ひろえBANANAさんが投稿した虎屋 壺中庵(徳島/佐那河内村その他)の口コミ詳細

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ひろえBANANA (30代前半・東京都) 認証済

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虎屋 壺中庵佐那河内村その他/日本料理

1

  • 夜の点数:4.8

    • ¥15,000~¥19,999 / 1人
      • 料理・味 4.8
      • |サービス 4.8
      • |雰囲気 4.8
      • |CP 4.9
      • |酒・ドリンク -
1回目

2021/11 訪問

  • 夜の点数:4.8

    • [ 料理・味4.8
    • | サービス4.8
    • | 雰囲気4.8
    • | CP4.9
    • | 酒・ドリンク-
    ¥15,000~¥19,999
    / 1人

和食の神髄を体現したような店

◎概要
JR徳島駅から車で30分ほど、徳島県唯一の村である佐那河内村(さなごうちそん)に位置する和食店。かなりマイナーな立地ですが、食べログアワードの連続受賞やJALの国内線ファーストクラスの料理を監修するなど全国にその名を轟かす和食の名店です。


◎雑記
・もともと旅館だったという建物の構造を活かして全室個室となっており、川のせせらぎを聞きながら静かな空間で懐石料理を頂けます。仲居さんの説明も最低限に抑えられ、料理に正面から向き合えるような空間作りが非常に好みでした。

・夜のコースは¥15,000の一本。税込価格であり、サービス料もないため恐ろしいほどの安さです。寿司店に負けず劣らずのスピードで高騰が続く都市部の和食店の価格と比較すると半額ほどの支払額であり、CPの悪さが目立つ和食ジャンルにおいては立地を考慮しなければ間違いなく全国一のCPと言えるでしょう。

・コースは旬の食材を中心とした王道中の王道と言える和食であり、近年流行している高級食材や洋風の調理技法を用いた進化形和食とは一線を画したオーセンティックな懐石料理が頂けます。味付けは控えめではありますが、素材が持つ味を活かすようなニュアンスであるため薄味という印象はなく物足りなさは皆無です。素材のポテンシャルを引き出し、四季の恵みを味わうという和食の神髄を体現したような店であり、ロケーションも合わせて感動の体験ができました。この店に訪問することを目的として旅行する価値のある名店だと思います。おすすめです。


◎料理詳細
特に美味しかったものは☆を記載。

①あられ茶、一献
おもてなしとしてあられ茶、その後に一献が出されます。旅の疲れをリセットし、一息ついて料理に備えるような感覚になります。

②渡り蟹の柚子釜焼き …☆☆
最初の一皿は渡り蟹とその内子。柚子をくり抜いて作った柚子釜に入れ、小型の七輪に乗せて供されます。惜しげもなく使われた蟹身と内子にほんのりと柚子のテイストが行き渡り、旬の食材の共演に一皿目から感動します。食材の原型を残した天然の器で頂くというのも趣があります。 

③柿なます、カマスの寿司、銀杏餅、伊勢豆腐
続いてはカマスの寿司を中心とした複数品の盛り合わせ。カマスのジューシーながらも澄んだ脂をねっとりとした食感の酢飯がしっかりと受け止め、その旨味を余すところなく頂けます。付け合わせの品々も柿、銀杏、鯛といった素材のニュアンスを邪魔しない絶妙な味付けであり、薄味でありながらも十分な満足感が得られます。

④蓮根餅の椀 …☆
蓮根餅、椎茸、エビが入れられた椀が登場。出汁の上品さが格別であり、椎茸やエビといった味の強いはずの素材が入っているにもかかわらず驚くほど澄んだ味わいです。一方で蓮根餅からは名産という蓮根の力強い味と食感が感じられ、素材本来の持つ旨味を存分に味わえます。少しでも配分が変わると崩壊してしまうような繊細なバランスをまとめ上げた珠玉の一皿でした。

⑤アオリイカ、アマダイ、車エビの刺身 …☆
お造りは三種盛り。昆布塩、わさび醤油、ちり酢で頂きます。私は本来刺身があまり好きではないのですが、こちらの刺身は一切れ一切れから繊細な包丁の入りが感じられ、素材の良さは勿論のこと明確な調理技術の差が感じられました。過去食べたお造りの中でも間違いなくトップクラスの一皿です。 

⑥サワラ、百合根、きのこの葛葉包み …☆
贅沢な大ポーションのサワラが葛の葉に包まれて蒸し焼きされた一品です。サワラは蒸し焼きで調理されたことによってふわふわな食感となっており、豆を思わせる葛の葉の香りが移ってどこかアジアンなテイストが楽しめます。脂がたっぷりと乗っているため付け合わせのスダチやしょうゆともよく合い、食べ進めるに従いどんどんその不思議な美味しさに引き込まれるような魚料理でした。

⑦穴子豆腐蒸し
穴子と豆腐を合わせて蒸し上げられた一品。フワフワながらも弾力も感じられる絶妙な食感に仕上げられていますが、きくらげやむかごといったアクセントが一口ごとに変化をもたらしています。かけられた餡はメインであるしんじょうの味わいを邪魔しない程度にうっすらと味付けが施され、最後には出汁の余韻が口内で上品に残ります。

⑧いちじく
ご飯前に箸休めとしていちじくが供されます。素材本来が持つ自然な甘さが感じられ、ラストに向けて口内をいったん落ち着かせます。

⑨鯛ごはんと漬物 …☆
〆のご飯は鯛ご飯。鯛の他に細かく刻まれた長芋が入っています。鯛からは力強い旨味、焼かれた長芋からは香ばしさが感じられ、各素材の持つポテンシャルが存分に引き出されています。また、シンプルな料理に見えますが、実は中に卵黄が隠されているという遊び心もあり、一転して濃厚な味への変化を楽しむこともできます。コースのフィナーレに相応しい贅沢な味わいであり、コース全体を通して和食の魅力を余すところなく体感することができたように思います。

⑩みかんのゼリー寄せ
デザートの一品目はゼリー寄せ。みかんの皮をくり抜いて作られており、一皿目の柚子釜と対になるような演出が面白いです。果汁そのものを閉じ込めたような透明感のある味であり、ここまでの料理で溜まったお腹でも美味しく頂くことのできる一品です。

⑪栗きんとんと抹茶
ラストは栗きんとんと抹茶。滑らかにし過ぎず栗の食感をかすかに残してあり、素朴な味が抹茶とよく合います。コースの余韻に浸りながら、優しい味わいで締めくくることができました。

◎滞在時間
約2時間30分


◎料金
¥34,980/2人
(コース¥15,000×2、日本酒¥1,200、ジュース¥300×2)

  • あられ茶

  • 一献

  • 渡り蟹の柚子釜焼き

  • 渡り蟹の柚子釜焼き

  • 柿なます

  • カマスの寿司

  • カマスの寿司

  • 蓮根餅の椀

  • アオリイカ、アマダイ、車エビの刺身

  • アオリイカ、アマダイ、車エビの刺身

  • サワラ、百合根、きのこの葛葉包み

  • サワラ、百合根、きのこの葛葉包み

  • 穴子豆腐蒸し

  • 穴子豆腐蒸し

  • いちじく

  • 鯛ごはんと漬物

  • 鯛ごはんと漬物

  • 鯛ごはんと漬物

  • みかんのゼリー寄せ

  • みかんのゼリー寄せ

  • みかんのゼリー寄せ

  • 栗きんとん

  • 抹茶

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  • 外観

  • 内観

  • 内観

2022/04/05 更新

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