「うどん」で検索しました。
1~7 件を表示 / 全 7 件
先日、香川に立ち寄った際に訪れた「瀬戸晴れ」さんでいただいた「かけうどん(冷)」が、あまりに印象深かったのでレビューを書きます。結論から言うと、ここは文句なしの☆5。讃岐うどん好きとして、また地元に縁のある者としても、胸を張っておすすめできる一杯でした。 まず目に飛び込んできたのは、澄みきった黄金色のだし。器の中に美しく整えられたうどんが収まっていて、見た目からして凛とした空気をまとっています。写真でも伝わると思いますが、無駄を削ぎ落としたシンプルさの中に職人の心意気を感じました。別皿で添えられた刻みねぎの緑が、さらに彩りを添えています。 実際に口にしてまず驚いたのが、だしの清らかさ。いりこがベースと思われますが、えぐみや雑味がまったくなく、スッと身体に染み入るような優しい味わいです。冷たいだしだからこそ、その透明感や旨みが際立っていて、一口飲むたびに「もう一口」と自然に手が伸びます。醤油の角が立たず、塩加減も絶妙で、暑い日にぴったりの仕上がりでした。 麺はというと、これがまた素晴らしい。コシがありながらも硬すぎず、噛むとムギュッとした弾力と小麦の甘みがじんわり広がります。冷水で締められているので、表面はつるりと滑らか。のどごしが軽やかで、気づけば夢中で箸を進めていました。讃岐うどんといえば力強さを前面に出した麺を思い浮かべがちですが、「瀬戸晴れ」のうどんは力強さと上品さのバランスが絶妙で、飽きが来ません。 薬味のねぎを加えると、爽やかな香りがだしに溶け込み、また違った表情を見せてくれます。途中で七味を少し加えると、辛みがアクセントになり、最後まで楽しめました。シンプルな「かけうどん」だからこそ、ごまかしのきかない実力が試されると思いますが、その期待を大きく超えてくる完成度でした。 店内は木の温もりを感じる落ち着いた雰囲気で、清潔感もあり居心地が良かったです。地元の方らしき常連さんも多く、さっと食べて出ていく方もいれば、じっくり味わっている方もいて、生活に根付いた店だと感じました。接客も柔らかく、初めての訪問でも自然とリラックスできました。 個人的に「うどん=お腹を満たすもの」というより「心を整えてくれるもの」という感覚を強く持ったのは久しぶりです。派手なトッピングや奇をてらったアレンジは一切なく、素材と技術と真心だけで勝負しているからこそ、ここまで心に残る一杯になるのだと思います。 正直、この一杯だけを目当てに香川を再訪しても後悔はない、と断言できるほど。讃岐うどんの原点を感じたい方、シンプルだからこそ奥深い一杯を求める方にはぜひ訪れてほしいお店です。自分にとっては間違いなく「特別なうどん」として記憶に残りました。ごちそうさまでした。
2025/09訪問
1回
牧のうどん ★★★★☆(4.0) 昼下がり、風が少し冷たくなり始めた頃。仕事で少し疲れた身体を引きずるように車を走らせ、辿り着いたのが「牧のうどん」だった。暖簾をくぐると、出汁の香りがふわりと鼻をくすぐる。あの香りは、どんなに疲れていても、人の心をやわらかくする。まるで実家に帰ってきたような安心感がある。 注文したのは「ごぼう天うどん」。ほどなくして運ばれてきた丼は、見た目こそ素朴だが、その中には九州のやさしさが詰まっていた。白く艶のある太めのうどんが、湯気を立てながら静かに沈んでいる。スープの色は透き通るような薄金色。まずは一口。昆布といりこ、そして鰹の香りが穏やかに舌を包み、ふっと肩の力が抜ける。塩気は控えめで、だし本来の旨味がじんわりと広がっていく。 麺を箸で持ち上げると、ずっしりとした重み。牧のうどん独特の“増える麺”は、噛むたびにもちもちとした弾力を返してくる。食べ進めるうちに、スープを吸って少しずつ柔らかくなっていくのが面白い。急ぐ必要はない。時間とともに変わるうどんの表情を楽しむ。そんなゆるやかな食事のリズムが、この店にはよく似合う。 ごぼう天は衣が厚めで、ほのかに甘く、かりっと揚がっている。出汁を吸うと柔らかくなり、香ばしさの中にやさしい旨味が滲み出す。その上に添えられた天かすが、油の香りをほんの少し足してくれる。見た目以上に計算された一杯だと思う。卓上のポットから、冷めた分の出汁を継ぎ足しながら食べるスタイルも、この店ならではの儀式のように感じた。 まわりを見渡すと、作業着姿の男性、学生風のグループ、年配の夫婦。それぞれが思い思いの時間を過ごしている。誰もが静かに麺をすする音だけが響く。そんな空間に身を置くと、なんだか自分もこの街の一部になったような錯覚を覚える。 食べ終えたあと、丼の底にわずかに残る出汁を見つめていると、なぜか心が少しあたたかくなった。派手さはない。でも、確かにここには“帰ってきたくなる味”がある。そう思わせる力が、牧のうどんにはある。
2025/10訪問
1回
名代伊勢うどん山口屋は、昭和初期創業の老舗で、伊勢市内で長年にわたり愛されている伊勢うどんの名店です。2023年7月23日には新たな場所に移転オープンし、以前の店舗から西へ50~60メートル進んだ場所に位置しています。  店内は新築されたばかりで清潔感があり、カウンター席とテーブル席が設けられており、一人でも複数人でも訪れやすい雰囲気です。 駐車場も完備されており、車での来店にも便利です。 山口屋の伊勢うどんは、自家製麺を使用している点が特長で、2019年にはミシュランガイドにも掲載されました。 極太で柔らかい麺に、甘めの濃いタレが絡み、独特の食感と風味を楽しむことができます。特に「月見伊勢うどん」は、生卵が加わることでタレがマイルドになり、初めて伊勢うどんを試す方にもおすすめです。  また、伊勢うどんだけでなく、てこね寿司やさめのたれなどの郷土料理も提供しており、「郷土食膳」としてセットメニューも人気です。 地元の方々だけでなく、観光客にも愛される山口屋は、伊勢を訪れる際にはぜひ立ち寄りたいお店の一つです。
2025/02訪問
1回
讃岐うどん 白庵 / かけうどんとり天セット 先日、阪急神崎川駅すぐの「白庵」さんへ初訪問!30代サラリーマン、うどん好きの自分にとって、ミシュラン掲載や食べログ百名店の実績は期待大。平日の昼過ぎに行ったけど、さすが人気店、店内はほぼ満席で活気あり! 注文したのは「かけうどんとり天セット」(価格は失念、確か1000円ちょっと?)。まず、うどんが登場してびっくり。澄んだいりこ出汁の香りがふわっと広がり、飲む前から幸せな気分。スープは伊吹島産いりこベースで、雑味ゼロの清涼感!コク深いのに後味さっぱりで、毎日でも飲みたい。麺は太めでモチモチ、コシがしっかりあって噛むたびに小麦の風味が広がる。固すぎない絶妙な食感が最高! とり天はジューシーでボリューム満点。衣はカリッと軽く、鶏肉は柔らかくて旨味たっぷり。量もちょうどよく、ガッツリ食べたいサラリーマンには大満足! 店員さんの対応もテキパキしてて、忙しい中でも笑顔が好印象。現金のみなのはちょっと注意かな。神崎川のローカル感ある立地なのに、このクオリティは感動もの。大阪で讃岐うどん食べるならココ!絶対また来ます!
2025/08訪問
1回
「ゆすら庵」は、特にカレーうどんが人気の店として知られています。この店のカレーうどんは、他では味わえない独特の美味しさがあります。 まず、カレースープは濃厚でありながらも、うどんとの相性を考えた絶妙なバランスが取れています。スパイスの風味が豊かで、カレーのコクと深みがしっかりと感じられますが、うどんのだしの旨味も見事に調和しています。辛さは程よく、カレーの香りとだしの風味が一体となり、非常に食欲をそそります。 うどんの麺は手打ちの太麺で、もちもちとした食感が特徴です。スープとの絡みが良く、一口食べるごとにカレーの風味が広がります。麺のコシもしっかりとしており、最後まで美味しくいただけます。 トッピングには、柔らかく煮込まれた牛肉やネギが乗っており、これがまたスープとの相性抜群です。牛肉はホロホロとした食感で、カレーのスパイスと絡み合い、豊かな旨味を引き出しています。ネギのシャキシャキとした食感と爽やかな風味が、カレーの濃厚さを程よく中和してくれます。 店内は和風の落ち着いた雰囲気で、静かに食事を楽しむことができます。カウンター席やテーブル席があり、一人でもグループでも気軽に訪れることができます。店員さんも親切で、丁寧なサービスを提供してくれます。 「ゆすら庵」のカレーうどんは、一度食べると忘れられない味わいです。特に、カレーのスパイスとだしの調和が見事で、他ではなかなか味わえない一品です。うどん好き、カレー好きのどちらにもおすすめできる、満足度の高い料理です。訪れる際には、ぜひこのカレーうどんを試してみてください。豊かな風味と食感が、心と体を温めてくれることでしょう。
2024/07訪問
1回
大阪のなんばウォークにある「うどん四國 東店」は、手軽に本格的なうどんを楽しめる人気の店です。特に「ちく天うどん」は、多くの常連客や観光客から高い評価を受けています。 まず、うどんの麺はしっかりとしたコシがあり、もちもちとした食感が特徴です。関西風のだしとの相性が良く、一口食べるとだしの香りと共にうどんの旨味が広がります。だしは昆布と鰹をベースにした上品な味わいで、程よい塩加減と旨味が絶妙に調和しています。 「ちく天」とは、ちくわの天ぷらのことです。揚げたてのちくわ天は外はサクサク、中はふんわりとしており、ほんのりとした甘さが特徴です。天ぷらの衣がサクサク感を保ちながらも、うどんのだしに少し浸ることで程よくしっとりし、絶妙なバランスが楽しめます。ちくわの風味がだしとよく合い、食べ進めるごとにその美味しさに引き込まれます。 うどんに加えて、青ねぎやおろし生姜、柚子の皮などがトッピングされており、それぞれがだしの風味を引き立てるアクセントとなっています。特に、生姜の爽やかな辛味と柚子の香りが、全体の味わいに深みを与えます。 店内は落ち着いた雰囲気で、カウンター席とテーブル席があり、一人でも気軽に立ち寄れる雰囲気です。スタッフも親切で、迅速なサービスを提供してくれます。 「うどん四國 なんばウォーク東店」の「ちく天うどん」は、シンプルながらも素材の良さと調理技術が光る一品です。大阪を訪れた際には、ぜひこの本格的なうどんを味わってみてください。温かいだしとサクサクのちくわ天の絶妙な組み合わせが、心も体も満たしてくれるでしょう。
2024/07訪問
1回
旅先での昼食というのは、不思議な重みを持つ。移動で少し疲れた体と、まだこの土地に馴染みきれていない心。その中間に、静かに差し出される一膳が、その日の印象を決めてしまうことがある。今回訪れた「ごはん屋 季譚」は、まさにそんな一軒だった。 訪れたのは昼どき。観光地の喧騒から少し外れた場所で、店の前に立つと、外の音が一段階落ちる。暖簾をくぐると、木の質感を生かした内装が目に入る。派手さはないが、丁寧に整えられた空間で、余計なものが視界に入らない。旅先でふと立ち寄った店として、理想的な距離感だと思った。 案内された席に腰を下ろし、「お刺身てんぷら御膳」を注文する。店内には、同じように旅行中らしき夫婦や、地元の方と思われる落ち着いた年齢層の客が多く、会話の音量も控えめ。どこか時間の流れが緩やかで、急かされる感じがない。こういう空気は、それだけで食事の味を底上げしてくれる。 ほどなくして運ばれてきた御膳は、写真で見ていた以上に整っていた。木の盆の上に、白いごはん、澄んだ色合いの椀物、刺身、天ぷら、小鉢が過不足なく並ぶ。主張しすぎない配置だが、一つひとつがきちんと役割を与えられているように見える。 まずは刺身から箸を伸ばす。透明感のある身は、角が立ちすぎておらず、包丁の入り方が穏やかだ。口に含むと、ひんやりとした温度とともに、魚の旨みが静かに広がる。醤油をつけすぎる必要がない。香りも強すぎず、旅の途中の昼食としてちょうどいい塩梅だった。 続いて天ぷら。衣は軽く、音を立てずに歯が入る。野菜と魚介、それぞれの素材感が残っていて、油の存在を意識させない。抹茶塩と天つゆが用意されているが、どちらも試したくなる。抹茶塩で食べると、衣の甘さが際立ち、天つゆでは出汁の輪郭が見えてくる。同じ天ぷらでも、表情が変わるのが面白い。 ごはんは粒立ちがよく、噛むとほのかな甘みがある。派手な主張はしないが、刺身や天ぷらを受け止める土台として、きちんと仕事をしている。椀物もまた静かで、喉を通るたびに体が少し落ち着いていく感覚があった。 小鉢や香の物も、添え物というより、食事の流れを整えるための句読点のような存在だ。途中で箸を休め、味覚をリセットする。その繰り返しが、御膳全体を最後まで心地よく食べさせてくれる。 接客は必要以上に踏み込まず、それでいて目が行き届いている。お茶が減るとさりげなく声をかけてくれ、料理の提供も間がいい。旅先では、こうした距離感がありがたい。こちらの時間を尊重してくれている感じがする。 食事を終える頃には、来店時に感じていた移動の疲れが、少しだけ軽くなっていた。派手な驚きや記憶に残る演出があるわけではない。ただ、きちんと美味しく、きちんと落ち着ける。その積み重ねが、結果として強い満足感につながっている。 「またこの土地に来たら、ここで昼を食べたい」。そう思える店は、意外と多くない。ごはん屋 季譚は、その数少ない一軒になった。旅の途中で立ち寄り、静かに腹と心を満たしてくれる場所として、長く記憶に残りそうだ。総合評価は5点。理由は単純で、食後に何も足したいと思わなかったからだ。