6回
2024/10 訪問
「巡りゆく島原の季節を感じさせてくれる秋のpescecoさん。」
2024/11/09 更新
2024/06 訪問
「穏やかで優しく情緒的、井上シェフの島原への想いをお料理と言う形で表現した素晴らしいコース。」
定期訪問させて頂いているpescecoさん。
今回は2024年6月のレビューです。
▪️料金▪️
コース＋ワインペアリング
約42000円
▪️コース所要時間▪️
3時間45分ほど
▪️頂いたもの▪️
【アミューズ①鰯とさつま芋】★★★
【アミューズ②紫雲丹のパイ】★★★★
【アミューズ③車海老】★★★★★
【魚介のサラダ】★★★★★
【スープ】★★★★★★
【真魚鰹と生ハム】★★★★★
【蛸の花束】★★★★
【ガネ素麺】★★★★
【くつぞこ】★★★★★
【クエ】★★★★
【魚介のおじや】★★★★
【デザート】★★★★
▪️以下詳細です▪️
【アミューズ①鰯とさつま芋】★★★
さつまいものふかし芋とタルト
上に鰯の塩辛・ジャージー牛のバターと煮干しの粉末
口に含むと鰯の塩味と旨味と香りがグッと主張し、そこからバターと冷えた芋が甘味を伝えて、その甘味でまた鰯の味わいが引き立ってくる。
まさに押しては返す波のような味わい。
【アミューズ②紫雲丹のパイ】★★★★
シェフの知り合いの漁師さんがとった地の紫雲丹。
新玉ねぎのピクルスを挟んで。
香りと味わいに濃深さがありながら、雑味ない美しさのある紫雲丹。
パイ生地の小気味良い食感を感じながら、噛んでいくと口の中でどんどん雲丹が深まり、平戸の岩塩とピクルスの酸味でキュッと締まり、そして余韻が長く口の中に揺蕩う。
ずっと雲丹に浸れる、魔法のような一口。
【アミューズ③車海老】★★★★★
島原の朝獲れ車海老
玉子のソース
島原のオリーブオイルと地醤油
オリーブの伸びやかな青い香りから始まり、海老が生き生きと繊維感ある食感と濃い甘旨味を醸し、玉子のコク深い甘味に繋がり、酸味で締まり一体となった美味しさを作る。
力ある車海老を軸に展開される物語のような起承転結ある味わいに心奪われる。
【魚介のサラダ】★★★★★
上から昆布の泡
胡麻油・白魚醤でマリネした朝獲れ皮剥
紫雲丹と皮剥肝
米とピクルス
混ぜずに掬って頂くと、昆布の泡が多面的に香りを膨らませ、胡麻油の香りを帯びた皮剥の身への移ろい、そしてその身の滑らかで踊るような弾力！
雲丹と肝が濃いトーンの風味を作り、最後に米の酸味がキュッと締める。
それぞれがしっかりとつながり、一口の中に移ろいがあり、目の前に島原の海が浮かんでくるような極上の一皿。
【スープ】★★★★★★
島原の昆布・福留のサドルバックの生ハム
・乾燥香茸でとったスープ。
2年物の岩牡蠣を入れて。
昆布が香り、香茸が香り、生ハムが香る！
そしてそれぞれの旨味が重奏して、長い余韻を残す。
一口毎に体に浸透していくような力強さにため息がもれる。
そして岩牡蠣。
ミルキーで溢れる香りと旨味は濃厚で、口の中で弾けて満ちる！
飲んでよし、食べてよしの極上のスープ。
【真魚鰹と生ハム】★★★★★
朝獲れの真魚鰹のフリット
福留小牧場の24ヶ月熟成のサドルバックの生ハムをスライスして調味料代わりに乗せて
熟成度を感じさせる旨味とフレッシュ感ある香りを両立させた生ハム。
口の中で味わいがぐんぐん膨らみ、これだけでも旨い。
揚げたての真魚鰹のサクッとした衣の上でサドルバックがとろけて美しいビジュアルを生む。
繊細な口当たりの真魚鰹の旨味から、生ハムの香りと旨味が馴染んで一体となり、その優しく深い味わいに引き込まれる。
【蛸の花束】★★★★
雄の蛸の吸盤と身と皮をそれぞれ別々に調理して再構成するpescecoさんのスペシャリテ。
茹でた蛸の吸盤
片口鰯の魚醤と胡麻油でマリネした削ぎ切りの蛸の身
パクチーの花
春キャベツのサラダ
蛸の皮・頭・足先のミンチ
ネギのオイルソース。
吸盤のコリコリ感に薄切りした身の滑らかさと繊維感、そしてキャベツの瑞々しさがつくる多様な食感が何とも心地よく、身のクリアな甘味を噛む度にグッグッと感じ、パクチーの香りが柔らかく広がり、オイルの酸味が全体をまとめて、蛸を軸に口の中で作られる初夏仕様の華やかな青い美味しさに！
【ガネ素麺】★★★★
朝獲れの平がに
雌 内子入り むきみ
蟹の味噌と甲羅の出汁を煮詰めたソースに絡めた島原素麺
柔らかく口溶けするような剥き身から溢れる香りに、内子の濃い香り、そしてソースに濃縮された香りと味わいそれぞれが蟹の生命力を感じさせる。
凝縮された味わいは濃くも優しく、素麺の質感との相性抜群に絡み、一本一本が旨い。
【くつぞこ（した平目）】★★★★★
蕎麦粉つけて米油で揚げ焼き
玉ねぎ
いりこの氷出しのスープ
親しみある味わいのいりこが、雑味を省き透き通る透明感の中に良さだけを残したように研ぎ澄まされた出汁。
知ってる味だけに、その洗練さに驚きと感動。
くつぞこは柔らかな衣からキメ細かな繊維が繊細な口当たりを生み、その旨みは濃くも美しく、出汁によく馴染む。
そして油感とと玉ねぎのフレッシュな甘味の繋がりが心地よい余韻となり、次の一口に誘なう。
【クエ】★★★★
25kgの釣りクエの切り身を炭焼き
アサリのスープ
島原のじゃがいも（タワラマゼラン）
虹色に輝くクエ。
炭の香りを帯びた身は、ムチムチとした弾力と力強い旨味をグンっと醸し、山椒オイルの香りと貝の美しい旨味が肉付けして華やかで生命力を感じさせる一口を作る。
そしてタワラマゼランはホクホクと甘く香り、クエとコントラストを描きながらそれぞれを引き立てあう。
【魚介のおじや】★★★★
以前と仕上げを変えて、お米をスープで炊くことで一体感をもった仕上がりになったおじや。
魚介の優しい旨味と香りが米の旨味に乗って噛むことに口に広がり満ちていく。
2杯目は卵を入れて、唐辛子の麹漬けを添えて。
円やかな味わいに変化したおじや。
これだけでも十分においしく、添えられた唐辛子の辛味を合わせると、スパーンと味が締まり、これまた美味しい。
【デザート】★★★★
きび砂糖で炊いたアンコと
ジャージー牛のミルクとチーズのアイス
滑らかな質感でクリーミーなアイスがアンコによく絡む。
アンコのまったりした甘味に艶かしい質感のアイスの甘味と酸味が溶け込み、口の中で多様性のある甘味が作られ、噛んでいく毎に美味しくなる。
最後まで美味しく頂きました。
ご覧頂きありがとうございました。
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2024/08/22 更新
2023/12 訪問
「穏やかで優しく情緒的、井上シェフの島原への想いをお料理と言う形で表現した素晴らしいコース！」
シーズン毎に訪問させて頂いているpescecoさん。
今回は2023年12月のレビューです。
寒い寒いこの日、飛行機の遅延で到着が遅れてしまったにも関わらず、お店に着くと温かい嬉野の白茶でお出迎え。
寒い体と焦ったこちらの気持ちを落ち着かせてくれるような、その優しい心遣いに涙が出そうになります。
改めて思う、なんて素敵なお店なんだろう。
優しく繊細に素材の味わいを引き出したお料理達は、柔らかにかつ力強くその美味しさを感じさせ、味わいは芯を持ちながら柔らかく五味を刺激し、穏やかで優しく情緒的、井上シェフの人柄が表れたよう。
島原産の朝獲れの魚介・地元の野菜、ここでしか頂けない食材が井上シェフの島原や伝統への想いを通して、ここでしか頂けない料理となり、一品一品に"pesceco"をしっかりと感じさせて頂きました！
次回も楽しみにしております。
▪️料金▪️
コース＋ノンアルコールドリンク3杯
33000円
▪️コース所要時間▪️
3.5時間ほど
▪️頂いたもの▪️
【地味】★★★★★
【鰯とさつま芋】★★★
【がぜ雲丹のパイ】★★★★
【フラン】★★★★★
【皮剥のサラダ仕立て】★★★★★
【昆布と生ハムと香茸の出汁】★★★★★
【生ハムと真魚鰹】★★★★★
【多比良ガネ】★★★★
【海鰻】★★★★★
【クエの草木蒸し】★★★★★
【おじや】★★★★
【デザート】★★★★
▪️以下詳細です▪️
【地味】★★★★★
三浦大根のピュレと島原のオリーブオイル。
柔らかな大根の口当たりから、パーーっと広がる香りとほろ苦さ、オリーブオイルの香りに包まれ、生き生きと口の中で味わいが溢れる。
雑草の中で育てられた大根の「僕は負けません！」と主張するような健気な力強さを感じさせてくれます。
優しく繊細に食材の美味しさが伝わるpescecoさんらしい一品！
【鰯とさつま芋】★★★
さつまいものふかし芋とタルト
上に鰯の塩辛バターと煮干しの粉末
口に含むと鰯の塩味と旨味と香りがぐっと主張し、そこから冷えた芋が甘味を伝えて、その甘味でまた鰯の味わいが引き立ってくる。
まさに押しては返す波のような味わい。
【がぜ雲丹のパイ】★★★★
一口でパクリとサクッとしたパイ生地の食感を土台に、赤玉ねぎの酸味でガゼ雲丹の香りが引き立ち、噛むとどんどん膨らむ。
【フラン】★★★★★
平飼いの玉子とその親鳥の出汁
春菊のソース・朝獲れ車海老
春菊の青々しい香りが力強くもふわりと広がり、フランの出汁と甘味へとシームレスにつながり見事に調和！
車海老も優しく綺麗な味わいで世界観を壊すことなく、美味しさを添える。
優しく、繊細で、深く、そして力強い味わい。
【皮剥のサラダ仕立て】★★★★★
昆布水の泡
島原産の朝締め皮剥のマリネ
皮剥の肝で和えた甲貝
酢飯
スプーンで下から掬って。
昆布の泡が柔らかな香りと旨味から、程よく活かった身と皮剥が生き生きと顔を出して、その甘味とコク深さをもった肝で和えた甲貝の食感が心地よいリズムを生み、酢飯が締める！
そしてごま油の香りとネギがコクを出して、長い余韻に浸らせてくれる。
一口の中で起承転結があり、その一つ一つの瞬間が美味しい！
【昆布と生ハムと香茸の出汁】★★★★★
体の細胞に染み込んでくるような雑味なく深い深い旨みと、追いかけてくる香茸の香りの膨らみ！
その旨味と香りに一口目で持っていかれる！
そして牡蠣から溢れる磯の香りに、目の前に島原の海が浮かんでくる！
一口一口が極上の時間。
【生ハムと真魚鰹】★★★★★
ふくどめ小牧場のサドルバック
まずは16ヶ月プロシュート
羽衣のように柔らかな生ハムから揚げたての真魚鰹のサクッとした衣感。
その衣の中の真魚鰹の繊細な口当たりから、生ハムが熱で溶けて馴染んでソースのような一体感を生む！
めちゃくちゃ美味しい！
お次は14ヶ月クラテッロ
香りしっかりチーズのようなコク深い香りがフリットにめちゃくちゃ馴染む！
【多比良ガネ】★★★★
朝獲れの雌の剥き身と蟹味噌。
島原の手延べ素麺を蟹味噌のエキスと甲羅のお出汁に絡めて
内子の濃い香りにふわりとした身から溢れる渡り蟹らしい香り。
お出汁から溢れる香りと味わいの濃さが蟹の生命力を感じさせ、そして旨味が凝縮した出汁が素麺と絡み、もう一本一本が旨い！
【海鰻】★★★★★
島原の釣りの海鰻と日本ほうれん草
氷出ししたいりこ出汁のクリアな旨味と生き生きした香りがまず突き抜ける！
その出汁の中で、海鰻は厚みある身から、重たさのない綺麗な脂感が味わいをしっかりと感じさせ、そしてほうれん草は瑞々しくフレッシュで青々しく自然な苦味で鰻を迎える。
【クエの草木蒸し】★★★★★
長崎白菜と22kgの天草のクエを島原の湧水で草木蒸し。
玉葱麹とクエの出汁とゆうこうの果汁ソース、白菜の軸のサラダ
力強く美しい白身の旨さをありありと見せつけるクエ！
白菜の甘味が、ソースの酸味やバターのコクが、レモングラスの香りが、カンバスに描く絵のようにクエを軸に華やかな美味しさを形作る！めちゃくちゃ好みでした！
【おじや】★★★★
本日使用した魚を使って作ったおじや。
魚介の旨味に満ち、優しく口に広がっていく。
2杯目は卵を入れて、唐辛子の山椒漬けを添えて。
円やかな味わいに変化したおじやはこれだけでも十分においしく、そして添えられた唐辛子の辛味を合わせると、スパーンと味が締まる！
【デザート】★★★★
さつまいもの焼き芋とチーズジェラート
自家製あんこ
きなこ
きなこの香りとあんこの小豆感との相性の良さに、ジェラートはまったりと甘くあんこの甘味と相乗し、それぞれがしっかり繋がる！
そして口の中で完成する香りと甘みが優しくコースをしめてくれました！
ご覧頂きありがとうございました。
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【地味】★★★★★ 三浦大根のピュレと島原のオリーブオイル。 柔らかな大根の口当たりから、パーーっと広がる香りとほろ苦さ、オリーブオイルの香りに包まれ、生き生きと口の中で味わいが溢れる。
【フラン】★★★★★ 平飼いの玉子とその親鳥の出汁 春菊のソース・朝獲れ車海老 春菊の青々しい香りが力強くもふわりと広がり、フランの出汁と甘味へとシームレスにつながり見事に調和！
【鰯とさつま芋】★★★ さつまいものふかし芋とタルト 上に鰯の塩辛バターと煮干しの粉末
口に含むと鰯の塩味と旨味と香りがぐっと主張し、そこから冷えた芋が甘味を伝えて、その甘味でまた鰯の味わいが引き立ってくる。 まさに押しては返す波のような味わい。
【がぜ雲丹のパイ】★★★★ 一口でパクリとサクッとしたパイ生地の食感を土台に、赤玉ねぎの酸味でガゼ雲丹の香りが引き立ち、噛むとどんどん膨らむ。
【皮剥のサラダ仕立て】★★★★★ 昆布水の泡 島原産の朝締め皮剥のマリネ 皮剥の肝で和えた甲貝 酢飯
【昆布と生ハムと香茸の出汁】★★★★★ 体の細胞に染み込んでくるような雑味なく深い深い旨みと、追いかけてくる香茸の香りの膨らみ！そして牡蠣から溢れる磯の香りに、目の前に島原の海が浮かんでくる！
【生ハムと真魚鰹】★★★★★ ふくどめ小牧場のサドルバック まずは16ヶ月プロシュート
羽衣のように柔らかな生ハムから揚げたての真魚鰹のサクッとした衣感。 その衣の中の真魚鰹の繊細な口当たりから、生ハムが熱で溶けて馴染んでソースのような一体感を生む！
お次は14ヶ月クラテッロ
香りしっかりチーズのようなコク深い香りがフリットにめちゃくちゃ馴染む！
【多比良ガネ】★★★★ 朝獲れの雌の剥き身と蟹味噌。 島原の手延べ素麺を蟹味噌のエキスと甲羅のお出汁に絡めて
内子の濃い香りにふわりとした身から溢れる渡り蟹らしい香り。 お出汁から溢れる香りと味わいの濃さが蟹の生命力を感じさせ、そして旨味が凝縮した出汁が素麺と絡み、もう一本一本が旨い！
【海鰻】★★★★★ 島原の釣りの海鰻と日本ほうれん草
氷出ししたいりこ出汁のクリアな旨味と生き生きした香りがまず突き抜ける！
その出汁の中で、海鰻は厚みある身から、重たさのない綺麗な脂感が味わいをしっかりと感じさせ、そしてほうれん草は瑞々しくフレッシュで青々しく自然な苦味で鰻を迎える。
【クエの草木蒸し】★★★★★ 長崎白菜と22kgの天草のクエを島原の湧水で草木蒸し。 玉葱麹とクエの出汁とゆうこうの果汁ソース、白菜の軸のサラダ
力強く美しい白身の旨さをありありと見せつけるクエ！ 白菜の甘味が、ソースの酸味やバターのコクが、レモングラスの香りが、カンバスに描く絵のようにクエを軸に華やかな美味しさを形作る！
【おじや】★★★★
本日使用した魚を使って作ったおじや。 魚介の旨味に満ち、優しく口に広がっていく。
【デザート】★★★★ さつまいもの焼き芋とチーズジェラート 自家製あんこ・きなこ
2024/01/28 更新
2023/08 訪問
「穏やかで優しく情緒的、井上シェフの島原への想いをお料理と言う形で表現した素晴らしいコース！」
定期訪問させて頂いているpescecoさん。
今回は2023年8月のレビューです。
食感に豊かさがあり、味わいは芯を持ち柔らかく五味を刺激し、穏やかで優しく情緒的、井上シェフの人柄が表れたような料理。
島原産の朝獲れの魚介・バージンの岩牡蠣・地元の野菜、ここでしか頂けない食材が井上シェフの島原や伝統への想いを通して、ここでしか頂けない料理になり、一品一品に"pesceco"をしっかりと感じさせて頂きました！
次回も楽しみにしております。
▪️料金▪️
コース＋ノンアルコールドリンク3杯
33000円
▪️コース所要時間▪️
3.5時間ほど
▪️頂いたもの▪️
【鰯の塩辛とさつま芋のタルト】★★★
【赤雲丹のパイ】★★★★
【バージン岩牡蠣】★★★★
【魚介のサラダ】★★★★
【車海老のラビオリ】★★★★
【鱧と生ハム】★★★★
【タコの花束】★★★★
【多比良ガネ】★★★★
【翡翠茄子】★★★★★
【くえ】★★★
【魚介のおじや】★★★★
【デザート】★★★
▪️以下詳細です▪️
【鰯とさつま芋】★★★
さつまいものふかし芋とタルト
上に鰯の塩辛バターと煮干しの粉末
口に含むと鰯の塩味と旨味と香りがぐっと主張し、そこから冷えた芋が甘味を伝えて、その甘味でまた鰯の味わいが引き立ってくる。
まさに波のような味わい。
【赤雲丹のパイ】★★★★
焼きたてのパイに塩水赤雲丹を乗せて、玉ねぎのピクルスを挟んで。
パクリと一口で。
赤雲丹のフレッシュで滑らかな口当たりから濃い香りと味わいが広がり、パイの心地よい食感が咀嚼のリズムを作り玉ねぎの酸味で赤雲丹の味が引き立ち、ずっーと伸びてくる！
【バージン岩牡蠣】★★★★
未産卵の岩牡蠣を殻ごと茹でて昆布水でマリネ。ジャージ牛の初乳のソースと鯏の塩胡麻油で。
滑らかで摩擦がないような驚きの質感、噛むと香りは優しく、ミルキーで雑味がなく美しい味わいの牡蠣！
ピュアの表現がぴったりくるその美味しさは感動！
そしてそのピュアな味わいをこれまた綺麗なミルクのソースが柔らかく包み、玉ねぎの酸味が味を締めて、余韻をまとめてくれる。
極上！
【魚介のサラダ】★★★★
昆布水の泡
島原さんの朝締め虎魚のマリネ
紫雲丹と虎魚の肝
酢飯
掬って一口で。
昆布の泡が柔らかな香りと旨味から、虎魚のムチッとして程よく活かった身が力強く味わいを主張し、雲丹が味わいに深いトーンを出して、酢飯が味を締める！
それぞれがしっかりとつながり、一口の中に起承転結があり、目の前に島原の海が浮かんでくるような極上の一皿。
【車海老のラビオリ】★★★★
島原湾の天然車海老のラビオリ
昆布・生ハムと香茸のスープ
昆布が香り、香茸が香り、生ハムが香る！
そしてそれぞれの旨味が重奏して、長い余韻を残す。
一口毎の深みが染みていき、その旨さに「はぁーっ」とため息。
車海老はプリンと心地よい食感から、ナチュラルな香りと甘味を溢れさせ、これまたニンマリする美味しさ。
【鱧と生ハム】★★★★
福留小牧場さんの14ヶ月のサドルバックの生ハムと朝獲れの島原湾の鱧のフリット
優しい口当たりの生ハムは衣の熱でほんのりと溶けて豊かに香りと旨味を膨らませ、鱧の綺麗な味わいをソースのように彩り、一体となり、鱧とハムが一体になって出来る美味しさを伝える！
素晴らしい一口！
【タコの花束】★★★★
雄の蛸の吸盤と身と皮をそれぞれ別々に調理して再構成するpescecoさんのスペシャリテ。
茹でた吸盤、魚醤と胡麻油でマリネしたそぎ切りの身、朝獲れおくらのサラダ
蛸の皮・頭・足先をミンチ状にしてジャム化、ネギのオイルとレモンの果汁。
吸盤のコリコリ感に薄切りした身の滑らかさと繊維感がつくる多様な食感が何とも心地よく、身のクリアな甘味を噛む度にグッグッと感じ、オクラの粘りと青さが柔らかく広がり、オイルの酸味と辛味が全体をまとめて、蛸を軸に口の中で作られる夏仕様の華やかな美味しさに！
【多比良ガネ】★★★★
朝獲れの雄蟹の剥き身と蟹味噌。
島原の手延べ素麺を蟹味噌のエキスと甲羅のお出汁に絡めて
ふわりとした身と味噌から溢れる香りと味わいの濃さが蟹の生命力を感じさせ、そして旨味が凝縮した出汁が素麺と絡み、もう一本一本が旨い！
【翡翠茄子】★★★★★
氷出しのいりこのスープをかけて
雑味を除いていりこの旨さと香りを抽出したような出汁は、クリアな力強さ。
口に含むとそのふくよかさに心奪われる。
油のコクを纏いナチュラルなその甘さをじゅわーーっと溢れさせる茄子。
皮の心地よい硬さと苦味が無農薬無肥料で草むらで育てられた茄子の生育環境を彷彿させ、その味わいをいりこ出汁が包み円やかな着地点に。
茄子のよさを生き生きと伝える！
【くえ】★★★
天草の釣りのクエを炭火とオーブンでロースト。
トマトを身と水分に分けて身は玉ねぎと梅干しのエキスとオリーブオイルで、水分はオリーブオイルで乳化させて。
弾力ある身からクエらしい綺麗でグッとしまった白身の旨さが膨らむ。
良い意味で野菜感が強いトマトの酸味と梅のかおりが、彩りを添え、カンパスに描かれた絵のような鮮やかな美味しさに。
【魚介のおじや】★★★★
本日使用した魚を使って作ったおじや。
魚介の旨味に満ち、優しく口に広がっていく。
2杯目は卵を入れて、唐辛子の山椒漬けを添えて。
円やかな味わいに変化したおじやはこれだけでも十分においしく、そして添えられた唐辛子の辛味を合わせると、スパーンと味が締まる！
【デザート】★★★
きび砂糖で炊いたアンコとジャージー牛初乳のミルクとチーズのジェラート、無花果
チーズのコクと酸味とミルクの優しい甘味が口に柔らかく広がり、あんこの深い甘味が交わるとトーンが濃くなり美味しさが深まる。
最後まで優しく深いコース。
たっぷり堪能させて頂きました！
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2023/08/29 更新
2023/05 訪問
「一品一品に島原への思いを伝えるための工夫があり溢れる情熱があり、ペシコのお料理の美味しさを通して、島原の魅力を見事に伝えてくれました。」
2度目の訪問のペシコさん。
今回は2023年5月のレビューです。
今回も本当に素晴らしいコースでした。
素材の組み合わせの妙、酸味・旨味・味わいの濃淡、美味しさとともにそこにある井上シェフの情熱・思いが伝わってきます。
人に何かを伝えたいと思う時、文字や写真・踊りや歌、色んな方法があると思いますが、そこに本当気持ちがないと相手の心には響かないし、思いがあってもそこに労を惜しまずに力を注がないと形にはなりにくい。
井上シェフのお料理は、「この素材をこう食べてほしい」「島原の素材の美味しさを感じて欲しい」「島原を知ってほしい」、一品一品にその思いを伝えるための工夫があり溢れる情熱があり、ペシコのお料理の美味しさを通して、島原の魅力を見事に伝えてくれました。
島原の海と地の恵みが料理から溢れる、まさに里浜ガストロミー。
感動的な時間でした！
次回も楽しみにしております。
▪️料金▪️
約32000円※税込
コース28000円＋ドリンク4000円
▪️所要時間▪️
3.5時間ほど
▪️頂いたもの▪️
【アミューズ①タルト】★★★
【アミューズ②紫雲丹のパイ】★★
【アミューズ③朝獲れのスナップえんどう】★★★★★
【魚介のサラダ】★★★★★
【真牡蠣とスープ】★★★★★
【岩牡蠣】★★★
【Fish & ham 】★★★★
【タコの花束】★★
【多比良ガネ】★★★★
【くつぞこ（舌平目）】★★★★
【クエの草木蒸し】★★★★
【ひとつの鍋 魚介のおじや】★★
【デザート】★★★
【お茶菓子】
▪️以下詳細です▪️
【アミューズ①タルト】★★★
さつまいものふかし芋とタルト
上に鰯の塩辛バターと煮干しの粉末
苦味とバターからくる甘味と塩味とが、さつまいもの糖度ある甘味の上でぐっと膨らむ。
食感の豊かさ、五味を刺激する味わい、そして島原や伝統への想い、ペシコさんのお料理のベクトルをその味で示してくれるまさに挨拶代わりの一品目。
【アミューズ②紫雲丹のパイ】★★
新玉ねぎのピクルスを挟んで
香りが綺麗で風味の深い紫雲丹。
ピクルスの酸味でキュッと締まりつつ、余韻が長く口の中で膨らむ。
【アミューズ③朝獲れのスナップえんどう】★★★★★
ジャージー牛の初乳とチーズ
大きさ毎に茹で時間を変えたスナップえんどうは噛むと弾けて青々しくも軽やかで嫌味のないまさにフレッシュ！一粒一粒が幸せな美味しさ。
初乳とチーズは柔らかな酸味と甘みが綺麗に膨らみ、口が「島原の新鮮」に満たされる。
【魚介のサラダ】★★★★★
上から昆布の泡、朝獲れ皮剥・しろごま・白魚醤、紫雲丹と皮剥肝、酢飯
混ぜずに掬って頂くと、昆布の泡が多面的に香りを膨らませ、胡麻油の香りを帯びた皮剥の身への移ろい、そしてその身の踊るような弾力！
雲丹と肝が濃いトーンの風味を作り、最後に米の酸味がキュッと締める。
それぞれがしっかりとつながり、一口の中に起承転結があり、目の前に島原の海が浮かんでくるような極上の一皿。
【真牡蠣とスープ】★★★★★
一年ものの真牡蠣
生ハムと昆布・椎茸のスープ
昆布が香り、椎茸が香り、生ハムが香る！
そしてそれぞれの旨味が重奏して、長い余韻を残す。一口毎の力強さが圧倒的！
そして真牡蠣はクリーミーで甘く、こちらもしなやかな力強さ！
めちゃくちゃ美味しい。
【岩牡蠣】★★★
橙と地醤油で。滑らかに口に入り、クリーミーな香りとキメの細かな甘味が花開くように膨らみ、塩味と仄かな柑橘感が味を締める。
【Fish & ham 】★★★★
一週間寝かせた石鯛
ふくどめ小牧場のサドルバック
プロシュートとクラテッロ
①プロシュート
生ハムのガツンとした香りと旨味から、熟成されて味わいの濃縮した濃い石鯛がフワッと広がる！
トーンの違いが旨さとなり、口の中が美味しさで溢れる。
②クラテッロ
より旨さが締まっており、石鯛の旨さのトーンと相乗して美味しさをつくる！
どっちも好き！
【タコの花束】★★
雄の蛸の吸盤と身と皮をそれぞれ別々に調理。
蛸の皮とクレソン・玉ねぎのサラダに、魚醤と胡麻油でマリネしたそぎ切りの身・ニンニクマヨ・コリアンダー・パセリとレモンの果汁、吸盤を乗せて。
ファーストインパクトで感じる吸盤の弾ける食感と身の甘み、
そしてコリアンダーの香りが勢いよく突き抜け、クレソンの青苦さと玉ねぎの甘さが厚みを出して、胡麻油がしっかりと全体をまとまる。
【多比良ガネ】★★★★
朝獲れ雌蟹の剥き身と内子
手延べそうめん
蟹味噌と甲羅のお出汁
身から溢れる渡り蟹感に満ちた香り！
内子のコクと旨味が凝縮した出汁。素麺と絡み、もう一本一本が旨い！
【くつぞこ（した平目）】★★★★
蕎麦粉つけて揚げ焼き
玉ねぎ、いりこの氷出しのスープ
親しみある味わいのいりこが、雑味を省き透き通る透明感の中に良さだけを残したように研ぎ澄まされた出汁。
知ってる味だけに、その洗練さに驚きと感動！
そのピュアな味わいと玉ねぎのフレッシュ感が相乗。
くつぞこは細かな繊維が繊細な口当たりを生み、その綺麗な身の旨みにこちらも出汁がよーく馴染む。
【クエの草木蒸し】★★★★
クエを春キャベツで包んで、無花果の葉などの地元の草木と合わせて湧き水蒸し。玉ねぎ麹とクエの出汁のソース、完熟グリーンピースを添えて。
鮮やかな春キャベツと純白のクエが美しいビジュアルを生む。
無花果の葉を軸にした蒸せるように青く芳醇な香り、ソースのコク深い味わい、キャベツのジューシーな甘味が、キャンバスに描かれる絵のように、クエの綺麗な旨味を肉付けしていく。
完成する潤としたクエの旨さと深みにうっとり。
グリーンピースの熟してホクホクと濃い青みもこのクエにジャストにフィット。
【ひとつの鍋 魚介のおじや】★★
魚介の旨味とハーブの香りに満ちて、優しい味わいを持ったおじや。
2杯目は卵を入れて、唐辛子の山椒漬けを添えて。
円やかな味わいに変化したおじや。
これだけでも十分においしく、添えられた唐辛子の辛味を合わせると、スパーンと味が締まる！
【デザート】★★★
きび砂糖で炊いたアンコとジャージー牛のチーズのジェラート
アンコのまったりした甘味に艶かしい質感のジェラートの甘味とチーズの酸味が溶け込み、口の中で多様性のある甘味が作られ、噛んでいく毎に美味しくなる！
最後まで美味しく頂きました！
ご覧頂きありがとうございました。
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2023/06/18 更新
2022/07 訪問
お料理から溢れる島原への気持ち、そして伝わるその魅力！
初訪問のペシコさん。
今回は2022年7月のレビューです。
長崎空港から車で1時間半、島原湾を臨む道沿いにお店を構えるペシコさん。
夏の空と海と周りの木の緑と、長崎出身のぺぴどんはこのノスタルジーな景色にお店に入る前から感無量となり、危うく入店前にアスファルトに溶けそうになりました。
ミニマムに整えられた店内は、モダンで清潔感があり、そして井上シェフの穏やかで柔らかなお人柄と奥様の明るくフレンドリーなお人柄がお店を優しげな空気感で包んでくれます。
そしてお料理は、本当に素晴らしかった！
素材の組み合わせの妙、酸味・旨味・味わいの濃淡、美味しさはもちろん、そこにある井上シェフの情熱・思いがビシビシつたわってきます。
人に何かを伝えたいと思う時、文字や写真・踊りや歌、色んな方法があると思いますが、そこに本当気持ちがないと相手の心には響かないし、思いがあってもそこに労を惜しまずに力を注がないと形にはなりにくい。
井上シェフのお料理は、「この素材をこう食べてほしい」「島原の素材の美味しさを感じて欲しい」「島原を知ってほしい」、一品一品にその思いを伝えるための工夫があり溢れる情熱があり、ペシコのお料理の美味しさを通して、島原の魅力を見事に伝えてくれました。
島原の海と地の恵みが料理から溢れる、まさに里浜ガストロミー。
感動的な時間でした！
次回も楽しみにしております。
▪️料金▪️
約30000円※税込
コース＋ドリンク
▪️頂いたもの▪️
【アミューズ①タルト】★★
【アミューズ②赤雲丹パイ】★
【アミューズ③紫蘇のガスパチョ】★★
【リゾット】★★★★
【岩牡蠣】
・スープ★★★★★
・牡蠣の貝柱 ★★★
【フィッシュ&ハム】★★★
【蛸の花束】★★★
【多比良ガネの蟹素麺】★★★
【菜園の中で】★★
【鮑】★★
【おじや】★★
【桃とジャージー牛のチーズのジェラート】★★
▪️以下詳細です▪️
【アミューズ①タルト】★★
塩辛バターとサツマイモのタルトに煮干しを乗せて
煮干しの香りと、塩辛の塩味とコクがあり、そして甘味が口に広がる。
それぞれが主張しつつも、纏まった味わいに。
初体験の組み合わせに驚かされつつも、口馴染みがよく、斬新さでありながら、しっかりとした味の着地点で、ここから始まるコースに期待が膨らみます！
【アミューズ②赤雲丹パイ】★
長崎の赤雲丹を焼きたてのパイに乗せて。
香りのよいフレッシュな塩水赤雲丹と、ピクルスのキュッとした酸味の作るバランスが心地よい一品。
【アミューズ③紫蘇のガスパチョ】★★
小烏賊と揚げもちのりを乗せて
フレッシュで清涼感ある朝穫れの紫蘇の香りが口に広がり、小烏賊の食感と甘味が軽やかに味わいを彩ります。
見た目同様に涼が溢れる美味しさ。
【リゾット】★★★★
オコゼ、ガゼ雲丹、昆布水の泡
生臭みのない昆布の良い香りだけが濃縮された泡に包まれたリゾット。
朝取れのオコゼの活かった身、がぜ雲丹の風味、米の旨味とピクルスの酸味がバランスよく美味しさを作る。
【岩牡蠣】
・スープ ★★★★★
2年ものの岩牡蛎・湧水・プロシュートと昆布・椎茸のスープ
生ハムの香りと旨味とそこを支えるように昆布と椎茸が重厚感あるスープの味わい！
ミルキーでジューシーで素晴らしい味わいの岩牡蠣。
めちゃくちゃ美味しい！
・牡蠣の貝柱 ★★★
炭焼きされた香ばしさ。旨味をえごまが青さ包み、刻んだピクルスの酸味と合わさり、絶妙な着地点に！
【フィッシュ&ハム】★★★
鱧のフリットと生ハム
ふくどめ小牧場の生ハムは嫌な塩味や香りがなく、ジャストな旨さで自然に口に馴染み、びっくりするほど美味しい！
鱧のフリットの熱でその旨味が膨らみ、上品な鱧の味わいをソースのように彩る！
素晴らしいお皿でした！
【蛸の花束】★★★
雄の蛸の吸盤と身と皮をそれぞれ別々に調理して。
蛸の皮とオクラと玉ねぎのサラダに、蛸の吸盤とフェンネルの花を乗せて。
ごま油、魚醤、ニンニクソース、コリアンダー、ハーブのオイルで。
吸盤のゴリゴリと食感が心地よく、ニンニクと魚醤の旨味がしっかりと味わいを作り、コリアンダーの香りが程よく効いて、絶妙なバランスに。
【多比良ガネの蟹素麺】★★★
多比良ガネ内子と剥き身
手延べそうめん
味噌と甲羅のスープを絡めて
渡蟹の身の甘味と旨味と、内子の濃いコク、スープとオリーブオイルのコクと香りが素麺と絡み美味しさを作る。
綺麗ながら、素材感をしっかりと感じさせる美味しさ。
【菜園の中で】★★
カボチャの花に刻んだ車海老を入れて
草木蒸しして
海老の殻と乾物のスープで。
目の前からは無花果の葉の香りが溢れ、スープの濃い旨味も沁みるように広がり、カボチャの花を口に含むと中の海老の旨味がしっかりして主張し、そして降り注ぐように柔らかく青みある香りが膨らむ。
まさに菜園の中にいるような景色が浮かぶ一品。
【鮑】★★
蒸し汁と海苔のソース
提供時間に合わせて蒸し上げソテーした鮑。
弾力ある食感から、噛むと貝の旨味がじゅわっと溢れ、ソースの磯の香りと柔らかな旨味が味を膨らませる！
肝は綺麗な香りで濃く、味に楔を出し、余すところなくペシコの鮑を堪能。
【おじや】★★
本日の魚介のアラでとった出汁のおじや。
食べる前から旨い香りが漂い、濃くも優しい味わいが口を満たしてくれます。
【桃とジャージー牛のチーズのジェラート】★★
桃のフレッシュな甘酸味とチーズのまったりした味わいが絡み、きび砂糖のチュールの食感と甘味がアクセントに程よく。
最後まで美味しく頂きました！
ご馳走さまでした！
ご覧頂きありがとうございました。
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2022/08/11 更新
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グルメキュレーションサイト
毎日の外食が楽しくなるグルメ情報
定期訪問させて頂いているpescecoさん。
今回は2024年10月のレビューです。
いつものように片口鰯とさつま芋からはじまるpescecoさんのコース。
定番の雲丹のパイ、波紋のように、たいらがね素麺は季節に合わせて表情を変え、
この時期のならではの脱皮したてのソフトシェルのたいらがねの美しく繊細な味わいに感動し、
岩牡蠣・サドルバックに酔いしれ、
海鰻と秋茄子の生命力溢れるお料理を堪能し、草木蒸しの世界観に浸る。
巡る島原の季節を料理を通して優しく感じさせてくれる極上の時間。
ご馳走さまでした。
▪️料金▪️
コース＋アルコールペアリング
約48000円
▪️コース所要時間▪️
3.5時間ほど
▪️頂いたもの▪️
【アミューズ①片口鰯とさつま芋】★★★
【アミューズ②赤雲丹のパイ】★★★★
【アミューズ③車海老】★★★★★
【アミューズ④たいらがね】★★★★★★
【波紋のように】★★★★★
【余韻】★★★★★★
【Fish &ham】★★★★★
【ガネ素麺】★★★★
【秋茄子と海鰻】★★★★★
【草木蒸し】★★★★★
【ひとつの鍋】★★★★
【デザート】★★★★
▪️以下詳細です▪️
【アミューズ①片口鰯とさつま芋】★★★
さつまいものふかし芋とタルト
上に鰯の塩辛・ジャージー牛のバターと煮干しの粉末
口に含むと鰯の塩味と旨味と香りがグッと主張し、
そこからホクッと軽やかな質感の芋とバターが甘味を伝えて、その甘味でまた鰯の味わいが引き立ってくる。
まさに押しては返す波のような味わい。
【アミューズ②赤雲丹のパイ】★★★★
天草赤雲丹
玉ねぎのピクルスを挟んで。
香りと味わいが軽やかで、雑味ない美しさのある赤雲丹。
パイ生地の小気味良い食感を感じながら、噛んでいくと口の中でどんどん雲丹が深まり、
赤雲丹の岩塩とピクルスの酸味でキュッと締まり、そして余韻が長く口の中に揺蕩う。
ずっと雲丹に浸れる、魔法のような一口。
【アミューズ③車海老】★★★★★
朝獲れの天然車海老。
オリーブの青々しい香りから、
力強い繊維の車海老が香りとナチュラルな甘味を出し、
玉子のまったりしたトーンの濃い甘味が味わいを下支えし、
噛むほどに車海老が生き生きと美味しさを主張する。
ため息が出るほど美味しい。
【アミューズ④たいらがね】★★★★★★
朝獲れのソフトシェルのたいらがね
せもりな粉でフリット
かぶりつくと、味噌のコクと香り、身の澄んだ旨味が溢れる。
臭みがなく美しい味わいは、渡り蟹がこんなにも美味しいのかと見せつけてくる。
極上。
【波紋のように】★★★★★
上から昆布の泡
胡麻油・魚醤でマリネした朝獲れのきじはた
赤雲丹と和えたこう貝
ミナミニシキ米とピクルス
混ぜずに掬って頂くと、
昆布の泡が多面的に香りを膨らませ、
胡麻油の香りを帯びたきじはたの身への移ろい、その身の滑らかで踊るような弾力と力強い白身の旨さにうっとり。
雲丹が濃いトーンの風味を帯びたこう貝のコリコリ感が食感のコントラストを作り、最後に米の酸味がキュッと締める。
それぞれがしっかりとつながり、一口の中に移ろいがあり、
目の前に島原の海が浮かんでくるような極上の一皿。
【余韻】★★★★★★
シェフの友人が育てている一年物の岩牡蠣
26ヶ月熟成のサドルバックと香茸と昆布のスープ
スープから溢れる芳醇で濃厚な香りが、嗅覚を通してグッとお皿に引き込んでくる。
口に含むと濃く澄んだ旨味が舌から全身に染み渡っていき、その旨さに恍惚とする。
そして中の岩牡蠣はどこまでもミルキーで濃縮された旨味と磯の香り、雑味なく美しくジュワーーっと口中に満ちる。
長く揺蕩う余韻に身を任せ、pescecoですごす幸せなひと時に浸る。
【Fish &ham】★★★★★
26ヶ月熟成のサドルバック
真魚鰹
かぶりつくと、生ハムの円やかで深い香りがブワッと溢れ、
真魚鰹の透明感ある旨味を衣の熱で溶けた生ハムの脂の甘味が包み、一体感ある美味しさが押し寄せる！
【ガネ素麺】★★★★
朝獲れの平がに
蟹の味噌と甲羅の出汁と島原産のサフランを煮詰めたソースに絡めた島原素麺
柔らかくに繊維を感じさせる剥き身から溢れる香りに、
そしてソースに濃縮された香りと深み味わいそれぞれが蟹の生命力を感じさせる。
凝縮された味わいは濃くも優しく、サフランの香りが穏やかな清涼感を添え、
小麦の香りをしっかり醸す素麺と絡み、一本一本が旨い。
【秋茄子と海鰻】★★★★★
島原湾の海鰻
廣瀬農園の翡翠茄子をオリーブオイルで焼き浸し
いりこの氷出しのスープ
親しみある味わいのいりこでありながら、
雑味を省き透き通る透明感の中に良さだけを残したように研ぎ澄まされた出汁。
知ってる味だけに、その洗練さに驚きと感動。
海鰻は香ばしい皮目からマッチョな身質が上質な脂と共にねっとりした旨味をジュワッと溢れさせ、
その力強い味わいが出汁によく馴染む。
そして秋茄子。
しっかりとした皮目の張りから、身も程よい繊維感。青みある香りと苦味と野菜の生命力を文字通り生き生きと感じさせる。
海と大地の力強さが共演した極上の一皿。
【草木蒸し】★★★★★
天草の釣りのクエ 18kg
無花果の葉で包んで蒸して
玉葱こうじ ゆうこう ネギオイル
タワラマゼラン・露地栽培の胡瓜
溢れる香りはまさに菜園。
香りでその世界に引き込まれる。
締まった身に無花果の香りをたっぷり染み込ませたクエは、噛むと力強い旨味と柔らかな香りのコンビネーションが口中に満ち、
噛むほどにソースの酸味と輪郭を帯びていき、瞬間瞬間が美味しい。
露地栽培のきゅうりは瓜感ある香りをしっかり醸し、
そしてタワラマゼランはホクホクとした甘さと香りが唐辛子で引き立ち、
クエとのコントラストでそれぞれの良さが際立つ。
【ひとつの鍋】★★★★
フェンネル クミン 島原のサフラン
前回からお米をスープで炊くことで一体感をもった仕上がりになったおじや。
魚介の味わいと柔らかなスパイスが醸す、旨味とかおりに満ちた膨よかな一口。
2杯目は卵を入れて、唐辛子の麹漬けを添えて。
円やかな味わいに変化したおじや。
これだけでも十分においしく、添えられた唐辛子の辛味を合わせると、スパーンと味が締まり、これまた美味しい。
【デザート】★★★★
定番のミルクジェラートと自家製あんこに
今回は山栗の煮込みとピュレを合わせて。
ミルク感溢れるジェラートとあんこのまったり深いあまみ、
栗の自然な甘味と香りを醸し、甘く秋を感じさせる。
巡りゆく島原の季節を感じさせてくれる秋のpescecoさん。
たっぷり堪能させて頂きました。
次回も楽しみにしております。
ご覧頂きありがとうございました。
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