prince1341さんが投稿したにい留(愛知/高岳)の口コミ詳細

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食伝の道を歩む者

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prince1341 (30代前半・男性・愛知県)

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移転にい留高岳、新栄町、久屋大通/天ぷら

1

  • 夜の点数:4.7

    • ¥40,000~¥49,999 / 1人
      • 料理・味 -
      • |サービス -
      • |雰囲気 -
      • |CP -
      • |酒・ドリンク -
1回目

2021/01 訪問

  • 夜の点数:4.7

    • [ 料理・味-
    • | サービス-
    • | 雰囲気-
    • | CP-
    • | 酒・ドリンク-
    ¥40,000~¥49,999
    / 1人

天麩羅の世界が広いというより、彼のセンスや斬新性が奥深い。

先日は楽しみにしていた此方へふらりと。
こんなところにあったのかと、
案外見慣れた、いやむしろ週に何度も通る道。
その道や景色がこの日を境に深い思いを馳せる色へ変わった。
気さくな店主さんは物腰の低さの中に自信を強く持たれており
所作や表情、彼の至る物言いにオーラを感じる。
これから始まる劇場のゲストとして、共に沸きたいとすら。

始まる。。
先ず天ぷらの揚げる音から違う。
クリアで、しっかりとした油の弾ける音が耳に優しく、
丁寧な調理をされているのが心を通して伝わってくる。
音を聞きながら揚げられ、
彼にとって衣とは包み揚げることではなく
宛ら素材の表現をする創造的観点での
イノベーション溢れるオリジナルの視点や価値観、
新たなステージを最先端で歩むという姿勢や
その立ち位置を示すかのようだ。
強い物腰の中に刻まれて感じられる
優しさに満ちた人間性が、逸品達に表れている。

~あさりのお出汁
ぶち抜いた出汁感、最早芸術の域。引きと余韻に長けた一口。

~ヒラメとマグロ
熟成されたヒラメの甘みは勿論のこと、
モチモチとした食感に繊維から流れ出る
ジューシーな香が堪らない。
マグロは鮮麗な切り口、切ないほど瞬間的な旨味は
直ぐに消えつつ、柔らかな余韻が包み込む。

~からすみ餅
低音で優しく揚げられた逸品は、
程よい塩分とお餅の生地感が斬新な組み合わせ。

~4日菅血抜きをしたあん肝 素揚げしたくるま麩にピスタチオを添えて。
キレの良い柔らかな塩分濃度がマイルドに、
しかし力強く押し寄せ、
麩が全てを受け止めながら広がっていく。

~愛媛穴子ののれそれ ポン酢に卵黄
何よりも喉越しの良さがぶっちぎり。
噛み応えもさる事ながら舌触りの滑らかさと
上顎への優しいタッチ、ポン酢と卵黄に紫蘇の花が更に
なめらかさや香り高さを加えるワンポイント。

~海老天 殻ver.
エッジの効いた揚げ加減で、
序盤からかなりの全力っぷりに感じられる。
その繊維の残され方、
しかし繊維の奥深くまで一つ一つを揚げられているのかと
戸惑う程の破壊力。
飲み込む前に流れる薫りにも注目したい。

~海老天
甘みを残すどころか増幅させており、
一瞬ジューシーな瞬間があるものの
残りは海老の持つポテンシャルを絶妙に引き出し、
儚さを体現。

~師崎 3週間寝かせたアオリイカ
素材感を限界まで引き出すべく3週間寝かされ、
甘みの出るように揚げられている。
美味しさを飛ばさないように低音でゆったりと。。
衣を突き抜けてアオリイカと混ざり合う瞬間の
断層的な振り切り方は美と言わざるを得ない。

~ふきのとう
素材感もだが、苦味そのものを保たせて
瑞々しく仕上げた逸品。
口の中で弾けるも、残り過ぎない余韻が良い。

~師崎キス
サクッとした衣は立っており、
熱々の温度帯の中に込められた
爽やかかつ身の解けていく優しさと
ふわりとした薫りが感動級。

~紫蘇の葉と合わせた白いやつ
溶け合いをひたすらに楽しませながら、
余韻同士のぶつかり合いの後に
フッと消えゆく様が切なくも綺麗。

~ギョウジャニンニク
大蒜が持つ旨味のみを凝縮して残した芸術品。
旨味の残る温度帯で揚げられており、
爽やかさすら感じられ、
大蒜由来の残り方は皆無という素晴らしさ。
いつまでも繊維が解ける表情に委ねられるのが幸せ。

~牡蠣
濃密。それでいて切なく力強い。
噛み込む度に鼻腔を突き抜ける静かな香りが
牡蠣のもつエネルギーを一心に受け止めて広げゆく、
これぞ正しく素材力。

~蓮根
繊維が弾けるのとは別のところで弾けて流れる、
本来には存在しないはずの熱量で
どんどん弾けて広がる甘みは、
素材感とはまた違う糖度にも感じる。
これが巷に聞く糖化というものなのだろうか。

~太刀魚
薄く張られた衣に閉じ込められた太刀魚は、
身の持った深い甘みはそのままに
クリーミーさすら感じさせる。
言葉で言えばシンプルだが、
この奥深さは誰にも真似出来ないだろうとさえ。

~海老芋
三日掛けて仕込まれ、
ギリギリの硬さで繋がせた甘みに富んだ逸品。
衣よりも熱い中身だが、
それでいて甘みが失われないのは
かなり繊細な味わい深さと言える。

~原木椎茸
香りは放出しつつも、甘みと旨味は残し
しょっかんの瑞々しさもしっかりと残す。
高い温度で揚げつつも、残りは余熱でふわりと。

~穴子天
薄い方は塩で、厚い方は天つゆで。
甘みをどこまでも追求し素材力を
フルに活かした繊細な火入れが堪らない。

~余熱のみで揚げたさつま芋と、出来立てのアイスクリーム
さつま芋だからこそ出せる糖度の引き込みと
淡くもパワフルな芯のある旨味がどこまでも振り切っており、
その甘みにマイルドなアイスクリームが
これまでに無く良いアプローチをかける。
終わらない余韻は喉奥からゆっくりと駆け抜け、
角度の良い切り口から味わいの深さが
どんどん流れ出ては素材力と合流し
新たな出会いに繋がっていく。

新たな出会いと言えば、この店での品々は
全てにおいて初めての体験だった。
熱量もそうだが、一つ一つへの丁寧で繊細な手合が魅せる
にい留さんでの時間は少なくとも人生において
料理から震えるほどの芯と、強さの中にある際どさなど
語りきれない程高い熱量に感動。
また是非別の季節にお邪魔します、と伝えて
ご挨拶を交わし、幸せの余韻に浸る。
ご馳走様でした。

2023/10/28 更新

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