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LUCE代々木八幡、代々木公園、代々木上原/イタリアン、バル、ワインバー
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夜の点数:3.5
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¥5,000~¥5,999 / 1人
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料理・味 3.6
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|サービス 3.4
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|雰囲気 3.4
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|CP 3.2
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|酒・ドリンク 3.5
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[ 料理・味3.6
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| サービス3.4
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| 雰囲気3.4
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| CP3.2
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| 酒・ドリンク3.5 ]
メニューにない一皿が、記憶をイタリアへ連れ戻す夜
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2026/01/31 更新
会社の同僚——生粋のイタリア人——から教えてもらった店が、代々木公園からほど近い**LUCE**だった。きっかけは、ごく個人的な記憶だ。先般訪れたイタリアで食べたカチョ・エ・ペペ。その、あまりに潔く、あまりに完成された味が忘れられない、という話をしたところ、「それなら、ここに行くといい」と勧められた。観光客向けでも、流行り先行でもない、“イタリア人が薦める東京のイタリアン”。その時点で、期待値は自然と上がる。
扉を開けた瞬間、少しだけたじろぐ。店内には女子会のグループが三組。柔らかな照明と洗練された空気の中、男性一人客の自分は、統計的にかなりレアな存在だっただろう。正直、若干の場違い感は否めない。しかし、この店の空気は不思議で、居心地の悪さが長続きしない。おしゃれでありながら、排他的ではない。その絶妙な距離感が、すぐに緊張をほどいてくれた。
オーダーを取りに来たスタッフに、迷わずカチョ・エ・ペペをお願いする。すると、少し申し訳なさそうに「メニューにはないので、シェフに確認します」との返答。数分後、「作れます」と戻ってきたその一言で、この店への信頼は決定的になった。簡単な料理ほど、作る側の矜持が問われる。それを“やります”と言える店は、そう多くない。
ほどなく運ばれてきた一皿は、過剰な演出のない、静かな佇まいだった。チーズのコク、胡椒の立ち方、乳化の滑らかさ。記憶の中のローマと完全に同一ではないが、確かに地続きの味がそこにあった。再現ではなく、理解している味。にんにくを加えており、言うなればアーリオ・エ・カチョ・エ・ぺぺである。東京でこれに出会えるとは、正直思っていなかった。
他にも、黒トリュフと馬肉のタルタル、お通しのチーズ、そして自家製プリンまでいただいたが、どれも一切の妥協がない。素材の選び方、塩の当て方、温度感。どの皿にも“ちゃんとした料理”の気配がある。デザートのプリンに至っては、甘さの輪郭が美しく、食後の余韻を穏やかに締めてくれた。
時間帯が少し外れていたのか、たまたま入れたのは相当ラッキーだったのだろう。後から考えるほどに、そう感じる。代々木公園という立地で、この内容、この雰囲気。再訪しない理由が見当たらない。
イタリアの記憶を語ったら、東京でその続きを出してくれる店があった。そんな夜だった。次は、また別の“メニューにない一皿”を、静かにお願いしてみたい。再訪不可避、という言葉は、こういう時のためにある。