3回
2025/04 訪問
春の息吹を味わう、鮨しゅんじ
元麻布・鮨しゅんじさんで、春のおまかせをいただきました。
店主の橋場俊治さんは、鮨さいとうの一番弟子として18年にわたり腕を磨かれた方。
その経験が息づく一貫一貫に、積み重ねた技術と感性を感じます。
一貫目は、生きたままのスミイカ。
透き通った姿を見せてもらってから、すぐに供された握りは、素材の生命感を閉じ込めたような一貫。
歯切れよく、ふわっと甘みが立ち上がる感じに、一気に引き込まれました。東京でこんなお寿司が食べれるとは…
さらに、ボタンエビや大きな天然トリ貝も、握る前に見せてくださる演出が。
ワクワクすると同時に、命をいただくことへの感謝を改めて感じさせてくれます。
シャリは硬すぎず、柔らかすぎず、後味にふわっと米の甘み。
お酢も塩も控えめで、口に入れたときに派手なインパクトはないものの、いつまでも食べ続けたくなる優しい美味しさがありました。
わかりやすくパンチが効いているタイプではなく、優しく繊細な味わいのシャリ。
だからこそ、玄人好みの一貫だと感じます。美しい。
つまみも秀逸で、北寄貝のしゃぶしゃぶ、鮪カマトロの角煮など、火入れや塩加減の繊細さに、職人の技を感じます。
派手な演出は一切なく、素材をまっすぐに生かすアプローチ。
空間も過度に飾らず、静謐な時間を楽しめる設え。
また、お店では「海の恵み料」という形で、食材の恵みに感謝し、海の環境保全活動にも寄付されているそう。
ただ美味しいだけでなく、未来の海のためにも想いをつなぐお鮨。
そんなところにも、しゅんじさんご夫妻の温かさを感じました。
また季節を変えて、ゆっくりと味わいに伺いたい一軒です。
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#寿司
#東京グルメ
#春のおまかせ
#静かな美食体験
2025/08/31 更新
2024/10 訪問
進化する寿司、新しい江戸前。
しゅんじさんが、柔らかな笑顔で迎え入れてくださいました。
落ち着いた内装もとても美しく、席につく前から期待が高まります。
店主の橋場俊治さんは、鮨さいとうの一番弟子として18年にわたり腕を磨かれた方。
その経験が息づく一貫一貫に、静かに積み重ねた技術と感性を感じます。
休みがあれば全国各地へ足を運び、地方の漁師さんから朝どれの魚を直接仕入れているとのこと。
魚の状態に合わせた仕込みも新しく、たとえばカワハギは開店前ぎりぎりで捌き、肝の鮮度を極限まで高めるというこだわり。
その肝をたっぷりのせた握りは、思わずため息が出るほど素晴らしいものでした。
すじこは、卵の旨味がしっかりと詰まっていて、まるで卵かけご飯のような幸福感。
縞海老はふわふわとほどけるような食感に感動し、
ウニ巻きは言わずもがな、至福のひとときでした。
「寿司もここまで進化するのか」と、改めて驚かされる体験。
シャリも新米で、米の甘みと香りが立ち、すっごく美味しかったです。
お酢や塩も控えめで、素材の持つ力をそっと引き出していました。
女将さんの接客もまた素晴らしく、心地よい距離感。
10年以上ブルゴーニュ専門店を営み、エクアトゥールでもソムリエを務められていた方だそう。
料理に合わせて提案されるお酒も、日本酒だけでなくワインまで組み合わせてくださり、
どれも絶妙なマリアージュ。お寿司屋さんではなかなか出会えない楽しさでした。
個人的に、最高のお寿司屋さんになりました。
またぜひ伺いたいと思います。ありがとうございました。
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#静かな美食体験
2025/04/18 更新
お久しぶりにお邪魔できました。
最初の一品は、贅沢な鱧の茶碗蒸し。
甘く炊いた鱧の皮と浮袋が具になり、上にはすっきり梅出汁。
上層・中層・下層と、それぞれまったく違う風味が現れる多層構造で、ひと椀の中に物語が。圧巻の仕上がり。
あん肝は甘くなりがちなのに、ここでは驚くほどすっきり上品。
北寄貝の磯辺揚げは発想が新しく、噛むほどに香りが広がり、とても美味しかったです。
鮨しゅんじのシグネチャー、まぐろのカマトロ。
今回の仕上がりは間違いなく、過去一。
味の入り方、火の入れ方、そのすべてが研ぎ澄まされていて、思わず静かに集中して味わいたくなる一口でした。
定番を「守る」のではなく、定番を「進化させ続ける」お店。
同じひと皿でも、毎回どこかがよくなっている。
朝どれ、朝締めの魚だけが持つ透明感のある香り、澄んだ甘み、心地の良い食感。
嫌なニュアンスが一切なく、ただまっすぐに美しい寿司が続いていきます。
カワハギで完全にノックアウト。
さっきまで活かしていた身の弾力と、とろける肝。その組み合わせは最高でした。
途中で登場した天然とらふぐのお鍋にも癒されました。
身体がすっと温まってありがたかったです。
そして最後の一貫まで食べ疲れない、軽やかなシャリ。
この日は、握りもつまみもすべてがきれいに調和していて、本当に過去一。
本当にご馳走様でした。