34回
2024/06 訪問
色気がある魚料理
シェフの魚料理には色気がある。
鯵にはグレープフルーツと蜂蜜で漬けたトマトや緑胡椒を合わせる。
渋みを伴った独特な酸味にエキゾチックな刺激が走り、大衆魚である鯵はエレガントに垢抜ける。
滋味深いと称される艶かしい肉体の蛤は、口腔を舐め回す様なとろんとした白子とラビオリので甘美へと変貌する。
トマトに浮かべた海鱒は脂と酸が美しく一つになり、鰻の赤ワイン煮は空気を孕んだが如く刹那的で、一瞬で甘い記憶だけを残して喉の奥へと消えていく。
魔術の様な技術である。
2024/06/10
◆ブーダンノワール
◆枝豆とコンソメの冷製スープ
◆鯵のマリネ パイナップル
◆蛤 白子 ラビオリ
◆海鱒のソテー トマトソース
◆鰻 マトロート
◆ミックスジュース
◆パイナップルチーズケーキ
2024/06/29 更新
2024/06 訪問
私が生きる意味
いくら通い詰めても飽きさせない。
私の好みやポーションの全てを把握し、いつも料理を仕立ててくれる。
当店と出会えた私は、本当に幸せ者だ。
2024/06/06
◆ブーダンノワール
◆生ハムメロン
◆魚介の冷製盛り合わせ
◆内臓のカスレ
◆スズキと冬瓜と蛤と白子のポトフ仕立て
◆鶉のファルシー
◆クレメダンジュ
◆フォンダンショコラ
◆ブーダンノワール
実家の味。
◆生ハムメロン
甘く瑞々しい夕張メロンに芳醇でコク深い生ハム。
◆魚介の冷製盛り合わせ
野菜はトマト、アスパラガス、枝豆、アボガド、魚介は鯵、帆立、鮑、車海老、海老のコンソメジュレ、少々のハーブという構成である。
野菜は瑞々しく、魚介は精妙にあしらわれた酸によって輝きを放つ。
多種多様な魚介たちの旨味が初夏の野菜達と抱き合い、瑞々しく弾け、忍ばせたコンソメジュレが優美な余韻を残す。
意外な取り合わせを生む柔軟な発想が五十嵐シェフの代名詞だが、魚介の扱いもまたシェフの真髄なのであると、心から想う。
◆内臓のカスレ
なんてことのない存在である豆だが、カスレになった途端絶対不可欠な存在へと変貌する。
コリっ、にゅる、とろん、きゅきゅっ。
様々な内蔵達から味わい甲斐のある旨味が溢れてくる。
そして、それら全てを吸い込んだホクホクのお豆。
これが愛おしいったらありゃしない。
ほくほくと崩れていけば、吸い込んだ旨味が爆ぜ、胃袋の温度がぐぐっと上がっていく。
ふぅ。
充足のため息が漏れる。
◆スズキと冬瓜と蛤と白子のポトフ仕立て
蓋を開けると、美味しい湯気が昇った。
炙ったスズキと白子、炊かれた冬瓜、蛤、潤菜も入って煮え立っている。
スズキはふっくらと舌に優しく、白子はとろんと崩れ、冬瓜はほのかな苦味が愛おしく、蛤は滋味深く、潤菜の滑りが喉を喜ばす。
どれもが適切な火の通しで整っていて、可憐である。
わざとらしくない、しみじみとした美味しさである。
こういった料理にこそ真のエレガンスが宿っているのだ。
◆鶉のファルシー
筋肉質な鶉が、舌相手にインファイトを仕掛けてくる。
健やかで威勢の良い滋味が弾け、抱え込んだ黒米の野趣が舌の上でほろほろ。
甘やかなマデラソースを吸い込んで、優美に舞う。
なんて力強く、そしてエレガントなのだろう。
蝶の様に舞い、蜂の様に刺す肉料理である。
◆クレメダンジュ
濃密な乳の甘みに陶然。
◆フォンダンショコラ
熱々のチョコレートとひんやりと冷たいバニラアイス。
この二つさえあれば、もう何もいらない。
2024/06/25 更新
2024/05 訪問
私の生きる意味
2024/05/27
◆ブーダンノワール
◆リエットのカナッペ
◆マグロの頬肉と黒米のリゾット
◆車海老とアスパラガスのパートブリック
◆平目のポワレ
◆花悠仔豚のロースト ソースペリグー
◆アボカドのムース
◆焼き林檎
◆ブーダンノワール
実家の味。
◆リエットのカナッペ
最近リエットを出してくれるの嬉しい。
やや肉感を感じられる荒いものから滑らかなものまで様々あるが、当店のは滑らかなタイプ。
パンに対してたっぷりなのも良い。
◆マグロの頬肉と黒米のリゾット
フォンに支えられた黒豆の野趣が、鮪から上がる血潮と交錯する。
◆車海老とアスパラガスのパートブリック
ほっくりとしたアスパラガスを噛めば、甘やかな新緑のエキスがほとばしり、車海老はプリプリと歯の上を弾む。
とろんと崩れた卵の卵黄が全体を包み込み、甘美に酔いしれる。
◆平目のポワレ
ジロールの滋味がソースに溶け込んで、皿の深度を深める。
◆花悠仔豚のロースト ソースペリグー
その名の通り、健やかな香りを漂わせながらまろやかな甘みが花開く。
◆アボカドのムース
アボカドよりもアボカドを感じる濃厚なムースに悶絶。
◆焼き林檎
久しぶりに食べたなぁ、焼き林檎。
林檎のほっくりトロトロの甘みにシナモンの芳香、バニラアイスによる温度のコントラスト。
2024/06/02 更新
2024/05 訪問
私が生きる意味
2024/5/23
◆ブーダンノワール
◆キウイとジュンサイのスープ
◆魚介とアスパラのサラダ仕立て
◆ウズラのグリエ マデラソース
◆キンキのポワレ
◆牛頬肉の赤ワイン煮込み
◆苺のゼリーとキルシュのババロア
◆ブーダンノワール
実家の味。
◆キウイとジュンサイのスープ
キウイのさっぱりとした酸味とジュンサイの微かな青味が調和する。
◆魚介とアスパラのサラダ仕立て
アスパラガスの青味が魚介達の多種多様な個性を研ぎ澄ます。
◆ウズラのグリエ マデラソース
温菜で肉料理(もはやメインじゃないか?)が最近のデフォルトになりつつある。
毎度よく食べる私の胃袋をがっつりと満たしてくれる五十嵐シェフに、一層愛が深まる。
的確な塩当てと甘く芳醇なマデラソースの対比が、鶉が秘める微かな野生味を揺り起こす。
◆キンキのポワレ ロメインレタスのシーザーサラダ
キンキをまさかのシーザーサラダ仕立て。
五十嵐シェフの奇想天外な発想に毎回驚かされる。
味は勿論抜群。
◆牛頬肉の赤ワイン煮込み
赤ワイン煮のお手本である。
肉の繊維まで赤ワインの甘味が染み渡り、噛めばほろりと舌に優しい。
ゼラチン質は歯茎にまとわりついてきて離れず、甘美な記憶を口腔に刻みこむ。
◆苺のゼリーとキルシュのババロア
苺のゼリーを下に敷き、キルシュを効かせたババロアで蓋をする。
上にはたっぷりのメロンで彩る。
苺の酸味とババロアの甘味が互いを引き立て合う。
2024/06/14 更新
2024/05 訪問
私の生きる意味
遂にこの季節がやって来た"鮎のガトー仕立て"。
口にすれば一度、澄んだ川岸の情景が浮かび、鮎そのものより鮎を感じる初夏の逸品。私はこれ以上の優美な鮎を知らないし、知りたくもない、後世に残すべき遺産です。
今年はもう一度頂く予定。
2024/5/17
◆リエット
◆ブーダンノワール
◆鮎のガトー仕立て
◆毛蟹と卵のクレープ
◆クリームコロッケ
◆仔羊のネック
◆フルーツのカクテル仕立て
◆ヌガーグラッセ
◆リエット
◆ブーダンノワール
実家の味。
◆鮎のガトー仕立て
純然たる旨味のジュレと肝の滋味が詰まったムースが崩れれば、やがて身に歯が当たる。
その瞬間、ふわっと甘みが花開き、鮎そのものより鮎を感じる。
ひんやりとした温度は、初夏の清涼。
瞼の裏に、澄んだ川岸の情景が浮かんでくる。
◆毛蟹と卵のクレープ
ナイフを入れると、半熟の卵がとろっと流れ出て、思わず喉がグッと鳴る。
まろやかな卵黄の甘みの中で、蟹の優しさがふわっと舞う。
フォンに忍ぶ淡い塩味が、味わいの骨格を作っている。
◆河豚の白子 ソースペリグー
『綺麗なクリームコロッケです。』と言われて供されたのは、河豚の白子だった。
歯が入るとプチっと弾け、熱々の白子が舌の上に流れ出る。
一切の雑味を感じない、官能的な甘みである。
軽くつけられた衣が、とろとろ感を引き立て、トリュフの淫靡な香りが夜を妖しくさせる。
◆仔羊の首肉 グリエ
肩とは違う、モチモチとした肉に歯が抱き込まれる。
まるで、赤子の頬を突いてる感覚があって陶然とさせられる。
血の香りなど微塵も無く、鼻を抜けるのは、乳の甘美のみ。
甘い記憶を残して、喉の奥へと落ちていく。
◆フルーツのカクテル仕立て
苺のジュレに沢山のフルーツ、そしてじゅんさい。
喉越しが堪らない。
◆ヌガーグラッセ
日本一のヌガーグラッセ。
大好きな当店のスペシャリテ。
2024/06/08 更新
2024/05 訪問
私の生きる意味
2024/5/14
◆ブーダンノワール
◆ホワイトアスパラガスのババロワ
◆石鯛のグリエ 鶏のフォンで煮込んだレンズ豆添え
◆豚足のパン粉焼き 冷製鳥レバー添え
◆天然鰻のフリカッセ
◆トリッパ・ロニョンのリヨン風
◆アシェット・ドゥ・ショコラ
◆ブーダンノワール
実家の味。
◆ホワイトアスパラガスのババロワ
滑らかなババロワがするっと口に滑り込んだ瞬間、土が香る。
コンソメジュレで深くなった大地の甘みが、帆立や鮑、蛍烏賊、車海老、雲丹を包み込む。
それぞれが一層輝きを放ち、異なる旨味の波が寄せては返す。
舌に広がる大地と海が手を繋いだ豊穣に、充足のため息が漏れる。
◆石鯛のグリエ 鶏のフォンで煮込んだレンズ豆添え
温菜というより、もはや魚料理である。
毎度毎度よく食べるから、最近は行くたびにボリュームが増えてきて、胃袋が嬉しい悲鳴をあげる。
石鯛が手に入った時にしかやらないというこの一皿は、皮目は外して身をグリエにし、鳥のフォンでレンズ豆と皮目を煮込む。
豆のいなたい滋味と皮目のゼラチンの対比が面白く、フォンのまろやかな旨味が胃袋を優しく温める。
◆豚足のパン粉焼き 冷製鳥レバー添え
コレステロール万歳!
口の中を甘く占領する豚足のコラーゲンと、鳥レバーの血潮が共鳴し、舌が誘惑される。
パン粉の香ばしさとマスタードの辛味が、足と内臓のプルルンとした食感を盛り立てる。
身体に悪いものは総じて旨い。
こういうものは、食べられるうちに食べといた方が良い。
人生は一度きり。
食べぬ後悔より食べる後悔を、私は選ぶ。
◆天然鰻のフリカッセ
噛んだ瞬間、声が漏れた。
人間に甘やかされた過保護な養殖物とは違う、生への勢いを感じたからだ。
皮のゼラチンが歯茎にへばりつき、身が歯を押し返す。
流れ出るエキスはたっぷりのエスカルゴバターに寄りかからず、野生の逞しさを舌に迫らす。
「俺を食らってみろ!」
鰻の吠える声が聞こえてきた。
◆トリッパ・ロニョンのリヨン風
美味しいものは脂肪と糖で出来ている。
噛み締めると滲み出てくるエキスを溜め、すかさずじゃがいもを口に運ぶ。
内臓の脂とじゃがいものでんぷんが連結し、身体が湧く。
◆アシェット・ドゥ・ショコラ
チョコレートムース、アイス、スープ。
喉が乾くほどの濃厚さは正義。
2024/06/05 更新
2024/05 訪問
私が生きる意味
2024/05/06
◆ブーダンノワール
◆稚鮎のエスカベッシュ
◆にたり鯨のカルパッチョ
◆蛤のタルト
◆海老を詰めたヤリイカと白アスパラ 鮑と蛍烏賊 アンチョビ
◆子兎のブランケット
◆フルーツのスープ レモングラスの香り
◆フォンダンショコラ
◆ブーダンノワール
◆稚鮎のエスカベッシュ
稚鮎の勢いある滋味を、軽やかな酸味が上品にエスコートする。
◆にたり鯨のカルパッチョ
この鯨のカルパッチョは、口に含んだ瞬間に舌と同化する。
妖艶に絡みつきながら、鉄分を沿わせ、恍惚とさせる。
これは鯨とのディープキスである。
◆蛤のタルト
シャンピニオンデュクセルから香る芳香が、蛤の滋養に色艶を灯す。
◆海老を詰めたヤリイカと白アスパラ 鮑と蛍烏
◆子兎のブランケット
◆フルーツのスープ レモングラスの香り
◆フォンダンショコラ
◆ブーダンノワール
◆稚鮎のエスカベッシュ
◆にたり鯨のカルパッチョ
◆蛤のタルト
◆海老を詰めたヤリイカと白アスパラ 鮑と蛍烏賊 アンチョビ
◆子兎のブランケット
◆フルーツのスープ レモングラスの香り
◆フォンダンショコラ
2024/05/27 更新
2024/05 訪問
私が生きる意味
2024/05/01
◆豚のリエット カナッペ
◆ブーダンノワール
◆伊勢海老 雲丹 キャビア
◆コンソメ 鰻とフカヒレのラビオリ
◆インゲン フォアグラ トリュフ 生ハム
◆鮑
◆オコゼ クリームビネガー
◆アンドゥイエット
◆ブレス産鳩のロースト
◆フルーツ盛り合わせ
◆豚のリエット カナッペ
◆ブーダンノワール
実家の味。
◆伊勢海老 雲丹 キャビア
もう見て分かる、旨いやつ。
ねっとりとした伊勢海老の身質に口中の粘膜が喜び、雲丹の濃密な旨味に舌が抱かれ、キャビアの品性な塩気に顔が崩れる。
◆コンソメ 鰻とフカヒレのラビオリ
手間暇かけたコンソメは、喉に落ちた後の余韻が違う。
透き通る琥珀の奥に動物達の命の気配があって、液体なのに自然と顎が動く。
そのコンソメに、鰻とフカヒレときた。
ツルツルととしたラビオリを破れば、滋味が流れ、コンソメが一層深みを増す。
◆インゲン フォアグラ トリュフ 生ハム
インゲンの青みが輝いている。
フォアグラやトリュフ、生ハムに負けず、我が主役言わんばかりに輝いている。
インゲンに色気を感じたのは、初めてだった。
◆鮑
一つ噛むたびに波の音が聞こえる。
薄く切られた肉体の向こうに海を感じる。
火入れはバーナーのみにしたことで、生特有の艶めかしさと香ばしさが共存している。
コリコリと歯の間を弾み、波間の潮騒が口の中に押し寄せてくる。
◆オコゼ クリームビネガー
オコゼは逞しい。
外皮は鎧の如く堅牢で、身質は、鍛えた男の肉体の如く隆々である。
歯を押し返す目の詰まった食感は、ワカメの太さにピッタリと合う。
だが、流れ出る旨味のエキスは、淑女の様にしとやかで綺麗だ。
クリームに忍ばせた酸味に共鳴しながら、甘やかな余韻を残してサラサラと流れていく。
マスキュリンでいながら、フェミニンでさえある。
ギャップ萌えの見本である。
◆アンドゥイエット
旨いよなぁ。アンドゥイエット。
ガツやカシラ等の内臓達の多彩な食感、混沌とした香りや旨味。
旺盛な豚の獰猛な旨味に、食いしん坊心がくすぐられる。
下に敷かれたパプリカ達から昇る香りも、これまた良いんだな。
脂の重みも軽やかにしつつ、香りで旨味を高めてくれる。
良いよなぁ。アンドゥイエット。
◆ブレス産鳩のロースト
実のところ、鳩は好みではないのだが、このブレス産の鳩には陶然となった。
肉体のシルキーなタッチと滲むクリアな血の旨味に、これまで食べてきた鳩の概念を凌駕され、打ちひしがれた。
結局のところ、本当に旨い個体に出逢ってさえしまえば、"好みでない"ものも"好み"に変わってしまうのだな。
◆フルーツ盛り合わせ
多彩なフルーツの下に苺のジュレを忍ばせて。
実にシンプルで飾り気の無い一皿だが、フルーツを沢山食べる機会ってありそうでないので、内心嬉しかったりする。
2024/05/22 更新
2024/04 訪問
私が生きる意味
今宵は、オマール海老尽くし。
2024/04/27
◆ブーダンノワール
◆甘エビのタルタル
◆オマール海老 生ハムとメロンのサラダ仕立て
◆オマール海老 ロワイヤル
◆オマール海老 フライ アボカドとビーツ
◆オマール海老 グラチネ
◆ヌガーグラッセ
◆ブーダンノワール
実家の味。
◆甘エビのタルタル
オマールが親なら、甘エビは子。
ねっとりと舌や歯茎がたぶらかせる。
◆オマール海老 生ハムとメロンのサラダ仕立て
両手の鋏をサラダ仕立て。
手首部分は目の詰まった強い歯ごたえがあって、鋏はしなやかで柔らかい。
剛健な見た目とは裏腹に穏やかな甘さ。
◆オマール海老 ロワイヤル
死に際には、これをそっと一口運んでくれ。
そう思える、尊いロワイヤルである。
丁寧に絞り出された一滴一滴に、オマール海老の純然たる旨味が濃縮しており、ロワイヤルの滑らかな口当たりにも、陶然となる。
筆舌し難い幾層に重なる芳醇な甘みが、ゆっくりと身体に染み入っていき、全身の力が抜けていく。
人生の最期にこれを飲めたら、未練なく成仏できるだろう。
◆オマール海老 フライ アボカドとビーツ
サクッ。ブチっ。
軽快な衣と弾ける肉質が実に痛快。
タルタルでも良いが、アボカドとビーツなのが憎い。
アボカドのコクが味わいを一層深め、ビーツの酸味が品格を与える。
洋食屋の海老フライとは違う、レストランの海老フライだ。
◆オマール海老 グラチネ
ペシャメルソースに、味噌の旨味が溶け、旨味の幅が優雅に広がる。
キノコは、マッシュルームではなく椎茸ときた。
凛々しいオマール海老には、滋味の強い椎茸が合うのだな。
洋の中に差し込まれた和が、日本人の琴線に触れてくる。
◆ヌガーグラッセ
マノアールダスティンで最も好きなデセール。
特別に3人前の爆盛りで。
2024/05/18 更新
2024/04 訪問
私が生きる意味
2024/04/24
◆リエット
◆ブーダンノワール
◆京都産筍のグリエ 海苔香る鶏のフォン
◆色々内臓のトマト煮込み
◆アズキハタの蒸し煮
◆宮崎牛ともさんかくのステーキ マッシュルーム
◆ホワイトチョコとレモンのバタークリームを挟んだミルフィーユ
◆蜂蜜とレモンのコーヒーゼリー
◆リエット
濃密な豚の滋味や脂が、口内のどこにも引っかからず、広がっていく。
たっぷりのポーションで、終始パンの最高のお供に。
◆ブーダンノワール
実家の味。
◆京都産筍のグリエ 海苔香る鶏のフォン
ふくふくと太った筍を噛む。
無垢で清らかな土の精がフォンに溶け出していく。
ふわっ。
やがて海苔が静かに香ってきて、そっと官能を抱きしめる。
◆色々内臓のトマト煮込み
数々の内臓に、血湧き、肉踊る。
◆アズキハタの蒸し煮
強靭でしなやか。
優美でエレガント。
アズキハタという魚を形容するには、一言では無相応だ。
身はしっとりと濡れ、舌に乗るや切なく解けるというのに、噛めば確かな歯応えが伝わってくる。
流れ出るエキスは、一切の澱みなくサラサラとしているが、舌を掴む。
相反する要素が、同時多発的に口の中で起こり、言葉を失う。
◆宮崎牛ともさんかくのステーキ マッシュルーム
誰もが、カメラもが、この一皿の主役は牛肉であると考えるだろう。
私もそうだった。
だが、主役は、ピントから外れたマッシュルームだった。
聞けば、生の状態からゆっくりと熱を入れていき、旨味を凝縮させたという。
ぐっと肉体の目が詰まっていき、滲み出たエキスが、傘の裏に湖を作り出す。
その湖をそっとスプーンで掬って、口に運ぶ。
「うぅ。」
土の精が芳醇に香り、ともさんかくの濃密な脂に霞むことなく、森の澄んだ空気が流れ込んでくる。
きのこが牛肉を凌駕した、決定的な瞬間である。
◆ホワイトチョコとレモンのバタークリームを挟んだミルフィーユ
◆蜂蜜とレモンのコーヒーゼリー
2024/05/15 更新
2024/04 訪問
私の生きる意味
◆ブーダンノワール
◆鰹のマリネ
◆アスパラガスとフルーツと魚介のサラダ
◆アシェット ドゥ ボワイエ
◆ワカメで包んだ真鯛のヴァプール
◆カスレ
◆セロリのグラニテと木苺のクーリ
◆フォンダンショコラ
◆ブーダンノワール
実家の味。
◆鰹のマリネ
厚切りの鰹は、身体漲る筋肉の味。
血潮を上げ、凛々しい鉄分に舌が圧倒されていく。
◆アスパラガスとフルーツと魚介のサラダ
アスパラガスとフルーツと魚介。
オレンジを効かせたビネガーで和えただけだというのに、なんと輝かしいのだろうか。
食材一つ一つから放たれる光を集め、口に運ぶ。
果汁やエキスが混ざり合い、七色の光が暗闇の胃袋を明るく照らす。
口内調味の極みである。
◆大山鷄の盛り合わせ
一度解体された大山鷄が、再びここに集結した。
皮はカリッと弾け、胸はしっとりとして持ち味の美しい対比を描く。
ハツはコリコリと歯の間を弾み、噛み締めればコク深い滋味を噴き出す。
いずれも、旨味が塩で炙り出され、本来の素質以上に解像度が高い。
唯一キャラメリゼしたというレバーは、甘やかな香りと共に滲む血の旨味に生命を感じ、陶然とさせられる。
この皿には、大山鷄の真実がある。
◆ワカメで包んだ真鯛のヴァプール
アラを白ワインビネガーで煮詰めたクリームソース
◆カスレ
熱々を頬張れば、もう身体中が熱くなってくる。
鶏や豚足、ベーコンとソーセージ、アキレス腱。
持ち味の異なる肉達に微笑み、それらの旨味を吸い込んだ豆をハフハフすれば、心が緩んでいく。
カスレで負った舌の火傷は、栄誉の勲章だ。
◆セロリのグラニテと木苺のクーリ
◆フォンダンショコラ
2024/05/12 更新
2024/04 訪問
私が生きる意味
◆どじょうのフリット
◆ブーダンノワール
◆豚と海老のラビオリ
◆鰻と車海老のソテー
◆エイヒレのムニエル
◆仔羊のロースト
◆パッションフルーツとフローマジュブラン
◆プリンアラモード
◆どじょうのフリット
臭みは全くない。
油の甘やかな香りが漂う中で、どじょうの苦々しい滋味がじんわりと顔を出す。
◆ブーダンノワール
実家の味。
◆豚と海老のラビオリ
ナイフは使わず、一口で食べた。
ラビオリの皮が、幻の様に消えていく。
とろみのあるバターで照ったラビオリに、舌や歯が艶やかに撫でられる。
海老は弾け、豚はごろっと舌の上を転がっていく。
海老と豚、それぞれの持ち味の対比が、舌を包み込む。
柔らかなホワイトアスパラガスが、その傍で春を囁いていた。
◆鰻と車海老のソテー フォン 八角
ねっとりとしたフォンが絡み、もうやめてと言いたくなる程に色艶溢れるゼラチン
◆エイヒレのムニエル
はらり。
温かな空気をはらんで、かすべの身が舞う。
かすかな甘みが、繊維に沿って顔を出し、笑顔を生む。
一方で、軟骨は歯の間をコリコリと弾み、歯を喜ばせる。
ソースの太い酸味が、かすべの繊細を愛おしむかのように、そっと共鳴していき、静かな旨味が響き渡る。
◆仔羊のロースト
成熟する前のしなやかな筋肉が、歯によりかかる。
胸が疼くいたいけな滋味がこぼれ落ちる。
穏やかな芽キャベツが、幼い旨味に歩調を合わせ、春を囁く。
最後に、とっておきの脂身を噛む。
この部位は、神様だ。
仔羊の香りや旨味の全てが詰まっていて、口の中を遊ぶ。
◆パッションフルーツとフローマジュブラン
◆プリンアラモード
見た目は杏仁豆腐。味は紛れもなく王道のプリンアラモード。
2024/05/04 更新
死ぬまで通い続ける日本一のフレンチです。
2024/03/05 更新