4回
2025/04 訪問
バランスと美しさを感じる
何度訪れても、いつも特別な気持ちになる「鮨しゅんじ」。予約の日が近づくたびにワクワクし、席に座った瞬間から幸せが広がっていく。
今回も例外ではなかった。いや、今回はさらに驚かされた——なんと活きたスミイカが登場。透明に輝くその姿に目を奪われ、捌かれた瞬間、小さくなる身に思わず「こんなに…?」と声が出そうになった。初めて見る光景に、鮨の奥深さをあらためて実感。
俊治さんの握る鮨には、いつも“美しさ”がある。単なる美味しさではなく、構成や口当たりに「バランス」と「やわらかさ」を感じる。そして、ふと訪れる小さな“驚き”。それは派手ではないが、確実に記憶に残るアクセントで、全体をぎゅっと引き締めてくれる。
接客にも料理にも、随所に丁寧な思考と優しさが感じられ、会話のひとつひとつにも温度がある。毎回、「あぁ、やっぱり来てよかった」と思わせてくれる。
そして個人的に楽しみにしているのが、俊治さんの酒器選び。ひとつひとつが美しく、料理との呼応を感じさせる。
2025/04/18 更新
2025/03 訪問
華やかさと調和、そのままに
カウンターに座ると、ふっと肩の力が抜けるような、あの静かな安心感。
今夜も、華やかさとバランスが絶妙に共存する一貫一貫。
大将の手元から生まれる鮨は、見た目にも美しく、
でも決して派手すぎず、すっと身体に馴染んでくる。
特に印象に残ったのは、剝皮魚とあん肝の組み合わせ。
よく見る“あん肝を巻き込む”スタイルではなく、
厚めに切られたあん肝を、剝皮魚の上に堂々と重ねる構成。
噛んだ瞬間、あん肝の濃厚さと魚の繊細さが口の中でふわっと広がって、
食感も、香りも、旨みの層も格段に豊かになっていた。
この店の良さは、進化しながらも、芯がぶれないこと。
変わらず、また来たくなる場所。
2025/05/05 更新
2024/12 訪問
迷いなく、前に進む人
やはり冬の鮨は格別だと、今夜あらためて感じた。
魚の脂の乗り、味の輪郭、ひとつひとつの握りがくっきりと響いてくる。
そしていつも変わらず感じるのが、俊治大将の安定感。
どんなときも、どんな素材でも、
笑顔を浮かべながら、ぴたりと決まったバランスで握ってくれる。
その爽やかさと、芯の強さがこの店の魅力のひとつ。
今夜の握りを見ながら思ったのは、
大将が日々「進化」し続けているということ。
型にはまらず、でもぶれず、
表現の幅を少しずつ広げていくその姿勢に、毎回静かに感動してしまう。
「この人は、自分の道をちゃんと歩いている」
そんな確信と安心をもらえる夜だった。
2025/05/02 更新
どの季節も欠かさず訪れたい店。
毎回、違った表情の寿司に出会えるからこそ、季節の移ろいが楽しみになる。
夏はネタの種類が少なくなる分、難しい季節とも言われるけれど、
この日の新子と雲丹は、本当に素晴らしかった。
新子はふんわりと柔らかく、水分を含んでいて、まさに旬の味。
なんと一貫で四尾も使われていて、贅沢そのもの。
この店の寿司は、季節が変わるたびに、また来たいと思わせてくれる。