4回
2024/09 訪問
美しき旋律♪深い郷土愛、沁々と味わう
JR東京駅から徒歩4分の東京ミッドタウン八重洲3階ある「千葉たかおか」さん 高岡大将は銀座「志乃多寿司」さんでの修行後に創業 千葉市で「たかおか」さんを2013年~2023年1月まで営まれていました。
店内は白木カウンター6席、板場の背面は漆塗りの板がズラリと並びます 千葉のお店から持ち込まれており、既視感が強い 東京でも引き続き、コンパクトで上質な空間の中でゆったりと寛いて楽しむことが出来ます。
お酒①ハーヴェストムーン、ペルジャンスタイルウイート(舞浜地ビール工房、千葉)
お酒②寿萬亀 純米原酒 ひやおろし 秋の冴《限定品》(千葉) 米品種:非公開、精米歩合:70%
ガリ、若布(千葉県鴨川産)、薄切り酢蓮根(千葉県鴨川産)、自家製ポン酢 肴が始まる前にビールと共に少しずつ オーケストラの演奏が始まる前の楽器の音出しの様にしっそりと秘めやかに!しみじみと美味しい
○ガリ
①焚き水蛸(千葉県銚子産) 産卵は初夏~夏、旬は通年、寿命3~4年 水蛸は水分が多いので脱水と寝かせが重要 水蛸自体の薫りが素晴らしい! 真蛸より軟らかな歯応え、旨みが拡がります
②高岡米の藁で燻した戻り鰹(千葉県銚子産)、摺り分葱載せ 日本近海本鰹の産卵は夏 自家栽培した藁で燻した芳ばしい薫り、戻り鰹は脂がのり、モチッとした食感と濃厚な旨みが拡がります
③青柳(千葉県船橋産) 産卵は早春~夏、旬は春 仄かな磯の香り、蕩ける様な消え去り方 煮過ぎでもなく貝類が蕩ける、味わいは透明感があり、甘み&旨みが豊か、激ヤバです
④蒸し安納芋(千葉県鴨川産) 軟らかく蒸された安納芋はシルキーで土の香りをまとった豊かな甘みがあります シルクスイートよりも力強い様な気がします
⑤炭火焼き赤甘鯛(千葉県富津産) 焼いた赤甘鯛の頭と骨で取った出汁に漬け込まれ、赤甘鯛の濃さをより凝縮 鱗と皮を引きつつも、表面の皮下の薄皮は残してあり、滋味ある脂がしっかり楽しめます
⑥煮鮟肝(千葉県銚子産) 産卵は春~初夏、旬は通年、特に晩冬 湯気が立つ煮立ての鮟肝を目前で切り分け 形を保っているものの、口腔内でスッと溶ける コクのある旨みと円やかな甘みに染々と唸る
⑦真鯵(千葉県金谷産、昼水揚げ)、青葱(千葉県富津産)和え 産卵は春~夏、旬は秋~冬 活かったコリ感とねっとりした旨みと滋味が同居し、短時間でどう仕込んだらこうなるのか? 不思議でならない
お酒③寿萬亀 碧海 純米吟醸(千葉) 米品種:非公開(千葉県産酒造好適米)、精米歩合:60%
⑧大和蛤(千葉県船橋三番瀬産)の出汁茶碗蒸し 汀線蛤は輪郭のハッキリした旨みですが、大和蛤は円やかな旨みという印象 この茶碗蒸しの蛤出汁は濃く深い旨みが凝縮されており、目が醒める様なインパクト
⑨炭火炙り真鰯(千葉県銚子産)棒寿司 網上の炭火をギリギリまで近付け、真鰯の脂をジュウジュウと焦がす その微かな美味しい音に思わず聞き耳を立てる 見て、薫って、聴いて、そして食べる
⑨炭火炙り真鰯(千葉県銚子産)棒寿司の磯辺巻き 産卵は冬~初夏、旬は通年 身は軟らかく脂が加熱され活性化、旨みが増しています 提供の流れと味わいの濃淡の変化、五感が刺激され至福なひととき
⑩赤鯥(アカムツ、別称:ノドグロ、千葉県銚子産) 産卵は初夏~秋、旬は冬~春 太平洋側なので皮下にある脂は濃過ぎないけれどしっかりとした旨み♪ シャリともマッチしています
⑪小鰭(千葉県船橋三番瀬産) 産卵は春、小鰭の旬は夏、出世魚、寿命3年 美しい皮目、何より香りが良い 塩振りと〆具合は旨みのバランスが絶妙 脂の旨みも豊潤で素直に美味しい
⑫縞鯵(千葉県鴨川産) 産卵期は秋~冬、旬は夏~秋。 身にキメ細やかなサシが入り、脂がのって旨味も抜群、せれどスッキリとした後味で軽やかです
⑬近海本鮪の赤身(千葉県勝浦産、137kg)のヅケ 近海本鮪の産卵は春~夏、旬は初秋~冬 赤身独特の風味とコクがあります 軽く漬けにされておりますが、酸味が微かにあり、旨みが華やか
⑭近海本鮪の中トロ(千葉県勝浦産、137kg、腹トロ) 艶々とした脂が口に入れると滑らかに溶け、形 が無くなります 身にきめ細かく入った脂のサシが美しく、更なる旨みと甘み、微かな酸味を感じます
⑮近海本鮪大トロ(千葉県勝浦産、137kg) 脂がのった大トロ、滑らかな脂が溶け出す 赤身→中トロ→大トロと徐々に同系統の味わいが濃く強くなっていますが旨みを求めて過ぎたる脂を求めないのが素晴らしい
お酒④龜田 純米大吟醸 辛口 地酒道楽《蔵元限定品》(千葉) 米品種:兵庫県吉川産山田錦100%、精米歩合:40%
⑯墨烏賊(正式名:甲烏賊、千葉県富津産) 産卵は春~初夏、旬は冬~春、寿命1年 活かって噛むとパキッとしてますが、少し寝かせて適度に軟らかくすると同時に甘みも引き出されています
⑰煮大和蛤(千葉県船橋三番瀬産) 今や幻の内房産の大和蛤は非常に軟らかく薄味で煮られ、噛む毎に身の中から旨みが溢れ出す 蛤の味わいもいいいですが、穏やかで甘さを控えめにしたツメも好み
⑱真鯵(千葉県金谷産、昼水揚げ) 身が脂で濃いピンクに、肉厚で脂のりが凄まじい! だけでなく、滋味も深く濃く、悶絶もの でも後味はスッキリとしており絶妙のバランス
⑲茹で立て車海老(千葉県竹岡産) 産卵は初夏~初秋、旬は初夏~初秋
⑲茹で立て車海老(千葉県竹岡産) 産卵は初夏~初秋、旬は初夏~初秋 茹で立てに絶妙な冷ましを施し、軽めのヅケを施してあり、深みのある海老の旨みと甘みを楽しみます
お飲み物①緑茶
⑳塩水蝦夷馬糞雲丹(北海道浜中産) 産卵は夏~秋、旬は初夏~夏 舌の上に5秒ホールドして味わう 濃厚な甘みとコク、同じ浜中産でも養殖は只管甘いのですが、天然らしく後味に複雑な余韻が顔を出します
㉑煮真穴子(千葉県富津産) 産卵は初夏~初秋、旬は夏~秋 ふわふわと軟らかく一気に拡がる旨み、江戸前の真穴子の実力、強くないツメもたかおか流で好みです
㉓玉(す海老【正式名:葦海老】と自然薯入り) しっとり軟らか、ほんのりと甘い 葦海老の旨みと甘みに、複雑に配合された出汁も入っていそうです
㉔干瓢海苔巻き《追加》 握りっていない分だけシャリの美味しさを素直に感じ取れます 外側が硬めで中が軟らかく、尚且つ、ほんの少し芯を残した炊き上がり
2024/09/23 更新
2024/01 訪問
美しき旋律♪素晴らしき郷土愛、沁々と感動
JR東京駅から徒歩4分の東京ミッドタウン八重洲(2023年3月10日開業)の3階に出店された「千葉たかおか」さん、店主は高岡千春氏。
銀座「志乃多寿司」さんで修行した後に創業。
千葉市で「たかおか」さんを2013年~2023年1月まで営まれていました。
近代的なビルの中に突如現れる白壁に木の扉。
看板は扉に小さく表示され、知らない人は何のお店?と訝しがって遠巻きに眺めています。
扉を開けると導入の小径と「落花生」を形取った和紙シャンデリア。
そして土壁は高岡大将が栽培するシャリのお米「高岡米」の田圃の土を使っています。
千葉への愛が凄過ぎる!
店内は白木カウンター6席、板場の背面は漆塗りの板がズラリと並びます。
これは千葉のお店から持ち込まれており、既視感が強いですね。
東京でも引き続き、コンパクトで上質な空間の中でゆったりと寛いて楽しむことが出来ます。
肴と握りの旋律、最初から最後まで強過ぎず弱過ぎず、全体で一つの作品として仕上がっているのは今までも同じなのですが、今回もまた更に美味しくなっていて驚きました。
たかおかサンの私なりの楽しみ方をまとめました。
【1】魚
今回は本鮪も含め千葉の地魚で内房の東京湾、外房の太平洋と多種多様な魚種から旬で状態の良いものを厳選して使われています。
寝かせは全体的に浅く、旬の魚の香りを引き立てる様な丁寧な仕込みを施し、透明感のある旨みを導き出しています。
【2】出汁
多種多様な魚介から出汁を取られていますが、生臭さを感じたことは1度もありません。
また魚の漬けをその骨やアラから出汁を取った漬け汁で行うため、その魚を濃縮還元した様な旨みを感じつつも、透明感を維持しています。
【3】シャリ
大将自らが千葉県鴨川で栽培するコシヒカリを千葉県鴨川の天然水で炊き上げる拘り。
シャリは硬めで米酢と赤酢のブレンドしたシャリ、酸味は弱めで口腔でホロっと崩れ数回噛む内に消え去ります。
ソフトで丁寧な握り方だと思います。
私の経験ではここのシャリが1番硬いのですが、ここのシャリが1番好きです♪
今回はお食事会の幹事として訪問しました。
高岡大将、有難うございました。m(_ _)m
お料理代35,000円+お酒代で合計40,800円也。
写真に解説を付けています。
ご馳走さま、幸せでした。
先付けとして
○ガリ、若布(千葉県保田)、薄切り酢蓮根(千葉県香取)、自家製ポン酢
肴
①焚き水蛸
②高岡米の藁で燻した寒鰆、摺り分葱載せ
③青柳
④蒸し安納芋
⑤炭火焼き白甘鯛
⑥煮鮟肝
⑦真鯵、自家栽培刻み青葱和え
⑧大和蛤の出汁茶碗蒸し
⑨炭火炙り真鯖棒寿司の磯辺巻き
⑩炭火炙り自家製味噌漬け唐墨
握り
⑪金目鯛ヅケ
⑫小鰭
⑬昆布〆細魚
⑭近海本鮪の赤身ヅケ
⑮近海本鮪の中トロ
⑯近海本鮪の大トロ
⑰墨烏賊
⑱煮大和蛤
⑲真鯵
⑳茹で立て車海老
㉑塩水蝦夷馬糞雲丹
㉒煮穴子
㉓お味噌汁
㉔玉
㉕干瓢海苔巻き《追加》
お酒
①ハーヴェストムーン、ペルジャンスタイルウイート(舞浜地ビール工房、千葉)
②東灘 actiba 火入 生酛純米大吟醸 千葉日本酒活性化プロジェクト(千葉)
③竹岡 一ッ火無濾過 特別純米 総の舞(千葉)
④龜田 純米大吟醸 辛口 地酒道楽(千葉)
⑤サロン・ル・メニル・ブラン・ド・ブラン・ブリュット2012(シャンパーニュ、フランス)《別会計》
JR東京駅から徒歩4分の東京ミッドタウン八重洲3階にある「千葉たかおか」さん、店主は高岡千春氏 近代的なビルの中に突如現れる白壁に木の扉 看板は扉に小さく表示、知らない人は何のお店?と訝しがっています
扉を開けると導入の小径と「落花生」を形取った和紙シャンデリア そして土壁は高岡大将が栽培するシャリのお米「高岡米」の田圃の土を使っています
店内は白木カウンター6席、板場の背面は漆塗りの板がズラリと並びます 千葉のお店から持ち込まれており、既視感が強いですね 東京でも引き続きコンパクトで上質な空間の中でゆったりと寛いて楽しむことが出来ます
お酒①ハーヴェストムーン、ペルジャンスタイルウイート(舞浜地ビール工房、千葉)
○ガリ、若布(千葉県保田)、薄切り酢蓮根(千葉県香取)、自家製ポン酢 本格的な始まりの前にお酒のアテとして
○ガリ
○若布(千葉県保田)、薄切り酢蓮根(千葉県香取)、自家製ポン酢 肴が始まる前にビールを頂きながら少しずつ オーケストラの演奏が始まる前の楽器の音出しの様にしっそりと秘めやかに!しみじみと美味しい
①焚き水蛸(千葉県銚子産) 産卵は初夏~夏、旬は通年、寿命3~4年 水蛸は水分が多いので脱水と寝かせが重要 水蛸自体の薫りが素晴らしい! 真蛸より軟らかな歯応え、旨みが拡がります
②高岡米の藁で燻した寒鰆(千葉県銚子産)、摺り分葱(千葉県鴨川産)載せ 産卵は春~夏、旬は秋~春 燻薫が香る旬の寒鰆、加熱により脂が活性化し旨みが増しています
③青柳(千葉県木更津産) 産卵は早春~夏、旬は春 仄かな磯の香り、蕩ける様な消え去り方 煮過ぎでもなく貝類が蕩ける、味わいは透明感があり、甘み&旨みが豊か、激ヤバです
お酒②東灘 actiba 火入 生酛純米大吟醸 千葉日本酒活性化プロジェクト(千葉) 米品種:千葉県産有機栽培山田錦100%、精米歩合:50%
④蒸し安納芋(千葉県鴨川産) 軟らかく蒸された安納芋はシルキーで土の香りをまとった豊かな甘みがあります シルクスイートよりも力強い様な気がします
⑤炭火焼き白甘鯛(千葉県銚子産) 焼いた白甘鯛の頭と骨で取った出汁に漬け込まれ、白甘鯛の濃さをより凝縮 鱗と皮を引きつつも、表面の皮下の薄皮は残してあり、滋味ある脂がしっかり楽しめます
⑥煮鮟肝(千葉県銚子産) 産卵は春~初夏、旬は通年、特に晩冬 湯気が立つ煮立ての鮟肝を目前で切り分け 形を保っているものの、口腔内でスッと溶ける コクのある旨みと円やかな甘みに染々と唸る
⑦真鯵(千葉県竹岡産、昼水揚げ)、自家栽培刻み青葱(千葉県鴨川産)和え 産卵は春~夏、旬は秋~冬 活かったコリ感とねっとりした旨みと滋味が同居し短時間でどう仕込んだらこうなるのか? 不思議でならない
⑧大和蛤(千葉県船橋三番瀬産)の出汁茶碗蒸し 朝鮮蛤は輪郭のハッキリした旨みですが、大和蛤は円やかな旨みという印象 この茶碗蒸しの蛤出汁は濃く深い旨みが凝縮されており、目が醒める様なインパクト
お酒③竹岡 一ッ火無濾過 特別純米 総の舞(千葉) 米品種:千葉県産総の舞100%、精米歩合:55%
⑨炭火炙り真鯖(千葉県富津産)棒寿司 網上の炭火をギリギリまで近付け、鯖の脂をジュウジュウと焦がす その微かな美味しい音に思わず聞き耳を立てる 見て、薫って、聴いて、そして食べる
⑨炭火炙り真鯖(千葉県富津産)棒寿司の磯辺巻き 産卵は春~初夏、旬は秋~冬 サシが入り軟らかくも弾力があります 提供の流れと味わいの濃淡の変化、五感が刺激され至福なひととき
⑩炭火炙り自家製味噌漬け唐墨(鰡の卵、千葉県竹岡産) 炙られることにより芳ばしく香り、内側から旨みが凝縮した汗が浮かんでいます 塩抜きも完璧で6年味醂に漬け込んだ落ち着いた旨みと甘み
⑪金目鯛(千葉県銚子産)ヅケ 骨とあらで取った出汁で漬け込まれ、金目鯛の美味しさが凝縮、皮目が鮮やかな朱色で美しい 軟らかな舌触り、濃厚だが上品かつ濃い旨み、儚く消えるあと味、素晴らしいです
⑫小鰭(千葉県船橋三番瀬産) 産卵は春、小鰭の旬は夏、出世魚、寿命3年 美しい皮目、何より香りが良い 塩振りと〆具合は旨みのバランスが絶妙 脂の旨みも豊潤で素直に美味しい
お酒④龜田 純米大吟醸 辛口 地酒道楽(千葉) 米品種:兵庫県産山田錦100%、精米歩合:40%
⑬昆布〆細魚(千葉県竹岡産) 産卵は春~夏、旬は冬 昆布〆でもその香りを感じさせず、細魚の良さを生かした仕込み 高岡大将は間違いなく香りに敏感なのだと思う
⑭近海本鮪の赤身(千葉県勝浦産、桶長、147kg)ヅケ 近海本鮪の産卵は春~夏、旬は初秋~冬 赤身独特の風味とコクがあります 軽く漬けにされておりますが、酸味が微かにあり、旨みが華やか
⑮近海本鮪の中トロ(千葉県勝浦産、桶長、147kg) 艶々とした脂が口に入れると滑らかに溶け、形 が無くなります 身にきめ細かく入った脂のサシが美しく、更なる旨みと甘み、微かな酸味を感じます
お酒⑤サロン・ル・メニル・ブラン・ド・ブラン・ブリュット2012(シャンパーニュ、フランス)《別会計》 葡萄品種:シャルドネ100% 一番好きなシャンパーニュ、やはり素晴らしい
⑯近海本鮪の大トロ(千葉県勝浦産、桶長、147kg) 脂がのった大トロ、滑らかな脂が溶け出す 赤身→中トロ→大トロと徐々に同系統の味わいが濃く強くなるが、旨みを求めて過ぎたる脂を求めないのが素晴らしい
⑰墨烏賊(正式名:甲烏賊、千葉県富津産) 産卵は春~初夏、旬は冬~春、寿命1年 活かって噛むとパキッとしてますが、少し寝かせて適度に軟らかくすると同時に甘みも引き出されています
⑱煮大和蛤(千葉県富津産) 今や幻の内房産の大和蛤は非常に軟らかく薄味で煮られ、噛む毎に身の中から旨みが溢れ出す 蛤の味わいもいいいですが、穏やかで甘さを控えめにしたツメも好み
⑲真鯵(千葉県金谷産、昼水揚げ) 身が脂で濃いピンクに、肉厚で脂のりが過去1番に凄まじい! だけでなく、滋味も深く濃く、悶絶もの でも後味はスッキリとしており絶妙のバランス
⑳茹で立て車海老(千葉県竹岡産) 産卵は初夏~初秋、旬は初夏~初秋 茹で立てに絶妙な冷ましを施し、軽めのヅケを施してあり、深みのある海老の旨みと甘みを楽しみます
㉑塩水蝦夷馬糞雲丹(北海道浜中産) 産卵は夏~秋、旬は初夏~夏 舌の上に5秒ホールドして味わう 濃厚な甘みとコク、同じ浜中産でも養殖はクリアな味わいでひたすら甘く、複雑な余韻は訪れません
㉒煮穴子(千葉県富津産) 産卵は初夏~初秋、旬は夏~秋 ふわふわと軟らかく一気に拡がる旨み、江戸前の真穴子の実力、強くないツメもたかおか流で好みです
㉓お味噌汁、車海老の頭と鮪節と昆布出汁 信州の白味噌に少し赤味噌を加え、車海老の殻に利尻昆布、鮪節で出汁取り 優しい味を幾重にも重ねて作られています かなり飲んでから写真を撮って無いことに気付く
㉔玉(す海老【正式名:葦海老】と自然薯入り) しっとり軟らか、ほんのりと甘い 葦海老の旨みと甘みに、複雑に配合された出汁も入っていそうです
㉕干瓢海苔巻き《追加》 握りっていない分だけシャリの美味しさを素直に感じ取れます 外側が硬めで中が軟らかく、尚且つ、ほんの少し芯を残した炊き上がり
2024/01/21 更新
2023/11 訪問
美しき旋律♪素晴らしき郷土愛、沁々と感動
JR東京駅から徒歩4分の東京ミッドタウン八重洲(2023年3月10日開業)の3階に出店された「千葉たかおか」さん、店主は高岡千春氏。
銀座「志乃多寿司」さんで修行した後に創業。
千葉市で「たかおか」さんを2013年~2023年1月まで営まれていました。
近代的なビルの中に突如現れる白壁に木の扉。
看板は扉に小さく表示され、知らない人は何のお店?と訝しがって遠巻きに眺めています。
扉を開けると導入の小径と「落花生」を形取った和紙シャンデリア。
そして土壁は高岡大将が栽培するシャリのお米「高岡米」の田圃の土を使っています。
千葉への愛が凄過ぎる!
店内は白木カウンター6席、板場の背面は漆塗りの板がズラリと並びます。
これは千葉のお店から持ち込まれており、既視感が強いですね。
東京でも引き続き、コンパクトで上質な空間の中でゆったりと寛いて楽しむことが出来ます。
肴と握りの旋律、最初から最後まで強過ぎず弱過ぎず、全体で一つの作品として仕上がっているのは今までも同じなのですが、今回もまた更に美味しくなっていて驚きました。
たかおかサンの私なりの楽しみ方をまとめました。
【1】魚
今回は本鮪も含め千葉の地魚で内房の東京湾、外房の太平洋と多種多様な魚種から旬で状態の良いものを厳選して使われています。
寝かせは全体的に浅く、旬の魚の香りを引き立てる様な丁寧な仕込みを施し、透明感のある旨みを導き出しています。
【2】出汁
多種多様な魚介から出汁を取られていますが、生臭さを感じたことは1度もありません。
また魚の漬けをその骨やアラから出汁を取った漬け汁で行うため、その魚を濃縮還元した様な旨みを感じつつも、透明感を維持しています。
【3】シャリ
大将自らが千葉県鴨川で栽培するコシヒカリを千葉県鴨川の天然水で炊き上げる拘り。
シャリは硬めで米酢と赤酢のブレンドしたシャリ、酸味は弱めで口腔でホロっと崩れ数回噛む内に消え去ります。
ソフトで丁寧な握り方だと思います。
私の経験ではここのシャリが1番硬いのですが、ここのシャリが1番好きです♪
今回はソロソロ食べログ活動がバレそうなので、御祓と恩赦を狙って結婚記念日に妻と二人で訪問、一番好きなお鮨屋さんで起死回生となるでしょうか。
( *´艸`)
お料理代35,000円×2人+お酒代で合計76,100円也。
写真に解説を付けています。
因みに妻曰く「魚を目一杯食べたのに口の中が全く魚臭くない!それなのに魚の味わいをトコトン楽しめた!」と驚愕してました。
ご馳走さま、幸せでした。
先付けとして
○ガリ、若布、薄切り酢蓮根、自家製ポン酢
肴
①焚き水蛸
②高岡米の藁で炙った上り鰹、摺り分葱載せ
③炭火焼き白甘鯛
④蒸し安納芋
⑤煮鮟肝(朝水揚げ)
⑥真鯵(千葉県金谷産、昼水揚げ)、自家栽培刻み白葱和え
⑦大和蛤の出汁茶碗蒸し
⑧炭火炙り棒寿司の磯辺巻き
⑨炭火炙り自家製味噌漬け唐墨
握り
⑩金目鯛のヅケ
⑪小鰭
⑫縞鯵
⑬本鮪の赤身
⑭本鮪の腹の中トロ
⑮本鮪の大トロ
⑯墨烏賊(正式名:甲烏賊)
⑰煮大和蛤
⑱真鯵(昼水揚げ)
⑲茹で立て車海老
⑳塩水蝦夷馬糞雲丹
㉑煮穴子
㉒お味噌汁、車海老の頭と鮪節と昆布出汁
㉓玉
お酒
①ハーヴェストムーン、ペルジャンスタイルウイート(舞浜地ビール工房、千葉)
②東灘 actiba 火入 生酛純米大吟醸 千葉日本酒活性化プロジェクト(千葉)
③龜田 純米大吟醸 辛口 地酒道楽(千葉)
④鳴海 特別純米 生酛作り 直詰め生(千葉)
⑤仁勇 純米酒(千葉)
JR東京駅から徒歩4分の東京ミッドタウン八重洲(2023年3月10日開業)の3階に出店された「千葉たかおか」さん、店主は高岡千春氏 近代的なビルの中に突如現れる白壁に木の扉、看板は扉に小さく表示
白木カウンター6席、板場の背面は漆塗りの板がズラリと並びます 千葉のお店から持ち込まれており、既視感が強いですね 東京でも引き続き、コンパクトで上質な空間の中でゆったりと寛いて楽しむことが出来ます
お酒①ハーヴェストムーン、ペルジャンスタイルウイート(舞浜地ビール工房、千葉)
○ガリ しっそりと秘めやかに、沁々と美ウマい!
○ガリ、若布(千葉県保田)、薄切り酢蓮根(千葉県香取)、自家製ポン酢 肴が始まる前にビールを頂きながら少しずつ オーケストラの演奏が始まる前の楽器の音出しの様にしっそりと秘めやかに!沁々と美味しい
お酒②東灘 actiba 火入 生酛純米大吟醸 千葉日本酒活性化プロジェクト(千葉) 米品種:千葉県産有機栽培山田錦%、精米歩合:50%
①焚き水蛸(千葉県銚子産) 産卵は初夏~夏、旬は通年、寿命3~4年 水蛸は水分が多いので脱水と寝かせが重要 水蛸自体の薫りが素晴らしい! 真蛸より軟らかな歯応え、旨みが拡がります
②高岡米の藁で炙った戻り鰹(千葉県銚子産)、摺り分葱載せ 日本近海本鰹の産卵は夏 自家栽培した藁で燻した芳ばしい薫り、戻り鰹は脂がのり、モチッとした食感と濃厚な旨みが拡がります
③炭火焼き白甘鯛(千葉県鴨川産) ④蒸し安納芋(千葉県館山産)
③炭火焼き白甘鯛(千葉県鴨川産) 焼いた白甘鯛の頭と骨で取った出汁に漬け込まれ、白甘鯛の濃さをより凝縮 鱗と皮を引きつつも、表面の皮下の薄皮は残してあり、滋味ある脂がしっかり楽しめます
④蒸し安納芋(千葉県館山産) 軟らかく蒸された安納芋はシルキーで土の香りをまとった豊かな甘みがあります シルクスイートよりも力強い様な気がします
⑤煮鮟肝(千葉県銚子産、朝水揚げ) 産卵は春~初夏、旬は通年、特に晩冬 湯気が立つ煮立ての鮟肝を目前で切り分け 形を保っているものの、口腔内でスッと溶ける コクのある旨みと円やかな甘みに染々と唸る
お酒③龜田 純米大吟醸 辛口 地酒道楽(千葉) 米品種:兵庫県産山田錦100%、精米歩合:40%
⑥真鯵(千葉県金谷産、昼水揚げ)、自家栽培刻み白葱(千葉県鴨川産)和え 産卵は春~夏、旬は秋~冬 活かったコリ感とねっとりした旨みと滋味が同居し、短時間でどう仕込んだらこうなるのか? 不思議でならない
⑦大和蛤(千葉県船橋三番瀬産)の出汁茶碗蒸し 朝鮮蛤は輪郭のハッキリした旨みですが、大和蛤は円やかな旨みという印象 この茶碗蒸しの蛤出汁は濃く深い旨みが凝縮されており、目が醒める様なインパクト
⑧炭火炙り真鯖(千葉県富津産)棒寿司 網上の炭火をギリギリまで近付け、鯖の脂をジュウジュウと焦がす その微かな美味しい音に思わず聞き耳を立てる 見て、薫って、聴いて、そして食べる、至福の時間です
⑧炭火炙り真鯖(千葉県富津産)棒寿司の磯辺巻き 産卵は春~初夏、旬は秋~冬 サシが入り軟らかくも弾力があります 提供の流れと味わいの濃淡の変化、五感が刺激され至福なひととき
⑨炭火炙り自家製味噌漬け唐墨(鰡の卵、千葉県富津産) 炙られることにより芳ばしく香り、内側から旨みが凝縮した汗が浮かんでいます 塩抜きも完璧で6年味醂に漬け込んだ落ち着いた旨みと甘み
⑩金目鯛(千葉県銚子産)のヅケ 骨とあらで取った出汁で漬け込まれ、金目鯛の美味しさが凝縮、皮目が鮮やかな朱色で美しい 軟らかな舌触り、濃厚だが上品かつ濃い旨み、儚く消えるあと味、素晴らしいです
⑪小鰭(千葉県船橋三番瀬産) 産卵は春、小鰭の旬は夏、出世魚、寿命3年 美しい皮目、何より香りが良い 塩振りと〆具合は旨みのバランスが絶妙 脂の旨みも豊潤で素直に美味しい
お酒④鳴海 特別純米 生酛作り 直詰め生(千葉) 米品種:富山県産五百万石100%、精米歩合:60%
⑫縞鯵(千葉県鴨川産、11日熟成) 産卵は秋~冬、旬は夏~秋 珍しく熟成させた縞鯵、白身の部分にもキメ細やかなサシが入り、脂がのって旨味も抜群 ネットリした食感ながらもスッキリとした後味で軽やかです
⑬本鮪の赤身(千葉県銚子産、163kg) 近海本鮪の産卵は春~夏、旬は初秋~冬 赤身独特の風味とコクがあります 軽く漬けにされておりますが、酸味が微かにあり、旨みが華やか
⑭本鮪の腹の中トロ(千葉県銚子産、163kg) 艶々とした脂が口に入れると滑らかに溶け、形 が無くなります 身にきめ細かく入った脂のサシが美しく、更なる旨みと甘み、微かな酸味を感じます
⑮本鮪の大トロ(千葉県銚子産、163kg) 脂がのった大トロ、滑らかな脂が溶け出す 赤身→中トロ→大トロと徐々に同系統の味わいが濃く強くなっていますが、旨みを求めて過ぎたる脂を求めないのが素晴らしい
⑯墨烏賊(正式名:甲烏賊、千葉県富津産) 産卵は春~初夏、旬は冬~春、寿命1年 活かって噛むとパキッとしてますが、少し寝かせて適度に軟らかくすると同時に甘みも引き出されています
お酒⑤仁勇 純米酒(千葉) 米品種:美山錦、その他国産米、精米歩合:70%
⑰煮大和蛤(千葉県船橋三番瀬産) 今や幻の内房産の大和蛤は非常に軟らかく薄味で煮られ、噛む毎に身の中から旨みが溢れ出す 蛤の味わいもいいいですが、穏やかで甘さを控えめにしたツメも好み
⑱真鯵(千葉県金谷産、昼水揚げ) 身が脂で濃いピンクに、肉厚で脂のりが過去1番に凄まじい! だけでなく、滋味も深く濃く、悶絶もの でも後味はスッキリとしており絶妙のバランス
⑲茹で立て車海老(千葉県竹岡産) 産卵は初夏~初秋、旬は初夏~初秋 茹で立てに絶妙な冷ましを施し、軽めのヅケを施してあり、深みのある海老の旨みと甘みを楽しみます
⑳塩水蝦夷馬糞雲丹(北海道昆布森産) 産卵は夏~秋、旬は初夏~夏 舌の上に5秒ホールドして味わう 濃厚な甘みとコク、同じ浜中産でも養殖は只管甘いのですが、天然らしく後味に複雑な余韻が顔を出します
㉑煮穴子(千葉県富津産) 産卵は初夏~初秋、旬は夏~秋 ふわふわと軟らかく一気に拡がる旨み、江戸前の真穴子の実力、強くないツメもたかおか流で好みです
㉒お味噌汁、車海老の頭と鮪節と昆布出汁 信州の白味噌に少し赤味噌を加え、車海老の殻に利尻昆布、鮪節で出汁取り 優しい味を幾重にも重ねて作られています
㉓玉(す海老【正式名:葦海老】と自然薯入り) しっとり軟らか、ほんのりと甘い 葦海老の旨みと甘みに、複雑に配合された出汁も入っていそう
2023/11/05 更新
2023/04 訪問
美しき旋律、美しき感動♪美しき郷土愛!
東京ミッドタウン八重洲(2023年3月10日開業)の3階に出店された「千葉たかおか」さん。
店主は高岡千春氏。
銀座「志乃多寿司」さんで修行した後に創業。
千葉市で「たかおか」さんを2013年~2023年1月まで営まれていました。
落ち着いたら千葉のお店も限定営業されるかも?
近代的なビルの中に突如現れる白壁に木の扉。
看板は扉に小さく表示され、知らない人は何のお店?と訝しがって遠巻きに眺めています。
扉を開けると導入の小径と「落花生」を形取った和紙シャンデリア。
そして土壁は高岡大将が栽培するシャリのお米「高岡米」の田圃の土を使っています。
千葉への愛が凄過ぎる!
店内は白木カウンター6席、板場の背面は漆塗りの板がズラリと並びます。
これは千葉のお店から持ち込まれており、既視感が強いですね。
東京でも引き続き、コンパクトで上質な空間の中でゆったりと寛いて楽しむことが出来ます。
肴と握りの旋律、最初から最後まで強過ぎず弱過ぎず、全体で一つの作品として仕上がっているのは今までも同じなのですが、今回もまた更に美味しくなっていて驚きました。
写真で見ても全く分かりませんけどね。(笑)
たかおかサンの私なりの楽しみ方をまとめました。
【1】魚
今回は本鮪も含め千葉の地魚で内房の東京湾、外房の太平洋と多種多様な魚種から旬で状態の良いものを厳選して使われています。
寝かせは全体的に浅く、旬の魚の香りを引き立てる様な丁寧な仕込みを施し、透明感のある旨みを導き出しています。
【2】出汁
多種多様な魚介から出汁を取られていますが、生臭さを感じたことは1度もありません。
また魚の漬けをその骨やアラから出汁を取った漬け汁で行うため、その魚を濃縮還元した様な旨みを感じつつも、透明感を維持しています。
【3】シャリ
大将自らが千葉県鴨川で栽培するコシヒカリを千葉県鴨川の天然水で炊き上げる拘り。
シャリは硬めで米酢と赤酢のブレンドしたシャリ、酸味は弱めで口腔でホロっと崩れ数回噛む内に消え去ります。
ソフトで丁寧な握り方だと思います。
私の経験ではここのシャリが1番硬いのですが、ここのシャリが1番好きです♪
お料理代35,000円+お酒代で合計40,540円也。
写真に解説を付けています。
ご馳走さま、幸せでした。
先付けとして
○ガリ、若布、薄切り酢蓮根、自家製ポン酢
肴
①焚き水蛸
②高岡米の藁で炙った上り鰹、摺り分葱載せ
③青柳
④炭火焼き赤甘鯛
⑤蒸し安納芋
⑥鮟肝
⑦真鯵、自家栽培刻み葱和え
⑧大和蛤の出汁茶碗蒸し
⑨炭火炙り太刀魚棒寿司の磯辺巻き
⑩炭火炙り自家製唐墨
握り
⑪金目鯛のヅケ
⑫小鰭
⑬本鮪の赤身
⑭本鮪の腹の中トロ
⑮本鮪の大トロ
⑯墨烏賊(正式名:甲烏賊)
⑰春日子(真鯛の幼魚)
⑱煮大和蛤
⑲真鯵
⑳茹で立て車海老
㉑塩水蝦夷馬糞雲丹
㉒煮穴子
㉓お味噌汁、車海老の頭と鮪節と昆布出汁
㉔玉
㉕干瓢巻き【追加】
お酒
①ハーヴェストムーン、ペルジャンスタイルウイート(舞浜地ビール工房、千葉)
②不動 山田錦35 純米大吟醸 生原酒(千葉)
③竹岡 備前雄町 純米大吟醸(千葉)
④仁勇 純米酒(千葉)
⑤福祝 山田錦55%磨き 特別純米酒(千葉)
東京ミッドタウン八重洲(2023年3月10日開業)の3階に出店された「千葉たかおか」さん 店主は高岡千春氏
東京ミッドタウン八重洲の3階に出店された「千葉たかおか」さん 近代的なビルの中に突如現れる白壁に木の扉と暖簾 看板は扉に小さく表示 知らない人は何のお店?と訝しがって遠巻きに眺めています
扉を開けると導入の小径と「落花生」を形取った和紙シャンデリア そして土壁は高岡大将が栽培するシャリのお米「高岡米」の田圃の土を使っています 千葉への愛が凄過ぎる!
店内は白木カウンター6席、板場の背面は漆塗りの板がズラリと並ぶ 千葉のお店から持ち込まれており既視感が強いですね 東京でも引き続き、コンパクトで上質な空間の中でゆったりと寛いて楽しむことが出来ます
お酒①ハーヴェストムーン、ペルジャンスタイルウイート(舞浜地ビール工房)
○ガリ、若布(千葉県保田)、薄切り酢蓮根(千葉県香取)、自家製ポン酢 肴が始まる前にビールを頂きながら少しずつ オーケストラの演奏が始まる前の楽器の音出しの様にしっそりと秘めやかに しみじみと美味しい
○ガリ、若布(千葉県保田)、薄切り酢蓮根(千葉県香取)、自家製ポン酢 肴が始まる前にビールを頂きながら少しずつ オーケストラの演奏が始まる前の楽器の音出しの様にしっそりと秘めやかに しみじみと美味しい
お酒②不動 山田錦35 純米大吟醸 生原酒(千葉) 米品種:兵庫県産山田錦100%、精米歩合:35%
①焚き水蛸(千葉県銚子産) 産卵期は初夏~夏、旬は通年、寿命3~4年 水蛸は水分が多いので脱水と寝かせが重要 水蛸自体の薫りが素晴らしい! 真蛸より軟らかな歯応え、旨みが拡がります
②高岡米の藁で炙った上り鰹(千葉県勝浦産)、摺り分葱載せ 日本近海本鰹の産卵は夏 自家栽培した藁で燻した芳ばしい薫り、上り鰹は脂が軽やかでモチモチ食感 透明感のある美しさも素晴らしい
③青柳(千葉県木更津産) 産卵は早春~夏、旬は春 ほのかな磯の香り、蕩ける様な消え去り方 以前は弾力があったが劇的に変化 煮過ぎでもなく貝類が蕩ける、味わいは透明感があり、甘み&旨みが豊か、激ヤバです
④炭火焼き赤甘鯛(千葉県竹岡産) 焼いた赤甘鯛の頭と骨で取った出汁に漬け込まれ、赤甘鯛の濃さをより凝縮 鱗と皮を引きつつも、表面の皮下の薄皮は残してあり、滋味ある脂がしっかり楽しめます
⑤蒸し安納芋(千葉県鴨川産) 軟らかく蒸された安納芋はシルキーで土の香りをまとった豊かな甘みがあります シルクスイートよりも力強い様な気がします
⑥鮟肝(千葉県銚子産) 産卵は春~初夏、旬は通年、特に晩冬 湯気が立つ煮立ての鮟肝を目前で切り分け 形を保っているものの、口腔内でスッと溶ける コクのある旨みと円やかな甘みに染々と唸る
お酒③竹岡 備前雄町 純米大吟醸(千葉) 品種:岡山県産雄町100%、精米歩合:50%
⑦真鯵(千葉県金谷産、11時水揚げ)、自家栽培刻み葱(千葉県産)和え 産卵は春~夏、旬は秋~冬 活かったコリ感とねっとりした旨みと滋味が同居し、短時間でどう仕込んだらこうなるのか? 不思議でならない
⑧大和蛤(千葉県木更津産)の出汁茶碗蒸し 朝鮮蛤は輪郭のハッキリした旨みで大和蛤は円やかな旨みという印象ですが、この茶碗蒸しの蛤出汁は濃く深い旨みが凝縮されており、目が醒める様なインパクト
⑨炭火炙り太刀魚(千葉県竹岡産) 網上の炭火をギリギリまで近付け、太刀魚の脂をジュウジュウと焦がす 微かな美味しい音に思わず聞き耳を立てる 見て、薫って、聴いて、食べる 五感を刺激する美味しさ
⑨炭火炙り太刀魚(千葉県竹岡産)棒寿司の磯辺巻き 産卵は春~秋、旬は通年、特に晩冬 加熱で脂が活性化し旨みが増しており、フワフワな食感も○ 五感が刺激され至福なひととき
⑩炭火炙り自家製唐墨(千葉県金田産) 炙られることにより芳ばしく香り、内側から旨みが凝縮した汗が浮かんでいます。 塩抜きも完璧で6年味醂に漬け込んだ落ち着いた旨みと甘み
⑪金目鯛(千葉県銚子産)のヅケ 産卵は夏、旬は秋~晩冬 骨とあらで取った出汁で漬け込まれ、金目鯛の美味しさが凝縮、皮目が鮮やかな朱色で美しい 軟らかな舌触り、濃厚だが上品かつ濃い旨み、儚く消える後味
⑫小鰭(千葉県船橋三番瀬産) 産卵は春、小鰭の旬は夏、出世魚、寿命3年 美しい皮目、何より香りが良い 塩振りと〆具合は旨みのバランスが絶妙 脂の旨みも豊潤で素直に美味しい
お酒④仁勇 純米酒(千葉) 品種:美山錦&他の酒造好適米、精米歩合:70%
⑬本鮪(千葉県銚子産、130kg、延縄)の赤身 近海本鮪の産卵は春~夏、旬は初秋~冬 赤身独特の風味とコクがあります 軽く漬けにされておりますが、酸味が微かにあり、旨みが華やか
⑭本鮪(千葉県銚子産、130kg、延縄)の腹の中トロ 艶々とした脂が口に入れると滑らかに溶け、形が無くなります 身にきめ細かく入った脂のサシが美しく、更なる旨みと甘み、微かな酸味を感じます
⑮本鮪(千葉県銚子産、130kg、延縄)の大トロ 脂がのった大トロ、滑らかな脂を予感 赤身→中トロ→大トロとまるでピアノ→メゾフォルテ→フォルテと徐々に同系統の味わいが濃く強くなっています
⑯墨烏賊(正式名:甲烏賊、千葉県富津産)、酢橘果汁掛け 産卵は春~初夏、旬は冬~春、寿命1年 活かって噛むとパキッとしてますが、少し寝かせて適度に軟らかくすると同時に甘さも引き出されています
⑰春日子(真鯛の幼魚、千葉県銚子産) 真鯛は全て雌で生まれるので春日子は全て雌 手間の掛かるネタで最近はあまり見ない、鮨屋として良心が現れるネタ 久々に丁寧な仕込みの清んだ旨みを堪能
お酒⑤福祝 山田錦55%磨き 特別純米酒(千葉) 米品種:兵庫県産山田錦100%、精米歩合:55%
⑱煮大和蛤(千葉県木更津産) 今や幻の内房産の大和蛤は非常に軟らかく薄味で煮られ、噛む毎に身の中から旨みが溢れ出す 蛤の味わいもいいいですが、穏やかで甘さを控えめにしたツメも好み
⑲真鯵(千葉県金谷産、11時水揚げ) 身が脂で淡いピンクに、肉厚で脂のりが凄まじい! だけでなく、滋味も深く濃く、悶絶もの でも後味はスッキリとしており絶妙のバランス
⑳茹で立て車海老(千葉県竹岡産) 産卵は初夏~初秋、旬は初夏~初秋。 茹で立てに絶妙な冷ましを施し、軽めのヅケを施してあり、深みのある海老の旨みと甘みを楽しみます
㉑塩水蝦夷馬糞雲丹(北海道浜中、天然) 産卵期は夏~秋、旬は初夏~夏 濃厚な甘みとコク、同じ浜中産でも養殖は只管甘いのですが、天然らしく後味に複雑な余韻が顔を出します
㉒煮穴子(千葉県富津産) 産卵は初夏~初秋、旬は夏~秋 ふわふわと軟らかく一気に拡がる旨み これが江戸前の穴子の実力 強くないツメもたかおか流で好みです
㉓お味噌汁、車海老の頭と鮪節と昆布出汁 信州の白味噌に少し赤味噌を加え、車海老の殻に利尻昆布、鮪節で出汁取り 優しい味を幾重にも重ねて作られています
㉔玉(す海老【正式名:葦海老】と自然薯入り) しっとり軟らか、ほんのりと甘い 葦海老の旨みと甘みに、複雑に配合された出汁も入っていそうです
㉕干瓢巻き【追加】 握りっていない分だけシャリの美味しさを素直に感じ取れます 外側が硬めで中が軟らかく、尚且つ、ほんの少し芯を残した炊き上がり
2023/11/05 更新
JR東京駅から徒歩4分の東京ミッドタウン八重洲(2023年3月10日開業)の3階に出店された「千葉たかおか」さん、店主は高岡千春氏。
銀座「志乃多寿司」さんで修行した後に創業。
千葉市で「たかおか」さんを2013年~2023年1月まで営まれていました。
近代的なビルの中に突如現れる白壁に木の扉。
看板は扉に小さく表示され、知らない人は何のお店?と訝しがって遠巻きに眺めています。
扉を開けると導入の小径と「落花生」を形取った和紙シャンデリア。
そして土壁は高岡大将が栽培するシャリのお米「高岡米」の田圃の土を使っています。
千葉への愛が凄過ぎる!
店内は白木カウンター6席、板場の背面は漆塗りの板がズラリと並びます。
これは千葉のお店から持ち込まれており、既視感が強いですね。
東京でも引き続き、コンパクトで上質な空間の中でゆったりと寛いて楽しむことが出来ます。
肴と握りの旋律、最初から最後まで強過ぎず弱過ぎず、全体で一つの作品として仕上がっているのは今までも同じなのですが、今回もまた更に美味しくなっていて驚きました。
たかおかサンの私なりの楽しみ方をまとめました。
【1】魚
今回は本鮪も含め千葉の地魚で内房の東京湾、外房の太平洋と多種多様な魚種から旬で状態の良いものを厳選して使われています。
寝かせは全体的に浅く、旬の魚の香りを引き立てる様な丁寧な仕込みを施し、透明感のある旨みを導き出しています。
【2】出汁
多種多様な魚介から出汁を取られていますが、生臭さを感じたことは1度もありません。
また魚の漬けをその骨やアラから出汁を取った漬け汁で行うため、その魚を濃縮還元した様な旨みを感じつつも、透明感を維持しています。
【3】シャリ
大将自らが千葉県鴨川で栽培するコシヒカリを千葉県鴨川の天然水で炊き上げる拘り。
シャリは硬めで米酢と赤酢のブレンドしたシャリ、酸味は弱めで口腔でホロっと崩れ数回噛む内に消え去ります。
ソフトで丁寧な握り方だと思います。
私の経験ではここのシャリが1番硬いのですが、ここのシャリが1番好きです♪
お料理代35,000円+お酒代で合計39,450円也。
写真に解説を付けています。
ご馳走さま、幸せでした。
先付けとして
○ガリ、若布、薄切り酢蓮根、自家製ポン酢
肴
①焚き水蛸
②高岡米の藁で燻した戻り鰹、摺り分葱載せ
③青柳
④蒸し安納芋
⑤炭火焼き赤甘鯛
⑥煮鮟肝
⑦真鯵、青葱和え
⑧大和蛤の出汁茶碗蒸し
⑨炭火炙り真鰯棒寿司の磯辺巻き
握り
⑩赤鯥(アカムツ、別称:ノドグロ)
⑪小鰭
⑫縞鯵
⑬近海本鮪の赤身のヅケ
⑭近海本鮪の中トロ
⑮近海本鮪の大トロ
⑯墨烏賊(正式名:甲烏賊)
⑰煮大和蛤
⑱真鯵
⑲茹で立て車海老
⑳塩水蝦夷馬糞雲丹
㉑煮真穴子
㉒お味噌汁【写真撮り忘れ】
㉓玉
㉔干瓢海苔巻き《追加》