ひろえBANANAさんが投稿したレストラン ナズ(長野/信濃追分)の口コミ詳細

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ひろえBANANA (30代前半・東京都) 認証済

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移転レストラン ナズ信濃追分、御代田/イノベーティブ、イタリアン

1

  • 夜の点数:5.0

    • ¥50,000~¥59,999 / 1人
      • 料理・味 5.0
      • |サービス 5.0
      • |雰囲気 5.0
      • |CP 4.9
      • |酒・ドリンク 5.0
1回目

2024/08 訪問

  • 夜の点数:5.0

    • [ 料理・味5.0
    • | サービス5.0
    • | 雰囲気5.0
    • | CP4.9
    • | 酒・ドリンク5.0
    ¥50,000~¥59,999
    / 1人

日本一「天才」という言葉が相応しいシェフ

◎データ
ジャンル:イノベーティブ
アワード:ゴエミヨ3トック(2024)、Tabelog Award Gold(2025)
最寄り:軽井沢駅からタクシー


◎雑記
・軽井沢の中心地から離れた立地であり、コロナ禍にオープンしたレストランながら既に日本屈指の予約困難店となっているイノベーティブ料理店。シェフは訪問日時点で30歳とかなりの若さですが、イタリアンに「noma」の研修を経た北欧仕込みの発酵技術を組み合わせ、世界中のシェフが注目する存在となっています。

・夜のコースで訪問しましたが、コースはおまかせ一種類、ノンアルコールペアリング付きで¥57,800とかなりの高額です。しかしながら一品一品が目の覚めるような新鮮さと脳をフル稼働させるような難解さに満ちており、得られる体験価値としてはレストラン何軒分にも匹敵するものがあります。値段分の価値があるのか半信半疑での訪問でしたが、食べ終わる頃には納得感しかない圧巻の内容でした。

・ノンアルコールペアリングも一品一品がすべて自作のものであり、料理人目線で作られた完成度の高いドリンクで構成されています。独立した一つの料理と言っても過言ではないようなクリエイティビティに満ちたドリンクですが、料理とのマリアージュも完璧であり、名物と言われているのも納得です。

・二名での利用だったこともありバーカウンターのような場所での食事でしたが、サービスは非常に細やかで説明も過不足なく、不自由ない食事が楽しめました。キッチン設備等の拡充のためすぐ近くに移転するとのことですが、この時点でも隠れ家のような空間で趣があり、高い水準の店舗となっていたように思います。

・イノベーティブの中でも他店と比べ踏み込んだ内容であり、食べたことのないような魅力に溢れた品々は強く記憶に残りました。今まで食べた中でも特に異質な料理であり、その非凡な発想力と狂気とも言える実験を行う行動力を鑑みると日本一「天才」という言葉が相応しいシェフだと思います。移転後は個室を備えるとのことですが、またいつか伺えるのを心待ちにしています。


◎コース内容詳細
特に美味しかったものは☆を記載。

①ザリガニのキッシュ
キッシュを焼き上げ、ザリガニの身を入れたもの。パプリカを燻製ロースト、セミドライにし、焦がしたクリームと海老の頭の出汁を加えたソースで。フィンガーフードからザリガニを使用したインパクトのある一品でスタート。ザリガニを頂くのは人生初だが、素晴らしい火入れにより目を瞑って食べると何の違和感もない出来栄え。パプリカと海老の濃厚なソースも高い完成度。

❶フィンランド産コケモモ、ルバーブ、フェンネルシード
甲殻類を想起させる真紅のドリンク。爽やかな酸味が甲殻類のコクと噛み合う。

②発酵ナスとアオリイカの素麺仕立て 
打ちたての生の素麺を底部に敷き、焼いたナスを叩いたものに生姜のジュース、発酵させたきゅうりの皮を加えて和えたものを乗せている。ナスの皮を厚く剥き、一か月発酵させて作ったエキスにアカシアのはちみつを加えたソースをかけ、上部に発酵させたアオリイカ、穂紫蘇、じゅんさいを乗せている。ナスの発酵による酸味、イカの発酵による甘味と、発酵がもたらす様々なニュアンスを楽しむような一品。

❷白桃のジュースに黒澤酒造の粒を残した甘酒、濃く淹れたジャスミンティー
粒感が癖になるドリンク。イカの香りを引き延ばすような一杯。 

③夏鹿フィレ肉のカツレツ …☆☆
水分に満ち溢れた仔鹿のフィレ肉を、オイルではなく澄ましバターで揚げたもの。下部には黒ニンニクとプルーンのソース、上部には発酵させたレタスに焦がしたクリーム、和芥子と芥子菜で作ったタルタル。近郊の長野・美ケ原の鹿を夏の時期に仕留めることにより、水分と鮮度に満ち溢れた鹿となっている。鹿本来のクリアな味を損なわないよう澄ましバターで揚げることで、いい意味でカツと思えない驚くべき軽さに仕上がっている。ダブルソースの味付けも完璧。

❸皮と実を絞ったプルーン、発酵したホエイと香り付けにラベンダー
トロリとした舌触りがソースを思わせるドリンク。クリアな鹿肉を鮮やかに彩る。

④信州サーモン …☆☆
同店の代表作とも言える、信州サーモンを用いたスペシャリテ。ドライエイジングしたサーモンに桜の木で燻製をかけたものを用いる。二週間発酵させた蕪のスライスを重ねて、ザクロとイチジクの葉を加えた発酵トマトのスープをかけて完成。イノベーティブらしい難解なビジュアルが印象に残るが、口にすると発酵による旨味の他、塩味や酸味といった様々なニュアンスは口内に押し寄せ、深みある味わいに引き込まれる。別皿には金柑とすぐりを乗せたサーモンと奈良漬を乗せたサーモンが提供され、それぞれが高い完成度を持っている。サーモンの持つ様々な可能性をプレゼンされるような、同店が持つ発酵技術の白眉と言える一品。

❹発酵ラズベリージュース、薔薇の花びらの蒸留水、赤紫蘇、ダージリン
深みあるサーモンの味わいを、ラズベリーの酸味や薔薇の香り、ダージリンの渋みが補強する。五味すべてをカバーするかのような組み合わせ。


⑤トウモロコシの再構築 …☆☆☆
「畑でかじった生のトウモロコシ」を目指した一品。中心は朝採れのトウモロコシジュースをアイスにしたもの、ソースはトウモロコシを炭火で焼き、絞ったジュースを煮詰め、焼きトウモロコシのキャラメルにしたソース。アクセントとして発酵マンゴーのソース、燻製にしたトウモロコシをバターと乾燥させてクランブル状にしたもの、マリーゴールドのオイルとフレッシュマリーゴールドで仕上げる。美味しいだけでなく、かじったときの感覚を思い起こさせるというシェフのこだわりが詰まった一品だが、口にするとトウモロコシを丸かじりした時のような爽やかな風味とみずみずしさが見事に表現されており、シェフが思い描く風景を追体験させられるような感覚すら覚える。シェフの鋭い感性を感じさせる珠玉の一品。

❺アルコールを飛ばしたマルサラ、カカオの殻を煮出したお茶、有機の黒糖
トウモロコシのひげを思い起こさせるドリンク。ヴィンテージのマルサラを用いることにより、カラメルのようなコクを見事に表現している。

⑥鮎の春巻き …☆
優しく火入れし、水分を残した鮎の春巻き。万願寺唐辛子は素揚げにし、鮎の肝で味付けし、苦味を移している。春巻きは薄く一枚だけで重なりを作らないように包み、ガリガリとした食感を出さないことで鮎の優しい食感を損なわないようにしている。肝を敢えて万願寺唐辛子にまとわせることで鮎のフレッシュさを強調し、後で苦味が合流するような仕立てが見事。添えられているのはスイカジュースを煮詰めて赤ワインの酢をイタリアの唐辛子を合わせたソースであり、こちらも味変として高い完成度。

❻スイカのジュース、ローズヒップと発酵させたトマト
鮎にフォーカスした苦味と甘味のあるスイカジュースをベースにしたドリンク。梅干しを想起させる発酵トマトの塩味を合わせ、鮎と一続きのような味わいを感じさせる。

⑦峯村牛のステーキ
地元の和牛をステーキにしたもの。付け合わせは朝採れのチンゲンサイと牛のレバー、八角やクローブを使った中華風ソース。中華風のニュアンスを出しつつ、重さはなくクリアな味わいに仕上がっており、一流の中華料理店でもなかなか味わえないような出来栄え。訪問前はイタリアンがベースの料理との認識だったが、春巻に続いて中華風のステーキが提供され、国籍を問わないイノベーティブらしい趣向も感じさせられた。

❼ラプサンスーチョンをベースに、メルロー・カベルネソーヴィニヨン・発酵ブルーベリー
松の香りを燻した紅茶であるラプサンスーチョンのドリンク。中華風のニュアンスがステーキとかっちりと噛み合う。

⑧ズッキーニのご飯 …☆☆☆
水を使わず、ズッキーニの水分で炊いたご飯。ズッキーニを300℃のオーブンで焦がし、一本ずつ布で巻いて手で絞り、エキスを抽出してその水分でご飯を炊いている。ご飯に染み込んだ茶色はズッキーニのジュースだけで色がついており、その濃縮具合が伺い知れる。普通の食べ方では感じ取れないズッキーニの旨味は海苔を思わせる味わいであり、上部に乗せた無添加のウニと合わせるとウニの寿司を食べているような感覚を覚える。「山と海の融合」をテーマとした一品とのことだが、非凡な発想力と手間を惜しまない好奇心によって生まれた異次元とも言える料理であり、今回頂いた料理の中でも特に感動を覚えた一品。

❽フキ、サルナシ(パイナップル)、高温の緑茶
ヤマブキの煮出したものにフルーツを加えたドリンク。敢えて高温で緑茶を淹れて渋みを引き出し、ズッキーニの灰汁を想起させる。サルナシはキウイの原種とのことで、アレルギー対応とのことでパイナップルに変更してもらえた。

⑨カシスのアイス
牛乳をカシスの葉ミルクアイスに葉を煮出したエキスを加えたアイスクリーム。上部には火を入れたカシスの実のソースに、カシスの中で最も香りがいい部位というカシスの木・枝をオイルにしたものを合わせ、カシスの葉を酢漬けしてオイルを塗り乾燥させたチュイルを乗せている。普通使わないような部位まで研究し、カシスのニュアンスを限界まで引き出しており、一つの研究結果のようなデセールになっている。

❾コーヒー・紅茶

⑩小菓子
ヘーゼルナッツとバターで作ったケーキ。素朴な味わいながらもヘーゼルナッツの香ばしい風味が感じられ、優しい余韻が残るような一品。シェフとの会話を楽しみながら、少しずつ頂くのに相応しい小菓子。

◎滞在時間
約2時間30分


◎料金
¥115,600/2人
(コース¥57,800×2)

  • フィンランド産コケモモ、ルバーブ、フェンネルシード

  • ザリガニのキッシュ

  • ザリガニのキッシュ

  • 白桃のジュースに黒澤酒造の粒を残した甘酒、濃く淹れたジャスミンティー

  • 発酵ナスとアオリイカの素麺仕立て

  • 皮と実を絞ったプルーン、発酵したホエイと香り付けにラベンダー

  • 夏鹿フィレ肉のカツレツ

  • パン

  • 発酵ラズベリージュース、薔薇の花びらの蒸留水、赤紫蘇、ダージリン

  • 信州サーモン

  • 信州サーモン

  • 信州サーモン

  • 信州サーモン

  • 信州サーモン

  • アルコールを飛ばしたマルサラ、カカオの殻を煮出したお茶、有機の黒糖

  • トウモロコシの再構築

  • スイカのジュース、ローズヒップと発酵させたトマト

  • 鮎の春巻き

  • ラプサンスーチョンをベースに、メルロー・カベルネソーヴィニヨン・発酵ブルーベリー

  • 峯村牛のステーキ

  • ズッキーニのご飯

  • フキ、サルナシ(パイナップル)、高温の緑茶

  • ズッキーニのご飯

  • カシスのアイス

  • コーヒー・紅茶

  • コーヒー・紅茶

  • 小菓子

  • テーブルセット

  • 外観

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2025/12/03 更新

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