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私を和菓子好きに変えた、日本一美味しいと思う「一幸庵」さんの宝石たち
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青梅
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青梅 説明
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蛍草
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本日用意された上生菓子
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店舗外観
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2025/06/15 更新
初めて茗荷谷の駅に降り、伺ってから15年位経つと思います。
それまで、和菓子と云えば大福とどら焼きにしか興味が無く、全く別物の上生菓子を初めて購入したのは「一幸庵」さんでした。
軽い気持ちで「わらび餅」と繊細な細工の練切を購入。帰宅後、小箱を開ければ、店主さん(=旦那さんと呼ばれてますね)の、「作り手からしてみれば、時間を置かずに召し上がって頂きたい」と達筆なお願い事が綴られてました。
作り上げてから数時間経ちましたが、「わらび餅」の弾力、サラッとした餡との融合。溶ける様に儚く消えて行く余韻。”美味しい”以上の感情が溢れ出し、衝撃を受けました。
本わらび粉のみを使用し、その日の温度・湿度を見極め、練る工程の先に生まれる極上の美味しさに、唸ることしか出来ませんでした。
時を同じくして、日本三大菓子処(茶の湯文化として栄えた、京都・金沢・松江を指します)の京都への訪問が多くなり、一幸庵の旦那さんの修行先でもある「塩芳軒」、老舗且つ食べログトップクラス「嘯月」、「川端道喜」等のお店の和菓子を頂く機会に恵まれました。
名古屋(旦那さんと塩芳軒での同門「芳光」、旦那さんのもう一つの修行先「川口屋」)も含め、数十軒頂いてきましたが、私の舌は「一幸庵」さんが一番喜ぶのです。
和菓子は着物と一緒で暦を先取りします。
頂き損ねたら一年待たないといけません。その為、「一幸庵」さんの四季折々のお菓子を知るために、節気毎に店舗へ訪れた年も有りました。
6月のお目当ては、梅酒用で最盛期の「青梅」を模したお菓子が有るから。
外郎(ういろう)で作られる、その名もズバリの「青梅」のキュンとした酸味の虜なんです。酸味の正体は梅煮を濾したもの。
微かな梅の香を放つお菓子の登場に、鬱陶しい梅雨さえも待ち遠しい。
一年通して酸味を感じるお菓子は「青梅」だけかと。お味だけで無く、白餡が薄っすら透け、青梅が黄色く熟す様子までが、本物と見まがうほど。慈しみさえ覚えます。
梅雨時期の代表的なお菓子なので、他店でも「青梅」は作られますが、丁寧さが伝わる「一幸庵」さんでなければ満足出来ません(笑)
他に購入したのは「蛍草」葛粉を使用した涼やかお菓子です。
夏場の販売は無いため、そろそろ終売になる「わらび餅」
お菓子は単価486円
旦那さんは「お茶が主君、お菓子が家来」と例えます。お菓子を頂き、どんなに美味しくてもお茶を含んだ時に、口の中からさーっと消えてゆくことが理想だそうです。
確かに「一幸庵」さんのお菓子にはクドい甘さが有りません。
原材料を吟味され、出来上がりに納得しなければ、売り物にしない覚悟をされていると伺ったことがあります。
また、昨今人気のある抹茶原料のお菓子は主君がお茶なので、絶対にお作りにならないそうです。
信念を持った、頑固な職人気質の方かと思えば、和菓子には”何が何でも抹茶”と堅苦しいことを押し付けず、コーヒーや紅茶、はたまた洋酒を合わすことも提案される、柔軟な考えをお持ちの旦那さん。素晴らしいです。
和洋問わず、他店のお菓子を召し上がる旺盛な探究心にも感服致します。
視覚、味覚、嗅覚で季節を感じ、満たされる幸せを「一幸庵」さんのお菓子を通じて、ご教示頂いた様に思います。
また季節の移ろいを感じるために伺います。ご馳走様でした。