3回
2025/05 訪問
静かなる絶対値、「薮蕎麦 宮本」で味わう、蕎麦という純粋
2025/05/15 更新
2025/02 訪問
13時過ぎてもお蕎麦が残っている時がありますので諦めずに。
月曜日は休みのためかどうか分からないが、火曜日12:40に訪店した時は生憎、お蕎麦が売り切れとなり閉店していた。
翌日もトライ。水曜日、12:35に訪店、待ち1組目として店内で15分ほど待つことになった。その日は13:30を過ぎてもお蕎麦は残っていたようだが、客は我々が最後だったようだ。
ざる蕎麦、手挽き蕎麦、鴨南蛮蕎麦を注文。
まずは出されたお水を味わってほしい。このお水に魅せられて、この土地を選んだとされる。
何を頼むべきか悩むならば、やはり鼻から抜ける香りをより楽しむのであれば、手挽きそばが良い。ざるそばも大変甘みを感じる。
鴨南蛮蕎麦は3200円、比較してやや金額が張るので、注文時に金額提示され、意思確認される。
鴨南蛮蕎麦は、鴨の脂が載っていてお出汁の香りと甘み、旨みを引き立てる。長葱はやや長めに切られており、気をつけないと火傷をする。これは1/3ぐらいに短いほうが食べやすいだろう。
汁に浸かる蕎麦は、とにかく早く食さなければ蕎麦の存在が失われてしまう。
もちろん、ざる蕎麦も手挽き蕎麦も刻々と伸びてしまうので早く食す必要がある。
ざる蕎麦、手挽き蕎麦を水で食す。
平日13時過ぎてしまっても訪店を試みてみてもダメ元で良い。
ぜひ、このために旅行すべき最高峰の店である。
2025/02/24 更新
2024/06 訪問
水で食してみると分かります
平日11:25に訪店。店の前の駐車場は1台が奥に停まっていた。道路側に停めるほうが、混雑を考慮すると良いと感じた。そもそも、駐車する場所は店の前ではなく、数十メートル離れた駐車場に停めた方が賢明のように思える。
訪店時は2組目だった。5分以内にもう1組来た。
11:30に開店、街の人は店内待ち椅子で待機となり、それ以降は店外での待機となる。
注文は、入店順に聞いているように思えた。丁寧に説明してくれるため、素朴な質問も受け入れられるだろう。
蕎麦は色々と頼んだが、熱いつゆに入った蕎麦は全くお勧めしたくない。理由は、蕎麦が細く繊細なため、伸びてしまい、かつ、熱さで味を感じにくくなってしまう。
ざる蕎麦二種を頼むべき。それを、できれば頂くお水と合わせて、素でいただい欲しい。濃い麺つゆにくぐられせることを考えて蕎麦であるようで、塩の注文は普通はNG(無理くり塩を出してくれる場合があるが、頼むべきでないことを後に実感)、とにかく素の蕎麦を直ぐにいただいて欲しい、お水と。その次は、濃い麺つゆを少し浸けて食して欲しい。
これでわかるだろう。水の良さが。
今のところ、人生1位か2位の蕎麦だ。
店内での写真はNG。
2024/07/27 更新
火曜日の12時40分。前回、12時半に訪れて売り切れだった記憶が残る中、今回も期待は抑えめに玄関をくぐる。なぜか、店内に客の姿はない。扉は網戸に変わり、涼やかな初夏の風が心地よく吹き抜ける。その佇まいだけで、すでに蕎麦を迎える準備が整っていた。
3度目の訪問。まずは「ざるそば」を一枚。その後、手挽きそばを二枚おかわりをいただく。
ざるはいつもながら、清らかな甘味と控えめな香り、そして滑らかな喉越し。つゆとの調和も計算されており、決してつゆが前に出すぎることはない。だが、圧巻は手挽きである。冷水で締められた蕎麦からは、ざらつきすら愛おしく感じるような荒々しさ、そして驚くほど濃密な甘みと香りが立ち上がる。藪蕎麦らしい強いつゆですら遠慮してしまうほど、蕎麦そのものが語りかけてくる。
思い返せば、福岡「あ三五」の熱もりにも心を打たれたが、「宮本」の手挽きは、それとは別種の圧倒的な静寂を纏っている。表現として誇張に聞こえるかもしれないが、食べログの5点を超える存在として、確信に近いものがある。
支払い時には、恒例となった娘さんとの挨拶。あたたかくも控えめな会話に、余韻が深まる。
最後に一言添えるならば
この店は「急いで食べる」のではなく、「蕎麦に向き合う」場所である。さらに、水を堪能してほしい。
なお、トイレは離れにあり、和式で男女共用ながらも、驚くほど清潔。においひとつせず、日々の手入れの丁寧さが、この店の姿そのものを映している。