2回
2025/11 訪問
時間が作る、食材の最深部
2025/11/25 更新
2025/08 訪問
甘美なる哲学
西洋の技法を纏いながらも、日本の心を忘れない。
最良の日本食材を用い、クラシックなフレンチの手法で丁寧に構築される一皿一皿。
だがその佇まいには、どこか静けさと引き算の美学が通っており、まさに日本的哲学を纏った表現だと感じる。
特に印象深かったのは「甘さ」の多様な表現。
砂糖の甘さではなく、素材の持つ自然な甘みや香ばしさ、温度による印象の変化など、
甘という概念を、様々な角度から立体的に構成していることが印象的だった。
派手さはない。
だが、一皿ごとに思索と余韻が残る、知的な時間を過ごせた。
また季節を変えて訪れたい。
2025/08/05 更新
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西麻布の 蒼。
こちらの料理は、表面的な華やかさではなく、
食材そのものの精髄をどこまで引き出せるかを追求しているように感じる。
ひと皿ひと皿に込められているのは、
ただの旨味ではなく、
時間が生み出す「鮮」と「甘」の物語。
火入れ、休ませる時間、熟成の度合い——
そのすべてが緻密に重ねられた結果、
食材が持つ本来の力が、最も美しい形で姿を現す。
特に印象的だったのは、
熟成したジャガイモ。
驚くほどに甘みが増し、
まるで丁寧に焼き上げたサツマイモのような香りとコク。
「ジャガイモがここまで変わるのか」と思わせる、
記憶に深く残る一品だった。
決して派手ではない。
でも、静かで、強く、そして深い。
食材の最も奥にある“光”を見せてくれるようなフレンチ。