ひろえBANANAさんが投稿したくすのき 本店(東京/四ツ谷)の口コミ詳細

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ひろえBANANA (30代前半・東京都) 認証済

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くすのき 本店四ツ谷、四谷三丁目、麹町/天ぷら

1

  • 昼の点数:4.8

    • ¥30,000~¥39,999 / 1人
      • 料理・味 4.8
      • |サービス 4.9
      • |雰囲気 4.9
      • |CP 4.7
      • |酒・ドリンク -
1回目

2021/10 訪問

  • 昼の点数:4.8

    • [ 料理・味4.8
    • | サービス4.9
    • | 雰囲気4.9
    • | CP4.7
    • | 酒・ドリンク-
    ¥30,000~¥39,999
    / 1人

特級の食材とその味を活かす火入れ、そして型に嵌らない調理技法

◎概要
JR四ツ谷駅付近にある天ぷら店。名古屋から移転してきた人気店であり、瞬く間に予約困難店に名を連ねました。
ディナーは約¥50,000と天ぷらジャンルの中でも最高額クラスの設定ですが、ランチは半額ほどと比較的行きやすい価格設定であるため訪問してみました。

◎雑記
・店内は木目と黒が印象的な高級感溢れる空間であり、高級寿司店のような雰囲気に背筋が自然と伸びます。一方で店主さんは柔和な方であり、リラックスして過ごすことができます。店の雰囲気や予約サイトに書かれたルールの多さから身構えていましたが、いい意味で想定外でした。

・同店の天ぷらは特級の食材とその味を活かす火入れ、そして型に嵌らない調理技法が印象的です。海老は塩とタレの食べ比べを楽しみ、中盤からは野菜を煮込んで作った自家製のタレにつけて頂くなど飽きの来ない構成に終始新鮮な気持ちで天ぷらを堪能できます。口コミでよく拝見する「油が全く油紙につかない」という同店の名物的現象も目の前で見ることができ、その技量を堪能できました。

・ペアリングはアルコール・ノンアルコール共にあり、途中からノンアルコールといった変更も柔軟に対応していただけます。日本酒も希少な勝駒の大吟醸、中国茶もロイヤルブルーティーのような既製品ではなく店舗で水出ししたものを使用などこだわりが感じられ、天ぷらとのマリアージュも抜群です。値段も頂いた内容の割に安価であり、アルコールを嗜む人もそうでない人も全員が満足できるペアリングだったと思います。

・ショートコースにあたるランチコースでの訪問でしたが、今まで食べた天ぷらでも断トツの完成度でした。ペアリングやサービス面なども超一流であり、店主さんはもちろんのことスタッフの一人一人が集中して仕事に打ち込んでいるのが伝わってきます。天ぷらとしてはもちろんのこと、過去訪問した全ジャンルでもトップクラスに満足度の高い内容となりました。ちなみにディナーコースとの差を聞くと、ランチと総量は変わらないものの一品ずつのポーションを小さくして生と天ぷらの食べ比べなどを楽しめるより実験的な内容となっているとのことで、極めて高価ではあるもののランチでの完成度を考えると払う価値は十分にあると思えてしまうほどです。現在は常連のみの実質紹介制になっているようで一回訪問しただけの私は予約できない状況ですが、OMAKASEの情報などを細かくチェックしてぜひまた再訪したいと思います。


◎料理詳細
(口頭での説明をメモしたため、間違っている可能性あり)
特に美味しかったものは☆を記載。

①タラの白子
一品目はタラの白子を低温で調理したつまみ。菊の花のジュレと合わせて爽やかに頂けます。日本酒との相性は抜群で、天ぷらへ向け胃の準備運動を行うような一皿です。

②海老 塩で

②’海老 タレで

③海老の頭
トップバッターは海老の三連打。塩とタレで食べ比べた後、最後はその頭を頂きます。塩・タレは甲乙つけがたい完成度で、いずれも天ぷらの薄衣で海老自身が持つ旨味を閉じ込めています。頭部分は身と比べてハードに揚げ、せんべいのような感覚でクリスピーに頂けました。

④秋縞いんげん
野菜一品目は美濃野菜の一つである秋縞いんげん。細いそのビジュアルからは想像できないほどの力強い味わいであり、同店の野菜が箸休めではなく主役の一つであることを証明するかのような味でした。

⑤キス …☆
江戸前の天ぷらの代表格であるキスが登場。分厚いその身の中にはたっぷりの水分と旨味が含まれており、噛んだ瞬間に弾けるように口内に広がります。これぞ天ぷらといった具材だからこそストレートなおいしさが堪能できました。

⑥舞茸
一般的な舞茸の天ぷらはその形状から余分な油を吸いやすくギトギトしていることが多い印象ですが、同店の舞茸はどこを見ても一定の厚さであり、完璧にコーティングされています。当然余計な脂っこさのないキレのある味となっており、技術力の高さを堪能できる一品でした。

⑦マダイ
野菜と魚が交互に来るような構成であり、次は明石産のマダイが登場します。肉厚なマダイの身に絶妙な火入れが施され蒸し料理のような独特の食感となっており、寿司で頂くマダイとは全くの別物と言える存在へと変貌しています。

⑧蓮根
唐津産の蓮根は1/4カットで登場。こちらは今までの天種と比べしっかりと火入れが施されており、一般的な蓮根のサクサクとした食感ではなく芋のようにホクホクとしたものになっています。根菜特有の野性味ある甘みが引き出されており、蓮根のポテンシャルを感じる一品でした。

⑨マナガツオ …☆
西京焼きなどでよく見るマナガツオですが、天ぷらでは初めて頂きました。白身魚特有の淡白なおいしさは残したまま、揚げることで皮目の味が引き立っていたように思います。

⑩山牛蒡 …☆
蓮根に続き根菜が登場します。いい意味で土の味を感じる一品であり、生で食べる以上に素材の風味を堪能できました。

⑪サワラ …☆☆
鳥羽産のブランド魚「金の鰆」を使用した天ぷら。脂肪分17%という凄まじいほどの脂が乗っており、中心部がレアというステーキさながらの火入れで頂きます。牛肉以上に感じるジューシーな脂、癖がなくキレの良い後味、包み込む衣のクリスピーな食感と異なる三要素が完璧に調和しており、思わず唸るような珠玉の一品でした。

⑫蕪と栗
サワラで上がったテンションをいったんリセットするように、旬の一品が供されます。同店は合間に出される日本料理もハイクオリティであり、こういった一品のクオリティの高さが全体の満足度を引き上げているのだと思います。

⑬筋子 海苔巻き …☆☆
筋子を海苔で包み、それを天ぷらにしたという創作性の強い一品が登場。海苔は香ばしく揚げられより風味が豊かに、筋子は食感は残したまま熱が入ることでより濃厚になっており、二種の調理を並行して完璧に行ったような離れ業を実現することで異次元の味となっています。ウニの大葉巻きをマイナーチェンジしたかのような構成ですが、同店のスペシャリテと言っても過言ではないほどの完成度でした。

⑭栗
先ほど登場した栗を今度は天ぷらで頂きます。根菜以上にじっくり火入れすることで天ぷらというより焼き栗のような火の入りとなっており、天ぷらの持つ可能性を提示するかのような一品に驚かされました。

⑮宿儺かぼちゃ …☆
飛騨高山産の伝統野菜「宿儺(すくな)かぼちゃ」を二か月熟成させ天ぷらにした一品。長期の熟成とじっくりと行った火入れにより、中心部はトロトロと言えるレベルまで柔らかくなっています。上質な甘味と崩れるような柔らかい食感が楽しめる、極上の野菜天でした。

⑮’野菜の煮込みだれ …☆
ここからは天ぷらに自家製の煮込みだれをつけて頂きますが、このタレは野菜の旨味だけを凝縮したかのようなピュアな味わいであり、単体で頂いても一つの料理として成り立つほどの完成度です。テイクアウトで売ってくれないかと聞きたくなるような魅力を持つタレでした。

⑯タチウオ
タレで頂く天ぷら第一弾はタチウオ。筋肉質な肉質にはしっかりと火が通され、タレの風味とも喧嘩せずに調和します。冷たいタレをくぐらせると「ひやあつ」のような味わいとなり、新鮮な感覚で頂ける天ぷらでした。

⑰水ナス
こちらもかなりの高温で揚げられており、そのまま頂くと火傷しそうなほどの温度です。水ナスの水分が蒸発することなく天ぷらの中に閉じ込められており、タレの旨味お追いかけるかのように二段階で口内に広がるギミックのような展開が食べていて楽しい一品でした。

⑱タラの白子
最初に頂いた白子が今度は天ぷらとなって登場。低温調理で頂いたときはクリアな味が印象的でしたが、天ぷらの温度で火が入ることでクリーミーで濃厚な一品に様変わりしています。同店が得意とする調理による味の変化の真骨頂の一端を味わえる天ぷらです。

⑲カキ
天ぷらのラストを締めくくるのは仙鳳趾産のカキ。特大サイズを半分にカットして提供されます。クリーミーさだけではなくカキ味噌特有のパンチのある味わいも残し、これまで食べた天ぷらの中でも最も濃厚な味わいです。野菜ダレと合わせても、そのままでも美味しく頂けました。


⑳天茶 …☆
最後は天茶で締めくくります。舞茸、キス、イカ、エビ、いんげん、貝柱が入った贅沢なかき揚げであり、ご飯や出汁といった各パーツの完成度も抜群です。コースで頂いた各食材を思い返すかのように頂けるハイライト的な楽しみ方が出来ました。

㉑巨峰・マスカット・幸水のソルベ …☆
デザートも同店らしく工夫が凝らされた一品です。巨峰のソースを底部に敷き、ブドウと梨のソルベで自然な甘味を引き出していますが、散りばめられたピンクペッパーがキレよくまとめ上げます。和食では比較的殺風景なデザートが多い中センスが光る一品であり、最後まで大満足のコースでした。


◎滞在時間
約1時間30分


◎料金
¥70,650/2人
(コース¥30,250×2、日本酒一合、ティーペアリング×2¥10,150)

  • タラの白子

  • 海老 塩で

  • 海老 塩で

  • 海老 タレで

  • 海老 タレで

  • 海老の頭

  • 海老の頭

  • 秋縞いんげん

  • 秋縞いんげん

  • キス

  • キス

  • 舞茸

  • 舞茸

  • マダイ

  • マダイ

  • 蓮根

  • 蓮根

  • マナガツオ

  • マナガツオ

  • 山牛蒡

  • 山牛蒡

  • サワラ

  • サワラ

  • サワラ

  • 蕪と栗

  • 筋子 海苔巻き

  • 筋子 海苔巻き

  • 宿儺かぼちゃ

  • 宿儺かぼちゃ

  • 宿儺かぼちゃ

  • 野菜の煮込みだれ

  • タチウオ

  • タチウオ

  • 水ナス

  • 水ナス

  • タラの白子

  • タラの白子

  • カキ

  • カキ

  • 天茶

  • 天茶

  • 巨峰・マスカット・幸水のソルベ

  • 巨峰・マスカット・幸水のソルベ

  • 外観

  • 外観

  • 内観

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2022/06/09 更新

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