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地元に戻る日の朝。 勤務先に住まいや職場のロッカーの鍵を返却し挨拶を済ませ、最後の最後はコチラで朝食を頂いて帰ることにした。 ホテルの「クラブフロア」に宿泊する人だけが利用できる専用のラウンジがあり、そこで前日までに 朝食付きの宿泊プランの人でさえ予約が必要で、なおかつ1日20食限定の朝食が頂けるのだ。 その内容たるはどうだ! 金沢の、石川県のテロワールを表現した素晴らしい物だった。 加賀や能登の食材をふんだんに取り入れ、焼き魚は鮭などとは違い、高級魚「のどぐろ」の一夜干しだ。 (後に聞いたのだが、一夜干しは毎日同じではなく、その季節、その日によって内容が代わる事があるそうだ…。) 加賀麩を用いた味噌汁。 ずわい蟹の餡が添えられた真丈……。 どれを見ても、何を味わっても感動を禁じ得ないほどだ。 さらにシェフの達者な手書きによるメニューの絵が、この朝食にかけるシェフの思い入れを表しているようだ。 ラウンジ内には加賀棒茶を焙じる良い香りが漂い、香を炊いた時とは違う品格を感じさせる。 この朝食を食べる為だけを目的に、コチラに滞在することも十分「アリ」だと思った。 前日、この地を襲った大地震を伝える朝刊の見出しに心を痛ませながら、金沢を後にする。 素晴らしい街、人、風景、料理、酒……。 全てに感謝だ。 またいつか再び……。
2023/05訪問
1回
金沢での2日目の夜、その3軒目がコチラ 「バー スプーン」さんだ。 コチラに伺う前に、既に2軒で下地は十分出来ていたが、やはりお店の前の通路に脚を踏み入れると、自然と背筋が伸びる。 ジェントルマンのマスター・細田氏の前では乱れた姿をさらけ出す訳にはいかない。 氏の造り出すカクテル1杯1杯には、常に真摯に向き合いたいのだ。 時計は18時を少し廻っていた。 食べログ友達の「背の高いサンタ」さんとの会食の待ち合わせ時間までは まだ1時間程ある。 扉を開く。 まだ先客は誰もいなかった。 いつものようにカウンターの中には笑顔で迎えてくれるマスターが。 「いかがいたしましょう」 「実はコチラに伺う前に少し飲んで来てしまって… 少々キックがあるジンベースのカクテルから始めたいのですが」 少しお考えになられてから「ではネグローニはいかがですか?」と。 「いいですね。それではヴェルモットはスイートではなくドライヴェルモットでお願いします」 こんなやり取りから始まった。 マスターとの話はとても楽しい。 ついつい酒も進んでしまう。 ネグローニのグラスはあっという間に空に。 2杯目にはこの先の予定を説明し「人との会食前に泥酔する訳にはいかないので…」何か軽めの物を…と相談。 「ウンダーベルグのソーダ割りにしますか?」と。 「いいですねぇ、ビターソーダ。それにします」 楽しい酒席は時間を忘れさせる。 お調子者の私、「最後に…」と自らのリクエストでお願いしたカクテル「ダイキリ」を。 滑らかなシェイキングからカクテルグラスに注がれるダイキリ。 ハードシェイクではない、流れるような所作に見惚れる。 長年培ってきた技だけが醸し出すオーラを感じる瞬間だ。 時計に目を落とすと もうすぐ約束した時間が迫っていた。 グラスのカクテルを飲み干し、マスターにお礼と また次の訪問を約束してお店を離れた。 ご馳走様でした。 いつまでもお元気で。 金沢のバーでは「三本の指」に入っていると思える名店。 それがコチラ「スプーン」さんだ。 私にはお店が入っているビルの入り口からわずか数メートル先の扉を開くまでの距離が、時間が、非日常の異空間へと繋がるように思える。 先程まで職場の仲間達と大はしゃぎながら飲み、語らい、気持ちを躍らせた時間から わずか数分後の今、私は再び背筋を伸ばし、その扉を開けた。 そこには先客の楽しげな会話も響くなか、やはり凛とした空気が満ちていた。 マスターの笑顔でのお迎えが、そんな微かな緊張感を取り除いてくれる。 まだ先程までの高揚感が修まらない。 そんな気持ちを先ずは押し静めたいと注文したのは、マスターに相談して決めた「モエ・シャンドンのマール」だ。 同社のシャンパーニュを作る際に絞るピノ・ノワールを再利用して蒸留する、いわば「カスとり」ブランデーだ。 イタリアのグラッパもこれと同じようなものだが、いずれもディジェスティフとして私が愛飲するものだ。 ゆっくり… そう、ゆっくりでいい。 先ずは心を静めよう。 そしてこの名店の醸し出す雰囲気に酔いしれよう。 そんなことを思いながら改めてバックバーを見渡すと、そこに珍しいボトルを見つけた。 オランダのBOLS 社の「ゴールドリキュール バレリーナボトル」だ。 あまりの懐かしさにマスターにボトルを見せて欲しいとお願いする。 このボトルの中には大量の金箔が入っており、ボトルを振ってみると中の金箔が紙吹雪の如く舞い上がり、そこをネジを巻いたバレリーナが周り踊る仕掛けになっているのだ。 昔はこんな個性的なボトルがいろいろあったなぁ……。 哺乳瓶の型をしたアルマニャックもあった。 最近の酒のボトルには「遊び心」がなくなってしまったように思える。 それだけメーカーが、世の中が、余裕がなくなってしまったのかもしれない……。 「ネジが壊れてしまい、バレリーナは踊れないんですよ」 マスターの言葉が そう教えてくれているようだ。 さぁ、先の宴でも沢山のお酒を頂いたのだ。 最後の一杯で楽しかった今夜を締めくくろう。 最後に私が選び、お願いしたカクテル「Between the seat (寝床に入って)」で。 いつも感心させられるのだが、優れたバーマンは こんな個性的で、しかも他客がめったに注文しないようなスタンダードカクテルでも いとも容易く仕上げてしまう。 慣れないバーマンや、基本を大切にせず、オリジナルカクテルばかりを熱心に創作し、スタンダードを疎かにしているバーマンでは こうはいかない。 この懐の深さ。 バーマンとしての知識、技量以外にも これまでの人生経験、お店を通じての様々な人達との繋がり、出来事…。 そういった全てが この名店の持つ雰囲気を醸し出しているのだろう。 マスター。 私が金沢の地を再び訪れる時まで どうかお元気で。 金沢でお気に入りのバーを開拓した。 が、そちら一択ではまだまだ金沢の夜の懐の深さを知るには至らない。 まだまだ素敵なバーはあるはずだ。 そこで食べログの諸兄のレビュー写真を参考に、コチラに伺うことにしてみた。 夕食を頂いたお店から歩くこと15~20分程度でお店に到着したように思えたが、この日は結構な冷え込みで、最初のお店の酔いはすぐに吹き飛んでしまった。 そんな寒さに身を縮めながら扉を開ける。 オーセンティックな、老舗のバー独特の雰囲気を湛えたお店だ。 初老と言っては失礼か。しかし背筋の真っ直ぐ伸びた、穏やかな笑顔のマスターが「いらっしゃいませ」と声をかけてくれる。 生意気だが、そのファーストコンタクトだけで 私にはコチラのお店は一流だと解った。 それほどまでに年季の入ったバーマンには一朝一夕にはなれるものではない。 醸し出す雰囲気、自然な表情……。 どれひとつ完璧だ。 長くお店を、バーマンを続けてきた人だけが幾度かの経験を重ねて初めて得ることのできるものだ。 最初の飲み物には何か温かくなる物がいいな……。 マスターに「ホットバタードラムを。」所望した。 バックバーからキューバンラムを取り出し、慣れた所作で提供されたカクテル。 とりわけ難しい技術は必要ないように思われるが、使用するラムの銘柄、グラス、バターの量とその銘柄、シュガーの量、お湯の温度…… 僅かな事ではあるが、優れたバーマンにはそんな些細な事にもこだわりがあるものだ。 真冬のような時期ではないが、そうした外気温の違いにも配慮した1杯が届けられた。 ……美味しい。 冷えた身体を優しく包み込んでくれるようなカクテルだ。 すっかり鋭気を取り戻した私。 次なる1杯は何にしようか……。 そうだ。テキーラにしようか。 金沢でお気に入りになったバーのマスターが、ちょっと珍しいテキーラを飲ませてくれたっけ…。 コチラではどんな銘柄を勧めてくれるのだろう…。 さっそくマスターにテキーラを所望する。 「どのように召し上がられますか?」と問われ、クラッシュアイスを詰めたグラスに注いでください、と。 マスター、しばらく間を置いた後 1本のボトルを取り出し、「メスカルですがコチラでいかがですか?」 優れたバーマンの勧めだ。逆らうはずもない。 では、と頂いたメスカルは、なるほどテキーラほどの洗練された感は無いが、僅かながらアガベの粗野な、武骨な風合いを漂わせている。 「よかったらコチラもご一緒に。」と差し出されたグラスは、マスターが「ストレートで飲むとよりわかりやすいですよ」と勧めてくれた物だ。 こうした配慮もさすがと思わせる。 楽しい。が、しかし どこか凛とした雰囲気がお店の風格を感じさせる。 散々酔った後に利用することなどあってはならない。 そんな素晴らしいバーだ。
2025/07訪問
3回
金沢の2日目の夜。 マイレビュアーさんの投稿から興味を抱いて予約を入れたコチラ「あげは」さん。 そのマイレビュアーさんはお昼の利用が多いようだが、情報によるとランチはかなりの行列ができるようで、それなら…と予約を受けてくれる夜の時間帯に利用してみよう、となった。 その予約も一旦断わられかけたが、私が一名での利用だと告げると、ちょうど一席空いていたようで、なんとか滑り込みで間に合ったようだ。 夜の料理は全てお任せの内容だそうで、予め5,000円、もしくは6,000円のいずれかを尋ねられる。 内容はその日に決めるらしく、何を食べられるかは当日までのお楽しみになる。 金額の差も何が違ってくるのかもわからないので、1000円の違いなら、と6,000円の内容でお願いした。 当日の夜、19時に予約をして伺った。 楽しみに伺ったが、何やら私よりも先に開店時間(18時)に到着してスタートしていたのであろう 賑やかな女性達の嬌声が店内に響いている。 扉を開くと、驚いたことにカウンターだけの店内の席はほとんどが女性で埋め尽くされ、男性客は二人だけだ。 こんなに女性に人気があるのかな……。 そのあまりの賑やかさに軽いアウェー感に襲われるが、幸いにも私の席はカウンターの一番奥の席。 なんとか皆さんのハイテンションに巻き込まれずに、ひっそりと楽しめそうだ。 気の良さそうなお母さんが「飲み物は何がいいの?」と。 既にビールで喉を潤していた私。 日本酒に良い物を揃えているようだ。 先ずはお勧めの地物を頂くとしよう。 卓上には最初からお通しの梅貝が。 このような巻き貝の上手な取り出し方は、調理法は勿論だが、貝自体の鮮度も重要な要素だと思う。 その点、コチラの梅貝は良い物を使っているのだろう。 スルリと取り出すことが出来た。 すると先ずはコチラのお店のご挨拶の名刺替わりのような、揚げたての練り物がたくさん届けられた。 私はコレにやられてしまったのだ……。 当時 私の父母は小さな居酒屋を営んでおり、まだ子供だった私は店で使う味噌おでんのネタとして、近所の練り物を製造販売しているお店まで この練り物と同じボール型の物を買ってくるよう しばしお使いに出された。 そこでお願いした物を受け取る際に、練り物を揚げているおじさんから「いつもありがとうよ!」と「お駄賃」替わりに揚げたての練り物を食べさせてもらった記憶がある。 美味しかった…… 寒い冬に自転車を漕いで、冷えきった指先にもらった揚げたての練り物の記憶。 不覚にもこの一品が私の涙腺を刺激してしまった…… そこに次なる刺身の盛り合わせも。 鮮度の良い刺身と日本酒、揚げたての練り物。 もう、なにも言えない。 頭の中はぐちゃぐちゃだ……。 と、そこでお隣のご夫妻が私に話かけてくれた。 ご夫妻は滋賀県にご在住とはいえ、コチラのお店に惚れ込んでいらっしゃるようで、わざわざ金沢までこの味を求めて来店しているとの事だ。 そんなご夫妻にコチラのお店についていろいろとご指南頂いた。 ご主人は練り物作りの達人であること、様々なメディアに取り上げられた人気店であること、これまでの華々しい受賞歴の数々…。 そんな話に耳を傾けている間にも香箱蟹の蟹面、ノドグロの一夜干しなどの美味しい料理が次々と運ばれてくる。 お店の雰囲気に似合わないナイフとフォークは何のため?と思っていたら、この日のメインなのだろう。 スフレのようなふわふわの擂り身を穴子で巻き上げた物が蒲焼きのようなタレを纏って提供された。 なるほど。 この料理がコチラのお店を、ご主人を物語っているようだ。 最後の〆の海鮮ちらしのような丼物まで食べつくし、美味しい料理とお酒、楽しい語らいを満喫し、ご夫妻とお店のご主人、お母さんにお礼を告げて店を出た。 旅の醍醐味とはまさにこんな出逢いがあることだ。 また金沢を訪れる機会があれば、是非再訪させて頂きます。
2023/11訪問
1回
金沢駅に到着した。 名古屋から向かった私には、以前のように「特急しらさぎ」が終点の金沢まで直通で動いてくれていた方が良かったのだが、北陸新幹線が敦賀駅まで伸延したことによって乗り換えの手間が発生して、かえって面倒になった。 その金沢駅からタクシーで向かったのが、この日のランチを頂く「魚がし食堂 中央市場店」さん。 チェーン店とは知らず、金沢駅の駅ビルにも同じお店が 同じ料金、同じ内容で料理を提供しているようだが、私の親愛なる金沢在住の「背の高いサンタ」さんの情報によると、同じチェーン店でも別物のようだ、との事。 ならば、と例えタクシーの利用料金を支払ってでも美味しいと思える方に行きたくなる。 ましてやサンタさんはコチラの訪問回数が、つい先日にナント100回を記録する(ご本人曰く、食べログを始める前も入れると、それ以上は…)というコチラのお店を知り尽くしたと言っても過言ではない、まるで「生き字引」のような存在の人。 そんなサンタさんが100回目の訪問で選んでいたメニュー「漁師の荒磯丼」。 以前、私が初訪問した際は「特上ちらし丼」を選んだのだが、サンタさん曰く「漁師の…の方が、魚の種類が多い」のだそう。 ならば、と私も今回は「漁師の…」をチョイス。 それは訪問する前からの既定路線だったが、店に到着し 発券機で順番を登録し終えて見上げた先には「本日のお勧めメニュー」の黒板が。 そこには もう1つのお目当ての「特大アジフライ」をも凌ぐ魅力的な「大エビフライ」を含めたアジフライ(普通サイズ?)定食が記載されている。 お店の人に「海鮮丼ありきの他に、特大アジフライと大エビフライを"単品で"注文する事は出来ますか?」と尋ねてみたが、特大アジフライの単品は出来るが、大エビフライは単品は不可、との事。 さぁ悩ましいゾ! まさか海鮮丼の他に定食物と特大アジフライを追加する訳にはいかない。 仕方なく初志貫徹、「漁師の荒磯丼」と「特大アジフライ」にビールを添えて注文した。 やがて「特大アジフライ」が運ばれた。 欲を言えばサイズは驚く程の大きさではなかったが、それでも旬の鯵。 脂の乗りも良く、とても美味しい。 少し残念だったのはソース。 タルタルは少量で、このサイズのフライをカバー出来る量ではない。 別に出されたソースは、いわゆるトンカツソースのような、とろみのある物。 私としては、揚げたて、熱々のアジフライにウスターソースをたっぷりとかけて食べたかった。 せっかく鯵そのものが良い物だったので、それだけが残念だった。 「漁師の荒磯丼」も着丼。 確かに種類はバラエティーに富んでいるが、いかんせん時期が真夏という影響だろうか、「コレ!」 というネタには出会えなかった...。 しかしネタの鮮度はさすがなもの。 1つひとつの味わいはとても良かった。 総じて満足出来る内容だった。 若干、残念な部分はお値打ちな価格提供で頑張っているお店の努力に敬意を表したい。 明日は先記したサンタさんとの再会を予定している。 この日の話に花が咲きそうだ。 金沢に遊びに来た2日目の朝。 初日の昨夜は飲み会の後にバーに寄り、ラーメンを食べて〆にしようとしたところ、在勤中にお世話になった上司から「○○さん、まだホテルに戻ってない? だったら…」とカラオケのお誘いが。 結局夜中26時まで痛飲することに…。 二日酔い気味の体調なれど、前日の香箱蟹に続いて海鮮物まで諦めたくはない。 気合いを入れてのコチラへの初訪問となった。 平日の開店20分程前にお店に到着したが、私の前には既に5組の待ちが出来ていた。 さっそく私もウェイティングボードに名前を記入して 店の用意してくれてあるベンチに腰掛け 待つことに。 するとさすが人気店。あっという間に他のお客も集まりだし、開店時にはかなりの人数・組数になっていた。 順番に名前を呼ばれ、私もカウンター席に着くことができた。 メニューは予め地元民と思われる人に声をかけ、リサーチ済みの「特上海鮮ちらし」を注文することにしていた。 せっかくなのでコチラのお店で一番内容の良い物をお願いしたつもりだ。 それに勿論ビールも。 そのビールを飲みながら待つこと約10~15分。 待望の海鮮ちらしが提供された。 さすが見た目が華やかだ。 ネタはどれも大振りの厚切りで 食べ応えがありそうだ。 「海鮮」を注文したのに 真ん中にうなぎの蒲焼きが鎮座しているのに若干の違和感を覚えたが、「ちらし寿司」ならそれも「アリ」だろう。 ちなみにご飯は酢飯でも白飯でも好きな方で対応してもらえるようだ。 これだけ美味しい刺身をたらふく頂いているのにビールだけではもったいない。 日本酒を所望しよう。 なかでも地元の銘酒「加賀鳶」の「ひやおろし」がお勧めのようだ。 異存はない。これに決まりだ。 格好をつける訳ではないが、ここ数年で「テロワール」という言葉が好きになった。 やはり旅先では その土地の風土を映し出した料理なり酒なりを楽しむのが良いと思っている。 この地で水揚げされた新鮮な魚介類を頂くなら、同じく この地で醸された日本酒を選ばない手はない。 ましてや この時期にだけ出回ることで季節を感じさせる「ひやおろし」なら なおさらだ。 このマリアージュ。 日本人に生まれて本当に良かったとしみじみ実感できるものだ。 あまりの美味しさに刺身の盛り合わせも日本酒も追加だ。 今日はこの後映画を観に行く予定だったがそれでもいい。 眠くなってしまっても構わない。 今はこの美味しい刺身と日本酒に身を委せたいんだ……。
2025/07訪問
2回
金沢に遊びに向かった。 二十四節気の「冬至」を解禁日とする、金沢で この時期にしか食べることの出来ない「香箱蟹」を食べに来たのだ。 しかし…… 私を嘲笑うかのような神様の悪戯か、なんと海がシケで荒れてしまい、蟹漁に向かう船団が出られない。 入荷予定日は ちょうど私が帰る日になってしまった。 これではわざわざ金沢まで来た意味が半減してしまう……。 しかし! 「捨てる神あらば拾う神あり!」の格言通り、素晴らしい出会いが待っていた。 それがコチラ「シャトー」さんだ。 海鮮を食べさせてくれるお店を諦めた以上、他を探さねばとの成り行きからコチラを選んだのだ。 お店の場所は少々わかり辛かった。 金沢エムザというビルの裏手にある、とはいえ目印にするフランス国旗が見つからない。 住所を調べると、ビルの1Fにあるようだ。 そのビルはすぐに見つかったが、フランス国旗は見当たらない。 恐る恐るビルの扉を開けてみる。 ずっと奥に目を凝らすと「ん?」コレかなぁ?…… 近寄ってみて初めてここが「シャトー」さんだと解った。 すると偶然のタイミングで扉を開けてオーナーが出てきた。 「貴方が予約の○○さん? あぁ、そう。どうぞ入って」 店内へと招かれると、カウンター席のみでテーブル席は無く、なんとなくだが内装の雰囲気といい、ビル自体の雰囲気といい、以前は喫茶店だったのでは…と思わせる。 そして その昭和の香りが残るお店には、その雰囲気にドンピシャのシェフとオーナーソムリエが。 顧客と思われる女性客も 皆さん同年代の方々。 そしてメニューまでもが、クラシカルな料理を並べている。 なんだか映画のロケのような感じがしてきた。 そのメニュー。 ランチメニューもあるようだが、私はあえてそんなお店の雰囲気に合わせてみたくなり、アラカルトで注文することに。 クラシカルな料理として選んだのは、先ずは前菜として「エスカルゴ」と「オニオングラタンスープ」だ。 それと共に赤ワインをグラスでお願いした。 そのグラスワイン。 なかなかの量がありそうだ。200ml.程は入ってるかな? たっぷりと飲み応えがあるだろう。 先ずはオニオングラタンスープから。 パンの断面の面積からあまり沢山のチーズが乗せられないことは少々残念だったが、それを補って余りあるオニオンスープの美味しいこと! 丁寧にソテーされた大量のオニオンがスープを吸い込み、大袈裟に言えばスープとしての液体部分は ほぼ無いに等しい。 その熱々のオニオンスープの中に、先に配られたバケットを食べやすいサイズにちぎって投入し、それを浸して食べれば立派な前菜替わりになりワインも進む。 熱々といえばもう一品。エスカルゴだ。 私の嗜好の問題かもしれないが、コチラのブルギニオンバターは ややパセリが勝り、ガーリックが少なく感じたが、それでもエスカルゴココットにはマッシュルームも加え、これまたバケットに染み込ませばワインはもう止まらなくなってしまう。 最後に鴨のコンフィがサーヴされた。 欧州では鳥インフルエンザが猛威をふるい、入手することが難しい昨今でも仏産の鴨を使用しているという。 カリッと焼き上げられた鴨のもも肉の横にはにはディジョンマスタードが。 「これをたっぷりと付けて」とオーナー。 「ソースもいいが、むしろコレの方が美味しいよ」と。 見事なサイズの鴨もも肉。味わいも申し分ない。 ジャガイモ、グリーンアスパラ、牛蒡などのガロニチュールと合わさって もうお腹ははちきれそうだ。 すると私の隣の席のご婦人が少しの笑みを湛えながら 「いい顔をしていますね」 と声をかけてくれた。 よほど美味しそうに食べていたからだろうか、コチラのお店のご常連と思われるご婦人からのご指摘に 少し恥ずかしくなりながら、それがきっかけとなり 私とご婦人に加え、お店がノーゲストになったのでオーナーとシェフも話の輪の中に。 私もご婦人も共に食事は終えてはいたが、二人共にワインは残っていたので、それから後は皆さんで楽しい語らいの時間となった。 人と人との繋がり、料理、ワイン、仕事…… いろんな事が話題になり、「やはりコチラは本当の意味でのビストロなんだ…」と改めて思った。 袖すり合った見知らぬ人達でも お店に一歩足を踏み入れたら、それからは楽しく語らい、美味しく食べ、大いに飲み…… ビルの奥まったわかり辛い場所でも まだまだこんな素敵なお店がある。 金沢の懐の深さを また改めて知ることができた。 オーナー、シェフ、○○さん。 本当に楽しかったです。ありがとうございました。
2023/11訪問
1回
地元に帰るべく金沢駅に到着した。 出発前の朝食が素晴らしく、その余韻が残るなか、午後出発の「しらさぎ」で急がずゆっくり帰るつもりの便を予約しておいたので、お昼も何か食べておかないと…。 そう思い選んだお店がコチラ「うなぎ四代目菊川」さんだ。 最近、急成長しているうなぎ料理のチェーン店が金沢にもあったので、それまで名古屋のお店で何度か利用している私としては信頼に足りるお店だ。 久しくうなぎを食べていなかったなぁ…。 よしッ! うなぎを食べて元気一杯で帰ろう! お店はお昼時とあってなかなか繁盛しているようだが、お一人様の私は幸いにもカウンターの端の席に空きがあるようだ。 そこに腰掛けてメニューに目を落とす。 先ずは「一本うなぎ」についての、お店の拘りについての口上が記載され、うなぎ料理にかける意気込みを感じる。 そのグランドメニューとは別に、お昼限定の会席料理があるようだ。 様々なうなぎ料理を楽しみたいので とても魅力的だが、これでは名物の「一本うなぎ」が食べられない。 そこで店長を努める女性に相談すると、「お差額頂戴出来ましたら対応致します」との理解ある応対をして頂いた。 話の解る店長のおかげで存分にうなぎを楽しめそうだ。 先ずは生ビールで軽く喉を潤す。 前菜として提供された物は、うなぎを焼き上げる為に要する時間を 退屈にさせない為にも必要だ。 と言うのも、コチラではうなぎを注文を受けてから捌き、焼きはじめるという「本物の」うなぎ料理店だからだ。 昔の粋な旦那衆は勿論それを承知しているので、うなぎを待つ間にお銚子を一本、もう一本と空けていく。 そのちょっとしたアテも必要なのだ。 私もうなぎ料理を頂くお店選びの基準は「注文を受けてから捌きたてを焼く」お店なのかどうかが大切なポイントで、その為にかかる時間は惜しまない。 そもそも うなぎを食べることで時間がかかることをイライラしたり怒ったりすること自体が野暮っていうものだ。 うなぎは時間がかかるに決まっている。 この三点盛りの前菜でビールを飲み干した私は、次の刺身に合わせるつもりで ちょっと珍しい日本酒を選んだ。 「農口尚彦研究所」という変わった銘柄だが、その名の由来となった伝説の酒造りの農口尚彦氏の手法を研究し、忠実に再現することを目的にした蔵の酒だ。 私は初めて口にするが、酒米の五百万石の特徴を活かしきった、滑らかで美味しい酒に仕上がっている。 しかし想像だが、やはり当時と比べて使用していた酒米が、気候が、蔵の設備が違うはずだ。 全く同じような酒に仕上がっているとは思えない。 が、しかし美味しい酒、という評価に陰りはない。 素直に美味しいと思わせる銘酒だ。 そうしているうちに待望のうなぎが。 先ずは白焼きだ。 添えられた山葵、塩、それに生姜を溶かした出汁で頂く。 ふっくらと、しかし表面はしっかりと焼き目の付いた歯ざわりの良い焼き上がり。 最初はシンプルに少量の追い塩と山葵で食せば、うなぎそのものの美味しさを一番感じることができる。 日本酒を流し込み、次は生姜入りの出汁を試してみる。 せっかく上手に焼き上げたうなぎに水分を含ませるのは いささか気が退けるが、コクのあるうなぎをさっぱりと頂ける。 次には「うざく」が。 出汁が酸味を優しくしている。 うなぎと胡瓜はまさに「出逢い物」だ。 殊の外相性が良い。 濃厚な味わいが続くなか、この酢の物は嬉しい。 肝焼きだ。 私が大好きな肝焼きは、注文できるお店であれば必ずお願いする物だ。 当然だが肝はうなぎ一匹に1つしかない。 肝吸いを提供するお店なら、それだけで終了だ。 故にお店が納得する品質の肝を選び、仕入れ、その肝を焼いて提供してくれるお店はとても貴重なのだ。 コチラの肝焼きはあまり焼かないタイプと感じるのだが、それがしっとりとした、パサつき感の無い焼き上がりになり、味もしっかり乗せてある。 山椒も卓上にあるが、それに加えて添えられた木の芽の香りに品の良さを感じる。 さて、いよいよメインだ。 名物の「一本うなぎ」を頂こう。 やはり肝吸いや薬味を従えた特別注文の器に、標準よりも大きなサイズのうなぎ丸々一本は迫力がある。 しっかりとうなぎを食べたい、という欲求を満たしてくれる質と量だ。 しかし私は偏屈者で、このしっかりと焼き上げられた美味しいうなぎに、わざわざ薬味など別の味を添えなくても… という考え方なのだ。 故に私はめったに「ひつまぶし」は注文しない。 たいていは「うなぎ丼」か「うな重」しか注文しない。 が、今回は仕方ない。 本来提供されるスタイルを、無理を言って変更してもらっているのだ。 これ以上はワガママというか、なんなら最初からアラカルトで好きなように注文するべきかもしれない コチラのうなぎの美味しさに変わりはない。 多少のことは我慢しなくては…。 最後まで美味しいうなぎに舌鼓を打ち、とても満足した。 さぁ! お腹もいっぱいになった! 我が家に帰ろう! 大好きな妻が待ってくれている!
2023/05訪問
1回
金沢での2日目、最後の夜。 美味しく、楽しい食事を頂いた後はコチラで〆とさせてもらおう。 バー「コントワール」さん。 金沢の地で名店としての確固たる地位を確立したバーである。 この日、たまたま私が訪問した時は ちょうど前クチのお客がお帰りのタイミングのようで、入れ替わりで入った私1人で いわゆる「貸し切り」状態になった。 コチラは人気のお店で、お客がいる状況が常なので ちょっと面食らったが、まぁたまにはこんな日もあるのだろう。 カウンターの一番奥に腰を下ろし、バックバーを眺める。 久しぶりにスコッチが飲みたくなった。 マスターに「シングルモルトでアイラ程ではないが、それに近いイメージのスコッチは…」と相談して決めたウィスキーが この「タリスカー」だ。 なるほど、これは良い選択だ。 さほどではないが、それでも十分ピート香を感じるタリスカーは まさに今 求めていたウィスキーだ。 しかも 一目でわかったが、オンザロックでお願いし、提供してもらったウィスキーの氷。 なんと!「面とり」がしてあるではないか! きちんとした日本料理のお店で炊き合わせなどを頂く際に野菜の角を「面とり」し、煮崩れしないよう、味がより染み渡るようにする為の、あの技法だ。 一枚の大きな板氷から 自分のお店のグラスのサイズに合わせて切り出すだけでも大変な作業なのに、更に仕上げに面とりまで施してある……。 よく、まん丸な型の氷でオンザロックを提供するお店には幾度も出逢ったが、氷の角を面とりまでするお店には今まで出逢ったことがない。 むしろまん丸にする方が慣れてしまえば簡単だ。 しかし諸兄は大きな板氷には、いわゆる「氷の目」というものがあるのをご存知だろうか。 氷を切り出す際、この「氷の目」に逆らっては上手く切り出すことができない。 なので、ある程度の大きさにカットしてからアイスピックで丸く成型する方が簡単なのだ。 たった1杯でこの氷を捨ててしまう事になるのが嫌だった。 「この上に注いで頂ければ……」と、同じウィスキーのおかわりを同じグラスで所望した。 約半年振りの訪問で、その間に赴任していた沖縄・宮古島での話、泡盛の話、台風の話……。 様々な話に花を咲かせ、2杯目のオンザロックがなくなったと同じタイミングで別のお客が来店してきた。 「頃合い良し」と思い、会計を済ませ、マスターやセカンドさんにお礼申し上げ、店を出た。 コチラは本当にいい。 カクテルを調合する技術、お酒に向かい取り組む姿勢、マナー、客あしらい……。 全て素晴らしく満足できる名店だと思う。 金沢に来たら外せないお店だ。 ディナーに利用したお店が少々物足りなかった夜。 モヤモヤした気分をリセットしたいと思い、以前伺ったコチラで飲み直したかった。 マスターもセカンドさんも 二人とも会話による客のあしらいも カクテルの処方も素晴らしいお店だ。 コチラでなら気分の良いお酒が飲ませてもらえるだろう。 扉を開けるとカウンター席は私達が腰掛けて満席になった。 マスターは私の事を覚えてくれていて、気持ち良い挨拶を頂き、それと共に「今夜は何を飲まれますか?」と。 すでに夕食を済ませていたので、ディジェスティフとしてマールかグラッパを所望した。 するとマスターは少し考えてからカウンターの端に移動して、そこから1本のグラッパを持ってきた。 せっかくどんなグラッパなのかを丁寧に教えてくれながらも、記憶力低下が著しい私は失念してしまったが、とても大切にしていた貴重なグラッパのようだったと頭の片隅に残っている。 それをストレートで頂いた。 マールやグラッパは、いわゆる「カスとり」だ。 ワインを作るために絞った葡萄。その「残りカス」を再度原料として使用し、蒸留したものだ。 今風に言えばSDGsなお酒とでも言おうか。 その独特な製法によって個性的な、力強い風味を携えた蒸留酒となるのだ。 フルコースを頂き、少し膨満感を覚えた時などにこれ等やシャルトリューズのようなリキュールを好んで飲むのが私の定番だ。 あまりお酒が強くない妻にはお任せで。 そこでグレープフルーツが好きな妻の為にソルクヴァーノ(グレープフルーツのジュースを使用したラムベースのカクテル)を作ってもらった。 客の好みと状態をすぐさま理解して、的確なカクテルを調合するのは良いバーテンダーの基本だ。 そういう意味でもコチラは一流だと思えた。 グラッパのあまりの美味しさと楽しい語らいに あっという間にグラスを空にしてしまった私。 〆の1杯をお任せで…と所望したところ、これまた珍しいアガヴェ100%のテキーラを出してきてくれた。 これもまたストレートで。 コチラのバーはマスターの温和な人柄に本当に癒される。 そもそもバーは こうした「止まり木」のような場所であって欲しいと思っているが、コチラはお酒の美味しさは勿論、マスターの持つ「徳」のようなものが ひとときの安らぎを求めてくる客を癒してくれるのだろう。 夕食時のつまらない出来事など とうに忘れてしまっていた。 ありがとうございました。 また この「止まり木」に羽を休めに来ます。 ふとしたきっかけで某ビールメーカーの北陸支社長とグラスを交わすことがあり、その際に金沢でお勧めのバーは? と尋ねたところ、コチラをご紹介頂いた。 「蛤坂 まえかわ」さんで極上の焼き鳥を頂いた後、まだ その余韻に浸っていたいと思いながら橋を渡り、その時にふと思い出したのだ。 お店の扉を開けると先客が1人いたが、ちょうどお帰りになるタイミングだったようで、実質私ひとりのようなものだ。 オーセンティックな、長く続けていらっしゃるお店独特の 雰囲気を湛えている。 先程の某ビールメーカーの支社長さんの紹介で参りました と ご挨拶させていただくと「そうでしたか!」と喜んで頂いた。 「生憎マスターは外出しておりますが、暫くしたら戻りますので…」との事だが、受け答えのしっかりしたセカンドさんなら安心だ。 さっそく何か頂こう。 先ずはスタンダードでお手並み拝見だ。 ギムレットを注文した。 材料としてのフレッシュのライムの扱い、氷の扱い…。 さすが金沢でのお勧めのお店、と紹介してもらっただけのことはある。 差し出されたギムレット、美味しく仕上がっている。 酒に関する話題、バーの最近のトレンドなど、セカンドさんとの会話を楽しみながら2杯目に。 「パスティスは何かありますか?」との私の問いかけには 「生憎ペルノ-くらいしか……」との返事が帰ってきた。 「構いませんよ。水割りでください」。 そうしているうちに他のゲストが来店してきた。 そのゲストが1組、2組と増えてきたタイミングで店主のマスターが戻ってきた。 ご常連さん達との挨拶を経て、セカンドさんから事情を聞いたマスターは私のところにもご挨拶に来てくれた。 名刺を交換し、しばらく会話をしていた私のグラスが空いたので、マスターの「よろしければ何かを…」との勧めに 「それではYOKOHAMA を。」と私。 ほんの一瞬だが「珍しいカクテルを…」という戸惑いとも思われる感じがしたものの、すぐさま製作に取りかかれるのは熟練の成せる技と知識だろう。 そして出来たカクテルはスタンダードでありながら、少しだけお店の、マスターのエッセンスが加わった仕上がりだった。 いや、楽しくも美味しいお酒を頂くことができた。 金沢に出張中の間には是非もう一度訪問したいお店だ。
2023/11訪問
3回
「金沢に焼き鳥の名店あり」と伝え聞いていた、予約が取れないお店「蛤坂 まえかわ」さんに伺う機会を得た。 まだ桜が満開の川岸を見渡しなから橋を渡りきると、すぐ左折する登坂の途中にお店はある。 古民家をリノベーションしたお店の入り口には清々しい程の真白な暖簾が掛かる。 その暖簾をくぐり抜け、中に入る。 出迎えて頂いたお店のスタッフの人に案内され、待合室へと向かう。 予約者だけの一斉スタート、という昨今の人気店ではそれがスタンダードになりつつある方法で、皆が準備の整ったカウンター席へと移動するよう促され料理は始まった。 カウンターの端からは中庭が望める。 なかなかの大旦那の邸宅だったことが窺える。 料理は旬を迎えた春野菜のジュレ寄せから始まった。 コースは焼き鳥ばかりではなく、途中途中で野菜類も加わり口が、舌が疲れない。 私は料理には日本酒を合わせたかったので最初は自分で選んだ五凛をお願いしたが、次からの料理は何がどういう順番で提供されるのかわからないので、2杯目からの日本酒はご主人にお任せした。 いろんな部位、食材を、その特徴に逢わせて焼き上げ提供する料理には感心したが、中でも印象深かったのが「提灯」と呼んでいたキンカンが付いている部位の焼き鳥だ。 「かなり大きな物になりますが、より美味しく味わって頂く為には全部をひとくちで…」と指南をうけ、大きな口を開けてひとくちで。 すると先ずはキンカンの濃厚さが口中を支配するのだが、それに負けじと鶏肉の力強い味わいが立ち上がる。 噛めば噛むほど、咀嚼をすればするほど味わいは変化をし、喉奥に向かわせるのが惜しくなる。 長く続く余韻に暫くの間浸り、その幕引きに日本酒を流し込む……。 まるで一編の短編小説を読み終えたかのような気持ちだった。 変幻自在の「まえかわ劇場」も終盤を迎え、最後に追加で食事物も承りますが…… とおっしゃられ、せっかくなので私は親子丼を。 他のゲストも銘々が好きな食事をお願いしていた。 勿論、〆の食事にも抜かりなど無く、最後の最後まで美味しく頂くことができた。 惜しむらくは私は出張中の身分であるがゆえ、再訪するには予約が取れそうもない、ということだ。 こんな素敵なお店には 是非妻を連れてきてあげたかった。 またいつか…… そんな日が来ると夢みながら……。
2023/03訪問
1回
二年前に業務応援で2ヶ月滞在した私を慕ってくれたメンバーが集まってくれた。 それも女性ばかり(ドヤ顔) (笑) 嬉しいことだ。 ならば…と僭越ながら会場にするお店は私がリクエストさせてもらった。 それがコチラ「くぼ田」さんだ。 当時、私が通う為に居住していた会社の寮から程近く、散髪する美容院も近かったことから、コチラには頻繁に通わせて頂いていたのだ。 新鮮な魚介類を扱い、刺身をはじめ様々な料理を楽しみながら晩酌をさせて頂いた。 この日も「料理は決めずにおきますから、○○さんが好きな物で…」との配慮も嬉しかった。 先ずは各々の好きなドリンクで乾杯した。 付きだしの梅貝の煮付けは この地の居酒屋さんでは定番のメニュー。 「この梅貝の肝までをつま楊枝を使って最後まで切らさないで綺麗に剥けたら明日は良い事がある、っていう話、知ってます?(笑)」 なんていう話をしながら酒が進む。 治部煮だ。 これが食べたかったんだよなぁ。 コチラは治部煮の肉を鴨肉か鶏肉かを選べるのだが、私は迷うことなく鴨肉だ。 それこそが本来の治部煮だろう。 私のいけない癖で、楽しい飲み会の時は 料理の写真を撮り忘れてしまう。 だからこの日もココまで。 写真が無い、という事は それだけ楽しかったということだ、と解釈してもらいたい。 「くぼ田」さん。 いつもありがとうございます。 金沢の地に訪れる際は、また必ず寄らせて頂きますね。 益々の商売繁昌を祈念しております。 約半年振りに金沢に遊びに来た。 その時、一緒に仕事をした仲間に連絡を入れると 「○○さんが来るなら皆に声をかけておきますから」と 私の為に歓迎会のようなことを催してくれるそうだ。 その会は夕方18時に開催するとの連絡をもらったが、私としては今回金沢に訪れるならコチラ「くぼ田」さんにも顔を出しておきたい。 なにせ赴任期間の2ヶ月の間に何度か伺い、焼酎のボトルは期間中に三本を預かってもらった とてもお世話になったお店だ。 歓迎会のお店へはコチラからならさほど遠くない。 ほんの短い時間だが伺うことにしよう。 久しぶりに暖簾をくぐる。 口開け一番の客になるのかな、と思っていたら、既にカウンターには3名、テーブル席にも1組の先客が。 相変わらずのご繁盛に安心する。 私の顔を覚えてくれていて、とても良い笑顔で迎えてくださった。 事情を説明し、 「30分で出ていくからビールと刺身だけでもいい?」と。 それを快く了承してもらった。 その刺身。 これも相変わらずの美味しさだ。 鮮度の良い地の物だけを使用した刺身に懐かしさを覚える。 懐かしいということで改めて店内を見渡すと、黒板には「香箱蟹」の文字が! 今回の金沢で最大のお楽しみだった香箱蟹は、海のシケで船が出せず入荷が遅れる、との情報を得ていた。 それがどうして?…… 答えは簡単。この日の香箱蟹は石川県産ではないらしい。 お店としては本来ならこの日から提供が始まるはずだった香箱蟹を楽しみにしていた顧客をガッカリさせたくない、との思いから 珍しく石川県産以外の物を仕入れた、との事だった。 なるほど。 では私も割りきって香箱蟹を頂くことにしよう。。 確かにせっかく楽しみに金沢まで来たのだ。 蟹を食べずに帰りたくはない。 という事で「時間が無いけど間に合います?」と確認して「大丈夫」との返事。 ではお願いするとしよう。 ほどなく提供された香箱蟹の蟹面。 丁寧に身剥きされた蟹肉が美しい。 それを箸で退けると中にはこれまた美しい内子と外子が。 楽しみ方は人それぞれなれど、私は剥き身、内子、外子それぞれを一緒に口に運ぶのが好きだ。 うん。美味しい美味しい。十分だ。 やはり石川県産の物ではない、という一抹の寂しさは拭えないが、それでもお店のお客様への思いを汲み取れば、その分美味しく感じることもできる。 やはりコチラは良いお店だ。 優しさに満ちている。 これからも金沢を訪れる事があれば、必ず予定に入れておきたいものだ。 明日、金沢を離れるという最後の夜。 約2ヶ月以上の期間で一番お世話になって、一番好きになったお店で締めくくりたい。 その思いにふさわしいのは間違いなくコチラ「くぼ田」さんだ。 あまりの来店頻度に最初と二回目以降はレビューを割愛していたが、最後は感謝を込めて記載させて頂きます。 いつもなら料理五品のおまかせをお願いし、預かってもらった焼酎で飲るのたが、最後になる今回は自分にとって思い出に残る料理を注文したかった。 お通しのベビーホタテをつまみながら料理を待つ。 最初は刺身だ。 盛り合わせた刺身はガス海老とバイ貝。 共に北陸を代表するネタだ。 何度この旨さに舌鼓を打っただろう。 焼酎が無くなり日本酒を。 私にとって北陸の酒の魅力は なんと言ってもその繊細さにある。 どちらかと言えば力強さよりも優しさを感じる日本酒だ。 その日本酒に合わせるのが茹でイワシだ。 以前、コチラで同じものを初めて頂いたのだが、これが驚くほど美味しいのだ! ただ茹でただけのイワシを たっぷりの大根おろしの入った酢醤油で頂く。それだけだ。 こんなシンプルな食べ方がこれ程まで美味しいと感じるのは何故だろう…。 そんな問いかけをしたところ、答えは簡単。 脂の乗った新鮮なイワシを使うこと。これにつきる、と。 塩をして焼くよりも、酒や醤油や味醂で炊くよりも、この食べ方はイワシ持つ繊細な風味の魅力を最大限引き出してくれる。 酒が進む。 最後の一品は加賀を代表する郷土料理「治部煮」を。 この治部煮、やはり鴨肉を使うに限る。 お店や 販売している惣菜、レトルトになっている物まで幅広いが、鴨肉の代用として鶏肉を使用した物がある。 それもある意味工夫をした結果と言えばそれまでだが、私の経験上、鶏肉を使用した治部煮が鴨肉を使用した物より美味しいと思ったことはない。 肉の持つ力強さが違うからだ。 その鶏肉よりも力強い鴨肉を受け止める出汁は、鴨肉から出る成分なのか餡をかけた煮汁となり、それが鴨肉に纏わることが美味しさを引き出している料理だ。 最後の夜を思い出に残るお店で頂くことができた。 金沢の、北陸の魅力をたくさん教えてもらい、そして私のような厄介者にも温かく接して頂いたお店の皆さん。 大変お世話になりました。ありがとうございました。 また金沢を訪れる際には必ず再訪させて頂きます。 前回、料理の美味しさ、お店の雰囲気と楽しさから 近いうちに再訪したいと思っていた。 主に地元の人達に愛されるお店「くぼ田」さんだ。 前回はご常連さんとの会話の楽しさから料理をまともに 味わえなかったのがちょっとした後悔となり、早い段階で再訪したかったのだ。 今回はまだお陽様も沈みきらない時間帯に来店した。 さすがに一番乗りなので、カウンター席で常連の方々の邪魔にならない席を…とお願いすると「いやいや、どこでもお好きな席に」と。 それでは、と 先ずはビールをお願いし、今回はじっくり お品書きに目を落とす。 それでも あれもこれも…となってしまいそうなので、黒板にあるおまかせ料理を注文することにした。 ちなみにお店には3種類のコースがあるが、いずれも値段は2,800円と同じ。 では何が違うのか? との答えが 晩酌コースが飲み物2つと料理3つ。 ちょい呑みコースが飲み物1つと料理4つ。 おまかせコースが飲み物無しの料理5つ、という内容。 いろんな料理を楽しみたい私はおまかせコース、という訳だ。 最初の料理はイカの下足を生姜や胡麻でさっぱりと和えた物が。 これがいきなり旨い! なんのことはない料理と思うなかれ! イカの鮮度が抜群に良いことが理由の1つなのだろうが、 それにしてもこの美味しさは……。 ちょっとした先制パンチを喰らった感がした。 こうなればコチラも応戦しなければ。 芋焼酎をボトルで注文だ。 これをお湯割りにしよう。 二品目は刺身の盛り合わせだ。 季節の鮮魚が盛り込まれるなか、先程のイカがここにも。 やはり刺身として醤油と山葵で頂いても美味しいし、他にもサヨリやサワラ(金沢ではカジキマグロのことをサワラと呼ぶ)なども。 焼き物は鯵を塩焼きで。 他にも目鯛のフライをタルタルソースで。 コースの最後五品目は刺身にできる程の大粒のバイ貝を煮付けに。 これだけの料理の数、クオリティで2,800円はお値打ちだ。 しかし食いしん坊の私は更に牛スジの煮込みまで追加をしたのだ。 焼酎をボトルで入れて会計が8,000円程。 うん。やはりコチラは良い。 近くにこんなお店があって良かった。 金沢で長期出張生活をしている。 髪が伸びてきた。 いつもお世話になっている美容院は遥か彼方に……。 そうなれば自ずと金沢市内で美容院を探さなくては。 会社の若いスタッフに「どこか良い美容院は?…」と聞いて紹介してもらい、そのお店で散髪をしてもらい、更にそのオーナーに紹介してもらったお店がコチラ。 「観光客じゃなく地元民から人気のお店なんですよ。」 そのコメントが散髪後の行動を決定づけた。 地元の人に人気のお店だ。 悪かろうはずが無い。 散髪を終えた後だから、時間は20時を回っていたと思う。 店内は満席のようで、「あちゃ~、座れるかなぁ……」。 それでもなんとかしてもらい、カウンター席に腰をおろした。 初めてのお店だ。 勝手もわからないし、お勧めの料理も解らない。 そうなれば自分が食べたい物を食べ、飲みたい物を飲むだけだ。 先ずは この時期を待っていた「ガス海老」をお造りで。 春の北陸地方の海老と言えば白エビだろうが、どうしてどうして「ガス海老」も負けず劣らず。 いわゆる「脚が早い」海老なので北陸地方以外の魚関係のお店以外ではなかなかお目にかかれない。 この鮮度抜群のガス海老には やはり地元の日本酒を合わせたい。 宗玄だ。 奥能登の酒蔵として250年の歴史を誇るこの逸品こそが ガス海老のお供にふさわしい。 デリケートで甘やかなガス海老をふうわりと優しく包み込んでくれる。 ここで隣の席の、地元のご常連の紳士二人とお店の料理で主に焼き物等を担当していると思われる人が 甘海老の上手な剥き方、食べ方について興味深い話をしているのが耳に入ってくる。 思わず その会話の中に加えてもらったことがきっかけとなり、意気投合した私達はこの先 痛飲することになる…。 焼き魚を提供してもらったが、話に夢中になり、魚の名前を失念する…。 美味しい魚だっただけに きちんと名前だけでも記憶しておくべきだった。 その後は郷土料理の治部煮を頂く。 コチラでは治部煮は鶏肉か鴨肉を選べるようになっている。 鴨好きな私は治部煮は鴨肉を使用している物こそがそう呼ばれる料理と思っているが、中には鴨肉が苦手な人もいるだろう。 臨機応変に金沢の郷土料理を広く知って欲しい、食べて欲しいというお店の気概を感じさせる。 勿論 味も文句なしに美味しい! その後は日本酒も進み、紳士お二人との楽しい時間を過ごすことになる。 話に加えて頂いたことにお礼を申し上げお店を後にしたが さすが地元の人が勧めてくださるだけのことはある。 次回は焼酎をボトルでお願いしようかな……。
2025/07訪問
8回
金沢土産として妻への為に購入したが、私自身も興味を覚えたのだ。 能登・輪島。 震災で甚大な被害を受けた地域だ。 私自身、金沢に数ヵ月業務で滞在し、その間の休日には和倉や氷見といった能登半島地域を観光で訪れた思い出がある。 復興は遅々として進んではいない現状を憂い、気になってはいた。 その輪島発のプリンだ。 たとえこんな細やかな事でも輪島の、能登の復興の一助になるなら…と思って購入することにした。 能登の揚浜式塩田で造られる塩は、我が家の塩として使用している。 ステーキを焼いたら能登の揚浜式塩田の塩と一緒に粗めにおろした山葵とガーリックチップを一緒に口に運ぶ。 塩の代わりに和歌山の湯浅の濃口醤油でも。 その食べ方が一番美味しい食べ方だ。 ステーキソースなど要らない。 質の良い肉の旨味を一番感じる事が出来るのは 間違い無くこの方法だ。 そのステーキだけでなく、例えばトマトスライスにハラリと。魚を焼く際には勿論この塩だ。 そんな能登の塩田も地形の変化や陥没などで壊滅的な被害を受けた。 こうしてわずかながら操業して造られる塩を使用しているプリンだ。 応援したくなるのは当然だろう。 自宅に持ち帰り、妻と一緒に食べた。 キャラメルソースの無い、塩のミネラルを感じる大人向けの味わいだ。 能登の皆さん。 プリン、美味しかったです! まだまだ遠き道のりでしょうが、心は皆さんの元にあります。 頑張ってください!
2025/07訪問
1回
金沢の2日目の夜。 食べログ友達の「背の高いサンタ」さんとの会食の約束をコチラでしていた。 久しぶりの再会を喜び、先ずは待ち合わせ時間に遅れた事を詫び、手土産を渡す。 気の良いサンタさんは笑顔で許してくれた。 コチラのお店はサンタさんは常連客のようで、もう何度もレビューを投稿している。 その最新版にコチラのドリンク「山椒ハイボール」なる文言を見つけ、いかにも美味しそうなレビューから、私も是非とも飲んでみたくなったのだ。 先ずは2人共に その「山椒ハイボール」で乾杯した。 付きだしから始まり、予約の段階でお願いした「一人前桶盛り(刺身の盛り合わせ)」に舌鼓を打つ。 しかし この先は…… いつもそうだが、私は楽しい酒席になると、料理も酒も 写真はおろか何を食べたのかさえ記憶に無くなってしまう悪癖があり、せっかく楽しみにしていたお店なのにほとんど覚えていないのが正直なところだ。 ただ、サンタさんとの会話が楽しかった事だけはしっかりと覚えている。 でなければ次の店に二次会に向かう訳がない(笑) その二次会のお店でも痛飲することになり、翌朝は酷い事になってしまった…。 あ~あ… お店のご主人、次回は必ず落ち着いて料理も酒も頂きますので何卒ご勘弁してください……。
2025/07訪問
1回
金沢へ遊びに来た初日に素敵なフレンチレストランで食事をすることができたが、そちらはビストロスタイルのお店で私はアラカルトで注文したのでデザートはなかった。 しかし約半年程前には2ヶ月間も金沢にいた私。 そのお店から すぐ近くにあるコチラを思い出した。 そうだ。デザートはコチラで新鮮ながら食べ頃のフルーツをふんだんに使用したパフェを頂くことにしよう。 場所は先程のお店から徒歩1分。金沢エムザからも程近いところにある。 お店の1Fは主に贈答用の高級なフルーツや、テイクアウトで楽しめるデザート類を販売している。 妻が金沢に来た時は、このテイクアウトのパフェの虜になってしまい、何度か購入しては食べていたようだ(笑) そのビルの脇には階段があり、そこを登って入り口へと向かう。 階段下にはメニューがあり、様々なパフェやデザート類の誘惑が 今日は何を食べようかと頭を悩ませ足を止めさせる。 この日は平日の14時頃に伺ったが、珍しく若干の空席もあり、男性1人の私はテーブル席ではなくカウンターの一番奥の席を利用させて頂くことにした。 改めてメニューを見る。 どれもが魅力的で優柔不断な私は簡単には決められない。 と、そこへ目に飛び込んで来たのが今回注文した 「プリンアラモード」だった。 以前、この「プリンアラモード」の発祥の地と知られている横浜のニューグランドホテルで食べたことがあるが、それ以来のプリンアラモードだ。 さすがに あの独特の舟型のようなガラスの器ではなかったが、それでもコチラのプリンアラモードもプリンを中心に彩り良く盛り付けられたフルーツやグラス類が美しい。 特にフルーツの美味しさは際立っている。そのうえ柿はコンポートにして提供するなど ちょっとした工夫も加えている。 プリンも最近の流行りとはいえ、やや固めに仕上げた物が さらにクラシカルな「プリンアラモード」というデザートの雰囲気を醸し出している。 前のお店での食事の内容もクラシカルなフレンチだったので、その流れとしてもコレをデザートとして選んで良かった。 戦後、横浜に駐留していた米軍の将校のご婦人方を喜ばせようと考えられたこの「プリンアラモード」。 誕生からもうすぐ1世紀の時を隔てても このデザートのような彩り鮮やかな魅力は まだまだ人々の心を掴んで離さない。
2023/11訪問
1回
金沢最後の夜だ。 明日は自宅に戻る移動日になっている。 長らくお世話になった職場のスタッフとの別れを惜しみ、荷造りを済ませた時は夕方になっていた。 金沢駅の近くにある気になっていたバーでアペリティフを楽しみ、その後にコチラに伺った。 なぜアペリティフを…というのも、コチラはかなりの人気店のようで、なかなか予約が取れない。 なんとか入るには「20時30分からのお席になりますが…」とのことだったので、それまでの時間潰しをしたのだ。 先に伺ったバーは素晴らしく、その余韻が残るなかコチラに向かった。 近江町市場のすぐ近くという立地ながら、それゆえさすがにこの時間になると人影もまばらだ。 渋い暖簾が掛かるお店を見つけ、それがコチラのお店であると解るような入り口だ。 その暖簾をくぐると、確かにそれまでの忙しさを感じる雰囲気が残っている。 L字型のカウンターの一番奥に案内されて腰をおろす。 メニューはお任せの内容だ。 飲み物は…との問いかけに、先程まで喉を潤すには十分なカクテルを頂いてきたので、コチラでは最初から日本酒を。 最後の夜だ。 先ずは地元の蔵の日本酒を頂こう。加賀鳶だ。 この2ヶ月と少々の間に、この加賀鳶をはじめ どれだけの銘柄の日本酒を飲んだだろうか…。 この加賀鳶は勿論、全てが思い出に残る銘酒たちだ。 最初に自家製の糠漬けが提供された。 程よい漬かり具合はこれから頂く焼き鳥や料理の良い箸休めだ。 次にお任せ以外の追加したメニューから始まった。 「鳥わさ」はスターターとしてふさわしい味わい。 薬味と山葵をよく和えて食べることで 爽やかさが舌だけでなく鼻腔でも楽しめる。 「鳥のたたき」だ。 正直、「これが一番美味しい!」と印象に残った一品だ。 炭火で焼かれた皮目が香ばしく、かといって焼きすぎている訳ではないのは写真を見て頂くと解るように絶妙な加減を掴んでいる故の仕事だろう。 しっとりしたレア感がたまらない。 添えられた柚子胡椒が華やかな香りをも纏わせる、素晴らしい逸品だ。 串焼きがスタートした。 一本一本を丁寧に焼いてくれる仕事ぶりは、先程のたたきで証明済みだ。 合間合間に焼いてくれる野菜は鶏肉の脂分に占領された口中をリセットしてくれる。 すると次の焼き鳥がまた新鮮な味わい、風味で楽しめる。 酒も進む。 最初の日本酒はガラス器で頂いたが、次の日本酒はぬる燗を所望したので、目の前にあった九谷焼の酒器で、とお願いした。 元々 私は日本酒の醍醐味として、様々な酒器で楽しめることも魅力の1つと考えている。 陶器に磁器。様々な釉薬により表される味わい深い色柄、模様。盃があればぐい飲みがあり、徳利もあれば片口もある。鏡開きの後には枡で、時には居酒屋でコップ酒を……。 そんな多様な酒器で楽しめる酒が他の国にあろうか。 それこそが日本が誇る文化である。 お店の酒器はなかなかの物で、九谷焼をはじめ様々だ。 私は普段は九谷にはあまり興味が湧かないが、北陸最後の思い出にふさわしいだろう。 焼き鳥と日本酒を堪能したところで最後の〆の食事の物を訪ねられ、迷わず「たたき丼」をお願いした。 酒の肴として頂いても秀逸な料理を 再度〆の食事として味わえば、温かいご飯と合わさって また違う魅力が引き出された。 やっと落ち着き 一通りの料理を提供し終えた大将が私に話しかけてくださり、この2ヶ月と少々のいろんな思い出を語る私の話にお店の皆さんと一緒に耳を傾けて頂き、楽しい酒席になった。 大将、皆さん、お世話になりました。 そして金沢。 沢山の思い出をありがとう。 きっと… きっとまたいつか…………。
2023/05訪問
1回
金沢に長期間の出張をしている。 ようやく仕事にも慣れ、土地勘もついて落ち着いてきた。 そうなれば街の美味しいお店を廻りたくなるのは当たり前か。 いろんなお店があるなか、私が最初に行きたかったお店がコチラ 味噌ラーメンの名店「麺屋 大河」さんだ。 ちょうどこの日から1年前に 久しぶりに妻を連れだって金沢に旅行に来たが、その到着したお昼に頂いたのが金沢駅からも近いコチラの味噌ラーメンだった。 当時は まだコロナの影響が色濃く残り、観光客も少なかったからか、お店に開店の5分前に到着した際には誰も待っている人はいなかったので、すぐに席に座ることができた。 しかしこの日の行列はどうだ! 今や金沢でのNo.1のラーメン店の地位を確立したコチラ。 さすがの行列ぶりだ。 当時と同じ開店5分前に到着したら、私の前には16名の人達が開店を待っていた。 (先頭の人は いったい何時から待っていたのだろう…) お席は12席のカウンターのみなので、私はふた回り目になった。 それでもスタッフの人達のオペレーション、手際の良さでさほど待つことなくお店に入ることができた。 外で待っている間にスタッフの人が注文を聞きに来てくれるので、提供もスムーズだ。 私はその1年前に食べてとても美味しかった真っ黒な独特の色をした「黒味噌ラーメン」に煮卵を追加した。 当時、妻が食べた「赤味噌ラーメン」にも興味をひかれたが、この「黒味噌ラーメン」は他にはない、このお店の スペシャリティに思えるのだ。 先ずはサービスの野菜ジュースから。 この心遣いが嬉しい。 食べる人の健康を考えたサービスは他では見られない事。 こうした ほんのささやかな事が実はお店を、ご主人をも表しているのだ。 やがて久しぶりの再会が嬉しい黒味噌ラーメンが着丼。 レア気味のチャーシューの下には白髪ネギともやしが。 そして追加した煮卵だが、これにはスタッフの女性が 「この煮卵は ちょっとだけ形が崩れてしまっただけで、味は全く同じです。なので「くずれ玉」としての扱いにさせて頂きますね」 と説明してくれた。 いやはや、写真をアップしておいたが、この程度の崩れは私的には全く問題ないのだが、わざわざそうしてくれる その心遣いも また一流だ。 ラーメンの味もしかり。 相変わらずの美味しさは、ちょうど1年前に妻と一緒に食べて感動したことを想起させてくれた。 このイカ墨のコクと味噌のバランスは素晴らしく、おそらくはメニューとして客に提供するまでに幾度となく試作を重ねたのではなかろうか。 そう思わずにはいられない抜群のスープは、せっかく最初に健康に気遣い野菜ジュースをサービスをしてくれたのに 気がつけば最後までスープは飲み干していた。 このラーメンは私を夢中にさせる。 金沢に来たら、先ずはご挨拶替わりに立ち寄るべきお店になってしまったぞ……。 妻と一緒に北陸の金沢に向かった。 私にとっては20数年ぶり、妻は初めての金沢だ。 前日までの天気予報ではずいぶん雪が降るようなことを言っていたが、当日はお天気に恵まれた。 電車は定刻どうり運転しているとのことで先ずは胸を撫で下ろす。 金沢駅に到着したのは11時48分。そこから徒歩でお店に向かった。 ちょうどお昼時でもあり行列が出来ていることを覚悟していたのだが、これも新型コロナの影響なのか以外な程早く着席できた。 今日は普段炭水化物を取りたがらない妻を無理やり誘った手前、美味しいラーメンを食べさせてあげないと後が怖い。 私は最初から食べてみたかった「黒味噌」を。 辛い物が大好きな妻は「赤味噌」をそれぞれ注文した。 やがて着丼したラーメンたが、私の黒味噌はイメージしたとうりの美味しさ。イカスミがスープにえもいわれぬコクを与えている。やや太めの麺がよく絡み、食べごたえも十分だ。 妻の赤味噌は想像したより辛い味になってはいたが、辛 さの中に干した小海老の旨味が加わって箸が止まらない。 二人して汗をかきながら美味しく完食させて頂いた。 妻がラーメンを完食するのはとても珍しいことで、「そんなに美味しかった?」と尋ねたら「今まで食べたラーメンの中でも三本の指に入るよ!」と興奮気味に喜んでいた。 やはり北陸の寒い冬にはこれくらいのチカラ強い味のラーメンが美味しいのだろう。 金沢に来ることが再びあれば是非とも寄りたい、そんなお店だ。
2023/03訪問
2回
金沢土産に妻が大好きな「塩豆大福」を1つだけ購入した。 以前、2人で観光目的で金沢に来た時にも購入したが、その時に妻が「とても美味しい!」と喜んでいた事を思い出したのだ。 いい大人が「塩豆大福、1つだけください」というのが とても恥ずかしかったが、愛する妻が喜ぶ顔が見られるなら…。 ……やっぱり2つにすれば良かったかな(笑)
2025/07訪問
1回
金沢でのお土産として私達夫婦が大好きなのはコチラの 「農家屋ぽてと」だ。 土地の名産品である「五郎島金時」芋を使用した銘菓である。 私達は夫婦二人暮らしなので、この4個入りの物が量的にもちょうど良く、お店も駅構内の商業施設の1階にあるので購入しやすいうえに価格も手頃なので金沢での思い出として毎回購入している商品だ。 勿論味も申し分無い。 しっとりとした口あたり。 乳製品を加えた滑らかさに加えて ほのかに香るラム酒。 日本茶やコーヒーもいいが、私達はこれを紅茶と共に楽しんでいる。 コンパクトなサイズ、消費期限も比較的長いように思われ、贈答用としても自宅用としても重宝するだろう。 お勧めしたい銘菓だ。
2023/11訪問
1回
諸兄は「ミクソロジーカクテル」をご存知だろうか? 「ミクソロジーカクテル」とは、フュージョン料理の流行を取り入れつつ、フルーツや野菜などのフレッシュな素材をスピリッツなどのお酒と組み合わせたカクテルのことだ。 つまり「ミクソロジーカクテル」とは、従来のカクテルを作る際に使うリキュールやフレーバーシロップを一切使わずに、新鮮なフルーツや野菜、ハーブやスパイスをスピリッツと呼ばれる蒸留酒と組み合わせて作るカクテルのことで、素材そのもののうまみを極限まで引き出せるカクテルとも言われているようだ。 そのミクソロジーカクテルを作る人は単にバーテンダーとは区別した「ミクソロジスト」とも呼ばれる。 そのミクソロジストの、金沢では草分け的な存在がコチラのオーナーだ。 私は数年前にも東京でこのミクソロジーカクテルを頂いたことがあるが、コチラではどんなカクテルを飲ませてくれるのか興味が湧いたのだ。 インバウンドや日本人観光客で賑わう鼓門がある金沢駅東口の反対側、西口からすぐのビルの二階にお店はあった。 1階は回転寿司のお店だが、2階より上はオフィスのようで、コチラのお店も2階にありながら 入り口はまるでオフィスの入り口の扉のように殺風景だ。 しかしこの殺風景な扉を押し開くと視界は一変する。 立派な鹿の角をあしらった印象的なシャンデリアが出迎えてくれる。 その真下にあるボトル棚を 鍵穴の型に似せたユニークな造りのカウンターが取り囲む。 落とした照明の加減、ハイセンスな内装、窓越しには夕闇に包まれた街の明かりが…。 全てが調和した素晴らしい雰囲気のバーだ。 そんなバーでミクソロジーカクテルを調合してくれるミクソロジストがオーナーのお店だ。 少し汗ばむような陽気の1日の締めくくりに、先ずはジンを使った何かさっぱりするカクテルを……と。 オーナーと相談したところ「ちょっと珍しいクラフトジンを使用したジントニックはいかがでしょうか?」との提案が。 我が意を得たり! そうしましょう! だけどトニックだけではなく、ソーダも加えたプレススタイルで、とリクエストした。 シンプルな1杯だ。 だからこそ その1杯には作り手の「顔」が解る。 材料としてのこだわり。どんなジンを使うのか。 トニックウォーターのメーカーは? ライムは? 氷の形状は? ビルドは?…… そんな所作を見つめながら「どうぞ」と提供されたカクテルに手を伸ばす。 クラフトジンの特徴的な香りにライムのピールに由来する香りが重なる。 口に含むと その香りは口中で広がり鼻腔をくすぐる。 うん。素晴らしい! この先を期待させるに十分なカクテルだ。 オーナーのバーテンダーとしての技量が理解できたら、次はミクソロジストとしてのお手並みを拝見したくなった。 次なるミクソロジーカクテルは全くのお任せで。 私という人物にどんなカクテルを飲ませてくれるだろう。 「蕎麦とパイナップルを使用し、泡の上に浮かべてあるのは味噌を……」 という、私のような凡人には思いもつかないレシピのミクソロジーカクテルが提供された。 最初は解りやすいパイナップルの香りが。 しかしその中には浮かべた味噌のフレークの香りを探すことができる。そこへ蕎麦が……。 複雑な、初めて遭遇するレシピに驚き、戸惑いながらも その完成されたレシピによる味わいに、このミクソロジーカクテルの世界の奥深い一面に触れることができた。 私が好きなオーセンティックな雰囲気のバーとは異なる、新しいバーとしての魅力に溢れたコチラのお店、まさにこれからの時代をリードしていくバーになる予感がした夜だった。
2023/05訪問
1回
約2ヶ月以上に及んだ金沢への出張。 いよいよ後少しで離任、というところまで来た。 妻も私の事を心配して(? 本当は遊びに来たかっただけ? 笑)金沢に10泊もしてくれたが、そろそろ自宅に戻る事に。 感謝と、また暫しのお別れを惜しんで最後の夜にはコチラでディナーを取ることにした。 春先に着任した頃と比べて随分陽が長くなった。 まだ明るさの残る夕暮れ時に私達は訪問した。 お店はディナーではアラカルトが基本のようだが、この日はシェフからの提案で、お任せの内容でコース料理に仕立てた物を頂くことにした。 本当はアラカルトで好きな料理だけを注文したかったが、せっかくの申し出だ。 代わりに食べたかった食材、苦手な食材を織りまぜてくれるという。 先ずは乾杯だ。 妻は好きな赤ワイン、私は料理に合わせた白ワインをグラスでお願いした。 どんな料理が提供されるのかわからないので、ワインもお任せで料理とペアリングする物を選んでもらう事にしたのだ。 プリモにはシーフードのマリネだ。 様々な魚介類のマリネのヴァリエーションが楽しい。 次の料理は残念ながら失念したが、真鯛を使用した料理と記憶している。 スカンピ(手長エビ)が出てきた。 炭火焼で提供されたスカンピは殻が焼ける事で香ばしさを伴う。 その香りと共に甘やかなスカンピを味わえば、シンプルながら これが最上の料理方なのでは…と思わせる。 次はメイン料理。 私がリクエストした「牛、豚、鶏肉以外の肉料理」を受けてシェフが提供してくれたのはトリュフの風味を纏った鹿肉のロティだ。 ワインもリクエストでグルナッシュやシラーの物で、とお願いしたが、「生憎ご用意が…」と。 ならば、とシェフが「100%カベルネ・ソーヴィニヨンのイタリアワインはいかがですか?」と提案してくれた。 「わかりました。それを頂きます」となった 野生味を残した鹿肉の部位は、おそらくランプだろう。 私はトリュフをさほど好まないが、この鹿肉には合う。 しっかりと咀嚼すると肉のジュースとトリュフが相まってとても美味しい。 セコンドとして登場することが多いパスタがコースに織り込まれているなら、それも私のリクエストでメイン料理のあとに出して欲しいと。 そうして登場したボッタルカのパスタは、いわゆる〆の一品だ。 ワインも美味しい。 デザートは不要、と伝えていたが、もう少し余韻に浸っていたかったので、チーズのアソートも追加した。 すっかり暗くなった窓の外を眺めながら、忙しくも楽しかった金沢での生活も終わりをむかえようとしている。 最後に思い出になる料理を頂けた事、お店に感謝申し上げたい。 ありがとうございました。ご馳走様です。
2023/04訪問
1回
凄いお店だ。 これだけ多くの入手困難な日本酒、どうやって揃えられるのだろう……。 今回の金沢の旅は、馴染みのお店ばかりを廻る予定だったが、数少ない初訪問のお店の中で一番楽しみにしていたのがコチラ「酒粋 醍醐」さんだ。 私の為の飲み会を催してくれた、当時一番仲良くしてくれた女性が 私が今回宿泊するホテルのロビーまで迎えに来てくれると言う。 ならば… と、私ひとりでも良かったのだが、その女性スタッフも「良かったら一緒に…」と誘ってみると「えーっ、良いですね! 行く行く!」となったのだ。 お昼の15時からの営業というのも都合が良く、「飲み会の前のアペリティフとして…」軽く、極軽く頂く事にしよう。 タクシーで向かったのが、飲み会の1時間半前。 往復の時間を入れると、お店の滞在時間はちょうど1時間程になる。 先ずはお店の外観に圧倒される。 かなりの種類の酒瓶が私達を出迎えてくれた。 扉を開き、店内へと進むと 更に驚く程の名酒がバックバーという役目のガラス窓の冷蔵庫に並んでいる。 十四代、新政、而今…… どんなコネクションがあれば これ程の酒を集められるのだろう……。 いずれも入手困難な日本酒ばかりだ。 しばし見惚れてしまう……。 いやいや、時間がもったいない! 酒は眺める物ではなく飲む物だ。 さっそく注文しよう。 私だが選んだのが「而今」。 今、私が一番美味しいと思っている日本酒だ。 連れの女性スタッフは、地元の「勝駒」を。 お互い切子のグラスに注がれた酒で再会を祝して乾杯した。 軽くとはいえ酒の肴も欲しい。 メニューと、それ以外にも小さな黒板にも この日のお勧めが記載されている。 この後もあるので、あまりお腹に溜まる物は避けたい。 付きだしの南蛮漬けもあるので、他には鮪のタタキと烏賊の肝和えをお願いした。 日本酒を代表するような名酒だ。 酒が旨いのは言うに及ばず、アテの肴も、特に烏賊の肝和えは「塩辛」よりも深い味わいで、これは酒が進んでしまう。 次なるはお互いの酒を交代してみようと。 私が「勝駒」、連れの女性スタッフが「而今」だ、 酒と肴が旨いと会話も弾む。 予定していた1時間はあっという間に過ぎてしまった。 後ろ髪を引かれる思いで会計を済ませ、お店を後にしたが、次回金沢に来ることがあれば… いや、このお店に来る為に金沢に来たくなりそうだ。 また1つ、良いお店に出会うことができた。 金沢、懐の深い街だ……。