3回
2022/11 訪問
美しき世界
異世界への入り口のよう・・・
鰆の炙りから開幕。
柔らかいけれど、咀嚼の楽しみも残してある。旨みが滲み出てくる瞬間が嬉しい。
シラカワを軽く炙って。圧倒されて言葉が出ない。
ご常連様が唯一無二と仰るミル。芸術作品の様。
平目の昆布締めは、思いのほか昆布の主張が残る一貫。
イクラ。塩梅が素晴らしい。
鮪は佐渡。赤身の漬け、はがしの手巻きと、この美しき中トロを頂きました。
前回、人生最高の1貫と感じた鱚も健在。これ以上美味しいと感じるお鮨には出逢えない。
身と皮の舌触りを感じられるように握られた春子鯛。圧巻。
雲丹は細巻きで。ふんわりした巻き方と少しシャリに染みた雲丹が絶妙。
強く炙って脱水したような穴子。旨みが強い。
玉子焼でごちそうさま。皆様この後追加ラッシュ。
4名だけの為に整えられたカウンター
2022/11/19 更新
2022/05 訪問
静謐な、美しき時間
伊勢市駅から裏通りを歩いていくと、風情のある建物が多くなっていって、
空気感まで変わったような場所に「こま田」さんが隠れています。
お店に入れば、寸分の隙もない駒田美学に一瞬で捕りこまれるようです。
この日は大のご常連の貸切のお席、それも一日一回転4名のみの贅沢な贅沢な機会。
気の置けない大好きな方々に囲まれて、果報が尽きました。。。
(果報が尽きたのも何回目かww)
丁度、伊勢神宮献上の浜からの鮑の初日との事。
「お出しできるのが嬉しいですよ」と微笑まれる駒田さんと女将の温かさに、一同トロトロです。
駒田さんのお鮨は、本当に良いところをそっとお出し下さる印象。
白身のお鮨を好む私は、特に鱚、細魚、春子が大好きなのですが、お魚の質や仕込みが悪いとこれほど味の無い魚も有りません。
そして、この日頂いた「鱚」。。。<゜)))彡
鼻に抜けるような香り、味わい深く、はぁぁぁ「人生最高の一貫」に出逢ってしまいました。
派手な大騒ぎを好まれる方は、きっと満足なさらないし、静謐なお味を好む私たちに、希少な機会を譲ってほしい・・・なんて意地悪ですが本音です。
それほど心惹かれてしまいました。
大のご常連様は、全国のお鮨屋さんを一年中回っていらっしゃいますが、
「こま田」さんだけは特別な場所と仰います。
お連れ頂いたのも二回目ですが、高熱を出しながら訪問した前回と違って、今回本当にその意味がわかりました。
まさに特別な場所でした。
さてこの日は、頂いた最初の鳥貝から、仕立てが全く特別で感動の連続でした。
後は、お写真にコメントさせていただきます。
また伺える日が楽しみでなりません。
本当にごちそうさまでしたm(__)m
地物の鳥貝。身のふっくらぶりが凄い。表面はブツッと歯切れよく、いきなりモフモフの部分が押し寄せてくる感じ。一同を唖然とさせた見事な一品。
この日が初日の三重の鮑。同じ浜でも神宮に献上する鮑は区画が区切られているそう。味が濃くしみじみ美味しい。
肝。雑味のなさが際立って居ました。
これも地物。閖上があまり良く無く、地物が始まったとの事。独特の香りが素晴らしい。
紐も頂けるのは嬉しい。追加でご一緒様が巻物で召し上がって羨ましかった。
人生最高の一貫( ;∀;)♡ 香る鱚に大葉を噛ませている。透明感のある姿は彫刻のようです。
カスゴもしっかり歯ごたえが残る仕立て。バランスの良いシャリと合わさり、メチャクチャ旨し。鱚からの3連続で、気が遠くなりそうな感動。
真子鰈の昆布占め。これもエッジが綺麗な仕立て方。噛むと旨みが長く続いて絶品。
本ミル。独特の切り出し方。ご一緒の料理をなさるお方が、こんな切り方をしたら殆ど取れないですね、とビックリしていらっしゃいました。大きなミルのど真ん中だけ。
千葉は竹岡のコハダ。こんなところでお会いするとは、ごきげんよう。
沖縄の延縄。先日高岡さんでも頂きましたが、今年は沖縄の鮪が当たりとの事。駒田さんも仰っていました。
美しい中トロ
甘く蕩けた雲丹
桑名の大和蛤。上品でソフトな味わい。
丁寧に身を剥がす様を一同ガン見していましたが、こうなりました。鮪がこんなに美しい味わいになるなんて・・・
白烏賊。綺麗に包丁が入って美しい。甘くてねっとり感が増しているところに酢橘が香る。
さっぱりとしたお魚感のある穴子。こういうのも、良いですよね。と駒田さん。一同激しく頷きながら頂きました。
追加で頂いた巻物の一つ。コハダとガリ巻き。干瓢も美味しかったです。
お茶をたくさん頂いてしまいました。都度素敵なお茶椀に淹れて下さり、女将さん、ありがとうございました。
身を清めて出直したくなるエントランス。
2022/05/24 更新
2018/12 訪問
静謐と、寛ぎと。
初めての訪問です。
この日は、全国のお鮨屋さんを巡るお人が「モラさん絶対好きなはず」と、ご一緒くださいました。
奥まった露地。
周りには老舗らしい和菓子屋さん等もあり、古い木造りの家屋も多く、しっとりとした印象です。
その中でも、特に雰囲気のある一軒家がお店でした。
磨き抜かれた、けやきの一枚板のカウンター6席。静謐な印象を受けます。
きれいなお顔立ちの大将の正面にご案内頂き、
まずは伊勢の地ビールをお願いいたしました。
ソフトな大将と美しい女将さんの雰囲気に、とても寛ぎます。
先ずは丁寧に「金目を炙って」
山葵、塩、金目の赤がとても綺麗。
さて、一口目。皮目の脂がトロリと溶けているので、山葵は大目に乗せて、
う~~ん、しっとりとした身の歯触りも素敵。脂と混ざり山葵の甘みが引き立ちます。
また一軒、大好きなお店が出来て、嬉しい瞬間♡
続いて・・・
◇ しめ鯖
◇ あこや貝の柱
◇ くもこ
次の「蒸し鮑」はシグニチャーの様子。ほとんど水だけで引き出された、鮑の旨みが素晴らしい。
これは、また伺って、これを頂かなくてはと・・・・
握りに入り、独特の手つきを飽きずに眺めました。あの握り方は、なんと言うのでしょうか。
口に入れると。空気をはらみふわっと、究極までソフト。
シャリは小さめで美しく上品。そこも好み。
ご一緒様がニコニコと、「ねっ、気にいると思ってた」と仰います。なるほど・・・。
握りは
◇ 鮪 漬け
◇ 細魚
◇ しろ烏賊
◇ 中トロ
◇ シラカワ
◇ 鰤
◇ 雲丹
◇ 赤貝
◇ 鯵
◇ イクラ
◇ 穴子
◇ 玉
◇ 干瓢
鮪の仕入れは、豊洲。定期的に豊洲に足を運ぶそうです。地物に良いものがあれば、加えるとの事。
仕入れに恵まれた土地では無いようですが、信頼を得ることでこれだけのものが集まってくるのでしょう。
雲丹の冷たさ等、時折気になることもありましたが、総じて素敵。
イクラの見事な仕込みに、それを伝えると、
「いえいえ、仕込みの温度やつけ汁の濃度には気を遣うけれど、今日のは特に良いイクラでした」と、
照れながらも、丁寧に答えてくださいます。
女将さんの受け答えもとても丁寧。素敵なご夫婦です。
静かにお寿司をいただける場所として、大切な一軒になりました。
春には是非また伺いたいと思います。
今から楽しみです。
ごちそうさまでしたm(__)m
落ち着いた設え。伊勢神宮の御膝元の印象
きれいなグラスと、きれいな大将
伊勢麦酒のペールエール
金目
山葵が甘い
軽い〆のしめ鯖
あこや貝の柱。シャクシャク美味。
鮑 見事。
クモコ
漬け
細魚 昆布〆で
しろ烏賊
中トロ
シラカワ お鮨で戴いたのははじめてかも……
鰤は漬け 脂がきつくなく好きでした。
雲丹
薫りが高い、素敵な赤貝
鯵
イクラ、お見事
穴子 炙りたてでフワフワ、これももう一度食べたい
玉子はカステラ風
海苔巻きまで空気を含んでいます
2022/05/15 更新
三度目の「こま田」さん、
今回も、大のご常連様の貸切のお席に参加させていただきました。
貸切と言っても4席のみ、しかも1回転。
静謐な世界を守る為、どう考えても採算度外視の、駒田さんの決意の世界と感じます。
お鮨の好みは千差万別です。
これでも食べ物のストライクゾーンは比較的広いと思っているのですが、
お鮨だけは好みがはっきりしていて、今では、幅広く伺ってみたい興味は全くありません。
今回伺って、これ以上「美味しいと感じる」お店はもう無いと確信、何だか嬉しくなると同時に、
こんな感動がもたらされる世界に、今更ながら衝撃を受けました。
駒田さん、凄い ! \(^o^)/
例えば、
「シラカワ」の炙った香ばしさとふっくらした身を先ず舌に感じ、シャリが混じって味が変わり、
飲み込んで余韻に浸り、思わず真顔で唸りました。
前回、人生最高の1貫と感じた「鱚」も健在、
芸術作品のような「本ミル」も咀嚼の度に味が深くなることに驚かされ、
身と皮の舌触りを感じられるように握られた「春子鯛」にノックアウトされました・・・
握り鮨の発祥が、お江戸の屋台のファストフードであろうとも、
粋な食べ方がどうであろうとも、
ここまでの芸術に高められた、駒田さんの精進を尊敬せずにはいられません。
あくまでソフトで軽くユーモラスな駒田さんと、
思いやりの塊のような女将さん、
ほぼ毎月、列島を縦断して通われるご常連様の「こま田愛」と、相思相愛の様子を眺め、
体調にビビりながらも思い切って伺って、本当に良かったと感じておりました。
お店からホテルまでの帰り道も、心配して車で送ると強く勧めて下さった女将さん。
本当に温かい方々です。
また次回、このお席に戻れる日が楽しみでなりません。
本当にごちそうさまでしたm(__)m
感謝です。