ひろえBANANAさんが投稿した温石(静岡/焼津)の口コミ詳細

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ひろえBANANA (30代前半・東京都) 認証済

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温石焼津/日本料理

1

  • 昼の点数:4.8

    • ¥20,000~¥29,999 / 1人
      • 料理・味 4.7
      • |サービス 4.8
      • |雰囲気 4.8
      • |CP 4.9
      • |酒・ドリンク -
1回目

2024/04 訪問

  • 昼の点数:4.8

    • [ 料理・味4.7
    • | サービス4.8
    • | 雰囲気4.8
    • | CP4.9
    • | 酒・ドリンク-
    ¥20,000~¥29,999
    / 1人

すべてが完璧

◎概要
JR焼津駅から30分ほど歩いたところにある和食店。決して利便性が良いとは言えない立地にありながら全国レベルで名声を轟かせる名店であり、食べログAwardにおいてはGOLDを獲得するに至っています。


◎雑記
・先代から受け継ぎ改装したという店舗の設計が素晴らしく、中庭を通って座席に着くという一連の流れで自然と背筋が伸びます。その一方で接客は旅館さながらのホスピタリティであり、店主さんは勿論のことスタッフの一人一人に至るまで非常にハイレベルで、行き届いたおもてなしで程良く緊張を和らげてくれます。メリハリのついた空間づくりが素晴らしく、ご飯を美味しく頂くための舞台として完成されていると思いました。

・コースは昼夜共通で¥19,800の一種類。東京の和食が店によっては10万円にタッチするほど高騰する中、恐ろしくリーズナブルです。20品近い品数であることを考えると異次元とも言えるCPであり、おそらく東京からの交通費を含めても都内の星付き店より安いです。都内からフーディーが押し寄せている理由の一端が分かったように思います。

・ドリンクは一人分のペアリングを頼みました。日本酒のみのペアリングであり、当然ながら和食と抜群の相性です。希少な酒も惜しみなく登場し、同店のハイレベルな食事にも負けない内容だと感じました。価格は非公表ですが逆算すると恐らく¥8,000であり、ノンアルコールや料理のCPと比べると相対的に高めには感じますが、内容の良さやサービス料を取っていないことを考えるとむしろ割安です。なお場合によってはビールやワインも出すこともあるとのことでしたが、今回は完全に日本酒のみでした。

・料理自体も素晴らしかったですが、店主さんやスタッフ一人一人の所作、店舗設計などの全てが美味しさに繋がっています。利便性の悪い立地ですが、それ故に純粋に美味しいもののみを求める客層が集っていたように思います。手放しで称賛することの出来る、料理、ホスピタリティ、空間、客層のすべてが完璧な一店でした。

◎料理詳細
特に美味しかったものは☆を記載。

①焼津で獲れたアジの胡瓜巻
一品目は涼やかな見た目が印象的な胡瓜巻です。噛むと弾き返すようなアジのフレッシュな歯応えが食べていて楽しく、梅肉と胡瓜でさっぱりと仕上げた味は初夏の暑さを取り去ってくれるかのようです。

②マメアジの唐揚げ、空豆
輝くような身質のマメアジを揚げた一品。一尾一尾は小さいですが旨味が詰まっており、力強い味が印象的です。どこかジャンキーで親しみやすい味であり、空豆と合わせておつまみ感覚で頂きました。ペアリングは夏酒のような清涼感があり、ニュアンスも見事に合致しています。

③トラフグの焼物、アスパラ
刺身で頂くことの多いトラフグですが、適度に火入れを加えることにより表面は香ばしく、中はモチモチとした弾力ある食感へと仕上がっています。フグの端正な旨味、炭火の香ばしさが加わり、一手間加えることによりフグの魅力を倍増しています。みずみずしさを逃がさないよう適度に火入れしたアスパラも素晴らしく、濃すぎないごまだれとの相性も良いです。

④お椀 …☆
焼津のシロアマダイとヒラタケ、つる菜、柚子の花びら研ぎ澄まされたような出汁に最低限の具材を加え、過不足ないエッセンスで完成させた「引き算の料理」を体現したかのような一品です。特にシロアマダイは京都の和食などで定番の高級魚ですが、今まで頂いた中でもトップクラスに美味しく感じました。

⑤タイとアオリイカの刺身
丁寧に包丁が入れられた、刺身の二種盛りです。店主さんに「この時期としてはかなり珍しい品質」と言わしめるタイは塩で頂くと特に甘味が感じられ、素材の良さを感じさせます。アオリイカも細かく均等に包丁が入れられることにより、舌との設置面積が増え一層ねっとりとした食感が楽しめます。

⑥葉しょうがの揚げ真薯 …☆
ふわふわとした舌触り、淡くも輪郭ははっきりとした白身魚の旨味が感じられる真薯です。ペアリングには能登杜氏四天王筆頭、土井酒造場の伝説の杜氏の名を冠した「伝 波瀬正吉」を合わせて頂きますが、ふくよかで旨味の強い酒に葉しょうがの柔らかな酸味が寄り添い、見事なマリアージュを発揮しています。

⑦伊勢海老、カーリーケール
生きている伊勢海老をその場で捌き調理する一品。ストレスのない環境で過ごした伊勢海老は味噌が色・味共に違うとのことで期待が高まります。捌きたての身は非常に噛み応えがあり、シャキシャキという擬音が似合うほどの新鮮さを堪能できます。海老味噌とケールの苦味もぴったりとマッチしており、過去頂いた伊勢海老料理の中でもトップクラスの一品です。

⑧トマト
箸休めにトマトを頂きます。今は全国区に広がった品種「アメーラトマト」の開発者が作ったトマトとのことで、糖度とうまみが通常のトマトとは段違いです。

⑨エボダイ 春菊の蒸し物
肉厚な身が印象的なエボダイに春菊を重ねて蒸しあげた一品。干物にした時の凝縮した旨味のイメージが強いエボダイですが、蒸し料理にしても十分に旨味を感じます。淡白さを黄身醤油のコクが補い、過不足ない美味しさを感じられました。

⑩キンメダイ 実山椒醤油と白髪葱 …☆☆☆
同店のスペシャリテとして広く知られる一品。皮目は松笠焼のように立たせた鱗が香ばしく、一方で肉厚の身は脂の旨味を引き立たせるかの如くミディアムレアに火入れをされています。火入れ技術の極致のような一品であり、実山椒醤油で頂くのも絶品ではありますが、塩で頂くと一層その技術を味わうことが出来ます。ペアリングも素晴らしく、初亀酒造の「習作」を合わせていますが、単品で頂くと今まで頂いた高品質の日本酒と比べると少し味気なく感じるところ、このキンメダイの脂と合わせると化学反応の如く味が変化し、花開くように日本酒として完成します。ペアリングも含め、他の追随を許さない不動のスペシャリテでした。

⑪焼き蕪 …☆
旬の時期である短い期間でだけ出せる品だという、蕪を丸々一つ炭火焼にしたシンプルな調理です。果物かと思うほどの水分量があり、ジューシーで上品な甘味を感じます。蕪という食材の底力を感じる一品です。

⑫生姜の炊き込みご飯
ご飯物の一品目は生姜を入れた炊き込みご飯仕立ての一品。普段あまり炊き込みは作らないが、こちらはその例外とのことです。浸水段階から生姜を入れることで風味を芯まで閉じ込め、昆布と塩だけでその味を引き立たせています。絶妙な粒立ちと生姜の旨味が楽しめる一品です。

⑬スナップエンドウ、フキ、アワビと大浦牛蒡の炊き合わせ
春の野菜とアワビを合わせて炊いています。特大のアワビは弾力・旨味共に極上の品ですが、「近くで獲れた」という静岡ならではの言葉に驚かされます。肝のソースで濃厚に仕上げ、ご飯前の最後の一品に相応しい一品となっていました。

⑭カマスと発酵エシャレットのご飯
ご飯の二品目は炙ったカマスとエシャレットを乗せての提供です。身が締まっていて上品な旨味を持つカマスとご飯の相性が良く、味噌汁と共に頂くご飯セットとしてはベストチョイスだと感じます。エシャレットの香味も程良いアクセントになっており、質素な見た目に反して非常に満足度の高いセットだと思いました。

⑮海老玉ご飯 …☆
お腹に余裕があればとお代わりで頂けるのは、桜海老とかき玉のご飯です。今朝獲れたばかりだという桜海老が絶品であり、カラリと揚げてスナックのようなクリスピーさを持つ一方で一尾一尾から旨味を感じます。卵の火入れも素晴らしく、一品目と対極的な方向性ながら甲乙付け難いご飯ものだったと思います。

⑮-2 生姜ご飯(おかわり)
更にお腹に余裕があればと、もう一度生姜の炊き込みご飯を頂けました。大食漢でも満足のいくホスピタリティが嬉しいです。おこげもつき、煮えばなで頂く一杯目との味の変化を楽しめました。

⑯紅茶のゼリー、伯楽星のリキュール
デザートの一品目は、グレープフルーツを紅茶のゼリーで閉じた水菓子です。つるりと頂ける清涼感の中にも余韻を感じますが、ペアリングで頂いた伯楽星の酒造で作っている紅茶のリキュールを使っているとのことで驚かされます。和食の枠に囚われない素材選びのセンスが光る一品だったと思います。
 
⑰春菊餅 …☆
餡子をその場で餅に包み提供する一品です。出来立ての餅の食感、春菊の僅かな苦味と餡子の上品な甘味のバランスなどすべてが完璧です。抹茶前の一品としてこれ以上ない完成度だったと思います。

⑱抹茶 …☆☆
ラストは静寂に包まれる中、店主さん自らが点てた抹茶を頂きます。極上の茶葉で点てた抹茶の味自体も素晴らしいですが、真剣にお茶のみと向き合うように頂く時間も含めて体験価値の高い一品です。「茶懐石」を屋号に入れる同店のスペシャリテと言っても過言ではない締めの一杯でした。

◎滞在時間
約2時間30分


◎料金
¥52,030/2人
(コース¥19,800×2、日本酒ペアリング¥8,800、自家製ジンジャーエール¥660、ミネラルウォーター¥660×2、磯自慢温石オリジナル¥1,650)

  • 焼津で獲れたアジの胡瓜巻

  • ペアリングドリンク

  • マメアジの唐揚げ、空豆

  • マメアジの唐揚げ、空豆

  • ペアリングドリンク

  • トラフグの焼物、アスパラ

  • ペアリングドリンク

  • お椀

  • ペアリングドリンク

  • ペアリングドリンク

  • タイとアオリイカの刺身

  • タイとアオリイカの刺身

  • ペアリングドリンク

  • 葉しょうがの揚げ真薯

  • ペアリングドリンク

  • 伊勢海老、カーリーケール

  • 伊勢海老、カーリーケール

  • トマト

  • エボダイ 春菊の蒸し物

  • ペアリングドリンク

  • キンメダイ 実山椒醤油と白髪葱

  • キンメダイ 実山椒醤油と白髪葱

  • ペアリングドリンク

  • 焼き蕪

  • 焼き蕪

  • 生姜の炊き込みご飯

  • スナップエンドウ、フキ、アワビと大浦牛蒡の炊き合わせ

  • ペアリングドリンク

  • カマスと発酵エシャレットのご飯

  • カマスと発酵エシャレットのご飯

  • カマスと発酵エシャレットのご飯

  • カマスと発酵エシャレットのご飯

  • 海老玉ご飯

  • 生姜ご飯(おかわり)

  • 紅茶のゼリー、伯楽星のリキュール

  • 紅茶のゼリー、伯楽星のリキュール

  • 春菊餅

  • 春菊餅

  • 抹茶

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  • テーブルセット

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  • 外観

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2024/10/31 更新

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