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2025/09訪問
1回
北海道・札幌へのご褒美旅。 その中でもかなり楽しみにしていたコチラ「氷雪の門」さんでの食事。 前年の正月、我が家は通販のたらば蟹を購入し、食べる事にした。 が、そのたらば蟹、解凍したら方法が悪いのか蟹そのものが悪いのか、水分が一緒に抜けてしまい、情けない程の姿に変わり果ててしまった……。 その時、妻と「蟹はやはりお店で食べるのが一番」との結論づけた、そのリベンジでもあった。 食べログで「札幌・たらば蟹」のワードで検索すると 様々なお店が。 決め手は料理内容だった。 たらば蟹が食べたかった私達の欲求を十分満たしてくれそうな内容で、宿泊するホテルからもとても近い。 随分早い段階で予約を入れさせて頂いた。 当日は酷い猛吹雪の天候になってしまったが、ホテルから近くだったので問題なし。 改めてコチラにして良かったと思えた。 お昼に予約したのも「蟹をかなりガッツリと食べよう、その日の夜はホテルのレストランでアラカルトで少し食べればいいから…」との考えがあったから。 それだけ この日のスケジュールはコチラのお店での食事にシフトした1日にしておいた。 入り口の扉を抜けると、こんな悪天候でも「お席は満席で…」としてある。 コチラの人気の高さが伺える。 店舗は立派なビルになっており、先ずはエレベーターを利用して3F まで登り、そちらで受付をする。 予約した旨を伝えると、同じフロアの個室へと案内して頂く。 この日お願いしたメニューが卓上に用意されてあり、目を通すと おぉ!活けの毛蟹の入荷があったようだ。 最近は毛蟹が不漁だそうで、万が一入荷がなかった場合、他のメニューに切り替えさせて頂きます、との話を聞いていたので、先ずはひと安心。 これで毛蟹とたらば蟹の食べ比べも出来そうだ。 さっそく料理を始めてもらおう。 その前に北海道のお約束「サッポロクラシック」で喉を湿らせておかなくては。 先付けが。 蟹の真丈だ。 ご挨拶代わりの名刺のようなものだ。 コレを肴にビールを流し込んでいると…… うおーっ!! これは豪快だ! 氷で出来た鉢の上には北海道を代表する魚介類のオールスター達の刺身が盛り合わせてある。 たらば蟹の親爪、蝦夷鮑、松川カレイに生の北寄貝、ボタン海老は特大サイズだ。 箸を伸ばす前に しばし見惚れてしまった……。 いきなりの贅沢過ぎるスタートに、この先は何が…と期待値は上昇一途だ。 その期待通り! 次なるは これまた豪快な火鉢が運ばれて来た。 その上には たらば蟹の太身が鎮座している。 ……これだ。 私達が昨年の正月に食べたかったのはまさにコレだったんだ。 蟹が焼ける香ばしい良い匂いが部屋いっぱいに漂ってくる。 もう、この香りだけで一杯イケそうだ。 御指南頂いた通りに焼き上げ、口に運べば それはもう至福としか言い様のない気持ちになれる。 日本酒だ。土地の酒を飲もう……。 蟹身の甘味、殻が焼けた香ばしい匂い、時折「パチッ」と火鉢から弾ける音も聞こえる。 まさに五感全てが喜びに満たされている。 そしてカセットコンロに出汁の入った小鍋が用意された。 たらば蟹の太身のしゃぶしゃぶだ。 太身ゆえに通常のしゃぶしゃぶのようにはいかない。 小鍋の出汁が沸いたところで蟹を投入し、中火で約2分くらい待つ。 頃合いを見て引き上げ、食べる。 うーん、これもいい。 個人的な嗜好では、先に食べた「焼き」の方が好きだが、コレはコレで美味しいし、寒い時などは更に美味しく食べられるだろう。 次なる料理は 担当してくれた仲居さんがイチオシの 活け毛蟹のセイロ蒸しが登場だ。 北海道民は皆さん たらば蟹より毛蟹の方が好きなのかなぁ。 結構毛蟹推しの人が多いと思う。 しかし私達夫婦は やはりたらば蟹だなぁ。 この毛蟹。剥くのが大変だ。チクチク痛いし…。 誰かが剥いてくれた物を食べさせてくれるならともかく、自分でするのはちょっと……。 そんな意味では私達は蟹の「ツウ」ではないのだろう。 でも頑張って剥いた蟹身を甲羅の中で味噌と和えれば それは文句無しに旨い。 日本酒も進む。 箸休めの酢の物で一息つく。 お後の料理は再び蝦夷鮑が。 「水晶焼」と銘打たれたこの料理は? と仲居さんに問いかけると「耐熱ラップで包んだことで水晶に見立てることが出来たから…」との答えが。 ちょっと安直な回答に思わず笑ってしまったが、その耐熱ラップを紐解くと、中に閉じ込められた磯の香りが広がり、鮑の旨味が野菜達にも移る相乗効果と相まって コレもとても美味しい。鮑も柔らかだ。 まだまだ料理は続く。 次なるは たらば蟹の天ぷらだ。 天つゆではなく、藻塩が添えてあり、サクッと揚がった衣と肉厚のたらば蟹が 天ぷらという料理の技法によって魅力をより一層引き立てられている。 コース料理の最後として たらば蟹の炙り寿司が。 どこまでもたらば蟹だ。 軽く炙ることで、生よりも旨味と甘味が引き出され、一緒に出てきた吉野蟹という、私達が聞いたことの無い蟹の吸物が供された。 仲居さんの「それではそろそろデザートでも…」の声に反発するかのように、食いしん坊な私は更に雑炊セットも追加注文した。 この雑炊セットには たらば蟹のほぐし身も付いていて とてもお値打ちだと思う。 最後の1滴まで蟹を堪能した私達夫婦。 まさに北海道堪能コースのタイトルにふさわしい、大満足の食事だった。 コチラは本当に良いお店だ。 機会があれば是非是非もう一度訪れてみたいものだ。
2024/01訪問
1回
無謀な連食を経て2日連続で伺った、伊勢を、いや、日本を代表するであろう私の大好きな居酒屋「一月家」さんだ。 もはや私にはコチラに対する賛辞は見つからない。 これ程のお店が私の居住する地域に無いことが悔しくさえなる。 この日にしても、私は10時に「モリスパ」、11時30分に「伊勢うどん」、そして12時一斉スタートの和食料理店で懐石料理を頂いた後の2日連続の再訪…と、まったく「バカに漬ける薬は無い」と揶揄されても仕方ない行動をとっているのだから…。 そぼふる雨のなか、お店にはタクシーで向かった。 この日は土曜日。 昨日、仲良くなったご常連のご夫妻の話では、最近は時間きっちりにならないとお店は開かない、とご教授頂いたので、この日はまさに開店時間の2時に到着するよう予定を立てていた。 しかしどうだ! この賑わいは! 私が扉を開くと、カウンターはおろか、テーブル席まで満席だ。 開店してから5分程しか経過していないにも関わらず この状況…。 いったい何人の人達がお店が開くのを待っていたのだろう。 さすが「げつ家(常連さんは皆、こう呼ぶのだ)」さんだ。 満席ではあったが、なんとかテーブル席の片隅に座らせて頂くことが出来た。 それだけでもありがたい。 注文はお店を焦らす事なくゆっくりとすれば良い。 先ずは酎ハイだ。 私がコチラで酎ハイをお願いするのは極めて珍しい事なのだが、この日は満席で賑わう店内の雰囲気と、今まで一度も座った事のないテーブル席、というシチュエーションがそうさせたのかもしれない。 しかし肴は違う。 私はコチラに来たら必ず注文する「ふくだめ」と「湯豆腐」がマストメニューだからだ。 この2つを注文しなかった日は無い。 酎ハイを飲み干し、これまたいつも通りの日本酒の熱燗をお願いする。 ちょうどこの日は自民党の総裁選をテレビ中継しており、新総裁が初めて女性が選ばれた事を肴にあちらこちらで話題にしていた。 私が着席したテーブルにも 私よりもかなり先輩にあたる男性グループが話しかけてくれて、私も退屈することなく楽しむ事が出来た。 こういったコミュニケーションがコチラでは当たり前なのだ。 1人でじっくりと酒と肴を楽しむも良し。 このようなコミュニケーションを楽しいと思えるも また良しだ。 あぁ、やっぱりココはいい……。 私が「伊勢に、伊勢に…」と通いつめる最大の理由であり、楽しみなのだ。 いつもありがとうございます。 ご馳走様でした。 大好きな居酒屋さんだ。 私にとっての「伊勢」とは「伊勢神宮」ではなく、コチラ「一月家」さんだ。 正直、私が「伊勢に行く」のは伊勢神宮にお詣りするのは二の次で、あくまでもコチラに来る為の理由付けに過ぎないのかもしれない。 「天照皇大神にご挨拶して来るから…」と理屈をこねるが、私が伊勢に向かう日は 必ずコチラの定休日である水曜日を避けているのも それを表す行動パターンの1つだ。 この日も本来なら先に二見輿玉神社に参拝し、その後「外宮」、そして「内宮」と巡る予定だったが、それだとコチラの開店時間に間に合わない。 翌日が雨模様の天気予報では、尚更避けたいと考え、この日は二見輿玉神社は翌日にしてしまったのだ。 (本来、それでは二見輿玉神社に参拝する意味が無くなってしまうのだが…) その意味を理解してでもコチラを優勢するのは、私が「伊勢 イコール 一月家」だからだ。 満席になり、カウンターに座れないのは、お一人様の私には辛い。 開店時間の30分前にお店に着いた。 それでも私よりも先に2人の先客がいる。 しかも ご夫婦とお見かけしたその2人は、用意周到に折り畳み式の椅子まで持参していた。 私が その2人を横目にお店の扉に手を掛けるが開かない。 すると先客のご夫婦が「まだ2時(開店時間)前だから開かないよ」と話掛けてくれた。 私が「以前来た時は2時前でも開けてくれたんですが…」と返すと「以前はそうだったけど、今は2時にしか開かないよ」と。 どうやら相当なご常連客のようだ。 それなら仕方ない。開くまで待たせてもらおう。 しばらく待っているうちに、やはり他の客がどんどん来店してくる。 結局 2時にお店が開いた頃には10数名の客が待っていた。 私は先程のご夫婦に続き、その隣の席に腰を下ろしたが、後からの客は銘々自分の好きな席にバラバラに座っている。 こうした人気店は カウンターなら奥から詰めて座って...と言われる事があるが、コチラはそうした制約のようなものは無いようだ。 まだ暑さが残っていた。 外で待っている間に喉が渇き、先ずはビールを所望した。 肴をメモ用紙に記入して渡す。 刺身の盛り合わせに「ふくだめ」だ。 私はコチラの「ふくだめ」が大好物。 鮑と言っても過言ではないサイズが2貫乗っていて、食べ応えもある。 それに熱燗を合わせる。 コチラの徳利はオリジナルで、1つひとつが手書きの物だ。 故に 1本1本のデザインが微妙に違うので、その違いを見つける為を屁理屈に「もう1本」「あともう1本…」となるのだ。 先出のご常連のご夫婦が、お店の人とのやりとりのなかで「昨日の烏賊の塩辛は美味しかったけど、まだ残っているのかな…」と。 「あるけど もう残り少ないから たぶん今日で終わりやな」 「けど、あれだけ美味しかったから、今日はもっと美味しくなって…」 そんなやりとりを聞かされてはたまらない。 「それ、私も頂いてもいいですか?」 これがきっかけとなり、ご夫婦との話に華が咲いた。 こんなふれあいが楽しい店なのだ。 この人達がどんな人なのか… なんて事に興味は無い。 ただただ この「一月家」が好きで集まった人達が隣合わせただけの事だ。 美味しい肴と美味しい酒。 気の置けない会話がそれを進ませる。 やはりここは素晴らしい! ミシュランガイドの三つ星のように、そのために旅行する価値のある卓越した料理、時間を提供してくれる名居酒屋だ。 2024年の初詣に夫婦二人で伊勢神宮に参拝した。 外宮から内宮へと周り、おはらい町やおかげ横丁を巡り、その後の精進落としは私のお約束のお店で。 それがコチラ「一月家」さんだ。 不謹慎だが私にとっては伊勢神宮への参拝よりもコチラが営業している曜日・時間に合わせて行動する事の方が優先事項になる。 故に伊勢神宮の参拝はお店が開店する迄に済ませ、精進落としをコチラで…というのが私の行動パターンになる。 妻も前回連れていって以来のファンになってしまい、今回の再訪を楽しみにしてくれていた。 開店時間の14時よりも5分前にタクシーで到着するが、まだまだ暖簾は掛かっていない。 どう見ても まだ営業しているとは思えない外観だ。 それでも常連よろしく躊躇無く扉を開けると おぉ! カウンターは開店前だというのに既に満席じゃないか!(笑) 細長いコの字型の席は全て埋まってしまっている。 これではコチラの魅力が半減してしまう。 なんとか空いている椅子はないものか… と探したところ、1つ詰めてもらえば なんとか二人座れるスペースが! そこでご常連とおぼしき紳士にお願いし 席を譲って頂いた。 やれやれ、良かった。 こうしたやり取りができるのは、私が執念深い男だからなのだろう(笑) ご常連の紳士にお礼申し上げ、席に着いた。 先ずはビールだ。 銘柄も選べるので、いつもなら「キリン」派の私だが、この日は先程の紳士が飲んでいたものに合わせて「赤星(サッポロラガー)」を。 やはりこうした居酒屋さんには赤星が良く似合う。 苦味の効いたラガービールで夫婦で「いやさか!」だ。 開店直後とあってお店はバタバタ忙しくしている。 しばらくして やっと女将さんが紙と鉛筆を渡してくれて、そこに注文する物を書き込み手渡す。 私が何をさておいても必ず注文する「刺身の盛り合わせ」と「ふくだめ」、妻のリクエストの「鰤の照焼き」、私が食べたかった「エビフライ」からスタートだ。 刺身の盛り合わせはマグロ以外は全てこの地域の近海で水揚げされた物を使用している。 写真は既に妻が1切れ手をつけている三重県・答志島のサワラの刺身が抜群に美味しく、勿論その他もとても良い。 それに「ふくだめ」だ。 (「ふくだめ」については前回の投稿を参照して欲しい) いつも思うのだが、これはもう鮑と言っても過言では無いサイズと思う。 肉厚な切り身を頬張れば、「あぁ、コレだよなぁ…」と思わず呟いてしまいそうになる。 妻のリクエストの鰤の照焼きが。 これまた肉厚にカットされた脂の乗った鰤を上手に焼いてくれてある。 照焼き、と言ってもタレは添えては無く、甘くどさの無いソレが かえってそれが酒を進ませる。 ご飯のおかずならタレはあった方が良いのだろうが、そこは流石! 酒飲みの心を掴んでくれている。 エビフライが到着だ。 コチラのエビフライ、懐かしい洋食店のスタイルだ。 海老が半分に開いてあり、それに衣をつけて揚げてある。 「ここのエビフライは海老が大きいから 開いてあってもちゃんと海老がプリプリして美味しいでしょう」とお隣の、席を譲って頂いた紳士から声が掛かる。 これをきっかけに私達と紳士の会話の交流が始まった。 紳士はもう随分前からの常連客のようで、お店が現在の佇まいに改装するよりも前から通っていらっしゃったようで、先代の大将の事、2代目の大将とは年の差1つの旧知の間柄の事、お店で使用している徳利は全て有田焼の特注品で、手書き故に1つひとつの絵柄が微妙に違う事、等々を御教授して頂いた。 私もさっそく赤星から日本酒の熱燗に切り替えていたので、徳利を見比べてみる。 なるほど、確かにおっしゃる通りだ。 楽しい会話はお互い「差しつ、差されつ」の間柄へと発展していった。 そして会話はさらにお隣の横浜からおみえのご夫妻にまで飛び火して、五人の仲間になってしまった。 そう。 これが この「げつや」(常連さん達は店名の最初のひと文字のイチを略してそう呼ぶ)の魅力なのだ。 「袖すり合うも多生の縁」というが、まさにそれを体現できる場所なのだ。 酒の肴に欠かせないもう一品。 湯豆腐だ。 かの「居酒屋の達人」太田和彦氏曰く「日本三大湯豆腐」と言わしめた、これも欠かすことが出来ない肴だ。 あまりの美味しさに、前回は豆腐好きの妻と取り合いになり、おかわりを所望した程だ。 熱燗徳利は二本、三本と倒れていく…。 この後も「生若芽」「鶏肝の煮付け」伊勢志摩地方の郷土料理「鮫たれ」と、どれも美味しい肴をアテに、会話も進み、酒も進む。 この日も楽しく過ごすことができた。 タクシーを呼び、会計を済ませ、お店の大将やお隣の紳士、ご夫妻にお礼申し上げ、お店を後にした。 程よく酔った身体に冷たい空気が心地よい。 これからも伊勢志摩方面に出かける際には また是非立ち寄らせて頂こう。 ご馳走様。ありがとうございました。 伊勢志摩への結婚記念日旅行。 宿泊した「志摩観光ホテル ザ ベイスイート」は、ホテルの玄関口から他の近鉄グループのホテルを数ヶ所廻り、その後は伊勢神宮の内宮前まで直行してくれる便利な「パールシャトル」というリムジンバスがある。 私達はそれを利用して今年最後になるであろう伊勢神宮詣りに向かった。 参拝を済ませた後は精進落とし、とばかりに まだ陽も高い時間だが14時から営業しているコチラ「一月家」さんに向かった。 タクシーでお店に到着したのは14時を少し過ぎていたのだが、まだ暖簾は掛かっていない。 どうしたものか…と思案していると、妻が勝手にお店の扉を開いて店の中を覗いている。この行動力が妻の魅力の一端だ(笑) すると「もう入ってもいいって! 誰か先にいるみたいだよ!」 その声に導かれ私も扉を開けると、確かに二人の地元のご常連と思われる方がカウンターに座っている。 カウンターの中から姐さんが「ゴメンねぇ~!どうぞ好きな席に座って!もう大丈夫(開店する)だから。」 こんな一面も老舗の居酒屋らしくて私は好きだ。 勝手知ったる我が家ではないが、事情をよく理解しているご常連は たとえ暖簾が掛かっていようが いなかろうが 構わず自分好みの席に腰をおろす。お店の支度が間に合わなくてもいいのだ。 私達もご常連のお邪魔にならないような席を選んで腰をかけ、とりあえずのビールを飲みながら待つことに。 すると姐さんが 「さぁ、お待たせ!何にする?今日はね、鰯が美味しいんょ。それにね、若芽。これも美味しいわ。ねっ、鰯、食べるでしょ? 姐さん(妻の事)は?飲む?ご飯にする?ご飯あとにしようか?」 と、こんな調子で話しかけてくれる。 「うん、それじゃあ鰯と、あとは「ふくだめ」と、刺身は盛り合わせにしてもらおうかな。それとね、湯豆腐もお願い。」 「いやぁ兄さんわかってはるわ!ふくだめ、美味しいんょ。それと湯豆腐もね。名物なん。ほんなら ちょっと待っててな!」 このノリが好きなのだ。 気取らず、飾らず、笑顔を交わしながらのやり取り。 これこそが居酒屋の醍醐味だ。 それでいて お店やご常連に甘えることなく、邪魔することなく ほんの少しだけ背筋を伸ばして 酒に溺れることの無いように… 先ずは鰯から。 酢で〆られた鰯はスターターとしてふさわしい物。 脂の乗った鰯がさっぱりと頂けることで、胃袋が活性化する。 刺身の盛り合わせは この日は五種類の魚介で。 いずれも伊勢湾で水揚げされた物。脂の乗ったカンパチの腹身や戻り鰹がとても美味しい。 ふくだめ。 伊勢では「福多目」とも記される縁起物としても重宝される。 鮑と とてもよく似ているが、穴の数が違うことで見分けることができる。しかし味は鮑と遜色ない。大きなサイズの物を炊いた ふくだめは、鮑です、と提供されてもわからない程 美味しい物だ。 そして湯豆腐。 かの太田和彦氏曰く「日本三大湯豆腐」と言わしめた逸品だ。 盛岡の「とらや」、横須賀の「大衆酒場ぎんじ」、それに伊勢の「一月家」が 日本三大居酒屋豆腐なのだと。 その湯豆腐、とてもシンプルな物。温められた豆腐が皿に盛られ、タレをかけ、刻みネギと鰹節が添えてある。 たったそれだけ。しかしその滋味深い味わいはどうだ! 確かに見た目には さほどの工夫があるようには見えない。 しかし美味しさは ただの湯豆腐という物ではないのだ。 これは確かに美味しい。その「とらや」や「ぎんじ」の湯豆腐とも食べ比べてみたくなってしまった。 そうなれば おのずと酒は燗酒だ。 二合徳利から盃に熱燗を注ぎ、湯豆腐を口に運ぶ……。 なんと日本人として幸せなことよ! いつの間にか隣の席には自由業と思われる御仁が座り、更に その隣のご夫婦と私達の五人がカウンターのL 字の部分での会話が始まり、それがまた酒の肴になる。 (そして自由業とおぼしき御仁は 私達が帰宅した後に 某有名なグループのミュージシャンだと知ることになる。大将に聞いたところ、コンサートツアーで東海地方に寄る度に来店するそうだ。) たとえそんな出逢いがあっても、何の気取りも飾り気も無い、ただの居酒屋で酒を楽しみ会話を楽しむ客同士だけなのだ。 それがいいのだ。 その後も牛スジの煮込み、姐さんのお勧めの若芽、妻のリクエストの唐揚げと進み、それに併せて熱燗も進む。 私は湯豆腐があまりにも美味しいので おかわりをした。 お品書きには値段の記載が無いことを心配するなかれ。 私達のこの日の支払いは 明細はわからないが8,000円でお釣りがあった。 これだけ飲み食いして この支払い。かえって「安過ぎない?」と逆に心配になってしまう程だ。 さすがは「伊勢に ゲツヤあり!(常連客は店名から「イチ」を省いて「ゲツヤ」と呼ぶ)」と日本中から呑兵衛が集まる訳だ。 この名店、いつまでも続いて欲しいと心から願っている。
2025/10訪問
4回
私の定年退職と還暦を祝う為の旅。 憧れのリゾートホテルに向かう前に、那覇市内で前泊する事にした。 沖縄は料理が美味しい。 自然に恵まれた独特の様々な食材と、それを活かした料理。 その地物の食材にこだわった料理と寿司を食べさせてくれるお店があることを知った。 「琉球鮨 築地青空三代目 那覇本店」さんだ。 あまりにも美味しく、感激したコチラの料理・寿司についての私なりの感想は写真を参照して頂きたいが、 沖縄らしい、沖縄の素晴らしさを具現化したものだ。 どうしてもっと早くコチラを知らなかったのだろう、と少し悔しい気持ちにさえなった程だ。 さぁ困った。 沖縄(那覇市)では美味しいお店をたくさん覚えてしまったぞ。 これから先、訪れる度にお店選びを迷いそうだ……。
2024/11訪問
1回
高松に出張に来て、初めての連休。 徳島に遊びに来ていた。 その日の夜。 私は市内での観光名所を堪能できたが、もう1つのお楽しみがコチラに伺うことだった。 「とくさん」。 食べログで「徳島 居酒屋」のキーワードで検索しても、その順位は第19位。 これだけだと「コチラ、果たしていかがなものか…」と疑心暗鬼になるとお思いだろうが、私がお店を選ぶ際の決め手は全て諸兄が投稿された写真を参考にしている。 手前味噌だが、私は自分の目利きには少々自信がある。 諸兄によるコメントもいいが、お店がカメラマンに編集用に依頼し撮影した美しい写真よりも、実際に客に提供された写真こそが日常の姿だと思う。 その写真を見れば、その店の良し悪しが解るからだ。 そんな意味で、今回食べログ19位の居酒屋さんを訪問することは とても楽しみであった。 先程まで降っていた雨もあがり、雨宿りに利用させて頂いたお店を出てコチラには良いタイミングで到着した。 (この日はどんな料理を食べさせてくれるのだろう…) そんな想像を膨らましながら入り口横にあるお勧めのメニューに目をやる。 そこには 一目で「今日のお勧めはコレ!」と判るように記載された「本クエ」の文字が躍っている。 今日はコレに箸をつけない訳にはいかないな…。 暖簾をくぐり、お店の扉を開く。 ホール係の人に予約した旨を伝えると「コチラへどうぞ」とカウンターの奥側の席へと案内して頂いた。 先ずは飲み物を。 寒さが残ったこの日。 先程のお店と同様 熱燗からスタートだ。 正直、私は日本酒の銘柄にはまだまだ疎い。 しかし たった一点「これだけは…」と譲れないポリシーがある。 純米の酒しか飲まないことだ。 「大吟醸」と言えど、醸造用アルコールが添加された物は口にしたくないのだ。 入り口横のこの日のお勧めに、「本クエ」と併せて「川西屋酒造店フェア」というお店お勧めの日本酒もあるようで、その純米を燗してもらった。 付きだしは地元産のしらすに大根おろしを添えて。 スダチが添えてあるのが徳島らしく良い。 やがて運ばれてきた、本日最初にして最も楽しみな「本クエの造り盛り合わせ」だ。 重量感のある、しっかりとした朱泥の器に盛り付けられた3種類のクエ。 写真で、左から「造り」「炙り」「冷しゃぶ」だ。 勿論 ケチなどつけられる筈もない。 ただただ 「……旨い。」 と心の中で呟きながら日本酒をあおる。 造りを口にしては、炙りを口にしては、その度に… の繰り返しだ。 最初からちょっと飛ばし気味の私。 ちょっと気持ちを落ち着かせるべく「鳴門の生わかめ」の酢の物をお願いした。 志野だろうか…。 またまた味のある陶器の器に入った徳島産の生わかめの酢の物が提供された。 酸味の物が続いたが 構わない。 良い箸休めだ。 地元が誇るもう1つの名産品。 「阿波尾鶏」もオンリストされている。 その串焼き。 様々な部位の中でも 先ずは「ハツ」を。 いつもなら 迷わず「塩」で焼いたハツが好きだが、コチラの店のタレも試してみたい。 あっさりとしたタレなのか…と期待したが、私には少々甘い味わいの物だった。 それでも決してしつこい訳ではなく、七味唐辛子を振りかければ美味しく頂けた。 「ムネ」も。 しっとりとした焼き加減ながら、皮目はパリッとしていてとても美味しい。最近 口にしたムネでは一番だ。これは塩焼きにしたのが正解だった。 徳島は椎茸も良い物が採れる。 地元産の肉厚な椎茸と、大豆の風味豊かな豆腐を揚げ出しで頂いた。 日本酒も進む。 川西酒造の酒は確かに食中酒としてふさわしい味わいだ。 そこへ この日のクエの料理の中で、最も興味を惹かれた「珍味の盛り合わせ」を、別の日本酒と共に追加した。 そして この料理がまたまた感動を呼ぶのである! スクエアな陶器の皿の上には、3種類の小皿と1種類の揚げ物が乗っている。 小皿には「胃袋の酢味噌和え」「皮のおろしポン酢」「肝を胡麻油と塩」が、揚げ物は鱗が盛られていた。 そのどれもが旨いこと旨いこと! クエは大好きな私だが、刺身や寿司、鍋といった、いわゆる「上身」の部分や「アラ」しか食べた事がない。 しかし これら珍味として提供された料理の美味しさはどうだ! クエという魚が秘めた美味を余すことなく引き出しているではないか。 この時ふと、入り口横のメニュー表にあった「本クエ贅沢コース」と表記してあったのを思い出した。 それにしておけば まだまだクエを存分に楽しめたのに……。 「後悔先に立たず」とはまさにこの事だ。 いやはや 大変満足することができた。 これ程のお店だとは、私の期待値をはるかに越えた内容だった。 この分だと お店にはまだまだ美味しい料理がたくさんあるのだろう。 徳島に来たら… ではなく、もう一度コチラを訪問するために徳島に来るべき。 それほどまでと思えるお店に出逢えたのは久しぶりの事だ。 ありがとうございました。 いつかきっとまた伺わせて頂きます。
2024/03訪問
1回
金沢での出張生活の休日。 妻を連れだって富山市に遊びに来ていた。 富岩運河環水公園を起点に運河を行き交う観光船に乗船し、ゆっくりと川岸の風景を楽しみながら進む船は この日の目的地の岩瀬地区へ。 ちょうど桜が満開の頃で、その川岸に咲き誇る眺めを見ていると 滝廉太郎の童謡「花」が浮かんでくる。 「春の麗の隅田川 上り下りの船人が 櫂の雫を花と散る 眺めを何に例うべき……」 まさに春爛漫の風景を堪能して船は岩瀬の船着き場に到着した。 そこから歩くこと数分。この日一番楽しみにしていた 「松月」さんにたどり着いた。 立派な建物に、歴史を感じさせる看板。 足を踏み入れると広々とした玄関に高い天井。 下足番(?)の人に促され履き物を納めてもらい、案内される部屋へと向かう。 その部屋だが、人数に合わせて広さの異なる客間があり、 私達が案内して頂いた部屋にも床の間に掛かる軸、花活け 香炉があり、こちらの主人の品格を感じさせる。 私達は予め、今が旬 真っ盛りの白エビをふんだんに使用する料理をお願いしておいた。 先ずはビールを。 この日は初夏を思わせる陽気だったので、少々喉も渇いていた。 中庭を眺めながらしばし待つと、最初にお造りが運ばれて来た。 富山らしい平目の昆布締めに甘エビ、アオリイカだ。 続いて白エビの刺身が。 まさに「富山湾の宝石」と称えられる美しい姿は、 これだけで約50尾の白エビを使用しているそうだ。 ちなみにこの日の食事には、白エビを全部で260尾程 使用するそうだ。 間髪を入れず、次の料理が。 季節の花をあしらった器の蓋を開けると、これまた旬を 迎えたホタル烏賊が酢味噌和えに。 この3つの料理が出揃うことで、富山湾の幸が一堂に会することになった。 さて、何から頂こう……。 白エビの刺身はもちろん素晴らしい! まだこれ程の新鮮な白エビの刺身を食べたことのなかった妻は、とても喜んでくれた。 ホタル烏賊はやはり富山湾産の物に限る。 その上質さは、他の産地の物とは比べ物にならない。 平目の昆布締めは、北廻船で栄えたこの地方の文化をも 象徴する料理とも言える。 椀物が。 ずわい蟹の真丈だ。 柚子皮の淡い香りが鼻腔をくすぐる。 綺麗に澄みきった出汁と優しい味わいの真丈が合わさる ことは、日本人に産まれた喜びをいつも教えてくれる。 白エビの天ぷらだ。 先程の刺身とは違う、頭も殻も全て揚げることで エビらしい香ばしさが口中に溢れる。 程よく抑えられた塩味具合は、淡白な白エビの味を絶妙に 引き立てる。 そして今日一番楽しみにしていた料理が運ばれて来た。 白エビをふんだんに使用した、繋ぎを僅かだけ使用して 作られるお店のスペシャリティ 「白エビの団子」だ。 これには白エビを200尾ほどを使用するそうで、丁寧にむき身にした白エビを、ほんの少しだけの繋ぎで手捏ねにしている。 そうして焼き上がった団子は客間まで運ばれるまでに 冷めないよう、わずかに炭火をくべた七輪のような器を 用いて運ばれる。 焼きすぎないよう、冷めないような心遣いと工夫が凝らされた素晴らしいサービスだ。 その団子を冷めないうちに 淡い味わいの付けタレを 合わせて口に運ぶ。 弾力のある、かつ 白エビの風味をふんだんに湛えた団子 に舌鼓を打つ。 繋ぎを僅かにしか使わないことで、白エビの美味しさを ダイレクトに味わえる。 この、惜しげもなく使用する白エビでしか味わえない美味しさは、このお店の唯一無二の物だ。 素晴らしい白エビ料理を堪能した後は、もう季節を過ぎた名残りの蟹が甲羅焼きで提供される。 甲羅焼きといっても洋風のグラタンのようなルックス。 その焼き目のパン粉を突き崩すと中には蟹の身がぎっしりと詰まっている。 パン粉がサクサクとした食感と香ばしさを添えているのもまた良い。 比較的淡白な味わいの料理を頂いてきたので、この料理にはインパクトを与えられた。 更にインパクトを与えられたのが 最後の椀だ。 鮟鱇のアラ汁だ。 その上質さはアラと言うにはもったいない程の物で、しっかりとした上身も入っている 鮟鱇からの出汁も美味しく出ており、もしもこの中に野菜などが入っていたら もはや鮟鱇鍋とも言えるレベルだ。 そして この料理が〆になることを教えてくれる紅白の餅も入っていた。 妻は「もうお腹いっぱい」と、私に「お餅を食べて」、と言ってくる始末。 最後の最後に苺が出てきたが、もうこれだけで十分だ。 富山湾の幸、白エビ料理を存分に堪能して、更に旬のホタル烏賊、名残りの蟹まで……。 十分どころか 十二分の幸福感に満たされた。 素晴らしい名店だ。 この季節に 必ずまた訪れる機会を作りたいと思った。
2023/04訪問
1回
妻と相談して 全国旅行支援の期間中に妻の誕生日のお祝いを前倒しにして北海道に旅することにした。 もとより私が金沢に出張しているうちに妻の誕生日が来てしまうので、どうせなら…と相成ったのだ。 私達の居住する街から中部国際空港を朝早く出発する飛行機に乗るには相当な覚悟が必要なので、特に初日の宿泊地である札幌では観光する目的も無く、ゆっくりとした時間のフライトを選んだ。 そうなると宿泊するホテルにチェックインする頃には陽も傾いている。 それも計算しての夕食はコチラに18時に伺った。 昨年に一度、コチラの支店にも行ったことがあって、その時は単品で蟹やウニや刺身を堪能したのだが、今回は宿泊するホテルの立地を考慮してコチラにしたのだ。 その時の良い印象から今回はお腹を空かして1人一万円のコース料理でお願いをしておいた。 事前調査から品数といい内容といい満足出来そうだったからだ。 雑居ビルの地下にお店はあり、階段を下りて扉を開ける。 イカが泳いでいる水槽のお出迎えを受けて中へと進む。 四名掛けのテーブルに案内されたのは、後から思えば料理の品数が要因なのだろう。 先ずはドリンクからだ。 注文は今どきのタブレットによる注文だ。 私は宿泊するホテルで既にビールを飲んできたので、最初から日本酒を。妻はレモン酎ハイだ。 そして驚くことに、前菜三種盛りと刺身の盛り合わせが同時に出てきた。 特に刺身は9種類もあり、全て北海道で水揚げされた物。 特に別盛りになって提供されたボタン海老は今まで食べたことの無いクオリティ! 殻を剥いた身は赤みを帯びて透き通って見える程だ。 正直、私が今まで食べてきた甘エビやボタン海老はいかに鮮度が落ちていた物だったのかを教えられた気分がした。 次に茹でたらば蟹。これも素晴らしく美味しい! 茹で加減が絶妙だ。茹で時間はこれ以上でも以下でもいけない。しっとりとした質感を損なうことなく旨味を閉じ込めている。 肩肉を先に食べてそう感じたので、前回のコチラの支店で食べた「焼きたらば蟹」の美味しさが忘れられず、またそのたらば蟹を楽しみにしていた妻に 私の脚の部位は「良かったら食べる?」と聞いてみたら 「わ~い!いいの?ありがとう!」と嬉しそうだ。 だって誕生日祝いの前倒しだもんねwww 次には「活イカのお造り」だ。 水槽から出したばかりのイカだ。まだ下足が動いている。 「この下足は後程火を入れてお持ちしますので。」と。 透き通る身の美しさ。生姜醤油でさっぱりと頂けば、コリコリとした食感と身の甘さがたまらない。 そして「活毛ガニ」が。 先ずは刺身で登場だ。身の甘さは言うに及ばず。食べ易いように剥き身にしてある脚を賞味し、少しおいて茹でた肩肉と甲羅が。 この茹でた肩肉を無言で集中しながらほぐし、達成した暁には甲羅の中へと投入し、味噌と和えて食べれば刺身とはまた違った魅力が楽しめる。 この日の焼き物はキンキと金目鯛だ。 食べやすい切り身の方は妻に。カマの部位は私が食べることにしたが、私はそれで大満足。 カマの方が美味しいと思っているから 悔しいのではなくむしろ「当たり」だ。 肴が旨いと酒も旨い。 日本酒を結構なピッチで飲んでいたので、この辺りから焼酎のお湯割りに切り替えた。 すると先程のイカの下足が天ぷらになって再登場だ。 これをサッと塩だけで食べれば また違った魅力を見せてくれた。 アワビの焼き物だ。 シンプルに殻ごと若芽と一緒に焼き上げるから、鼻腔が目一杯の磯の香りに喜んでいる。 先程は刺身で。今回は焼き物で。 それぞれのアワビの美味しさを堪能した。 メニューには「サイコロステーキ」とあった肉料理だが、今回はローストビーフをサラダ仕立てにして提供された。 使用している牛肉は道内で飼育された短角牛。 レア気味に仕上げられた、美味しい牛肉だった。 まだまだ料理は続く。 次なるはカニクリームコロッケだ。 ベシャメルよりもほぐした蟹の身の方がが目立つほど ぎっしりと詰まったコロッケだ。 これは女性にウケるのではなかろうか。 勿論男性の私でも十分に美味しいと思える一品だ。 料理の最後に登場は厚岸産の牡蠣だ。 生牡蠣として食べるか、焼き牡蠣として食べるかが選べるので、私は生牡蠣を、妻は焼き牡蠣を選んだ。 3月の牡蠣だ。雪融け水が流れ込んだ海の牡蠣は養分を蓄えて最高に大きく育ち、美味しくなっている それは例えどんな料理方でも間違いなく美味しいはずだ。 お酒も進み、〆に入る。 お店の名物「うにぎり」だ。 敷いた海苔の上にご飯を乗せ、その上に雲丹とイクラが添えてある。 それを自身で巻いて食べるので、おにぎりならぬ「うにぎり」なのだ。 新鮮な雲丹やイクラでこのような食べ方はある意味贅沢なのだが、これに行き着くまでに美味しい料理を沢山頂いているので これくらいが丁度良い。 デザートのミルクアイスも北海道の農家さんの牛乳を使用しているので、風味豊かでとても美味しい。 コクがあるのにあっさりとして、もう少し食べたいと思ってしまうほどだった。 さすが北海道! 懐の深さは他府県を圧倒する。 これだけの食材に恵まれた土地には何度来ても飽きることが無い。 また今夜も素晴らしい料理に夫婦共に満足させて頂いた。 ありがとうございました。
2023/03訪問
1回
私が常宿としているホテルから徒歩数分。那覇市では一番好きな居酒屋「ちゅらさん亭」だ。 もう何度訪れたろう。 コチラの魅力は とにかく新鮮な県産の魚介類が楽しめる事だ。 真っ赤なアカマチ、ミーバイに、真っ青なイラブチャー等の県産の魚は、見た目で敬遠する内地の人もいるが、それらをブラインドテイスティングで内地の魚と食べ比べてみてほしい。 いかに美味しい魚なのかが きっと解ってもらえると信じている。 他にも少々お高くつくが、セミエビやヤシガニ等の、沖縄県内の他の飲食店でも なかなか食べられない肴まである。 サイズが大きく、1人、2人では他が食べられなくなりそうで、いつも指を咥えて見るだけだが…(涙) そして それ等を食べる際に用いられる、お店自家製の激辛調味料。 私は刺身にワサビも添えてくれるが、それはほとんど使わない。 この激辛調味料で食べる刺身こそがお店最大の魅力なのだ。 その好き度合いは、私はコチラを訪れたら 必ずこの激辛調味料を分けて頂く事にしている程で、小さな容器に入っている、1つ300円を支払うと購入出来る物なのだ。 ちなみに本当に辛いので、入れすぎ、使い過ぎには要注意して欲しい。 この日は 後に伺う予定のレストランでの予約があるので、軽く食前を楽しむ程度になってしまったが、そんな予定があっても素通り出来ない魅力があるのが このお店なのだ。 今回の再訪で、前回無理を聞いて激辛調味料を分けて頂いたことを覚えて頂いており、当時のお礼を改めて申し上げ、今回も2つの調味料を購入し、お店を後にした。 帰りがナイトフライトになるので、那覇市で夕食を済ませてから飛行機に乗り込むことにした。 コチラ「ちゅらさん亭」さんは もう何度も伺った、私達夫婦のお気に入りのお店だ。 ゆいレールの旭橋駅から近く、飛行機の時間も計算しやすいのに加え、なんと言っても扱っている魚介類の鮮度の良さと多様さは群を抜いていると思う。 夜光貝やシャコ貝、ヤシガニやセミエビなど、コチラに来れば 沖縄の入手が難しかったり、希少な魚介類が食べる事ができるのだ。 開店時間の17時に予約をお願いしたので、フライト時間の20時近くまで ゆっくりと沖縄最後の食事を楽しむ事ができた。 先ずは刺身だ。 メニューには無いが、お願いして盛り合わせにしてもらった。 いろいろ食べたいので、特定の魚ばかりを食べる事になるのは避けたかった。 その盛り合わせにしてもらった刺身は全て県産の魚ばかりで、イラブチャーやミーバイといった白身や、生マグロだ。 それとは別に、この日のお勧めの車海老も。 沖縄は車海老の養殖が盛んなのだ。 これも刺身で頂いたが、頭の部分は一緒に素揚げにしてもらった物も盛り込まれていた。 前回利用させて頂いた際、その美味しさとお値打ちさに感嘆した「県産魚の切り落としミックス天ぷら」。 この日も注文可能なようで、今回ももちろん注文だ。 切り落とし、とはいえ新鮮な県産の魚の天ぷらだ。 ミックスというのも、様々な味わいが楽しめて、この内容、このボリュームで500円は私には考えられないことだ。 同じような内容になってしまったが、この後頂いたカラシ酢味噌和えも さっぱりとさせてくれ、酒も進んでしまう。 オリオンビールの後はバラエティーに富んだ泡盛を。 昨年夏の思い出から、宮古島の多良川を選んだ。 美しいブルーの琉球ガラスの一合瓶に入れられた泡盛を、いつものように水割りだ。 もう少し肴が欲しくなり、グルクンの唐揚げを。 サックリと揚がった身はもちろん、中骨までしっかりと揚げられ、それがまた良い肴になってくれる。 もう かなりお腹も満たされたところで、そろそろ〆の一品を頂こう。 以前に頂いたイカ墨チャーハンにしようかとも思ったが、この日は そのイカ墨を使用したソーメンチャンプルーにした。 これは妻のリクエストだが、最近妻は このイカ墨を使用した料理がとても好きで、この日のお昼もイカ墨汁を頂いたばかりなのに…(苦笑)。 濃厚なイカ墨を纏ったソーメンチャンプルーは 私も勿論大好きだ。 さて、そろそろ会計をして空港に向かおう。 と、その前に いつものようにコチラのオリジナルの辛味調味料も頂いて…… と思い、2つ程をわけて下さい、とお願いしたところ 「申し訳ありません。ちょうど今 切らしておりまして、明日仕込む予定だったんですよ」と。 「えぇ~っ!……」 滅茶苦茶ショックだった。 コチラの辛味調味料、とても美味しくて、いつもいつも沖縄土産として自宅使いに購入しているのに…。 かなり落ち込んでいた私達に店長と思われる男性が 「せっかくだから ほんのわずかな量ですが、これを持ちかえってください」 と、容器に少しだけ入れてくれた辛味調味料を持たせてくれた。 これなんだ! こんな優しさを 沖縄の人達は皆さん持っている! だから私達は沖縄が好きなのだ。 島の人達は皆さん どうしてこうも優しいのだろう…。 私達は感謝と共に、僅かな気持ちを込めたポチ袋をお渡し、ありがたくそれを受け取った。 ありがとうございます。 また秋に沖縄に来るんです。 その時にまた 改めて伺わせて頂きますね、と約束し、嬉しい気持ちに包まれながらお店を後にした。 妻との入籍記念日に沖縄を訪れた。 二人で初めて沖縄に来た際、その最初の夕食に利用させてもらった思い出のお店の1つがコチラ「ちゅらさん亭」さんだ。 その時に頂いた美味しい魚の数々は今でも鮮明に記憶の中にある。 ある人に言わせれば「沖縄の魚って美味しいの? なんだか真っ青や真っ赤な熱帯魚みたいな魚なんでしょう?」という概念があるようだ。 それはある意味正解。 確かに色彩に関してはそう認めざるを得ないが、肝心の味に関しては譲れない。 そう、とても美味しいのだ。 私達夫婦が沖縄が好きな理由の1つに この豊かな自然の恵みがあるからだ。 派手なネオンが輝く店頭には生け簀があり、その中にはセミエビや夜光貝、伊勢海老などいろんな魚介類がいる。 それらのお出迎えを受けながら扉を開く。 すぐ前にあるカウンター席に着くと、目の前のネタケースには沖縄らしい魚介類が並んでいる。 先ずは県民の誇り、オリオンビールで乾杯だ。 一緒に提供されたもずくがまた旨い。 同時に刺身の盛り合わせを注文し、他に脱皮した車海老の唐揚げ、いろんな県産の魚の天ぷらも。 刺身は二人前で7種類の魚が。 マクブやミーバイ、アカジンといった、内地では見かけない、見かけても呼び名が違う魚達が並んでいる。 そして そのどれもが美味しいのだ。 そして私達が一番コチラを気に入っている理由の1つに お店の自家製の辛い薬味があり、それを刺身でいうと山葵の代わりに少量付けて食べるのだ。 ただし付けすぎてはいけない。とても辛いのだ。 しかしこの辛みは病みつきになる辛さで、盛り合わせの皿には山葵もあるが、私達は見向きもせずにこの薬味を使うほどだ。 (ちなみにこの薬味は希望者には1つ300円で譲って頂けるので、私達は毎回購入して自宅でも使用している) 沖縄県は車海老の養殖も盛んな土地だ。 今回は脱皮したばかりの車海老を唐揚げに。 大きく成長した車海老は刺身にしてもらった。 唐揚げにした車海老は脱皮したばかりなので勿論頭から全て食べられる。 なかなか食べる機会に恵まれない貴重な体験た。 刺身の美味しさはいうに及ばす。甘やかで強い歯ごたえのある刺身は私の嗜好としては伊勢海老以上の評価だ。 お酒は無論泡盛だ。 種類もまずまず揃っており、十分楽しめる。 その中で最初の1杯目には「久米仙 ブラック」を水割りで所望する。 次にはお値打ちメニュー「いろんな県産の魚の天ぷら」が。 これを天つゆ等は無く、最初からの味付けのみ、もしくは少量の塩を振りかけて頂く。 これもまた旨いのだ! 魚はおそらく刺身に使用する魚の切り落としだろう。 しかしそれゆえに鮮度の良いネタなので、しかも4、5種類の魚を揚げてあるので、微妙な味の違いも楽しめる。 しかも安い! それが一番いい! 安くて旨い、それに勝ることはないだろう。 全てに満足した私達は次に行くお店を決めていたのだが、 予約をした訳ではないので 「どうする? このお店で沈没してもいいよねぇ…」とまで考え方を方向転換させられてしまいそうになってしまった。(しかし結果、次のお店に行くことになる…。) やっぱり沖縄は素晴らしい! コチラでは県産の魚介類に特化して料理と泡盛を楽しんだが、その他にも野菜も豚肉も牛肉も鶏肉も、その全てが美味しいのだ。 もう間もなく定年を迎える身として本気で沖縄に移住する気持ちを考えている……。
2024/11訪問
3回
昨今の日本酒の進歩は素晴らしい。 私が子供の頃、実家が営んでいた居酒屋では、日本酒は「二級」「一級」「特級」という名称で区別していた事を覚えている。 勿論、私の実家のような下町の居酒屋では、当時は吟醸酒など扱う事などはおろか、その存在さえ知らなかった。 そんな時代を経て、今の日本酒の技術は考えられない程の進化を遂げて、例えば山口県の蔵で醸される、阿武の鶴「零響 -Absolute 0-」という銘柄の精米歩合は驚異の0.85%まで磨きあげられているそうで、これは現在判明している中で最も低い数値だそうだ。 そんな素晴らしい日本酒の中でも、今の私が一番好きな銘柄が この三重県が誇る「而今」だ。 ただし、この銘柄は簡単には入手出来ない超人気銘柄だ。 私は今回の伊勢の旅での楽しみに、この「而今」を扱うお店に出逢いたいと考えていた。 しかし なかなか出逢えない。購入できない。 ボトルでの販売はおろか、有料の試飲でも3杯のうちの1杯だけが而今で、しかも結構高額料金なのだ。 そこで伊勢市駅構内にある観光案内所で なんとか而今をボトルで購入出来る酒屋さんは無いものか…と相談したところ、ボトルでの販売はしていないが、それでも「抱き合わせでなくても、あのお店なら食事をしながら飲めるかも…」とコチラのお店を紹介して頂いたのだ。 「つむぐ」さん。 「あのお店なら而今でも扱っていると思いますよ」 その言葉を受けてお店に電話してみた。 すると 扱いはあるとの事で、それでは…と翌日のお昼に予約させて頂いた。 お店は宇治山田駅からも近くにあり、とても立地が良い。 扉を開くと店内奥から声が掛かる。 「どうぞ靴を脱いでお上がり下さい」と。 その言葉に従い進むと、店内はカウンター席のみのようだ。 私の食事の為の設えがあり、そこに腰を下ろす。 にこやかな挨拶を頂き、先ずはビールを所望した。 コチラに来る前に、無謀な「モリスパ」からの「伊勢うどん」を僅か2時間前に連食してコチラに臨んだ私。 日本酒を楽しみにしていたが、塩味の強い物を食べてきたので、少々喉が渇いていたのだ。 料理は淡々と提供されたが、どれも素晴らしく美味しい。 先付の志野の割り山椒から、器にもセンスを感じさせる物を使用している。 ここでお目当ての「而今」を頂くことに。 その提供方法が面白い。 半合を頂くことにしたら、下に受皿を敷いて その上にグラスを置き、溢れる程の目一杯の酒を注ぐ。 客はカウンター越しにそれを受け取るのだが、慎重に運ばないとこぼしてしまう。 これは客が「決して飲み過ぎて粗相をする事は出来ないな…」という抑止力になるだろう。 八寸、椀物、造里…… 美味しい料理と共に美味しい日本酒。 静かに至福の時間が流れて行く……。 〆には季節の食材を使用した、土鍋の炊き込みご飯が。 最後はこの辺りの栗を使用した「きんとん」だ。 観光案内所の女性に感謝せねばならない。 このような素晴らしいお店を紹介して頂けたのだから。 どうしよう…… また伊勢に来たら その度に伺いたくなるお店がまた1つ増えてしまった。 何故「どうしよう…」なのかと言うと、実はこの後、またまた昨日伺ったばかりの「一○家」に行くからだ。 時間はまだ2時前。 10時から始まった「モリスパ」から「伊勢うどん」、そしてコチラ「つむぐ」さん、そして次は…… ホントに「バカは死ななきゃ治らない」は、私の為に出来た言葉だな……。
2025/10訪問
1回
この日は次女とその旦那さんも一緒に 久しぶりに食事を…と約束していた。 しかし台風の影響をモロに受けてしまい、私の住まいから約束しているお店にたどり着く為には、果たして電車が動いてくれるのかを心配しなければならない程の悪天候になってしまった日だ。 当初、私はコチラで娘達と会食を…と思い、電話で予約をお願いしてみたが、相当な人気店のようで、その時は「すいません、満席です」と、あっさり断わられてしまっていた。 しかし当日の この悪天候だ。 予約していた人がキャンセルしていたら…。 一縷の望みを抱いてお店に電話する。 すると「大丈夫ですよ。この天気でキャンセルばかりなので...」と。 これぞ「不幸中の幸い」! まだ16時を少し過ぎた頃で、娘達との約束の18時までかなりの時間がある。 それまで1人でのんびり、ゆっくりさせて頂くことにした。 そんな上記の時間に伺ったにも関わらず、カウンターの1角には女性ばかりの3人が、はやばやとグラスを傾けていた。 私はお邪魔にならないように、そのグループとは一番離れた席に着いた。 ご主人に、先に飲み物を尋ねられ、ビールを所望する。 私は ある理由の為、普段から生ビールは飲まないのだが、コチラは瓶のビールは扱っていないようだ。 その生ビールを飲みながら、とりあえず…と刺身の、それもマグロとカンパチだけで盛り合わせを、とお願いした。 いつもなら、もう1人スタッフが居るらしいが、この日はこんな天気だったので、仕方なくご主人1人で営業しているのだ、と教えてもらった。 そんな話を聞いたら、次々にオーダーするがためらわれてしまったが、まぁ時間はある。 雰囲気を読んで流れにみをまかせてみよう。 提供された刺身はどちらも美味しかったが、マグロの赤身に対してカンパチはトロ(お腹の脂が多い部位)で提供してくれた。 その組み合わせが良いのだ。 これでマグロまでトロだったら、ちょっとくどい気がするだろう。 また、刺身のツマはご主人が大根を桂剥きにした物。 市販のツマ等は使用しないことに職人気質を感じるのだ。 ビールをとっくに飲み干していた私。 次なるツマミに「銀ダラの西京焼き」を注文していたなら、当然流れ的には日本酒だろう。 何をもらおうか…。 するとご主人が「十四代、ありますよ」と。 なるほど、入り口のオーパスワンしかり、飲み物も充実している。 刺身と銀ダラで日本酒を楽しみ、次なるツマミは「コチラに寄らせてもらったら…」と考えていた「カニクリームコロッケ 紅ズワイ蟹のソース」を。 それに合わせて白ワインも。 グラスで分けてもらえる物で…とご主人にお任せでお願いする。 提供して頂いた白ワインは「俳優の川島なお美さんの披露宴で提供されたワインです」 なるほど。 濃厚な紅ズワイ蟹のソースをシャルドネが受けとめてくれる、良いマリアージュだ。 なれば、と 次のツマミもコチラで食べたかった一品「アワビのウニソース」も頂こう。 続けて同じ白も。 うん! 美味しい! まるでフレンチのビストロに来たようだ。 余談かもしれないが、食事中のご主人との会話から、ご主人はこの辺りで飲食することがあまり無く、いつも名古屋まで出かけているそうだ。 そんなご主人が「一度伺いたい憧れのお店が中区の大須にあるんですよ」と。 「ちなみに そちらは何という店名ですか?」と尋ねたところ、なんと私の実家だとおっしゃるのだ! 「私、実はそこが実家で、今は兄が家業を継いでおりますが…」との返事には ご主人も大層驚いた様子だった(笑) いやいや、ご縁とは どんなところにあるかわからないものだ。 「あの大◯◯さんが実家だなんて、これも台風が来なかったら…」 などと話をしながらの、思わぬ楽しい食事と語らいの席となった。 私の名刺をお渡しし、「もし行って頂けたら、この名刺を見せてあげてください。兄も今日の事はとても驚くと思います」と申し上げ、会計を済ませた。 ご主人、ご馳走様でした。 また四日市に来たら、是非とも再訪させて頂きます。
2024/08訪問
1回
コチラのお店には確か4年程前に一度伺ったことがある。 しかし当時の私は先妻と離婚した為、恥ずかしながら再婚する相手を探していた頃であり、その頃お付き合いさせて頂いていたお相手と一緒に来た覚えがあったからだ。 故に料理は何を食べたのかさえ正直よく覚えていないありさまだ。 なぜコチラを再訪することになったのか、という理由は 単純に私が鴨肉料理が好きで、どこか美味しく食べさせてくれる、なおかつ勤め先から近くにあるお店を探していたところ、コチラにたどり着き、思い出した訳だ。 この日、秋雨のそぼ降るなか傘を差し、懐かしさと恥ずかしさが入り交じった状態で 到着したお店の扉を開けた。 予約した旨を伝えると、カウンターの真ん中に案内してもらった。 目の前に立て掛けられたメニューから、この日のお楽しみにしていた鴨料理をひとしきりお願いする。 「お飲み物は…」と尋ねられ、日本酒を所望すると、立て掛けられたメニューの物以外のご用意があるようだ。 しかし せっかくだがそれは後程お願いするとして、先ずは我が地元・岐阜県が誇る辛口の銘酒「三千盛」の純米大吟醸から頂くことにしよう。 このキリリと引き締まった辛口の酒が、今夜の私の なよなよした心に喝を入れてくれるに違いない。 いつもながらせっかちな私。 何か早く出してもらえそうな物は…… と、何!? 「セコガニ」がある!? しかも北海道産だ! ネタケースの中でかくれんぼをしていた「セコガニ」は、鬼さんの私が「見ぃつーけた!」 もう逃げられないよぉ!笑 北陸で、立冬(今年は11月8日の水曜日)の解禁日までセコガニは我慢しなければならないと思っていたので、このフライングの出逢いは相当嬉しい。 しかも北海道産は初めてだ。 それまでは金沢辺りで「香箱ガニ」と呼ばれている物しか食べたことがなかった。 三千盛では少々切れ過ぎるかもしれないが、このセコガニとのマリアージュには日本酒以外考えられない。 カニ面に仕上げられたセコガニ。 内子も外子もたっぷりとある。 先ずは別々に味わい、後に混ぜ合わせて食べる。 日本酒が更に旨味を膨らませてくれる。 ……あぁ、至福だ。 お待ちかねの鴨肉の登場だ。 先ずは「たたき」から。 ポン酢とは別に紅葉おろしとニンニクのすりおろしが添えてある。 それらを溶かして細かく刻んだ薬味葱と一緒に口にする。 うん。 期待通りの美味しさだ。 でも何かが…… 失礼ながらお店の人に「この鴨は以前に頂いたことのある美山(京都の奥座敷)の鴨ですか?」と尋ねてみたところ「いえ。以前は美山の鴨を扱っていましたが、養鴨業者さんが廃業してしまって…。」 そうなんですか。皆さんいろいろ大変なんだ……。 「鳥インフルエンザや円安による飼育費用の増加、様々な理由があったそうです。 しかし私共は幸いにも青森県で養鴨をしている生産農家さんがみつかりまして。勿論 鴨もフランスのバルバリー種を飼育したものですので……」 との説明を受け、安心した。 以前食べた鴨は確かチェリバレー種だったのでは…と記憶していたので、品種は違えど美味しい鴨肉なら大丈夫だ。 その肉付きが良く、脂肪分の少ないバルバリー種の鴨なら たたきにはもってこいだ。 あまりの美味しさに日本酒も進む。 次なる日本酒は宮城県「平孝酒造」の「ひやおろし」だ。 米の旨味が広がり 余韻も心地よく、兵庫県産の山田錦を100%使用した、この時期ならではの美味しい日本酒だ。 鴨肉の串焼きが追いかけて来てくれた。 塩でお願いした砂肝と ねぎ串焼き。 それに 卓上にある京都・原了郭に伝わる一子相伝のブレンド「黒七味」をふりかける。 その独特の風味が美味しい鴨肉の味を更に引き立てる。 ねぎたまり焼きだ。 私は普段、串焼きは断然「塩派」だが、このたまり焼きは良い。 やはり たまり醤油が焼け焦げる香りは日本人にはたまらない。 うなぎもしかり、だ。 こちらも黒七味を添えて頂く。 いけない……。 あまりに美味しい料理に日本酒が止まらなくなってきた。 そういえば お店のもうひとつの顔とでも言うべき「牛タン」料理を まだ味わっていないではないか。 では… と調子に乗ってきた私。 「牛タンどて煮」を、次なる日本酒の奈良の銘酒「春鹿」の ひやおろしと一緒に追加だ。 どて煮は赤味噌を使用し、牛タンをしっかりと煮込んだ まるで洋食のタンシチューのような濃厚な味わい。 牛タンも噛む力が必要ない程柔らかだ。 これだけを食べていると赤ワインが合いそうなイメージも沸いてくるが、さすが「春鹿」。 この濃厚な味わいにも負けない、むしろ料理を食べ尽くして疲れてきた舌をリフレッシュしてくれる。 今回の訪問で頂いた料理は居酒屋さんのようなメニューが中心になったが、その他のメニューは高級割烹料理店のような物が主のようだ。 スタッフの皆さんの接客レベルも非常に良く、安心して食事、酒席が楽しめそうだ。 また是非再訪させて頂きます。ありがとうございました。
2023/10訪問
1回
金沢に出張に来ていて、その休日。 富山に妻を連れだって遊びに来てみた。 これはあくまでも私の主観だが、同じ北陸地方でも富山県の海鮮の美味しさは頭一つ抜けたものだと思っている。 やはり富山湾の恵みというのは素晴らしく、四季折々の楽しみ、喜びを与えてくれるからだ。 寿司もまた然り。 やはりネタが良いということは 寿司を提供する店として他との比較上、大きなビフォアだ。 その富山県高岡市に美味しい寿司を食べさせてくれるお店があるという。 それがコチラ「鮨金」さんだ。 あまりにも楽しみにしていた為、予定よりも随分早く到着してしまったので、お店の開店時間まで近くにある高岡大仏に参拝をすることになり、その後暖簾をくぐった。 温和な笑顔の大将に迎えられ、Lの字型のカウンターの、短い方の席に腰を下ろした。 最初から予約の段階で料理の内容はお任せでお願いしておいたので、先ずは飲み物から。 やはり「勝駒」だろう。 富山県高岡市の、北陸を、いや日本を代表する程の銘酒だ。 これと共に先付の若竹煮が。 春を代表する「出逢い物」だ。 続いて白エビの刺身が。 これぞホタルイカと並ぶ、富山湾の春の代名詞だ。 淡白でもあり、甘やかな刺身は まさに「富山湾の宝石」だ。 次に刺身の盛り合わせだ。 鰤、中トロ、平目、甘エビとが盛り合わされた刺身達は それぞれ申し分のない美味しさだ。 先程紹介した もう一つの春の富山湾を代表するホタルイカが紅ズワイガニと共に酢味噌あえで。 ホタルイカは他でも捕れるが、富山湾産の物はこれもまた違いがはっきりと解る程良質の物だ。 それを名残りの紅ズワイガニと共に味わえば 過ぎ行く季節と新しい季節との移ろいを器の中で感じさせてくれる。 茶碗蒸しだ。 私の大好物であり、亡くなった父親の大好物でもあった。 優しい味わいに心がホッと落ち着く。 銀ダラの西京味噌漬焼きも。 自家製の西京味噌は強肴として銀ダラの旨さを引き出している。 勝駒も進んでしまう。お代わりだ。 大将の「そろそろ握りますか?」との声がかかったものの、これまでの料理の旨さ、勝駒の旨さにまだまだ酔いしれていたい。 いつの間にか隣に座っていたご常連と思われる御仁が 酒と共に注文していた穴子やイカの下足が やたら美味しそうに見えてしまい、 「大将、私達にもお隣と同じ穴子と下足焼きを。」と追加をお願いした。 それを聞いたご常連が「ここの穴子、美味しいんだよね」と声をかけてくださり、おかげ様で和やかな席となった。 ひとしきり酒と肴を堪能させてもらい、そろそろ妻がお待ちかねの寿司を握って頂だこう。 先ずは先程刺身で頂いた白エビからだ。 寿司ネタとしても勿論美味しいのだが、その繊細で小さな白エビを崩すことなく握りにして提供できるのは やはり職人技だろう。 その後は平目を昆布締めにした物が。 富山県民はとにかく昆布が好きだ。 その昆布の旨味を移した平目は、鮮度の良さを残した平目とはまた別の魅力がある。 その後は幾つかのネタを握ってもらい、まだまだとばかりに追加の寿司もお願いした。 会計をしてもらう際に、先程のご常連の御仁が私達に 「お土産を持って帰ったら?」と声をかけてくださった。 なんでもコチラの稲荷寿司は 御仁がこれから同伴出勤する女性のお店に持たせると お店の女性達が大変喜んでくれる大好評のお土産だそうだが、そのお店に持っていく稲荷寿司を私達にも少し分けてくださるそうだ。 観光客と一目で解る私達にも優しい声をかけてくださる常連さんがいらっしゃる事が、コチラのお店の客筋の良さ、ひいてはお店の品格を感じさせる出来事だった。 御仁と連れの女性に感謝申し上げ、大将にもお礼を言い、稲荷寿司を手にお店を後にした。 とても気持ちの良い夜だった。 大将、お店の皆さん、そして優しい言葉をかけてくださったご常連の御仁。 皆さんに、美味しい料理と寿司にまた会いに来ますね。 ありがとうございました。ご馳走様でした。
2023/04訪問
1回
桑名市で素晴らしいお店に出逢えた! 三重県は四日市市の食べ歩きの旅、2日目。 この日で帰宅するのだが、帰る途中にどうしても立ち寄りたいお店が桑名市にあり、そちらで夕食を済ませて帰宅することにしていた。 そのお店こそがコチラ「蛤一択」さんだ。 同じ桑名市には やはり同じような蛤の専門店で予約困難な有名店があるが、なんとも上手く予約が出来ない。 そこで蛤を美味しく食べさせてくれるお店は他には無いものか、と探していてコチラにたどり着いたのだ。 いや、ある意味コチラの方が…と期待が高まってきた。 なにせ今や国産の天然蛤はとても希少で、日本国内で流通している蛤は90%が中国産だ。 残りのうち、8%が千葉県産。 なんと あの「その手はくわなの焼き蛤!」という名言(?)まで産み出した桑名産の天然蛤はたったの2%しかないのだ。 その希少価値の高い桑名産天然蛤のみを使用して完全予約制でコース料理のみを食べさせてくれるのがコチラ「蛤一択」さんなのだ。 桑名駅からは徒歩で5分余りの場所にお店はあるのだが、たどり着いたら入り口の横にインターフォンがある。 予約者はそれを利用して予約がある旨を伝えると、店内から扉を開けてくれるのだ。 ゆえに予約が無い人は入店すら出来ない。 扉を開けてもらい中に進むと、店主自らが立礼で出迎えてくれた。 カウンターなどは無く、襖に仕切られた個室か幾つか有り、そのうちの一番奥の部屋に通された。 履き物を外し、中に進むと卓上には立派なサイズの蛤が。 おそらくこれがこの日に使用する蛤です、というプレゼンテーションなのだろう。 卓上の設えも少し変わっていて、スポイトに醤油を含ませた物が用意してある。 店主に改めてご挨拶を頂き、先ずは飲み物から。 ビールを所望する。 最初から日本酒も考慮したが、喉も乾いていた。 そのビールで喉を潤しているところへ最初の料理が。 蜆の椀だ。 滋味深い蜆の椀は、この先の料理へのプロローグにふさわしい。期待値が高まるスターターだ。 2品目は蛤を刺身で楽しませてくれた。 卓上のスポイト入りの醤油は、先ずはこの時に使用する。 繊細な蛤の刺身だ。醤油の付けすぎは感心出来ない。 それを適量調節する為にはスポイトがちょうど良かった。 蛤を刺身で食べるのは初めての体験だが、甘やかな味わいに貝紐の部分には歯ごたえもある。 鮑や栄螺のような貝類とは違う、新たな楽しみ方と遭遇した。 私としての一番のお楽しみが次の焼き蛤。 陶板に蛤を並べ、蓋をする蒸し焼きのようなスタイルだが、大粒の蛤からはジュースが溢れ出ているので自然と蒸し焼きのような状態になってしまう。 頃合いを見定めて焼き上かった蛤を殼ごと専用のトングで取り皿に移し、熱々の状態で口にする。 卓上には また別の調味料があり、好みで使い分けるのだが、店主に「お勧めの食べ方は?」との問いかけに「先ずはそのままで」と。 それは私も同感だ。これだけ大粒な国産の天然蛤だ。 この先 いつ味わう機会があるだろう。 そう思うと このポテンシャルを正しく理解しておきたかった。 その味は期待通りに素晴らしく美味しい! 咀嚼を繰り返す程に口中が蛤の香りに満たされ、歯ごたえある食感と溢れでる旨味、陶板で焼かれた微かな香ばしさ…。 この焼き蛤の前には地元、桑名市の地酒をお願いしておいたが、その日本酒を貝殻に僅かに残ったジュースと共に口に含むと更に旨味、香りが増幅する。 素晴らしい!素晴らしいマリアージュだ! 日本人に生まれ育った事への幸福感に満たされる瞬間だ。 蛤の磯辺揚げ。 海苔で巻かれた蛤を天ぷらにして食べる 宮古島て作られている「雪塩」の、パウダー状の繊細で刺々しさの無い優しさが引き立てる。 ひと息入れて、蛤の釜飯だ。 店主自らが配膳してくれた釜飯は、時雨煮にした蛤も一緒に炊くので、それがまた良い味を飯に移し、自身もふっくらする。 店主の「良かったらおかわりもして下さい」との声かけに遠慮なく頂戴すれば、さすがに心得ていらっしゃる「おこげ」も入っていた。 次なるは妻の楽しみだった「蛤のしゃぶしゃぶ」だ。 しゃぶしゃぶと言っても客が自分でするのではなく、店主自らが絶妙なタイミングで蛤をあげてくれる。 この見極めが出来なかったら、せっかくしゃぶしゃぶで食べるのが台無しになりそうで…。 コチラの店の良いところは店主が個室の中で自らが手をかけてくれる事だ。 アルバイトの中居さんのような人でなく、料理人が責任を持ってのぞんでくれるので、最高に美味しいタイミングを逃さないで提供してくれる。 このしゃぶしゃぶにしても、まさに「この瞬間」と見極めてくれるので、ギリギリのレア感で蛤を食べる事ができるのだ。 新鮮なうちの刺身で、ギリギリのレア感を感じるしゃぶしゃぶで、しっかりと焼いてはいるがそれでも固くならない程度の焼き蛤で。 様々な料理と素材を生かす技で 蛤を多彩な楽しみ方で客をもてなしてくれる。 〆には雑炊の他に ラーメン、きしめん、にゅうめん(煮麺)が選べ、蛤を最後まで余すことなく堪能できた。 同じ桑名市内には上記した有名店もあるだろうが、私はコチラで十分。 むしろコチラの方が良いと思えた程。 「祖父が桑名で蛤の漁師をしていた繋がりが、この希少な天然蛤を譲って頂ける理由なんです」とまだお若い店主。 これからも精進して、美味しい蛤を食べさせて下さい。 ごちそうさまでした。
2023/01訪問
1回
四日市で食べ歩き、二軒目。 コチラもとても楽しみにしていた「大衆酒場 ゑびす」さんだ。 元が名古屋の大須という下町生まれの下町育ち。 実家が赤提灯という環境だった私だ。 私が幼少の頃は大須にはコチラのようなお店がたくさんあり、こうした気取りの無い雰囲気のお店が大好きなのだ。 マイレビュアーさんによる投稿が来店を決めるきっかけとなった。 先程まで骨付き鶏の素晴らしく美味しいお店で下地を作っておいたので、新鮮な魚介類がウリのコチラでは それと日本酒を堪能するつもりだ。 暖簾をくぐり扉を開く。 既に半分程の席が埋まっているなか、カウンター席に案内され腰をおろす。 先ずは飲み物から、と促され、先程のお店で飲めなかった国産4社の「普通のビール」を頂くことに。 次に肴を選ぼうと目をやると、そのメニューの豊富さに驚く。 そして 何より値段が安いのだ。 「安かろう 悪かろう」を心配したが、それも杞憂に終わることになる。 さすが刺身はどれも鮮度が良く、なるべく地元産の物を使っているのが嬉しい。 その他の肴も全て美味しく「ハズレ」が無い。 湯葉の刺身は妻が大好きだが、「これも美味しいよ」と喜んでいる。 鯛のカブト焼きは、頭に加えてカマの部分まで一緒に提供され、このサイズ、このクオリティで350円はもはや利益を度外視しているのでは……と私達の方が心配になる程だ。 日本酒のラインナップがまた素晴らしく、地元の酒の優良な銘柄を揃えている割には安価なのだ。 おっ!「而今」があるじゃないか! それも1人1杯までの限定での提供だ。 さっそく頂くことにしよう。 うん。素晴らしい! どこまでも透明な、雑味などまるで感じない酒だ。 最近は年齢を重ねる毎に日本酒がしみじみと美味しく感じるのだが、この而今は私が今まで飲んだ日本酒でもトップクラスの逸品だと思わせる物だ。 第二次世界大戦から高度経済成長期まで、日本酒は質の良くない物を作り続けた事で多くのファンを失った。 「日本酒は悪酔いする」「翌日、頭が痛くなる」等々、 様々な悪評を招く事になる。 が、しかし昨今の日本酒の素晴らしさはどうだ! これこそが日本が世界に誇る「Japanese SAKE」だと胸を張れる醸造酒だ。 酒が旨いと肴も旨い。肴が旨いと酒も旨い。 いつかのテレビC.M.で聞いたようなコピーが頭に浮かぶ。 その後もどんどん美味しい肴、酒を追加した。 しこたま飲んで食べて会計が8,000円は四日市市民が羨ましくなった。 また来よう。 わざわざ遠方からでも足を運ぶ価値がこの店にはある。
2023/01訪問
1回
私の下田での2ヶ月の勤務が間もなく終わろうとしている。 そこで再訪したのは下田の磯料理のお店としてはNo. 1だと思っている「辻」さん。 前回、妻と一緒に初めて訪問した際に、その美味しさ、海鮮の素材の新鮮さ、それを活かす技、女将さんや娘さんの心地よい接客……。 その全てに満足し、私が下田を離れる時が来る前に どうしても再訪したいという思いが強くなっていた。 私の勤務の休日、辻さんの定休日などを勘案すると、もうチャンスは少ない状況になっていたので、ラストチャンスだと思っての再訪だ。 いろんなお店にお世話になったので、辻さんに向かう前にも もう1つ別のお店にも再訪していたので、初老の私の胃袋の キャパシティはせいぜいあと二品、三品というところだろう。 ならば、と注文するべき食材、料理は やはり伊勢海老と鮑だ。 女将さんは正直な方で、この日の単品で注文できる伊勢海老は サイズ的には400~500gの物だけしか生け簀にいないらしく、時期的にも「少々元気が…」と。 「それでも良いならご用意させて頂きます」との言葉は私がコチラのお店を信頼できる証だ。 辻さんでは 調理する前に籠に入れた素材をプレゼンテーションしてくれる。 客は その状態、サイズ、金額を見聞きして、納得すれば調理してもらい、納得できない時は別の素材を見せてもらう、もしくはキャンセルしても良いので、自分が選んだ物が提供される。 私の目にも この日の伊勢海老は前回来た時に食べた伊勢海老よりも確かに元気が無い。それでも活けの伊勢海老だ。 状態から判断して、この伊勢海老はお店自慢の調理法である 鬼殻焼きにして頂くことにした。 対して鮑は非常に元気一杯だ。 下田自慢の黒鮑は やはり最近の養殖物として出回っている蝦夷鮑とは比べるべくもない。 この元気な黒鮑は刺身にしてください、とお願いした。 さて、この注文に対してのお酒は 私には日本酒しか考えられない。 ワインや焼酎も好きだから否定はしないが、やはり日本の食材を和食の調理法で提供して頂くなら ベストパフォーマンスを発揮してくれるのは日本酒だと思っている。 鬼殻焼きには少々物足りないが、黒鮑の刺身にはピッタリな、 これも下田の思い出になった日本酒「黎明 純米吟醸」を一緒に頂くことにした。 それにしても日本は食に関しては幸せな国だと思う。 いろんな国の、いろんな料理を、いろんなお酒、アルコールフリーの飲み物で楽しむことができる。 コチラでもお酒はそれぞれの好みのお酒が用意されている。 私の隣のテーブルの皆さんはワインをボトルで楽しんでいた。 やがて鬼殻焼きが提供された。 想像した通り、やや身離れが良くない。が、それでも伊勢海老の美味しさ、それを引き出す技、タレの美味しさ…。 満足できる内容だ。 元気一杯だった黒鮑は言うに及ばず。 伊勢海老を調理して頂いたので、黒鮑はシンプルに刺身にしてもらって正解だった。 日本酒は当初「これだけ飲めるかなぁ…」と心配したが、なんのことはない。料理のあまりの美味しさに全部飲み干してしまった。 やがてお店の閉店時間が近づき、私も食事を楽しめたので、女将さんにタクシーの手配と会計をお願いした。 女将さんに、私の下田と 磯料理 辻さんへの思いを話し、 やがて 間もなくこの地を離れることを伝え、名残惜しい気持ちをお伝えさせてもらい、また下田に来る際には必ず訪問させて頂きます、と約束した。 本当にありがとうございました。 下田での、素晴らしい思い出を忘れません……。 末娘の応援で東京まで行ってきた。 東京では先妻や他の娘とも合流して食事などを楽しんだが、夜には今の妻が私の誕生日を祝ってくれた。 その翌日、妻を私が現在出張している静岡県下田市に誘った。 下田は本当に素敵なところなので、是非妻にも案内してあげたかったのだ。 私の勤務先や周辺を一緒に散策したが、妻も「本当に素敵なところね。」と喜んでくれた。 温泉に浸かり、疲れを癒した後はタクシーを手配して この日の夕食に向かった。 そのお店がコチラ「磯料理 辻」さんである。 コチラのお店は海沿いの細い道に沿ってポツリと一軒で営業しており、周囲には他のお店も無い。 車で行くより他に無いのだが、大型車同士がすれ違う場合は注意が必要な程だ。 そのような条件であるにも関わらず、いつも満席で思うように予約が出来ないことで、コチラの人気の高さを知ることができるだろう。 私達もこの日は18時が希望だったが、「19時30分からでしたらなんとか……」とのことで、やっと予約が出来たのだ。 その予約の際にお願いしたのが、来店の3日前までに予約が必要な、二名以上で受けてくれるコースメニューだ。 内容としては伊勢海老やアワビ、金目鯛など下田ならではの食材を使用した物になるのだが、それが都会では信じられない価格で頂けるのだ。 先ずは最近の私のお気に入り「静岡麦酒」の生ビールで、温泉から上がっても我慢していた喉の乾きを一気に潤す。 この静岡麦酒は大手メーカーの物だが、麦芽100%のとても美味しいビールで、ビールが大好きな私としてはあまりの乾きと美味しさの相乗効果で思わず涙が出てしまった…。 ご主人手作りの烏賊の塩辛(これがお通し?)をアテにビールを飲んでいると「お待たせいたしましたーっ」の声と共に届けられたのは、 「こっ… これは?…… これで2人前なんですか?」と 思わず聞いてしまった程の、直径50cm はあろうか、と思える程の大鉢に盛り合わされた刺身だ。 活けの伊勢海老やアワビ、金目鯛、サザエ、鮪の中トロ…… 正直、この刺身の盛り合わせだけでお腹いっぱいになりそうだと思える程だ。 これを肴に日本酒に切り替える。 「黎明」は下田で栽培された酒米を収穫後、富士山の麓にある酒蔵に運び、そこで醸した日本酒だ。 綺麗な富士山の湧水から出来る酒はすっきりとして、これまでの伊豆で作られていた他の日本酒とは異なる味わい。 洗練された口当たりは刺身のような料理と相性抜群だ。 やっと刺身が食べ終わる頃には次の料理が。 サザエとハマグリの焼き物の盛り合わせだ。 カサゴの唐揚げは近くの港に水揚げされるものを使用。 しっかりと揚げることで骨まで食べられる。 大鉢を下げてもらった。伊勢海老の頭は最後の食事の際に味噌汁として提供してくれる。 次に水槽からアワビを取り出し、私達に見せてくれたのだが、 今回注文したコースにはもう一段階上級コースもあり、その違いはアワビの踊り焼きがあるか、無いかの差だ。 しかし私はその上級コースだとアワビは一人ずつ提供されるがサイズは小さい蝦夷アワビになることを知っていた。 そこで私は今回はわざと下のコースを選んで、アワビの踊り焼きはアラカルトで黒アワビを追加で注文したかったのだ。 100gの小さな蝦夷アワビを別々で頂くなら、200gの立派なサイズの黒アワビを二人でシェアしたかった。 そして それは正解となる。 アワビはやはり黒アワビに限る。 肉厚の、立派なアワビを頬張れば、先程刺身で頂いたアワビとは異なる満足感に満たされる。 次にまたもや水槽からのプレゼンテーションは伊勢海老だ。 刺身の伊勢海老もまだピクピクしていたが、今度はコレを鬼殻焼きにしてくれるという。 なんという贅沢な時間、料理だろう。 これで一人8,000円のコース(プラスでアワビを追加)とは……。 街中でコレと同じものを食べるとしたら いったいどれだけ支払わないといけないのだろう…。 鬼殻焼きの活け伊勢海老は一人一匹ずつ。半身なんてハンパな事はしない。 引き締まった身は活物だけがあじわえるもの。 やや甘いタレで焼き上げてあるが、それはこの地方の味だから。 このタレの味について云々を語るレビューを見たが、こういうところで食べるなら そういう自身の好みで旨い、不味いは論じるべきではないと思う。 この伊豆、下田で食べるのは鬼殻焼きはこのような味に仕上がって提供される、と記憶することが旅の思い出になるのだ。 最後の食事の際には味噌汁にも伊勢海老だ。 頭を手で掴み、この時ばかりはお行儀もなにも無い。 最後の最後まで満足感に満たされる、素晴らしい内容だった。 加えて紹介させて頂きますが、お店は家族経営なのであろうが、皆さん本当に良い人で、料理についてもいろいろと好みや予算に合わせて相談に乗ってくださり、お店や下田の街のお話も楽しく聞かせてくださる。 このアットホームな雰囲気がまた良いのだ。 もし、私が下田を離れる時がやってきたら、最後の日には必ずコチラで食事をしよう。 そう心に決めてこの日は店を後にした。 この日も含めて、下田の素晴らしさを心にも身体にも染み込ませる為に……。
2022/09訪問
2回
入籍記念日の旅行。初日は唐津に宿泊した。 近年出来た複合型施設「KARAE」は、複数の異業種の店舗があるのだが、その中にホテルもある。 ホテルの中ではドミトリーとしてのスペースもあり、リーズナブルに宿泊も出来るのだが、私達はその中では一番広い部屋を利用した。 やはりホテルは新しいほど良い。 よほどの老舗ホテルや、建築物自体が文化財になっているようなホテルは別として、新しい方が清潔感があり、利用していて気持ちが良い。 そしてその気持ち良い朝を迎えたら、先ずは美味しいコーヒーを。そして出来たら美味しい朝食があればなお良い。 しかしながら私達は旅先でのホテルではめったに朝食は食べない。コスパが悪過ぎるのだ。アメリカンブレックファーストのようなものに3,000円ぐらいかけるなら、それをランチやディナーに廻した方が良い、と思っているし、朝からガッツリ食べるよりも、街を散策した際に見つけた美味しいパン屋さんの物を翌朝コーヒーと共に頂ければ十分なのである。 しかしこのKARAEは目の前に素敵なお店がある。 それがコチラの「日本料理 川島」さんである。 豆腐屋さんを母体としたこのお店は、ざる豆腐発祥の店 として知られ、ランチではミシュランのビブグルマン、ディナーでは1つ星を獲得したこともあるようだ。 朝食、昼食、夕食いずれも完全予約制で、私達も朝食は予約をして出掛けた。 朝は8時からの営業なのだが、朝一番に行くべきだろう。 出来たてのざる豆腐がカウンターの中で出迎えてくれる。 先付け的に供される物として出来たての豆乳、炒ったおから、黒ごま豆腐等と共に、さっそくざる豆腐も提供される。 「ざる豆腐は、先ずはそのまま召し上がってください。豆腐の甘味が満喫できると思います。次には卓上にある塩をひとつまみして。おかわりも出来ますのでおっしゃってください」とレクチャーしてもらう。 うん。確かに。言われたこと全て正解。ざる豆腐は勿論、 全ての豆腐料理が美味しい。 暫くしてもう一品が出てきた。揚げたての厚揚げだ。 薬味等は添えておらず、卓上の醤油のみをサッとかけて頂く。厚揚げもおかわりできるそうで、豆腐好きの妻は珍しくざる豆腐も厚揚げも両方おかわりしていた。 味噌汁は地元唐津の味噌だけではとても甘いらしく、こちらのお店では山梨県の味噌を取り寄せ、ブレンドしているそうだ。 麦粥は少し添えられた山葵が良い風味を運び、香の物は長芋の糠漬け等が。 最後にはデザートまで出てきて、豆乳のブラマンジェに 黒糖のキャラメルのソースは、素敵なパティスリーにも負けない程美味しかった。 朝食で感動することは、数年前に長野県の白馬村のオーベルジュで宿泊して以来の体験となった。 なかなか訪れることがない土地であるが、唐津に宿泊するなら是非訪れて欲しい名店だ。
2021/02訪問
1回
妻と一緒に三重県は四日市に来ていた。 御在所岳に登り、ロープウェイからの紅葉の景観を楽しみ、冷えた身体を温泉に浸かり温めた。 その後のもう1つの楽しみは次女夫婦と久しぶりの食事会だ。 選んだお店がコチラ「アイアン タイガー」さん。 フレンチのような、イタリアンのような… ジャンルにこだわらず美味しい料理やドリンクで楽しませてくれるお店のようだ。 次女の旦那さんはアルコール大好きで、それも私とウマが合うのだが、彼は大のビール党で、どんな時でも どんな料理でもビールを飲み続ける事が出来る人物だ。 そして こうしたシチュエーションなら料理も焼肉を望んでいる事も承知している。 が、いつもそれではコチラが面白くない。 「今日はちょっと美味しい料理を食べさせてくれるお店を予約してあるからね」 さて、私の面目を保つ為にもアイアンタイガーさん、期待していますョ!w 待ち合わせのお店でアペリティフを飲んだが、やはり次女夫婦はそこでもビール。 そしてコチラに移動してもファーストドリンクはビール、と徹底している、というか解りやすい。 私はコチラのハウスの白ワインを所望した。 それが面白く、私の目の前にグラスが置かれると、そこへスタッフの人がナミナミとワインを注いでくれる。 まさにナミナミと、表面張力を利してまで。 これは飲んべえの私には嬉しいサービス。 口から迎えにいかないと溢れてしまうだろう。 アミューズは小さなカップに仕込まれたスープだ。 私はこのスタイルは嫌いではない。 スープという料理は人の心に優しさを届けてくれる。 そもそもレストランとは、誰かが路上で一杯のスープとパンを一緒に売りはじめた、という行為が始まりと言われている。 いろいろと料理を注文した。 その全てがとても美味しく、次女夫婦も私の妻もとても喜び、そのおかげで会話も弾み、当初考えていた時間も、予算も、どちらもオーバーしてしまった(笑) 中でも特に印象に残っているのは魚料理が美味しかった事だ。 これには次女夫婦も、特に肉好きな旦那さんも目を丸くして「こんな美味しい料理、久しぶりです!」と喜んでくれた。 たくさん食べて、たくさん飲んだ。 楽しい時間はあっという間だ。 「それじゃあ。元気で頑張りなさい」と2人を送り出した。 うん。 いいお店だ。 次女夫婦との会食なら また来たいと思った。 ご馳走様でした。 2025年11月 追記 写真の最後、日曜日の夜9時から始まるドラマ「ロイヤルファミリー」の第3話の1シーンだが、その馬に乗っている男性こそが私の次女の旦那さんです(笑)
2025/11訪問
1回
もうすぐ愛する妻の誕生日だ。 そのプレゼントには妻が欲しがっているサンダルがあり、それを購入するべくサイズ合わせもする為に一緒に出掛けた。 その帰り道。 以前から気になっていたコチラに伺う事にした。 「たこ焼き鉄板 よどや」さん。 しかしながら、私は予め食べログで 先にレビューした諸兄の写真を拝見はしていたが、所在地に間違いは無いはずなのに それらしき外観のお店が見当たらない。 それでも辺りを良く見直してみると、小さな行灯に明かりが灯っている。 そこには「よど屋」の文字が。 どうやらリノベーションし、すっかり様変わりしていたようだ。 イメージしていたお店とはガラリ一変。 さてさて、どんなものだろう…… ちょっと楽しみだ。 扉を開くと右手にカウンター、左手には4名掛けの小上がりが3つ程。 既に先客が2組いらっしゃり、ご主人とマダムは忙しそうに立ち振舞っている。 予約させて頂いた旨を伝えると、カウンターの席へと案内してもらった。 私の勝手なイメージから、ご主人は想像していたよりもダンディーで、俳優の○○に似ている、と思える程。 マダムも和装が似合う、品の良い美しい人だ。 諸兄の投稿した写真とはまったく異なる状況に戸惑いを隠せない私。 先ずは気持ちを落ち着かせる為のビールを貰おう。 メニューに手を伸ばす。 と、その隣でビールを運んで来てくれたマダムがこの日のお勧めを説明してくれた。 メニューにも記載がされていたが、コチラは日間賀島とのご縁があるのか、それともたこ焼きの材料として必要だからなのか「日間賀島の蛸推し」のようだ。 そんな流れから、この日のお勧めの「蛸の3種類の食べ比べ」のような物や、極上のあじのたたき、とりの生レバーの塩ごま油等をお願いした。 蛸はさすがにどれも美味しい。 生での刺身、タコぶつ、胡麻油和えと、地物の蛸の素晴らしさを堪能した。 あじのたたき、とりの生レバー 塩ごま油、どれも美味しく、料理と共にお酒も進む。 そこでビールの後には「人気」としてある酎ハイの「トマト」を試してみる事に。 それが私の欲する飲み物としてドンピシャの味わいだった! 旨いッ! なんだコレ?! メッチャ旨いじゃん! アルコールのパンチは感じない程あっさりとした味わいは、よくよく考えてみればカクテルの「ブラッディーマリー」と同じだ。 サンフランシスコの友人との会食で、いつもヤツが食事中にブラッディーマリーを飲っていたのを思い出したが、アレと同じなのか…。 今さらとはいえ大変な事に目覚めてしまった。 明日さっそくトマトジュースを買ってこよう…。 名物なのか「牛串カツ」も注文する。 オリジナルの「二度漬け禁止」の醤油ダレが瓶に詰めてあり、その中に潜らせて頂く。 牛肉はバラ肉のような部位を串に巻きつけ、それを揚げてあるのだが、それが柔らかさを産んで食べやすい仕上がりに。 最後にたこ焼きを。 普通のたこ焼きと、出汁と一緒に楽しむたこ焼きがあるそうで、せっかくだから両方頂くことにした。 他のお客さんもたこ焼きが楽しみだったようで、ご主人は結構な数のたこ焼きを焼いたいる。 やがて提供されたたこ焼き。 先ずは普通のたこ焼きだが、使用している器が素敵だ。 やはり器は大事。 たこ焼きが1クラス上等に見える。 しかし器だけではなく、味わいも大したもの。 「外はカリッ、中はトロットロッ、熱々」の美味しいたこ焼きの3要素をしっかりと満たしている。 更に その上を行くのがもう1つのたこ焼き。 まるで懐石料理の椀物に使用するような立派な器に入っているのは、明石焼きのような出汁を張って楽しむスタイルのたこ焼きだ。 先程そのまま頂いたたこ焼きだが、更に出汁そのものの旨味が加わり、なおかつ三つ葉を添える事で香りまで。 まるで懐石料理…と記したが、これでは本当に懐石料理の一品ではないか。 いやはや、どんなお店に変貌を遂げたのかと思いきや、たこ焼き屋さんの概念はどこかに置いてきた方が良さそうだ。 楽しみなお店がまた1つ見つかった。 これからもお世話になりたい、そんな風に思えた夜だった。
2025/04訪問
1回
夏の疲れを癒すべく妻と出掛けた山陰・島根。 初日にして、旅行期間中を通じても最大にして最高の魅力あるお店に出逢えた。 失礼ながら決して広いお店ではないが故に、正直言って食べログにレビューしたくなかったが、食べログは私にとっては備忘録。 自身の、妻との思い出の為にも投稿することを選んだ。 お天気は幸いにも快晴の1日。 宍道湖の東側にある松江からは、「日本の夕陽百選」に選らばれた素晴らしい夕陽が眺められる。 私達はその眺めを堪能するべく先ずはサンセットクルージングが楽しめる遊覧船に乗船した。 その船が着岸する船着き場にタクシーのお迎えを予約しておき お店に向かい、到着したのが時間通りの19時頃。 松江では繁華街と言える一角には お店の提灯が「おいでおいで」をしているかのように印象的だ。 扉に手を掛けると、その横には「本日は貸席です。ご予約の方のみのお席です。すいません」の文字が書かれてある。 その開くと、決して広いとは言えないL字型のカウンターが。 先客が2組4名いて、私達で残席は1つだけ。 なるほど、予約しておいて良かったと安堵しながら席に着く。 妻の体調を鑑みて、メニューは当日お願いするつもりだったが、先のサンセットクルージングでも良い顔色をしていた妻に「大丈夫? お任せの内容でもいい?」と聞いてみると、「大丈夫、食べられるょ」と笑顔が。 良かった。 妻に笑顔が戻らなかったら、無理する事無くアラカルトで…と考えていたからだ。 先ずは私はビールを。 妻は無理せずにお店オリジナルのノンアルコールカクテルから始めた。 書き始めるとキリがないから割愛させてもらうが、写真を参照して頂ければ内容の素晴らしさは理解して頂けると思う。 最初は口取り程度の軽い、しかし郷土色溢れる内容の料理が提供され、妻はいきなりその中にある「板わかめ」を大層気に入り「コレ、どこかで販売している物なんですか? そうなら帰りに買って帰りたいんですけど…」と。 蜆をはじめ、「宍道湖七珍」からは他にも鰻や鱸、それに地元の山海の幸が次々と。 驚くのは それら料理に使用されている器の素晴らしいことだ。 1つひとつの器に土地への愛着が感じられ、その器が映えるように この地に自生する植物を巧みに使用している。 日本酒を所望したが、ただグラスに注ぐ日本酒の下の受け皿とする枡にまで そうした飾りが施してある。 美しい…… ただの居酒屋料理とは到底思えない。 全ての料理には郷土の食材に、器に、酒に、愛と誇りを感じずにはいられない。 予約の電話のやり取りですら、最後の受話器を置く前には「だんだん(この地方で ありがとうの意味)」と言ってくれた。 名物料理、とおっしゃっていた「鰻のタタキ」の美味しさは、私のような稚拙な言葉で表現するよりも、是非とも口にしてもらいたい…… が、小さなお店だ。 皆が押し掛けて来ては、今後予約が取れなくなってしまう…。 あぁ、どうしよう…… やはり投稿するべきではなかったのかな……。 隣席にいらっしゃって、私よりも妻が意気投合していた女性2人は、京都在住ながら毎年数回の訪問を もう20年程続けているそうだ。 私はめったに良い点数は付けないが、コチラは食べログを始めてから 初めて「5点満点」とさせて頂いた。 人に料理を提供するお店は、ただ美味しければ良い、安くてお値打ちなら良い、など様々な価値観が 人それぞれあると思うし、それも勿論大切な要素だが、私は「感動する、させて頂ける」事を最重視している。 それをコチラでは料理で、器で、酒で、人柄で、その優しさで 満点と言えるのではなかろうか。 女将さん、若女将さん、それに妻の話を聞いてもらい、元気をもらったカウンターの隣席の貴女方お2人…。 無事に帰宅し、今回の旅を振り返ってみてもコチラで過ごした時間が最も楽しい事でした。 ミシュランではないが、三ツ星の「その店に行く為に旅をする価値がある」と初めて思えたお店だった。 ありがとうございました。ご馳走様です。 またいつか、必ず伺わさせて頂きます。 それまで どうかお元気で……。