3回
2017/07 訪問
いくたびたのしい発見と驚き
かわいらしいリンゴ型の器、ブリオッシュ生地にリンゴのタタン、フォアグラのテリーヌ。切り株に稚鮎のフリット、スプーンに鮎のパテ、スイカのジュレと果肉。鮎といえばスイカの香りがするお魚ですね。
トウモロコシの冷製スープ。芯から取ったスープのシャーベット、シーアスパラ、炙ったトウモロコシの実を浮かべて。手前は鴨とマッシュルームのリエット、下に敷いたるはトウモロコシのチュイール。これハードタコトルティーヤだ。
グリルしたホタテとスライスしたバターナッツカボチャ。ラビオリの中にはシェーブルチーズ。ソースは同じくバターナッツ。ホタテ、チーズ、カボチャそれぞれが持つ濃密な旨味にほくほく。
トリュフを乗せたこれは一体・・・?お肉、じゃなくてうなぎ!里芋と合わせて焼けば香ばしくサックリとした食感に。香り高いトリュフのソース、それから甘辛いうなぎのジュ。おもしろいねえ!?
佐賀県産マトダイのポワレ、同じく佐賀は呼子のイカ。底に白インゲン。あれ、ソースは?と思ってたら熱々の魚介スープが注がれて素敵なブイヤベースに。楽しませてくれるねえ!?
役目を終えては一組、また一組とテーブルから去っていくナイフとフォークに、名残惜しさを感じたことが今まであったでしょうか。
ジュウジュウと熱いジュース滴る肉厚の鴨と対峙した時、我々は何をすべきか。手に取るべきはスマホではなくナイフとフォークだ。それが人として当然の行為。食べログに載せる写真を撮り忘れることなど、これを頬張る歓びに比べたら。
ココナッツミルクのブランマンジェ、アイス、フランボワーズのマカロン、パッションフルーツのソース。白くて丸いキャンバスに描かれた美しい抽象画のよう。
桃のコンポート、ジュレ、塩アイス、チョコカスタード、ミルフィーユ。バラのクリスタリゼ(砂糖漬け)をあしらって。写真を撮る前に桃を一欠片食べてしまいました。マトダイあたりからテンションが尋常でなかった。今思えば冷静さを欠いていました。
食後のお楽しみ。あったかいフィナンシェ、パッションフルーツのギモーヴはふっわふわ、ひんやりチョコマカロン。いちいちおいしい。
画像整理してたら出てきたので写真追加。セルヴェル。鹿だったでしょうか。美味。仕入れの関係で食べられるときはぜひ注文してみてください。
2018/11/04 更新
2017/04 訪問
エクロール(ランチ)
先月素敵なディナーをいただいたお店。
美味しい料理に出会えば次の一皿を求めるのが人の常。
ランチに行かねばなりますまい。
ランチコース3,500円のものをいただきました。
12時に伺って先客は3組。ほどなく満席に。
オープンしてまだ日も浅いお店ですが目聡い方たちはいらっしゃるものです。
事前予約をおすすめします。
飲み物はペリエを注文。
アヴァンアミューズ。
仏風茶碗蒸し、フランに春菊のピュレ。
卵のやさしい甘味、春菊の爽やかでほのかな苦味。
表面に浮かぶオイルの滴がキラキラときれい。
アミューズ。
菜の花のエスプーマ、オリーブで風味づけたクスクス、燻製クリーム。
そのままかき混ぜていただきます。
燻製クリームがいい仕事をしています。これ何につけてもうまそう。
焼きたてパンは森原シェフお手製。
外はカリッと、中はもっちり。ふたつに割ればオリーブの豊かな香りが。
これぜったいおいしいやつ。優勝。
オードブル。
海老とウサギのテリーヌ、玉ねぎのチャツネ。
ソースは柑橘とスービーズの二種。
ヨーロッパではポピュラーなウサギ肉。
今回初めていただきましたが癖がなく食べやすい。淡泊で甘味があります。
ウサギ、イノシシに加えて最近アナグマも仕入れたそうで。
ジビエに妙に強いぞエクロール。
魚料理。
鰆のポワレ、甲殻類の泡のソース。
鰆の皮は香ばしく、身はしっとり柔らかく。
脇を固めるのはカブ、タケノコ、ゴボウ、レンコンに菜の花とこちらも春らしい素材。
繊細な風味の鰆と根菜を、オマール海老から作った泡のソースがやさしく包みます。
肉料理。
長崎県産千寿豚と春キャベツのパイ包み、48時間の低温調理。
豚肉はフォークだけでほろりと崩れるほど柔らかいです。
甘い春キャベツとレンズ豆を添えて、ジャガイモとジュのソースを絡めていただく至福。
なおこの時点でパンは4個めのおかわり。ちっとは遠慮しような。
デザート、コーヒー。
ホワイトチョコのプリン、苺のソルベ。
もはや信頼感すらある。
約束された満足。
ディナーに負けず劣らず素晴らしいランチでした。
スタッフの方もこちらの質問に丁寧に答えてくださり好印象。
ひとりで4個もパンを食べた客として憶えられていやしないか不安が残ります。
これからもことある毎に美味しい料理をいただきにあがります。
ごちそうさまでした。
アヴァンアミューズ。フラン、春菊のソース。卵どうふ、茶碗蒸し、プリンのような料理。
アミューズ。菜の花のエスプーマ、クスクス、燻製クリーム。このクリームがまた美味しい。
オードブル。海老、ウサギ、玉ねぎのチャツネ、タルト。柑橘、スービーズのソース。ウサギは初体験。癖がなく淡泊、後味は甘い。
自家製パン。練り込んだオリーブは罪深き魔の所業、4個はいける。
魚料理。鰆、春の根菜、菜の花。オマール海老の泡のソース。絶妙な火入れ。
肉料理。千寿豚、春キャベツ。ジャガイモ、レンズ豆、ジュのソース。フォークで崩せるほど柔らかい。
4個め。失われた自制心。慎みの心は何処へ。だっておいしいのだもの。
デザート。ホワイトチョコのプリン、苺のソルベ。小石のように散りばめたのは砕いたホワイトチョコ。
2017/04/22 更新
2017/03 訪問
エクロール(ディナー)
今年2月オープンのフランス料理店。
ずっと行きたかったお店。
溜まりに溜まった週末業務をやっつけ仕事で首尾良く放置、
早めに退社して先日ようやく訪れることができました。
夜のコース、8,640円のものをいただきました。
アペリティフ。
アヴァンアミューズの新玉ねぎのアイスや揚ラビオリをつまみつつバラのスパークリングを楽しみます。
こんな幸福な平日の夜があって良いのか。
アミューズはフォアグラと金柑。
芳醇、馥郁。メレンゲの食感も楽しく次の一皿に向け気持ちも高まります。
オードブルは鯖と茄子の白ワイン煮。
上に被さるワインビネガーのシート、添えられたシャーベット状のわさび菜は見た目に美しいだけでなく、
料理としての美味しさも高めています。春らしい爽やかな一品。
魚料理。
イトヨリ、ホワイトアスパラをこちらも春らしく桜エビのソースで。おまえたち、最高だよ。
肉料理。
イノシシのロティ、レンズ豆のソース。日本では珍しいトランペット茸というキノコのソテー。
イノシシは佐賀県の猟師さんから直接取り寄せているそうで、お肉本来の旨味がしっかりと感じられ、
それでいて臭みもなくジビエに馴染みのない人でも美味しくいただけます。
デザートはちょっと変わったチーズケーキ。
カルピスのムース、ヨーグルトのソルベ、ビスキュイにチーズケーキ、アロエ、キャビアに見立てたライチ。
これを作った人は天才だと思った。
一皿ごとに緻密に計算された料理は単に奇をてらうのでなく、
いかにお客に美味しさや驚きを提供することができるか、
いかに楽しませることができるか、というところに心を砕いていらっしゃると感じました。
それこそ最後のコーヒーとお茶菓子に至るまで。
バゲットがなくなれば、タイミング良く焼きたてのおかわりをオーナーシェフ自らがサーブしてくれる気配り。
至れり尽くせり。
おかげさまでたいへんしあわせな時間を過ごすことができました。
ごちそうさまでした。
2017/5
まっしろすぎてかわいそうなGW救済企画としてディナー再訪。写真追加。
おいしいものがあるから人は生きていけるのです。
2017/6
再々訪。欲望の赴くまま10,800円のコースをオーダー。
写真追加。
写真はないですが、アヴァンアミューズは赤パプリカのムース、りんごのタタン(かわいい)。
オードブルが二皿。
デセール前にアヴァンデセールも出てきます。
パッションオレンジのスープ、ヨーグルトのソルベ、ラビオリにマンゴーピューレ。
ああ、幸福だぁ・・・。
こじんまりとした外観。ちょっと奥まった所にあるので分かり難いかも。
アミューズ。フォアグラ、金柑、トリュフ、メレンゲ。計算された香りと食感。
肉料理。イノシシ、レンズ豆、トランペット茸。このキノコ初めていただきました。おいしい。
デザート。カルピスのムース、ヨーグルトのソルベ、ビスキュイ、チーズケーキ、アロエ、ライチ。天才的。
2017/5再訪。空豆のエスプーマ、オリーブのジュレ。バルバジュアンも。飲み物は仏産リンゴジュース。濃厚。
2017/5再訪。アスパラのスープ、ベーコンのブランマンジェ、メロン果汁の泡。よく聞く味覚相補性、こういうかたちで出てきてニヤリ。
2017/5再訪。茄子のカネロニ。円筒状のパスタの名称からでしょうか。中にはオマール海老、タラバガニ、ツナ。ソースは茄子のクーリ、コーヒーオイル(これがまた絶妙)。バジルのソルベを添えて。
2017/5再訪。ヒラスズキ、皮に蕎麦の実をまぶしてポワレに。手前にアワビ。ソースは新ゴボウ、アサリのジュ。来店当初パンおかわり自粛を心に決めていたもののこのソースに陥落。
2017/5再訪。アナグマ。これを食べにきました。今年に入ってからのジビエ経験値の上昇が著しい。アスパラ、ズッキーニ、レンズ豆、ジュのソースで。
2017/5再訪。イチゴ、塩アイス、メレンゲ状のチョコレートを冷やし固めたのでしょうか。筆舌尽くしがたい食感、ぜひ舌で知っていただきたい。チーズケーキの時にも感じましたが、デセールがやはり天才的。
2017/6再々訪。足赤エビ、にんじんのエスプーマ、バルサミコをキャビアに仕立てて。足赤エビ、立派です。
2017/6再々訪。なんだこの黒いのは。炭の衣に鮮やかなビーツのクーリ。美しい。
2017/6再々訪。ナイフを入れればごらんの有様。中はフォアグラ、こいつはあられもない。どうして平静でいられようか。
2017/6再々訪。岩牡蠣。大きさが分かりづらい写真ですが、かなりの迫力。ジュレ、エシャロット、青リンゴのソルベで爽やかに。
2017/6再々訪。マハタのポワレ、フォアグラのソース。絶品。エレガントな皮目、ういやつめ。
2017/6再々訪。フランスはランド産のハト。レンズ豆、ズッキーニ、ジュ。ハト肉ははじめて。しっとり、きめ細かく、美味。
2017/6再々訪。ガトー・マルジョレーヌ。コーヒーオイルとカシスのソース、ソルベ。なんて丁寧な重層。エクロールのデセールはいつだっておそろしくよい。
2017/07/08 更新
梅雨も明けたのでエクロールへ。
もはや動機が酒飲み音頭並み。
いや、おいしいものを食べるのに理由はいらないはずだ。
アヴァンアミューズ。
リンゴ。あらかわいい。
稚鮎。意表を突くレイアウト。
スイカは夏らしさ、または鮎と合わせるユーモア?
アヴァン2品目。
こちらも夏らしくトウモロコシ。
冷製スープとチュイールにリエットを乗せて。
ちなみに飲み物はノンアルビール。夏なので。
アミューズ。
ホタテにバターナッツのクリーム、シェーブルチーズ。当然うまい。
オードブル。
蒲焼きたれを思わせるジュの風味に顔がにやけます。
これがポワソンかと思うくらいの印象の強さ、
里芋と合わせる工夫にうなる逸品。
魚。
佐賀県産マトダイ。その名の通り、皮に弓の的のような模様が。
スープを注ぐ演出はさっきのうなぎの印象を塗り替えます。
ちなみに佐賀はシェフがかつて過ごした場所でもあります。
肉。
鴨。なんてジューシーな。
カリッと焼かれた皮の隙間から、
艶やかな断面の繊維の奥から、
肉汁があふれて止まらない。
暢気に写真なんて撮っている場合ではないのです。
アヴァンデセール。
芸術品のような一皿。
ココナッツにパッションフルーツとこちらも夏のモチーフ。
デセール。
お待ちかね。旬の桃。
写真を撮る前にうっかり一口食べてしまうという痛恨のミス。
夢のような料理の波状攻撃に自律の精神を完全に失っていました。
察していただきたい。
ものを食べるということは、こんなに楽しく喜ばしい。