「寿司」で検索しました。
1~13 件を表示 / 全 13 件
お値段以上、いや“日本一”のめっけもの。
2025/09訪問
1回
「凛とした空気と温もりを纏う、平尾の隠れ家鮨で味わうひととき」 福岡市中央区平尾。賑やかな街中から一歩奥へと入った住宅街に、ひっそりと佇むのが『鮨 幸仁(こうじ)』。2022年12月にオープンしたばかりながら、福岡のグルメな方々の間で早くも話題を集めているお鮨屋さんです。西鉄平尾駅から歩いて7分ほど、静かな路地にその暖簾はあります。 お店の扉をくぐると、まず目に飛び込んでくるのが、半円形に美しく組まれた一枚板のカウンター。その温もりある佇まいは、まるで美術品のよう。席数はわずか8席と限られており、この空間すべてが特別席。おもてなしのひとつひとつに品格が宿っており、どの時間に訪れても「一期一会」を大切にしていることが伝わってきます。 店主は中牟田幸仁さん。博多の老舗「河庄」で研鑽を積み、その後ヒルトン福岡シーホークの「寿司割烹ともづな」で料理長を務めた実力派です。江戸前鮨の技法をしっかりと守りつつも、九州の地魚や旬の素材を活かし、柔軟に構成された握りやつまみはまさに“正統と創造の融合”というべき逸品ばかり。 ランチは7,000円(税込)のコース一本で、引き上げ湯葉や旬魚の茶碗蒸しなどのつまみに始まり、握り9貫、玉子、赤出汁、そしてデザートという流れ。握りのテンポも心地よく、ひとつひとつが丁寧に仕上げられています。シャリには佐賀県七山地区の古米を使用し、赤酢はほんのりと香る程度に抑えられ、ネタの個性をしっかりと支える絶妙なバランス感。強すぎないのに存在感がある、そんな理想的なシャリです。 ディナーは16,000円(税込)の完全おまかせコース。つまみと握りを交互に楽しめる構成で、お酒と合わせながらゆったりとした時間を過ごせます。食材は長浜市場や九州各地の漁港から仕入れるその日の最高のものだけ。鰤、甘鯛、赤貝といったおなじみのネタに、時にはウニの食べ比べなど、華やかな仕掛けも加わっており、食通も満足できる内容です。 空間もまた、この店の魅力の一つ。柔らかな照明が手元を美しく照らし、店主との距離感も程よく、緊張せずにリラックスできる雰囲気です。記念日や特別な日にはもちろんですが、心が疲れたときにふらっと訪れても癒されるような、やさしさと静けさが満ちています。 完全予約制で、ランチは12:00〜14:00、ディナーは18:00〜21:00の二部制。日曜と祝日がお休みです。支払いは現金のほか、各種クレジットカードにも対応しており、スマートな接客もまた好印象でした。 『鮨 幸仁』は、ただ美味しい鮨を食べる場所ではなく、自分と向き合い、大切な人と静かに語り合う時間を作ってくれる、そんな特別な空間。今後さらに予約困難店になっていくであろう名店のひとつとして、自信を持っておすすめしたいお鮨屋さんです。
2024/02訪問
1回
「九州前鮨の真髄を味わう、五感で感じる至高のひととき」 小倉駅から徒歩5分ほど、賑やかな街並みの中にひっそりと佇む『天寿し 京町店』。昭和14年創業の老舗寿司店であり、現在は二代目の天野功氏がその技と心を受け継ぎ、唯一無二の「九州前鮨」を提供しています。 店内はカウンター5席のみのこぢんまりとした空間。席と席の間隔はゆったりと設けられ、隣を気にせずに食事に集中できる贅沢な設計です。一枚板のカウンター越しに、職人の手仕事を間近で見ることができ、その所作の一つ一つに見惚れてしまいます。 『天寿し』の特徴は、醤油を使わずにかぼすや塩で味付けをする「九州前」スタイル。素材の旨味を最大限に引き出すための工夫が随所に施され、例えば、繊細な飾り包丁を施した烏賊の上に雲丹や飛子、京都の錦ごまをあしらい、かぼすを絞って仕上げるなど、見た目にも美しい一貫が提供されます。 おまかせコースは16貫で、価格は55,000円(税込)。予約はOMAKASEなどの専用サイトを通じて事前に申し込む必要があります。営業時間は12:00〜、14:00〜、17:30〜、19:30〜の4部制で、定休日は月曜日と火曜日です。 一貫一貫がまるで芸術作品のようで、例えば、炙った鰆には自家製の塩麹をひと刷毛。甘鯛には軽く湯引きを施し、かぼすをひと絞り。イカには細かく隠し包丁が入り、上には雲丹と飛子、そして京都の錦胡麻。見た目の華やかさだけでなく、口に入れた時の計算された一体感に、ただただ感服するばかりです。 シャリは小さめで赤酢を使用。ふわりとほどける握りは、女性でも最後まで心地よく完食できるよう絶妙に設計されています。ボリュームの割に“重さ”を感じないのは、ネタごとに施された処理と味の重ね方の妙。職人技とはこういうことだと、食べ進めるほどに実感します。 また、店内ではお酒の提供はなく、鮨そのものを純粋に味わってほしいという店主の想いが感じられます。そのため、食事に集中でき、素材の味わいをより深く堪能することができます。 『天寿し 京町店』は、寿司という枠を超えた、“食の芸術”を味わえる特別な空間です。五感すべてを研ぎ澄ませ、今この瞬間にしか味わえない“旬”と“技”を受け取る、そんな贅沢な時間が約束されています。大切な人との特別なひとときに、自分へのご褒美に、そして美味を追い求める旅の締めくくりに。ここでしか味わえない一貫が、確かにあります。
2019/02訪問
2回
【和の職人技が光る、唯一無二の“家系ラーメン”体験】 福岡市中央区高砂、薬院駅から徒歩5分ほどの静かな通りに、まるで隠れ家のように現れるのが「料理人 中途半端」。その個性的な店名に惹かれてふと足を止めてしまいますが、実際に訪れてみると、その名前に反して提供される料理はどれも“中途半端”とは真逆の、細部まで計算された本格的な味わいに驚かされる名店です。 この日訪れたのは平日のお昼どき。ビルの2階にひっそりと構える店舗に入ると、そこはまるで和食料理屋のような落ち着いた雰囲気。カウンター数席のみのこぢんまりとした空間で、厨房では店主が一杯一杯丁寧にラーメンを仕上げていました。 注文したのは、店主が限定で提供している「家系ラーメン」。福岡では比較的珍しいジャンルで、しかも和食出身の料理人が作るということで期待が膨らみます。ほどなくして着丼した一杯は、まさに家系の王道ビジュアル。濃いめの醤油豚骨スープに、太めのストレート麺、トッピングにはほうれん草、チャーシュー、海苔が堂々と乗っており、ボリューム感も申し分ありません。 まずはスープからひと口。豚骨の厚みと鶏油のコク、そしてしっかりと効いた醤油の輪郭が調和した、奥行きのある味わいが広がります。いわゆる関東系の家系ラーメンのような攻撃的な塩味ではなく、和出汁のような柔らかさをまとった仕立てが、店主のバックグラウンドを感じさせます。コクがあるのにしつこくなく、最後まで飲み干せてしまいそうな絶妙なバランスです。 麺はもちもちとした太麺で、スープとの絡みもよく、ワシワシと食べ応えがあります。特に印象的だったのがチャーシュー。厚切りで脂身と赤身のバランスがよく、しっとりとした仕上がり。火入れの加減が絶妙で、ラーメンの具というより“一品料理”のような満足感がありました。 ほうれん草は青臭さがなく、しっかり下処理されており、家系ラーメンのスープをまろやかに受け止める名脇役として機能。大判の海苔も香りがよく、スープに浸してからご飯に巻いて食べたくなるほど、単体でも存在感を放っていました。 また、卓上には特に味変アイテムはなく、店主の意図する完成度で勝負する姿勢が見て取れます。それだけに、一口ごとに構成された味の奥深さをじっくり楽しむことができ、食べ進めるほどにその真価を実感します。 提供までに多少時間はかかりますが、その分すべてが“仕上がっている”印象で、ラーメン一杯に込められた真摯さがじわじわと伝わってきました。価格は1000円前後。決して安くはありませんが、このクオリティと体験を思えば十分納得のいく価格帯です。 「料理人 中途半端」の家系ラーメンは、単なる模倣やトレンド追随ではなく、“料理人”としての誇りと探究心から生まれた、真に完成された一杯。福岡でここまで本格的かつ繊細な家系ラーメンに出会えるとは思ってもいませんでした。ラーメン好きはもちろん、和食好きや職人技に魅せられる方にも、ぜひ一度訪れていただきたい名店です。
2025/04訪問
1回
「肩肘張らない街の名店でいただく、職人仕事が光るランチ海鮮丼。ほっと安らぐ“贅沢な日常”の一杯」 池尻大橋の少し先、閑静な住宅街にひっそりと佇む『鮨処 榎本』。夜は本格的な江戸前鮨を楽しめる隠れた名店として知られていますが、実はランチタイムには、職人の技が気軽に味わえる「海鮮丼」が提供されていることをご存知でしょうか? 平日のランチどき、暖簾をくぐると、落ち着いた雰囲気の店内に思わずホッとします。カウンターのみの小さなお店ですが、掃除が行き届いていてとても清潔感があり、職人の方も柔らかく迎えてくださるので、お一人様でも安心して過ごせます。静かで居心地の良い空間は、ランチタイムの慌ただしさを忘れさせてくれる癒しの時間です。 今回いただいたのは、お店でも人気の「海鮮丼ランチ」。お味噌汁と小鉢、お新香がついて1,500円前後という価格帯ながら、その内容は本格派。提供された瞬間、目の前に広がる彩りの美しさに思わず声が漏れました。新鮮なネタがこれでもかとぎっしり盛られており、その艶やかさと厚みのある切りつけに、思わず見惚れてしまいます。 丼にはマグロ、サーモン、タイ、ホタテ、甘エビ、イカ、イクラ、玉子焼きなど、旬を感じるネタがふんだんに使われていて、どれを口にしても“きちんとした仕事”が感じられるのが特徴。マグロはねっとりと濃厚、白身はしっとりと歯切れよく、イカは透き通るほどの鮮度で舌触りもなめらか。さらに、ほんのり甘みのある自家製の玉子焼きが、全体の味をやさしくまとめてくれています。 ご飯はほんのり酢を利かせた酢飯で、ふんわりと握らず盛りつけられており、ネタとの一体感が絶妙。丼なのに、まるで一貫一貫握りをいただいているかのような丁寧さを感じました。また、お味噌汁も優しい味わいで、小鉢のお浸しや煮物にも季節感があり、全体としてとても満足度の高いランチセットでした。 特に印象的だったのは、全体の味のバランス。個々のネタの存在感がしっかりありながらも、どれかが突出することなくまとまっていて、職人の確かな舌とセンスが感じられました。奇をてらわず、誠実に仕立てられた一杯だからこそ、食べ終えた後の満足感がじんわりと心に残るのだと思います。 周囲を見渡すと、近隣の常連と思われる方や、スーツ姿のビジネスマン、ご年配のご夫婦など、地元に根付いた信頼の深さが伺えました。まさに“地域の小さな名店”という表現がぴったりで、こういうお店が身近にあることを、心からうらやましく感じます。 『鮨処 榎本』のランチは、日常の中で味わうちょっとした贅沢。派手な演出や過剰な装飾はありませんが、確かな技術と真心が詰まった一杯は、まさに“粋な大人のランチ”。お仕事の合間に、あるいは自分へのご褒美として、ぜひ足を運んでみてほしい素敵な一軒です。
2023/04訪問
1回
【空港で出会う職人技 ― グルメ回転寿司 函太郎 新千歳空港店のおすすめ8貫】
2025/07訪問
1回
【ホテル2階で味わう極上寿司ランチ ― 九州はかた 大吉寿司 PREMIUM】
2025/07訪問
1回
女性職人が握る、繊細で美しい小倉鮨の新境地