中目のやっこさんさんが投稿したすし処 睦月(愛知/上ゲ)の口コミ詳細

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すし処 睦月上ゲ、武豊、知多武豊/寿司、日本料理

1

  • 夜の点数:4.5

    • ¥20,000~¥29,999 / 1人
      • 料理・味 4.5
      • |サービス 4.5
      • |雰囲気 4.3
      • |CP 5.0
      • |酒・ドリンク 4.5
1回目

2023/01 訪問

  • 夜の点数:4.5

    • [ 料理・味4.5
    • | サービス4.5
    • | 雰囲気4.3
    • | CP5.0
    • | 酒・ドリンク4.5
    ¥20,000~¥29,999
    / 1人

「上ゲ すし処 睦月」知多半島に名店あり、多くを語らずとも仕事で魅せる最上級のおもてなし

知多半島で鮨屋といったらこちら「すし処 睦月」さん。
念願かなって初めて訪れることができましたのでご紹介。

☆食べログ 百名店 寿司EAST 2022 選出店

きっかけは北海道は円山の名店「鮨菜 和喜智」さんに訪れた際、お話しに上がったことで前々から気になっていたものの、決心して予約を取り待つこと9ヶ月。


場所は名鉄河和線の上ゲ駅より徒歩1分あまり。
しっとりと佇む一軒の建物、"睦月"の表札に期待をグッと胸に高め、暖簾をくぐります。

そこにしっとり広がるカウンター、何処か舞台の観客席のようにやや暗めに趣きのあるフロア。
器などは収納されたシンプルな和空間に生花が正面に画のように映えます。

物腰柔らかく、マスク越しでもお優しい表情の伺える大将の伊藤禎浩氏。極力、地元のネタを取り入れて、わざわざわ足を運んでくれたゲストを一人ひとり温かく持て成します。

待ち焦がれた8名のゲストが揃ったところで一斉スタートとなりました。

メニューはおまかせのみの提供となります。
頂いたものは以下の通り。


「おまかせコース 19,800円税込」

◆蛸(三河湾 日間賀島)
◆ワタリガニの茶碗蒸し
◆3品盛り合わせ
 ・蕗のお寿司
 ・わかめとイカの蕗味噌和え
 ・平貝
◆メヒカリ 焼き(三重 尾鷲)
◆帆立 漬け
◆鰆 塩たたき/醤油漬け
◆スミイカのわた和え
◆河豚のてっさ 焼き白子(三河湾 日間賀島)
◆白魚とそら豆の天ぷら
◇鰆(三重)
◇サヨリ 昆布〆
◇車海老
◆鰆 醤油漬け ※サービス
◇鮪 漬け(北海道 戸井)
◆鮃 えんがわ(地もの)
◇中トロ(北海道 戸井)
◇雲丹巻物
◇スミイカ(地もの)
◇甘えび 昆布〆
◇穴子(三河湾)
◇小鰭
●赤だし
◇ねぎトロ巻き
◇干瓢巻き
◇玉子焼き
◆鰆 醤油漬け ※サービス

・生ビール(小)
・田中六五 生 うすにごり/ 白糸酒造(福岡 糸島市)
・瀧 / 鳴滝酒造(佐賀 唐津市)
・滝水流(はやせ) / 瀧自慢酒造(三重 名張市)
・宝剣 生 / 宝剣酒造(広島 呉市)


これだけの内容にお酒を含めて2.2万と素晴らしきコストパフォーマンス!

知多や伊勢湾で取れたものを中心につまみは堂々の10品が揃い、握りにお腹が耐えられるのかと心配にさせるほど。
特筆すべきは鰆の醤油漬け。
抜群の薫香を纏い、しっとりと馴染みながら旨味を伝える。途切れることのない余韻は睦月さんのスペシャリテ。
三重県尾鷲のメヒカリ。軽く干した焼きたてを口へ運ぶと、ごく薄い皮目がパリッと破れた瞬間を合図に爆発する至極の旨味!

お待ちかねの握りは三重の鰆から。
しっとりと馴染む身と粒感を立てて解けの良いシャリ、それらが一体となるほどに旨さが合致して、抜群の手応えに心を掴まれる初球。

サヨリや車海老と確実な美味しさを届けて鮪へ。
フレッシュな食感と纏った醤油のコクを放つ漬け。ミルキーな甘みと何処までも続く極上の余韻を残す中トロ。どちらも赤酢のシャリとの相性の良さを感じさせるもの。

握りは基本赤酢をもちいて、優しく握られると粒感を立てるシャリが心地よくほどけて酸味を込み上げるバランス感。
口当たりは馴染みよく、後にやや膨らみを帯びるえんみがネタの持ち味を引き立てる。スミイカや甘えびには米酢のシャリとなり、ネタの味との均衡を図る。

江戸前の仕事をきっちり施した穴子や小鰭、味に緩急を付けながら落ち着いた甘さの干瓢巻きで〆となりました。

他、写真に簡単なコメントを添えておりますので、ご参考頂けましたら幸いです。


せっかく訪れてくれるゲストには知多半島や伊勢湾ならではの地ものにこだわり、ここでしか味わえない自然の恵みで惹きつけ、綺麗に仕上げるこだわりを随所に感じさせる。
お酒は一人ひとりに合った最良なものをアテンドされ、お客を第一に重きを置かれた所作が実に丁寧で、遠くても通いたくさせるそのルーツに触れることのできた特別な時間でした。

多くを語らずとも仕事で魅せる、そんな温かな思いをグッと胸に受け取れたような素晴らしいひととき。
極めつけに申し分のないコスパで大満足の帰路となりました。

訪れる機会が与えられたなら、心して鮨に勤しめる贅沢なひとときが約束されています。


□すし処 睦月
所在地:愛知県知多郡武豊町池田2-137-4
電話番号:0569-72-8185
営業時間:18:00~ 1回転のみ
     ランチは土日のみ11:30~13:00
定休日:月曜、火曜

滞在時間:約3時間
お会計:22,500円税込
予約:9ヶ月前に電話予約

  • 暖簾

  • 外観

  • 表札

  • 店舗へのアプローチ

  • カウンター

  • 生ビール(小)

  • ○ガリ 2種類あり、こちらは穂先のガリ。 甘い口当たりで瑞々しく弾むようなシャッキリ感で、酸味を立てずに潤いで着地する。

  • ◆蛸(三河湾 日間賀島) キュッと歯の踏み込みを感じると、綺麗な香りを立てて食感が大きな旨味へといざなう。知多半島の美味しさに満ちた恵み。

  • ◆ワタリガニの茶碗蒸し

  • ワタリガニの身をしっかり忍ばせてあり、蟹から出るお出汁とナチュラルなえんみが熱々でおいしい茶碗蒸しとしてのバランスを感じさせる。

  • ◆3品盛り合わせ 蕗のお寿司、わかめとイカの蕗味噌和え、平貝

  • 蕗のほろ苦い風味がシャキシャキとした食感に瑞々しさを与えるお寿司。 ふき味噌の深いコクをイカの心地よい食感で表現。 歯切れの良い平貝、噛みしめる度に煮詰めた旨味が引き出され浸れる。

  • ◎田中六五 生 うすにごり 期間限定の薄濁り、ほのかな酸味と辛さは後味に引きずらないスッキリとした飲み口。

  • ◆メヒカリ 焼き(三重 尾鷲) 軽く干して焼き上げたもの。

  • 焼き立ての身を口で噛み締めた瞬間に感じるごく薄い皮目のパリッと儚い食感の煌めきにヤラれる! あとは脂に乗せた旨味がしっかり全体を包んで、極上の旨味と化す! 抜群に美味しい!!

  • ◆帆立 漬け

  • 滑らかな口当たりと食感は新鮮そのもの。そこに醤油の味わいが口内に馴染むと同時にスッと消えるように口どける。

  • ◆鰆 塩たたき/醤油漬け(三重)

  • 塩たたき:皮目の炙った香ばしさと塩が絶妙に響かせ、旨味の余韻だけを置き去りにしてトロけて見失う。 漬け:薫香感の塊!しっとりねっとり、ひたすら香りを立て続けて薫香が滞留!めちゃくちゃ旨い!

  • ◆スミイカのわた和え 口に入れた瞬間にワタのコクが口内へと広げ、後を追うように吸い付くような身の口当たりで、その磯感に柚子の爽やかな香りが寄り添った見事なるお酒のアテ。

  • ◆河豚のてっさ 焼き白子

  • ポン酢の酸味によって引き立つクリーミーな旨味が爆発! 締まった食感を噛み締めるほどに旨みを放ち、てっさとしての魅力に溢れる一皿。

  • ◎瀧 やや甘みのある口当たりにキレ良くつまみと合わせる佐賀のお酒。

  • ◆白魚とそら豆の天ぷら 塩味が付けられているのでそのままいただきます。 軽やかな食感とすぐにえんみを見つけて白魚から溢れる甘みに響かせる。 薄皮のそら豆、素材の風味を楽しみつつ塩味が心地よく響く。

  • ◇鰆 解れよく粒感を伝えるタッチのシャリは、酸味が心地よく抜けて、引き立つ鰆の旨味を醤油が相乗! シャリの酸味が込み上げると、後に立ち上がるえんみ。それらが握りの一体感をつくり、手応えを感じさせる。

  • ◇サヨリ昆布〆 細切りにされた数枚の身に醤油のコクを響かせ、シャリの酸味が山葵の清涼感と共に心地よく膨らみ、青みのある身を引き立てる。

  • ◎滝水流(はやせ) 抵抗感なく実に招き入れやすく、ネタの余韻を高めてくれます。

  • ◇車海老 シャリの酸味で引き立つ海老の甘み、噛み締めるほどにしっかりとした旨味を形成。忍ばせた身と肝和えがコクを深めるポイント。

  • こちらは通常のガリ。しっかり後味にまで辛さが伸びるようにダイレクトにリセットしてくれました。

  • ◆鰆 漬けサービスで切れ端を頂きました。 ちびちびやりたくなる薫香は本当に極上! 堪らん美味さ!

  • ◇鮪 漬け(北海道 戸井) 延縄もの。寝かさずにブロックを湯引きして1~2時間ほど卓漬けにしたもの。

  • ミシミシと歯が進む感覚、鉄の味わいとシャリの酸味がジャストで相乗しあい、一体感を高めるように旨さが膨らむ。 ストレートに美味しい一貫!

  • ◆鮃 えんがわ(地もの) 縁側として頂いたことがないほどに分厚く、ムチムチと踏み込むような食感から溢れる脂に醤油が絶妙に響く!

  • 多めに山葵を乗せても吹き出す脂が溶かして効かない。堪らない!

  • ◇中トロ(北海道 戸井) 噛めばかむほどにミルキーさを増し、そして押し寄せてくる至極の余韻。

  • まさに冬の鮪といった抜群のおいしさ。

  • ◇雲丹巻物 巻物でないと耐えられないほどにとろっとろの雲丹。 シャリにしっかり絡む深いコクとややえんみの方向へと咀嚼が味を導きます。

  • ◎宝剣 生 力強い旨味でネタの美味さを後押し。

  • ◇スミイカ(地もの) 踏み込むような心地よい食感、シャリの酸味、酢橘の香りが身のおいしさの輪郭をつくり、スミイカの旨さをひたすら伝える。 ネタに合わせる白シャリのバランスと一体感が光る握り。

  • ◇甘えび 昆布〆 昆布の旨味を纏った身は、噛みしめるほどに身の旨味とねっとり馴染み、ほのかな香ばしさを立てながら旨みを爆発させる!

  • こちらも赤酢を用いず、素材の味に存分に浸れる一体感。

  • ◇穴子(三河湾) ふっくらと形を保ちつつも、圧で纏まるその寸前にふわっと香りを立てて解ける一瞬の感覚が印象的。 甘めのツメが包み込み、温かさに旨みが高まり、際立つ風味が心地よく抜けて心を掴む穴子。

  • ◇小鰭 飾り包丁の切り口から強く湧き出すような旨味。

  • 瑞々しくシャリに旨味が移ると、咀嚼でどんどん膨らむ旨さ。実に良い仕事してます。

  • ●赤だし 絶えずお酒が進んだ胃をどしっと構えるように落ち着かせてくれます。

  • ◇ねぎトロ巻き きめ細かなトロの口当たりに香りが良く立ち、噛むほどにその甘みがシャリへと広がり旨味であふれる。 両面に塗られた醤油もしっかり味を引き立てます。

  • ◇干瓢巻き 干瓢の落ち着いた甘みと海苔の良い風味が程よい一体感をつくる。

  • ◇玉子焼き ふわっとエアリーな甘みを伝えるのは平貝のお出汁。 隠れた名物で〆に印象づけるおいしさ。

  • ◆鰆 醤油漬け お気遣い頂き、最後にまたサービスして頂きました。 薫香の余韻だけだおちょこ2杯はいけます!

  • ご馳走さまでした!

  • 足元を冷やさないようにとヒーターが置かれ、随所にみられる心遣いがあたたかく伝わり、その空間がつくられています。

2023/04/24 更新

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