2回
2024/08 訪問
日本料理の御手本の一つなんだなぁ、と思える味わい。
都内で、ちゃんとした懐石が頂きたい。
それも、銀座辺りの狭いビルではない所がいい。
それも、現代作家(インバウンド目線)の器では無い所がいい。
それも、お酒の選択肢が潤沢な所がいい。
それも、節度があり、その中での自由がある所がいい。
という、私の要望でこちらへ。
結果としては、
もっと早く来なかった事を悔み、
これからが楽しみだなと思えたひとときでした。
今回は、
四万四千円の御献立。
頂いたもの達
⚪︎紫蘇酒
⚪︎北海道殻付きムラサキ、汲み上げ湯葉、山葵
⚪︎八寸(糸瓜と胡麻、鱧を桂剥き胡瓜で巻いたもの、ゴーヤの味噌炒め、鱧の子・ふえ・肝の寄せ、鶉の卵の煮凝り、翡翠銀杏、山桃の葛饅頭)
⚪︎明石鯛、伊勢海老、土佐醤油、海老味噌醤油
⚪︎鱧落とし、鱧刺身に煎り酒ジュレ、梅肉ソース
⚪︎賀茂茄子、車海老の揚げ出し
⚪︎琵琶湖の鮎、蓼酢
⚪︎夏野菜、帆立の湯葉テリーヌ
⚪︎ヒレを無花果の葉で巻いた物、無花果ソース
⚪︎鰻の炊き込みご飯
⚪︎万願寺の摺流し、蓮根餅
⚪︎塩レモンのソルベ、ヨーグルトムース
飲んだもの達
⚪︎オリジナルシャンパーニュ フル
⚪︎白穂乃果(鮎に合わせて)
⚫︎梅酒
まずは、シャンパーニュが美味しかったぁ。
あのお値段で親切、素敵❤️
水で儲けようなんて思ってないよ、と感じさせてくれのが良い。
だって、お料理が美味しければ抗えずに再訪するわけだし、それが、飲み物と相まったら至福以上の何物でも無いわけです、私としては。
次は、私的この日一番だった「鶉の卵の煮凝り」。
美味しさとは?を常に考えている事が伝わる、素晴らしい逸品。
ちょっとウィットというか、チャレンジ精神を感じてしまう私でした。
(流石に口にはしませんでしたが)
それから、ほの温かい鱧落としも堪らなく。
この季節でも褪せない。皮目の厚みも理想的。
梅肉ソースも、強すぎず弱すぎずピッタリ。
良い〜。
あとは、圧巻の賀茂茄子の揚げ出し。
彼に「今日、これを知れただけで満足」と言わせる程の汁の美味しさ。
キレがあって、とはいえドライさは無く、潤いのある味わい。
説得力、ここにあり。
これは、椀物も頂きに再訪せねば。
鮎も良い塩梅。
ヒレも自然な無花果ソースと相まってクリーン。
創作では無く、完全なる日本料理。
飲み下した後の風景が日本。
摺流しも、力のある素材を使っているからこその味わい。
鰻の焼き方も素晴らしい。
デザートは、水菓子好きな私にはトゥーマッチだったけど、甘い物好きな彼には〆に相応しい雰囲気でした。
若い頃は思いもしなかったけれど、
「安定感」って最大の栄誉なんだな、と考えさせられたお料理でした。
美味しかった。
あっと言うまに食べれた。
体に入れる事に抵抗のない味だった。
同じ「生き物」なんだと思える有機体達だからこその滋味。
常々、捕食される立場になったら美味しいと思われる物体でありたいとの観点から健康を捉えている私は、とても胸がすく。
お酒も美味しかった。
二つを満たされたのが、私は本当に本当に嬉しい。
そして、そして、料理人の方々に嘘がなく、きちんと正面から向き合ってくれる姿勢が最高に気持ち良い。
きっと、仕事も逃げずに真摯に向き合っていらっしゃるんだろうなと思わずにはいられない。
その自信が、その自信を持てる努力がオーラとなって場を作り上げているから、安心・リラックス出来るのだな、と。
本当に楽しかった。
本当にリラックス。
幸せでした。
2024/08/31 更新
昨年、高島屋のおせちカタログで販売していらっしゃるのは分かっていたけれど、日本橋高島屋のカーヴにも発見し即買い。
この日の我が家はジャワカレー。
(鹿児島和牛雌牛のイチボ、シンシン。その脂でカラメル状になるまで炒めた玉ねぎ。休日前夜、マッカランを飲みながら夜鍋した玉ねぎちゃん。こういう時間が何気に尊い。)
ピノ・ノワールが多いから脂を受け止めてくれて合う。
良い葡萄。
美味しい。
この項目に挙げて良いのか悩んだけれど、一年前の感動を胸にこちらに記載します。