じるブール・ノワゼットでちょっと不思議。ペアリングはソノマ。カベルネ主体の
はずだがかなりシラーっぽく感じた。
・歓喜への誘い
のどぐろ、野草、とんぶり
大型の変わった形の容器。最初リゾットという説明だったのだがいい意味で予想を
裏切られた。のどぐろのこの解釈。マイレビュアーさんが脂が…という話をされていた
が、なるほどそれでどの店でも似たり寄ったりな味になるのか。
・秋羽織
和梨、翡翠みかん、セロリ
・岩清水GOWARINGO2018生原酒スープレス
ラビオリみたいな可愛らしい外観。上にオキザリス。やっぱり説明覚えられなくて食感
から梨だと分かった。ソースは青リンゴ?そしてこのペアリング。これが日本酒か!と
いうほどフルーティ。飲んだ事ないのだが花陽浴もこんな感じなんだろうか。
トイレに行った際に気になっていた植物性マウスウォッシュを使ってみた。清涼分は
ミントで出せるか。
・頂きを目指して
栗、山羊乳、葡萄
・ドメーヌ・ド・モンブルジョ レトワール・ヴァン・ジョーヌ?
毎度この辺になると記憶あいまいです。和要素も入ったシェーブル・モンブラン。
ペアリングはジュラなのだがお茶と合わせたという話だったかなぁ?
・小さな宝石たち
プティ・フール(マカロン、ブラッド・オレンジのパート・ド・フリュイ、アマンド・ショコラ?)
・ハーブティー
マカロンの内容もメモった時点では完璧に覚えていたのだけれど…。
気が付くと最後の客に。バスが無くなったので広尾まで歩いてから帰る。終電一つ前
だったけどのんびりしすぎたかな(東経由ならもっと後でも大丈夫)。
・土産(パウンドケーキ)
採点は大分下がってしまったけれど盛況でなにより。コラボもやるみたいだけれど
やっぱりあれ絡みなのかな。ちょろっと修行した皿を足して倍額で出す、なんちゃって
フュージョンに行ってる場合じゃないよ(笑)。
ピエール・パイヤール ラ・グラン・レコルト ブージィ グラン・クリュ2006
フィンガーフード(銀杏ムース入り松茸のフリット)
来たれ愛しい人(クロケット、甘鯛、鯵、タカエビ)
Azur Rose
甘美なる憂愁(フォアグラ、海老、カカオ)
シャトー・ミュザール1997 ガストン・ホシャール
里山里海(子持ち鮎、藻屑蟹、トピナンブール)
パン
清澄(シャンピニオン、軟水、能登塩)
エトナ白
望郷(もみじ鯛、地蛤、金糸瓜)
海鳴り(秋モヒート)
海鳴り(秋モヒート)
海鳴り(秋モヒート)
フラナガン・ワインズ セレニティ・ウェイ?
幸いなる出会い(天草産ホロホロ鳥、マコモダケ、ブール・ノワゼット)
歓喜への誘い(のどぐろ、野草、とんぶり)
歓喜への誘い(のどぐろ、野草、とんぶり)
歓喜への誘い(のどぐろ、野草、とんぶり)
岩清水GOWARINGO2018生原酒スープレス
岩清水GOWARINGO2018生原酒スープレス
秋羽織(和梨、翡翠みかん、セロリ)
ドメーヌ・ド・モンブルジョ レトワール・ヴァン・ジョーヌ?
頂きを目指して(栗、山羊乳、葡萄)
ハーブティー
小さな宝石たち(マカロン、ブラッド・オレンジのパート・ド・フリュイ、アマンド・ショコラ?)
ベストポジションだったけど写真の質はいつも通りです(^_^;
こいつが噂のボタニカル・マウス・ウォッシュ
緑茶
土産(パウンドケーキ)
2019/09/23 更新
2019/04 訪問
今回はプチOFFで。Wating roomに入るためにやや早めに行く。ここに並べられている
ボトルは全部ロゼかな。緑茶が出て来た。ムーディな空気に浸るとレビューを真面目に
書こうなどという気は7割ぐらいどこかへ飛んで行ってしまった。大体みんなこの雰囲気
でやられちゃうんだよね(笑)。おまけにメニュー写真がピンボケで判読出来ないので
(^_^;、適当レビューでお届けします。
○AZUR Course ¥16200
○フルペアリング ¥10584
○水 ¥?
サーヴィス料10%。この上に値段未設定のシェフ特選コースというものもある。
蜜蝋で封をされたメニューを開き、まずは泡で乾杯。店内には八重桜が。
・来たれ愛しい人
・アミューズ(一口パイの実、タケノコ×4)
・ピエール・モンキュイ ドゥロス エクストラ・ブリュット
フィンガーフード5種。いずれも一口サイズなのだがどれも構造と動的変化を持って
作り込まれている。また意表を突いた演出と共にいきなりトップギアで圧倒される。
この値段でアミューズここまで凝っている店がどれくらいあるのか…。一つだけ覚えて
いるところではアラが使われている。白身魚最高魚の一つ・アラをアミューズで使う
とは…。
・甘美なる憂愁
・フォアグラ、海老、カカオ
・Azur Rose
スペシャリテが二皿目に。配置はまた前回と違う。今回はカカオニブの効果を強めに
感じた。
ちなみにマイレビュアーさんが気になっていたAzurワインの購入について訊いてくれた
のだが、一般販売はしていないものの店側としてはジレンマを抱えているようだった。
・香しい微笑み
・稚鮎、ホワイトアスパラガス、蓼、黒トリュフ
・エルンスト・トリーバウマー グリュナー・ヴェルトリーナー2016
シェフ自らサーヴ。見て下さい、このホワイトアスパラの太さ。近年でも最高レベルの
質だった。稚鮎は天竜産。がっつりと苦い。これらを手づかみで頂く。ペアリングは
オーストリア・ノイジードラーゼ。ここのアイスワインは最高にお値打ち品です。
・清澄
・シャンピニオンコンソメ
ブラウンマッシュルーム。優しい、それでいて複雑さもあるエキス。じっくり味わおう
としたが半分以上残っている状態で倒してぶちまけてしまった(´;ω;`)。先日も
派手にカプチーノをこぼしてズボンを甘く香り付けしてしまったし、どうも最近頭の
小ネジが2個ほどなくなったままな気がする…。
・陽光の煌めく果てに
・石鯛、生海苔、小柱、ロマネスコ
・キスヴィン シャルドネ・ヌード2017
この石鯛の皮がとにかくぷるっぷるで…。ガストロバックを使っている。ソースが
生海苔。ペアリングは2013年に出来た山梨のワイナリー。欧米系のソムリエが英語で
説明してくれたが、これには結構驚かされた。甲州のような淡い作りが絶妙。名前
覚えておこう。グラスを空けて話し込んでいたら追加も注いでくれました(*´`)。
・ホエイパン
・春の木漏れ日の中で
・山菜
・木戸泉
コゴミ、カタクリ、アマドコロなど。粉がモロミだったかな?ピンで頂く。木戸泉は
醍醐かな?ずしりと重たい錫の盃。
・北の国から
・蝦夷鹿、行者ニンニク、山ウド ※写真なし!
・アダプテーション プティ・シラー2013
藁焼き。ポーションは控えめ。山ウドペースト(?)を伸ばしてから。ちょっと塩強め
だった。ペアリングはナパ。
・さざなみに包まれて
・平貝、タルティーヴォ、ふき?、バジル?
タイラギの貝殻に乗って。これはリゾットだけど数口分。いつも分からなくなるけど
タルティーヴォはラディッキオの最高品種。
・?につられて
・ベルガモット、メロン、うすい豆
・千歳ワイナリー ケルナー遅摘み
スープがメロン。上は豆苗。カラマンシーなんかも使っている。この豆苗が妙にしっくり
くる。ケルナーというのは多分初めて飲んだのだが甘すぎない。ミュラー・トゥルガウ
以外にもこんなのがあるのか(どちらもリースリング系品種)。
・頬桜?
・カリフラワー、?、?
・新政貴醸酒 陽乃鳥
え、これカリフラワー?またパティシエが説明しに来てくれたのに酔っ払ってて記憶
あいまいですみません(^_^; 上から桜パウダー。中に白味噌・柴漬けが入っていたのは
覚えている。
・小さな宝石たち
・プティ・フール
・カモミール・ペパーミントティー?
抹茶と黒ゴマ(?)のマカロンとパッションフルーツのパート・ド・フリュイと何か。
・パウンドケーキ
最後はシェフ、マネージャー、ソムリエ一同に見送っていただいた。予約は一月程度で
まだまだ余裕があるようだが、場所柄か定期的にイベントをやっていて受け付けられない
時期があるようだ。
夜のコースだとポーションやや少なめという感じは確かにある。内容的にもっと高くても
おかしくないけれど。前回のみりんにも驚いたがペアリングが多彩で本当にここの
ソムリエは好きだ。説明も変わらず愛があって楽しかった。スタッフは複数居るので
一人でセレクトしているわけではないと思う。
ピエール・モンキュイ ドゥロス エクストラ・ブリュット
ピエール・モンキュイ ドゥロス エクストラ・ブリュット
アミューズ(一口パイの実、タケノコ×4)
Azur Rose
Azur Rose
フォアグラ、海老、カカオ
エルンスト・トリーバウマー グリュナー・ヴェルトリーナー2016
エルンスト・トリーバウマー グリュナー・ヴェルトリーナー2016
稚鮎、ホワイトアスパラガス、蓼、黒トリュフ
シャンピニオンコンソメ
キスヴィン シャルドネ・ヌード2017
キスヴィン シャルドネ・ヌード2017
石鯛、生海苔、小柱、ロマネスコ
ホエイパン
木戸泉 醍醐?
木戸泉
山菜
アダプテーション プティ・シラー2013
アダプテーション プティ・シラー2013
日本刀ナイフ
千歳ワイナリー ケルナー遅摘み
千歳ワイナリー ケルナー遅摘み
平貝、タルティーヴォ、ふき?、バジル?
平貝、タルティーヴォ、ふき?、バジル? UP
新政貴醸酒 陽乃鳥
新政貴醸酒 陽乃鳥
ベルガモット、メロン、うすい豆
カリフラワー、?、桜?
プティ・フール
カモミール・ペパーミントティー?
パウンドケーキ
緑茶
Waiting Room
Waiting Room
2020/08/24 更新
2019/01 訪問
洋と和を織りながら
ナパ・ヴァレーのワイナリー、AZUR WINESとRestaurant J、MASA UEKIなどの植木将仁
シェフによるワイナリーレストラン。開店して2年弱。
いつの間にやら都内のフレンチランキング上位に急上昇していた店。その割にそれ程
マイレビュアーさんたちは行かれていなかった。既に前店を経験しているので行かなく
ても分かっている感じだろうか。ちょうど1月からランチが始まるとあったので予約
してみたのだが、店から電話がかかってきて前日のイベントが長引くのでキャンセル
させて欲しいと言う。まあそんなものか、と思ったが段々腹立ってきた。こんな仕打ち
を受けたのは閉店2週間後に連絡してきた店以来である。予定も詰まっていたのだが、
ランチは2月まで?どうしたものかと思っていたらたまたま予約入れていたリピート店
からシェフ不在ですがどうしましょう?と連絡が来たのでまずはそちらをキャンセル
してから次の週に再予約の連絡。最初にポケットコンシェルジュで予約したらクレカ
決済になってしまったのでこれも一旦キャンセルをお願いしたのだが、既に決済時期を
過ぎて確定してしまっている。これについても再度確認。さすがに二重に払う羽目には
ならないと思いたいが…。しかし本来やらなくていいはずの労力をいろいろと割かれ、
マイナスからスタートせざるを得ない。
場所は西麻布のバス停から細い路地を北上したところ。西麻布北西のこのエリアには
ボンバンスとレフェルぐらいしか来た事がないが他にもいろいろありますね。直前の
マイレビュアーさんのレビューに扉がさっと開く、とあったのでやや離れたところ
から外観撮影。店内にはカーヴみたいなwaiting spaceもある。既に先行している席も
あり、先客達が和やかに談笑。静かすぎず、活気もある。BGMとこの雰囲気だけでもう
許せる気にはなってきた。おしぼりにハーブが乗っている。
まずは予約について確認。これについてマネージャーからしっかりとした返答をもらい、
安心した。有名店だからと言って全面的に信用するのも危険だと思っているのだが
(さすがに書けないけど蟻地獄みたいな店が本当にあるんですよ…)、この対応なら
間違いのない店だろう。ミスはどうしても0にはならないので、リカバリしたらちゃんと
評価したい。
○フルランチコース ¥8100
2コースの上の方。サーヴィス料10%。
・来たれ優しい人
・アミューズ(一口パイの実)
マイレビュアーさんのレビューでかなりネタバレ読んじゃったかな、と思っていたが
結構内容は変わっている。ブドウの盆栽の上に実が付いている。苔マニアなので苔には
厳しめなのだが、これは合格。
○ハーフペアリング(×4) ¥6372
何しろ店名にもなっているのでこれは元々頼むつもりでいた。昼のコースならハーフに
なる、とのこと。
・カステルノー・ブリュット・レゼルヴ?
ブラン・ノワール3種混合。結構果実味強い。
・アミューズ(のと115)
別名のとてまり?分厚い椎茸を原木っぽく木の上で提供。ここまで大きな椎茸というと
ジャンボ椎茸を思い出すが、この厚さは独自のものだろう。ガストロバックで減圧調理
してある。ガストロバック…久々に聞いたな。カテゴリはスープ料理という説明があり、
右が蟹で左がホワイトソース?ピンが付いてきたが、刺したら汁がクロスに落ちて
しまった(--; 右は更にサイズが大きく、考えあぐねて倒して食べたが今度はこぼれた
蟹の回収でちょっと苦心。このUIはもう少し改善の余地ありかも。Enekoではピンセット
を使っていたが…。出汁も付いてきたがこちらは完全に椎茸味。良い味だけどやや
単調になるので量はもっと少なくてもいいかも。
クロスの染みの上にそっとナプキンを敷いてくれた。
・Azur Rose
おっと、一皿一杯ペースか。ボトル持ってきてくれたが、注ぐのはダブルマグナム瓶
で。グルナッシュ95%、シラー5%。淡い色だが果皮なんかは早めに取り除くようだ。
ややスパイシーだが、ちょっと今までにない感じ。赤と成分は同じでも濃度が違うから
なのかもしれない(濃度が異なると感じ方ががらりと変わる成分がある)。さすがに
店名に冠しているだけの事はあると思ったのだが、どうやらこれはAzurが高く評価
される契機となったワインのようだ。
・甘美なる憂愁
・フォアグラ、海老、ショコラシャンティ
シグネチャーディッシュと言う事でシェフ自らサーヴ。ちょっとここで驚きの演出。
食べ方もある方法を指示される。あんまりネタバレするのもアレなので以降もあまり
触れずにおく。これは塩味、酸味、甘味、旨味、苦味の五味をテーマとした皿。
ちょくちょく見かけるテーマなのだが食べ方がかなり面白いと思った。酸味は京都産
はっさく。柿を使っていた時期もあるそうな。フォアグラのキャラメリゼ、最後に
ショコラシャンティの上からカカオニブ。海老出汁?にショコラを混ぜるというソース
がとにかく秀逸だ。以前は縦に重ねたり、変化を重ねて今の形になったそうだ。
もうこの皿ですっかり魅了され、最初のトラブルはどうでも良くなった。変に気を
遣われるのも嫌だと思っていたのだが、いつもこの通りだろう、という風に接して
くれる。ソムリエの説明が楽しくなり始めた。
・Azur Le Pich2016
ロワールを意識した、というソーヴィニヨン・ブラン。軽く腐香。先日飲んだばかりの
シュナン・ブランとはやっぱり違う。ナパの高級ワインなんてそんなに飲んだことない
けれど、どこかの真似というより独自のキャラクターを確立している気がする。
・郷愁
寒鰤、紅くるり大根、スミイカ
左は紅くるり大根の他に紅芯大根も使っている。紅白を意識したとか。右が覚えられ
なくてこっちがイカなのかと思ったが、ブランダードっぽかった。これもキーワードは
能登。
ランチは始まって日も浅いせいか、空席もある。西麻布や広尾で良く見かけるスタイル
の男性は黙々と食事している。
・口直し
昆布です。いやもうこれバレバレなので書いちゃうと下、氷なわけですが。たったこれ
だけのためにこのサイズの氷ですよ?
・ロング・メドウ・ランチ カベルネ・ソーヴィニヨン2012
タンニン控えめ?メモが読めなくなってきた。確かややバニラ香。これもマグナムボトル
で。
ヴィアンド・ナイフ登場。龍泉likeな流紋があるが、柄が違う。あらかじめ高村刃物
だろうと見当を付けてきたのだが、なんと!オーダーメイド!?こんなまとめも作って
いるので一通り調べたのだが、日本最大の刃物の街・関産。マネージャーの高瀬さんが、
後先考えずに作って研げないので(爆笑)、どうしようか、と困り顔で言われていた。
このナイフはこの4本しか無いようだ。
・そよ風に誘われて
能登牛、海苔、コンテ
藁焼き。コンテチーズが目立つし、かいわれも乗っているが、実はこの皿を支配している
のはネギである。焼肉的味わいだ。
・ホエーパン
ホエーってあのホエー(乳清)?特徴はよく分からなかった。
・一子相傳 小笠原味醂
比較的最初の方でもし宜しければ、と言われていたのでおまけで出してもらう。
みりんと言うのでさては木戸泉酒造か、と思ったら三河・碧南産だった。この辺は
醤油も作っているはず(小学生の頃、愛知で社会科教育を受けたので知っている)。
みりんなので匂いは×だが、味わいのある甘さだ。
・高嶺の花
宇和島産紅まどんな、発酵白菜、リコッタチーズ
チーズはドライ粉末だったかな。だいぶ記憶があやふやだ。
・想いを纏わせて
木戸泉酒造Afrugeと苺のタルト
おっと、その木戸泉酒造が出て来た。進歩的なソムリエには大人気のいすみの変態蔵で
ある。二皿なのでアヴァン・デセール、デセールと書こうとしたのだがこれは
フィンガー・フードで、もうそんな境目はあいまいだ。パティシエが説明しに来て
くれたが、大分飲んだのであまり覚えられず。写真で見返すと切り方がとても美しい。
・ハーブティー
固定メニュー。内容は忘れてしまったが、香り高い。飲んでレモンバーム?と思ったの
だが確か違っていた。メモ怪しいがタイムかも。
2時間で終了。シェフも見送りに来てくれた。
・土産
パウンドケーキだった。実をくわえた鳥は何だろう、と思ったがこれはAzurのロゴ。
という事はくわえてるのはブドウか。ナプキンにも刺繍が入っている。
□総評
洋を横に和を縦に、3.5:6.5ぐらいで平たく編み上げた細工、という感じ。能登の食材が
重要な位置を占めているが、これはこの店になってから始められたそうだ。スペシャリテ
なんかはずっとやられているようなのでベースは変わっていないのだと思う。調理器具も
最新の物がいろいろ入っているのではないかと想像するが、これも使い方次第だろうと
思う。作業が楽になるのは保証してくれるが、料理に活かせるかどうかはシェフ次第
なのだ。瞬間燻製とか液体窒素にはちょっとうんざり気味なのだが、演出に既成概念を
打ち破るような驚きもあった。忘れてならないのがこれらを支える接客。特に比較的
会話が多くなったソムリエは仕事を楽しみ、酒を愛し、飲む人とは会話を交わしながら
自然体でやっている。私の乏しい経験ではエスキスやサンパウを思い起こす。こういう
店の空気をどうやって作り上げるのかは今のところ、ちょっと謎だ。長年やっている
だけではこうはならない気がする。改めてペアリングも重要な意味を持っていると思う。
Azurワインは一杯だけでも頼んでおきたい。
ランチは残念ながら2月まで。シェフと相談しながら、と言われていて再開のトリガー
はちょっと不明だ。メニューは1ヶ月半で変えていく、とのこと。これはちょっと夜に
でも行ってみようかと思う。この辺には一度も夜に来たことはないのだけれど。
#結局、請求書見たら値引きというのは勘違いでした(^_^;
アミューズ(一口パイの実)
アミューズ(一口パイの実)
カステルノー・ブリュット・レゼルヴ?
アミューズ(のと115)
アミューズ(のと115) 横から
アミューズ(のと115の出汁)
Azure Rose
Azure Rose
フォアグラ、海老、ショコラシャンティ
フォアグラ、海老、ショコラシャンティ
Azur Le Pich2016
Azur Le Pich2016
寒鰤、紅くるり大根、スミイカ
口直し(昆布)
ロング・メドウ・ランチ カベルネ・ソーヴィニヨン2012
ロング・メドウ・ランチ カベルネ・ソーヴィニヨン2012
日本刀ナイフ
日本刀ナイフ
能登牛、海苔、コンテ
能登牛、海苔、コンテUP
ホエーパン
一子相傳 小笠原味醂
一子相傳 小笠原味醂
宇和島産紅まどんな、発酵白菜、リコッタチーズ
木戸泉酒造Afrugeと苺のタルト
木戸泉酒造Afrugeと苺のタルトUP
木戸泉酒造Afrugeと苺のタルトUP・横から
木戸泉酒造Afruge(原料)
ハーブティー
土産
土産
2019/04/20 更新
マイレビュアーさんのレビュー見ていたらランチが復活していたので行ってみる。
しかし気がかりなのは渡辺ソムリエが抜けてしまったらしい点。ランチ復活といい、
Covid-19のダメージが大きいのだろうか。
早く着きすぎてしまうな、と思ったのだが渋滞で少し遅れる。どういうわけか車線が
狭くなっていて駅周辺を抜けるのに15分ぐらいかかった(通常なら10分もかからない)。
〇デジュネ ¥13200
元々、夜に行きたかったし、+料金メニューがあるというので期待したが牛だったので
スルー。
〇ペアリング ¥13200
〇wasan ¥1100
おやまたwasan?食事の邪魔にまったくならない水である。おいしいとは思わないの
だけれど。
サーヴィス料10%。
・Melodie en C GRand Cru Extra BRUT
あまり聞いたことないシャンパンだが最近の注目株であるらしい。シャルドネ100%。
後味に酸味が来る。
シェフが出迎えてくれたがしかしこれは…。スタッフが半分くらい入れ替わってるの
ではないだろうか。席数も少し減らされている。
・歓喜への誘い 虎魚、松茸、秋ナス
思わず心拍数が高くなるような美しいビジュアル。錆びたプレートのように見えた
のは紫芋のクレープ。虎魚はオニオコゼか。まだ温かいクレープを巻いて。松茸は
岩手八幡平産だったがあまり香らず。
・Azur Rose
・甘美なる憂愁 フォアグラ、車海老、カカオ
いつものスペシャリテだが紙に敷く演出はなくなってしまった。訊いてみたところ
感染対策だとか。店としても苦渋の決断だったようだがあの魅力的なプレゼンが
無くなってしまったのは本当に残念。フルーツは今回は柿。後、海老の頭がせんべいに
してある。
・華やいだほほえみ 玉珧、シャインマスカット、ミモレット
玉珧=タイラギか。この突拍子もない組み合わせがやっぱり生井シェフの師匠なんだ
なぁ、と思わせる。エディブルフラワーの彩りも非常に美しい。下の貝殻もタイラギ
なのだがやや安定性には欠ける。
・EMPREINTE Napa Valley Sauvignon Blancs 2013
んん~?なんだこれ美味いな。甘さもある。ブルゴーニュ風の造りだがナパ?Azur
Winesのトップキュヴェらしい。これに合わせられない魚介はないだろう。
・里山からの贈り物 シャンピニオン、軟水、能登塩
定番のとてまりだが少し量減らして濃くなったかな?ガストロバック浸透版も登場。
粉は醤油。
・FERNAND de CASTILLA Sherry PALO CORTADO Antique
大手の樽を買い取って独自に熟成させたというクラフトシェリー。アモンティリャード
とオロロソのいいとこ取りとか。
・荒波を乗り越えて 鰆、天然茸、エストラゴン
勝浦産だったかな?下に少しリゾット。これも確か八幡平。上に乗っているのは先日
よし澤で見かけたつるむらさきの花だ。ソースはオリジナルベアルネーズとルッコラ・
とびっこ?
・DOMAINE DE LA VOUGERAIE VOUGEOT 1er Cru LE CLOS BLANC DE VOUGEOT MONOPOLE 2017
ばらつきの大きいらしいヴージョ・白です。初速速くて大分酔っぱらってきているのか
何も書いていない。
・パン・ド・ミ、ボルディエバター
パンは温かくはない。
・大地に思いを馳せて あんがとう農園ハーブ、花、ピスタチオ
能登の農園だが農業遺産地域?塩水とピスタチオオイルのみ。エディブルフラワーが
美しいが何だか味が濃い。少し苦味もある。
・情熱の赴くままに シャラン鴨、筍芋、黒ニンニク
筍芋は宮崎の里芋ブランド。他にマコモダケ、ゴボウ、ナスタチウム。ソースは醤(
ひしお)。シャラン鴨はこれでもか、というぐらい薫香が付けてある。こういうの
大好きです。しっかりと脂が旨い。
・DOMAINE DROUHIN-LAROZE GEVREY-CHAMBERTIN 2013
・EMPREINTE Napa Valley Grenache 2015
ジュヴレ・シャンベルタンともう一つスペシャルワイン、というので何だろうと
思ったらまたアンプラント。甘かったとしか書いてないけど香りも良かったはず。
これ、かなりの高級ワインなんだけどこの値段で出していいのだろうか。
・玉響 五郎島金時芋、くるみ、黒ゴマ
・マジョラムアイス
和風フォンダン芋。下のソースが胡麻です。
やばいぞ、本当に記憶があいまいだ。マジョラムだかハーブだかをシェフが田無の
農園で自分で摘んできたという話で、やって来たシェフに話を聞いたら6歳になる娘さん
を思い出作りのために一緒に連れて行った、と。一番可愛い盛りですやん。
・ハーブティー
・プティ・フール
おや、提供がグラン・メゾン風に?でも以前もこんな内容だった。マカロン、パート・
ド・フリュイ、マシュマロ、プラリーヌ?
1時間55分で終了。シェフとスタッフで見送ってくれた。
あの最高のチームが瓦解してしまったんだよなぁ、とやや暗澹たる面持ちで食べていた
のだがこうして振り返ってみるとシェフの料理とAZUR WINES提供というストロング・
ポイントは健在である。実際、新スタッフ陣の接客レベルも高い。しかし前が良すぎた
んだよねぇ…。後、やっぱりハレの日に行くべきレストランかな。
#採点下げました:4.7→4.5