あのミシュラン星付き店、あの赤提灯屋に弟子入りしなさいさんが投稿した室町 和久傳(京都/烏丸御池)の口コミ詳細

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あのミシュラン星付き店、あの赤提灯屋に弟子入りしなさい

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あのミシュラン星付き店、あの赤提灯屋に弟子入りしなさい (40代後半・東京都) 認証済

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室町 和久傳烏丸御池、京都市役所前、烏丸/日本料理、かに

1

  • 夜の点数:4.8

    • ¥20,000~¥29,999 / 1人
      • 料理・味 4.6
      • |サービス 4.8
      • |雰囲気 5.0
      • |CP 4.6
      • |酒・ドリンク 4.6
1回目

2025/08 訪問

  • 夜の点数:4.8

    • [ 料理・味4.6
    • | サービス4.8
    • | 雰囲気5.0
    • | CP4.6
    • | 酒・ドリンク4.6
    ¥20,000~¥29,999
    / 1人

星が語るより、料理が語る店

土曜18:30に訪店。中華圏からのビジターと思われるカップル1組と、日本人客が数組。案内されると同時に、まるで舞台が幕を開けるような出迎えが始まる。全スタッフが一礼して迎えるその所作には、老舗の矜持が見て取れる。

カウンター席では、目の前で調理が行われ、香り、手元、音、そのすべてが五感に訴える。技術と所作の美しさはもとより、調理人との会話にも一切の押しつけがなく、こちらの間合いを自然と読み取り、寄り添ってくれる接客力。居心地は極めて良く、緊張感ではなく、安心感がある。プロフェショナルの雰囲気で包まれる時間だ。

料理は、ひと皿ごとに“品”がある。
冒頭の紫雲丹。京都という立地で雲丹を出すことに懐疑的であったが、見事に裏切られた。苦味皆無、そして紫雲丹だからこそ“あっさり”としか言いようがない瑞々しさ。おそらく殻付きで北海道から直送したのだろう。処理と温度管理の技術があるからこそ成立する一皿。

出汁は、鰹を前面に出さず、昆布を中心に据え、深みを湛えながらも軽やか。星付きの料理屋でも化調を使う例がある中で、こちらは一切感じさせない。
“料理は、静かに主張する”。そんな言葉が似合う店だ。

惜しむらくは、料理長・松本氏の声が聞きたかった。もちろん、全体として完成度は申し分ない。しかし、あの空間において、料理人の声こそが料理を物語る瞬間でもあると思うのだ。

【総評】
数あるミシュラン一つ星の店と比べると、圧倒的な差異と完成度を感じた。これは明らかに二つ星以上の実力だろう。一つ星のレベルではない。
いや、星の数では測れぬ世界を築いている、と言った方が正しいかもしれない。和久傳はグループとして大きいためか評価が下にみられているのだろう。

京都にて、しばしば「ミシュランとは何か」と自問させられる経験があるが、この店は“星を獲ったから選ぶ”のではなく、“星などなくとも選ぶ店”だ。

あの赤提灯屋が弟子入りすべき店か? いや、それは違う。むしろ、この店が目指す世界を知ればこそ、赤提灯屋もまた、己の立ち位置を見定めるのではなかろうか。
必ず再び訪れるべき日本の味わいだ。
日本人として嬉しく思った夜だ。

2025/08/19 更新

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