1回
2025/11 訪問
錦糸町の喧騒を離れて訪れる、香りが主役の創作ダイニング
2025/11/16 更新
ランキングと口コミで探せるグルメサイト
グルメキュレーションサイト
毎日の外食が楽しくなるグルメ情報
錦糸町駅周辺の賑わいから少し離れると、静かに佇む隠れ家のような一軒があります。店名はユニークですが、提供される料理はどれも繊細で完成度が高く、「香り・火入れ・余韻」で魅せる大人の創作ダイニングといった印象です。
カウンター中心の小さな空間で、一皿ごとに香りの層が移ろうような感覚。まるで“香りを食べる”体験ができました。
ヒゲ茶
香ばしい麦茶のような香りにほのかな渋みが重なり、脂のある魚料理をすっきりと締めてくれます。湯気の香りまで心地よい一杯。
パイナップルサワー
トロピカルな香りと軽やかな酸味が爽やかで、塩気のある料理の後に飲むと口中が整います。
焼酎ソーダ（山椒）
炭酸のキレと山椒の香りが軽やかに広がり、香りを主体とした料理と特に相性が良い印象。
ジャスミンソーダ
華やかな香りが広がり、脂の多い料理の後でもやさしくリセットしてくれる清涼感があります。
さつまいものポタージュ
素材の甘みを丁寧に引き出したやさしい序盤の一皿。乳脂控えめでさつまいもの香りが澄み、口当たりは滑らかで上品。
本日鮮魚の藁焼きカルパッチョ チミチュリソース
藁焼きの香りとハーブの香気が重なり、鼻に抜ける香りが心地よい。酸味のあるチミチュリが鮮魚の旨味をしっかり支える、洗練された一皿です。
イワシとクスクスのタブレ セロリソース
脂ののったイワシに爽やかな酸味が寄り添い、クスクスの穀物感とセロリの香味が重なります。香りと食感のバランスが非常に良い。
鳥飼農場の卵で作るオムレツ
ふわりとほどける卵にバターの香りが広がり、控えめなデミグラスが上品。トリュフ塩の余韻が心地よく続きます。
鰻と里芋の春巻き（手渡し提供）
外側は香ばしく揚がり、中はねっとりとした食感。里芋の甘みとうなぎの旨味が繊細に調和し、温度によって香りの深みが増していきます。
牛フィレ肉の藁焼き ガーリックバターソース
レア寄りの火入れでしっとりと柔らかく、ガーリックとバターの香りが肉の旨味に寄り添います。噛むほどに味が広がる上質な一品。
日高四元豚のグリル グリーンマスタードソース
脂の甘みがありながら後味は軽やか。グリーンマスタードの酸味と辛味が絶妙で、見た目にも洗練された仕上がりです。
トマトとラムの土鍋ご飯
土鍋を開けた瞬間に立ち上る香りが圧倒的。ラム、トマト、パクチーの香りが重なり、混ぜるたびに表情が変わる“締めの主役”と呼びたくなる仕上がりです。
バスクチーズケーキ
しっとり濃厚でほのかな塩味が味を引き締めます。香ばしい焼き目と滑らかな口溶けが心地よく、上品な締めのデザート。
ウッディで温もりある空間に、スタッフのテンポ良いサービスが加わり、香り・火入れ・盛り付けすべてにセンスが光る一軒でした。
和でも洋でもない、“香り”を軸にした独自のジャンルを築いているように思います。
どの皿にも物語があり、食べ進めるほどに新しい発見がある。
最初の一皿からデザートまで、五感で楽しめる香りのディナーでした。