2回
2019/10 訪問
日本料理と鮨のマリアージュ、鮨松ざき
六本木のミッドタウンの真向かいの地下に、ちょうど1年前にオープンした鮨松ざき。大将の松崎氏は和食の名店「澤いち」出身と言う経歴。日本料理と鮨がどう組み合わされるのか、非常に楽しみだ。
一品目は毛蟹から。そして二品目は青森県小湊、200kgの中トロの握り。包丁を入れて舌触りと口溶けを良くしてある。
次が驚いた。なんと稲庭うどんだ。ウニベースのソースに海老やキャビアが盛られ、穂紫蘇が彩りを添えている。非常に美味。松ざきの定番なんだそうだ。
その他にも炙った葱鮪串は香ばしい脂が食欲をそそり、白子は口の中でトロトロに溶けていく。
そして牛肉と松茸のすき焼き!普通の鮨屋では絶対に出てこない逸品。摘みの範疇を遥かに凌駕する松崎大将の料理は、和食の修行を積んだ経験の賜物で、完成した美味さに揺さぶられる。
握りも十分美味いのだが、料理のインパクトや完成度が高いぶん、握りの印象がやや薄くなってしまうのかもしれない。料理に負けない「松ざきの握り」が生み出されれば、どこの店にも無い強みを持ったオンリーワンの店に駆け上がるのは間違いない。
日本料理と鮨のマリアージュ、そんなお店。
2019/10/22 更新
光陰矢の如し。
とはよく言ったものだ。鮨松ざきに行ったのはちょうど1年前。もう一年が過ぎたのが嘘のようだ。その一年の間に世界の価値観はコロナによって大きくパラダイムシフトした。
そんな中、松ざきはどうか。
松ざきは変わらない。いや、誤解を招く表現かもしれないが、これは褒め言葉だ。
名店「澤いち」で修行を積んだ大将の和食の技術はどっしりと揺るがず、一品一品惜しげもなく手間が注がれた料理はどれも食材のポテンシャルを引き出し、滋味あふれる出汁で、味の奥行きが楽しめる。
どんなに世界が変わったとしても、不動の価値観、というものもあるのだ。
例えば毛蟹のジュレがけに続いて出された、春子鯛の蒸し鮨。茶碗蒸しの上に春子の握りが乗り、周りに海苔の餡がかかっている。春子の上には梅肉と言う一品。スプーンでリゾット状になるまで混ぜて頂くと、それぞれの味を感じながらも不思議な一体感と旨味がある。そこに梅肉の酸味が絶妙なアンチテーゼとなる。これは美味い。
料理とランダムに出される握りもレベルが高く、鰤や鰆の漬けが最高レベルの出来。素材と松崎大将の技術の融合でこそだ。
そのほかにも大きなサザエと松茸の殻焼きや、鯨のハリハリ鍋、締め鯖の白板昆布乗せなど出汁や旨味のコントロールに感心する。自家製の塩辛も日本酒への誘惑が止めらない。
そして最後のしっとりプリンのような玉子。
何故これが誕生してのかは…是非直接大将に聞いてほしい。
最初から最後まで鮨松ざきならではのコースの構成だ。
そう、揺るがない和の真髄、そんなお店。