中目のやっこさんさんが投稿した参宮橋 あさや(東京/参宮橋)の口コミ詳細

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参宮橋 あさや参宮橋、初台、南新宿/うなぎ

1

  • 夜の点数:4.6

    • ¥20,000~¥29,999 / 1人
      • 料理・味 4.8
      • |サービス 4.6
      • |雰囲気 4.5
      • |CP 4.8
      • |酒・ドリンク 4.7
1回目

2024/04 訪問

  • 夜の点数:4.6

    • [ 料理・味4.8
    • | サービス4.6
    • | 雰囲気4.5
    • | CP4.8
    • | 酒・ドリンク4.7
    ¥20,000~¥29,999
    / 1人

「参宮橋 あさや」一つの命を頂くことの尊さに対峙して、鮮度と味わいに直結させた至極の鰻コース

昨年9月にオープンされながらも、すでに予約困難となりつつある鰻店「参宮橋 あさや」さん。
なんと嬉しいことに当日の3日前に食通の友人よりお誘いを頂いてお伺い。

場所は小田急線参宮橋駅西口より徒歩10秒。
住宅の1階奥にひっそりと鰻の看板が出されるだけで、ライトアップや暖簾もない。

戸を開けると、オレンジの明かりと共に落ち着いた和空間に広がる8席のカウンター。
目の前にするオープンキッチンには焼き場を備えており、すべての調理工程の臨場感が味わえる設計。

店主の荻原聖氏は恵比寿の人気中華「WASA」で経験を積まれて、異色となる鰻屋へと転身独立されました。

私自身、鰻屋にはよく足を運びますが、一貫したフルコースは初めて。
19時、8名のゲストが揃ったところで一斉スタートとなりました。

お料理はおまかせコースのみの提供となります。
頂いたものは以下の通り。


「おまかせコース」

●先付け
 筍(京都 物集女)、共水うなぎ
●鰻の唐揚げご飯
 共水うなぎ、ホタルイカ、もち麦ともち米
●お造り
 共水うなぎ、余市のあん肝
●肝焼き
●う巻き
 共水うなぎ
●印籠焼き
 浜名湖イソフラボン鰻、焼きナス、蕗味噌
●ひれ焼き
●白焼き
 浜名湖イソフラボン鰻、天草の養殖海鰻
●食事
 うな重:浜名湖の新仔うなぎ、共水うなぎ
 釜炊きご飯(夢つくし)、お味噌汁、香の物
●水羊羹

◉瓶ビール:エビス
◉森嶋 純米吟醸 山田錦 / 森島酒造(茨城 日立市)
◉而今 純米吟醸 雄町 生 / 木屋正酒造(三重 名張市)


入店時に既にカウンターに並んでいたのは串打ちされた鰻や肝、そして立派な活きうなぎ。
この日のうなぎは共水うなぎを中心に、浜名湖のイソフラボンうなぎ、天草の養殖海うなぎ、浜名湖の新仔うなぎの4種類。

季節ものとして、京都物集女(もずめ)産の極上筍と合わせる共水うなぎ。繋ぎ留める餡にも鰻のお出汁を用いて、筍の甘みと香りにパリッとした身の旨味が自然と共鳴。纏わせた炭火の薫香が餡に宿り、鰻の味わいと合致させる見事な一品にいきなり魅せられる。

続いてはもち麦ともち米にセリとホタルイカで炒めた焼き飯に、共水うなぎの唐揚げを添えて。
カリッとした衣の食感は噛みしめるほどに旨味を膨らませ、食感を与えるお米の粒感と相乗してセリの油分と青唐辛子でスパイシーに融合。
ホタルイカの香りを纏わせ、ただただお酒を誘う罪な一口。美味い!

ここで驚愕するのが、薄く包丁が入るとお皿に敷かれていく共水うなぎのお造り。
余市のあん肝を包んでポン酢に付けて、ミシミシと噛みしめる度に淡白ながらも引き出される味とほのかな香り。
ポン酢で引き締まったあん肝の甘みが身に染み渡り、咀嚼が極上のひとときと余韻にまで繋げていく。神経〆で2日寝かせた、これこそが未知のおいしさとの出会い!

肝焼きには刻んだ蕗と奈良漬を合わせて。
エグみは一切感じさせず、タレの甘みと抜群の香ばしさ!薬味でも抑えきれない極上の香りがひと噛みごとに爆発させる!

お馴染みのう巻きは焼いた共水うなぎを生蒸しの関東風で玉子と一体にして。
驚くほどのふわふわの一体感と甘みの統一感、僅かな鰻のあぶらと香ばしさが立ち上がり、そしてタレが全体の旨さをしっかり補う。
う巻きの概念が面白いほどに覆るおいしさ!

白焼きから始まる活き鰻を提供。
ここからが通常の鰻店ではなかなかお目にかかれない目の前で捌く光景。
こんな間近で見たことがなかったので、鰻の躍動感と生命力、その反面で職人の凛とした姿勢と技術から伝わってくる一つの命と向かい合う瞬間。

プリプリの強い身に串が通ると締まるのがわかるほどに新鮮で、そして白焼きへと焼かれていく。

白焼きは浜名湖イソフラボンの地焼きと天草の養殖海うなぎの蒸し焼きを食べ比べ。
地焼きは一口で感じる煌めく食感と引き立つ香ばしさ、綺麗な脂としっとり伝わる旨味が粘膜へと極上に降りていく。美味しい!
蒸し焼きは、仕立て通りしっとり口に馴染むと、少しの青みが絶妙な風味として美味しさを引き出していく。
添えてある肝塩が素晴らしいアイテムで、香ばしさにキリッとエグみを響かせながら鰻の味わいをより豊かに表現させる!

最後はうな重の準備へ。
焼き上げる工程で火入れへの余念がなく、底までタレにどっぷり漬けるかと思えば、タレ壺の上で蒸らすようにラストに焼き上げれば完成。
実に均一な焼き色の蒲焼が完成すると同時に、お重には釜炊きのご飯がセットされてタレがかけられるともうすぐ提供の合図。

くすみながらも艶のある綺麗なお重には"あさや"の文字。
蓋を開けると、焼き目が眩しいほどに艷やかな輝きをみせるように敷き詰められた鰻。
手前が浜名湖の新仔うなぎ、奥が共水うなぎで、お米は"夢つくし"という鰻と同じお水で育てられた地域の統一感。

まずは新仔うなぎをひとかぶりすると、ふっくらとした身は皮目のパリッとタレの旨味を乗せ、そのまま噛みしめるとジンワリと引き出されるクリアな脂。そこに旨味と風味が押し寄せるように贅沢に膨らんでいく。
尻尾に進むほどに色濃い味わいと食感が増していき、地焼きの魅力を全面に主張する別格の美味しさ!
共水うなぎは蒸し焼きとして、口当たりにデリケートさを伝えると、すぐに掴んでいく濃厚な口どけの中にしっかり伝わる鰻の味わい。
鰻に合わせる山椒も素晴らしく、乾いた華やかな香りとほのかな痺れで一気に輪郭を与えるように彩ってくれる。好みすぎる朝倉山椒。

それぞれ2種類は半身ずつ一本を頂けるように配慮されており、抜群の火入れが最大限の味わいを生んでいく。

最後はこしあんにほうじ茶を合わせた水羊羹、ウオーター感たっぷりの口どけでスッキリと〆てくれた。

鰻だけを使ったコースながら、そのすべてが鰻の美味しさに満ちるように構成された逸品揃い。

白焼きとうな重共に食べ比べに加えて、紅白で頂けるなんて贅沢の極み。
捌いて焼き上げる圧巻の光景に、待ち時間はほとんど感じさせず〆の鰻重を頂ける点も高いコスパへと変換してくれる。

また個人的にはワンオペで振る舞うカウンターのみの空間が職人との一体感をも生んでくれ、空間と食事を楽しむ上では最上級とさせる居心地。
ジャンル違いのWASAさんで身につけたものは、山下シェフの慣性や細かな味の調整、そしてゲストへの振る舞い方に必ず表れている。

一つの命を頂く瞬間に生きる我々が、大切に味わうことを改めて実感させてくれる場所であり、だからこそ実現する鮮度と美味さ。

鰻のおいしさに真摯に向き合うことのできる素晴らしい一店です。


□参宮橋 あさや
所在地:東京都渋谷区代々木4-6-5
    A&U 1F
営業時間:18:00~

滞在時間:約2時間半
お会計:27,000円税別/人
予約:WASA常連様のお席にお誘い

  • 参宮橋 あさや

  • カウンター

  • 箸置き

  • ◉瓶ビール:エビス

  • 圧巻の串打ち

  • 氷で活性を落としながら披露させる活き鰻

  • 鉄串を抜く瞬間のジュッと立てる音が堪らない瞬間。

  • ●先付け 筍(京都 物集女)、共水うなぎ 餡は鰻のお出汁を使ってあります。

  • 円やかな餡に抱かれるなかにシャッキリと甘みを伝える最高級の筍。 鰻は皮目はパリッと、そして身はふっくらと焼き上がり、一口でしっかり伝える身の旨味。 わかめを敷きながら、炭の香ばしさを乗せた餡と鰻の味わいが一つになる美味しさ! 鰻を交えて季節を感じさせてくれる逸品に早くも高まる期待。

  • ワンオペだからこそ感じさせる居心地の良さ

  • ●鰻の唐揚げご飯 共水うなぎ、ホタルイカ、もち麦ともち米

  • 唐揚げにしたカリッと食感と噛むほどに膨らむスパイシーな美味さ!

  • 敢えてもち麦ともち米の食感を残すように、ホタルイカの香りを纏わせてセリの油分と合致させる焼き飯!

  • これはもしや、

  • ●お造り 共水うなぎ、余市のあん肝 お造りの鰻は神経〆にして2日寝かせたもの。

  • 極薄いながらもミシミシと噛みしめれば淡白な旨味が引き出されて、同時に感じる仄かな香り。 ポン酢で頂くのはてっさそのもの。いや、超える味へ。

  • あん肝のミルキーな甘みを包んでポン酢で頂けば、身にその甘味が宿らせるように咀嚼が美味さを引き出す! 余韻までもがおいしい!

  • ◉森嶋 純米吟醸 山田錦

  • ●肝焼き 刻んだ蕗と奈良漬を添えて。

  • 甘いくらいにタレを纏わせ焼かれた肝。隠しきれないその薫香がひと噛みごとにハッキリと主張する!

  • エグみの無いほどに綺麗な香りが極上!

  • ●う巻き 焼いて生蒸しの関東風の共水うなぎを卵で綴じ込めるように一体に。

  • 一口で感じる玉子と鰻のふわふわとの一体感。

  • 鰻の甘みと滲む脂に少しの薫香、そして玉子の甘みがナチュラルに馴染んで、素朴な甘さを届けてくれるタレのコクが纏め上げる。 う巻きとしてのベストなバランスに富んだ逸品。

  • ●浜名湖イソフラボン鰻の印籠焼き 焼きナスと蕗味噌を添えて。

  • 蕗味噌のコクに抱かれる香ばしさの一体感。脂と共に弾ませる旨みにタレの味わいを合致させる。

  • ●ひれ焼き うるいとうどでうざくに仕立てて。

  • 酸味でスッキリと引き締めながらも、一口に膨らむ薫香とタレの香ばしさが同化しながら、ひと噛みごとに彩りを添える美味しさに!

  • ◉而今 純米吟醸 雄町 生

  • 焼き上げると肉厚に膨らんで香ばしさを放つ。 串を抜く音、カットする音のそれぞれが堪らない臨場感を与える。

  • ●白焼きの食べ比べ

  • ● 浜名湖イソフラボン鰻 衣の煌めきに膨らむ抜群の香ばしさ、綺麗な脂としっかり伝わる味わいで主張し、粘膜へと極上に沁み渡る。 一口に広がる圧倒的な旨さを、薬味と共に愉しむことの贅沢。

  • ● 天草の養殖海鰻 しっとり口に馴染むと僅かな青みが絶妙な風味として全体を引き立てる! 添えられた肝の塩でエグ味を伴う香ばしさでキリッと響かせればさらに美味しい!

  • 釜炊きのお米は共水うなぎと同じ水で育ったものと合わせる美味しさの徹底ぶり。

  • ●香の物 ザーサイはきっと前店の名残り。

  • 圧巻の蒲焼きは2つ産地の鰻を4本ずつ

  • 着重

  • ●うな重 手前が浜名湖の新仔うなぎ、奥が共水うなぎを食べ比べさせてくれるる贅沢なおもてなし。

  • 鮮やかで綺麗に染まった焼き色と艶やかなタレで誘惑させる。

  • 奥は蒸し焼きの一手間加えた共水うなぎ

  • 箸から伝わるハリさえ感じる地焼き新仔うなぎ。

  • たわわにしなり、口で解ければ漲るクリアなあぶらの甘みを炸裂!

  • お米は粒感がありタレを纏ってよりサラサラと解ける口当たり。右上の焦がした尻尾に進むに連れて食感と色濃さを高めていく。

  • 後半は華やかな香りに思わず心を奪われる朝倉山椒を乗せて。

  • お味噌汁

  • ●水羊羹

  • こし餡に寄せる過程でほうじ茶を入れることで、ウォーター感にほうじ茶の風味を重ね、その透明感に柚子の香りを段々と響かせて。

  • ご馳走さまでした!

2024/07/24 更新

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