32回
2022/03 訪問
阿佐ヶ谷の地下に駿馬を見た!、しゅん輔だけに、アハッ、の巻
ハイボールでスタート。濃ゆい、この濃さが大好き
これは何かな?
茶碗蒸しでした
中からは蛤が。そうか、一昨日はお雛様でしたもんね
鮃です。4.5kgの大物
メジマグロです。畳んだ状態でこの大きさ
メジマグロを拡げたところ。腹カミ部位ですね
水蛸を塩と柚子でいただきます
蛸の柔らか煮。歯が要らないっす
竹岡の太刀魚。皮目を炙ります
あたごのまつです
良いですね。この薄桃色
名残の煮牡蠣
平貝の炙り。海苔の佃煮乗せ。薬味は乾燥させた柚子胡椒です
のれそれ。デカい!
山形の銘酒
季節ですね。子持ち槍烏賊です
鮟肝と黒鮑の蒸し
広島は熊野のに大号令。初めてのお酒です
鰆の西京焼き
石巻の銘酒
墨烏賊です
宍道湖の白魚の真昆布〆
北寄貝です
焼津の銘酒
ルビー色の軍団
赤味です
ど~れにしようかな、アハッ
三崎の中トロ
藤枝の銘酒
小肌です
金目鯛。薫香を纏います
しめ鯖です
愛西の銘酒
車海老。太い
バフンウニの手巻き
対馬の穴子。大人の離乳食のようなフワフワ食感
痛風さん、こんにちは。鮟肝巻です。
たまご
2022/03/06 更新
2021/12 訪問
阿佐ヶ谷の地下に若鷲を見た!、の巻
金曜日の夜です。
阿佐ヶ谷です。
およそ一ヶ月ぶりに訪れたのは、こちらの“鮨 しゅん輔“さん。以前、水天宮のお寿司屋さんでお世話になったフォロワーさんと二人でお伺いしました。
9時スタートなので、終電に間に合わないことは織り込み済み。フォロワーさんはホテルをお取りですが、ラッコは小田急で行けるところまで行って、あとはタクシーで巣に戻ることに。
さてさて今夜のお客さんですが、ラッコ達の他は皆さんお若いカップルさんが五組。
お鮨をつまんだ後は、ハッスル、ハッスル、なんちゃって、お昼の洋食屋さんの気分がまだ抜けきれていませんね、アハッ\(//∇//)\
今夜のおつまみですが、一週間寝かせた下関の九絵、スルメイカの塩辛、大船渡の煮牡蠣、氷見の鰤の漬けが秀逸。素材の地味を失わない薄味の仕立てが、ことの他口に合います。
握りは、なんと言っても久慈産の大トロ。
津軽海峡を無事抜けて尻労で親潮にぶつかり南下したところで、アイヤァ、岩手の延縄に捕まっちゃいました。コイツは、ウンマイ。銀座や東麻布の名店にも引けを取らない、素晴らしい魚体でした。
詳しくは写真欄にコメントを記載しておりますので、画像とともにお楽しみいただければ幸いです。
そしてご馳走さまでした。
<つまみ>
●茶碗蒸し:白子摺流し
●九絵:真昆布〆、15kg、一週間寝かせ、下関
●鮃:一日寝かせ、宮城
●水蛸:生、柚子の香
●煮蛸
●煮牡蠣:大船渡
●香箱
●スルメイカ:塩辛
●蝦夷鮑:蒸し、北海道
●鮟肝:余市
●寒鰤:漬け、氷見
●鰆:西京焼き
<握り>
●墨烏賊
●勘八:22kg、3日寝かせ、三重
●北寄貝
●大トロ:腹かみ一番、久慈、樋長
●大トロ:カマスジ、久慈、樋長
●小肌
●金目鯛:藁焼き
●鯖寿司
●天然車海老
●馬糞ウニ:手巻き
●穴子:対馬
●鮟肝:中巻き
●玉子
<お酒>
●生ビール
●磯自慢:純米吟醸、東条特A山田錦、焼津
●十四代:中取り純米吟醸、山形
●十四代:中取り純米、山形
●惣村:限定中取り、純米吟醸、山形
●義侠 はるか:純米吟醸、東条特A山田錦、愛知
●松の司:純米大吟醸、滋賀
●義侠:純米、愛知
●たかちよ:純米大吟醸、新潟
日本酒は八匁として六合超え
最初は生ビール
最初は胃を温めるために温かいお椀が出てきました
白子の摺流しの茶碗蒸しです。猫舌なので、ハフハフ、ホフホフ、冷ましながら食べますが、十二人のお客さんの中で一番遅かった、アハッ
すかさず、焼津の銘酒にシフト
左側一日寝かせた宮城の鮃。塩でいただきます。右が一週間寝かせた下関の九絵。15KGって、デッカいですよね、アハッ
1日寝かせて適度に余計な水分が抜け落ちました。弾力のある歯触りな感嘆
この九絵はもはや、肉。昆布〆ですが、真昆布なのでしつこいあみのさんはなく、程よい香りに朦朧としちゃいました
九絵に山葵を乗っけてアンムッ。まるで鶏肉やねん\(//∇//)\
煮蛸。色見ほど味は濃くなく、蛸本来の地味を生かします
水蛸の生。振り柚子の香りでいただきます
大船渡産の煮牡蠣。エキスの染み出たお汁当然全て飲み干します
季節ですからね、香箱です。脚肉と外子。内子と脚肉の混ぜシャリが敷かれております。これくらいの量がちょうど良いかも
山形の銘酒
スルメイカの塩辛。ひとつづつ大事につまみながら、銘酒と合わせます。もうね、最高の夜なのだ
氷見産の鰤の漬け。日本海を降りてきました、お腹が真っ白な寒鰤様。まるで生ハムみたいっす
寒鰤を広げたところ。これはもうね、抜群の美味さっす(^◇^)
右は蝦夷鮑の蒸し。左は余市の鮟肝
十四代はなんでもウンマイ
余市の鮟肝をキツネさんで包みます。まるで鮟肝がスフレかプリンみたい。溶けて無くなってしまいました
寒鰆の西京焼き。お酒が進みます
しゅん輔さんにお伺いしたら、この特約店別誂えの惣邑をいただかない訳にはまいりません
墨烏賊。つるんつるんの食感。酢橘の酸味でいただきます
するめいかの塩辛。ちょっとずついただいているので、握りに入ってからもお酒でチビチビやってます
三重産の22キロのカンパチ。デッカイっすね。三日寝かせで旨味が充満
義侠の東条特A山田錦の銘酒です
北寄貝。内臓のモフモフがウンマイ
久慈の腹カミ一番。これはもう言葉になりません
同じく久慈のカマ筋
握りになってからも日本酒が好き
小肌です。ちょうど良いサイズ。塩梅も最適
金目鯛の藁焼きです。脂が多目なので、赤酢のシャリに合わせました
鯖すし。サバはホントにエライ!
五百万石の義侠
日本酒は摺り切り一杯のグラスで供されます。八匁くらいでしょうか?
天然の車海老。デカいっす
バフンウニの手巻き。半分ほどいただいたところです。汚くてごめんなさい
新潟の銘酒です
対馬の穴子。このツメだけで一合、呑めちゃいそう
鮟肝の中巻き。もうね、スフレというか、プッチンプリンというか、舌の上で溶けてなくなりました
たまごです
イケメンのしゅん輔さん。次回が早くも待ち遠しい
2021/12/12 更新
2021/11 訪問
阿佐ヶ谷の地下に若鯱を見た!、の巻
土曜日の夜です。
阿佐ヶ谷です。
前回が八月でしたので、およそ三ヶ月ぶり。
おひとり様なので、いつもの通り、しゅん輔さんの正面に案内されます。
『すいません。キャンセル待ちをお願いしておきながら、相方の都合がつかず、ご迷惑をお掛けしました。イケメン大好きな女子をお連れする予定だったのですが・・・』
『いえいえ、おいくつくらいの女子ですか?』
『ハンカチ王子と同学年と言うておりました』
『えっ、タメだ。おんなじですぅ』
『あっ、そいでは、是非是非、連れてきます』
なんて約束しながら、二人の席だと土曜日縛りで七月って、アハッ\(//∇//)\
それはともかく、今夜も素敵な時間をありがとうございます。
しゅん輔さんの柔らかく、素材の邪魔をしない優しい味付けが好きなラッコ。取り分け今夜は、鰤と鰹が口に合いました。
もちろん、名酒揃いなのも嬉しい限り。
次回は来月。
遅い時間にお伺いいたします。
いただいたものは以下の通り。
ひとつひとつのコメントは写真欄に記載しておりますので、画像と一緒にお読みいただければ幸いです。
そしてご馳走さまでした。
<つまみ>
●養老蒸し:山芋と銀杏
●九絵:昆布〆、下関
●真鯛
●水蛸
●煮蛸
●戻り鰹:気仙沼
●蒸し牡蠣
●塩イクラ
●鰤:藁焼き
●鮟肝:余市
●蝦夷鮑:蒸し
●鰆:西京焼き
<握り>
●墨烏賊
●鯵:出水
●赤身:延縄、戸井
●中トロ:腹シモ、延縄、戸井
●小肌:天草
●喉黒:藁炙り
●秋刀魚
●〆さば:青森
●車海老
●雲丹:手巻き、噴火湾
●穴子:対馬
●鮟肝:中巻き
●玉子
<お酒>
●ハイボール
●福寿:純米吟醸、神戸
●十四代:中取り、純米吟醸、山形
●十四代:超特選、純米大吟醸、山形
●磯自慢:水響華、大吟醸、焼津
●東一:純米吟醸、嬉野
●南方:純米、和歌山
●たかちよ:おりがらみ、新潟
日本酒は五合程度
この鰤も最高。北海道産です
気仙沼の戻り鰹。赤身なのに脂がすごい。煌めいております。これは悶絶級の美味さ!
戸井の中トロ。厚切りです
海のプッチンプリンでした
鯵。出水です
養老蒸し。すりおろした山芋の上にカツオ出汁を張り、銀杏をトッピング。胃が喜ぶ味わい。
真鯛です
下関産のクエの昆布〆。四日目です。まるで求肥のような食感に変化しておりました
真鯛に塩をトッピングします
クエには山葵をトッピング
生の水蛸です
此方は煮蛸
蒸し牡蠣
塩イクラ。イクラ本来の地味を楽しめます
鰤に山葵が合う
余市産の鮟肝。プッチンプリンのような食感に仕上げてありました。一切れは山葵で。もう一切れはお揚げに包んでいただきます。奥は蝦夷鮑の酒蒸し
鰆の西京焼き
墨烏賊。切り込みを入れず、ツルンツルンの食感を愉しみます
戸井の延縄。樋長さんから届きます
天草の小肌
喉黒です。藁で燻しました。ヒントが甘く、すいません
秋刀魚です。内臓の苦味が秀逸
シメサバ、青森です
車海老。デカい
噴火湾の馬糞ウニの手巻き
対馬の穴子
鮟肝の中巻き
玉子
今夜はハイボールでスタート
出ました。山形の銘酒
十四代の純米大吟醸です
新潟の銘酒
神戸の銘酒でスタート
和歌山の銘酒
佐賀の銘酒
焼津の銘酒、磯自慢です
2021/11/07 更新
2021/08 訪問
阿佐ヶ谷の地下に若き麒麟を見た
土曜日の夜です。
上野の国立科学博物館で三時間ほど知識欲を満たし、神田で乗り換え、阿佐ヶ谷に到着。
予約時間の十分前に到着すると一番乗り。
別に早く来てもギリギリにきても座る席は決まっているので、もう少しノンビリ歩いてきても良かったかな。
杉並区の有線放送から♪夕焼け小焼け♪が流れる中、階段を駆け上がる音がトントントン。
引き戸を開けて顔を覗かせる高岡氏。
正面に立つラッコを見て、思わず笑みがこぼれます。
『xxxさん、いっ、いつも面白いっすね』
えっ、何のことやろ。
立ち姿のことかな?
確かにカワウソ君みたいだし...
まじめな顔に戻った親方。
『いつものところにお座りください』
『はい。分かりました』
トコトコトコと階段を降りるラッコ。
おやっ、今夜は八席のようですね。
『やはりコロナ対策で間引かれているんですか?』
『いえ、そういう訳では無くて、一週間前にショートメールをお送りするんですけど、そこでキャンセルが出まして...』と悲しげな瞳。良い男はどんな表情も絵になる!
『七名がギリギリでしょうか。六名になるとお待ちのお客様にご案内するようにしているんですけど』
なるほど、カウンターは十二席なので、さすがに半分になるとちょっと寂しいですもんね。
さてさて、八月下旬の魚はどんなんでしょう?
いただいたものは以下の通りです。
ひとつひとつの詳細なコメントは写真欄に記載しておりますので、画像と一緒にお読みいただければ幸いです。
そしてご馳走様でした。
<つまみ>
今夜のツマミはいつにも増して強力なラインアップ。
定番は勿論のこと、カマスの炙りと黒鮑に悶絶。カマスの皮はウンマイ。独特な芳香なんですよね。
黒鮑はメガイに近い個体のようですが(鮑は交雑が複雑でなにがなんだか素人には分かりません)、地味と滋味に溢れておりました。塩もみしてそのまま蒸し器にかけるだけ。お酒も水も入りません。内側に閉じ込められた鮑の汗を堪能します。
ハシリの新イクラにも舌鼓を打ちます。まだまだ若いので、粒も小さく、濃厚な黄身の旨味と言うよりは良質なウズラ卵のような柔らかい味わいでした。これはこれでウンマイ。
●養老蒸し:山芋と枝豆
●真鯛:塩
●縞鯵:山葵
●鰹:タタキ
●水蛸:酢橘
●煮蛸
●白海老昆布〆:煎り酒
●新イクラ
●平貝:炙り、海苔佃煮乗せ、柚子胡椒と七味
●黒鮑:蒸し
●北寄貝
●カマス:炙り
●マナガツオ:西京焼き
<握り>
甘鯛、カナダから空輸された大トロ、鯵、ノドグロ、穴子に悶絶。なかでも藁で燻したノドグロには我儘な舌も胃も喜びます。
●白イカ:薄切り三枚重ね
●石垣貝
●新子:三枚付け、天草
●甘鯛:昆布〆
●大トロ:カナダ、樋長
●大トロ:カナダ、腹ナカの蛇腹、樋長
●鯵:兵庫
●喉黒:藁炙り
●鰯:中巻き
●車海老
●ムラサキウニ:手巻き
●穴子:対馬
●マグロ:中巻き
●玉子
<お酒>
割愛します
最初は小さなお椀からスタート
中身は養老蒸し。山芋の摺り流しです。枝豆の青臭さと合う
真鯛です。塩でいただきます。捌きたてのカチカチではなく、良い感じに馴染んでいます
シマアジです。軽く煮切りを塗っているので、これは山葵をたっぷりとのっけてアンムッ。健全な脂に舌鼓
鰹のタタキです。まだ脂はそんなの乗っておらず、むしろ青魚の酸味を感じます。鰯や秋刀魚を食べているのかな?
水蛸です。定番のツマミですね。酢橘の香りと塩でいただきます
煮蛸です。甘さは抑えめで、蛸自体の地味を引き出した仕立て
白エビの真昆布〆です。仕上げに煎り酒。こいつはもうね、タマラン!
初秋が旬の新イクラ。もうそんな季節になりました。ハシリなので、まだ小さく味わいも濃厚な黄身と言うよりはウズラ卵のような爽やかさ
平貝を軽く炙り、柚子胡椒を混ぜた海苔の佃煮でいただきます。七味のピリッと感と合う
左から北寄貝。蒸し黒鮑、カマスの炙りです
北寄貝。肉厚でした
カマスの炙り。焼けた皮の香りがたまりません。こいつは好き!
常磐の黒鮑。塩もみしてそのまま蒸すだけ。鮑の滋味と地味が閉じ込められた身に悶絶必至
北寄貝の裏のモフモフ。鮮度の証です
マナガツオの西京味噌漬けの炙り。ウンメイ!
マナガツオのお腹部位です。最高っす!
白イカの薄切りの三枚重ね。イカの身は内側に旨味が充満しているので、この仕立ては大正解
岩手の石垣貝。鳥貝と北寄貝の中間のような味
天草のシンコ。三枚付け
甘鯛の昆布〆。ほのかに漂う昆布の香りが食欲をそそります
大トロ。カナダです。仲卸は樋長さん。今は近海物より、ボストンやアイルランド、カナダがベストと感じます
こちらもカナダの大トロ、蛇腹部位です、腹カミではなく腹ナカとのこと。どんだけおデブなマグロさんなんやねん
兵庫産の鯵です。日本海側かな?
ノドグロです。脂が多いのでシャリは酸が強めの赤酢を効かせます。藁で炙ったその香りに悶絶
鰯の中巻きです
車海老。でっぷりと太っておりました
中は見えないけどムラサキウニだったはず
対馬の穴子
鮪の中巻き
〆の玉子です
2021/08/22 更新
2021/05 訪問
阿佐ヶ谷の地下に若き益荒男を見た
土曜日の夕暮れです。
今夜は三か月ぶりの阿佐ヶ谷の夜。
訪れるのは勿論、こちらの”鮨 しゅん輔”さん。
予約時間の十分ほど前に到着すると、すでに二組が外でお待ちでした。
ほどなくすると、杉並区の有線放送から『夕焼け小焼け』の童謡が流れ始めます。
♪カラスと一緒に帰りましょう~♪
うん。お鮨をいただいてからね、アハッヾ(≧▽≦)ノ
トントントンと階段を上がる音。
扉を小さく開け、顔を覗かせる高岡氏。
どうやら個室をご予約のお客様を確認されているようです。入り口が別なのでこれは欠かせません。若いお弟子さんに指示を済ませると、カウンターへのご案内がスタート。
ラッコはお一人様なので、いつもの指定席、親方の正面に椅子を引かれます。
『お久しぶりです』と、まな板に両手を置き、頭を板に擦り付けるように下げる高岡氏。ラッコも軽く会釈を返しますが、依然として頭を下げ続けていらっしゃいます。
慌てて頭を下げ直すラッコ。
頭を上げる呼吸をつかもうと上目遣いでチラ見しますが、高岡氏は頭が重過ぎるのか(ゴメン)、平身低頭のまま、しばし五、六秒くらいが経過。
『アヤヤッ、間合いがつかめないっす』と泣きに入るラッコ。
やおら顔を上げ、ええっ、何事、とガン見している両脇のお客様に、『叔父貴なんです』と呟く高岡氏。
『えっ、ホントですか?』と驚く両脇のカップル。
『アッ、いやいや、血はつながっていませんが、心は繋がっていると思います』と返すラッコ。
ニヤリとキラースマイルの高岡氏。
ズッキュン!
まるで若き益荒男。
高鳴る胸。初恋みたいやないかい、アハッ。
初っ端からいじられますが、この阿吽の呼吸が大切。
カウンターは相性ですものね。この出会いは大切にしたいと思います。
さてさて、それでは今夜のコースは以下の通り。
出色は真蛸の柔らか煮、春子鯛、鯵、カマ筋の大トロ。
地味を損なわない薄めの味付けに舌も喜びます。
次回は八月。
夏の魚も楽しみですね。
ひとつひとつのコメントは写真欄に記載しましたので、画像と一緒にお読みいただければ幸いです。
そしてご馳走様でした。
<つまみ>
●生海苔の茶碗蒸し:浅利の出汁
●鰈
●桜鱒:青森、漬け
●水蛸:北海道
●真蛸:気仙沼
●白海老:昆布〆
●バイ貝:酒蒸し
●のれそれ:土佐酢と振り柚子
●平貝:炙り
●鮟肝と蝦夷鮑:お揚げ添え
●太刀魚の塩焼き:竹岡
<握り>
●白イカ:薄造り
●春子鯛:昆布〆、出水
●鯵:淡路
●大トロ:カマ筋、塩釜
●大トロ:腹カミ、塩釜
●小肌:江戸前
●鰯:梅巻き
●車海老:姫島
●馬糞ウニ:手巻き、浜中
●穴子:対馬
●玉子:プリン仕立て
<追加>
●皮ギシ:手巻き
最初のお椀です。中身は次の写真で
浅利出汁の茶碗蒸しです。トッピングは生海苔。この潮の香りが大好き
左は眞子鰈、右は青森産の桜鱒の漬け
眞子鰈です。塩と山葵でいただきます
桜鱒の漬け。そろそろ名残の時期でしょうか?
北海道産の生の水蛸。まだ生きているかのようでした。塩と酢橘でいただきます
気仙沼産の真蛸の柔らか煮。なんでこんなに柔らかく仕上がるんやろう?
富山湾の白エビ。繊細な味を損なわないよう真昆布を軽くあてています。薬味は鰹節と梅と日本酒で作る煎り酒
バイ貝の酒蒸し。これはデッカイ
のれそれ。土佐酢と振り柚子でいただきます
平貝の炙り。トッピングは海苔の佃煮です。磯辺巻きの変化球ですね。薬味はパウダー柚子胡椒と七味でした
手前は宮城県産の蝦夷鮑の酒蒸し。奥は青森産の鮟肝。この鮟肝はプリンのような食感でした
千葉の竹岡の太刀魚。シンプルな塩焼きが一番旨い
白イカです。写真では分かりにくいのですが、表面の硬い皮を剥ぎ、内側の柔らかい部位の薄造り(コンマ数ミリ)を複数枚重ねています
出水の春子鯛。こちらでは旬の四月と五月しか使用されないとか。真昆布で軽く旨味を添加。完璧な味わいです
淡路産の鯵
カマ筋の揃い踏み
塩釜のカマ筋大トロ
腹カミの大トロ
江戸前の小肌
鰯の梅巻き
姫島の車海老です
浜中産のバフンウニを手巻きでいただきます
対馬の穴子
プリンのような卵
追加のネギトロの手巻きです。部位は皮ギシ。スプーンでこそぎ取りました。文句なくウンマイ
2021/05/16 更新
2021/02 訪問
阿佐ヶ谷の地下に若武者を見た
土曜日の夜です。
阿佐ヶ谷です。
今夜はおよそ三か月ぶりのこちら、”鮨 しゅん輔”さん。
都の指導に従い、夜の二回転を一回転に変更。六時スタートも五時に前倒ししての営業です。
以前と同じ高岡氏の正面の座席に案内され、ハイボールで唇を湿らせます。
シーバス、それともグレンフィディック?
このスモーキーさで胃も目覚めますね。
『すいません。五時に前倒ししてしまいまして...』と、低く頭を下げられる高岡氏。
マスク姿でもわかる、若武者のごとき凛々しさ。
声も良いんだよなぁ~!
惚れてまうやないかい!
絶対、一緒にサウナに入ったる!
ちゅうか、以前、オッケーを貰っていたかな、
アハッヾ(≧▽≦)ノ
なんだか妖しい方向に進みそうなので、軌道修正。
さてさて肝心のつまみと握りですが、変わらず納得の味。酒飲みオヤジの琴線を捉えて離さない技量と適切な距離感のサービス。
出るのはただただ、感嘆のため息のみ。
なんと居心地の良いことか。
取り分け、藁で燻して軽く漬けた寒ブリの旨味には目を瞠りました。他にもイカの塩辛、自家製唐墨の炙りなどなど、お酒が進む進む。
握りもビックリポン。
『このネタが分かれば、今お飲みのお酒、お会計は頂戴いたしません』とドヤ顔の若武者。
見れば乳白色の身。桜色にも煌めきます。
表面に浮かぶ脂のせいか、身の繊維は見えません。
身の付き方からして、ホウボウかなぁ、でもこんなに脂ギッシュじゃ無いよなぁ?
手に取り、頬張るラッコ。
『う~ん。この脂は深海魚系かなぁ、目鯛!』
『ブウ~ッ』
『えっ、えええっ、何やろう?』
『ラストチャンスです』
『うっ、ううっ、ゲンゲ?』
『生ではちょっと...』
ここで隣のカップルの女子が右手を挙げて、
『八角ですぅ~』と一言。
『大正解っす』と破顔一笑の若武者。
訊けばその女子、以前小樽寿司屋通りで食したことが有ったんだそうです。
『ウワッ、嬉しい。感動っす』とラッコ。
『珍しい魚が入荷したら分けてね、と仲卸にお願いしているんです』と若武者。
初めていただいた八角の旨味に悶絶したラッコ。
冬場の北の魚の実力に完敗です。
お酒も入手困難な数々の銘醸をいただき、ほろ酔い加減で気持ち良くお会計。
次回は初夏の魚を愛でに五月かな。
いただいたものは以下の通り。
詳細なコメントは写真欄に記載しましたので、画像とともにお読みいただければ幸いです。
そしてご馳走様でした。
<おつまみ>
●茶碗蒸し:白子の摺り流し
●鮃:三日寝かせ
●寒鰤:軽く燻して漬け
●水蛸:生
●水蛸:柔らか煮
●煮牡蠣
●烏賊の塩辛
●平貝:新海苔の佃煮添え
●煮鮑
●鮟肝:キツネ包み
●鰆:西京焼き
●唐墨:炙り
<握り>
●墨烏賊
●白魚:軽く昆布〆
●八角
●赤身
●中トロ
●小肌
●金目鯛:藁燻し
●〆鯖
●車海老
●馬糞ウニ:手巻き
●穴子
●玉子
<お酒>
●ハイボール
●三井の寿:純米吟醸、大辛口、福岡
●十四代:純米大吟醸、大極上、山形
●磯自慢:純米吟醸、焼津
●惣邑:純米吟醸、山形
●東洋美人:純米吟醸、萩
●墨廼江:大吟醸、石巻
今夜はハイボールでスタート
新しい容器かな?
蓋を開けると鰹節の太い香りと白子の甘いコクが立ち上がります
つまみの斬りつけが終わります。おひとりキャンセルされたようで、十一人分でした。奥は鮃。手前は対馬産の寒ブリです
板には塩と本山葵。この山葵、香りが良い。これだけで日本酒が一合、いけちゃいそう
三日ほど寝かせた鮃。余分な水分が抜けて、求肥のような食感に変化。旨味も充満しています
寒ブリを藁で燻して軽く漬けこみます。背中とお腹の部位をひと切れずつ。これはウンマイ。今夜のナンバーワン。海の生ハムかな
生の水蛸。酢橘を絞っています。塩でいただきました
同じく水蛸ですが、こちらは柔らか煮。山葵をトッピングしてアンムッチョ。大根と紅茶?の香りが鼻腔を駆け抜けました
煮牡蠣。でかい。温かい海のミルクが充満しておりました
たまらず日本酒にシフト。福岡の銘酒です
摺りきり一杯です
イカの塩辛。昨年の秋口にいただいたゴロより遥かに濃厚。やはり冬場のイカの内臓はウンマイ
塩辛の残ったエキスに本山葵を混ぜていただきます
山形の銘酒。入手困難な純米大吟醸でした。これはホントにもう、ヤバイっす
平貝の磯辺のしゅん輔ふう仕立て。新海苔の季節なので、生海苔の自家製佃煮を添えます
生海苔に本山葵をトッピング。もうどうにもお酒が止まらない、ウッ!
左は鮟肝。下敷きはキツネです。右は蒸し鮑
鮟肝のどアップ。砂糖や醤油の味付けは薄く、鮟肝そのものの地味を生かした仕立てです
蒸し鮑。噛むと迸る鮑の滋味。もう悶絶もの!
冷蔵庫から取り出したのは何でしょうね
下田だったかな、177kgの魚体の腹ナカです。津軽海峡を横断した本マグロさんは、尻労沖を南下して下田までやってきちゃいました。鰯でも追いかけているのかな?
柵どりです。動画から切り取りました。動画はインスタのraccostar_にアップしています
ああっ、この左手に撫でられたい、グフッ、軽い冗談ですヾ(≧▽≦)ノ
鰆の西京焼き。これも日本酒に合う!
自家製の唐墨です。炙ってあるので、クッキーのような食感。握りのネタを準備される間、ちょこちょこちょこと齧って大人しく待ちます
墨烏賊。ネットリ感が半端ありませんでした。強めの酢との相性が抜群
山形の銘酒。特約店のみの限定品
白魚です。きれいに並んで出番待ち
白魚。軽く昆布で〆ています。内臓の苦味と背骨のシャリシャリ感が堪りません
これが八角です。切れの良い脂と芳醇な旨味に悶絶しました
下田で水揚げされた赤身です。このルビー色というかワインレッド色にはときめいてしまいます
萩の純米吟醸。銘酒が続きます
同じく下田の中トロ。脂が豊富なので強めの酢が効いたシャリとの相性も抜群でした
天草産の小肌。ちょうど良いサイズでした
石巻の銘酒。一度火入れした大吟醸です
金目鯛です。香り良し。訊けば握り直前に厨房の奥で藁で燻したとのこと
〆鯖です。この仕立ても面白くて好きですね
車海老。でっかいサイズでした。中には尻尾の身を潜ませます
浜中産のバフンウニ。軍艦ではなく手巻きで供します。もうなんも言えねぇ~!
バフンウニの手巻き。海苔は千葉のxxx商店ですが、江戸前ではなく有明産です。ウニは海苔との相性が抜群ですね
対馬産の穴子。文句なし
仕上げの玉子。芝海老と帆立が入っています
2021/02/08 更新
2020/11 訪問
阿佐ヶ谷の地下に若大将を見た!の巻
土曜日の夜です。
今夜はおよそ四か月ぶりの阿佐ヶ谷の夜。
握り寿司のダブルヘッダーとなりましたが、そんなの全く問題無し。
っていうか、栄養的にはバランス悪いよなぁ〜、なんて一応反省してはみるものの、単なるポーズ。
だって酢飯が好きなんだもんね。
六時からの会ですが、十三席が満席となる大盛況。
それも宜なるかな。
決して出過ぎず、むしろ控え目な若大将の笑顔に、皆さん、魅了されているのでしょう。
今夜の出色は、鰤の炙り漬け、煮蛸、青柳、香箱蟹、甘鯛昆布〆、黒むつでしょうか。
素材の持ち味を生かした品の良い薄味に、殊の外、ラッコのワガママな舌も喜びます。
前夜に引き続き、八種類、四合のお酒をきこしめ、余は満足じゃ、なんてノテノテとフラつきながら改札に向かうラッコでした。
いただいたものは以下の通りです。
コメントは写真欄に記載しておりますので、併せてお読みいただければ幸いです。
そしてご馳走さまでした。
<つまみ>
●白子:摺流し
●真鯛
●鰤
●水蛸
●煮蛸
●イクラ:塩漬け
●煮牡蠣
●青柳
●イカの塩辛
●香箱蟹
●鮑と鮟肝:稲荷添え
●鰆:西京焼き
<握り>
●墨烏賊
●甘鯛:昆布締め
●本鮪:赤身
●本鮪:大トロ
●小肌
●黒むつ:藁炙り
●鯖:押し寿司
●車海老
●馬糞ウニ
●穴子
●玉子焼き
<お酒>
最初のハイボールが残り少なくなったあたりで『今夜はいかがいたしましょう』と若大将に問われます。
『八種類でお願いします』とラッコ。
日本酒のストックが40〜70本?とのことなので、そこから変化をつけてお出しになる順番を考えていただきました。
●ハイボール
●日高見:純米、宮城
●墨廻江:純米、宮城
●義俠:純米、東条特A、愛知
●十四代:純米吟醸、口開け、山形
●上喜元:純米吟醸、山形
●惣邑:純米吟醸、山形
●瀧自慢:純米大吟醸、口開け、三重
●南方:純米、和歌山
日本酒は合計四合
なんだろう。学が無いので花の名前が分からない\(//∇//)\
最初はハイボールで気道の洗浄
白子の摺流しです。人肌より若干、温かいくらい。胃が活動し始めました。
左は鹿島産の真鯛、右は余市産の鰤です
鰤は一度炙ってから漬け込みます。無駄な脂が落ちて、その隙間に漬け汁が染み込みます。文句無しにウンマイ!
真鯛には塩を乗せていただきます
ここで一本めに突入
半合計算ですが、摺り切りなので、6匁は有りそう。
生の水蛸です。噛むほどに味わい深い甘味が滲み出てきました
いくらの塩漬けを並べているところ
煮蛸です。太い。大根のジアスターゼのような香りにただただ溜息
名残りの新イクラです。皮目はまだ固く無いものの、九月の秋鮭に比べると、それはやはり・・・。塩のみで脱水しているので、混じり気のない卵黄のような味わいでした。
大船渡産の煮牡蠣です。ズッシリとした重量感。牡蠣の旨味が閉じ込められておりました。お酒を呼んじゃいます\(//∇//)\
苫小牧産の青柳。デカイ、分厚い、太い、そして潮の香りも強い。柚子の搾り汁で和えた大根おろしが添えてありました。
イカの塩辛。旬ですね。ゴロがまったく生臭くない。これはウンマイッス!
イカのゴロから滲み出た脂です。なんだろう、小さなイワシでも食べてるのかな?
三本目です。東条特A山田錦100%の純米。おおっ、なんてこったい(⌒▽⌒)
タップリの香箱蟹。この半分しか出さないお店が多い中、奮発してらっしゃいます。『ムクの大変っすね』と水を向けると』楽さしてもらってます』と若い衆に笑顔を向ける高岡氏。こりゃあ、みんなついていくよな。
嬉しい口開け。この山形の銘酒はウンマイ
三陸産の蒸し鮑と鮟肝。お揚げに包むのはお止めになったようです
この艶やかな鮟肝の肌。まるで赤ちゃんの頬っぺたみたいです。
鰆の西京焼き。もう、タマンねぇ(⌒▽⌒)
山形の銘酒が続きます
大間の279kg。腹中の大トロと赤身が出番待ち
出水産の墨烏賊。甘い。今年ナンバーワンの墨烏賊でした
これも山形の銘酒です
甘鯛の昆布締め。確か真昆布だったかな。魚の地味を引き立てる名脇役です
大間の本鮪の赤身。良いっすね。ルビー色の煌めきに朦朧としてしまいます
大間の本鮪の腹ナカ。厚切りです。もうなんも言えねー\(//∇//)\
三重の純大吟
出水産の小肌。赤酢を強めのシャリに変更
黒むつ。炙った藁の香りに溜息が出てしまいました
和歌山の銘酒。これで八種類となりました
鯖の押し寿司
天然の車海老
馬糞ウニです。浜中産の天然もの。
対馬の穴子
玉子焼きです
2020/11/16 更新
2020/07 訪問
阿佐ヶ谷の地下に”絵になる男”を見た!の巻
金曜日の夜です。
鮨 なんば 阿佐ヶ谷改め、鮨 しゅん輔 阿佐ヶ谷にお伺いします。
師の難波氏からお店を任されて三年目の初夏、高岡俊輔氏が満を持してご自身の名をお店に冠せられます。
『正直、急なことでしたし、暖簾にはあえて”なんば”の文字を残しました。師への憧れもありますし...』と伏し目がちに唇を結んで呟かれる高岡氏。
良い男だなぁ~!
ラッコの若いころに似ている...、訳もないか。
『そんなの失礼でしょ』なんて、ラッコの今の姿をご存じの方から、お叱りの声が聞こえてきそうです。
前回お伺いしたのは、コロナ騒動の前の三月。お会計時に、金曜日か土曜日の一回転目縛りで空きスロットを探します。
できれば五月か六月が良かったのですが、十二席二回転とはいえ、そこは阿佐ヶ谷の名店、最短で四か月後の今日のこの日となりました。
六時数分前にお店の前に到着。
霧雨を避けて庇の下に立っていると、続々と今夜のお客様が集まり始めます。
六時を知らせる区の有線放送が遠くに流れる中、お弟子さんが地下から駆け上がり、木戸を引かれます。
階段を降り、”なんば”の文字の残る暖簾をくぐります。
高岡氏が柔らかな笑みを浮かべながら『どうぞこちらへ。お久振りです』と、正面の椅子に掌を差し出されます。
『ご無沙汰しておりました。この数か月はいかがでしたか?』
『もう、それはもう、ホントに大変でして、お弁当でなんとか凌ぎました』
『お弁当、私も近ければお伺いしたのに、残念です』
『お届けも出来ますよ』
『えっ、二時間かけてですか?』
『小田急線でお運びしましょう』
なんて軽い冗談で身も心も優しくマッサージ。
八銘柄程度の日本酒をお任せでお願いし、この一週間を振り返りながら、美味い肴と質実な酒、繊細な握りに舌鼓を打つこと三時間弱。
いただいたものは以下の通りです。
そしてご馳走様でした。
<総論>
暖簾をくぐるといきなり本山葵の爽快な香りが鼻腔をくすぐります。
エッジの立つほどキリッと冷えたおしぼりは、ミント?で香りづけ。
壁のアンスリウムと木いちご?が控え目で上質な空間を演出します。調べれば、アンスリウムの西洋花言葉は”hospitality(温かいおもてなし)とのこと。
完璧なプロローグに早くもTKOの気配。
さて本番ですが、これまでで最高のつまみの数々。
”しゅん輔”としての意気込み、というか静かなる秘めた熱を眼と肌と舌で感じ取り、フゥ~~~ッ、と緩く細く長いため息を吐きだし虚空を見つめる小デブ。
思わずうれし涙が零れ落ちそう。
<つまみ>
詳細なコメントは写真とともにどうぞ
●生海苔の茶碗蒸し
●星鰈
●時鮭
●水蛸
●真蛸
●バイ貝
●甘海老
●真魚鰹
●鰯
●鮟肝お稲荷
●鮎の有馬煮
●蒸し鮑
●太刀魚
<握り>
●白イカ
●エボ鯛
●鯵
●中トロ
●中トロ:シャリ温度高め
●小肌
●喉黒
●ワカメ:梅酢ジュレ
●車海老
●馬糞ウニ
●穴子
●玉子焼き
<お酒>
●ひと夏の恋:純米吟醸、宮城
●惣村:純米吟醸、特約飲食店別誂、長井
●美潮:純米吟醸、高知県
●文佳人:純米吟醸、高知県
●上喜元:純米吟醸、酒田
●山川流:純米、四国中央
●松の司:純米大吟醸、滋賀県
●東一:純米吟醸、嬉野
合計五合弱
伯楽星の酒蔵からスタート
100mlです
アンスリウムと木いちご? 落ち着きます。センス良し。奥様の手になるのかな
まずは胃を覚醒させます
生海苔の茶碗蒸し。浅利出汁と生海苔の塩味のみ。これは胃に優しい
茨城の星鰈。三、四キロはありそうな上物でした。四日寝かせです
星鰈を拡げます
星鰈に山葵を挟み、たたんでアムッ、ウンマイ
時鮭の軽い漬け。スモーキーな脂に悶絶
時鮭のお腹。いわゆる大トロ部を分けていただきました。『xxxさんがいらっしゃるので取っておきました』なんて嬉し涙が出てきそうです
水蛸。タコは生もウンマイ
こちらは真蛸の桜煮。以前より味付けが濃くなったのかな、ドストライクです
長井の銘酒にシフト。別誂。都内には数本しか入らず
バイ貝。山口県の日本海側
真昆布締めの甘海老。のっかるのは頭の味噌をすり鉢であたり、若干のお酒でまとめたもの。最強のアテ
マナガツオ。西京味噌を塗って軽く炙ります。香ばしさが際立ちます
鰯の酢洗い。旬の魚はウンマイ
美潮。高知の酒蔵です。初めてでした。うんまい
鮟肝胡瓜のお稲荷と若鮎の有馬煮、蒸し鮑の三点盛り
舞鶴産の蒸し鮑。歯茎を押し返す弾力というか、グムッ、というグリップ感が素晴らしい
若鮎の有馬煮。サイコー
宮城産の鮟肝と胡瓜をお稲荷さんで包みます
山葵を乗っけました。お稲荷の甘煮と鮟肝の脂、胡瓜の瑞々しさが高い次元でがっちりと握手
高知の銘酒
千葉は竹岡の太刀魚の塩焼き。ほど良い油
山形は酒田の銘酒
手になじむサイズ
白いか。開いて三枚に水平切り。真ん中の最も柔らかい部位を握ります。超絶、アンまい
愛媛の梅錦酒造
エボ鯛の昆布締め
浜田さんの鯵
境港の腹シモの中トロ
滋賀県の銘酒
腹シモの中トロ。シャリの温度を上げて脂を溶かします
佐賀産の小肌。赤酢は強めの浅漬け
喉黒。藁で炙ります。薫香と赤酢のコラボレーション
口直しの若芽の梅酢和え
絵になる男
嬉野の銘酒
知多半島産の車海老。デカいサイズ
バフンウニの手巻き
対馬の穴子
玉子焼き
小デブの予約をなんとか土曜日に入れようと悩んでいただきます
看板
2020/07/22 更新
2020/03 訪問
阿佐ヶ谷の地下に若鷹を見た!の巻
土曜日の夜です。
今夜は阿佐ヶ谷でお鮨をいただきます。
四回目の訪問となるこちらは、高岡氏があずかる珠玉の名店。
その高岡氏、過去のレビューで、好漢、快男児、若獅子、なんて勝手に表現してまいりましたが、心底、惚れてしまうような良いオトコ。
六時に地下に案内されます。
『こんちには。お元気そうで。いつもの所にお座りください』と高岡氏が眼を見て呟きます。
右手には春を告げる生け花が、しっとりとした上質な空間を演出しております。
『梅っ?』と半可通の小デブが問いかけます。
『いえっ、桜とトルコキキョウになります』と、蕾に優しく触れながら呟く好漢。
奥様の手によるものでしょうか?
いやいや、もし高岡氏の手となれば、もう、どんだけぇ〜!
花や鳥の名前をサラっと言える大人はカッコ良い。
ましてや生け花にも造詣が深いとなると、とても小デブの短い物差しでは測りきれない魅力に溢れます。
コロナの影響もなんのその。十二席すべてが埋まりました。快男児と同世代の方が多いように見受けます。いつになく賑やかな空気の中、ひとり静かに美味い肴と銘酒を楽しみます。
そしてご馳走さまでした。
いただいたものは以下の通りです。
コメントは写真とともにどうぞ。
<つまみ>
いずれの皿も繊細で薄目の味付け。素材の地味を活かしきります。それが高岡氏の流儀。
殊の外、口に合います。
●白子の茶碗蒸し
●鱒:漬け
●真鯛
●水蛸:酢橘で味付け
●煮蛸:太い。大根の香りを感じます
●蛍烏賊
●蒸し牡蠣
●皮剥
●平貝
●絹もずく酢:能登
●鮟肝と蒸し鮑
●喉黒の炙り
<握り>
ネタにより、赤酢の強弱と温度を徹底管理したシャリを駆使します。
●墨烏賊
●赤甘鯛の昆布〆
●細魚
●中トロ
●小肌
●金目鯛:皮目を藁で燻し、香りが違う
●鯖
●車海老:天本置きで遊ぶ
●馬糞ウニ手巻き
●穴子
●玉子
<お酒>
・生ビール:小グラス
・みむろ杉:無濾過生酒、桜井
・鳳凰美田:純米大吟醸、小山
・壱・生酛純米、灘
・十四代:角新本丸、生酒、村山
・石鎚:純米吟醸、西条
・初亀:純米吟醸、藤枝
・東洋美人:おりがらみ、萩
・たかちよ:純米大吟醸、南魚沼
日本酒はグラス100mlなので四合強といったところ
八幡浜産。寝かした甘鯛を八時間ほど真昆布に包みます、劇的にウンマイ!
閂の細魚。塩〆も酢〆も無し。何も足さない、何も引かない。細魚の青魚の地味が爆発しました
惚れちゃいました
金目鯛。皮目を藁で燻します。香りが最高
静謐で小粋
鱒の漬け。青森産。八甲田を流れる川で捕まっちゃったのかな? 漬け込みは八時間ほど。身の繊維は柔らかく舌の上で溶けますが、その奥に鱒本来の地味と一緒に漬けた桜のほのかな香りが残ります
長崎の喉黒の炙り。太平洋側と異なり、身の繊維一本一本にまで脂が染み込んでおります
最初の器は胃を温める仕掛けかな?
白子の摺流しでした。肌理細かく裏ごしし、鰹出汁に合わせます。もう悶絶
真鯛。甘い。塩でいただきます
滑川産の蛍烏賊。酸味が尖っておりません。これはウンマイ
大船渡の蒸し牡蠣。噛めば噛むほど牡蠣本来の地味が迸ります。キレの良い旨味に悶絶
取り出したのは220kgの勝浦の本鮪。腹シモです
皮剥です。肝を中に挟んで、酸味を添加した肝ソースを纏わせます。これもウンマイ
愛知の平貝の磯辺巻き。平貝は味噌漬け。お酒に合います
鮟肝を斬りつけます。確か宮城産。脂が落ち始めですが、まだまだいけるかな
奥の淡紅藤色の暖簾が粋
能登半島の絹もずく酢。その名の通り、絹のように細い
青森の鮑の酒蒸し。何も付けずにいただきます。鮑の地味と滋味が舌を愛でます
宮城産の鮟肝。そろそろ終わりの頃でしょうか、最盛期より体脂肪率は改善されたようです、アハッ
鮟肝には山葵っしょ
中トロが勢揃い。柵から斬りつける際に『もうヤンバイっす、刃に吸い付きます』と笑顔の高岡氏
墨烏賊
勝浦の中トロ
天草の小肌
鯖巻きって呼んで良いのかな、アハッ
車海老。天本置きで遊びます
釧路?の馬糞ウニ
南魚沼の銘酒
穴子。お腹部分。フワフワ
芝海老とトロロ芋の玉子焼き
最初はプレモルでしょ
村山の銘酒
栃木の銘酒
萩の銘酒
藤枝の銘酒
灘の銘酒
愛媛県の西条の銘酒
2020/03/10 更新
2019/12 訪問
阿佐ヶ谷の地下に若獅子を見た!の巻
土曜日の夜です。
阿佐ヶ谷です。
凡そ二ヶ月ぶりの訪問。
今夜も高岡氏の正面で至極の時間を過ごせました。
季節もようやく冬らしくなり、魚も健全な脂を纏い始めます。取り分け、真鯛、寒ブリ、鮪の剥がし、真鯖は悶絶ものでした。
惣邑の口開け三銘柄もいただき、ちょうど良いほろ酔い気分。中野まで線路沿いを夜のお散歩と洒落込み、小さな幸せを噛みしめます。
そしてご馳走さまでした。
いただいたものは以下の通りです。
<つまみ>
強い味付けは施さない流儀。素材の持ち味を素直に丁寧に活かしきります。香箱蟹など、三杯酢で和えたいところですが、敢えてそのまま。蟹本来の旨味を愉しませます。
コメントは写真とともにどうぞ。
特に口に合ったものには★印をつけました。
●真鱈の白子の摺流し
●★真鯛:鹿島灘産
●★寒ブリ:佐渡島産
●★水蛸の桜煮
●★水蛸
●牡蠣:酒蒸し
●★スルメイカの塩辛:八戸産
●★香箱蟹
●★北寄貝:長万部産
●★鮟肝:余市産
●★蒸し鮑:宮城産
●鰆:西京焼き
<握り>
シャリは人肌より温かめでした。
●★墨烏賊:竹岡産
●★皮剥:和歌山産
●★甘鯛:真昆布〆
●★赤身:大間産
●★剥がし:大間産
●★小肌:天草産
●★真鯖:松輪産
●車海老:
●馬糞ウニ:手巻き
●★穴子:対馬
●干瓢巻き
<お酒>
・生ビール:プレモル
・惣邑:純米吟醸、酒未来、山形
・惣邑:純米吟醸、出羽燦燦、山形
・惣邑:純米大吟醸、雪女神、山形、34本限定瓶詰め
・石鎚:純米吟醸、愛媛県西条
・十四代:本丸、
・梅錦 山川流:純米、愛媛
・大信州:純米吟醸、松本
・黒龍:特吟、福井
日本酒は凡そ五合
先ずはプレモルで喉を洗います
最初の器はなんでしょう?
真鱈の白子の摺流しでした。このコクがたまりません
山葵を乗せて味変
惣邑の口開け。酒米は酒未来
真鯛の腹側。シットリとした味わい。健全な脂を纏っているからですね。目の前で斬り付けるさまを眺めますが、包丁に吸い付くような肌合いにうっとりします
寒ブリ。佐渡島まで降りてきました。今年の鰤は素晴らしい
水蛸の桜煮。奥歯で噛み締めると、蛸の地味が迸ります。ただ単に甘いだけではなく、この地味を失わない仕込みに感動しました
水蛸。塩と酢橘?ですでに味付けされています。ウンマイ!
牡蠣の酒蒸し。デカイ。産地は聞き忘れましたが、おそらく仙鳳趾では?
別誂。たった34本の瓶詰め。取り扱いはなんばさんと都内の卸屋さんの二店舗のみだそうです
八戸産のスルメイカの自家製塩辛。一夜干しして余分な水分を抜き、ゴロ(内臓)と塩のみで味付け。この季節だけの贈り物
脂の煌きが見えるでしょうか?ゴロから滲み出た脂です。このお皿を舐めたい
香箱蟹。余計な味付けはなく、蟹本来の地味を愉しませます。お酒が止まりません
鮟肝をさばく高岡氏
酒米は雪女神。こいつは最高!
北寄貝。敢えて裏側の内臓を残しますので、軽く炙って仕上げます。シャリシャリ、シコシコした歯触りに悶絶
蒸し鮑です。殻についた根元の部分を厚切りしていただきました。味が濃ゆい!
余市の鮟鱇の肝。素材の持ち味を活かした薄味仕立て。舌の上でゆるく溶け始めます
鰆の西京焼き
愛媛の銘酒
千葉の竹岡産の墨烏賊
山形の銘酒
皮剥。内側に生の肝を忍ばせます。アサツキの香りと渾然一体の美味さ
甘鯛の真昆布〆。昆布の旨味が上顎から降りてきます。もう悶絶
赤身と剥がしの勢揃い
愛媛の銘酒、梅錦
樋長さんから仕入れた大間の腹中の赤身。シットリとネットリが頂点の味わい。酸味と甘味のバランスも抜群。
腹シモに近い部分。筋が多いので、スプーンで身を剥がしとります
天草の小肌。三日目なのに塩と酢が入り過ぎておらず、ジューシーな味わい
長野の銘酒
松輪の真鯖。旨味の詰まった健全な脂。鯖は偉い!
真鯖の紋様。綺麗ですね
この真鯖は最高でした
車海老が勢揃い
車海老は軽くボイルした方が甘味も際立ち、ウンマイ
見えにくいけど、馬糞ウニの手巻きです
福井の銘酒
対馬の穴子。お腹部分です
山葵タップリで所望した干瓢巻き
2019/12/08 更新
2019/10 訪問
阿佐ヶ谷の地下に快男児を見た!の巻
月曜日の夜です。
阿佐ヶ谷です。
予約時間の十分前に到着したところ、既に五~六名の方が外で開店をお待ちのようです。
六時丁度にお弟子さんが木戸を開け、おもむろに皆さん、地下への階段を降り始めます。ほどなくすべての席が埋まり、私を入れて十三名。
高岡氏の正面に案内されます。
『お久しぶりです。二か月ぶりでしょうか?』と、ラッコの小さな眼をしかと見つめて呟きます。
『そうですね、八月でしたから...』と、両頬のえくぼをガン見しながら、話をつなぐラッコ。
良い男だなぁ、まさに快男児。
初回の時からそうでした。
ビジネスでチームを組むなら、若頭として絶対必要なタイプ。ラッコも三十代の頃、諸先輩からそう思われていたのかなぁ? そうあって欲しいなぁ、と生ビールのグラスに唇を近づけます。
『今日はお酒はいかがいたしましょう?』と高岡氏
『三合で打ち止めしたいと考えているのですが』と呟くラッコ
『100から110程度入っておりますので、五銘柄を目安にしましょうか?』と適切なご提案
心地良いなぁ。
わずか二回目の訪問なのに、既に昔ながらのご常連様になったような心持ち。
ラッコのセクハラギリギリの際どい表現にも、爽やかな笑顔を作りながら『大丈夫ですよ。私も好きですから』なんて、きっと波長が合うんですね。
この出会い、前回お連れしてくださったフォロワー様に感謝です。
いただいたものは以下の通り。
次回の予約をお願いし、九時前にお店を後にします。
そしてご馳走様でした。
<つまみ>
●茶碗蒸し:
生海苔をトッピング。四万十川産です。香りが抜群。ラッコはお店で見かければ必ず購入し、小海老などと生海苔パスタに仕上げます
●真鯛:
薬味は塩。板前の正面なので、冊を斬りつける所作をガン見します。包丁はその形から佐賀の二葉商会(先日のNHKプロフェッショナルにも登場されておりました)製かと想像しましたが、高岡氏に拠れば『業者の方にお持ちいただいた中から選んだので、二葉さんのことは存じ上げないんです』とのこと。ただ、その後で『斬れ味は抜群ですね』とニヤリ。奥様方はこの笑顔に胸キュン間違いなし。オトコもだけど...
●シマアジ:
天然。煮切り醤油と山葵でいただきます。これは抜群。脂は乗っているけど、決してくどくありません。流石、海のスプリンター。健全な脂に悶絶します
●真蛸:
桜煮だと思われます。太い部位をいただきましたが、硬さと柔らかさがちょうど良い塩梅。肉繊維が壊れていないので、叩いているわけでは無さそう。煮る温度帯と時間に秘訣ありと見ました
●バイ貝:
酒蒸し。ネットリとした肝が美味い。煮汁は出汁と日本酒と味醂かな。やや強めの甘味がバイ貝の持ち味を引き出しているように感じます
●北寄貝:
肉厚の極上品。根元の内臓部位は軽く炙って提供。裏のモフモフが生きています。甘い。鮮度抜群。柱と紐は供されなかったけど、恐らくまかないで皆様の胃の中に消えたのでしょう
●煮鮑:
何もつけずにそのままいただきます。鮑の滋味が舌の上に迸ります。フリンジ部分を器に戻されていたのですが、ラッコの圧に耐えかねたのか、二つに切り分けてトッピングしていただきました
●鮟肝:
常磐や北海道ではなく、こちらでは宮城産をお使いとのこと。安定して上物が入荷するというのがその理由のようです。味付けは敢えての薄目。鮟肝の脂肪のコクをより堪能させる狙いでしょうか
●鯵のなめろう:
酒に合う。鮟肝や煮鮑と同様、お酒との相性を考えて薄めの味付け。口に合います
●黒ムツの塩焼き:
旬の白身。ムツより高価で希少な高級魚。見た目はグロいけど、鯛や平目にも負けない上質な味わいでした
●タチの塩焼き:
いわゆる真鱈の白子。北海道産。いよいよ冬の魚の季節が到来しました
<握り>
ネタによって白シャリと赤シャリを使い分けます。
●墨烏賊:
旬物です。柔らかい。歯茎で噛み切れそう
●甘鯛:昆布〆
日本海の萩産。この控え目な旨味は真昆布に違いない。『その通りです』と高岡氏。羅臼のように強すぎると魚の味が失われるし、日高だと弱すぎるので(ラッコの勝手な経験上の推測です)
●赤身:
●中トロ:腹シモ
樋長さんから仕入れた塩釜の旋網。192kgの大物。ちょうど捌かれる日にあたり、七~八キロの塊を拝見します。腹カミか腹ナカと思いましたが、なんと腹シモとのこと。巨体なので、ほとんど寸胴鮪なんでしょうか?
明らかに上物です。赤身部位はルビーの輝き。大トロ部位は煌く桜色。溜息しかありません。斬りつけながら、高岡氏の頬が緩みます。
『吸い付いてきますね。もう刃をいれた途端、ビビッと掌に何とも言えない、他では感じられない肌合いが伝わります』とのこと。室温に馴染んできたせいか、お皿の上の赤身と中トロの表面に、ジンワリと健全な脂が浮きはじめます。まるで鮪神に射す後光か。味わいは酸味と旨味のバランスが良く、まさに絶品。今夜は大当たりでした。勿論、最後に追加します
●小肌:
天草産。三日目でしたでしょうか。その割には酢が入り過ぎず、滑らかな食感を堪能しました
●新イクラ:手巻き:
手でほぐし、熱湯に15秒ほど晒して生臭さを処理。卵の黄身だけいただいているかのようなネットリとした甘味。海苔は江戸前、船橋の丸友。しっかりと褌をつけ、イクラが零れ落ちないように仕立てます。丁寧な仕事にほれぼれします
●〆鯖:
真鯖です。芽ネギ、胡麻、大葉で和えた赤酢のシャリを挟みます。ただただ悶絶
●車海老:
愛知産。天然なのでサイズがばらつきますが。お客の食の進み具合を見計らい、年齢なども見極めたうえで、選別されておりました。ラッコは勿論、その中でも特大サイズ。
甘い。エビはボイルに限る。赤と白の縞々が、まさにブロッサムジャパン。感動を有難う。南アは強かった
●馬糞ウニ:
刷毛で塗った煮切り醤油が煌きます。間違いのない浜中産
●穴子:
対馬産。舌の上で淡雪のように溶けてなくなります。文句なしにウンマイ
●玉子:
中は半レア、もはやケーキ
--------------- 追加 ---------------
●中トロ鉄火:手巻き
酸味と旨味が高い頂点で調和している今夜の鮪を食し、追加しない手は有りません。中トロの手巻を所望します。冊取りしたばかりの長方形の板から、皮に隣接した部位、いわゆる皮岸を長手方向に切りつけていただきます。これだけ上質の鮪であれば、ネギや沢庵などの薬味はノイズにしかなりません。うんまい。大満足の〆となりました
<お酒>
●生ビール:中グラス
●惣邑:純米吟醸、酒未来、山形
●十四代:純米大吟醸、極上、山形
●醸し人九平次:純米大吟醸、愛知
●美丈夫:純米超辛口、高知
●みむろ杉:純米大吟醸、奈良
●十四代:秘伝玉返し、山形
●安芸虎:純米吟醸、ひやおろし、高知
五種類の予定が結局七種類をいただきます。
100ml換算として計約四合
隣の妙齢の女子四人には東洋美人を供されます。
ニクいなぁ!
最初は生ビール
これは何でしょう?
生海苔の茶碗蒸しでした
真鯛を斬りつける高岡氏
真鯛です
シマアジです。勿論、天ねん
真蛸の桜煮
日本酒に切り替えます。山形の銘酒。十四代の酒未来を使用しています
バイ貝の酒蒸し
北寄貝
北寄貝の根元。軽く内側の内臓部位を炙ります
鮟肝の揃い踏み
鮑の酒蒸し、紐乗せ
鮟肝、宮城産
樋長さんからの腹シモ
鯵のなめろう
クロムツの塩焼き
愛知の銘酒
赤身と中トロの揃い踏み
生姜
墨烏賊と甘鯛の昆布〆
墨烏賊
高知の銘酒
甘鯛の昆布〆
赤身
中トロ
奈良の銘酒
小肌
新イクラの手巻
真鯖
山形の銘酒
天然車海老
天然車海老、内側に尻尾が忍びます
タチ。真鱈の白子
高知のひやおろし。口開け
バフンウニ
穴子の集団
対馬の穴子
スフレ状の卵
追加の中トロ手巻き。冊の皮岸部位を斬りつけていただきます
皮岸の手巻
ラッコが手巻きの写真を撮っていると、隣の女子に無理やり写真を撮られました。私の手をつかんでいるのが女子です。さすが帰国子女? 大胆です。参りましたら
2019/10/22 更新
2019/08 訪問
阿佐ヶ谷の地下に好漢を見た!の巻
金曜日の夜です。
阿佐ヶ谷です。
予約困難店の二回転目、九時スタートの会にお誘いいただきました。
およそ二時間半のコースとのことなので、日付が変わる寸前まで食べて呑み続けることに。
う~む。五十を過ぎた身には少々辛い仕打ちかも。
それに終電には明らかに間に合わないし・・・
しばし頭を冷やして考えますが、悩むまでもなく答えは決まっております。日々の飽食を戒めようと努力する自分へのポーズに過ぎません。
言い訳を考え始めます。
『だってさ、このチャンスを逃しちゃうとさ、これから下り坂を迎え、日々老いていくだけの時間、おそらく二度と暖簾に手をかけることなんて出来ないかもよぉ〜!』
右脳に潜む悪魔のラッコが囁きます。
『う〜ん、もうっ。飲み過ぎはダメですからね!』と、常に寄り切られる左脳に潜む天使のラッコ。
まぁ素直に考えれば、新宿の岩瀬さんでは毎回六時から十一時まで五時間食べて呑み続けているわけですから、身も蓋もありません。
良い子になろうとしても土台無理な話。
速攻でオッケーとの返事をお返しし、それからの三ヶ月間というもの、様々なレビューに目を通して用意は万端。
歌舞伎町で映画を見て時間を調整し、十分前にお店の前に到着。引き戸を開けて階段を降りた地下一階が店舗のようです。
通り沿いには既に他のお客様が待機中。
八時半に第一部が終了し、用意が整い次第、入店する仕組みのようです。
ちなみに、脇の別の入口は”離れ”に通じる階段。
お忍びのVIP用かと思いきや、旧店舗の荻窪時代から通われる古いご常連様のための特別なスペース。
人気が沸騰すると、古いお馴染みさんが通いにくくなるのが世の常。これなら馴染み客も一見客もお店も、み〜んなwin-winの関係。有難い仕組みですね。
程なく、ご相伴させていただく方達もご来店。
お弟子さんからの声もかかり、天国への階段をくだります。
店内は正三角形の造り。
両方の短辺に六名づつ、計十二名のカウンター。
ラッコたちはちょうどその頂点に案内されます。
互いが軽く首を傾けるだけで視線が交錯し、話しやすさもひとしお。私たちが三名なので、おそらくそれを意図されたのでしょう。
親方は齢三十一の好漢。典型的な快男児。
英雄、英傑のオーラを感じ取ります。
こちらのお店にカップルで来店するのはお勧めいたしません。
なぜって、ひとたびカウンターに座ろうものなら、女子の目には一瞬にしてハートマークが点火。男子はただのお財布係になってしまいます。
『サウナ、好きですよ!』なんて、ラッコのジャブも軽く受け止め、なんてこったい、オヤジも惚れちまうじゃないですか。
決めた。
通う。
ぜったい通い続ける。
親方の、壮年、熟年、老練、枯淡にいたる一本道を、手を取りながら(冗談です)ともに歩みたい、見届けたい。
あ~って、ホントに困った。
通うべきお店がまた一つ増えてしまいました。
いただいたものは以下の通り。
お皿のコメントは写真とともにどうぞ。
基本はコースですが、追加ももちろん可能。
そしてご馳走さまでした。
<つまみ>
どのお皿も素材の持ち味を最大限に引き出した薄目の調味。取り分け真蛸の桜煮は悶絶品でした。甘過ぎず、蛸の地味が噛めば噛むほど迸ります。炊き時間と温度帯が決め手なのかなぁ。
『親方から教えられた通りに仕込んでおります』と高岡氏。カウンターでその技をお聞きした私が迂闊なお調子者でした。
●茶碗蒸し:生海苔
●真鯛
●間八
●真蛸:桜煮
●バイ貝:酒蒸し
●白海老:昆布〆
●もずく酢
●梭子魚:炙り
●鮑:メガイの酒蒸し
●鰯:酢洗い
●太刀魚:炙り
<握り>
肴によって白シャリと赤シャリを使い分けされます。
とりわけ中トロの赤シャリは人肌以上の温度。脂が解け始めるポイントを狙います。築地の佐竹より熱いかもしれません。
十四代の銘酒に朦朧とし、更にお誘いいただいた方との会話に集中するあまり、曖昧な記憶のものが幾つかあります。間違っていたら御免なさい。
●喉黒:炙り、赤シャリ
●石垣貝
●白イカ
●春子鯛
●新子
●中トロ
●鯵
●白身:悶絶して記憶がすっとんでしまいました
●バフンウニ
●新イクラ?
●穴子
●玉子
こっこでコースは終了。
終電を逃したので、悩まず追加します。
●干瓢巻き
●小肌
<お酒>
●生ビール:プレモル
●磯自慢:純米吟醸、焼津
●菊の司:平井六右衛門、純米吟醸、心星、盛岡
●十四代:中取り純米吟醸、播州愛山、山形
●十四代:七垂二十貫、純米大吟醸、愛山、山形
●十四代:極上純米大吟醸、山形
●たかちよ:純米大吟醸、魚沼
各七匁として五合弱
入口。引き戸を開けないと看板が見えません
最初はプレモルで乾杯
塩を山葵をお好みで
中身はなんでしょう
蓋を開けると潮の香りが充満。ラッコの鼻腔をヒクヒクと振動します
最初の突き出しの茶碗蒸し。表面を生海苔が覆いつくします。胃に優しい。プロローグとしては完璧
真鯛、確か明石産だったかなぁ? 記憶が曖昧です
天然間八。筋肉質だけど健全な脂に舌がしびれます
真蛸の桜煮。目が覚めました。甘みは控え目。真蛸の旨味が半端ない
焼津の銘酒
半合用のグラスですが、ギリギリの注ぎなのでおよそ七匁くらいでしょうか?
バイ貝、日本海側の山口県産
富山の白海老の昆布〆
口直しのモズク酢。つまみのリズムも完璧
盛岡の銘酒
カマスの炙り、竹岡産。噛めばわかるカマスの滋味
伊豆産のメガイ鮑の酒蒸し、肝和えのせ
北海道産の鰯の酢洗い。口中を酢で洗い、握りへ移行します
十四代が勢ぞろい
播州愛山です
石垣貝、宮城産、でかっい上物です
白イカ
呑む前にお値段をお聞きしました。半合で1,500円とのこと。お酒で儲ける気はさらさらないようです
春子鯛。完璧な脱水に思わず脱帽
新子の一枚付け、もちろん舞阪産。新子は二枚か一枚に勝るものはありません
樋長さんから仕入れた塩竃の中トロ。赤シャリの温度は人肌以上
またまた十四代
鯵、出水産、薬味はアサツキのみ
ハタだっかなぁ?なんだか忘れちゃいました
確か浜中産の馬糞だったような気が?
新イクラ?
魚沼の銘酒
穴子のお腹部位
玉子
干瓢巻き
追加の小肌、天草産
2019/08/25 更新
土曜日の夜です。
中野から移動し阿佐ヶ谷へ。
お店の前で待っていると、時間ちょうどに階段を駆け上がる音。
『お待たせしましたぁ』と若い衆。
昨年十二月以来の”しゅん輔”さん。
板の正面に座り、『今更ですが、今年もよろしくお願いします』と呟くラッコ。
『こちらこそ。でも今年、お初でしたっけ。なんだか毎週お会いしているような気が...アハッ』と若き駿馬。
相変わらず、落ち着いた爽やかさ。
気持ち良いっすね。
さてさて今夜のコース内容は以下の通り。
ひとつひとつのコメントは写真欄に記載しておりますので、画像と一緒にお読みいただければ幸いです。
そしてご馳走様でした。
<つまみ>
一昨日がお雛様ということで、蛤の茶碗蒸しからスタート。
『季節柄、むっちゃ、高かったっす』と駿馬。
上物をお使いだから仕方ありません。伊勢だか鹿島灘か分からないけど、この蛤の汗は凄い。まさに濃縮蛤汁。
4.5kgの房総の鮃。メジの腹カミの若くて健全な脂にも悶絶。
子持ち槍烏賊や鮟肝など、ひと手間掛けたツマミは、素材の滋味と地味をいかした薄味の仕立て。
『味をつけ過ぎると、ナンの味だか分かんなくなっちゃいますからね』と、眼を見て几帳面に呟く駿馬。
お酒が進む進む。
●蛤:茶碗蒸し
●鮃:房総
●メジ鮪
●水蛸:北海道
●水蛸:柔らか煮
●太刀魚:炙り、竹岡
●煮牡蠣
●平貝:炙り、海苔佃煮、乾燥柚子胡椒
●ノレソレ:三杯酢
●子持ち槍烏賊:菜花添え
●鮟肝と蒸し黒鮑:お揚げと胡瓜
●鰆:西京焼き
<握り>
白魚の昆布〆が最高でした。子を持っている個体もあるので、シャリシャリ感がまた心地良い。
金目鯛は藁で燻してひと手間を加えます。この薫香に最早、意識が朦朧とするラッコ。
●墨烏賊
●白魚:真昆布〆、宍道湖
●北寄貝
●赤身:三崎、天端近く
●中トロ:三崎
●小肌
●金目鯛:藁焼き
●〆鯖
●車海老
●ウニ:手巻き
●穴子:対馬
●鮟肝:中巻き
●卵焼き
<お酒>
日本酒は駿馬に全て一任。
広島の大号令が取り分け口に合いました。
●ハイボール
●あたごのまつ:はるこい、純米吟醸、濁り生、大崎
●十四代:純米吟醸、おりからみ荒走り、村山
●大号令:純米生原酒、広島
●日高見:辛口純米、石巻
●磯自慢:純米吟醸、東条特A山田錦、焼津
●初亀:純米吟醸、からからべっぴん、藤枝
●義侠:純米原酒、東条特A山田錦、愛西
日本酒はグラス七匁として五合くらい。