2回
2022/05 訪問
今後これを超える野菜料理に出会えるのか?
先日の東京遠征3軒目は気になっていた此方へふらりと。
此方のシェフ、井口さんは今後の食との向き合い方が
とても斬新かつ半端じゃない実力派。
このお店では発酵をテーマに3ヶ月限定でオープン。
~筍を使った揚げ出し豆腐、魚の出汁の餡
筍とずわい蟹の風味が魚の出汁に流れ込んでくる
中盤からの旨味が良い塩梅、柔らかな山椒もGOOD。
~見蘭牛を片面炭火焼き、蛍烏賊と発酵マッシュルーム、マリーゴールド
燻製の香りが放出される蛍烏賊に
マッシュルームの奥深く柔らかな芳香が
牛の繊維に混ざり込んで
新しく構築されていく時間が楽しい。
~野菜を様々な工程で調理し、鍋で合わせる
過去出会った全野菜料理でNo.1
これを超えられる野菜料理はあるのだろうか。
旨味の引き出しが素晴らしい。これぞ素材力の真髄。
~北寄貝 低温バターで火を入れて、発酵ホワイトアスパラの食感と柑橘、ブロッコリーと甘塩のソース
柑橘とブロッコリーの酸味が低音バター香に照らされて、
北寄貝の食感の中で躍動感を持つ。
~藁でヒレ肉を 八丁味噌と焦がしバター
火入れが素晴らしい。赤身を活かす為に
油分を極力削るタイプの火入れだが、
やりすぎないように野菜で瑞々しさを加えるという力技。
それでもこんなに綺麗に仕上げられるのは
流石としか言いようがない。
~芹にゅうめん 山羊と昆布のスープに雲丹をのせて
山羊の濃厚なボディが澄んだ昆布と衝突するも、
上手く層を棲み分けながら余韻に進んでいく。
雲丹との合わせは好みが分かれそうだが、
芹の爆発力が全てを掻っ攫う勢い。
斬新すぎるセンスと形作る強烈な実力。
若手の中ではなく、トップレベルの引き出し。
こういう人を天才というんだろうなと
料理人の中で初めて感じた瞬間だった。
一生通いたい、素敵な時間をありがとうございました。
2023/05/07 更新
先日は東京遠征へ。
1軒目は此方へふらりと。
この会で此方に来られるのはもう最後となる、
寂しいけど出逢えた事が感謝だからいいさ。
~岩牡蠣 パプリカ 冬瓜
鴨出汁で粘りをだし旨味のカバー力で
本来持っている素材感を一気に引き出して強める。
~時知らず スイートコーン
時知らず独自の塩味をコーンの甘みで引き出す
シンプルながらも繊細な一口。
それだけに奥行きがしっかりあって素敵。
~鴨 発酵春キャベツ
この方向から火入れしてくるのは斬新。
軽やかに仕上げて、春キャベツの酸味に合わせる。
素晴らしき食材達との奏。
ご馳走様でした。