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夜の点数:3.6
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料理・味 3.7
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|サービス 4.3
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|雰囲気 4.0
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|CP 3.0
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|酒・ドリンク 3.0
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[ 料理・味3.7
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【神聖なる松阪牛の殿堂】女将が仕立てる至高のすき焼きと炭火焼 ― 和田金
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2025/09/02 更新
三重・松阪といえば世界に誇る松阪牛。その中でも「和田金」は、地元の人々はもちろん全国の食通たちが特別な日に訪れる、まさに松阪牛の聖地と呼ぶべき名店。
一歩店内に足を踏み入れた瞬間、静謐で凛とした空気が漂い、そこはもはや食事処というより“神聖な舞台”。靴を脱ぎ、畳の廊下を進むと、磨き上げられた木の香りと微かな炭火の香りが心を落ち着かせます。
和田金のすき焼きは、ただ食べるだけの料理ではありません。席に着くと、女将さん自らが鍋の前に座り、一つひとつの所作に無駄のない動きで作ってくださいます。まず鉄鍋が温まり、牛脂が静かに溶け出すと、そこに分厚く切られた松阪牛が一枚、静かに置かれる。炭火の遠赤外線でじっくりと熱が入り、表面が艶やかに色づく瞬間、甘く芳醇な香りがふわりと立ち上がります。
割り下は濃すぎず、肉本来の旨味を引き立てる優しい甘み。女将が卵を割り、溶き卵にくぐらせて差し出す一口目――口に入れた瞬間、肉の繊維が舌の上でほろりとほどけ、脂が絹のように広がります。思わず言葉を失う、まさに至高の味わい。
すき焼もまた和田金の大きな魅力。備長炭の上でじっくりと焼かれる松阪牛は、外は香ばしく、中はしっとりとジューシー。焼き上がった肉を口に運べば、炭の香りがほのかに混ざり、すき焼きとはまた違う奥行きのある旨味を楽しめます。
この炭火焼もまた、スタッフの方が絶妙な火加減で仕上げてくれるため、常にベストな状態で口に運べるのが嬉しいところです。
和田金のすごさは、単に肉の質や調理技術だけではありません。料理をいただく空間そのものが“神聖”なのです。磨き抜かれた器、さりげなく置かれた生花、行き届いた清掃――全てが美しく整えられています。
そして何より、松阪牛の新鮮さは特筆すべきもの。生産から提供まで一貫した管理が行われ、脂の香りや旨味が他とは明らかに違います。「この肉を最高の状態で食べてもらいたい」という店の誠意が、ひと口ごとに感じられます。
接客とおもてなし
女将さんやスタッフの方々の所作は、品がありながらも温かく、決して堅苦しさを感じさせません。客の食べるペースを自然に見極め、タイミングよく次の一品を出してくれる。説明も簡潔で分かりやすく、聞けば生産地や肉の部位の話まで丁寧に教えてくださいます。その接客は、単なるサービスではなく、人と人との間に生まれる温かなつながりを感じさせるものでした。
特別な時間を過ごすための場所
和田金は、決して日常使いする店ではありません。むしろ、節目や大切な人との時間を過ごすための“舞台”です。料理、空間、接客、全てが揃ったとき、その食事は単なる食体験を超えて、一生記憶に残る思い出になります。
一皿ごとに感動があり、一瞬一瞬が贅沢。松阪を訪れるなら、この店を外すことはできません。