3回
2023/09 訪問
圧巻のネタと手当ての技術に感激♪
JR山手線新橋駅から徒歩約5分、銀座8丁目の交差点に面したスタイリッシュなビルの2階にある「鮨あらい」さん
予約の取れない貴重なお店、食べ友さまにお願いして、訪問させて頂きました。
m(_ _)m
厳選した食材を丁寧に手当てして、素晴らしい肴と握りへと昇華させています。
特に鮨ネタは塩当て&酢〆が絶妙で、唸るしかありません。
お食事とお酒代でお会計は52,910円也。
鮪以外の写真NGですので、後半に解説を記載しています。
尚、総合評価が4.9なのは本鮪以外の写真が撮れないから。
特に鬼鯵は撮りたかった!
ご馳走さま、幸せでした。
お料理
①腫手(あまて)鰈(正式名:真子鰈)(兵庫県明石産)
②牡丹海老(北海道古平産)
③若布(徳島県鳴門産)
④炭火焼き銀杏(愛知県祖父江産、藤九郎)
⑤炭火焼き牡丹海老の頭(北海道古平産)
⑥新イクラ(北海道羅臼産)のマイクロ丼、削り青柚子皮を散らして
⑦鰹(宮城県気仙沼産)の塩タタキ、生姜ポン酢
⑧葛素麺の冷汁仕立て、炭火焼きサゴシ(鰆幼魚)の解し身入り
⑨炭火焼き皮剥き真名鰹(兵庫県淡路島産)
シャリは前回の赤酢(ブレンド)→米酢へと変わっていました。
堅い~軟らかいの分類でいうとちょうど中間よりもやや堅めくらいかしら?
酸味も塩気も程好く好きな塩梅。
シャリの温度は人肌くらい。
握りは柔らかく、空気を含みつつも崩れることなく、大将が置いた瞬間、シャリがネタの重みで沈み、口に入れるとシャリはほどけて、やがて消え去ります。
握り
⑩墨烏賊(正式名:甲烏賊)(鹿児島県出水産)
⑪昆布〆白鱚(東京湾産)
⑫小鰭(熊本県天草産、1日寝かせ)
⑬鬼鯵(兵庫県明石産)
⑭本鮪赤身(北海道産&宮城県塩釜産)
⑮本鮪背トロ(北海道産&宮城県塩釜産)
⑯本鮪血合い岸(北海道産&宮城県塩釜産)
⑰本鮪蛇腹(北海道産&宮城県塩釜産)
⑱中墨(大型の小鰭)(熊本県天草産、3日寝かせ)
⑲車海老(長崎県産)
⑳黒鮑の出汁で作った黒鮑雑炊
㉑赤雲丹(福岡県藍島産)
㉒しじみ汁
㉓煮穴子(長崎県対馬列島産)
㉔玉
お飲み物
①冷たい緑茶
②温かい緑茶
お酒
①田中六五
②飛呂喜
ここから下は解説というか駄文ですので、興味の無い方は飛ばして下さい。
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①腫手(あまて)鰈(正式名:真子鰈)(兵庫県明石産)
産卵は晩秋~晩冬、旬は夏。
名前の腫手は手が腫れた様に身が太いことから名付けられました。
冬の寒鮃、夏の真子鰈と言われ、旬真っ盛りの名前の様に太さのある素晴らしい魚体。
多分、貝類を沢山食べていたと思われ、大きく身が厚くて甘みと旨みが強い。
モッチリとしつつも程好いコリ感があり、1日も寝かせてないのかもしれませんね。
短時間の寝かせでコリ感を落ち着かせて旨みを引き出すというのもかなり難しい。
時間経過を加速させるのは、温度と湿度の管理がポイントなんだろうな。と推測。
②牡丹海老(北海道古平産)
産卵は秋~春、旬も包卵する秋~春。
全て雄で誕生、5年で性転換し全て雌になるため、旬になると大型は全て包卵。
旬の走り、身はプリプリとしつつもねっとり食感、甘みは強く旨みもしっかり。
牡丹海老は寝かせるとネットリ感を増しやや海老臭くなるのですが、鮨あらいサンは殆ど臭いを感じません。
多分、新井大将が臭いに恐ろしく敏感なのだと思います。
香りと臭みのギリギリを狙うと寝かせが浅くなり、旨みが物足りなくなるのですが、普通なら臭みが出るくらいの旨みレベルなのに臭みが無いのが不思議でなりません。
③若布(徳島県鳴門産)
旬は新春~春、日本各地で採取されます。
鳴門の渦潮という激流で育った若布はふっくらと甘く、しっとりしつつも、シコシコとした歯応えがあり、普通の若布とは一線を画します。
④炭火焼き銀杏(愛知県祖父江産、藤九郎)
旬は秋、祖父江の銀杏は大粒ですが、一般的に苦味というかエグみが残り易く、普通は熊本県玉名の小ぶりな銀杏の方が甘みが強い。
しかし、鮨あらいサンの藤九郎は水浸けのアク抜きが徹底的で殆どアクを感じず甘みが際立っています。
名だたる一流店でさえ、ほのかにアクを感じるものですが、スゴいとしか言えない。
⑤炭火焼き牡丹海老の頭(北海道古平産)
牡丹海老の頭など非常に臭みが出易いのですが、これも徹底して臭いが無く、海老の香りという感じです。
香りと臭いの違いは腐敗の気配を感じるかどうかだと思いますが、その辺りの手当てが抜群。
新井大将曰く『東京は全国の食材を使うが、各地のネタは地元で楽しむのが一番、我々はコースとして如何に洗練された鮨を出すかがポイント』と仰られていましたが、鮨なんてシンプルなのにここまで研ぎ澄ますのかと納得しました。
⑥新イクラ(北海道羅臼産)のマイクロ丼、削り青柚子皮を散らして
8月30日に解禁された秋鮭漁、水揚げされた白鮭の卵がイクラ(語源:ロシア語)です。
遡上した白鮭を捕まえるイメージをお持ちの方もいらっしゃるかもしれませんが、河川に入った白鮭は禁漁で、河口の遥か沖合いで遡上前に最後の準備期間中の個体を獲るのが秋鮭漁です。
まだ卵を肥らせる段階なので、餌を食べます。
以上の理由から秋鮭漁の初期は粒が小さいのですが、これがうっとりするほど鮮烈な香りなんです。
イクラの旨みとコクは当然ながら、鼻に抜ける香りが至福の瞬間です。
⑦鰹(宮城県気仙沼産)の塩タタキ、生姜ポン酢
日本近海の産卵は夏、旬は春~夏
登り鰹は脂が少なく鰹節に向き、下り鰹は脂がのり生食に向き。
西日本で食べる鰹のたたきは藁で薫りを付けたり、もち鰹のような鮮度の良い食感と程好い脂を楽しむのですが、関東らしく濃厚な脂を持つ戻り鰹はネットリしっかりした旨み、トロける舌触り。
醤油でなく塩タタキなのは鮮度への拘り故でしょうね。
⑧葛素麺の冷汁仕立て、炭火焼きサゴシ(鰆幼魚)の解し身入り
宮崎の冷汁的な遊び心のあるお椀もの。
王道が続きましたが変化球を投入されてきました。
⑨炭火焼き皮剥き真名鰹(兵庫県淡路島産)
産卵は初夏~夏、旬は秋~初夏、特に冬。
暖流に乗って回遊し産卵の為に瀬戸内海へ入ってくる様です。
脂がのり旨みのある魚ですが、同時に独特な香りがあり、臭みが出易く私としては苦手な魚。
小さなアキアミ(秋醤蝦)やクラゲ(海月)などを食べているらしく釣りではまず釣れません。
全て網を使った漁で獲るらしいです。
もしかしたら釣りものの真名鰹が殆ど居ないので、獲った後の処置が良い真名鰹が極端に少ないから、臭みのある魚が多いのかもしれません。
真名鰹を焼くと独特な香りが出る事が多いのですが、皮を剥くことで香りを排除しているのでしょう。
しかし皮には強い旨みがあるので、皮を剥ぐお店はなかなかありませんが、新井大将は一貫して洗練された上質な味わいを求められているのだと感じました。
因みに皮を剥いだからと言って美味しさを失っていないのが、新井大将の凄いところです。
⑩墨烏賊(正式名:甲烏賊)(鹿児島県出水産)
産卵は春~初夏、旬は冬~春、寿命1年
軟らかくて槍烏賊かと思いましたが時期的に新子なのでしょう。
新子の優しい甘さに江戸前らしい軽いサクッとした歯応えの浅めの寝かせと思われる仕込み
しっかり寝かせてネットリさせないのも粋かと思います。
しかし新子を鹿児島から入れるとは新井大将の辞書には妥協という文字が無いのでしょうね。
⑪昆布〆白鱚(東京湾産)
産卵は初夏~秋、旬は春~夏、寿命は5年。
夏には海岸近くの砂地まで近寄ってくるので鯊と同じく子供にも釣り易く美味しい魚です。
25~30㎝位の大型は特に脂がのり甘みがあります。
皮に独特の風味があり、皮霜降りにして昆布〆で旨みを加えていますので、鮨ネタとしても美味しいです。
⑫小鰭(熊本県天草産、1日寝かせ)
産卵は春。旬はそれぞれ、新子は初夏
小鰭は鮗(コノシロ)の青年期の呼び名
小鰭は夏、鮗は晩秋~晩冬、寿命3年
塩振りと〆具合は旨みと香り、脂も適度にのってバランスが取れています
それにしても旨みと香りのバランスが素晴らしい。
普通はここまで旨みを求めると臭みになってしまうのですが、匠の技術なのでしょうね。
やはり小鰭は職人の技術を図るネタと言えるでしょう。
⑬鬼鯵(兵庫県明石産)
産卵は夏、旬は夏~秋
熱帯~亜熱帯に生息するアジで1種1属のオニアジ属の魚、日本近海にはあまり居ないのですが黒潮に乗って迷い込んでくる珍しい魚です。
瀬戸内ではオニアジというと45cmを超える真鯵の事を鬼鯵という俗称で釣り師は呼ぶので、初めて知った時は本物の鬼鯵がいるのだと驚いたものです。
写真が無いから分からないと思いますが、血合いが通常の真鯵の3倍位あり、身の赤さが強く、身に多くサシが入っており、旨みが濃厚で握りにすると抜群に美味しい。
感動しました。
京都の「緒方」さんで過去に1度頂きましたが、なかなか水揚げされないとお伺いしました。
新井大将に「超レアな鬼鯵をどうやって東京に引くのですか?京都でもまず入手出来ないのに?」とお伺いしてみたところ、「担ぎの魚屋さんから」と仰られていたので「遠藤さんですか?」と聞いたところ正解とのこと。
京都の「飯田」さんに入れている遠藤さんから超レアな魚を直引き出来るなんてビックリしました。
この日の西からの魚はほぼ遠藤さんだそう。
m(_ _)m
⑭本鮪赤身(北海道産&宮城県塩釜産)
日本近海本鮪の産卵は春~夏、旬は初秋~冬。
本鮪の体温は高く平熱で約40℃、人間だと高熱で意識が無くなる体温が本鮪の平熱。
それでありながら本鮪の脂の融解は41℃で起こります。
これにより本鮪は蓄えた脂を圧倒的な変換効率で運動エネルギーに変換し、広い海域を高速で泳ぎ回り、命の危機に際してハイパワーで暴れまくると体温は最大で80℃まで上昇します。
体内の脂は溶け赤身も焼けてしまう訳です。
さて赤身の話に戻します。
赤身といってもサシが入っており、室温に慣らした赤身はもう溶け出さんばかり。
口に入れると滑らかに溶け、ほのかな酸味としっかりした旨みが拡がります。
⑮本鮪背トロ(北海道産&宮城県塩釜産)
背鰭付近の鰭を立たせる部位だそうです。
筋が在るように見えますが滑らか過ぎて欠片も違和感を感じません。
特有の薫り、微かな酸みと軽やかでもトロッとくる脂の旨み、爽やかな口溶けを楽しみました。
⑯本鮪血合い岸(北海道産&宮城県塩釜産)
鮨あらいサンと言えば本鮪!が代名詞
腹トロ、上質な神戸牛のようなサシが美しい
濃厚な旨みとコク、口の中でサッと融けて行く
余韻に力強さがあります。
⑰本鮪蛇腹(北海道産&宮城県塩釜産)
良い蛇腹は筋さえもトロトロで違和感ゼロ。
怒涛の脂のり、かすかな酸味と華やかな旨みとコクが口腔内を席巻し至福の時を迎えます。
⑱中墨【小鰭の大きいもの、鮗の手前(熊本県天草産、3日寝かせ)
産卵は春。旬はそれぞれ、新子は初夏、小鰭と中墨は夏、鮗は晩秋~晩冬、寿命は3年。
前半の小鰭と中墨はサイズや脂のりが違う為、明らかに〆方や寝かせ方が違います。
こちらは魚が大きくなっているので3日寝かせ、旨みの引き出しに奥行きを感じます。
新井大将の〆の技術を存分に味わいました。
⑲車海老(長崎県産)
産卵は初夏~初秋、旬は初夏~初秋
奥の厨房で茹でたての温かい車海老、お弟子さんが熱々を一生懸命剥いています
車海老はぷりぷり、温かなシャリがググッと沈み込み、華やかな甘みと旨味が押し寄せます。
⑳黒鮑の出汁で作った黒鮑雑炊
産卵は秋~冬、旬は初夏~夏。
そろそろ産卵期に入るので禁漁期になります。
約7mmくらいの厚みにカットしてますが、噛んだ時に弾力を感じるので3~4時間位は煮たのでしょうか。
旨みも深みがあり良いですね。
㉑赤雲丹(福岡県藍島産)
産卵は初秋~晩秋、旬は初夏~晩夏。
産卵直前の初秋には後味に苦味が出てきます。
赤雲丹は何処が良い?
福井県小浜産、兵庫県淡路島由比産、それとも佐賀県唐津産と有名な産地はありますし、どれも素晴らしく美味しい。
しかし一つだけ上げるとするならば私は福岡県藍島産を推したいと思います。
小倉の「天寿し」さんか「照寿司」さんくらいしか安定して仕入れられない地元ですら幻食材となっている藍島産の赤雲丹と東京で出会うとは幸せ過ぎます。( ノД`)…
北紫雲丹かと見間違うほどの大きさ、しかも粒が立っている位新鮮です。
口に入れて舌の上で5秒ホールド、透明感のある上品な甘み、穏やかなコクを存分に堪能し、鼻腔を抜けていく香りと口腔内での爽やかな余韻。
この時期は産卵期なので一般的にほのかに苦みが入るのですが、そのような雑味も無い美しい味わいでした。
㉒しじみ汁
産卵期は夏、旬は夏と冬の2回
しっかり食べた時には温かい蜆のお出汁が胃袋に沁みます
ホッと一息入れてラストスパート
㉓煮穴子(長崎県対馬列島産)
産卵は初夏~初秋、旬は夏~秋
穴子も旬を迎え、脂がのってます
ふわふわと柔らかい煮穴子、そして温かいシャリ、口の中に入れた瞬間にシャリがほどけます。
一気に拡がる旨み、ツメも濃過ぎず軽やかな後味です。
㉔玉
ふっくらと軽やかな焼き上がり、甘さは控えめで終幕を飾ります。
⑭本鮪赤身(北海道産&宮城県塩釜産) 赤身といってもサシが入っており、室温に慣らした赤身はもう溶け出さんばかり 口に入れると滑らかに溶け、ほのかな酸味としっかりした旨みが拡がります
⑮本鮪背トロ(北海道産&宮城県塩釜産) 筋が在るように見えますが滑らか過ぎて欠片も違和感を感じません 特有の薫り、微かな酸みと軽やかでもトロッとくる脂の旨み、爽やかな口溶けを楽しみました
⑯本鮪血合い岸(北海道産&宮城県塩釜産) 鮨あらいサンと言えば本鮪!が代名詞 腹トロ、上質な神戸牛のようなサシが美しい 濃厚な旨みとコク、口の中でサッと融けて行く 余韻に力強さがあります
⑰本鮪蛇腹(北海道産&宮城県塩釜産) 良い蛇腹は筋さえもトロトロで違和感ゼロ 怒涛の脂のり、かすかな酸味と華やかな旨みとコクが口腔内を席巻し至福の時を迎えます
JR山手線新橋駅から徒歩約5分、銀座8丁目の交差点に面したスタイリッシュなビルの2階にある「鮨あらい」さん 厳選した食材を丁寧に手当てして、素晴らしい肴と握りへと昇華させています
2023/09/22 更新
2021/10 訪問
大大大嫌いな秋刀魚、めちゃウマくて震えた
JR山手線新橋駅から徒歩約5分、銀座8丁目の交差点に面したスタイリッシュなビルの2階にある「鮨あらい」さん
予約の取れない貴重なお店、食べ友さまのお誘いにより、訪問させて頂きました。
m(_ _)m
厳選した食材を丁寧に手当てして、素晴らしい肴と握りへと昇華させています。
特に鮨ネタは塩当て&酢〆が絶妙で、唸るしかありません。
軽妙な新井大将の掛け合いも楽しく、素晴らしい時間となりました。
お料理とお酒でお会計は45,210円也。
鮪以外の写真NGですので、後半に解説を記載しています。
ご馳走さま、幸せでした。
メニュー
(01)酒肴豆(しゅこうまめ、枝豆)(秋田県産)
(02)アラ(石川県能登産)
(03)葡萄海老(茨城県産)
(04)薄切りつぶ貝(北海道産)
(05)墨烏賊(正式名:甲烏賊)新子の炭火焼き下足
(06)真穴子の骨煎餅
(07)炭火炙り戻り鰹(宮城県気仙沼産)
(08)鉄火巻き(青森県大間産、延縄、170kg)
(09)鮟肝(北海道産)、薄切り奈良漬け
(10)松茸(宮城県産)フライ
(11)葡萄海老の頭の炭火焼き
シャリは赤酢(ブレンドかしら?)で、堅い~軟らかいの分類でいうとちょうど中間よりもやや堅めくらい?
酸味も塩気も程好く好きな塩梅。
シャリの温度は人肌くらいでしょうか?
握りは柔らかく、空気を含みつつも崩れることなく、大将が置いた瞬間、シャリがネタの重みで沈み、口に入れるとシャリはほどけて、やがて消え去ります。
握り
(12)春子(血鯛)(茨城県産)(おぼろ入り)
(13)墨烏賊(正式名:甲烏賊)新子
(14)秋刀魚、肝&大根卸し載せ、酢橘果汁掛け
(15)鱒之介(キングサーモン)(北海道産)と新イクラ(鰹出汁)の親子丼
(16)本鮪赤身(青森県大間産、延縄、170kg)
(17)本鮪中トロ(青森県大間産、延縄、170kg)
(18)本鮪背トロ(青森県大間産、延縄、170kg)
(19)本鮪大トロ(青森県大間産、延縄、170kg)
(20)本鮪中落ち&刻み沢庵&刻み葱(おはぎ)
(21)小鰭
(22)車海老
(23)蜆のお出汁のお椀
(24)赤雲丹(佐賀県唐津産)の軍艦巻き
(25)真穴子
(26)干瓢巻き
(27)玉
お酒
①生ビール(グラス)
②伯楽星(宮城)
③出羽桜 大吟醸 雪漫々(山形)
◯◯◯
(01)酒肴豆(しゅこうまめ、枝豆)(秋田県産)
粒の大きな枝豆で甘さもあり、香りが豊潤
粗塩が振られ、生ビールに合う
(02)アラ(石川県能登産)
九絵(クエ)ではなく(アラ)、赤銅色のメタリックボディで1m程に成長、石川県でよく水揚げされるが一般的な流通量は九絵より少ないかもしれないレアな魚
産卵期は夏、旬は秋~冬
1~2週間熟成させたものが食べ頃
筋の間の身がプクッと盛り上がっており、良い感じに脱水されているのが分かる
ハリのある噛応えで熟成期間は1週間程度かな?と予想
身に脂がのり熟成と相まって旨みがたっぷり
(03)葡萄海老(正式名:緋衣海老)(茨城県産)
産卵期は春、旬は夏~初秋、深海400m以深
極めて数の少ないレアな海老
濃厚な甘み、プリッとした食感、牡丹海老の様なネットリさがなく絶品
牡丹海老より葡萄海老の方が好み
(04)薄切りつぶ貝(正式名:蝦夷法螺)(北海道産)
産卵期は秋~春、旬は春
かなり薄くスライスして食べ易く提供
独特の香りがあるのだが塩揉みを丁寧にしているのか余り感じない
旨みとコリッとした食感を楽しむ
(05)墨烏賊(正式名:甲烏賊)新子の炭火焼き下足
産卵期は春~初夏、旬は冬~春、寿命1年
新子は秋の贅沢
火入れにより臭いが出易いが、火入れが抜群で、水分を残し軟らかさもありつつ臭みゼロ
優しい甘みに釣り立てを船上で下足炒めで食べていたのを思い出すが、こっちの方が断然美味しい。( *´艸`)
(06)真穴子の骨煎餅
産卵期は初夏~初秋、旬は夏~秋、寿命3年~7年
穴子の骨は脂がたくさん出るので揚げ脂が直ぐにダメになってしまうのですが、使い回しをせず揚げているのが綺麗な狐色になっていることで分かります
骨煎餅とかあまり見なくなりましたが、久しぶりに頂くとやはり美味しいですね♪
(07)炭火炙り戻り鰹(宮城県気仙沼産)
産卵期は夏と冬、日本近海は夏、旬は春~夏
登り鰹は脂が少なく鰹節に向き、下り鰹は脂がのり生食に向く
西日本で食べる鰹のたたきは藁で薫りを付けたり、もち鰹のような鮮度の良い食感と程好い脂を楽しむのですが、関東らしく濃厚な脂を持つ戻り鰹はネットリしっかりした旨み、トロける舌触り
これもまた良いですね♪
(08)鉄火巻き(青森県大間産、延縄、170kg)
日本近海の産卵期は春~夏、旬は初秋~冬
見出し感じ背トロでしょうか、細かな短冊にキメ細かくサシが入っています
透明感のある脂の旨みを海苔の香りと共に楽しみます
(09)鮟肝(北海道産)、薄切り奈良漬け
産卵期は春~初夏、旬は秋~春、特に晩冬が素晴らしい
海底に潜む魚で遊泳しないメタボリックな体質なので、肝は通年美味しい
とても軟らかく旨みとコクが際立っています
薄切りの奈良漬けと山葵をたっぷり載せて頂きます
(10)松茸(宮城県産)フライ
北海道の8月から九州の11月まで日本縦断しつつ収穫期が続く秋を代表する高級茸
芳醇な香りと上品な旨みが特徴
パン粉を付けてカリッとした衣、中は湯気が出るほどホクホク
豊潤な香り、甘みのある旨み、少しシャキッとした食感も楽しめる味わう系松茸です
(11)葡萄海老(正式名:緋衣海老)(茨城県産)の頭の炭火焼き
葡萄海老の芳ばしさと海老味噌のコクと甘み、堪らない、そして日本酒が良く合う
握り
(12)春子(血鯛)(茨城県産)(おぼろ入り)
魚の味わいで言えば真鯛>>血鯛>連子鯛ですが、春子だと仕込み次第で真鯛を凌ぎます
優しい旨みと香りの拡がりがとても良い
(13)墨烏賊(正式名:甲烏賊)新子
新子の優しい甘さに江戸前らしい軽いサクッとした歯応えの浅めの寝かせと思われる仕込み
軽い寝かせてネットリさせないのも粋かと思います
(14)秋刀魚、肝&大根卸し載せ、酢橘果汁掛け
産卵期は春~秋、日本近海は夏、旬は秋、寿命約2年
赤みを帯びた白身、脂が層になり身にも混在
個人的には秋刀魚の脂が癖もので私は少しでも劣化すると嗚咽しそうになる
それが臭みゼロで香りがある、脂の旨みも濃厚
塩当て&酢〆を丁寧にすることが大切とは大将の弁
大大大嫌いな秋刀魚、めちゃウマくて震えた!
((( ;゚Д゚)))ガクガクブルブル
(15)鱒之介(キングサーモン)(北海道産)と新イクラ(鰹出汁)の親子丼
産卵期は夏、日本近海モノの旬は春~夏、寿命2~5年
釣りの日本記録は11.6kg
5月に仕入れた鱒之介の腹身を炭火焼きにした後に大胆に刻み、シャリの上へ
そこに鰹出汁に浸した新イクラをドーン!
桜鱒を更に濃厚にした脂が加熱により活性化
親戚親子丼とも言えるのでしょうが、破壊力は抜群!
(16)本鮪赤身(青森県大間産、延縄、170kg)
煮切り醤油をサッと塗るが赤身自体はヅケでないため、赤身の風味とコクがダイレクトに
酸味がほのかにあり、旨みが華やかです
(17)本鮪中トロ(青森県大間産、延縄、170kg)
鮨あらいサンと言えば本鮪!が代名詞
腹トロ、上質な神戸牛のようなサシが美しい
濃厚な旨みとコク、口の中でサッと融けて行く
余韻に力強さがあります
(18)本鮪背トロ(青森県大間産、延縄、170kg)
日本近海本鮪特有の薫り、微かな酸みと軽やかでもトロッとくる脂の旨み、爽やかな口溶け
個人的には大トロよりも好きです
(19)本鮪大トロ(青森県大間産、延縄、170kg)
いよいよ大本命、怒涛の脂のり、旨みとコクが口腔内を席巻!
これが鮨あらいサンの大トロか!と唸りつつ満喫
(20)本鮪中落ち&刻み沢庵&刻み葱(おはぎ)
アレンジで本鮪6種を締め括り
サッと溶ける中落ちに薫りと塩みと食感を加える沢庵
口溶けした後に沢庵が後味を悪くするのでは?と思いしたが、調度良いサイズに微塵切りされており、全く邪魔をしない事に「なるほど!」と感心
(21)小鰭
産卵期は春。旬はそれぞれ、新子は初夏
小鰭は鮗(コノシロ)の青年期の呼び名
小鰭は夏、鮗は晩秋~晩冬、寿命3年
塩振りと〆具合は旨みと香り、脂も適度にのってバランスが取れています
(22)車海老
産卵期は初夏~初秋、旬は初夏~初秋
奥の厨房で茹でたての温かい車海老、お弟子さんが熱々を一生懸命剥いています
車海老はぷりぷり、温かなシャリがググッと沈み込み、華やかな甘みと旨味が押し寄せます
(23)蜆のお出汁のお椀
産卵期は夏、旬は夏と冬の2回
食べた後には温かい蜆のお出汁が胃袋に沁みます
ホッと一息入れてラストスパート
(24)赤雲丹(佐賀県唐津産)の軍艦巻き
産卵期は初秋~晩秋、旬は初夏~晩夏
舌の上で5秒ホールド、透明感のある上品な甘みをゆっくり味わい、口の中で拡散する甘みを存分に堪能
この時期は産卵期なので一般的にほのかに苦みが入るのですが、そのような雑味も無い美しい味わいでした
(25)真穴子
産卵期は初夏~初秋、旬は夏~秋
穴子も旬を迎え、脂がのってます
ふわふわと柔らかい煮穴子、そして温かいシャリ、口の中に入れた瞬間にシャリがほどけます
一気に拡がる旨み、ツメも濃過ぎず軽やかな後味です。
(26)干瓢巻き
海苔の薫りが素晴らしく、穏やかな味わいの干瓢ですから赤酢のシャリの美味しさを素直に感じ取れます
(27)玉
ふっくらと軽やかな焼き上がり、甘さは控えめで終幕を飾ります
(08)鉄火巻き、 日本近海の産卵期は春~夏、旬は初秋~冬 見出し感じ背トロでしょうか、細かな短冊にキメ細かくサシが入っています 透明感のある脂の旨みを海苔の香りと共に楽しみます
(16)本鮪赤身(青森県大間産、延縄、170kg) 煮切り醤油をサッと塗るが赤身自体はヅケでないため、赤身の風味とコクがダイレクトに 酸味がほのかにあり、旨みが華やかです
(17)本鮪中トロ(青森県大間産、延縄、170kg) 鮨あらいサンと言えば本鮪!が代名詞 腹トロ、上質な神戸牛のようなサシが美しい 濃厚な旨みとコク、口の中でサッと融けて行く 余韻に力強さがあります
(18)本鮪背トロ(青森県大間産、延縄、170kg) 日本近海本鮪特有の薫り、微かな酸みと軽やかでもトロッとくる脂の旨み、爽やかな口溶け 個人的には大トロよりも好きです
(19)本鮪大トロ(青森県大間産、延縄、170kg) いよいよ大本命、怒涛の脂のり、旨みとコクが口腔内を席巻! これが鮨あらいサンの大トロか!と唸りつつ満喫
(20)本鮪中落ち&刻み沢庵&刻み葱(おはぎ) アレンジで本鮪6種を締め括り サッと溶ける中落ちに薫りと塩みと食感を加える沢庵 微塵切りされており、全く邪魔をしない事に「なるほど!」と感心
2021/10/10 更新
JR山手線新橋駅から徒歩約5分、銀座8丁目の交差点に面したスタイリッシュなビルの2階にある「鮨あらい」さん
予約の取れない貴重なお店、食べ友さまにお願いして、お連れ頂きました。
m(_ _)m
厳選した食材を丁寧に手当てして、素晴らしい肴と握りへと昇華させています。
全てに置いて絶妙で、唸るしかありません。
お食事とお酒代でお会計は60,600円也。
カウンター刷新後、全ての写真がNGになりましたので、後半に解説を記載しています。
写真NGのお店は総合評価を▲0.1点するのが私が食べログをする上でのマイ・ルールにしていますので評点5.0→評点4.9としています。
ご馳走さま、幸せでした。
肴
①白魚(シラウオ、兵庫県赤穂産)オリーブオイル和え
キュウリウオ目シラウオ科でシシャモの仲間、シロウオ(素魚)はスズキ目ハゼ科
②九絵(千葉県産、25kg)しゃぶしゃぶ、大根おろしポン酢&大量の刻み芽葱載せ
③三つ葉&お揚げの焚きもの【温】
④真蛸(神奈川県三浦半島、雌)【温】、香りと雌の軟らかい繊維を感じる火入が絶妙
⑤炭火炙り疣鯛(静岡県焼津産)
○若布&ガリ
⑥炭火焼き牡丹海老(正式名:富山海老、北海道増毛産)、醤油滴しオリーブオイル(スペイン産)塗り
⑦炭火焼き帆立貝柱(北海道野付産)、大葉添え、海苔巻き
⑧真鱈白子(秋田県産)雑炊
シャリは前回の赤酢(ブレンド)→米酢へと変わっていました。
堅い~軟らかいの分類でいうとちょうど中間よりもやや堅めくらいかしら?
酸味も塩気も程好く好きな塩梅。
シャリの温度は人肌くらい。
握りは柔らかく、空気を含みつつも崩れることなく、大将が置いた瞬間、シャリがネタの重みで沈み、口に入れるとシャリはほどけて、やがて消え去ります。
握り
⑨本鮪腹トロ(青森県産、155kg)
⑩本鮪背トロ(青森県産、155kg)
⑪小鰭(熊本県天草産)
⑫墨烏賊(正式名:甲烏賊、神奈川県小芝産)
⑬黒鯥(東京都神津島産)、軟らかな身&脂は優しい
⑭細魚(茨城県産)
⑮赤貝(宮城県閖上産)
⑯車海老(鹿児島県産、養殖)、1時間冷却真水を泳がせてから茹でる
⑰べったら漬け
⑱真鯖(青森県産)、浅葱載せ
3時間〆、冷凍、解凍後、酢〆
⑲本鮪赤身(青森県産、155kg)漬け
⑳蜆出汁
㉑本鮪大トロ《蛇腹》(青森県産、155kg)
㉒蝦夷馬糞雲丹(北海道根室)、雑味無し
㉓焼き蒸し真穴子(長崎県対馬列島産)
㉔玉
㉕干瓢巻き
お酒
①生ビール
②伯楽星 純米吟醸
③開運 純米酒
④喜久酔 特別純米
ここからお料理の解説ですが、興味の無い方は飛ばして下さい。
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①白魚(シラウオ、兵庫県赤穂産)オリーブオイル和え
キュウリウオ目シラウオ科でシシャモの仲間、シロウオ(素魚)はスズキ目ハゼ科
産卵期は晩冬~初夏、旬は冬、寿命1年
素魚より白魚の方が味わいが上品
白魚は大きいほど甘みがあり、素魚は小さいほど透明感のある旨みが楽しめます。
今回は白魚の透き通る旨みと仄かな甘みに、オリーブオイルの穏やかなコクと微かな醤油の塩味と旨みがアクセントになっていました。
②九絵(千葉県産、雄、25kg)しゃぶしゃぶ、大根おろしポン酢&大量の刻み芽葱載せ
雌として誕生し約10歳10kgで雄に性転換、産卵は夏、旬は晩秋~初夏
寝かせは3日くらいと極めて浅いのですが、軟らかく旨みが引き出されているのに驚愕。
通常、14日位の熟成が施されるサイズなのですが、絶妙な火入されていると言ってもここまでとは!
旬の脂のりが十分な大きな九絵を堪能しました。
③三つ葉&お揚げの焚きもの【温】
見た目は変哲もない焚き合わせなのですが、ゾワッとするほどお出汁が滲みてメチャクチャ美味しい!
余り利尻昆布ぽい香りはなかったけど、真昆布では無いし、羅臼昆布の様な複雑な後味もなかったのて、控えめにした利尻昆布なのかな?
血合を抜いた鰹節を合わせているのかな?ともかく恐ろしく良かった
④真蛸(神奈川県三浦半島、雌)【温】
産卵は初夏~初秋、2度目の旬となる晩秋~冬は旨味が強い、寿命1.5年、吸盤が規則正しく並んでいるのが雌、吸盤の大きさがバラバラで不規則なのが雄。
雌は繊維が軟らかく優しい旨み、雄は繊維がしっかりとして噛み応えがあり、しっかりした旨みが特長。
これは香りと雌の軟らかい繊維を感じる火入が絶妙でした。
⑤炭火炙り疣鯛(静岡県焼津産)
産卵は春~夏、旬は秋~初夏、25cmまでの魚で身が軟らかく旨みがあるが鮮度の落ち易い魚。
炭火で軽く炙ってあり、フワッとした焼き上がりで旨みもしっかり楽しめました。
○若布
旬は新春~春、日本各地で採取されます。
鳴門の渦潮という激流で育った若布はふっくらと甘く、しっとりしつつも、シコシコとした歯応えがあり、普通の若布とは一線を画します。
⑥炭火焼き牡丹海老(正式名:富山海老、北海道増毛産)、醤油滴しオリーブオイル(スペイン産)塗り
産卵は秋~春、旬も包卵する秋~春。
全て雄で誕生、5年で性転換し全て雌となる。
焼きは初体験、車海老ほど身にハリは無いけれど、プリッとして甘みが強い、オリーブオイル&醤油がマッチ、コクに加えて仄かにだが深みのある塩味と旨みが加わっています。
⑦炭火焼き帆立貝柱(北海道野付産)、大葉添え、海苔巻き
産卵は春、旬は初夏~夏と冬~初春
野付の帆立は立派な大玉で普通の帆立の10倍のグリコーゲンがあるため、旨みが強烈。
しかも炙ってあるので、芳ばしく旨みも更に増しており悶絶!
⑧真鱈白子(秋田県産)雑炊
産卵期は冬~春、旬は秋~冬
火入により旨みとコクが激増、しかも臭みゼロですから、生臭さが苦手でもスルスルと楽しめることが出来ます。
⑨本鮪腹トロ(青森県産、155kg)
日本近海本鮪の産卵は春~夏、旬は初秋~冬。
本鮪の体温は高く平熱で約40℃、人間だと高熱で意識が無くなる体温が本鮪の平熱。
それでありながら本鮪の脂の融解は41℃で起こります。
これにより本鮪は蓄えた脂を圧倒的な変換効率で運動エネルギーに変換し、広い海域を高速で泳ぎ回り、命の危機に際してハイパワーで暴れまくると体温は最大で80℃まで上昇します。
体内の脂は溶け赤身も焼けてしまう訳です。
鮨あらいサンと言えば本鮪!が代名詞
腹トロ、上質な神戸牛のようなサシが美しい
濃厚な旨みとコク、口の中でサッと融けて行く
余韻に力強さがあります。
⑩本鮪背トロ(青森県産、155kg)
腹トロの後の背トロだと脂の旨みを弱く感じないかな?と心配になりましたが杞憂でした。
特有の薫り、微かな酸みと軽やかでもトロッとくる脂の旨み、爽やかな口溶けを楽しみました。
⑪小鰭(熊本県天草産)
産卵は春。旬はそれぞれ、新子は初夏
小鰭は鮗(コノシロ)の青年期の呼び名
小鰭は夏、鮗は晩秋~晩冬、寿命3年
塩振りと〆具合は旨みと香り、脂も適度にのってバランスが取れています
それにしても旨みと香りのバランスが素晴らしい。
⑫墨烏賊(正式名:甲烏賊、神奈川県小芝産)
産卵は春~初夏、旬は冬~春、寿命1年
軽いサクッとした歯応えの浅めの寝かせと思われる仕込み
しっかり寝かせてネットリさせないのも粋かと思います。
⑬黒鯥(東京都神津島産)
産卵期は春、旬は秋~冬
主に北海道南部から東海付近の太平洋側に生息、日本海側は極端に少ない。
やや淡い桃色で軟らかな身、旬の時期の暴力的な脂のりが特徴的ですが、炙りなど火入をしていないと脂が優しく比較的食べ易いですね。
⑭細魚(茨城県産)
産卵は春~夏、旬は冬
昆布〆でもその香りを感じさせず、細魚の良さを生かした仕込み
内湾に棲む魚にので泥臭さが出易いのですが、微塵も感じません。
新井大将は間違いなく香りに敏感なのだと思う
⑮赤貝(宮城県閖上産)
産卵期は初夏~夏、旬は冬~春
閖上産は独特の香りをまとっており鉄分を含む個性的な旨みもしっかりあることから、癖が強さ故に病み付きになるそう。
⑯車海老(鹿児島県産、養殖)
産卵は初夏~初秋、旬は初夏~初秋
養殖ですが、時間冷却真水を泳がせてから茹でるそうで身な締まりブリッとしています
奥の厨房で茹でたての温かい車海老、お弟子さんが熱々を一生懸命剥いています
車海老はぷりぷり、温かなシャリがググッと沈み込み、華やかな甘みと旨味が押し寄せます。
⑰べったら漬け
甘過ぎず爽やか、少し舌をリセット
大根は消化酵素のジアスターゼを含むので胃袋が少し軽くなる気がします 。
⑱真鯖(青森県産)、浅葱載せ
産卵期は春~夏、旬は秋~晩冬
この時期は特に脂のりが良いのですが、青森だとより一層旨みが強い、水温の低さに起因する脂の蓄積度合いが高さに依るものでしょう。
アニキサス対策として仕込みは3時間〆、冷凍、解凍後、酢〆と手間が掛かっています。
因みに福岡で雷クラスの高圧電圧を真鯖に放電してアニキサスを一瞬で殺す技術が開発されたそうです。
日本人の鮮度への拘りが凝縮した技術ですねぇ。
⑲本鮪赤身(青森県産、155kg)漬け
煮切り醤油をサッと塗るが赤身自体はヅケでないため、赤身の風味とコクがダイレクトに。
酸味がほのかにあり、旨みが華やかです。
⑳蜆出汁
産卵期は夏、旬は夏と冬の2回
しっかり食べた時には温かい蜆のお出汁が胃袋に沁みて、ホッと一息入ります。
㉑本鮪大トロ《蛇腹》(青森県産、155kg)
良い蛇腹は筋さえもトロトロで違和感ゼロ。
怒涛の脂のり、かすかな酸味と華やかな旨みとコクが口腔内を席巻し至福の時を迎えます。
㉒蝦夷馬糞雲丹(北海道根室)
産卵は夏~秋、旬は初夏~夏
舌の上に5秒ホールドして味わう
濃厚な甘みとコク、しかし蝦夷馬糞雲丹の特長である後味の雑味が殆んど無く甘みの余韻が続きます。
㉓焼き蒸し真穴子(長崎県対馬列島産)
産卵は初夏~初秋、旬は夏~秋
フワッと軟らかい煮穴子を炭火焼きにしており、かなり温かく芳ばしい、そして温かいシャリ、口の中に入れた瞬間にシャリがほどけます。
拡がる旨み、ツメも濃過ぎず軽やかな後味。
㉔玉
ふっくらと軽やかな焼き上がり、葦海老の甘さは控えめ。
㉕干瓢巻き
海苔の薫りが素晴らしく、穏やかな味わいの干瓢ですから赤酢のシャリの美味しさを素直に感じ取れます。